JPH0852208A - 体液処理装置 - Google Patents

体液処理装置

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JPH0852208A
JPH0852208A JP6212019A JP21201994A JPH0852208A JP H0852208 A JPH0852208 A JP H0852208A JP 6212019 A JP6212019 A JP 6212019A JP 21201994 A JP21201994 A JP 21201994A JP H0852208 A JPH0852208 A JP H0852208A
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利充 丹羽
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隆利 木下
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正富 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 血中の有用蛋白を除去せずに、血中タンパク
質に結合した生体由来物質および薬物を除去することが
できる体液処理器を提供する。 【構成】 体液処理装置1は、第1の送液チューブ6
と、第1の膜型液体処理器2と、第2の膜型液体処理器
3と、第2の送液チューブ7を備える。第1の膜型液体
処理器2には、非生理的pH液体供給器4が接続され、
第2の膜型液体処理器3には、生理的pH液体供給器が
接続されている。第1の膜型液体処理器により、体液が
非生理的pHに変更されることにより血中タンパク質よ
り離脱した生体由来物質および薬物は、膜型液体処理器
2により除去される。体液は、第2の膜型液体処理器3
により、生理的pHに復元されたのち患者に返血され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体液、例えば、血液、
血漿中の蛋白結合物質を除去することができる体液処理
器に関する。
【0002】
【従来の技術】腎不全治療として、膜型人工透析器を用
いた人工透析、また患者本人の腹膜を利用した腹膜透析
(CAPD)が行われている。膜型人工透析器は血液中
の老廃物等を除去するが、一方有用蛋白であるアルブミ
ン(Mw.66000)は除去されにくい様に膜設定さ
れている。すなわち、膜分離は、透過物質の大きさ(分
子量にほぼ対応)を主体に行われ、人工透析器では、ア
ルブミン以上の大きさの有害物質は実質的に除去しない
ような膜が使用されている。しかしながら、アルブミン
は生体内において種々の物質と結合する性質を持ってい
る。例えば、慢性透析患者においては、生体に対して毒
性を持つ物質と、アルブミンが結合(Mabuchi.H,Nakah
asi.H,et al:Nephron,49 281(1988))することが知
られている。また、アルブミンと結合する薬剤も知られ
ている。
【0003】例えば、CAPD患者においては血清イン
ドキシル硫酸とフランカルボン酸濃度は、それぞれ正常
者の約40倍、約4倍に増加していた。一方、慢性血液
透析患者においては血清インドキシル硫酸とフランカル
ボン酸濃度は、正常者に比較して著明に増加していた。
血液透析ではインドキシル硫酸は少し除去されるが、フ
ランカルボン酸は全く除去されないことが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題点は
指摘されているが、これを解決する手段は何ら提案され
ていない。そこで、本発明の目的は、血中の有用蛋白を
除去せずに、血中タンパク質に結合した生体由来物質お
よび薬物を除去することができる体液処理器を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するもの
は、体液を非生理的pH条件に変更するpH変更と、該
pH変更により血中タンパク質より離脱した生体由来物
質または薬物の除去が可能な第1の体液処理部と、体液
を生理的pHに修復するための第2の体液処理部とを備
える体液処理装置である。
【0006】上記目的を達成するものは、体液を非生理
的pH条件に変更するpH変更部と、該pH変更部によ
り血中タンパク質より離脱した生体由来物質または薬物
の除去が可能な第1の体液処理部と、体液を生理的pH
に修復するための第2の体液処理部とを備える体液処理
装置である。
【0007】上記目的を達成するものは、第1の送液チ
ューブと、該第1の送液チューブに体液流入口が接続さ
れ、非生理的pH液体流入口および非生理的pH液体流
出口を備え、非生理的pH条件において血中タンパク質
より離脱した生体由来物質もしくは薬物を除去可能であ
る第1の膜型液体処理器と、該第1の膜型液体処理器の
体液流出口と連通する体液流入口と、生理的pH液体流
入口および生理的pH液体流出口を備える第2の膜型液
体処理器と、該第2の膜型液体処理器の体液流入口に接
続された第2の送液チューブとを備える体液処理装置で
ある。
【0008】上記目的を達成するものは、第1の送液チ
ューブと、該第1の送液チューブに体液流入口が接続さ
れ、非生理的pH条件において血中タンパク質より離脱
した生体由来物質もしくは薬物を除去可能である第1の
膜型液体処理器と、該第1の膜型液体処理器の体液流出
口と連通する体液流入口を有する第2の膜型液体処理器
と、該第2の膜型液体処理器の体液流入口に接続された
第2の送液チューブと、前記第1の膜型液体処理器の液
体処理用流体流入口および液体処理用流体流出口に接続
された非生理的pH液体供給器と、前記第2の膜型液体
処理器の液体処理用流体流入口および液体処理用流体流
出口に接続された生理的pH液体供給器とからなる膜型
体液処理装置である。
【0009】上記目的を達成するものは、第1の送液チ
ューブと、該第1の送液チューブと連通する非生理的p
H液体供給部と、該供給部より下流の前記第1の送液チ
ューブに体液流入口が接続され、非生理的pH条件にお
いて血中タンパク質より離脱した生体由来物質もしくは
