JPH0853250A - ペーパカット装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペーパカット作動時における紙づまりやニッ
ピングローラへの紙巻きつけを防いで、紙の撤去のため
のオペレータの負担と稼働時間のロスを軽減し、紙通し
作業等においても安全なペーパカット装置の提供。 【構成】 走行するウエブの一面に相対して配設された
ノコ刃を有する固定刃と、前記固定刃と同一ピッチ形状
のノコ刃を有する旋回刃を前記ウエブを挟んで前記固定
刃に相対する位置に配設し、紙づまり時に前記旋回刃が
旋回して前記固定刃のノコ刃と噛合うように係合して前
記ウエブを切断するペーパカット装置を構成し、紙づま
りやニッピングローラへの紙巻きつけを防止しオペレー
タの紙撤去のためのロス時間の軽減と紙通し作業時にお
ける安全性を図った。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、輪転印刷機の折機に設
けられるペーパカット装置に関し、ウエブをカットする
機能とカットされたウエブを排出する機能の向上および
安全性の向上をはかることができる。

【０００２】

【従来の技術】一般に、印刷機械の高速化に伴い、折機
の紙づまり時の機械保護のためにペーパカット装置が用
いられる。図５および図６は従来のペーパカット装置の
説明図である。ウェブ１は、フォーマ折りされた状態又
はウェブの流れ方向に沿ってスリットされたリボン状態
でニッピングローラ２にニップされて、折胴３に送られ
折胴３の針に刺された状態でウェブは切断されさらに咬
え折りされて折丁になって排出される。ペーパカット装
置３０は前記折胴３の前にあって、紙づまり時にウェブ
をカットして、折胴内へウェブが進入して折機に損傷を
与えるのを防止して機械を保護するために設けられる。
３１は切刃受でウレタンゴム等の弾性体が使用され切刃
３２と協働してウェブを切断する。通常ノコ刃から成る
切刃３２は切刃台に取付けられ、ブロック３４を介して
操作側および伝動側フレームに固定されているエアシリ
ンダ３５のロッドに固定されている。不図示の紙づまり
検知器（通常、光電管やリミットスイッチが使用されて
いる）が折機の紙づまりを検出すると、不図示の電磁弁
がペーパカット動作方向に切替り、エアーシリンダ３５
のロッドが前進して切刃３２が切刃受３１に当り、この
切刃受３１と切刃３２間のウェブを切断する。さらに、
切断されたウェブはカバーの上面を滑って排出される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た切刃が前進して切刃受に当り、切刃と切刃受の間のウ
ェブを切断するという従来のペーパカットの方法では、
機械運転中にペーパカットが作動して切断されたウェブ
の先端が切刃と切刃受にはさみこまれて排出されず、機
械が完全に停止するまでに送り込まれてきたウェブがペ
ーパカット装置の切刃と切刃受の上に集積し、ペーパカ
ットの上部にあるニッピングローラやその近くにある駆
動ローラ等に巻込まれる不都合が発生するため、紙の除
去作業のためにオペレータの負担および運転再開までの
時間を増大させ、場合によっては紙巻きしたニッピング
ローラが損傷するという問題があった。また、紙通し作
業あるいはペーパカット装置の近辺につまった紙の撤去
作業等を行う際に、切刃と切刃受の間に手を入れる事が
あり、そのとき切刃を作動するための電磁弁の誤動作等
によりペーパカットが作動した場合には非常に危険であ
るという安全上の問題があった。本発明の目的は、ペー
パカット作動時における紙づまりやニッピングローラへ
の紙巻きつけを防いで、紙の撤去のためのオペレータの
負担と稼働時間のロスを軽減し、紙通し作業等において
も安全なペーパカット装置を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るペーパカット装置は輪転印刷機の折機
に設けられたペーパカット装置において、走行するウエ
ブの一面に相対して配設されたノコ刃を有する固定刃
と、前記ウエブを挟んで前記固定刃に相対する位置に配
設され、前記固定刃のノコ刃と同一形状およびピッチを
有し、紙づまり時に旋回して前記両ノコ刃の山と谷同士
が噛合い係合しつつ前記固定刃の一方の面側から他方の
面側へ通過し前記ウエブを切断するノコ刃を有する旋回
刃とを備えたことを特徴とする。

【０００５】また、本発明のペーパカット装置は前記旋
回刃が旋回し前記両ノコ刃が相互に噛合い係合すると
き、前記両ノコ刃の山と谷が小さな隙間を形成するよう
にようにしたことを特徴とする。

【０００６】さらに、本発明のペーパカット装置は前記
固定刃の上面に弾性体の安全カバーを具備したことを特
徴とする。

【０００７】そして、本発明のペーパカット装置は前記
弾性体の安全カバーをウレタンゴム製としたことを特徴
とする。

【０００８】

【作用】本発明のペーパカット装置によれば、ペーパカ
ット作動の際、旋回刃が旋回して、そのノコ刃が固定刃
の先端部にあるノコ刃と歯形が噛合うように係合してウ
ェブを切断して後、さらに旋回して固定刃の上面側まで
移動する。そのため、切断されたウェブの先端が固定刃
と旋回刃の間に挟まれて紙がつまることがない。また、
紙通しの際は、旋回刃がウェブを切断する前の元の位置
にもどしてあるので、固定刃と旋回刃の間には十分隙間
があり紙通し作業が容易であり、電磁弁の誤動作等の不
測の事態が起っても危険が少なく安全に作業を行える。

