JPH0853771A - りん酸塩スラッジの処理方法 - Google Patents

りん酸塩スラッジの処理方法

Info

Publication number
JPH0853771A
JPH0853771A JP20808694A JP20808694A JPH0853771A JP H0853771 A JPH0853771 A JP H0853771A JP 20808694 A JP20808694 A JP 20808694A JP 20808694 A JP20808694 A JP 20808694A JP H0853771 A JPH0853771 A JP H0853771A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphate
sludge
iron
treatment
phosphate sludge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20808694A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroki Taguchi
寛樹 田口
Takashi Kojima
隆司 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nihon Parkerizing Co Ltd
Original Assignee
Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nihon Parkerizing Co Ltd filed Critical Nihon Parkerizing Co Ltd
Priority to JP20808694A priority Critical patent/JPH0853771A/ja
Priority to CN 95115376 priority patent/CN1126175A/zh
Priority to KR1019950024457A priority patent/KR0168498B1/ko
Publication of JPH0853771A publication Critical patent/JPH0853771A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/86Regeneration of coating baths

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 産業廃棄物の再利用としてのりん酸塩スラッ
ジの処理方法の提供。 【構成】 金属材料のりん酸塩化成処理において発生す
るりん酸塩スラッジを50重量%以下含有するpH7未
満のりん酸塩スラッジ含有液と鉄分とを密閉圧力容器内
に投入し、温度150℃以上、圧力4kg/cm2G以
上の条件下で2時間以上加熱加圧処理した後、沈殿物を
含む生成物を濾過し、沈殿物である不溶性の塩基性りん
酸鉄を回収するりん酸塩スラッジの処理方法。 【効果】 環境汚染上問題のない不溶性の塩基性りん酸
鉄を回収できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、産業廃棄物の再利用技
術として、金属材料をりん酸塩化成処理する際に発生す
るりん酸塩スラッジから環境汚染上問題のない不溶性の
塩基性りん酸鉄を回収するりん酸塩スラッジの処理方法
に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、防錆、塗装下地、電気絶縁及び潤
滑下地等の金属材料の表面処理として金属材料表面にり
ん酸塩皮膜を生成し、固着させるりん酸塩化成処理が行
われ、該りん酸塩化成処理は自動車、家電、鉄管及び建
材等工業的に広く利用されている。りん酸塩化成処理を
施すと、りん酸塩スラッジを発生するが、このスラッジ
は現在殆ど産業廃棄物として扱われており、その量は、
乾燥状態のスラッジとして国内のみで約5,000t/
年と言われている。近年、このりん酸塩スラッジの再利
用、いわゆるリサイクルに関する技術が研究、検討され
てきている。
【0003】りん酸塩スラッジの再利用技術としては、
脱水、乾燥、セメントとの混合固化による固定化の工程
を経て、スラッジを固定化し、埋め立て用に使用される
ことが多い。例えば特公昭55−19316号公報、特
公昭54−18667号公報及び特開平1−10008
号公報等には、りん酸塩スラッジをアルカリに溶解させ
てりん酸ナトリウムを回収する技術が開示されている。
【0004】同一出願人による特開平5−320938
号公報は、金属材料をりん酸塩化成処理する際に副生す