薬物および非生理的pH液体中の物質を除去可能である
膜型液体処理器と、該膜型液体処理器の液体処理用流体
流入口および液体処理用流体流出口に接続された生理的
pH液体供給器とからなる体液処理装置である。
【0010】上記目的を達成するものは、第1の送液チ
ューブと、該第1の送液チューブに体液流入口が接続さ
れた膜型液体処理器と、該膜型液体処理器の体液流入口
に接続された第2の送液チューブとを備え、前記膜型液
体処理器は、非生理的pH液体流入口および非生理的p
H液体流出口と連通し、非生理的pH条件において血中
タンパク質より離脱した生体由来物質もしくは薬物を除
去可能である第1の液体処理部と、該第1の液体処理部
より下流側に設けられ、生理的pH液体流入口および生
理的pH液体流出口を備える第2の液体処理部を有する
体液処理装置である。
【0011】前記血中タンパク質は、例えば、アルブミ
ンである。前記非生理的なpHとは、pH3〜7.2ま
たはpH7.6〜12であることが好ましい。前記非生
理的なpHとは、pH3〜7またはpH8〜12である
ことがより好ましい。。
【0012】
【作用】本発明の体液処理装置では、前段の第1の膜型
液体処理器により、体液を非生理的pH条件に変更し、
血中タンパク質と結合した生体由来物質および薬物を血
中タンパク質より離脱させ、遊離した物質を第1の液体
処理器内の分離膜を利用して除去する。そして、第2の
膜型液体処理器を用いて、生理的pHに血液を復元させ
たのち患者に返血する。このため、通常では除去できな
かった血中タンパク質に結合した生体由来物質および薬
物を容易に除去できる。
【0013】
【実施例】そこで、本発明の体液処理装置を図面に示し
た実施例を用いて説明する。図1は、本発明の体液処理
装置の実施例の該略図である。
【0014】本発明の体液処理装置1は、体液を非生理
的pH条件に変更するpH変更と、pH変更により血中
タンパク質より離脱した生体由来物質または薬物の除去
が可能な第1の体液処理部2(体液pH変更および離脱
物質除去用膜型液体処理器2)と、体液を生理的pHに
修復するための第2の体液処理部3(体液pH修復用膜
型液体処理器3)とを備えている。
【0015】具体的には、この実施例の体液処理装置1
は、第1の送液チューブ6と、第1の送液チューブ6に
体液流入口2a(血液流入口)が接続され、非生理的p
H液体流入口2cおよび非生理的pH液体流出口2dを
備え、非生理的pH条件において血中タンパク質より離
脱した生体由来物質もしくは薬物を除去可能である第1
の膜型液体処理器2(体液pH変更および離脱物質除去
用膜型液体処理器2)と、第1の膜型液体処理器2と第
2の膜型液体処理器3を接続する接続チューブ9と、第
1の膜型液体処理器2の体液流出口2b(血液流出口)
と連通する体液流入口3a(血液流入口)と、生理的p
H液体流入口3cおよび生理的pH液体流出口3cを備
える第2の膜型液体処理器3(体液pH修復用膜型液体
処理器3)と、第2の膜型液体処理器3の体液流入口3
b(血液流出口)に接続された第2の送液チューブ7と
を備える。
【0016】この実施例の体液処理装置では、前段の第
1の膜型液体処理器により、体液を非生理的pH条件に
変更し、生理的pH条件において血中タンパク質と結合
した生体由来物質および薬物を血中タンパク質より離脱
させ、遊離した物質を第1の液体処理器内の膜を利用し
て除去する。そして、第2の膜型液体処理器を用いて、
生理的pHに血液を復元させたのち患者に返血する。本
発明の体液処理装置により処理される体液としては、全
血、血漿などが考えられる。
【0017】第1の送液チューブ6は、先端に患者の血
管に穿刺される穿刺針6bと、チューブ6aを備えてい
る。穿刺針6bは、樹脂性、金属製の公知の血管内留置
針が使用できる。また、送液チューブの先端は、穿刺針
でなく、別個に準備される穿刺針のコネクターに接続可
能なコネクターとなっていてもよい。チューブ6aとし
ては、軟質であり、所定の長さと透明性を有する合成樹
脂チューブ(例えば、軟質塩化ビニルチューブ、シリコ
ーンゴムチューブ)が好適に使用される。送液チューブ
6aには、送液手段8(送液ポンプ)が取り付けられて
いる。送液手段としては、蠕動式ポンプ、プランジャー
ポンプ、ローラーポンプローラポンプなどの公知のもの
が使用できる。送液手段としては、流量50〜300m
l/min程度の送液能力を有するものが好適である。
なお、送液手段は、送液チューブ6aではなく、後述す
る第2の送液チューブ7に設けてもよい。
【0018】第1の膜型液体処理器2は、血液流入口2
a、血液流出口2b、非生理的pH液体流入口2c、非
生理的pH液体流出口2dと、内部に体液処理膜を備え
ている。体液処理膜は、非生理的pH条件において血中
タンパク質より離脱した生体由来物質もしくは薬物の除
去機能を備えている。非生理的pH液体流入口2c、非
生理的pH液体流出口2dには、図1に示すように非生
理的pH液体供給装置4が接続されている。供給装置4
は、非生理的pH液体貯留部4aと、この貯留部4内の
非生理的pH液体4eと、貯留部4aと非生理的pH液
体流入口2cとを接続する送液する送液チューブ4b
と、送液チューブ4bに設けられた送液手段4d(送液
ポンプ)と、非生理的pH液体流出口2dに接続された
廃液チューブ4cを備えている。この膜型液体処理器2
では、体液のpHを生理的pHより非生理的pHに変更
するとともに、このpH変更により血中タンパク質より
離脱した離脱物質を除去する。
【0019】チューブ4bとしては、軟質であり、所定
の長さと透明性を有する合成樹脂チューブ(例えば、軟
質塩化ビニルチューブ、シリコーンゴムチューブ)が好
適に使用される。送液ポンプ4dとしては、蠕動式ポン
プ、プランジャーポンプ、ローラーポンプなどの公知の
ものが使用できる。送液ポンプ4dとしては、流量50
〜800ml/min程度の送液能力を有するものが好
適である。なお、送液ポンプ、チューブ4bではなく、
廃液チューブ4cに設けてもよい。
【0020】非生理的pH液体のpHとしては、酸性領
域ではpH:3〜7.2、アルカリ領域ではpH:7.
