JPH0852301A - 被乾燥物の乾燥方法 - Google Patents

被乾燥物の乾燥方法

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JPH0852301A JP6209246A JP20924694A JPH0852301A JP H0852301 A JPH0852301 A JP H0852301A JP 6209246 A JP6209246 A JP 6209246A JP 20924694 A JP20924694 A JP 20924694A JP H0852301 A JPH0852301 A JP H0852301A
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は被乾燥物3を巻き上げつつ、遠心力
によって伝熱面2に押し付け乾燥させる乾燥方法を提供
することを主要な目的とする。 【構成】 遠心力Pによって伝熱面2に押し付けた被乾
燥物3を伝熱面2からの熱によって乾燥せしめる被乾燥
物3の乾燥方法に於て、上記被乾燥物3を最下部の複数
箇所から上方に向けて巻き上げつつ、遠心力Pによって
伝熱面2に押し付け、上記被乾燥物3の巻き上げ時に、
上記伝熱面2に接触して水分蒸発し、含水率の低くなっ
た被乾燥物3を、含水率の高い被乾燥物3と入れ換える
ようにして上記巻き上げた被乾燥物3を空間Aに面する
蒸発面Fに移動させつつ、後から巻き上げる被乾燥物3
で先に巻き上げた被乾燥物3を上方へ押し、上記被乾燥
物3を伝熱面2に沿って連続して上昇させていくことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被乾燥物の乾燥方法に係
わり、更に詳しくは、上記被乾燥物を最下部の複数箇所
から上方に向けて巻き上げつつ、遠心力によって伝熱面
に押し付け乾燥させる乾燥方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知の通り、液状、流動状又は半流動状
或は粉末状、粒粉末状等の被乾燥物を乾燥させる方法が
種々ある。
【0003】その一例として、本出願人は先に実開平3
−19501号公報で示した乾燥方法を提案した。即
ち、最下部一箇所から被乾燥物を下から上へ順次螺旋状
に上昇せしめ、最上部に達した被乾燥物を下部に落下せ
しめ、再び上昇せしめて循環させる。そして、上記上昇
過程で遠心力によって被乾燥物を伝熱面に押し付けて乾
燥せしめる。更に、上記伝熱面に接触して水分が蒸発
し、含水率の低くなった被乾燥物を含水率の高い被乾燥
物と入れ換えるようにして空間に面する蒸発面に移動さ
せ、更に水分蒸発を促進して乾燥せしめる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による
と、次の点に於て幾つかの不具合を有する。即ち、
(1)上記被乾燥物を螺旋状に上昇させるときの始まり
箇所は一箇所である。この為、上記最下部に位置する被
乾燥物の全量に比して上昇する量が少なく、早期に被乾
燥物を伝熱面に接触させることが難しいと共に、最下部
に被乾燥物が溜り易く、乾燥効率を向上させることが難
しかった。
【0005】また、(2)上記被乾燥物は、上昇過程で
一系統の道を通るように螺旋状に上昇してゆく。所が、
上記被乾燥物が粘性の強い被乾燥物等であったりした場
合、この被乾燥物が伝熱面等に付着し、そこから団子状
に拡大する等して上記被乾燥物の上昇をせき止める危険
性が大きかった。
【0006】更に、(3)上記被乾燥物は螺旋状に上昇
する為、各上下の被乾燥物の間である程度の間隔が開い
てしまうものであった。その為、全伝熱面の面積に比し
て使用されない。つまり被乾燥物が接触しない面積が比
較的大きく、伝熱面全面を有効に活用していなかった。
【0007】また、(4)上記被乾燥物は、下から上へ
順次螺旋状に上昇させて、最上部に達した後落下させ、
再び上昇せしめる。この間に上記伝熱面から被乾燥物に
熱を与えて乾燥させる。そこで上記被乾燥物を効率良く
乾燥させる為に、種々の被乾燥物によって最良の上昇速
度がある。ここでもし、上記被乾燥物の乾燥効率が最も
良い上昇速度を超えて高速にすると、上記伝熱面からの
熱が被乾燥物に良好に伝わって乾燥する前に被乾燥物が
最上部に達してしまい、結果何度も上下の循環を繰り返
すことになってしまうと共に、乾燥効率も悪くなる。即
ち、種々の被乾燥物を最も効率良く乾燥させようとした
場合、上記被乾燥物の上昇速度の調節はかかせないもの
であり、逆にこの調節が面倒なものであった。
【0008】従って、本発明の目的とする所は、(1)
最下部にある被乾燥物を早期に伝熱面に接触させて乾燥
効率を向上させ、また、(2)粘性が強い被乾燥物等が
伝熱面に付着して、被乾燥物の停滞を招く危険性が小さ
く、更に、(3)伝熱面全面を有効に活用し、そして、
