JPH08512290A - 3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドおよびその製造方法 - Google Patents
3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドおよびその製造方法Info
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- JPH08512290A JPH08512290A JP6523885A JP52388594A JPH08512290A JP H08512290 A JPH08512290 A JP H08512290A JP 6523885 A JP6523885 A JP 6523885A JP 52388594 A JP52388594 A JP 52388594A JP H08512290 A JPH08512290 A JP H08512290A
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、一般式I:
[式中、R1は水素原子、カルボキシル基またはフェニル基または1〜10個のC原子を有するアルキル基を表し、該基はフェニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、メルカプト基またはアミノ基により置換されていてもよく、R2は水素原子、ペプチド化学で常用のアミノ保護基またはペプチド基を表し、R3は水素原子またはフルクトシル基を表し、nは0または1である]で表される3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドおよびその製造方法に関する。
Description
【発明の詳細な説明】
3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドおよびその製造方法
本発明は、3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドおよび3−アミノ−アロ
サッカロースから該サッカリドを製造する方法に関する。
アミノ酸およびサッカリドの結合は主として糖ペプチドまたは糖タンパク質中
におよび少ない割合で細菌のリポ多糖中に存在する。糖ペプチドはサッカリドお
よびタンパク質の結合領域として糖タンパク質中に存在する部分構造である。血
液および多数の分泌液中に溶解した形でおよび膜二重層に定着した形で見出され
る糖タンパク質は、近年、その機能が生物学的制御法において認められ、研究さ
れて以来注目を集めている。多くの場合に認識信号として炭水化物側鎖が用いら
れる。
しかしながらタンパク質および炭水化物側鎖の共有結合の形式は、多数の天然
に存在する糖タンパク質にもかかわらずほとんど区別されず、このことは糖タン
パク質の生合成に起因する。両方の成分はグリコシド結合を介して結合され、そ
の際N−糖タンパク質およびO−糖タンパク質に区別される。N−糖タンパク質
においては、多くの場合に、アスパラギン成分の側鎖
アミド基が2−アセトアミド−2−デソキシ−D−グルースとβ−N−グリコシ
ド結合している。しかしながら近年このほかにN−グリコシル−およびN−ガラ
クトシル構造が見出された。O−糖タンパク質においては、多くの場合に、2−
アセトアミド−2−デソキシ−D−ガラクトースのα−O−グリコシド結合また
はD−キシロースとセリンまたはトレオニンのヒドロキシル基とのβ−O−グリ
コシド結合が存在する(H.Paulsen,Synthesen,Konformationen und Roentogen-s
trukturanalysen von Saccharidketten der Core-Regionen von Glycoproteinen
,Angew,Chem,102(1990)851〜867,H.Kunz,Synthese von Glycopeptiden-Partials
trukturen biologischer Erkennungskomponenten,Angew.Chem.99(1987)297〜311
,J.Montreuil,Primary Strukture of Glycoprotein Glycans,Adv.Carbohydr.Che
m.Biochem.37(1980)157〜223)。
細菌に由来のリポ多糖中にアミド結合を介してアミノ糖と結合している個々の
アミノ酸、たとえば志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)タイプ7のリポ多糖の
O−特異的側鎖に4−アミノ−4,6−ジデソキシ−D−グリコピラノシル基の
アミノ基を介して結合しているN−アセチルグリシン(Y.A.Knirel et al.,Carb
ohydr.Res.179(1988)51〜60)、または3−アミノ−3,6−ジデソキシ−
D−グルコピラノシル基のアミノ基を介して大腸菌(Escherichia coli)011
4のリポ多糖のO−特異的側鎖と結合しているN−アセチル−L−セリン(V.L.
