JPH085254A - めっきにおける連続べーキング炉 - Google Patents

めっきにおける連続べーキング炉

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JPH085254A
JPH085254A JP15912094A JP15912094A JPH085254A JP H085254 A JPH085254 A JP H085254A JP 15912094 A JP15912094 A JP 15912094A JP 15912094 A JP15912094 A JP 15912094A JP H085254 A JPH085254 A JP H085254A
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continuous baking
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Chuichi Ota
忠一 太田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 べーキング炉を簡潔化しかつ炉内容積を小型
化することにより温度保障を容易化する。 【構成】 めっき済みのワークが収容された処理篭を炉
室20内に搬入し、通過する間に過熱乾燥させる装置で
ある。段積み機10により処理篭Bを少なくとも2段に
積み重ね、そのまま搬入口21から炉室20内へ搬入
し、同室内に設けてある搬送手段23(A、B、C)に
より搬出口22へ搬送する。炉室20は直線状であり、
バーナー31により加熱された気流を循環させ、温度勾
配の少ない加熱環境を形成するために循環ファン32を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、めっき済みのワークが
収容された処理篭をそのまま炉室内に搬入し、そこを通
過させる間に加熱乾燥を行なうめっきにおける連続べー
キング炉に関するものである。
【0002】
【従来の技術】めっき工程において、べーキング処理を
連続的に行なうことは公知であった。しかしべーキング
炉内に設置してある搬送用バスケット類へのワークのあ
け替えを必要としていたため、炉内構造の複雑化である
とか、運用、保守等の不利、或いはあけ替えの際に異品
が混入するおそれがあるなどという問題があった。
【0003】そこで本発明者はさきに、ワークを収容し
たバスケット(処理篭)をそのままべーキング炉内に通
し、また炉外へ搬出する、あけ替えをなくした連続べー
キング炉を開発し、出願は既に登録されている(実公平
2−631号)。そのべーキング炉は多段のターンテー
ブルを2基左右に配置し、それらの間を移送手段により
連絡し、ワークをらせん状或いはループ式に回送する間
に加熱乾燥するものであった。
【0004】この連続べーキング炉は技術的に高く評価
され、また営業的にも大きな成果を挙げたが、長年の運
用により幾つかの技術的な課題が見出された。その一つ
はワークを収容した処理篭がループ式に回送されるた
め、ベーキング炉の炉内容積が非常に大きくなること、
もう一つは両端にターンテーブル機構を多段に設け、各
段を連絡する移送手段も多段に設けなければならないた
め、機構的な複雑さがあることである。また処理篭は1
個1個搬入され、かつ搬出されるためシャッタの開閉頻
度が高く、炉内温度に影響が出やすいという問題もあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の点に着
目してなされたもので、その課題とするところはめっき
に於ける連続ベーキング炉の内部機構を簡潔にするとと
もに、炉内容積を小さくすることにより炉内の温度保障
を容易化することである。
【0006】特に本発明は、亜鉛めっき後のワークのあ
け替えをすることなく、遠心脱水、ベーキング処理、ク
ロメート処理及びその後の遠心脱水の各処理工程を一貫
して全自動運転するシステムに適合したベーキング炉を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、めっきにおけるベーキング炉において、処理
篭を保持し、搬入台上にて少なくとも2段に積み重ねる
ために昇降可能な保持体を有する段積み機を炉室の搬入
