JPH085508Y2 - 発光ダイオード表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ） 産業上の利用分野 本考案は多数の発光ダイオードランプを整列させた発
光表示装置に関する。

（ロ） 従来の技術 従来より、殊にドットマトリクス表示においては、多
数の発光ダイオードを整列させて選択的に点灯駆動する
装置が利用されている。この様な表示装置は例えば特開
平1-194478号公報等に示されているように、配線を施し
た四角形の基板を平面的に配置し、その面に垂直にラン
プが立つように多数の発光ダイオードランプを縦横に整
列させて固着し、その裏面などで駆動回路に接続をして
いる。

（ハ） 考案が解決しようとする課題 ところが先に例示した公報に記載されている如く、マ
トリクス表示器の配線は複雑で立体的で種々の線が長く
且つ入り乱れ易いと共に、発光ダイオード点灯の為には
大電流が必要なので配線には電流容量の大きなものが必
要となる。そこでこれを解決する一つの方法として、積
層された複数の基板を用いる事が為されている。然し乍
ら複数枚の基板を用いると、上層、中層の基板に於る半
田付け等の発光ダイオードランプの配線固着作業が煩雑
な上、発光ダイオードランプは表示態様に合わせてドッ
ト間隔が狭くなる様に近接して配置されるので、接続不
良や発光ダイオードランプの輝度低下等の不良発生に対
し補修が困難である。

この様な配線密度、配線の電流容量、取付け、補修に
おける問題点は、表示ドット数（発光ダイオードランプ
数）が多ければ多いほど、又表示密度が高いほど、そし
て発光色の種類が多ければ多いほど大きな問題点とな
る。

（ニ） 課題を解決するための手段 本考案は上述の欠点を改めるためになされたもので、
基板が略Ｔ字状を成す様に、コモン配線と複数の透孔を
有する長尺な表示面基板と、配線基板を略直交して固定
し、発光ダイオードランプを表示面基板の表面側に等間
隔で整列させ、そのリード線を透孔を貫通して配線基板
に接続するもので、より好ましくはリード線の固着によ
り両方の基板の固定を強固にし、あるいは表示面基板に
発光ダイオードランプの高さ合せのための凹部を設け、
表示面基板の表面を黒色にするものである。

（ホ） 作用 これにより最も電流容量の必要なコモン配線は配線基
板の側面に相当する場所に配置する事となるので幅広
く、最短距離配線ができ、また発光ダイオードランプの
配線固着は配線基板の側面で行うことができるから作業
性もよく補修も容易である。さらにはリード線の固着に
より両方の基板の固定を強固にし、あるいは表示面の高
さを統一させ、そして高いコントラストとすることがで
き、マトリクス表示の列又は行単位の管理が容易とな
る。

（ヘ） 実施例 第１図は本考案の発光ダイオード表示装置の側面断面
図、第２図はその要部側面図であり、第３図はそれらに
用いる基板の要部平面図である。

１は長手方向に沿うコモン配線11を裏面に有する長尺
な表示面基板で、発光ダイオードランプの配置すべき位
置に合わせて２列３個ずつの透孔12を有する長尺な下基
板15と、表面が黒色レジストからなる黒被膜13により覆
われ、発光ダイオードランプの配置すべき位置に合わせ
て透孔を有し下基板15と積層貼付されることでその透孔
が凹部14となるように形成された上基板16とで構成され
ている。またコモン配線12は透孔12の列の間、即ち下基
板15の裏面中央に直線的に幅広く設けられ、後述する配
線基板のパットに接続されるため長手方向の両側に突出
する接続パットを持つ。この様な接続パットは、発光ダ
イオードランプのコモンリード線が挿入される透孔12の
近傍を通るように配置されればパットとパットを接続す
る時にリード線を芯材とすることができるのでより好ま
しい。

２は表示面基板１の裏面中央部に長手方向を一致させ
た上で略直交して固定された配線基板で、表面側（上
側）にリードパット21、下側に端子部22を含む多数のパ
ターン配線が両面に設けられ、基板全体が略Ｔ字状を成
す様に構成されている。この様な基板は接着剤などで固
定してもよいが、コモン配線11の接続パットと配線基板
２のリードパット21若しくは島状パット23とを半田３等
で橋絡することで固定してもよい。

４は表示面基板１の表面側に等間隔で整列して設けら
れた発光ダイオードランプで、発光色の互いに異なる複
数の発光ダイオード素子41を有して透光性樹脂42でモー
ルドされており、リード線43は透孔12を貫通して配線基
板１のリードパット21に半田３で接続されている。

この様な構成において、発光ダイオードランプ４が例
えば赤、緑、青の三原色に対応する発光色のCaAlAs赤色
発光ダイオード、CaP緑色発光ダイオード、SiC青色発光
ダイオードをもち、リード線はコモンリード線を含めて
６本あるとすると、少なくとも４本の立体配線をしなく
てはならない。これらは通常複雑で長く蛇行した配線と
なる。然し乍ら、本考案においては、コモン配線12は既
に設けられているので、他の色個別信号に対する配線の
みを行えばよく、コモンリード線やダミーリード線は表
示面基板１と配線基板２とに跨るように橋絡半田モール
ドすれば両基板の固着強化となりより好ましい。

（ト） 考案の効果 以上の如くにより、最も電流容量の必要なコモン配線
は配線基板の側面に相当する場所に配置する事となるの
で幅広く、最短距離配線ができ、また発光ダイオードラ
ンプの配線固着は配線基板の側面でランプ毎に行うこと
ができるから作業性もよく補修も容易である。さらには
発光ダイオードランプ列を一列とすることでマトリクス
の列又は行単位の管理が容易となる。

そして発光ダイオードランプのコモンリード線の固着
により両方の基板の固定をより強固にすることができ
る。また表示面基板に発光ダイオードランプの凹部を設
ける事によって、管理され難い発光ダイオードランプの
底部の凹凸程度に係わらず発光ダイオードランプの表示
面の高さを統一することができる。そして表示面基板の
表面を黒色にする事で発光色が何色であっても高いコン
トラストとすることができ、フルカラーの大容量表示で
あっても組み立て易く表示品位のよいマトリクス表示装
置を容易に構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の発光ダイオード表示装置の側面断面
図、第２図はその要部側面図であり、第３図はそれらに
用いる基板の要部平面図である。 １……表示面基板、11……コモン配線、２……配線基
板、３……半田、４……発光ダイオードランプ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 田中 堅太郎 鳥取県鳥取市南吉方３丁目201番地 鳥取 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 実開 昭56−18653（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】コモン配線と複数の透孔を有する長尺な表
   示面基板と、基板が略Ｔ字状を成す様に表示面基板に略
   直交して固定された配線基板と、表示面基板の表面側に
   等間隔で整列して設けられ、前記透孔を貫通して配線基
   板に接続されるリード線を有する複数の発光ダイオード
   ランプとを具備したことを特徴とする発光ダイオード表
   示装置。