JPH08511995A - 金属物品の鋳造方法 - Google Patents

金属物品の鋳造方法

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    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D27/00Treating the metal in the mould while it is molten or ductile ; Pressure or vacuum casting
    • B22D27/04Influencing the temperature of the metal, e.g. by heating or cooling the mould

Abstract

(57)【要約】 長くて薄い金属物品(10)を鋳造する方法を記載する。特定の実施例はガスタービン機関の低圧タービン部に使用されるシールの鋳造に関するものである。この方法は鋳型(38)を形成することがまず必要であり、次にこの鋳型(38)を予熱し、鋳型(38)の上部(84)に向けての温度が、鋳造される金属組成の液相線温度に近くなるようにする。鋳型(38)の底部(82)の温度は金属キャビティの固相線温度より低い。炉(68)によって加熱される鋳型(38)の部分が緩やかに減少していくように選択された速度で、鋳型加熱装置(68)を動かすのが好適である。毎時0.762m(30インチ)より遅い後退速度が満足な鋳造結果を生む。

Description

【発明の詳細な説明】 金属物品の鋳造方法 発明の分野 本発明は金属物品、特に長くて薄い部分を有する金属物品の鋳造方法に関する ものである。 発明の背景 長くて薄い部分を有し等軸晶組織の金属物品は鋳型空所の長さに沿う種々の位 置に設置した堰を有する鋳型を使用して鋳造されるのが普通である。凝固中の金 属の体積の減少を補う融解金属を誘導するためにこの堰を使用する。鋳造される 物品の長さと物品の厚さとの間の関係によって、必要な堰の数が定まる。鋳造さ れる物品の厚さの3〜12倍の距離だけ、鋳型の長さに沿って離間した堰を設け るのが共通の技術であった。最大厚さが約2.5mm(0.1インチ)、長さが約30.5cm (12インチ)の物品にとって10〜36個の堰が必要である。 堰は鋳物内の欠陥の形成を増大させる。例えば、鋳型内の堰の位置に相当する 鋳造物品の位置に熱間割れ、又は歪、又はその両方が発生する傾向がある。更に 、各堰の位置には短軸が通常残存する。これ等の短軸は除去する必要があり、鋳 造物品が湾曲している時、除去は困難である。堰を使用することに関連する他の 不利益は、各堰の位置において鋳造物品内に明確な一層大きな結晶粒度の区域が 形成されることである。 今まで、長くて薄い金属物品は方向性凝固組織、又は柱状結晶学的組織に鋳造 されていた。このように鋳造が行われる時、全体の鋳型は実質的に金属の液相線 より高い温度である比較的高い温度まで予熱される。次に過熱された溶湯は予熱 された鋳型内に注湯される。鋳型は注湯工程中、加熱されるから、注湯中、及び 注湯直後、金属は融解している。鋳型が溶湯で満たされた後、溶湯は水平前面に 沿って鋳型空所内で上方に凝固する。Ronald R.Brookesによって1985年12月24 日に出願され、発明の名称が薄い肉厚品の鋳造法である米国特許出願第813247号 、即ち現在の米国特許第4724891号に薄い物品の鋳造が記載されている。鋳物を 方 向性凝固させる一般方法は米国特許第4609029号に記載されている。 1988年3月28日に出願された発明の名称が「金属物品の鋳造方法」のPrasadの 米国特許第4809764号にも長くて薄い金属物品の鋳造方法を記載している。米国 特許第4809764号はこの明細書中に援用する。この米国特許はニッケルクロム物 品を鋳造することについての重要な情報を提供しているが、他の合金組成に関す る情報を提供していない。また、この米国特許は適切な欠陥のない金属物品を提 供するためには、凝固中、炉から鋳型を引き出す速度は毎時約1.53m(60インチ )のような遅い速度であれば十分であると特に教示している。更に顕著なことは 、この米国特許は鋳造金属の固相線温度の温度、又はそれより僅かに高い温度ま で鋳型の上部を予熱することを教示している。しかし、金属組成物の液相線温度 に近い温度まで鋳型の上半部を加熱する特別な利点をこの米国特許第4809764号 では認識していない。 発明の要約 本発明は長くて薄い金属物品、又は長くて薄い部分を有する金属物品を鋳造す る方法に関する。またこの金属物品は等軸晶組織に鋳造される。等軸晶組織は多 数の任意の方向を指向する結晶粒を有しているが、この結晶粒は金属の凝固中に 任意の核生成が行われ、結晶粒が任意に生長する結果である。希望する金属物品 の形状に対応する鋳型空所の形態を有する鋳型内に物品が鋳造される。この鋳型 は鋳型空所の長くて薄い部分の長さに沿う堰、又は押湯が無い。 発明の背景で論じた先行の米国特許は特に欠陥のない鋳物を生産する技術を教 示しているが、それは実際にテストされた鋳物の形態と寸法との範囲内のみであ る。これ等の方法は機関の製造業者が必要とする若干の非常に複雑な幾何学形状 の完全な凝固範囲について必要な程度の熱的制御を行うまでに到っていない。本 発明は最初に述べた基本技術の可能性を著しく拡大させたもので、従来の特許か ら自明でない新規な教示を提供するものである。 一般に、本発明方法は希望するシールの形状に合う形態の鋳型空所を有する鋳 型を形成することが必要であり、次に炉のような任意適切な加熱装置によって鋳 型を予熱する。物品の長くて薄い部分を鋳造する鋳型の部分の下半部が金属の固 相線温度より低く固相線温度に近い温度にあるように鋳型を予熱する。物品の長 くて薄い部分を鋳造する鋳型の上半部を金属の液相線温度に近い温度まで加熱す る。