口側に設置し、その搬入口を一端に開閉可能に設け、同
様に開閉可能な搬出口を他端に設けた直線状の炉室を段
積み機に続けて設置し、積み重ねた処理篭を前記搬入口
から搬出口へ搬送する搬送手段を炉室のほぼ全長に亘っ
て設け、さらにバーナにより加熱された気流を炉室全体
へ循環させ温度勾配の少ない加熱環境を形成するための
循環ファンを有する加熱手段を炉室に設けるという手段
を講じたものである。
【0008】処理篭は多段に段積みされ、かつそれを通
す炉室は直線的であることが望ましく、それにより搬送
機構の単純化と炉内容積の小型化に寄与し、かつ温度保
障の容易化を達成することができる。またベーキング炉
前後の各処理工程との配置調整も容易化する。
【0009】段積み機は先行処理篭を持ち上げ、後続処
理篭の上に積むため、処理篭1個を越える程度の昇降量
があれば十分である。また直線状のコンベアのみで構成
可能なため炉内容積の有効利用に貢献し、加熱乾燥のた
めの構成を搬送系路のほぼ全域に亙って設けることを可
能にしている。
【0010】ベーキングのための炉室はしたがって直線
的であるが、全体を単一の構造体とする必要はなく、一
定の長さの炉室を1単位としてそれらを長さ方向へ2単
位以上連続して接続する構成をとっても良い。1個の処
理篭中に収容されているワークのベーキング処理に必要
な時間はほぼ決まっているので、処理篭の要処理量に応
じて炉室の全長を設定することができる。
【0011】
【実施例】図1以下に亜鉛めっき用連続ベーキング炉の
例を示す。
【0012】ワークはめっき工程を経たあと処理篭Bと
してのバスケットに一定量ずつ収容され、処理篭Bは横
行台車Dの移動により処理篭移載機Eの一方の移動端へ
移動させられ、移載機Eによって遠心脱水機Fに運ばれ
て水切りされ、そのあとで搬入台11上の一端へ移載機
Eによって移載させられる。
【0013】なお、処理篭Bは図3に示すように、例え
ばステンレスよりなるパンチングメタル製の低い円筒型
に形成された、従来公知の形態で良いが(実公平2−6
31参照)、積重時のずれを防ぐために篭上面と下面に
互いに係合可能なずれ止め15、16を設けると良い。
【0014】搬入台11にはローラコンベア14が処理
篭移動手段として設けてあり、それによって定位置Pへ
移動した処理篭Bを持ち上げるための段積み機10が台
側に設けてある。段積み機10は、ローラコンベア14
上の定位置Pにある処理篭Bを保持する腕状の保持体1
2を有しており、保持体12は段積み機10に設けたピ
ストンシリンダ機構により成る駆動機構13によって機
柱に沿って昇降可能である。保持体12の昇降量は先行
処理篭の下に後続処理篭を入り込ませるために1個の処
理篭Bの高さをやや上回る程度あれば良い。
【0015】段積み機11に続けてベーキングのための
炉室20が設置される。炉室20は直線状に処理篭Bを
搬送する過程においてワークを加熱乾燥(ベーキング)
するもので、一端に搬入口21を有し、他の一端に搬出
口22を有する。搬入口21からは、前段の段積み機1
0によって数段(図では5段)に積み重ねられた1ロッ
トの処理篭B′を炉内へ受け入れる。
【0016】搬送手段23としてローラコンベアが炉室
20の底部近くに設けてある。この搬送手段23は炉室
20の搬送入口21から搬出口22まで処理篭を段積み
のままかつ前後に相接して搬送することができ、搬入側
コンベア(A)と、長大な中間の搬送コンベア(B)及
び搬出側コンベア(C)の3部分から成る。搬入側コン
ベア(A)は段積みされた1ロットの処理篭を炉内へ一
旦受け入れるもの、搬出側コンベア(C)は同じ炉外へ
1ロットずつ搬出するもので搬送コンベア(B)より高
速で搬送する。各コンベア23(A、B、C)は各別に
又は同時に作動可能なモータ26a、26b、26cを
夫々備えている。搬送手段23はチェンコンベアでも良
い。
【0017】炉室20への搬入口21と搬出口22には
そこを開閉するためのシャッタ24、25が昇降式に設
けられる。各シャッタ24、25は開閉用駆動機構2
7、28によって作動する。該機構27、28は搬入台
11及び搬入側並びに搬出側コンベア23(A)、23
(C)と連動させ、段積みされた処理篭Bが炉内へ進入
又は炉外へ進出する時に自動的に開閉するようにするこ
