JPH0852136A - 超音波ドプラ診断装置 - Google Patents

超音波ドプラ診断装置

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JPH0852136A
JPH0852136A JP21321794A JP21321794A JPH0852136A JP H0852136 A JPH0852136 A JP H0852136A JP 21321794 A JP21321794 A JP 21321794A JP 21321794 A JP21321794 A JP 21321794A JP H0852136 A JPH0852136 A JP H0852136A
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JP
Japan
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doppler
shift
frequency
signal
spectrum
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JP21321794A
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English (en)
Inventor
Mikio Izumi
美喜雄 泉
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
Original Assignee
Hitachi Medical Corp
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Publication date
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Publication of JPH0852136A publication Critical patent/JPH0852136A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ドプラ偏移周波数の変化をドプラスペクトラ
ムとして表示装置に表示すると共に2チャンネルのドプ
ラ音として出力する超音波ドプラ診断装置において、上
記ドプラ偏移周波数が所定値を越えてエリアシングを起
した場合でもドプラスペクトラム表示とドプラ音の出力
スペクトラムとがくい違わないようにする。 【構成】 ドプラ検出系3とオーディオ信号出力系11
との間に、ドプラ音の周波数スペクトラムを周波数軸方
向に任意量だけシフトするオーディオベースラインシフ
ト系21を設け、ドプラスペクトラム表示のベースライ
ンシフト部10のシフト量制御信号Sにより上記オーデ
ィオベースラインシフト系21のシフト量を制御するよ
うにしたものである。これにより、ドプラ偏移周波数が
所定値を越えてエリアシングを起した場合でも、ドプラ
スペクトラム表示とドプラ音の出力スペクトラムとがく
い違わないようにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体の診断部位に対
して超音波を送受信し、得られた反射エコー信号から血
流によりドプラ偏移を受けた信号を検出してその被検体
の血流を計測し、そのドプラ偏移周波数の変化をドプラ
スペクトラムとして表示装置に表示すると共に2チャン
ネルのドプラ音として出力する超音波ドプラ診断装置に
関し、特に上記ドプラ偏移周波数が所定値を越えてエリ
アシングを起した場合でもドプラスペクトラム表示とド
プラ音の出力スペクトラムとがくい違わないようにする
ことができる超音波ドプラ診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の超音波ドプラ診断装置
は、図3に示すように、超音波信号収集系1で被検体内
の診断部位の血流について収集した反射エコー信号2を
直交検波して複素ドプラ信号を得ることにより血流によ
りドプラ偏移を受けた信号を検出するドプラ検出系3
と、このドプラ検出系3で得た複素ドプラ信号4a,4
bを取り込んでフーリエ変換する周波数分析器5と、こ
の周波数分析器5からのフーリエ変換出力6a,6bの
絶対値を演算してドプラスペクトラムデータを得る絶対
値演算器7と、この絶対値演算器7からのドプラスペク
トラムデータ8を輝度に変換してドプラ偏移周波数の時
間的変化を表示する表示装置9と、この表示装置9への
ドプラスペクトラム表示を表示上の周波数軸方向に任意