鋳型空所の上端の堰、又は湯道によって設けられた導入口のみを通じて鋳型 空所内に、溶湯を、代表的には過熱溶湯を注湯するのが好適である。所要に応じ 、第2堰、又は押湯を鋳型空所の下端に連結することができる。 上述の説明から、注湯中、及び注湯直後に、物品の長くて薄い部分を鋳造する 鋳型空所の部分の下半部の表面積の少なくとも50%に沿って、更に物品の長く て薄い部分を鋳造する鋳型空所の部分の上半部の表面積の少なくとも50%に沿 って溶湯が同時に凝固するものと思われる。その後、鋳型の長くて薄い部分の下 半部内の溶湯が完全に凝固する。この溶湯は等軸晶組織に凝固する。鋳型空所の 長くて薄い部分に溶湯を最初に導入した導入口を通じて、鋳型空所の長くて薄い 部分に金属を送給することによって、凝固した金属の体積の減少を補う。 本発明の特定の実施例はガスタービン機関の低圧タービン部に使用されるシー ルの鋳造に関する。これ等の部片は部片の主要部に沿う薄い壁と、部片の両端に 向けて若干の一層重い部分とを有する。この薄い壁の厚さは通常、約0.51mm(0. 02インチ)から3.05mm(0.120インチ)まで、特に一層通常には0.76mm(0.030イ ンチ)から2.29mm(0.090インチ)まで変化する。これ等の部片の長さも変化す るが、通常は約10.16cm(4インチ)〜約30.5cm(12インチ)である。幅も変化す るが、通常は約3.8cm(1.5インチ)から約8.9cm(3.5インチ)である。 シールは通常はシート材料から部片を組み立てることによって造られる。この 物品の寸法を制御することは、組立て工程中に必要な長く続く溶接、及びろう付 けのため困難である。例えば、シールを鋳造するために考慮すべき重要なことは 輪郭の形態である。輪郭が正しくないと、部片は正しく嵌合しない。その場合、 高温のガスが漏洩し、機関の性能が減少する。また、部片の複雑性が増大するか ら組立てコストが上昇する。 更に、部片を造るのに使用される材料の温度抵抗性能が増大するから、このよ うなシールをこの組立て方法で生産することはできない。これは、このような合 金がこの組立て方法の目的に合わない理由である。例えば、組立て方法で部片を 造るためにシート状にすることが必要であるが、このような合金は圧延したり、 又は他の方法でシート状にすることが通常できない。また、このような合金は溶 接工程でクラックを発生するため溶接することができないのが普通である。 従って本発明は通常約10.2cm(4インチ)より長い長さを有する等軸晶組織の シールの鋳造方法を提供する。通常、この長さはシールの長くて薄い部分の厚さ の少なくとも20倍である。鋳型は希望する物品の形状に形態を合わせて形成さ れる。鋳型は鋳型空所を画成しており、この鋳型空所は約10.2cm(4インチ)以 上の長くて薄い部分を有するが、この長さは鋳型の長くて薄い部分の厚さの少な くとも約20倍である。この鋳型空所の長くて薄い部分にはその全長に沿う堰が 無い。 鋳型空所の長くて薄い部分の縦軸線が直立方向に指向するようにこの鋳型を予 熱のため炉内に位置させる。炉は鋳型をほぼ包囲するように設計されている。鋳 型を加熱する工程には、鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半 部を第1温度範囲に加熱することを含む。鋳型空所の長くて薄い部分を画成する 鋳型の部分の上半部は第2温度範囲に加熱される。第1温度範囲の最高温度は金 属の固相線温度より低いが、固相線温度に近い温度である。第2温度範囲の最高 温度は金属の液相線温度に近い温度である。 溶湯は鋳型空所の長くて薄い部分の長さに沿う以外の位置から鋳型空所内に誘 導される。鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部が第1温度 範囲にあると共に、物品の鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上 半部が第2温度範囲にある間に、溶湯は鋳型空所内に誘導される。その後、溶湯 は物品の鋳型空所内で等軸晶組織に溶湯が凝固する。 溶湯を鋳型内で凝固させる工程中には、少なくとも鋳造金属物品の長くて薄い 部分を画成する鋳型空所の部分の周りから所定の速さで炉のような加熱装置を後 退させることを含むのが好適である。「後退」の語、及びこの語の派出語は鋳型 を包囲する位置から離して炉を単に動かすことを意味するものと理解すること、 もちろんである。このことは、炉を上方、又は下方に垂直に動かすことによって 行われる。現在のところ、炉を後退させる最も良い方法は炉を垂直に上方に動か す液圧装置を使用することと思われる。鋳型を動かす代わりに炉を動かすことは 従来の技術が教示することと著しく相違することである。従来の方法では鋳型の 周りから炉を動かすのでなく、炉の中から鋳型を動かす必要があった。金属が凝 固しつつある間に鋳型を動かすことは、でき上がる金属物品内に欠陥を発生させ るものと信ずる。鋳型を動かすことは鋳型内の凝固しつつある金属を明らかに攪 乱させる。 従来の方法は炉から鋳型を後退させることを教示していると共に、実際上、毎 時約1.52m(60インチ)以上の早い速度で鋳型を後退させることを教示している 。このような早い後退でも、或る種のニッケルクロム合金についてはほぼ欠陥の ない金属物品を生産することができる。しかし、毎時1.52m(60インチ)のよう な早い速度は本発明の特に好適な実施例によって示された長くて薄い部片を生産 するには適さないことがわかった。その結果、毎時約0.762m(30インチ)より遅 い速度、好適には毎時約0.381m(15インチ)より遅い速度、一層好適には毎時約 0.178m(7インチ)より遅い速度が特にニッケルクロム合金以外の合金について 優れた結果を生ずることがわかった。 従って、本発明の目的は鋳型空所の長くて薄い部分の長さに沿う位置に堰を設 けることなく、超合金から等軸晶組織を有する比較的長くて薄い物品、又は長く て薄い部分を有する物品を鋳造する改良した方法を得るにある。 