6〜12であり、かつ生理的な浸透圧(生理的等張液)
であることが好ましい。そして、膜型液体処理器内を流
れる血液(体液)は、液体処理器内の処理膜を介して非
生理的pH液体と接触し、血液のpHもほぼ非生理的p
H液体のpHと等しいものに変更される。
【0021】pH:3未満および12を越える場合は、
蛋白変性、血球成分の影響があり、pH:7.2を越え
7.6未満の場合、蛋白のコンフォメーションおよび荷
電変化が少なく、蛋白結合物質と蛋白との解離が少な
い。また、使用するpHに合わせて、液体ベースは、透
析液、生理食塩水、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液をもちい
いるのが好ましい。pH調整用物質としては、酸性領域
の場合には、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、塩酸、
酢酸などが使用可能である。pH調整用物質としては、
アルカリ性領域の場合には、水酸化ナトリウム、水酸化
マグネシウムなどが使用可能である。
【0022】非生理的pH液体のpHとしては、酸性領
域ではpH4〜7、アルカリ領域ではpH8〜11がよ
り好ましい。この膜型液体処理器2により、内部を通過
する体液(血液)のpHを、酸性領域ではpH4〜7、
アルカリ領域ではpH8〜11に変更する。また、使用
する非生理的pH液体のpHが非生理的となるほど、い
いかえれば酸性またはアルカリ性が高いpH液体を用い
るほど、血液流量が多くかつ非生理的pH液体流量が少
なくてもpH変更は可能である。また、使用する非生理
的pH液体のpHがあまり高い酸性またはアルカリ性で
ないものを用いても、血液流量を少なくかつ非生理的p
H液体流量を多くすることによりpH変更は可能であ
る。使用時の安全性を考慮すると、非生理的pH液体の
pHとしては、酸性領域ではpH4〜7、アルカリ領域
ではpH8〜11がより好ましい。この場合、血液流量
を少なくかつ非生理的pH液体流量を多くすることによ
り、血液の非生理的pH液体との接触時間を長くするこ
とにより、目的とするpHに体液を変更することができ
る。
【0023】除去対象となる血中タンパク質結合物質と
しては、アルブミン(分子量66000)と結合する生
体由来物質、例えば3−カルボキシー4−メチルー5−
プロピルー2−フランプロピオン酸(分子量240)、
インドキシル硫酸、ビリルビン酸(分子量585)等が
ある。または、アルブミンと結合する薬剤としては、例
えばワルファリン、ワルファリンナトリウム、ワルファ
リンカリウム、スルフィソキサゾール、オキサシリン、
ペニシリンG,アンピシリン、カルベニシリン、フェニ
ルブタゾン、ジフェニルヒダントイン、クロフィブラー
ト、ジクマロール、ジギトキシン、トルブタミド、イン
ドメタシン、スルファフェナゾール、クロロチアジド、
クロルプロパミド、ジアゼパム、クロラゼプ酸、ノボビ
オシン、イブプロフェン、スルフォンアミド、オキシフ
ェンブタゾン、スルフィンピラゾン、キナクリン、メト
トレキサート、パマキン、キニーネ、エタクリン酸等が
ある。
【0024】膜型液体処理器2に使用される分離膜とし
ては、使用溶液における分画分子量(95%カットオ
フ)が1000〜90000が好ましく、20000〜
65000が特に好ましい。分画分子量が1000以下
になると、解離(離脱)した蛋白結合物質の透過性が落
ち、除去効率が低下するので好ましくない。また、分画
分子量が65000以上になると、蛋白の漏出が大きく
なるので好ましくない。膜素材としては、銅アンモニア
セルロース、酢酸セルロースなどの再生セルロース、ポ
リサルフォン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレー
ト、エチレンービニルアルコール共重合体により形成さ
れたいわゆる透析膜が好適に使用される。また、膜は非
生理的pHにおいても機能低下、物性の劣化などがない
ものが好ましく、上記のものであれればそのような問題
はない。膜形状は、平膜、中空糸膜のいずれでもよい
が、小さい容積にて高い膜面積のものが得られる点にお
いて、中空糸膜が好適である。よって、膜型液体処理器
3としては、中空糸膜型人工透析器が好適に使用され
る。
【0025】第2の膜型液体処理器3は、血液流入口3
a、血液流出口3b、生理的pH液体流入口3c、生理
的pH液体流出口3dと、内部に体液処理膜を備えてい
る。生理的pH液体流入口3cおよび生理的pH液体流
出口3dには、図1に示すように生理的pH液体供給装
置5が接続されている。供給装置5は、生理的pH液体
貯留部5aと、この貯留部5内の生理的pH液体5e
と、貯留部5aと生理的pH液体流入口3cとを接続す
る送液する送液チューブ5bと、送液チューブ5bに設
けられた送液手段5d(送液ポンプ)と、生理的pH液
体流出口3dに接続された廃液チューブ5cを備えてい
る。この膜型液体処理器3では、体液(血液)のpHを
非生理的pHより生理的pHに復元する。また、膜型液
体処理器2において行われたpH変更により血中タンパ