量だけ円環シフトするベースラインシフト部10と、上
記ドプラ検出系3で得た複素ドプラ信号4a,4bを取
り込んで2チャンネルのドプラ音として出力するオーデ
ィオ信号出力系11とを備えて成っていた。なお、上記
ドプラ検出系3は、互いに90度位相の異なる参照波を発
生する参照波発生器12と、二つの乗算器13a,13
bと、二つのローパスフィルタ14a,14bと、二つ
の区間積分器15a,15bとから成る。また、上記ベ
ースラインシフト部10にはシフト量を制御するための
シフトコントローラ16が接続されている。さらに、オ
ーディオ信号出力系11は、順逆分離器17と、二つの
D/A変換器18a,18bと、二つのスピーカ19
a,19bとから成る。
【0003】そして、このような構成により、上記超音
波信号収集系1で収集されドプラ偏移成分を含んだ反射
エコー信号2はドプラ検出系3へ入力し、二つの乗算器
13a,13bによって参照波発生器12からの互いに
90度位相の異なる参照波と乗算され、ローパスフィルタ
14a,14bで直交検波され、さらに区間積分器15
a,15bで或る深さの信号だけが抽出されて複素ドプ
ラ信号4a,4bとして得られる。この複素ドプラ信号
4a,4bは、エコー元としての血流が近付く場合には
その速度に比例した正の周波数として、遠去かる場合に
はその速度に比例した負の周波数として表現される。
【0004】上記のようにして得られた複素ドプラ信号
4a,4bは、その後二つの系統で処理され、診断のた
めの情報として出力される。一つの系統は、上記得られ
た複素ドプラ信号4a,4bを周波数分析器5及び絶対
値演算器7で処理して表示装置9へ入力し、ドプラ偏移
周波数の時間的変化をドプラスペクトラム(ドプラ波
形)としてリアルタイムに表示する。他の系統は、上記
のドプラ波形の表示と同時に、ドプラ検出系3からの複
素ドプラ信号4a,4bをオーディオ信号出力系11へ
入力し、順逆分離器17で上記複素ドプラ信号4a,4
bの周波数成分の符号を選別分離してD/A変換し、2
チャンネルのドプラ音として二つのスピーカ19a,1
9bから出力する。例えば、正の周波数成分は近付く血
流からのドプラ信号として一方のスピーカ19aから出
力され、負の周波数成分は遠去かる血流からのドプラ信
号として他方のスピーカ19bから出力される。
【0005】ここで、被検体表面より或る深さの血流に
対してゲートを用いてドプラ信号を得るパルスドプラ法
では、パルス波を用いることからくるパルスの繰り返し
周波数の制限から、このパルス繰り返し周波数(PR
F)の1/2を越えるドプラ偏移周波数をもつような比
較的速い血流のドプラスペクトラム表示や、ドプラ音の
出力は、エリアシングと呼ばれる現象により周波数がP
RF/2を越える点で折り返されてしまうものであっ
た。すなわち、図4(a)に示すように、ドプラスペク
トラム表示において横軸を時間tとし縦軸を周波数とす
ると、周波数がPRF/2を越えるドプラ波形は、その
部分が折り返されて−PRF/2の線上に分断されて表
示される。また、図4(c)に示すように、図4(a)
に示す時刻t0におけるドプラ音の出力において横軸を
周波数fとすると、その時刻t0における複素ドプラ信
号4a,4bの周波数がPRF/2を越えている場合は
(破線の信号波形参照)、エリアシングにより折り返さ
れて実線の信号波形4a,4bで示すように−PRF/
2側のみに信号が立つこととなる。従って、オーディオ
信号出力系11からは、負の周波数成分の信号波形20
bとして認識し他方のスピーカ19bからのみのドプラ
音の出力となる。
【0006】これに対して、従来は、図4(a)に示す
ドプラスペクトラム表示においては、図3に示すベース
ラインシフト部10及びシフトコントローラ16を用い
てベースラインシフトという手法により、表示上の周波
数軸方向に表示データを任意量だけ円環シフトして、図
4(b)に示すようにベースラインを破線で示す元の位
置から負の周波数側にずらし実線の位置とし、見かけ上
は−PRF/2〜PRF/2の周波数範囲内で折り返し
の無いドプラ波形を表示していた。一方、図4(c)に
示すドプラ音の出力においては、既にオーディオ信号周
波数が折り返されて元の信号周波数がわからないこと
と、図3に示すオーディオ信号出力系11にはドプラス
ペクトラム表示におけるベースラインシフト部10に相
当するものは設けられていないこととから、上述のよう
なベースラインシフト動作はできず、図4(d)に示す
ように実際には存在しなかったオーディオ信号20bを