(4)面倒な調節等がなく被乾燥物を効率良く乾燥せし
める技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決する為の手段】上記目的を解決する為に、
本発明は次の技術的手段を有する。即ち、実施例に対応
する添付図面中の符号を用いてこれを説明すると、本発
明は、遠心力Pによって伝熱面2に押し付けた被乾燥物
3を伝熱面2からの熱によって乾燥せしめる被乾燥物3
の乾燥方法に於て、上記被乾燥物3を最下部の複数箇所
から上方に向けて巻き上げつつ、遠心力Pによって伝熱
面2に押し付け、上記被乾燥物3の巻き上げ時に、上記
伝熱面2に接触して水分蒸発し、含水率の低くなった被
乾燥物3を、含水率の高い被乾燥物3と入れ換えるよう
にして上記巻き上げた被乾燥物3を空間Aに面する蒸発
面Fに移動させつつ、後から巻き上げる被乾燥物3で先
に巻き上げた被乾燥物3を上方へ押し、上記被乾燥物3
を伝熱面2に沿って連続して上昇させていくことを特徴
とする被乾燥物の乾燥方法である。
【0010】また、他の特徴とする所は、上記被乾燥物
3を最下部の複数箇所から上方に向けて巻き上げつつ、
遠心力Pによって伝熱面2に押し付ける工程を、上下方
向で多段となるよう繰り返し、最下段の最下部の被乾燥
物3を順次上段の工程に移しつつ、最上段の最上部まで
連続して上昇させることを特徴とする。
【0011】
【作用】上記乾燥方法によると、(1)被乾燥物3を複
数箇所から巻き上げることにより、被乾燥物3が早期に
伝熱面2に接触し、最下部に被乾燥物3が溜りにくい。
また、(2)上記被乾燥物3を巻き上げつつ、伝熱面2
に押し付けて乾燥させることにより、粘性の強い被乾燥
物3等が伝熱面2に付着しにくく、例え付着した場合で
も、上記被乾燥物3を一系統の道を通るような上昇では
なく、伝熱面2全面に渡って全体的に上昇させるので、
被乾燥物3が停滞することがない。更に、(3)上記被
乾燥物3を巻き上げつつ、伝熱面2に押し付け、後から
巻き上げる被乾燥物3で先に巻き上げた被乾燥物3を上
方へ押し、上記被乾燥物3を伝熱面2に沿って連続して
上昇させていくことにより、上記伝熱面2全面を使用し
て被乾燥物3を乾燥させることができる。そして、
(4)上記被乾燥物3を巻き上げつつ、伝熱面2に押し
付ける乾燥方法では、上記巻き上げ時の回転速度を増す
ことにより、上記被乾燥物3に、より強い遠心力が作用
し、この被乾燥物3がより強く伝熱面2に押し付けられ
る。これにより、上記被乾燥物3が伝熱面2に沿ってよ
り上昇し、上記伝熱面2全面に渡って薄膜状に拡がり被
乾燥物3に熱が伝わり易い。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。先ず、被
乾燥物3を最下部の複数箇所、例えば2箇所、3箇所、
4箇所等から上方に向けて巻き上げる。そして、この巻
き上げと同時に、巻き上げによる遠心力Pによって上記
被乾燥物3を伝熱面2に押し付ける。
【0013】上記伝熱面2に押し付けた被乾燥物3は、
一側で上記伝熱面2に接触する面を有すると共に、他側
で空間Aの空気と接触する蒸発面Fを有する。そして、
上記伝熱面2に接触した被乾燥物3は、伝熱面2からの
熱によりその場である程度の水分蒸発がある。上記伝熱
面2接触時の水分蒸発によって含水率の低くなった被乾
燥物3は、含水率の高い被乾燥物3と入れ換わるように
して上記蒸発面Fに移動する。そして、上記蒸発面Fに
移動した被乾燥物3は、空間Aの空気にさらされること
で更に水分蒸発が進む。
【0014】上記被乾燥物3は、伝熱面2に押し付けら
れ、伝熱面2側から蒸発面Fへ移動するが、これと同時
に上記上方への巻き上げにより、後から巻き上げる被乾
燥物3が先に巻き上げた被乾燥物3を押し、上記被乾燥
物3は伝熱面2に沿って連続して上昇していく。つま
り、上記被乾燥物3は、伝熱面2から蒸発面Fへの移動
を行いつつ、伝熱面2に沿って上昇していく。
【0015】次に、本発明の応用例を説明する。即ち、
上記実施例で示した被乾燥物3を最下部の複数箇所から
上方に向けて巻き上げつつ、遠心力Pによって伝熱面2
に押し付ける工程を、上下方向で多段となるよう繰り返
す。そして、最下段の最下部の被乾燥物3を順次上段の
工程に移しつつ、最上段の最上部まで連続して上昇させ
て乾燥せしめるものである。
【0016】尚、上記被乾燥物3の乾燥方法を実現する
為の乾燥装置1を添付図面に示した。4は上記被乾燥物
3を投入して乾燥処理する円筒形状の乾燥槽であって、
この乾燥槽4の周囲に、内部に蒸気7を導くジャケット
6を配設している。即ち、上記ジャケット6内に導いた
蒸気7の熱を上記伝熱面2に伝えるものである。
【0017】そして、上記乾燥槽4内部の底部には、上
記被乾燥物3を巻き上げつつ、遠心力によって伝熱面2
に押し付ける為の回転巻上羽根5が配設されている。上
記回転巻上羽根5は、平面から見たときに、360度の
円周範囲の中で複数枚の基羽根5aを有し、且つ、上記