るりん酸塩スラッジに水を添加し、密閉容器中で加熱及
び加圧した後、生成物を濾過し、濾液であるりん酸を含
む溶液を回収するりん酸塩処理方法を記載し、りん酸塩
スラッジの新規な処理技術に関するものである。しか
し、特開平5−320938号公報は、りん酸塩スラッ
ジからりん酸を回収することを主体としたものであり、
りん酸塩スラッジそれ自体の再有効利用を図るものでは
ない。
【0005】しかしながら、環状では、多量に発生する
りん酸塩スラッジを再利用するにあたって画期的な再利
用先がなく、該りん酸塩スラッジは多額の処理費用を投
じて特定地区へ埋め立て或は海洋投棄等の措置を試みて
いる。これらの措置から懸念されている事項として、埋
め立てられたりん酸塩スラッジ成分が時間の経過ととも
に溶出し、土壌を汚染し、また、溶出水による地下浸透
から地下水の汚染の恐れがある。さらに、海洋投棄にお
いては海洋汚染を引き起こす恐れがあり、環境上問題が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の抱える問題点を解決し、環境汚染上の問題(海洋汚
染、土壌汚染等)がなく、再利用が可能なりん酸塩スラ
ッジの処理方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を解決するための手段について鋭意検討した結果、金
属材料のりん酸塩化成処理において発生するりん酸塩ス
ラッジに鉄分を加えて、密閉圧力容器中で加熱加圧処理
することにより、環境汚染上問題のない不溶性の塩基性
りん酸鉄を回収できることを新たに見出し、本発明を完
成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明は金属材料のりん酸塩化成処
理において発生するりん酸塩スラッジを50重量%以下
含有するpH7未満のりん酸塩スラッジ含有液と鉄分と
を密閉圧力容器内に投入し、温度150℃以上、圧力4
kg/cm2G以上の条件下で2時間以上加熱加圧処理
した後、沈殿物を含む生成物を濾過し、沈殿物である不
溶性の塩基性りん酸鉄を回収することを特徴とするりん
酸塩スラッジの処理方法に関するものである。なお、鉄
分いわゆる0価の鉄の添加量をりん酸塩スラッジ中の3
価の鉄イオン1モルに対して0.001モル以上または
2価の鉄イオンの添加量をりん酸塩スラッジ中の3価の
鉄イオン1モルに対して0.0005モル以上とするの
が望ましい。
【0009】以下、本発明の構成を詳しく説明する。本
発明で適用できるりん酸塩処理液としては、その処理対
象金属の種類及び目的(耐食性、塗膜密着性、塑性加工
用潤滑処理等の下地処理)によりいろいろな種類のもの
が考えられるが、代表的なものとしては、りん酸亜鉛系
皮膜処理液、りん酸マンガン系皮膜処理液、りん酸鉄系
皮膜処理液及びりん酸亜鉛カルシウ系皮膜処理液等があ
げられる。
【0010】また、りん酸塩化成処理の対象となる金属
材料としては、鉄、亜鉛、アルミニウム及びその合金が
あげられる。
【0011】それらの金属材料をりん酸塩化成処理する
際に発生する副産物のりん酸塩スラッジの代表的な組成
(乾燥状態)を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】表1に示すように乾燥したりん酸塩スラッ
ジの組成中には、りん酸イオンが最も多く含まれ、その
ほとんどがりん酸第二鉄という形の化合物を形成してい
る。本発明における処理においては、りん酸塩スラッジ
に必要に応じて水を添加する。添加する水は、工業用
水、水道水でも良いが、脱イオン水がより好ましい。な
お含水率50重量%以上のりん酸塩スラッジでは水を添
加せずに処理可能である
【0014】次に、りん酸塩スラッジ含有率を50重量
%以下にして、pH7未満に調整したりん酸塩スラッジ
含有液に鉄分を添加する。本発明において使用する鉄分
とは、金属鉄又は2価の鉄イオンの総称である。金属鉄
は不純物のできる限り少ない鉄が好ましいが、鉄管、鉄
粉、鉄棒、砂鉄、鉄線、鋼板、スチールウール及び鉄屑
等でも良い。また、酸に溶解している鉄分いわゆる2価
の鉄イオンを添加するには、密閉圧力容器の腐食を防ぐ
ため、密閉圧力容器の内面に防食コーティングしたもの
を用いる必要がある。その鉄分の添加量は、りん酸塩ス
ラッジ中の3価の鉄イオン1モルに対して鉄(0価)を
0.001モル以上とし、2価の鉄イオンで添加するに
際してはりん酸塩スラッジ中の3価の鉄イオン1モルに
対して0.0005モル以上とするのが好ましい。この
添加量未満では不溶性の塩基性りん酸鉄が生成しない。
【0015】りん酸塩スラッジ含有量が50重量%以下
で、pH7未満に調整したりん酸塩スラッジ含有液と鉄
分とを混合して密閉圧力容器に投入し、密封する。りん
酸塩スラッジ含有量が50重量%を超えたものは処理の