本発明の他の目的は金属合金の液相線温度に近い最高温度を有する温度範囲に 鋳型の長くて薄い部分の上半部を予熱して、長くて薄い物品を鋳造する新規な改 良した方法を得るにある。 本発明の更に他の目的は炉を後退させる速度を毎時約0.178m(7インチ)、即 ち毎分約0.25cm(毎分0.1インチ)から毎時約1.52m(60インチ)、即ち毎分約2. 54cm(毎分1.00インチ)まで減少させることによって、鋳造工程の主要な部分の 間に、鋳型空所の長くて薄い部分の上半部を液相線温度に近い温度に維持するこ とにより、種々の金属組成物から物品を鋳造する方法を得るにある。 本発明の他の目的は鋳型を包囲する位置から炉を後退させることによって冷却 作用を導入し、これにより金属の凝固中、鋳型を落ち着いた状態に直立位置に維 持することにより、鋳造物品内の欠陥を減少させるにある。 図面の簡単な説明 図1は本発明方法により鋳造される長くて薄い部分を有する金属物品の平面図 である。 図2は金属物品の長くて薄い部分の形状を示す図1の2−2線に沿う断面図で ある。 図3は図1、及び図2の鋳造物品の等軸晶粒子を示す非常に拡大した図である 。 図4は鋳型構造を予熱し鋳型構造内に溶湯を注湯している間に、図1、及び図 2の複数個の物品を鋳造するための鋳型構造を炉内で冷却板上に支持する方法を 示す線図的断面図である。 図5は物品の鋳型空所の長くて薄い部分の表面積の大部分に沿って最初に溶湯 が凝固する状態を示す図4の鋳型構造の物品鋳型空所の線図的断面図である。 図6は鋳型空所の長くて薄い部分の底部から上方に、及び鋳型空所の側面から 内方に溶湯が同時に凝固する状態を示す図5にほぼ類似する線図的断面図である 。 図7は物品鋳型空所の上部で金属が凝固する前に、物品鋳型空所の長くて薄い 部分の下部で溶湯が凝固する状態を示す図6にほぼ類似する線図的断面図である 。 図8は炉の第2実施例の構造を示す図4にほぼ類似する断面図である。 図9は炉の第3実施例の構造を示す図4にほぼ類似する断面図である。 好適な実施例の詳細な説明 A.金属物品 長くて薄い部分を有し、本発明方法により鋳造した金属物品を図1、及び図2 に示す。しかし、本発明は多くの種々の物品を鋳造するのに使用し得ることは明 らかである。また本発明は特に等軸晶組織の物品を鋳造するものである。 図1に示す物品10はタービン機関に使用するシールと称するものである。こ のような物品は比較的過酷な作動条件に露出されるから、これ等の物品はその機 能に関して特に選択された種々の金属組成物で造られる。このような金属組成物 はニッケルクロム超合金、コバルトクロム超合金、及び鉄クロム超合金から成る 群から選択されるのが通常であるが、コバルトクロム超合金、及び鉄クロム超合 金から成る群から選択されるのが一層好適である。本発明方法を実施するために 実際に使用されている合金の特定の例は次のリストに与えられる。これ等の合金 はCertified Alloysのような会社から市販されており入手することができる。 ニッケルをベースとする合金は制限なく次の合金が含まれる。即ち、(1)713 C(74% Ni、12.5% cr、及び0.0% Co)、(2)713LC(75% Ni、12.0% Cr、 及び0.0% Co)、(3)約1274℃(2325°F)〜約1302℃(2375°F)の融解範 囲を有するB-1900(60重量% Ni、8重量% cr、及び10重量% Co)、(4)C-102 3(58% Ni、15.5% Cr、10.0% Co)、(5)約1232℃(2250°F)〜約1316℃( 2400°F)の融解範囲を有するIN-738LC、(6)IN-939(48% Ni、22.5% Co、9. 0% Co)、(7)Rene77(58% Ni、14.0% Cr、15% Co)、及び(8)1316℃(2 400°F)の固相線温度と1371℃(2500°F)の液相線温度とを有するRene41(55 % Ni、11% Co、19% Cr、10% Mo)である。 コバルトをベースとする合金は制限なく次の合金が含まれる。即ち(1)FSX-4 14(10% Ni、29% Cr、52% Co)、及び(2)MAR-M-509(10% Ni、23.5% Cr 、55% Co)である。 上述のリストに挙げられた特定の組成物に本発明を限定するものと考えるべき でない。このリストに挙げた目的は本発明を実施するために使用されている合金 組成物の一部のリストを提供するに過ぎないものである。更に、当業者は他の適 切な情報と共に、Chester Simmsによって編集され、John Wiley & Sonsによって 出版(1987年)された「Superalloys」のような書物を研究することによって各 合金についての組成を決定することができる。 また、金属物品を鋳造するために使用される合金組成のための液相線温度と固 相線温度とを決定することも必要である。この情報も当業者は種々の技術刊行物 から入手することができる。しかし、実際上、特定の合金組成に対する固相線温 度と液相線温度とは部片の鋳造の直前に組成から経験的に決定される。この決定 は当業者にとってDTAとして知られる技術、即ち示差熱分析によって行われる。 金属物品10は上端部12と下端部14とを有する。長くて薄い部分16はそ の間に延在しており、上端部と下端部とを有する一体片として鋳造される。図1 に示す物品10は約21cm(8.25インチ)の長さを有するシールである。物品10 の部分16は約17.8cm(7インチ)の長さと、約6.4cm(2.5インチ)の幅とを有 する。従って、物品10の端縁部24(図2参照)と端縁部26との間の距離は 中心軸線28に沿って測って約6.4cm(2.5インチ)である。しかし、この距離は 部分16の長さに沿って変化するのが普通である。物品10の部分16は約3mm (0.12インチ)の最大厚さを有し、この厚さは0.5mm(0.02インチ)〜3.1mm(0. 