複数の基羽根5aの各々は、上記巻上羽根5の回転方向
Rと逆方向に斜め上方に伸びている。つまり、上記回転
巻上羽根5を回転させることにより、上記乾燥槽4底部
に位置していた被乾燥物3が複数枚の基羽根5a上に乗
って巻き上げられ、遠心力Pによって伝熱面2に押し付
けられるものである。尚、蒸気回転巻上羽根5の基羽根
5aの枚数としては、3枚(図1から図4までを参
照)、4枚(図6及び図7参照)、それ以上の枚数が考
えられ、また、上記回転巻上羽根5を多段にして配設
(図8参照)することも考えられる。
【0018】以上のように、上記被乾燥物3を巻き上げ
つつ、伝熱面2に押し付けることにより、上記被乾燥物
3に伝熱面2からの熱を与え乾燥せしめることができ
る。
【0019】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明は請求項1記
載によると、(1)被乾燥物を複数箇所から巻き上げる
ことにより、上記最下部に位置する被乾燥物の全量に比
して上昇する被乾燥物の量が多く、上記被乾燥物が早期
に伝熱面に接触すると共に、最下部に被乾燥物が溜りに
くく、乾燥効率を向上させ易い。
【0020】また、(2)上記被乾燥物を巻き上げつ
つ、伝熱面に押し付けて乾燥させることにより、粘性の
強い被乾燥物等が付着しにくく、例え付着しても停滞す
ることがない。
【0021】更に、(3)上記被乾燥物を伝熱面に沿っ
て連続して上昇させていくことにより、上記伝熱面全面
を使用して被乾燥物を乾燥させることができ、伝熱面全
面を有効に活用することができる。
【0022】そして、(4)この乾燥方法では、上記巻
き上げ時の回転速度を増すことにより、被乾燥物の種類
に関係なく、この被乾燥物をより効率良く乾燥せしめる
ことができるので、従来の如く、種々の被乾燥物に合わ
せた乾燥効率を良くする為の面倒な調節がいらない。
【0023】また、上記被乾燥物を伝熱面から蒸発面に
移動させつつ、伝熱面に沿って連続して上昇させていく
ことにより、上記被乾燥物は上昇するに従い含水率が低
くなり、上部で乾燥した被乾燥物を得ることができる。
【0024】更に、請求項2記載によると、上下方向に
伸ばした伝熱面を有効に使用可能となる。また、上記被
乾燥物を最下段の最下部から最上段の最上部まで連続的
に乾燥させることができる。そして、上記連続的に乾燥
させることで、連続的に乾燥物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乾燥方法を実現する為の一例の乾燥装
置の正面縦断面図である。
【図2】本発明の乾燥方法を実現する為の一例の乾燥装
置の回転巻上羽根の平面図である。
【図3】本発明の乾燥方法を実現する為の一例の乾燥装
置の回転巻上羽根の正面図である。
【図4】本発明の乾燥方法を実現する為の一例の乾燥装
置の使用状態を示した図である。
【図5】本発明の乾燥方法を実現する為の一例の乾燥装
置の部分拡大図である。
【図6】本発明の乾燥方法を実現する為の二例の乾燥装
置の回転巻上羽根の平面図である。
【図7】本発明の乾燥方法を実現する為の二例の乾燥装
置の回転巻上羽根の正面図である。
【図8】本発明の乾燥方法を実現する為の三例の乾燥装
置の使用状態を示した図である。
【符号の説明】
1 乾燥装置 2 伝熱面 3 被乾燥物 4 乾燥槽 5 回転巻上羽根 5a 基羽根 6 ジャケット 7 蒸気 P 遠心力 A 空間 F 蒸発面 R 回転方向

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心力Pによって伝熱面2に押し付けた
    被乾燥物3を伝熱面2からの熱によって乾燥せしめる被
    乾燥物3の乾燥方法に於て、上記被乾燥物3を最下部の
    複数箇所から上方に向けて巻き上げつつ、遠心力Pによ
    って伝熱面2に押し付け、上記被乾燥物3の巻き上げ時
    に、上記伝熱面2に接触して水分蒸発し、含水率の低く
    なった被乾燥物3を、含水率の高い被乾燥物3と入れ換
    えるようにして上記巻き上げた被乾燥物3を空間Aに面
    する蒸発面Fに移動させつつ、後から巻き上げる被乾燥
    物3で先に巻き上げた被乾燥物3を上方へ押し、上記被
    乾燥物3を伝熱面2に沿って連続して上昇させていくこ
    とを特徴とする被乾燥物の乾燥方法。
  2. 【請求項2】 上記被乾燥物3を最下部の複数箇所から
    上方に向けて巻き上げつつ、遠心力Pによって伝熱面2
    に押し付ける工程を、上下方向で多段となるよう繰り返
    し、最下段の最下部の被乾燥物3を順次上段の工程に移
    しつつ、最上段の最上部まで連続して上昇させることを
    特徴とする請求項1記載の被乾燥物の乾燥方法である。
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