効果が低下するので好ましくない。また、pH7以上で
は水熱反応が起きず、りん酸塩スラッジの不溶化、再利
用化には至らない。密閉圧力容器は耐熱温度300℃以
上、耐圧力30kg/cm2G以上のものを使用するの
が好ましい。
【0016】りん酸塩スラッジ含有液と鉄分とを密閉し
た後、加熱加圧処理する。加熱温度は150℃以上が好
ましく、りん酸塩スラッジの処理による不溶化、再利用
化効率の面からより好ましくは170℃以上、さらに好
ましくは190℃以上である。 加圧圧力は4kg/c
2G以上が好ましく、りん酸塩スラッジの処理による
不溶化、再利用化効率の面からより好ましくは8kg/
cm2G以上、さらに好ましくは12kg/cm2G以上
である。前記所定温度に加熱加圧処理した後、2時間以
上保持する。2時間未満の保持時間では水熱反応が進み
にくい。
【0017】2時間以上保持した後、常温に冷却し、密
閉圧力容器を開封し、生成物を取り出す。この生成物
は、鉄分の添加量によって淡緑色から黒色を呈した沈殿
物と若干黄色味を帯びた溶液からなる。次に該生成物を
濾過する。この濾過して得た濾過残渣である沈殿物がり
ん酸塩スラッジを処理して得た不溶化、且つ、再利用に
容易な塩基性りん酸鉄である。これら一連のりん酸塩ス
ラッジの処理工程の概要を図1に示す。
【0018】図1に示したように、りん酸塩化成処理は
(1)の皮膜化成槽で処理される。ここで、りん酸塩ス
ラッジが生成される。次に、(2)の連続セットリング
タンクでりん酸塩化成処理液とりん酸塩スラッジとに分
離される。りん酸塩化成処理液は(1)の皮膜化成槽に
フィードバックされる。りん酸塩スラッジは(3)の濾
過機で脱水され、脱水されたりん酸塩スラッジ(4)
は、(5)運送され、(6)の備蓄タンクで備蓄され
る。備蓄したりん酸塩スラッジと水と鉄分(7)を
(8)の密閉圧力容器中に投入し、加熱加圧処理する。
処理後の生成物は(9)の中継槽に回収し、(10)の
濾過機で濾過し、(11)の塩基性りん酸鉄を得る。
【0019】該塩基性りん酸鉄は、X線解析により分析
した結果、Fe3(PO42(OH)2であることが判明
した。該塩基性りん酸鉄とりん酸塩スラッジとのX線解
析データの比較を図2に示す。
【0020】このようにして、りん酸塩スラッジを処理
することにより、不溶性で、且つ、再利用に容易な塩基
性りん酸鉄を得ることができる。本発明の処理条件では
塩基性りん酸鉄の生成率は85重量%以上である。本発
明の方法により、りん酸塩スラッジを処理して得られた
塩基性りん酸鉄の性質は、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸及
びりん酸等の酸に対して難溶性であり、アルカリに対し
てはpH12まで安定である。そのため、土壌中での塩
基性りん酸鉄成分の溶出がなく、安全である。本発明の
処理方法により得られた塩基性りん酸鉄の粒径は6〜1
0μm程度と比較的細かいので、各溶媒に対する分散
性、濾過性とも良いため、再利用が容易と考えられる。
【0021】
【作用】金属材料のりん酸塩化成処理する際に発生する
副産物のりん酸塩スラッジは、表1に示したようにりん
酸第二鉄(FePO4)が主成分である。該りん酸第二
鉄を含むりん酸塩スラッジに鉄分を添加、水の存在下、
密閉圧力容器中で150℃以上に加熱加圧処理すると次
式からの水熱反応と思われる反応がおこり、主成分
のりん酸第二鉄が鉄分の添加量によって淡緑色から黒色
の塩基性りん酸鉄を形成する。
【0022】 3FePO4+2H2O+H+ →Fe3(PO42(OH)2+H3PO4‥ Fe°+2H3PO4→Fe(H2PO42+H2 ‥ 2FePO4+Fe(H2PO42+H2O→Fe3(PO42(OH)2 +2H3PO4 ‥ + Fe°+2FePO4+2H2O→Fe3(PO42(OH)2+H2
【0023】式からより塩基性りん酸鉄の生成反応
は、pH7未満という酸性条件下でしか起らないことか
ら、該反応が溶液中の水とプロトンを消費する還元反応
を伴った加水分解反応であり、該反応は鉄分の添加によ
って促進されることが判明した。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を比較例とともに示す
が、本発明は、これらの実施例によって何ら限定される
ものではない。
【0025】実施例 1 実際の自動車ボディーのりん酸亜鉛化成処理ラインから
発生するりん酸塩スラッジを採取し、その処理テストを
行った。自動車ボディーのりん酸亜鉛化成処理ラインか
ら発生したりん酸塩スラッジを採取し、乾燥させたもの
の組成は、PO4;55.5重量%、Fe;17.1重
量%、Zn;5.8重量%、Mn;0.6重量%、N
i;0.6重量%、Na;1.7重量%で含水率55.