L'vov et al.,Carbohydr.Res.112(1983)233〜239)が検出された。
これらの物質は抗原として作用する。
本発明は、以下の式I:
[式中、
R1は水素原子、カルボキシル基またはフェニル基または1〜10個のC原子
を有するアルキル基を表し、該基はフェニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル
基、メルカプト基またはアミノ基により置換されていてもよく、その際前記置換
基は保護基を有していてもよく、
R2は水素原子、ペプチド化学で常用のアミノ保護基またはペプチド基を表し
、
R3は水素原子またはフルクトシル基を表し、
nは0または1である]で表される新規の3−(アミノアシル−アミノ)サッ
カリド、特に3−(L−アミノアシル−アミノ)−D−アロピラノシル−β−D
−フルクトフラノシド(以下に3−(アミノアシル−アミノ)アロサッカロース
と記載する)および3−(L−アミノアシル−アミノ)−D−アロピラノース
に関する。更に本発明は3−アミノ−3−デソキシ−D−アロ−ピラノシル−β
−D−フルクトフラノシド(3−アミノ−アロサッカロースと記載する)から出
発して前記の物質を製造する方法に関する。
本発明による3−(アミノアシル−アミノ)−アロサッカリドは、アミノ酸の
カルボキシル基が酸アミド結合を介して3−アミノ−アロサッカロースのアミノ
基に結合している物質である。従ってこの化合物は糖タンパク質とは異なり炭水
化物およびアミノ酸のグリコシド結合を有せず、前記のリポ多糖に類似の結合構
造を有する。
3−(アミノアシル−アミノ)−アロサッカロースは糖ペプチド合成の方法を
用いて、炭水化物およびタンパク質がN−グリコシド結合を介してでなく、酸ア
ミド結合を介して結合している新しい形式の糖ペプチドの製造を可能にする。こ
のために出発物質として特に酸および塩基性のアミノ酸が適している、それとい
うのもアミノ酸サッカリド中のアミノ酸基がそれぞれなお2つの官能基を有し、
従ってペプチド鎖を2つの側に形成することができるからである。
糖ペプチドの製造は、一般に2つの出発成分の多官能性にもとづききわめて問
題であり、多くの場合にサッカリドおよびアミノ酸またはペプチドの所に保護基
の導入を必要とする。保護基を導入せずに得られる3−アミノ−アロサッカロー
スの導入により、今やサッ
カリド成分中の3−アミノアシル基を合成するために保護基を省くことが可能で
ある。
3−(アミノアシル−アミノ)−アロサッカロースのフルクトシル基の分離に
より3−(アミノアシル−アミノ)アロースを得ることができ、これを糖ペプチ
ドの製造に用いることができる。この場合にアミノ酸基に更にアミノ酸を結合す
ることによりペプチド鎖を形成することができ、およびアロースを介してオリゴ
サッカリド鎖を製造することができる。
本発明による化合物およびこれから製造された誘導体は、学際的研究および使
用に、たとえば糖タンパク質の生物学的機能を解明するために、抗体の誘導のた
めに、生物学的認識および選択性の探求のためにおよび薬理的作用物質の開発の
ためにおよび酵素および微生物の可能な抑制物質として使用可能である。
3−(L−アミノアシル)−アミノ−アロサッカリドの製造はサッカロースか
ら出発する。この多官能性分子中で、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(
Agrobacterium tumefaciens)を用いた微生物の酸化によりグルコシル基のC−
3にケト基を導入し、ケト基を引き続き、たとえばアンモニア、ヒドロキシルア
ミンまたはヒドラジンを用いた還元性アミノ化により、水素原子および金属触媒
を用いて、選択的にアミノ基に移行することができる。クロマトグラフィーによ
る精製後アミノ化生成物、3−アミノ−アロサッカ
ロースが得られる(M.Pietsch,Dissertation TU-Braunschweig,1993)。この合
成法は、同じようにして、すでに還元したサッカリドからジアミンを製造するた
めに欧州特許公開第0399448号明細書に記載されている。
3−アミノ−アロサッカロースは3−(アミノアシル−アミノ)−アロサッカ
リドの出発生成物として用いる。反応は意想外にも、M.Kiyozumi e
t al.,Carbohydr.Res.14(1970)355〜364に
記載の方法により達成される。このために3−アミノ−アロサッカロースを、N
−末端の保護されたアミノ酸およびジアミノ酸またはN−およびC−末端の保護
されたアミノジカルボン酸または相当する保護されたペプチドとピリジン/水混