120インチ)であるのが普通であり、0.76mm(0.03インチ)〜2.29mm(0.090イン チ)で あるのが一層普通である。 一体の物品10の上端部12、及び下端部14は部分16より相当に厚い。従 って、上端部12、及び下端部14は約6.4cm(2.5インチ)の幅を有し、1.6cm (5/8インチ)の高さを有する。物品10は図1、及び図2に示す特定の形態以 外の形状を有してもよい。例えば、上端部12、及び下端部14の一方、又は両 方を所要に応じ省略することができる。 図1、及び図2に示す物品10はコバルトクロム超合金で形成したが、本発明 方法により鋳造されたシール、又はその他の物品は種々の金属で形成することが できる。例えば、長くて薄い物品、又は長くて薄い部分を有する物品はコバルト をベースとする合金、又は鉄をベースとする合金で鋳造することができる。しか し、本発明はコバルトクロム超合金のシールの鋳造に特に有利である。従来の鋳 造法をコバルトクロム合金、及び鉄クロム合金用に試みたが、このような方法は 不満足な物品を生産することがわかった。その理由は組成間の化学的相違、及び 炉から型を取り出す速度間の差が考えられる。従って、本発明は米国特許第4809 764号に論じているニッケルクロム超合金に加えて、種々の超合金を鋳造する新 規な方法である。超合金は約316℃(600°F)より高い、通常538℃(1000°F) より高い比較的高い温度に耐えることができる合金である。本発明の合金組成は 通常、ニッケルクロム超合金、コバルトクロム超合金、及び鉄クロム超合金から 成る群から制限なく選択される。コバルトクロム超合金、及び鉄クロム合金から 成る群から合金組成を選択するのが好適であり、コバルトクロム超合金が特に好 適な合金組成である。 物品10の部分16は長くて薄い。ここに「長く」とは10.2cmより長いことを 意味する。また、長い金属物品の長さは通常、この長い部分の厚さの約20倍よ り長い。例えば図1、及び図2に示すようなシール10の部分16の長さはこの 部分16の厚さの約87倍である。また「薄い」とは約0.5mm(0.020インチ)〜 約3.1mm(0.120インチ)の厚さ、特に通常、約0.76mm(0.030インチ)〜約2.29m m(0.090インチ)の厚さを有する物品に対して言う。 物品10は図3に示すような等軸晶組織を有する鋳造品である。等軸晶組織は 多数の任意の方向に向く結晶粒を有する。この結晶粒は金属の凝固中に、結晶が 任意の方向に核生成し、任意の方向に生長する結果である。表面の結晶粒は13mm (1/2インチ)の最大寸法、又はそれ以下、恐らくは6.4mm(1/4インチ)より小 さい寸法を有する。長くて薄いブレード、又は羽根、又はその両方は柱状晶組織 で形成されており、又は単結晶として形成されてきたが、等軸晶組織が最も経済 的である。 B.物品の鋳造 長くて薄い等軸晶金属物品又は長くて薄い部分を有する等軸晶金属物品を鋳造 する時、物品の長さに沿って複数個の位置に堰、即ち通路を設けるのが普通であ る。鋳型空所を溶湯で満たす時、鋳型空所の長くて薄い部分に溶湯を導入するた め、これ等の通常の堰、即ち通路を使用する。また、金属が凝固する際の金属の 容積の減少を補うため、鋳型空所の長くて薄い部分に溶湯を誘導するのに、堰、 即ち通路を使用する。 米国特許第4809764号の図1、及び図2の羽根10に類似する羽根を鋳造する ため、通常の鋳造技術を使用するとすると、10個〜36個の堰が必要である。 翼部16を鋳造する鋳型空所の長くて薄い部分の凹状の側面に沿ってこのような 堰を離間させる必要がある。この特殊な羽根は長さが28cm(11インチ)、最大 厚さが3mm(0.120インチ)の長くて薄い翼部を有するものであった。通常のプラ クチスが示している堰の数は鋳型の形式、鋳造される金属、その他の因子によっ て変化させる必要がある。 等軸晶金属の長くて薄い物品を鋳造するために堰を使用すると物品の生産コス トが相当に増大する。堰の中で凝固する金属はスクラップになる。このため、高 価な金属の場合には、物品の価格に著しく影響する。更に、堰は過大な結晶粒子 の発生、更に熱間割れ、又は歪の発生、又はその両方のような鋳物の欠陥の原因 になることが多い。 堰が鋳型内の湾曲面に連結されている時には、堰の短い端部は注意深く研削す ることが必要である。希望する曲率を有する連続面を持つ鋳造物品が得られるよ うこの研削は注意深く行う必要がある。物品10の主要側面20、22から堰の 短い部分を研削除去することは作業時間を要する高価な工程である。 本発明の要旨によれば、等軸晶組織の物品10を鋳造する鋳型空所の長くて薄 い部分の長さに沿って堰を使用しない。物品10を鋳造するため、上部に単一の 導入口のみを有する物品鋳型38(図4参照)を使用する。物品鋳型38の側部 に沿って堰が無い。しかし、必要に応じ、物品鋳型の下端に盲押湯、又は堰を設 けることもできる。図3に示す粒子組織に類似する微細等軸晶組織を有する物品 10が得られるようにこの鋳造工程を実施した。物品10は収縮欠陥、熱間割れ 、及び歪が無かった。 経済上の理由から、一体の鋳型構造42を使用して複数個のシールを同時に鋳 造するのが好適である。図4には2個のみの物品鋳型38を示したが、この鋳型 構造42は、堅固な支持支柱44の周りに環状に配置した一連の、又は一群の、 8個、12個、16個、20個、又はそれ以上の物品鋳型38を設けることがで きる。現在、鋳型構造42は円形に一連の20個の物品鋳型38を有するように 設計されている。 支持支柱44の上端に受け口46を支持する。複数個の堰、又は湯道48は受 け口46から外方に延び、1個の湯道が各1個の物品鋳型38まで達する。セラ ミックスペーサブロック54によって物品鋳型38を円形ベース板52に支持す る。このブロック54は0.95cm(3/8インチ)〜3.8cm(1.5インチ)の高さを有 する。このスペーサブロック54は物品鋳型38の閉じた下端部を支持している 。