ク質より離脱した離脱物質を除去できることが好まし
い。
【0026】膜型液体処理器3としては、ハウジング
と、このハウジングに設けられた生理的pH液体流入口
3cおよび流出口3dと、ハウジング内部に収納された
血液処理膜と、ハウジングに取り付けられた血液流入口
3aおよび血液流出口3bを備えるものが使用される。
生理的pH液体のpHとしては、pH7.3〜7.5で
あり、かつ生理的な浸透圧(生理的等張液)であること
が好ましい。より好ましくは、pH7.4である。膜型
液体処理器内を流れる血液(体液)は、液体処理器内の
処理膜を介して生理的pH液体と接触し、血液のpHも
ほぼ生理的pH液体のpHと等しいものに変更される。
生理的pH液体としては、透析液、生理食塩水、リン酸
緩衝液、炭酸緩衝液を用いることができる。
【0027】膜型液体処理器2にて、除去されなかった
物質は、再び血液のpHが生理的に復元されることによ
り、再結合することがある。しかし、この膜型液体処理
器3内に流入直後に再結合するわけではなく、膜型液体
処理器3内に少なくとも流入後しばらくは遊離した状態
となっているものと考える。このため、膜型液体処理器
3の分離膜も上述した生体由来物質および薬物を除去で
きることが好ましい。このため、膜型液体処理器3に使
用される分離膜としては、使用溶液における分画分子量
(95%カットオフ)が1000〜90000が好まし
く、20000〜65000が特に好ましい。分画分子
量が1000以下になると、解離(離脱)した蛋白結合
物質の透過性が落ち、除去効率が低下するので好ましく
ない。また、分画分子量が65000以上になると、蛋
白の漏出が大きくなるので好ましくない。
【0028】膜素材としては、銅アンモニアセルロー
ス、酢酸セルロースなどの再生セルロース、ポリサルフ
ォン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、エチレ
ンービニルアルコール共重合体により形成されたいわゆ
る透析膜が好適に使用される。また、膜ないには非生理
的pHに変更された血液が流れるため、非生理的pHに
おいて機能低下、物性の劣化などがないものが好まし
く、上記のものであれればそのような問題はない。膜形
状は、平膜、中空糸膜のいずれでもよいが、小さい容積
にて高い膜面積のものが得られる点において、中空糸膜
が好適である。よって、膜型液体処理器2としては、中
空糸膜型人工透析器が好適に使用される。第2の送液チ
ューブ7は、先端に患者の血管に穿刺される穿刺針7b
と、チューブ7aを備えている。穿刺針7bは、樹脂
性、金属製の公知の血管内留置針が使用できる。また、
送液チューブの先端は、穿刺針でなく、別個に準備され
る穿刺針のコネクターに接続可能なコネクターとなって
いてもよい。チューブ7aとしては、軟質であり、所定
の長さと透明性を有する合成樹脂チューブ(例えば、軟
質塩化ビニルチューブ、シリコーンゴムチューブ)が好
適に使用される。送液チューブ7aにも送液手段を設け
てもよい。
【0029】接続チューブ9、第2の送液チューブ7に
pHセンサ21、22を設けもよい。このpHセンサ2
1により検知されたpHに基づいて、非生理的pH液体
の流量、血液流量を制御することにより血液のpHを目
的とするものにより近づけることができる。また、pH
センサ22により検知されたpHに基づいて、生理的p
H液体の流量、血液流量を制御することにより血液を安
全な生理的pHとなるように管理できる。pHセンサと
しては、半導体型pHセンサ、例えば、ISFETを用
いたpHセンサが好適に使用できる。
【0030】次に図2に示す実施例の体液処理装置につ
いて説明する。この実施例の体液処理装置は、体液を非
生理的pH条件に変更するpH変更部11と、pH変更
部により血中タンパク質より離脱した生体由来物質また
は薬物の除去が可能な第1の体液処理部2(物質除去用
膜型液体処理器2)と、体液を生理的pHに修復するた
めの第2の体液処理部3(pH復元用膜型液体処理器
3)とを備える体液処理装置である。
【0031】具体的には、この実施例の体液処理装置1
0は、第1の送液チューブ6と、第1の送液チューブ6
に設けられた液体混合部12と、この液体混合部と連通
する非生理的pH液体充填容器13と、第1の送液チュ
ーブ6に体液流入口2a(血液流入口)が接続され、非
生理的pH液体流入口2cおよび非生理的pH液体流出
口2dを備え、非生理的pH条件において血中タンパク
質より離脱した生体由来物質もしくは薬物を除去可能で
ある第1の膜型液体処理器2(変更pH維持および離脱
物質除去用膜型液体処理器2)と、第1の膜型液体処理
器2と第2の膜型液体処理器3とを接続する接続チュー
ブ9と、第1の膜型液体処理器2の体液流出口2b(血
液流出口)と連通する体液流入口3a(血液流入口)
と、生理的pH液体流入口3cおよび生理的pH液体流
出口3cを備える第2の膜型液体処理器3(体液pH修
復用膜型液体処理器3)と、第2の膜型液体処理器3の
体液流入口3b(血液流出口)に接続された第2の送液
チューブ7とを備える。
【0032】この実施例の体液処理装置では、液体混合