とができ、例示のものはそのような構成になっている。
シャッタ24、25の開閉方向は任意で良いが、例示の
如く昇降式にすると装置の幅を狭くまとめ易い。
【0018】このべーキングのための炉室20は、同一
構造を有する直方体形の単位炉室40からなり、単位炉
室40は搬送手段23の下側を覆う下面34と、積み重
ねを予定する段数の高さ(例示の場合は5段積み分の高
さ)をやや上回る室内高を確保した位置に設けた天面3
5、及び搬送される処理篭の列の左右に接近して設けた
左、右側壁36、37によって、4周を囲まれた乾燥空
間38を有している。乾燥空間38の上には天面35に
よって画成された加熱空間39が設けてある。両空間3
8、39は前後及び左右の壁面に形成された通気口4
1、42、43によって通じている。
【0019】そのような炉室20内に温度勾配の少ない
加熱環境を形成するため、バーナ31と、それにより加
熱された気流を炉室20の全体へ効果的に循環させる循
環ファン32とを有する加熱手段30が設けられる。バ
ーナ31は加熱空間39へ熱風を噴射するもので、循環
気流によって火炎が乱されるのを防止するとともに、気
流を循環ファン32の入口45へ向けるためのフード3
3を設けている。循環ファン32は加熱空間39の下手
を絞るように仕切る仕切板44の外側に配置し、加熱気
流を仕切板44外に吸引して複数部分に分かれた前記送
り用の通気口41及び42を経て炉室内へ送り込む。4
4aは仕切板先端に設けた整形体であり、入口45へ向
かう気流の乱れを防止するとともに加速する。また気流
の抵抗を少なくし、熱溜りの発生を防ぐ。
【0020】送り用の通気口41は熱気流をダクト状に
分割して送る、隔板45に連続している。隔板45で区
画された各ダクト状部は左右の側壁36、37に形成さ
れたスリット状の通気口42に連通している。また加熱
後の気流は環流用の通気口43から加熱空間39へ環流
し再加熱される。この環流構成により加熱気流の高速化
が達成され、温度勾配の少ない炉内環境を実現し易くな
る。
【0021】単位炉室40を対称に2組連続配置する
と、この中に設ける加熱乾燥手段30も対称配置となる
(図1、図2)。この場合加熱気流は中央部から搬入口
21或いは搬出口22へ向かって流れる間にワークを加
熱することとなる。
【0022】炉室20の搬出口22から搬出された各ロ
ットの処理篭B′は搬出台46を経て昇降機47である
リフタに載せられて停止し、その上方に設置した段ばら
し機50の移載機51によって、冷却機52の搬送台5
3上へ1個ずつ移載され、次工程のクロメート処理機へ
送られる。図中54は断熱材を示す。
【0023】このように構成された本発明に係る装置で
は、めっきされた多数の小製品からなるワークを収容し
た処理篭Bを段積み機10により所定の段数に積み重
ね、そのまま炉内へ搬入する。このためシャッタの開閉
時間を1個ずつ搬入する場合の数分の1に減少させるこ
とができる。
【0024】炉室20内へ搬入された1ロット多段積み
の処理篭B′は前後相接するように直進する間に熱風に
よって乾燥する。実施例では上中下3段に熱風の吹出口
(通気口42)を設けているため、下から上までの全部
の処理篭に均等に熱風が行き渡る。このためどの段にあ
るワークも同じ条件でべーキング処理を受けることとな
る。
【0025】なお、亜鉛めっきの場合、酸洗工程におい
てめっき製品の金属表面組織に水素分子が侵入し、これ
を放置すると脆性破壊の原因となるためべーキングによ
り水素分子を排除する。この工程は亜鉛めっき直後、ク
ロメート処理の前に行なう必要がありそれらの各工程を
連続的にワークが流れるようにすると好都合であるが、
本発明の装置は以上の構成のため上記の要請に応じ、亜
鉛めっき後のワークのあけ替えをすることなく、遠心脱
水、ベーキング処理、クロメート処理及びその後の遠心
脱水の各処理工程を一貫して全自動運転するシステムに
適合したベーキング炉を提供できることが明らかであ
る。
【0026】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成され、かつ作用
するものであるから炉室が直線状、直方体形に形成さ
れ、その中を段積み状態で移動する処理篭の搬送機構も
単純であり、炉室全体が直線状の通気ダクトとなって多