他方のスピーカ19bから出力することとなり、正しい
ドプラ音は出力できなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の超音波ドプラ診断装置においては、上述のようにド
プラスペクトラム表示についてはベースラインシフト動
作はできても、ドプラ音の出力についてはベースライン
シフト動作はできず、ドプラ偏移周波数がパルス繰り返
し周波数(PRF)の1/2を越えてエリアシングを起
した場合には、図4(b)に示すようにベースラインシ
フトした結果のドプラ波形と、図4(d)に示すように
ベースラインシフトができないドプラ音の出力とがくい
違うものであった。従って、ドプラスペクトラム表示と
ドプラ音の出力とを併用して行う医師の診断がしにくく
なることがあった。このことから診断効率が低下するこ
とがあった。
【0008】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、ドプラ偏移周波数が所定値を越えてエリアシング
を起した場合でもドプラスペクトラム表示とドプラ音の
出力スペクトラムとがくい違わないようにすることがで
きる超音波ドプラ診断装置を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による超音波ドプラ診断装置は、超音波信号
収集系で被検体内の診断部位の血流について収集した反
射エコー信号を直交検波して複素ドプラ信号を得ること
により血流によりドプラ偏移を受けた信号を検出するド
プラ検出系と、このドプラ検出系で得た複素ドプラ信号
を取り込んでフーリエ変換する周波数分析器と、この周
波数分析器からのフーリエ変換出力の絶対値を演算して
ドプラスペクトラムデータを得る絶対値演算器と、この
絶対値演算器からのドプラスペクトラムデータを輝度に
変換してドプラ偏移周波数の時間的変化を表示する表示
装置と、この表示装置へのドプラスペクトラム表示を表
示上の周波数軸方向に任意量だけ円環シフトするベース
ラインシフト部と、上記ドプラ検出系で得た複素ドプラ
信号を取り込んで2チャンネルのドプラ音として出力す
るオーディオ信号出力系とを備えて成る超音波ドプラ診
断装置において、上記ドプラ検出系とオーディオ信号出
力系との間に、ドプラ音の周波数スペクトラムを周波数
軸方向に任意量だけシフトするオーディオベースライン
シフト系を設け、上記ドプラスペクトラム表示のベース
ラインシフト部のシフト量制御信号により上記オーディ
オベースラインシフト系のシフト量を制御するようにし
たものである。
【0010】
【作用】このように構成された超音波ドプラ診断装置
は、ドプラ検出系とオーディオ信号出力系との間に設け
られたオーディオベースラインシフト系により、ドプラ
音の周波数スペクトラムを周波数軸方向に任意量だけシ
フト可能とし、ドプラスペクトラム表示のベースライン
シフト部のシフト量制御信号により上記オーディオベー
スラインシフト系のシフト量を制御するように動作す
る。これにより、ドプラ偏移周波数が所定値を越えてエ
リアシングを起した場合でも、ドプラスペクトラム表示
とドプラ音の出力スペクトラムとがくい違わないように
することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による超音波ドプラ診断
装置の実施例を示すブロック図である。この超音波ドプ
ラ診断装置は、被検体の診断部位に対して超音波を送受
信し、得られた反射エコー信号から血流によりドプラ偏
移を受けた周波数信号を検出してその被検体の血流を計
測し、そのドプラ偏移周波数の変化をドプラスペクトラ
ムとして表示装置に表示すると共に2チャンネルのドプ
ラ音として出力するもので、図1に示すように、超音波
信号収集系1と、ドプラ検出系3と、周波数分析器5
と、絶対値演算器7と、表示装置9と、ベースラインシ
フト部10と、オーディオ信号出力系11とを有し、さ
らにオーディオベースラインシフト系21を備えて成
る。
【0012】上記超音波信号収集系1は、図示外の被検
体内の診断部位に向けて超音波を送受信すると共に該診
断部位からの反射波を受信してエコー信号を得るもの
で、図示省略したがその内部には、探触子と、この探触
子の駆動を制御する超音波送受信部とを有している。ま
た、ドプラ検出系3は、上記超音波信号収集系1で得ら
れた反射エコー信号2を直交検波して複素ドプラ信号4
a,4bを得ることにより血流によりドプラ偏移を受け
た周波数信号を検出するもので、互いに90度位相の異な
る参照波を発生する参照波発生器12と、この参照波発