部11と非生理的pH液体充填容器12により構成され
たpH変更部10により、血液に非生理的pH液体が添
加され血液のpHが非生理的pHに変更され、続いて、
第1の膜型液体処理器により、血液の非生理的pH変更
状態が維持されるとともに、pH変更および変更pH維
持により生理的pH条件において血中タンパク質と結合
した生体由来物質および薬物を血中タンパク質より離脱
させ、かつそれを液体処理器内の膜を利用して除去す
る。そして、第2の膜型液体処理器を用いて、生理的p
Hに血液を復元させたのち患者に返血するものである。
【0033】液体混合部11としては、50〜2000
ml程度の容量を有する樹脂性のものが使用される。液
体混合部11の内部には、異物除去用のフィルター14
が収納されている。非生理的pH液体充填容器に充填さ
れている非生理的pH液体のpHとしては、酸性領域で
はpH:3〜7.2、アルカリ領域ではpH:7.6〜
12であり、かつ生理的な浸透圧(生理的等張液)であ
ることが好ましい。pH:3未満および12を越える場
合は、蛋白変性、血球成分の影響があり、pH:7.2
を越え7.6未満の場合、蛋白のコンフォメーションお
よび荷電変化が少なく、蛋白結合物質と蛋白との解離が
少ない。また、使用するpHに合わせて、液体ベース
は、透析液、生理食塩水、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液を
もちいいるのが好ましい。pH調整用物質としては、酸
性領域の場合には、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、
塩酸、酢酸などが使用可能である。pH調整用物質とし
ては、アルカリ性領域の場合には、水酸化ナトリウム、
水酸化マグネシウムなどが使用可能である。
【0034】非生理的pH液体のpHとしては、酸性領
域ではpH4〜7、アルカリ領域ではpH8〜11がよ
り好ましい。また、この膜型液体処理器2では、内部を
通過する体液(血液)のpHを、酸性領域ではpH4〜
7、アルカリ領域ではpH8〜11に変更する。非生理
的pH液体充填容器としては、樹脂性の軟質容器が好適
に使用される。また、注入チューブ15には、輸液ポン
プを取付け非生理的pH液体の注入量を制御してもよ
い。
【0035】第1の膜型液体処理器2は、上述のものが
使用される。なお、この膜型液体処理器2では、非生理
的pH液体が流通するので、上記の変更部において変更
された血液の非生理的pH状態を維持するとともに、p
H変更により血中タンパク質より離脱した離脱物質を除
去する。膜型液体処理器2に使用される非生理的pH液
体としては、pH変更部において用いられた非生理的p
H液体のpHと同じもしくは近似したものが好適であ
る。その他については上述した膜型液体処理器2に用い
る非生理的pH液体と同様である。その他の構成、例え
ば、第2の膜型液体処理器3、送液ポンプ、非生理的p
H液体供給器4、生理的pH液体供給器5、送液チュー
ブ6、7、接続チューブ9、pHセンサ21、22など
についは上述ものと同じである。
【0036】次に図3に示す実施例の体液処理装置につ
いて説明する。この実施例の体液処理装置は、体液を非
生理的pH条件に変更するpH変更部11と、pH変更
部により血中タンパク質より離脱した生体由来物質また
は薬物の除去および体液(血液)を生理的pHに修復す
るための体液処理部3(離脱物質除去およびpH復元用
膜型液体処理器3)とを備える体液処理装置である。
【0037】具体的には、この実施例の体液処理装置1
0は、第1の送液チューブ6と、第1の送液チューブ6
に設けられた液体混合部12と、この液体混合部と連通
する非生理的pH液体充填容器13と、第1の送液チュ
ーブ6に接続された体液流入口3a(血液流入口)と、
生理的pH液体流入口3cおよび生理的pH液体流出口
3cを備える第2の膜型液体処理器3(体液pH修復用
膜型液体処理器3)と、第2の膜型液体処理器3の体液
流入口3b(血液流出口)に接続された第2の送液チュ
ーブ7とを備える。
【0038】この実施例の体液処理装置では、液体混合
部11と非生理的pH液体充填容器12により構成され
たpH変更部10により、血液に非生理的pH液体が添
加され血液のpHが非生理的pHに変更する。生理的p
H条件において血中タンパク質と結合した生体由来物質
および薬物を血中タンパク質より離脱させ、かつそれを
液体処理器内の膜を利用して除去するとともに、生理的
pHに血液を復元させたのち患者に返血するものであ
る。液体混合部11としては、50〜2000ml程度
の容量を有する樹脂性のものが使用される。液体混合部
11の内部には、異物除去用のフィルター14が収納さ
れている。
【0039】非生理的pH液体充填容器に充填されてい
る非生理的pH液体のpHとしては、酸性領域ではp
H:3〜7.2、アルカリ領域ではpH:7.6〜12
であり、かつ生理的な浸透圧(生理的等張液)であるこ
とが好ましい。pH:3未満および12を越える場合
は、蛋白変性、血球成分の影響があり、pH:7.2を