合物中でN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を用いてアミノ
酸のカルボキシル官能基を活性化して反応させる。引き続き保護基を分離するこ
とができる。反応生成物の精製は、たとえばカラムクロマトグラフィーにより可
能である。精製した物質の構造の検出は13C−NMR分光学および高速原子衝撃
質量分析法(FAB−MS)により行う。
3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドの製造方法として以下の工程が提案
される。
1.たとえばアグロバクテリウム・ツメファシエンスNCPPB396の菌株
の細菌を用いてサッカロー
スを酸化し、3−ケトサッカロースを形成する。
2.3−ケトサッカロースの還元アミノ化および生じた生成物混合物の後処理
および分離および3−アミノ−アロサッカロースの単離。
3.その他のアミノ基およびカルボキシル基がペプチド化学で常用の保護基に
より保護されてもよい、活性化されたカルボキシル基を有するアミノ酸またはペ
プチドを用いた3−アミノ−アロサッカロースのN−アシル化。
4.上記物質のアミノ酸基から1個以上の保護基および/またはサッカロース
基からフルクトシル基の分離および生成物の単離および精製。
カルボキシル基の活性化のためにジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)
が有利であるが、多くの量でサッカリドのヒドロキシル基と反応しないかぎり、
カップリング試薬として1,2−ジヒドロ−2−エトキシキノリン−1−カルボ
ン酸エチルエステル(EEDQ)およびほかの活性化されたカルボキシル基、た
とえば無水物、エステル、アジドまたはハロゲン化物を使用することができる。
アミノ保護基として、穏やかな方法で再び分離できるペプチド化学で周知のす
べての基を使用することができる。たとえばベンジルオキシカルボニル基(CB
Z)、t−ブチルオキシカルボニル基(BOC)およびトリフェニルメチル基(
Trt)が挙げられ、これ
らは触媒作用した水素化またはハロケン水素酸、特にトリフルオロ酢酸を用いた
酸の加水分解により再び分離する。
カルボキシル保護基として、たとえばアルキルエステル、および特にベンジル
エステルが挙げられ、これを酸またはアルカリにより分離することができる。ベ
ンジル基は更に特に穏やかに水素化分解により除去することができる。
アミノ酸として、多くの量でタンパク質の加水分解により得られる“天然の”
L−アミノ酸が有利であるが、所定の目的のために合成により製造したラセミ体
のアミノ酸またはD−アミノ酸または天然に存在しないアミノ酸を使用すること
ができる。更にアミノ酸の代りに相当するペプチドを使用することができる。
本発明を以下の実施例により詳細に説明する。
例1
3−アミノ−アロサッカロースと純粋の炭化水素側鎖を有するアミノ酸のカッ
プリング
3−(L−ロイシル−アミノ)−アロサッカロース
3−アミノ−アロサッカロース200mgをN−BOC−L−ロイシン137
mg(0.059ミリモル)といっしょに溶剤(ピリジン/H2O、4:1)1
3mlに溶かし、氷浴中で冷却した。引き続き、冷却下でDCC(1.0ミリモ
ル、溶剤0.5mlに溶かした)を撹拌および冷却して緩慢に滴加した。数時間
後
冷却を終了した。反応時間(撹拌して)約17時間後反応混合物に氷酢酸の滴加
により反応を中断し、15分撹拌後得られた未溶解のジシクロヘキシル尿素を濾
過した。溶剤をトルエンを添加して温和に回転蒸発機で(40℃、真空)除去し
た。反応生成物に水およびジエチルエーテルを加えて分離漏斗に移行し、水相を
ジエチルエーテルで数回抽出した。水相中の反応生成物を凍結乾燥し、生成物を
カラムクロマトグラフィー(開始相:シリカゲル、溶離剤:酢酸エチルエステル
/エタノール/水、5:3:1)により精製した。3−(N−t−BOC−L−
ロイシル−アミノ)−アロサッカロースが35%の収率で得られた。
C23H42N2O13(M=554g/モル)
13C−NMRデータ(75.5MHz,D2O/アセトン−d6);
δ=178.0(C1″),158.3(C7″),105.0(C2′),9
3.0(C1),82.6(C5′),82.2(C8″),77.5(C3′
),74.6(C4′),69.4/66.1/65.7(C2,4,5),6
2.9/62.4(C6′,1′),60.8(C6),55.3/53.4(
C3,2″),40.8(C3″),28.5(C9″−11″),25.1(
C4″),23.1(C5″,6″)
FAB−質量分析(pos.マトリックス グリセ
リン):