所要に応じスペーサブロックを省略することができ、違う寸法のブロックにす ることもできる。 鋳型構造42を造る時は、蝋型、即ち蝋の模型を組み立てる。この蝋の模型は 物品10と同一の形態である鋳造すべき物品の形態と同一の形態を有する複数個 の物品模型を含む。これ等の物品の模型はその長さに沿って配置された堰の模型 を有しない。 物品10の複数個の蝋の模型は堰、又は湯道48内の通路に対応する形態を有 する蝋の模型に連結されている。各物品模型の上端に連結された唯1個の堰、即 ち湯道があるだけである。この湯道の複数個の模型は中空受け口46の内側の形 状に対応する模型に連結されている。セラミックスペーサブロック54は各物品 模型の下端に連結されている。 全体の模型組立体をセラミック鋳型材料のスラリー内に繰り返し浸漬してスラ リーを表面に塗布して、模型組立体上に鋳型材料の層を構成する。模型組立体上 に希望する厚さの層が構成されると、この層を乾燥する。次に加熱、又は化学的 溶液、又はその両方を使用して、セラミック層から蝋の模型材料を溶かして除去 する。次にこのセラミック鋳型材料を焼成して鋳型材料に十分な強度を与え、鋳 型構造42を形成する工程を完了する。 上述の工程によって鋳型構造42に類似する鋳型構造を製造する工程は良く知 られている。しかし、この蝋の模型、及びでき上がった鋳型構造は物品鋳型38 の側部に堰の通路を設けていないことに注目すべきである。受け口46から物品 鋳型38に溶湯を誘導する唯一の通路は湯道48内にある。 C.炉と鋳型との相対後退の第1実施例 物品10を鋳造する時、鋳型構造42を水冷式の円形の銅製冷却板60上に設 置する。物品鋳型の閉じた下端は冷却板60に密接しているが、冷却板から0.95 cm(3/8インチ)〜3.8cm(1.5インチ)だけ離間している。物品鋳型38内の物 品鋳型空所の縦中心軸線は冷却板60の水平上側面62に対し垂直である。 次にモータ(図示せず)によって冷却板60の円筒支持支柱64を垂直上方に 動かす。冷却板60が上方に動くにつれて、鋳型構造42は炉68を包囲する室 、又はハウジング(図示せず)内に入る。冷却板60が引き続いて上方に移動す ることによって鋳型構造42を円筒炉室72内に動かす。次に炉68を収容する ハウジングを排気し、鋳型構造42を予熱する。 この炉は鋳型構造42を不均一に予熱する。従って温度勾配が存在し、この温 度勾配は物品鋳型38の下端の低い温度から鋳型38の上端の一層高い温度まで 上昇している。仮想水平面76は鋳型38の長くて薄い部分の中心を通って延び 、この長くて薄い部分を下半部82と上半部84とに分割している。 各物品鋳型38の長くて薄い部分の下半部82を第1温度範囲内に入るように 加熱する。この第1温度範囲内の最も高い温度は物品10の金属の固相線温度に 近い温度であってそれより低い温度である。各物品鋳型38の長くて薄い部分の 上半部を第2温度範囲内に入るように加熱するが、この第2温度範囲内の温度は 第1温度範囲内の温度より一層高い。物品鋳型38の長くて薄い部分の上半部8 4、下半部82が仮想線76のみによって分割されているに過ぎないから、上半 部84が加熱される第2温度範囲内の最低温度は下半部82が加熱される温度範 囲の最高温度に等しい。 鋳型38の長くて薄い部分の上半部84を加熱する第2温度範囲の最高温度が 物品10の溶湯の液相線温度に近い時、優れた鋳造結果が得られると決定したこ とは驚くべきことである。ここに使用する「近い」の語は鋳造される特定の部片 の特定の組成と形態とを考慮することによって第1に決定される。一般に、この 部片が一層長く、一層薄くなればなる程、鋳型38の長くて薄い部分の上半部8 4は金属の液相線温度に一層近い温度に加熱すべきである。従って、当業者は鋳 型を加熱する正確な温度が変化することを理解するであろう。しかし、例えば「 近い」の語に含まれる温度範囲に制限を設けることなく、温度、特に第2温度が 固相線温度、及び液相線温度の83.3℃(150°F)以内、好適には約55.5℃(100 °F)以内、更に好適には27.8℃(50°F)以内、特に13.9℃(25°F)以内にあ る時、最上の鋳造結果が得られると現在、信じられている。それにも拘らず、物 品鋳型38の長くて薄い部分の上半部84を加熱する最高温度が物品10の金属 の固相線温度より著しく高い。このことは米国特許第4809764号に教示するとこ ろと相違している。 多くの種々の因子があるため、鋳型38に沿う垂直な温度勾配は恐らく物品鋳 型38の下端から物品鋳型の上端まで正確に均一に増大しない。しかし、この温 度勾配は恐らく均一な温度勾配に類似したものであると思われる。物品鋳型38 の下端が最低温度に予熱され、物品鋳型の上端が最高温度に予熱されるものと理 解すべきである。 冷却板60によって支持される鋳型構造42を設けることによって、上半部8 4の温度より低い温度に下半部82を予熱することが容易になる。図4に示す炉 は複数個の螺旋形の加熱素子90、92、94を有するが、一方、炉の代案の第 1実施例(図8参照)は唯2個の螺旋形の加熱素子90a、92aを有し、炉の 代案の第2実施例(図9参照)は希望する温度勾配の発生を促進する唯1個の連 続する螺旋形の加熱素子90bを有する。複数個の加熱コイルを使用する時、こ のようなコイル(例えばコイル90、92、94)に伝える電気エネルギーの量 はグラハイトサセプタ96を通じて物品鋳型38に伝えられる熱エネルギーに差 を生ずることになる。 冷却板60と加熱コイルとの組み合わせた効果によって物品鋳型38の上端と 下端との間に温度勾配を確立することは好ましいが、止め板を使用することによ って温度勾配を確立することもできる。従って、円形に配置した一連の物品鋳型 38の下部の周りに円筒止め板を設けることができる。更に、円筒サセプタ96 から半径方向内方に1個又はそれ以上の環状止め板を延長することができ、これ により温度勾配の確立を促進する。