越え7.6未満の場合、蛋白のコンフォメーションおよ
び荷電変化が少なく、蛋白結合物質と蛋白との解離が少
ない。また、使用するpHに合わせて、液体ベースは、
透析液、生理食塩水、リン酸緩衝液、炭酸緩衝液をもち
いいるのが好ましい。pH調整用物質としては、酸性領
域の場合には、乳酸、クエン酸、アスコルビン酸、塩
酸、酢酸などが使用可能である。pH調整用物質として
は、アルカリ性領域の場合には、水酸化ナトリウム、水
酸化マグネシウムなどが使用可能である。
【0040】非生理的pH液体のpHとしては、酸性領
域ではpH4〜7、アルカリ領域ではpH8〜11がよ
り好ましい。また、この膜型液体処理器2では、内部を
通過する体液(血液)のpHを、酸性領域ではpH4〜
7、アルカリ領域ではpH8〜11に変更する。非生理
的pH液体充填容器としては、樹脂性の軟質容器が好適
に使用される。また、注入チューブ15には、輸液ポン
プを取付け、非生理的pH液体の注入量を制御してもよ
い。
【0041】膜型液体処理器3は、血中タンパク質より
離脱した生体由来物質および薬物の除去および非生理的
pH液体中のアルカリもしくは酸性物質の除去ができる
ものが使用される。具体的には、膜型液体処理器3とし
ては、上述した第2の膜型液体処理器3が使用される。
この膜型液体処理器3では、流入当初の血液は非生理的
pHとなっている。このため、血液流入部付近の分離膜
によって、上述の離脱物質が除去される。また、この膜
型液体処理器3では、生理的pH液体が流通するので、
膜型液体処理器3内を流れる血液のpHは徐々に生理的
なpHに復元する。その他の構成、例えば、送液チュー
ブ6、7、送液ポンプ8、生理的pH液体供給器5、接
続チューブ9、pHセンサ21、22などについは上述
ものと同じである。
【0042】次に、図4に示す実施例の体液処理装置に
ついて説明する。この実施例の体液処理装置30は、第
1の送液チューブ6と、第1の送液チューブに6体液流
入口2aが接続された膜型液体処理器31と、膜型液体
処理器31の体液流入口3bに接続された第2の送液チ
ューブ7とを備える。膜型液体処理器30は、非生理的
pH液体流入口2cおよび非生理的pH液体流出口2d
と連通し、非生理的pH条件において血中タンパク質よ
り離脱した生体由来物質もしくは薬物を除去可能である
第1の液体処理部32と、第1の液体処理部32より下
流側に設けられ、生理的pH液体流入口3cおよび生理
的pH液体流出口3dを備える第2の液体処理部33を
有している。
【0043】この実施例の体液処理装置30と図1に示
した体液処理装置との相違は、使用する膜型液体処理器
のみである。図1の体液処理装置では、第1および第2
の2つの膜型液体処理器を用いているが、この実施例の
体液処理装置30では、一体化された一つの膜型液体処
理器31を用いている。この実施例の体液処理装置30
では、液体処理器31の第1の液体処理部32において
血液が非生理的pHに変更されるとともに生理的pH条
件において血中タンパク質と結合した生体由来物質およ
び薬物を血中タンパク質より離脱させ、第1の液体処理
部内の膜を利用して除去する。そして、液体処理器31
の第2の液体処理部33を用いて、生理的pHに血液を
復元させたのち患者に返血するものである。
【0044】膜型液体処理器31は、図1の実施例の体
液処理装置における第1および第2の液体処理器の機能
を備えている。液体処理器31は、第1の液体処理部3
2と、第2の液体処理部33と接続部31aを備えてい
る。第1の液体処理部32は、液体処理器31の上流側
部分であり、血液流入口2a、非生理的pH液体流入口
2c、非生理的pH液体流出口2d、非生理的pH条件
において血中タンパク質より離脱した生体由来物質もし
くは薬物を除去するための分離膜を備えている。非生理
的pH液体および分離膜としては、上述のものが使用さ
れる。そして、第1の液体処理部32より流出した血液
は、接続部31aを流れ、第2の液体処理部33に流入
する。第2の液体処理部33は、生理的pH液体流入口
3c、生理的pH液体流出口3d、血液流出口3bを備
えている。生理的pH液体としては、上述のものが使用
される。
【0045】液体処理部31,32に使用される分離膜
としては、使用溶液における分画分子量(95%カット
オフ)が1000〜90000が好ましく、20000
〜65000が特に好ましい。分画分子量が1000以
下になると、解離(離脱)した蛋白結合物質の透過性が
落ち、除去効率が低下するので好ましくない。また、分
画分子量が65000以上になると、蛋白の漏出が大き
くなるので好ましくない。膜素材としては、銅アンモニ
アセルロース、酢酸セルロースなどの再生セルロース、
ポリサルフォン、ポリアミド、ポリメチルメタクリレー
ト、エチレンービニルアルコール共重合体により形成さ
れたいわゆる透析膜が好適に使用される。また、膜は非
生理的pHにおいても機能低下、物性の劣化などがない
ものが好ましく、上記のものであれればそのような問題
はない。膜形状は、平膜、中空糸膜のいずれでもよい
が、小さい容積にて高い膜面積のものが得られる点にお