m/z=555(M+H)+,393(M−フルクトシル基+H)+,761[M
+2グリセリン+Na]+
t−ブチルオキシカルボニル(BOC)保護基の分離を90%トリフルオロ酢
酸を用いて実施した。このために反応生成物を冷たい90%トリフルオロ酢酸に
溶かし、4℃で20〜30分放置した。引き続きこの物質を冷たい乾燥したジエ
チルエーテルの添加により沈殿し、濾過し、ジエチルエーテルで数回後洗浄した
。カラムクロマトグラフィーによる精製後、3−(L−ロイシル−アミノ)−ア
ロサッカロースが得られた。
同様にして以下の物質を製造した。
3−(N−BOC−L−アラニル−アミノ)−アロサッカロースC20H36N2
O13
(M=512g/モル)
13C−NMRデータ(75.5MHz,D2O/アセトン−d6);
δ=170.8(C1″),154.9(C4″),104.2(C2′),9
1.6(C1),82.7(C5′),78,2(C5″),76.4(C3′
),73.7(C4′),69.0/65.5/65.0(C2,4,5),6
1.8(C6′,1′),60.1(C6),55.3(C3),49.5(C
2″),28.1(C6″−8″),17.9(C3″)
3−(N−BOC−L−フェニルアラニル−アミノ)
−アロサッカロースC26H40N2O13
(M=588g/モル)
13C−NMRデータ(75.5MHz,D2O/アセトン−d6);
δ=176.3(C1″),158.0(C10″),137.0(C4″),
128.9/128.5/128.1(C5″−9″),104.5(C2′)
,92.5(C1),82.4(C5′),81.0(C11″),77.4(
C3′),74.3(C4′),69.2/65.7/65.4(C2,4,5
),66.5(C6′),62.4(C1′),60.5(C6),56.0/
53.0(C3,2″),40.5(C3″),28.1(C12″−14″)
FAB−質量分析(pos.マトリックス グリセリン):
m/z=589(M+H)+,427(M−フルクトシル基+H)+,611[M
+Na]+
これらの化合物からBOC基をトリフルオロ酢酸を用いて分離することができ
る。
例2
3−アミノ−アロサッカロースと酸性または塩基性のアミノ酸のカップリング
3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−アロサッカロースC16H28N2O13
(M=456g/モル)
このために3−アミノ−アロサッカロース150m
g(0.44ミリモル)をN−t−BOC−L−アスパラギン酸ベンジルエステ
ル142mgといっしょに溶剤(ピリジン/H2O、4:1)13mlに溶かし
、氷浴中で冷却した。引き続き、冷却下でDCC(0.7ミリモル、溶剤0.5
mlに溶かした)を撹拌および冷却して緩慢に滴加した。数時間後冷却を終了し
た。反応時間(撹拌して)約17時間後反応混合物に氷酢酸の滴加により反応を
中断し、15分撹拌後得られた未溶解のジシクロヘキシル尿素を濾過した。溶剤
をトルエンを添加して温和に回転蒸発機で(40℃、真空)除去した。反応生成
物に水およびジエチルエーテルを加えて分離漏斗に移行し、水相をジエチルエー
テルで数回抽出した。水相中の反応生成物を凍結乾燥した。
アスパラギン酸基のα−カルボキシル基の所でベンジル保護基の分離を水素化
分解により実施した。このために環流冷却器を有する3口フラスコ中の凍結乾燥
した粗製生成物(200mg)をメタノール22mlに溶かした。あらかじめ空
気酸素を窒素により排除した後で、溶液を触媒(パラジウム/活性炭,10%P
d)の存在下で撹拌しながら30〜40℃の温度で3時間貫流する水素で処理し
た。触媒を濾過し、溶剤を回転蒸発機で(30℃、真空)除去後、生成物をカラ
ムクロマトグラフィー(開始相:シリカゲル、溶離剤:酢酸エチルエステル/エ
タノール/水、5:3:1)により精製した。3−(N−BOC−4−L−アス
パ
ルチル−アミノ)−アロサッカロースが44%の収率で得られた。
BOC保護基の分離を90%トリフルオロ酢酸を用いて実施した。このために
反応生成物を冷たい90%トリフルオロ酢酸0.7mlに溶かし、4℃で15〜
20分放置した。引き続きこの物質を冷たい乾燥したジエチルエーテルの添加に
より沈殿させ、濾過し、ジエチルエーテルで数回後洗浄した。カラムクロマトグ
ラフィーによる精製後、3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−アロサッカロ
ースが得られた(収率77%)。
13C−NMRデータ(75.5MHz,D2O/アセトン−d6);
δ=174.7/174.1(C1″,4″),104.8(C2′),93.