5重量%である。該りん酸塩スラッジ180kg、鉄粉
(鉄屑を粉砕したもの)6.8kgを容量1m3の密閉
圧力容器に投入し、更に、工業用水213kgを投入し
密封した。該りん酸塩スラッジ含有中のりん酸塩スラッ
ジ含有量は20重量%、りん酸塩スラッジ含有液のpH
は3.01であった。密閉圧力容器の内容物を250r
pmでプロペラ撹拌しながら、温度170℃まで加熱
し、更に170℃を6時間保持した。このときの圧力は
約7.5kg/cm2Gに上昇した。冷却後、密閉圧力
容器を開封し、生成物を濾過した。
【0026】濾過により沈殿物48kgを得た。沈殿物
は深緑色を呈しており、X線解析の結果から塩基性りん
酸鉄であることが判明した。この塩基性りん酸鉄は塩
酸、硝酸、硫酸、フッ酸、りん酸等に不溶性であり、耐
アルカリ性もpH12.5まで安定である。粒子の平均
粒径は6μmであった。X線解析データを図3に示す。
【0027】ここで実施例1で使用したりん酸塩スラッ
ジとその処理を施して得られた塩基りん酸鉄の溶出試験
(環境庁昭和57年告示44号)をおこなった。結果を
表2に示す。表2の結果から、環境庁昭和57年告示4
4号の溶出試験の規制値に対して、本発明の処理を施し
て得られた塩基性りん酸鉄は項目全て規制値を満足し
た。しかし、未処理のりん酸塩スラッジは溶解鉄イオン
が規制値の2倍、Znが規制値の4倍も検出された。
【0028】
【表2】
【0029】また、ここで実施例1で使用したりん酸塩
スラッジと本発明の処理を施して得られた塩基性りん酸
鉄のpH安定性試験、酸溶解試験をおこなった。pH安
定性試験は酸性からアルカリ性までのpH領域において
変色するか否かを目視で判定し、酸溶解試験は塩酸(試
薬一級)、硫酸(試薬一級)、フッ酸(工業用)、硝酸
(試薬一級)、熱硫酸及び王水それぞれ100mLに対
して、りん酸塩スラッジ及び塩基性りん酸鉄それぞれ1
gを投入して溶解するか否かを目視で判定した。pH安
定性試験結果を表3に、酸溶解試験を表4に示す。表3
の結果からりん酸塩スラッジは弱酸性から中性領域にお
いて安定であるがそれ以外の領域では変色して不安定で
ある。pHの高いアルカリ領域ではりん酸塩スラッジが
水酸化鉄になることによって茶色に変色した。しかし、
塩基性りん酸鉄は強アルカリ領域で若干変色が認められ
たがほとんどのpH領域で安定であることがわかった。
また、表4によりりん酸塩スラッジは全ての酸に溶解
し、塩基性りん酸鉄は塩酸、硫酸、フッ酸、硝酸にほと
んど難溶で、熱硫酸にわずかに溶解し、王水に長時間加
熱により溶解した。このことより塩基性りん酸鉄が非常
に溶け難く、安定であることがわかった。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】表2、表3及び表4の結果からりん酸塩ス
ラッジは本発明の処理を施すことによって、不溶性の塩
基性りん酸鉄が生成されたことが確認された。
【0033】実施例2 潤滑皮膜に用いられているりん酸マンガン処理から発生
するりん酸塩スラッジを対象としてテストを行った。り
ん酸マンガン処理から発生したりん酸塩スラッジの乾燥
状態の組成は、PO4;54.8重量%、Fe;23.