生器12で発生された2種類の参照波を上記反射エコー
信号2に乗算する二つの乗算器13a,13bと、この
乗算器13a,13bからの出力信号を直交検波する二
つのローパスフィルタ14a,14bと、このローパス
フィルタ14a,14bからの出力信号について或る深
さの信号だけを抽出する二つの区間積分器15a,15
bとで構成されている。
【0013】周波数分析器5は、上記ドプラ検出系3で
生成された複素ドプラ信号4a,4bを取り込んでフー
リエ変換するもので、例えばFET(高速フーリエ変換
器)から成る。また、絶対値演算器7は、上記周波数分
析器5からのフーリエ変換出力6a,6bの絶対値を演
算してドプラスペクトラムデータを得るもので、例えば
ROMテーブルから成る。さらに、表示装置9は、上記
絶対値演算器7から出力されたドプラスペクトラムデー
タ8を入力し輝度に変換してドプラ偏移周波数の時間的
変化を表示するもので、例えばカラーのテレビモニタか
ら成り、その画面上に横軸を分析サイクル(時間経過)と
し、縦軸を周波数(血流速度)とし、ドプラスペクトラム
のパワーを輝度としてドプラ波形を表示するようになっ
ている。
【0014】そして、ベースラインシフト部10は、上
記表示装置9へのドプラスペクトラム表示を表示上の周
波数軸方向に任意量だけ円環シフトするもので、シフト
コントローラ16からの制御信号によりシフト量が制御
されるようになっている。これにより、ドプラスペクト
ラム表示においてエリアシングが発生したときに、見か
け上は折り返しの無いドプラ波形を表示する。さらに、
オーディオ信号出力系11は、前記ドプラ検出系3で得
た複素ドプラ信号4a,4bを取り込んで2チャンネル
のドプラ音として出力するもので、上記複素ドプラ信号
4a,4bの周波数成分の符号を選別分離する順逆分離
器17と、この順逆分離器17からの出力信号をアナロ
グ信号に変換する二つのD/A変換器18a,18b
と、このD/A変換器18a,18bからの出力信号を
入力して2チャンネルのドプラ音として出力する二つの
スピーカ19a,19bとで構成されている。これによ
り、例えば、正の周波数成分は近付く血流からのドプラ
信号として一方のスピーカ19aから出力され、負の周
波数成分は遠去かる血流からのドプラ信号として他方の
スピーカ19bから出力される。
【0015】ここで、本発明においては、上記ドプラ検
出系3とオーディオ信号出力系11との間に、オーディ
オベースラインシフト系21が設けられている。このオ
ーディオベースラインシフト系21は、ドプラ音の周波
数スペクトラムを周波数軸方向に任意量だけシフトする
もので、図1に示すように、二つのゼロ点補間器22
a,22bと、複素正弦波発生器23と、第一の複素乗
算器24と、二つのローパスフィルタ25a,25b
と、第二の複素乗算器26とから成る。上記二つのゼロ
点補間器22a,22bは、前記ドプラ検出系3から出
力される複素ドプラ信号4a,4bのサンプルデータの
繰り返し周波数を増大させるもので、図では省略されて
いるがそれぞれの複素ドプラ信号4a,4bをディジタ
ル化した後、これらの複素ドプラ信号4a,4bのサン
プル値の間にゼロデータを追加することにより繰り返し
周波数(PRF)を例えば2倍とするようになってい
る。複素正弦波発生器23は、ベースラインシフト量に
相当する複素正弦波29a,29bを発生させるもの
で、前記シフトコントローラ16からシフト量の制御信
号が入力するようになっている。第一の複素乗算器24
は、上記複素正弦波発生器23からの複素正弦波29
a,29bと前記ゼロ点補間器22a,22bからの複
素ドプラ信号28a,28bとをミキシングするもので
ある。また、二つのローパスフィルタ25a,25b
は、上記第一の複素乗算器24からの出力信号30a,
30bについて不要な帯域を除去するものである。さら
に、第二の複素乗算器26は、上記ローパスフィルタ2
5a,25bからの出力信号31a,31bに第一の複
素乗算器24とは絶対値が等しく符号が反対の周波数を
もつ複素正弦波32a,32bをミキシングするもの
で、前記複素正弦波発生器23との間に符号反転器27
が挿入されている。
【0016】そして、上記オーディオベースラインシフ
ト系21の複素正弦波発生器23に、前記ベースライン
シフト部10と共通にシフトコントローラ16が接続さ
れていることから、ドプラスペクトラム表示のベースラ
インシフト部10のシフト量制御信号Sにより、上記オ
ーディオベースラインシフト系のシフト量を同時に制御
することとなる。
【0017】次に、このように構成された超音波ドプラ