所要に応じ、他の止め板の構成を使用するこ とができる。 図4の炉においては、円筒炉壁98によってコイル90、92、94を包囲す る。炉壁98の下端に隣接して環状セラミック環100を配置する。図4、及び 図9に示す特定の構造と異なる構造に炉68を構成することができることはもち ろんである。 どのようにして温度勾配が確立されるかに関せず、予熱される物品鋳型38の 上端は物品鋳型の下端より高温である。予熱される物品鋳型38の長くて薄い部 分の上端の温度は物品10の金属の液相線温度に近い。予熱される物品鋳型38 の長くて薄い部分の下端は物品鋳型の長くて薄い部分の上端の温度よりほぼ28〜 278℃(50〜500°F)低い温度である。 物品鋳型38が上述したように一旦予熱されると、炉68の円形上端壁104 の開口102を通して溶湯を受け口46内に注湯する。注湯の時に、溶湯は過熱 される。ここに使用する「過熱される」の語は液相線温度より約27.8℃(50°F )から約222℃(400°F)高い温度に合金が加熱されることを意味する。溶湯の 注湯は炉68を包囲する真空室、即ちハウジング内で行われる。物品鋳型空所の 上端に連結されて流体連通する単一湯道、又は堰48から物品鋳型空所を充填す るのが好適であるが、必要があれば、物品鋳型空所の下端に第2湯道、又は堰を 連結することもできる。 物品鋳型38の各長くて薄い部分の長さの70〜100%が溶湯の液相線温度より 低い温度にあるから、溶湯が物品鋳型内に注湯された時、各物品鋳型空所の殆ど 全表面にわたり手当たり次第に核生成が発生する。物品鋳型空所の表面に核生成 が生ずる正確な程度はわからないが、各物品鋳型空所の長くて薄い部分の少なく とも80%代の始めから90%の部分に沿って配置された位置に核生成、即ち溶 湯の最初の凝固が発生する。この核生成は溶湯内に接種剤が存在させることによ って促進される。 最初に説明した従来の発明の場合は、物品鋳型38が一旦溶湯で充填されると 、鋳型を炉から緩やかに引き出した。しかし、これでは凝固しつつある物品内の 溶湯を攪乱することが確かであり、この攪乱は凝固した物品10に欠陥を生ぜし める。図9を参照し、固定位置の鋳型加熱装置内に鋳型を上下動させるのでなく 、鋳型を適正な注湯位置内に一旦設置してから、加熱装置を鋳型の周りに垂直に 動かすことができる。加熱装置を上下動させるには、既知のいかなる手段によっ てよい。しかし、図9に示す加熱装置の実施例は液圧装置130を使用して加熱 装置を上昇させている。鋳型を動かすのに対し、加熱装置を動かすことは一見す れば僅かな相違に過ぎないように思われるが、加熱装置を動かすことによって、 加熱サイクルと冷却サイクルとを通じて、運動制御機構の寸法、及び複雑さを増 大させることなく、加熱装置に対する一層重い鋳型の位置決めの反復操作を著し く有利なものにする。従って、本発明の加熱サイクル、及び冷却サイクルを実施 する好適な方法は、鋳型38を固定維持しながら、鋳型炉のような加熱装置を動 かすことから成る。 物品鋳型38が溶湯で充填されるや直ちに、鋳型構造42の周りから炉68の 後退(又はその逆)を開始する。鋳型構造42の周りから炉68を後退させる速 度は米国特許第4809764号で教示された後退速度より著しく低い。この米国特許 は毎時1.53〜3m(60〜120インチ)の遅い後退速度を教示している。しかし、更 に著しく遅い鋳型の後退速度は或る種の金属合金組成に対し、また或る種の部片 形態に対しほぼ欠陥のない物品を生産するために必要であることがわかっていた 。炉68を後退させる速度を変化させるが、毎分約2.54mm(0.10インチ)〜12.7 mm(0.50インチ)、即ち毎時0.18m〜0.76m(7.0インチ〜30インチ)の遅い後退 速度によって、鋳造金属物品の放射線透過分析によって決定される一層良好な凝 固結果が得られることを発見したことは驚くべきことである。 物品鋳型38の周りから炉68を後退させる際、等軸晶金属の薄い不連続の層 、即ち表皮110(図5参照)が物品鋳型空所114の長くて薄い部分の大部分 の 内側面112上で凝固する。このことは仮設であるに過ぎなく、そして本発明を 作用の一理論に限定するものでないが、物品鋳型空所114の長くて薄い部分の 内側面の上部である2〜10%を除く全面に薄い層110が延在する。金属層1 10は13mm(1/2インチ)、又はそれ以下の最大粒子寸法を有する等軸晶組織( 図3)を有する。物品鋳型空所114の長くて薄い部分の内側面112、及び金 属層110は鋳造すべき物品の長くて薄い部分、即ちシール10の部分16の形 態に対応する形態を有することはもちろんである。 炉68を鋳型構造42の周りから後退させる際(図4参照)、鋳型空所114 の長くて薄い部分の側面112(図5参照)上に延在する薄い表皮110から樹 枝状晶が内方、及び上方に生長する。しかし、この薄い表皮、即ち層110は最 初は単一導入口上に物品鋳型空所114まで延びていない。従って、溶湯を湯道 48から物品鋳型空所114内に送給することができる。樹枝状晶は薄い表皮1 10から内方に生長するよりも一層速い速度で表皮110から上方に生長するよ うに思われる。 炉68を物品鋳型38の周りから垂直に上方に引き上げると、物品鋳型の長く て薄い部分の上半部84よりも、物品鋳型の長くて薄い部分の下半部82におい て溶湯は一層早く凝固する。このことは炉を垂直に下方に後退させると、逆にな ることはもちろんである。物品鋳型の長くて薄い部分の下半部82内で一層早く 溶湯が凝固するのは次の組み合わせ効果による。即ち(1)下半部82を上半部 84より一層低い温度に予熱すること、(2)物品鋳型の閉じた下端が冷却板6 0に隣接していること、(3)物品鋳型38の下端部の周りから炉68を後退さ せ、炉68を包囲する真空室の比較的低温の外界に物品鋳型の下端部を露出する ことである。従って、物品鋳型空所114内の溶湯はこの物品鋳型空所の直立す る側面から内方に凝固する速度より一層速い速度で、この物品鋳型空所の底部か ら上方に、等軸晶組織で凝固する。 