8重量%、Zn;0.03重量%、Ni;0.2重量
%、Mn;3.5重量%、Na;0.1重量%であり、
含水率30重量%であった。該りん酸塩スラッジ115
kg、鉄屑0.95kgを容量1m3の密閉圧力容器
(耐熱温度300℃、耐圧300kg/cm2G)投入
し、更に、脱イオン水284kgを投入した。りん酸塩
スラッジ含有液中のりん酸塩スラッジ含有濃度は20重
量%、pHは3.4であった。これを密封し、250r
pmでプロペラ撹拌しながら、温度170℃まで加熱
し、更に、6時間保持した。この時の圧力は約7.5k
g/cm2Gに上昇した。その後、常温まで冷却し、密
閉圧力容器を開封し、生成物を濾過した。
【0034】濾過により、沈殿物47kgを得た。沈殿
物は緑色を呈しており、X線解析の結果から塩基性りん
酸鉄であった。この塩基性りん酸鉄は塩酸、硝酸、硫
酸、フッ酸、りん酸等に不溶性であり、耐アルカリ性も
pH12以下まで安定である。粒子の平均粒径は6μm
であった。X線解析データを図4に示す。
【0035】実施例3〜6 りん酸塩スラッジ濃度を10重量%とし、鉄分の添加量
を表5に示すように変化させた場合の本発明によるりん
酸塩スラッジ処理方法の例で、処理温度、pH、圧力及
び処理時間等の条件は、表5に示す通りである。その処
理の結果、得られた生成物及び生成率を表5に併記し
た。
【0036】実施例7〜9 りん酸塩スラッジ濃度を20〜30重量%に増加させた
場合の本発明のりん酸塩スラッジ処理方法の例で、その
他の処理条件は表5に示す通りである。処理結果を表5
に併記した。
【0037】比較例1〜2 りん酸塩スラッジ含有液のpHが7を越える場合の例で
その他の処理条件は表5に示す通りである。処理結果を
表5に併記した。
【0038】比較例3 従来技術であるりん酸塩スラッジのアルカリ溶解法によ
る例である。処理結果を表5に併記した。
【0039】比較例4 処理圧力が極めて低い0.12kg/cm2Gの例で、
その他の処理条件は表5に示す通りである。処理結果を
表5に併記した。
【0040】参考例1〜2 鉄分が無添加の例であり、参考例1は処理圧力が2.7
6kg/cm2Gと低い例で参考例2は、スラッジ濃度
が80重量%と極めて高い例である。
【0041】実施例3〜9、比較例1〜4及び参考例1
〜2から次のことが言える。 本発明の処理方法を用いた実施例3〜9では不溶性の
塩基性りん酸鉄が生成し、該生成物の粒径は6〜10μ
mで緑色系の外観を呈しており、再利用に適している。 実施例3〜6に示すようにスラッジ濃度が一定で、鉄
分の添加量を増加させると、塩基性りん酸鉄の生成率は
増加する傾向にある。 実施例7〜9に示すように、スラッジ濃度が20〜4
0重量%と、実施例3〜6より増加しても本発明の処理
条件下では塩基性りん酸鉄が高濃度で生成する。 比較例1〜2に示すように、りん酸塩スラッジ含有液
のpHが7を超えた場合、比較例3に示すように従来の
アルカリ溶解法の場合及び比較例4に示すように処理圧
力が極めて低い場合には、いずれも塩基性りん酸鉄が得
られない。 参考例1〜2は、鉄分が無添加の例であるがりん酸第
二鉄が生成し、塩基性りん酸鉄は得られない。
【0042】
【発明の効果】本発明の処理方法を施すことで、りん酸
塩スラッジの廃棄に伴う埋め立て、海洋投棄から引き起
こされる土壌汚染、海洋汚染を防止することが可能とな
り、産業上の利用価値が大きい。
【0043】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】りん酸塩スラッジ処理工程図である。
【図2】りん酸塩スラッジと塩基性りん酸鉄のX線解析
図である。
【図3】自動車ボディーのりん酸亜鉛化成処理スラッジ
処理後の塩基性りん酸鉄のX線解析図である。
【図4】りん酸マンガン処理スラッジ処理後の塩基性り
ん酸鉄のX線解析図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属材料のりん酸塩化成処理において発
    生するりん酸塩スラッジを50重量%以下含有するpH
    7未満のりん酸塩スラッジ含有液と鉄分とを密閉圧力容
    器内に投入し、温度150℃以上、圧力4kg/cm2
    G以上の条件下で2時間以上加熱加圧処理した後、沈殿
    物を含む生成物を濾過し、沈殿物である不溶性の塩基性
    りん酸鉄を回収することを特徴とするりん酸塩スラッジ
    の処理方法。
JP20808694A 1994-08-09 1994-08-09 りん酸塩スラッジの処理方法 Pending JPH0853771A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20808694A JPH0853771A (ja) 1994-08-09 1994-08-09 りん酸塩スラッジの処理方法
CN 95115376 CN1126175A (zh) 1994-08-09 1995-08-08 磷酸盐淤浆的处理方法
KR1019950024457A KR0168498B1 (ko) 1994-08-09 1995-08-08 인산염 슬러지 처리 방법

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20808694A JPH0853771A (ja) 1994-08-09 1994-08-09 りん酸塩スラッジの処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0853771A true JPH0853771A (ja) 1996-02-27

Family

ID=16550413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20808694A Pending JPH0853771A (ja) 1994-08-09 1994-08-09 りん酸塩スラッジの処理方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JPH0853771A (ja)