いて、中空糸膜が好適である。よって、膜型液体処理器
31としては、2つの中空糸膜型人工透析器を直結した
構造のものが好適に使用される。
【0046】その他の構成、例えば、送液ポンプ、非生
理的pH液体供給器4、生理的pH液体供給器5、送液
チューブ6、7、接続チューブ9、pHセンサ21、2
2などについは上述ものと同じである。
【0047】本発明の具体的実施例について説明する。 [実施例1]第1の膜型液体処理器および第2の膜型液
体処理器としては、内径約200μm,外径約224μ
m,有効長28cmの銅アンモニウム再生セルロース中
空糸682本をハウジング内に挿入し両端をポリウレタ
ン系ポッティング剤で固定し、さらに、ハウジングの両
端にヘッダーを取付けた中空糸型人工透析器を用いた。
なお、膜型液体処理器の膜面積は、1200cm2であ
った。第1の膜型液体処理器のハウジングの両端付近に
設けられている液体流入口および液体流出口に、図1に
示すように非生理的pH液体供給器を取り付けた。ま
た、第2の膜型液体処理器のハウジングの両端付近に設
けられている液体流入口および液体流出口に、透析液供
給器を取り付けた。
【0048】非生理的pH液体としては、透析液を炭酸
バッファにより、pH:10.4、浸透圧290mEq
/lに調整したものを用いた。また、透析液としては、
酢酸透析液pH:7.4の浸透圧285mEq/lを用
いた。送液チューブとしては、内径2.4mmの塩化ビ
ニル性軟質チューブを用いた。送液ポンプとしては、ロ
ーラーポンプを用いた。以上のようにして、本発明の体
液処理装置を作成した。
【0049】[実施例2]第1の膜型液体処理器および
第2の膜型液体処理器としては、内径約200μm,外
径約224μm,有効長28cmの銅アンモニウム再生
セルロース中空糸682本をハウジング内に挿入し両端
をポリウレタン系ポッティング剤で固定し、さらに、ハ
ウジングの両端にヘッダーを取付けた中空糸型人工透析
器を用いた。なお、膜型液体処理器の膜面積は、120
0cm2であった。第1の膜型液体処理器のハウジング
の両端付近に設けられている液体流入口および液体流出
口に、図1に示すように非生理的pH液体供給器を取り
付けた。また、第2の膜型液体処理器のハウジングの両
端付近に設けられている液体流入口および液体流出口
に、透析液供給器を取り付けた。非生理的pH液体とし
ては、透析液を塩酸により、pH4、浸透圧290mE
q/lに調整したものを用いた。また、透析液は、p
H:7.4、浸透圧285mEq/lのものを用いた。
送液チューブとしては、内径2.4mmの塩化ビニル性
軟質チューブを用いた。送液ポンプとしては、ローラー
ポンプを用いた。以上のようにして、本発明の体液処理
装置を作成した。
【0050】上述の実施例の体液処理装置を用いて行っ
た実験について説明する。 [実験1]処理用体液としては、全血より分離された人
血漿を用いた。この血漿を1g/dl人アルブミン、2
5μg/mlフランカルボン酸に調整した。非生理的p
H液体および透析液とも膜型液体処理器に、流速500
ml/min、除水量0mlにて流通させた。実施例1
の体液処理装置に、調整血漿(50ml)を、流速10
ml/minで3時間循環を行った。その後、調整血漿
のアルブミン濃度およびフランカルボン酸濃度を測定し
た。
【0051】測定装置としては、日本分光製のBIP−
1,875−UV検出器、VL−614インジェクタ
ー、クロマトコーダーを用いた。カラムとしては、Deve
losilPT C8−5(15cm×4.6mm)を用いた。
移動相としてA液:アセトニトリルートリフルオロ酢酸
(100:00.8,V/V)、B液:水ートリフルオロ
酢酸(100:00.8,V/V)を用い、グラジエン
(0→3分:A液:0%B液100%,3分→6分:→
A液35%B液65%,6分→20分:A液35%B液
65%,20分→21分:→A液0%B液100%)を
かけて行った。流量は1ml/min、UV検出は27
0nmで行った。サンプルのインジェクション量50μ
lで、フランカルボン酸のピークはリテンションタイム
15分に認められた。フランカルボン酸の定量結果は、
循環前が25μg/ml、循環後が0μg/mlであっ
た。アルブミンの定量はBCG法により行った。アルブ
ミンの定量結果は、循環前が1μg/ml、循環後が1
μg/mlであった。
【0052】[実験2]実施例2の体液処理装置を用い
た以外は、実施例2と同様に行った。フランカルボン酸
の定量結果は、循環前が25μg/ml、循環後が7μ
g/mlであった。アルブミンの定量はBCG法により
行った。アルブミンの定量結果は、循環前が1μg/m
l、循環後が1μg/mlであった。
【0053】
【発明の効果】本発明の体液処理装置は、体液を非生理
的pH条件に変更するpH変更と、該pH変更により血
中タンパク質より離脱した生体由来物質または薬物の除
去が可能な第1の体液処理部と、体液を生理的pHに修
復するための第2の体液処理部とを備える。前段の第1
の膜型液体処理器により、体液を非生理的pH条件に変
更し、生理的pH条件において血中タンパク質と結合し