物品鋳型空所114(図6参照)の長くて薄い部分内で溶湯が凝固するにつれ て、物品鋳型空所の長くて薄い部分の両側に沿い下端に固体帯域116が形成さ れる。一部が溶湯で、一部が凝固金属であるかゆ状帯域118(図6参照)は固 体帯域116の内側に位置し、物品鋳型空所114の長くて薄い部分の中心軸線 に沿って配置される。液体帯域120は開口に向け上方に湯道、即ち堰48まで 延びる。 樹枝状晶は物品鋳型空所114の長くて薄い部分の直立側面上の凝固した金属 の厚くなりつつある層から、かゆ状帯域内に延びるが、鋳型空所114内の溶湯 が凝固する際の収縮を補うため、溶湯を湯道48から、かゆ状帯域内に送給する ことができる。凝固が進むにつれ、かゆ状帯域118の寸法は減少し(図7参照 )、物品鋳型空所114の長くて薄い部分の下半部内の凝固した溶湯の量が増大 する。比較的低温の冷却板60の作用と、受け口46、及び湯道48内の比較的 高温の溶湯と、鋳型の予熱中に生じた温度勾配との作用に起因し、物品鋳型空所 114の長くて薄い部分の垂直縦中心軸線に沿って、収縮しつつあるかゆ状帯域 118は上方に移動する。 炉68が物品鋳型38の周りから後退し続けるから、かゆ状帯域118が物品 鋳型空所114の長くて薄い部分の直立側面から内方に移動する速度より一層早 い速度で、かゆ状帯域118は上方に移動する。これにより、空隙、又はその他 の欠陥を形成することなく、物品鋳型空所内で溶湯は凝固することができる。物 品鋳型空所の長くて薄い部分の下半部内の溶湯の凝固が完了した時、物品鋳型空 所の長くて薄い部分の上半部内の溶湯の凝固は完了していない。しかし、物品鋳 型空所の長くて薄い部分の下半部内の溶湯の凝固が完了した時、物品鋳型空所の 長くて薄い部分の上半部内の溶湯の大部分は凝固し終わっている。物品鋳型空所 の長くて薄い部分の下半部内の溶湯の凝固が完了した時、物品鋳型空所の長くて 薄い部分の上半部内の溶湯のほぼ70〜85%が凝固していると推測できる。 凝固は物品鋳型空所114の長くて薄い部分の下端から鋳型空所のこの部分の 上端まで進行する。収縮を補うための溶湯の送給は、金属が凝固するにつれて物 品の中心軸線に沿って発生する。この技術によって、凝固を制御し、凝固金属1 16の内側に中心チャンネル、即ち液体帯域120を開放維持し、遠方の下部に 発生する凝固収縮を補うため頂部湯道48から中心チャンネルを通じて溶湯を送 給することができる。 また、この技術は凝固している部分の必要な側方送給のために横の第2の樹枝 状晶間チャンネルの利用を積極的に助長する。横の樹枝状晶間送給は、かゆ状帯 域118の寸法によってほぼ決定される樹枝状晶間チャンネルの長さにより主に 決定される。かゆ状帯域118の幅は、生ずる温度勾配に対し逆の関係にあるか ら、正の温度勾配は凝固している部分のかゆ状帯域の幅を連続的に減少させ、こ れにより有効な樹枝状晶間側方送給を助長する。 鋳型構造42の周りから炉68を完全に後退させた後、鋳型構造、及びその内 部の金属の冷却を完了する。その後、鋳型のセラミック材料を凝固した金属から 除去する。物品鋳型38内の凝固した金属は等軸晶組織を有し、物品10の形態 に対応する全体としての形態を有する。物品鋳型空所の縦中心軸線に沿う位置に は物品鋳型空所114に溶湯を供給する堰が存在しないから、鋳造された物品1 0の長くて薄い部分16には堰の材料が無い。上述の方法を使用することによっ て、物品10以外の長くて薄い金属物品を等軸晶組織に鋳造することができる。 D.炉の第2実施例 図4に示す炉68の実施例はコイル90、92、94を有し、これにより鋳型 42の加熱を制御すると共に、炉68を後退させる際、鋳型内に温度勾配を生ず るのを助ける。図8に示す炉の実施例では、2個のコイル90a、92aを使用 する。図8、及び図9に示す炉の実施例は図4に示す炉の実施例にほぼ類似して いるから、類似する構成を示すため、類似の符号を利用する。混同を避けるため 図8の符号にサフィックスの文字「a」を付し、図9の符号にサフィックスの文 字「b」を付す。 図8に示すように、鋳型構造42aの加熱中に、炉68aを使用する。炉68 aは上部コイル90aと下部コイル92aとを有する。サセプタ96aは下部コ イル92aの直ぐ下で終わっている。図4に示す炉の実施例におけるコイル94 によって占められる位置に、コイル92aの下方の円筒セラミックスペーサブロ ック124を設ける。下部コイルを除去し、代わりにセラミックスペーサブロッ ク124を使用することによって鋳型組立体42aを加熱するのを容易にし、物 品鋳型38aの比較的低温の下半部82aから物品鋳型の比較的高温の上半部8 4aまで延びる温度勾配が得られる。 図4のコイル94に対応する下部コイルを省略することによって、物品鋳型空 所が配置されている物品鋳型38aの部分の長さの約50%に相当する部分のみ を誘導コイル90a、92aによって包囲することになる。従って、コイル90 a、92aは鋳型構造42aの平面76aの上方の部分のみを包囲している。そ れ故、物品鋳型空所の75%より少ない部分が誘導コイルによって包囲されてい る。物品鋳型空所の下半部は環状セラミックスペーサブロック124によって包 囲されている。 E.金属物品の鋳造 図1、及び図2の物品10は種々の金属合金組成から形成することができる。 各プロセスについての凝固工程が異なる。米国特許第4809764号ではシールと異 なる形態、及び熱的健全性の要求を有する羽根を製造することを教示している。 米国特許第4809764号に論じられている羽根は1232℃(2250°F)より高い固相線 温度を有するIN-713C、又はRene77のようなニッケルクロム超合金から造られて いる。米国特許第4809764号は各物品鋳型38の長くて薄い部分の下半部82が1 232℃(2250°F)より低い平均温度を有するように物品鋳型38を加熱すること を教示している。