KR (1) KR0168498B1 (ja)
CN (1) CN1126175A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100499546B1 (ko) * 2002-10-10 2005-07-05 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 알루미늄 합금 용탕의 처리 방법 및 그에 사용하는 플럭스
KR100729009B1 (ko) * 2000-01-19 2007-06-14 산키 고교 가부시키가이샤 하수 오니 또는 하수 오니의 소각재로부터 인을 회수하는 방법
CN111924819A (zh) * 2020-07-03 2020-11-13 山东毅聪新能源有限公司 废旧拆解磷酸铁锂正极材料回收再利用的方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100823997B1 (ko) * 2006-05-26 2008-04-23 평화오일씰공업주식회사 금속 부품의 인산염처리 방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100729009B1 (ko) * 2000-01-19 2007-06-14 산키 고교 가부시키가이샤 하수 오니 또는 하수 오니의 소각재로부터 인을 회수하는 방법
KR100499546B1 (ko) * 2002-10-10 2005-07-05 가부시키가이샤 고베 세이코쇼 알루미늄 합금 용탕의 처리 방법 및 그에 사용하는 플럭스
CN111924819A (zh) * 2020-07-03 2020-11-13 山东毅聪新能源有限公司 废旧拆解磷酸铁锂正极材料回收再利用的方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN1126175A (zh) 1996-07-10
KR0168498B1 (ko) 1999-01-15
KR960007450A (ko) 1996-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104310647A (zh) 不锈钢酸洗废酸液与废水处理的资源化利用方法
CN103395761B (zh) 一种处理利用磷化渣成磷酸盐及氧化铁红的方法
US5362459A (en) Neodymium recovery process
JP2006205154A (ja) 水酸アパタイト結晶を主成分とする吸着材の製造方法
CN102625777A (zh) 电镀污泥处理及纳米级铁氧化物的制造
JPH0853771A (ja) りん酸塩スラッジの処理方法
CN105731691A (zh) 一种酸性废水与焚烧灰耦合稳定化处理方法
CN108706844A (zh) 多金属危险废物中铁、铬、铝的分离回收方法及其应用
US11008221B2 (en) Polyferric sulphate solution
US3653875A (en) Recovery of metals and phosphate from waste phosphate sludge
CN105358486A (zh) 用于净化红泥的方法和装置
CN109897954B (zh) 一种用于冷轧铁泥的纯化方法
RU2282598C1 (ru) Способ химической стабилизации гальванических шламов, длительное время находящихся на хранении
CN104402145B (zh) 利用含亚铁盐废水制备氢氧化铁的生产方法
JP2975571B2 (ja) 汚泥類から重金属類を除去する方法
US5376342A (en) Process for recovering zinc phosphating make-up feed from zinc phosphate sludge
RO131973B1 (ro) Procedeu de recuperare selectivă a cromului, fierului şi zincului din nămoluri provenite din activitatea de acoperiri metalice, cu obţinerea de compuşi utili
CN109437316A (zh) 一种纳米级精细铁锌复合氧化物材料的制备方法
JP3073835B2 (ja) リン酸塩スラッジの処理方法
JP2008007606A (ja) バイオマス燃料の製造方法及びこれを利用したバイオマス燃料システム
US5350517A (en) Method of recycling phosphating sludges
US3647686A (en) Method of treating industrial waste water without contamination of the environment
RU2116978C1 (ru) Способ стабилизации суспензий гальванических шламов путем ферритизации
US5554294A (en) Method for dissolving sludge and recovering constituents therefrom
Kurama Treatment and recovery of nickel rich precipitate from plating plant waste