数のワークを処理篭に詰めたままべーキングすることが
でき、直線状の炉室は炉内要積を小さくし、かつ炉壁表
面積が小さくなるため熱放散を減少することができ、し
かも炉内温度分布の均一化を図り易く従って温度保障が
容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るめっきにおける連続べーキング炉
の1実施例を示す側面図。
【図2】図1のものの平面図。
【図3】処理篭の1例を示す断面図。
【図4】図1のIV−IV線横断面図。
【図5】図1のV−V線断面図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F27D 7/04 8926−4K

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき済みのワークが収容された処理篭
    をそのまま炉室内に搬入し、そこを通過させる間に加熱
    乾燥を行なうめっきにおける連続べーキング炉であっ
    て、処理篭を保持し、搬入台上にて少なくとも2段に積
    み重ねるために昇降可能な保持体を有する段積み機を炉
    室の搬入口側に設置し、その搬入口を一端に開閉可能に
    設け、同様に開閉可能な搬出口を他端に設けた直線状の
    炉室を段積み機に続けて設置し、積み重ねた処理篭を前
    記搬入口から搬出口へ搬送する搬送手段を炉室のほぼ全
    長に亘って設け、さらにバーナにより加熱された気流を
    炉室全体へ循環させ温度勾配の少ない加熱環境を形成す
    るための循環ファンを有する加熱手段を炉室に設けたこ
    とを特徴とするめっきにおける連続べーキング炉。
  2. 【請求項2】 段積み機は、処理篭の高さを越える高さ
    だけ先行の処理篭を搬入台上に持ち上げ、後続する処理
    篭の上に積み重ねる保持体の駆動機構を有する請求項第
    1項記載のめっきにおける連続べーキング炉。
  3. 【請求項3】 積み重ねられた処理篭を通過させる搬入
    口と搬出口に、夫々を開閉させるシャッタが昇降式に設
    けてある請求項第1項記載のめっきにおける連続べーキ
    ング炉。
  4. 【請求項4】 搬送手段はローラコンベアからなり、か
    つ搬入口において進入してくる処理篭を受け入れるため
    に設けた搬入側コンベアと、搬出口間近の炉室内に設け
    られ、処理篭を炉外へ搬出するために相対的に高速で作
    動する搬出側コンベア、及びそれら両コンベア間にあっ
    て、処理篭内のワークの乾燥に必要な速度で、積み重な
    った処理篭を搬送する搬送コンベアとを具備している請
    求項第1項記載のめっきにおける連続べーキング炉。
  5. 【請求項5】 バーナは、循環ファンによって循環する
    気流を循環ファンの入口へ導入するためのフードを有し
    ている請求項第1項記載のめっきにおける連続べーキン
    グ炉。
  6. 【請求項6】 炉室は搬送手段の下側を覆う下面と、積
    み重ねを予定する段数に応じた処理篭の高さをやや上回
    る高さで搬送方向へ設けられた天面、及び連続して搬送
    される処理篭の列の左右に接近して設けられた左右の壁
    面とによって囲まれた乾燥空間を有しており、バーナ炎
    口と循環ファンとは、乾燥空間と天面によって区画され
    た加熱空間に設置してあって、乾燥空間と加熱空間とが
    天面の前後、及び左右の壁面に形成された通気口によっ
    て通じた構成を有する請求項第1項記載のめっきにおけ
    る連続べーキング炉。
  7. 【請求項7】 炉室は、同一の構造を有する単位炉室を
    搬送方向へ2組又は2組以上を直線的に接続したものか
    らなる請求項第1項記載のめっきにおける連続べーキン
    グ炉。
  8. 【請求項8】 ワークは亜鉛めっき工程を終了したもの
    であり、そのワークを処理篭に収容したまま遠心脱水
    し、その後クロメート処理するために、遠心脱水機とク
    ロメート処理機との間に配置されることを特徴とする請
    求項第1項記載のめっきにおける連続べーキング炉。
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