【０００９】

【実施例】以下、本考案の実施例を図１ないし図４によ
り説明する。説明に際し、従来例と同一部材は同一符号
を付して説明を省略し、新に変更した部材のみ新番号を
付して説明を行う。図１において、オフセット輪転印刷
機等の印刷機の折機部分に設けられて、折機に挿入され
てくる走行ウエブ１を引張りローラ２と押えコロ４が協
働して折胴３に送り紙折りが行われる。この折機は、こ
の引張りローラ２および押えコロ４と折胴３との間に、
紙づまりが発生したときに、直ちに機械運転を急停止す
るように作動すると共に、機械が完全に停止状態に至る
までに折胴３に送入されるウエブをカットしてウェブが
ニッピングローラや折胴３等に巻込まれて折機が損傷す
るのを防ぐためのペーパカット装置２０を備えている。
本実施例のペーパカット装置２０においては、操作側折
機フレーム２３および伝導側折機フレーム２４の夫々に
固着したブラケット１８に前記両折機フレーム間に渡っ
て細長い切刃取付板１７を取着し、この切刃取付板１７
の上面に固定刃１１を固定している。この固定刃１１は
細長い薄い板から成り、全長に渡って片側にノコ刃２１
を有し、その全体の長さはウエブ１の全幅よりも少し長
くしてあり、ウエブ１の片面に近い位置でしかもノコ刃
２１の刃先が上から下へ垂直に走行するウエブ１に沿う
ようにして、水平に対し斜めに上向きの角度で固定刃１
１が配設されている。

【００１０】また、旋回刃１２は、ウエブ１を境にして
固定刃１１の反対側に設けられ、両折機フレーム間に渡
って、回動自在に取付けられた軸１３に固着されてい
る。この旋回刃１２は細長い薄い板から成っており、そ
の一側端の全長に渡ってノコ刃２２を設けている。通常
は、この旋回刃１２をノコ刃２２を下向きにし、その反
対側の端部を軸１３に固定している。この軸１３にはア
ーム１４が固着され、このアーム１４にはナックル２５
を介してエアシリンダ１５のピストンロッドが連結さ
れ、このエアシリンダ１５のピストンロッドを押出すこ
とにより旋回刃１２を揺動するようにしている。この旋
回刃１２のノコ刃２２は、前記固定刃１１のノコ刃２１
のピッチと形状が全く同一で、旋回刃１２を軸１３を中
心にして旋回し、この固定刃１１のノコ刃２１の山とノ
コ刃２２の谷が合致し固定刃１１の位置を通過するよう
に位相を同一にしている（図３および図４に図示）。

【００１１】このように、エアシリンダ１５によって、
ナックル２５を介してアーム１４を揺動し旋回刃１２の
ノコ刃２２がウエブを押して旋回して固定刃１１の位置
を通過する。これによって、固定刃１１のノコ刃２１と
旋回刃１２のノコ刃２２でウエブを確実に切断し、図１
に示すように旋回刃１２は傾斜して取付けられた固定刃
１１の上方位置に斜めに停止状態となり（２点鎖線で図
示）、切断されたウエブの後続部を旋回刃１２の上面と
固定刃１１の上面に沿って図３に示すように折胴３やロ
ーラ等に接触しない折機の側方の排出方向に排出する
（図１において左下方へ）。

【００１２】

【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
旋回刃の旋回により固定刃のノコ刃と旋回刃のノコ刃の
歯型の形状が合致してウェブを切断するので、ウェブを
確実にカット出来るという効果がある。また、ウェブが
切断されたとき、源流側ウェブの先端を押えたりさえぎ
ったりするものが無いため、機械の完全停止までの間に
折機に送り込まれるウェブの先端は旋回刃の上面に沿っ
て折機の側方の外側に排出され、折機の胴やローラ等に
巻込まれることがなく折機を損傷しないという効果があ
る。さらに、ノコ刃が旋回する方式なので、紙通し作業
等においても両ノコ刃間に手等が挟まれることのない構
造であるため大幅に安全性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す側面図

【図２】前記実施例を示す平面図（図１のＹ−Ｙ断面
図）

【図３】前記実施例の動作説明図

【図４】前記実施例の固定刃と旋回刃の関係位置図

【図５】従来例の概略側面図

【図６】前記従来例を示す平面図（図５のＺ−Ｚ断面
図）

【符号の説明】

１１ 固定刃 １２ 旋回刃 ２０ ペーパカット装置 ２１ ノコ刃 ２２ ノコ刃

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】輪転印刷機の折機に設けられたペーパカッ
   ト装置において、走行するウエブの一面に相対して配設
   されたノコ刃を有する固定刃と、前記ウエブを挟んで前
   記固定刃に相対する位置に配設され、前記固定刃のノコ
   刃と同一形状およびピッチを有し、紙づまり時に旋回し
   て前記両ノコ刃の山と谷同士が噛合い係合しつつ前記固
   定刃の一方の面側から他方の面側へ通過し前記ウエブを
   切断するノコ刃を有する旋回刃とを備えたことを特徴と
   するペーパカット装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載したペーパカット装置にお
   いて、前記旋回刃が旋回し前記両ノコ刃が相互に噛合い
   係合するとき、前記両ノコ刃の山と谷が小さな隙間を形
   成するようにようにしたことを特徴とするペーパカット
   装置。
3. 【請求項３】請求項１に記載したペーパカット装置にお
   いて、前記固定刃の上面に弾性体の安全カバーを具備し
   たことを特徴とするペーパカット装置。
4. 【請求項４】請求項３に記載したペーパカット装置にお
   いて、前記弾性体の安全カバーをウレタンゴム製とした
   ことを特徴とするペーパカット装置。