た生体由来物質および薬物を血中タンパク質より離脱さ
せ、遊離した物質を第1の液体処理器内の膜を利用して
除去する。そして、第2の膜型液体処理器を用いて、生
理的pHに血液を復元させたのち患者に返血する。この
ため、通常では除去できなかった血中タンパク質に結合
した生体由来物質および薬物を容易に除去できる。
【0054】本発明の体液処理装置は、体液を非生理的
pH条件に変更するpH変更部と、該pH変更部により
血中タンパク質より離脱した生体由来物質または薬物の
除去が可能な第1の体液処理部と、体液を生理的pHに
修復するための第2の体液処理部とを備える。pH変更
部により、pHが非生理的なもの変更された血液が第1
の第1の膜型液体処理器に流入する。流入時に血液のp
Hはすでに非生理的なものとなっており、第1の膜型液
体処理器ではそれが維持される。このため、血中タンパ
ク質より生体由来物質および薬物の解離が進行し易く、
第1の膜型液体処理器による解離物質の除去もより効率
よく行うことができる。このため、通常では除去できな
かった血中タンパク質に結合した生体由来物質および薬
物を効率よく除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の体液処理装置の一実施例の概
略図である。
【図2】図2は、本発明の体液処理装置の他の一実施例
の概略図である。
【図3】図3は、本発明の体液処理装置の他の一実施例
の概略図である。
【図4】図4は、本発明の体液処理装置の他の一実施例
の概略図である。
【符号の説明】
1 体液処理装置 2 第1の膜型液体処理器 3 第2の膜型液体処理器 4 非生理的pH液体供給器 5 生理的pH液体供給器 6 第1の送液チューブ 7 第2の送液チューブ 8 送液ポンプ 9 接続差チューブ 10 体液処理装置 11 pH変更部 12 液体混合部 13 非生理的pH液体充填容器 20 体液処理装置 30 体液処理装置 31 膜液体処理器 32 第1の液体処理部 33 第2の液体処理部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液を非生理的pH条件に変更するpH
    変更と、該pH変更により血中タンパク質より離脱した
    生体由来物質または薬物の除去が可能な第1の体液処理
    部と、体液を生理的pHに修復するための第2の体液処
    理部とを備えることを特徴とする体液処理装置。
  2. 【請求項2】 第1の送液チューブと、該第1の送液チ
    ューブに体液流入口が接続され、非生理的pH液体流入
    口および非生理的pH液体流出口を備え、非生理的pH
    条件において血中タンパク質より離脱した生体由来物質
    もしくは薬物を除去可能である第1の膜型液体処理器
    と、該第1の膜型液体処理器の体液流出口と連通する体
    液流入口と、生理的pH液体流入口および生理的pH液
    体流出口を備える第2の膜型液体処理器と、該第2の膜
    型液体処理器の体液流入口に接続された第2の送液チュ
    ーブとを備えることを特徴とする体液処理装置。
  3. 【請求項3】 第1の送液チューブと、該第1の送液チ
    ューブに体液流入口が接続され、非生理的pH条件にお
    いて血中タンパク質より離脱した生体由来物質もしくは
    薬物を除去可能である第1の膜型液体処理器と、該第1
    の膜型液体処理器の体液流出口と連通する体液流入口を
    有する第2の膜型液体処理器と、該第2の膜型液体処理
    器の体液流入口に接続された第2の送液チューブと、前
    記第1の膜型液体処理器の液体処理用流体流入口および
    液体処理用流体流出口に接続された非生理的pH液体供
    給器と、前記第2の膜型液体処理器の液体処理用流体流
    入口および液体処理用流体流出口に接続された生理的p
    H液体供給器とからなることを特徴とする膜型液体処理
    装置。
  4. 【請求項4】 体液を非生理的pH条件に変更するpH
    変更部と、該pH変更部により血中タンパク質より離脱
    した生体由来物質または薬物の除去が可能な第1の体液
    処理部と、体液を生理的pHに修復するための第2の体
    液処理部とを備えることを特徴とする体液処理装置。
  5. 【請求項5】 第1の送液チューブと、該第1の送液チ
    ューブに体液流入口が接続された膜型液体処理器と、該
    膜型液体処理器の体液流入口に接続された第2の送液チ
    ューブとを備え、前記膜型液体処理器は、非生理的pH
    液体流入口および非生理的pH液体流出口と連通し、非
    生理的pH条件において血中タンパク質より離脱した生
    体由来物質もしくは薬物を除去可能である第1の液体処
    理部と、該第1の液体処理部より下流側に設けられ、生
    理的pH液体流入口および生理的pH液体流出口を備え
    る第2の液体処理部を有することを特徴とする体液処理
    装置。
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