診断装置の動作について説明する。図1において、超音
波信号収集系1からドプラ検出系3及び周波数分析器5
並びに絶対値演算器7、ベースラインシフト部10、表
示装置9までの動作は、図3に示す従来例と全く同じで
あり、図4(a)に示すようにエリアシングを起した場
合でも、上記ベースラインシフト部10によって任意量
だけ円環シフトして図4(b)に示すように見かけ上は
折り返しの無いドプラ波形を表示することができる。
【0018】このような状態で、オーディオベースライ
ンシフト系21の動作について、図2を参照して説明す
る。まず、ドプラ検出系3から出力されディジタル化さ
れた複素ドプラ信号4a,4b(図2(a)参照)は、そ
れぞれゼロ点補間器22a,22bへ入力し、各々のデ
ータのサンプル値の間にゼロデータが追加され、その繰
り返し周波数が2倍とされた複素ドプラ信号28a,2
8b(図2(b)参照)が出力される。次に、複素正弦波
発生器23は、シフトコントローラ16からのシフト量
制御信号Sを入力して、前記ベースラインシフト部10
に与えたシフト量と同じだけ例えば負側へシフトした複
素正弦波29a,29b(図2(c)参照)を発生する。
【0019】次に、第一の複素乗算器24は、上記のよ
うに得られた複素ドプラ信号28a,28bと複素正弦
波29a,29bとを入力してミキシングし、図2
(d)に実線で示すように、図2(b)に示す複素ドプ
ラ信号28a,28bを上記与えられたシフト量だけ負
側へシフトした出力信号30a,30bが得られる。数
学的には、第一の複素乗算器24において、 とすると、出力信号30a,30bは となり、周波数軸方向にちょうどシフト量ωsだけドプ
ラ信号のスペクトラムがシフトすることがわかる。な
お、図2(d)において、破線で示すカーブは、従来と
同様にシフト量がゼロの場合の出力信号を表している。
【0020】次に、上記出力信号30a,30bは、そ
れぞれローパスフィルタ25a,25bに入力し、不要
な帯域が除去される。このローパスフィルタ25a,2
5bの特性は、図2(e)に示すようになっており、そ
のカットオフ周波数は2PRF/4で常に固定となって
いる。これにより、上記ローパスフィルタ25a,25
bからの出力信号31a,31bは、図2(f)に示す
ように、そのフィルタ特性によって不要な帯域が除去さ
れた信号となる。このとき、前記複素正弦波発生器23
で発生された複素正弦波29a,29bは、符号反転器
27により、絶対値が等しく符号が反対の周波数をもつ
複素正弦波32a,32bとされる。この複素正弦波3
2a,32bは、図2(g)に示すように、図2(c)
に示す複素正弦波29a,29bとは反対に正側へ同量
だけシフトした信号となる。
【0021】次に、第二の複素乗算器26は、ローパス
フィルタ25a,25bからの出力信号31a,31b
と上記複素正弦波32a,32bとを入力してミキシン
グし、図2(h)に実線で示すように、図2(f)に示
す出力信号31a,31bを上記与えられたシフト量だ
け正側へシフトして元の周波数に戻された出力信号33
a,33bが得られる。ただし、この出力信号33a,
33bには、元の複素ドプラ信号4a,4b(図2(a)
参照)に対し上述のベースラインシフトを行うことで、
従来の図4(c)に示すようなエリアシングによる折り
返し成分が除去されている。なお、以上の説明で、図2
(c)〜(h)における実線はベースラインシフトを−
PRF/2で行った場合を示し、破線はシフト量ゼロの
場合を示している。
【0022】その後、上記のようにして得られた第二の
複素乗算器26の出力信号33a,33bは、オーディ
オ信号出力系11へ入力し、順逆分離器17及びD/A
変換器18a,18bを介して、図2(i)に示すよう
に、正の周波数成分のオーディオ信号20aとして一方
のスピーカ19aから正しいドプラ音が出力される。こ
のときは、他方のスピーカ19bからの負の周波数成分
のオーディオ信号20bは出力されない。以上のように
して、図1に示すシフトコントローラ16からのシフト
量制御信号Sを、ドプラスペクトラム表示のベースライ
ンシフト部10とオーディオベースラインシフト系21
とに共通に入力してそれぞれのベースラインのシフト量
を制御することにより、ドプラスペクトラム表示とドプ
ラ音とを同時にベースラインシフトし、両者のくい違い
が除去される。
【0023】なお、図1に示す複素正弦波発生器23
は、ディジタル処理の場合はsinテーブルを記録したR
OMを用い、このROMから上記sinテーブルを読み出