2(C1),82.7(C5′),77.3(C3′),74.9(C4′),
69.6/66.2/65.9(C2,4,5),63.2/62.3(C6′
,1′),61.1(C6),53.5/52.5(C3,2″),37.3(
C3″)
FAB−質量分析(pos.マトリックス グリセリン):
m/z=457(M+H)+,295(M−フルクトシル基+H)+,913[2
M+H]+
同様にして3−(Na−BOC−N−CBZ−L−
リシル)アミノ−アロサッカロースC31H49N3O15(M=703g/モル)を
製造した。
13C−NMRデータ(75.5MHz,D2O/アセトン−d6);
δ=176.3(C1″),158.0/157.9(C7″,12″),13
7.0(C14″),128.9/128.1/128.0(C15″−19″
),104.5(C2′),92.5(C1),82.4(C5′),81.0
(C8),77.4(C3′),74.3(C4′),69.2/65.7/6
5.4(C2,4,5),66.5(C6′),62.4(C1′),60.5
(C6),56.1/53.0(C3,2″),40.5/40.6(C3″−
6″,13″),28.1(C9″−11″)
FAB−質量分析(pos.マトリックス グリセリン):
m/z=726(M+Na)+
トリフルオロ酢酸で保護基を分離し、触媒による水素化によりこれから3−(
L−リシル)アミノ−アロサッカロースが得られた。
例3
3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−アロサッカロースのグリコシド結合
の加水分解による分離
酸性加水分解により、3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−アロサッカロ
ースから3−(4−L−ア
スパルチル−アミノ)−アロースを得た。このために3−(4−L−アスパルチ
ル−アミノ)−アロサッカロース150mgに塩酸5ml(0.5N)を加えて
10分で60℃に加熱した。引き続き反応溶液をすぐに20℃に冷却し、水酸化
ナトリウム溶液で中和した。反応混合物から生成物の分離をCa2+形のカチオン
交換体での分取液体クロマトグラフィーを用いて(溶離剤:H2O、70℃)行
った。3−(4−L−アスパルチル−アミノ)アロースが使用された3−(4−
L−アスパルチル−アミノ)アロサッカロースに対して収率80%で得られた。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年11月28日
【補正内容】
請求の範囲
1.一般式I:
[式中、
R1は水素原子、カルボキシル基またはフェニル基または1〜10個のC原
子を有するアルキル基を表し、該基はフェニル基、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、メルカプト基またはアミノ基により置換されていてもよく、その際前記置
換基は保護基を有していてもよく、
R2は水素原子、ペプチド化学で常用のアミノ保護基またはペプチド基を表
し、
R3は水素原子またはフルクトシル基を表し、
nは0または1である]で表される3−(アミノアシル−アミノ)サッカリ
ド。
2.以下の化合物から選択されるサカリド:
3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシ
ル−β−D−フルクトフラノシド
3−(L−アラニル−アミノ)−3−デソキシ−
D−アロピラノシル−β−D−フルクトフラノシド
3−(L−ロイシル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシル−β−
D−フルクトフラノシド
3−(L−リシル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシル−β−D
−フルクトフラノシド
3−(L−フェニルアラニル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシ
ル−β−D−フルクトフラノシド
3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノー
ス。
3.中間および最終生成物をクロマトグラフィーにより精製する請求の範囲1ま
たは2記載の方法。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 ピーチュ, マルティナ
ドイツ連邦共和国 D―47259 ドゥイス
ブルク ヘルマン―シュピレケ―シュトラ
ーセ 33
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.一般式I: [式中、 R1は水素原子、カルボキシル基またはフェニル基または1〜10個のC原 子を有するアルキル基を表し、該基はフェニル基、カルボキシル基、ヒドロキシ ル基、メルカプト基またはアミノ基により置換されていてもよく、その際前記置 換基は保護基を有していてもよく、 R2は水素原子、ペプチド化学で常用のアミノ保護基またはペプチド基を表 し、 R3は水素原子またはフルクトシル基を表し、 nは0または1である]で表される3−(アミノアシル−アミノ)サッカリ ド。 2.以下の化合物から選択されるサカリド: 3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシ ル−β−D−フルクトフラノシド 3−(L−アラニル−アミノ)−3−デソキシ− D−アロピラノシル−β−D−フルクトフラノシド 3−(L−ロイシル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシル−β− D−フルクトフラノシド 3−(L−リシル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシル−β−D −フルクトフラノシド 3−(L−フェニルアラニル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノシ ル−β−D−フルクトフラノシド 3−(4−L−アスパルチル−アミノ)−3−デソキシ−D−アロピラノー ス。 3.3−アミノーアロサッカロースを式II: (式中、R1、R2およびnは前記のものを表し、xは活性の基を表す)の相当 する保護されたアミノ酸と反応させ、場合によりフルクトシル基および/または 存在する保護基を分離し、3−(アミノアシル−アミノ)サッカリドを単離する ことを特徴とする、請求の範囲1または2記載の物質の製造方法。 4.中間および最終生成物をクロマトグラフィーにより精製する請求の範囲3記 載の方法。
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