すことで実現できる。また、図1に示す全体構成は、デ
ィジタル処理の装置構成としてもよいし、アナログ処理
の装置構成としてもよい。或いは、ディジタル処理の装
置構成のうち一部だけをアナログ化してもよい。さら
に、図1に示す装置構成中の所要箇所に低域除去フィル
タを追加して、被検体の固定部からの反射エコー信号を
減衰させるようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
ドプラ検出系とオーディオ信号出力系との間に設けられ
たオーディオベースラインシフト系により、ドプラ音の
周波数スペクトラムを周波数軸方向に任意量だけシフト
可能とし、ドプラスペクトラム表示のベースラインシフ
ト部のシフト量制御信号により上記オーディオベースラ
インシフト系のシフト量を制御することができる。これ
により、ドプラ偏移周波数が所定値を越えてエリアシン
グを起した場合でも、ドプラスペクトラム表示とドプラ
音の出力スペクトラムとがくい違わないようにすること
ができる。従って、ドプラスペクトラム表示とドプラ音
の出力とを併用して行う医師の診断がスムーズに行え
る。このことから、診断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波ドプラ診断装置の実施例を
示すブロック図である。
【図2】上記超音波ドプラ診断装置におけるオーディオ
ベースラインシフト系の動作を説明するための周波数ス
ペクトラムの図である。
【図3】従来の超音波ドプラ診断装置を示すブロック図
である。
【図4】従来例におけるドプラスペクトラム表示のベー
スラインシフト動作の状態及びドプラ音の出力について
はベースラインシフト動作ができないことを説明するた
めのグラフである。
【符号の説明】
1…超音波信号収集系 3…ドプラ検出系 5…周波数分析器 7…絶対値演算器 9…表示装置 10…ベースラインシフト部 11…オーディオ信号出力系 16…シフトコントローラ 21…オーディオベースラインシフト系 22a,22b…ゼロ点補間器 23…複素正弦波発生器 24…第一の複素乗算器 25a,25b…ローパスフィルタ 26…第二の複素乗算器 27…符号反転器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波信号収集系で被検体内の診断部位
    の血流について収集した反射エコー信号を直交検波して
    複素ドプラ信号を得ることにより血流によりドプラ偏移
    を受けた信号を検出するドプラ検出系と、このドプラ検
    出系で得た複素ドプラ信号を取り込んでフーリエ変換す
    る周波数分析器と、この周波数分析器からのフーリエ変
    換出力の絶対値を演算してドプラスペクトラムデータを
    得る絶対値演算器と、この絶対値演算器からのドプラス
    ペクトラムデータを輝度に変換してドプラ偏移周波数の
    時間的変化を表示する表示装置と、この表示装置へのド
    プラスペクトラム表示を表示上の周波数軸方向に任意量
    だけ円環シフトするベースラインシフト部と、上記ドプ
    ラ検出系で得た複素ドプラ信号を取り込んで2チャンネ
    ルのドプラ音として出力するオーディオ信号出力系とを
    備えて成る超音波ドプラ診断装置において、上記ドプラ
    検出系とオーディオ信号出力系との間に、ドプラ音の周
    波数スペクトラムを周波数軸方向に任意量だけシフトす
    るオーディオベースラインシフト系を設け、上記ドプラ
    スペクトラム表示のベースラインシフト部のシフト量制
    御信号により上記オーディオベースラインシフト系のシ
    フト量を制御するようにしたことを特徴とする超音波ド
    プラ診断装置。
JP21321794A 1994-08-16 1994-08-16 超音波ドプラ診断装置 Pending JPH0852136A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002325767A (ja) * 2001-04-27 2002-11-12 Toshiba Corp 超音波ドプラ診断装置及びドプラ信号の処理方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002325767A (ja) * 2001-04-27 2002-11-12 Toshiba Corp 超音波ドプラ診断装置及びドプラ信号の処理方法
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