各物品鋳型38の長くて薄い部分の上半部84は金属の固相線 温度に近いか、又は僅かに高い平均温度まで加熱される。この溶湯のニッケルク ロム超合金は注湯する前に1316℃(2400°F)より高い温度まで加熱される。 本発明を次の実施例によって説明する。これ等の実施例は、本発明の特定の実 施例を示す目的で説明するもので、ここに説明する特定の要旨に本発明を限定す るように考えるべきでない。 実施例1 この実施例では米国特許第4809764号からの従来のプロセスを説明する。この 方法はニッケルクロム合金から羽根を造るために使用されている。米国特許第48 09764号によって教示された或る特定の例においては、1343℃(2450°F)の液相 線温度と1266℃(2310°F)の固相線温度とを有するRene77で羽根を形成した。 物品鋳型38の閉じた下端がほぼ1010℃(1850°F)の温度になり、物品鋳型の 上端がほぼ1232℃(2250°F)の温度になるように鋳型構造42を予熱した。従 って、米国特許第4809764号の特定の実施例では、第2温度範囲内の最も高い温 度は金属の固相線温度より低い。 溶融Rene77を1455℃(2650°F)の温度で注湯した。鋳型面の塗料には核生成 を 促進するためコバルトアルミン酸塩接種剤を重量で10%含有していた。物品鋳 型38の長くて薄い部分の下端の1010℃(1850°F)から上端の1232℃(2250°F )までの範囲の温度勾配を鋳型が有するように鋳型を加熱し終わった時、受け口 46に溶湯を注湯した。 湯道48を通じて溶湯は物品鋳型空所38内に入った。物品鋳型38が溶湯で 一杯になれば、物品鋳型空所の長くて薄い部分の縦方向の約95%に沿う種々の 位置で核生成が発生したと信じられる。物品鋳型空所38が溶湯で充たされるや 否や、冷却板60を下降させ、毎時1.524m(60インチ)の速さで炉68からの鋳 型構造42の後退を開始した。鋳型構造42が炉68からの後退を開始した際、 コイル90、92、94に供給される電気エネルギーを遮断した。 物品鋳型空所の縦方向に沿ういかなる堰も無く、羽根10が鋳造された。羽根 10は図3に示す粒子組織に類似する等軸晶組織を有し、欠陥が無かった。この 特定の羽根はASTM(アメリカ材料試験協会規格)の標準粒子大きさNo.1より 粗いが、これに近い粒子の大きさを有していた。6.4mm(1/4インチ)より大きい 最大寸法を有する表面粒子は無かった。 実施例2 この実施例は本発明により計画された細くて長い部片をコバルトクロム合金か ら造る努力を説明する。米国特許第4809764号によって教示されたものより著し く遅い炉の後退速度を使用した。それにも拘らず、この金属物品はなお欠陥を有 していた。 特に、供給業者によってMAR-M-509と名付けられたコバルトクロム合金が選択 された。この合金の主要な構成はニッケル(10重量%)、クロム(23.5重量%) 、及びコバルト(55重量%)である。この組成物は約1305℃(2381°F)の固相 線温度と1419℃(2587°F)の液相線温度とを有する。このコバルトクロム組成 物を約1510℃(2750°F)の注湯温度まで加熱した。 図9に示すような炉内で鋳型構造42を予熱し、鋳型の頂部の温度が約1357℃ (2475°F)、鋳型の底部の温度が1252℃(2286°F)になるようにした。この実 施例については、核生成を促進させるため接種剤を使用した。湯道48を通じて 溶湯は鋳型空所38内に入った。物品鋳型空所38が溶湯で一杯になるや否や、 毎 分約6.35mm(0.25インチ)、即ち毎時0.381m(15インチ)の初期後退速度で鋳型 の周りから炉を後退させた。この後退速度を約16分間維持した。その後、後退 速度を毎分12.7mm(0.50インチ)、即ち毎時0.762m(30インチ)に増大し、この 速度を約10分間維持した。従って、米国特許第4809764号によって教示された 毎時1.524m(60インチ)に比較すれば、この実施例で実施された最も早い後退速 度でも毎時約0.762m(30インチ)であるに過ぎなかった。物品の長くて薄い部分 の全長に沿ういかなる堰をも使用することなく、物品を鋳造した。 金属が完全に凝固した時、物品に放射線透過分析を実施した。競争的に価格が 設定される軽量な、燃料効率のよいガスタービン機関にとって必要な非常に薄い 壁の鋳造形状について欠陥がないという要求がこの鋳造製品では達成されないこ とをこの分析は示した。 実施例3 この実施例はMAR-M-509と名づけられたコバルトクロム合金からシール10の ようなシールを形成することを記載する。この合金は実施例2に使用した合金と 同一であり、約1305℃(2381°F)の固相線温度と約1419℃(2587°F)の液相線 温度とを有する。この合金MAR-M-509組成物を1510℃(2750°F)の注湯温度まで 加熱した。 図9に示すような炉内で鋳型構造42を予熱し、鋳型の頂部の温度が約1357℃ (2475°F)、鋳型の底部の温度が約1252℃(2286°F)になるようにした。この 実施例については、核生成を促進させるため接種剤を使用した。湯道48を通じ て溶湯は鋳型空所38内に入った。物品鋳型空所38が溶湯で一杯になるや否や 、毎分約6.35mm(0.25インチ)、即ち毎時0.381m(15インチ)の後退速度で鋳型 の周りから炉を後退させた。この後退速度を40分以上にわたり維持した。物品 の長くて薄い部分の全長に沿ういかなる堰をも使用することなく、この物品を鋳 造した。 金属が完全に凝固した時、物品に放射線透過分析を実施した。この分析は競争 的に価格が設定される軽量な、燃料効率のよいガスタービン機関にとって必要な 非常に薄い壁の鋳造形状について欠陥がないという要求がこの鋳造製品では達成 されることを示した。このことに対する可能性のある一理由は、鋳型の後退速度 が全凝固工程にわたり、少なくとも毎分6.35mm(0.25インチ)のような低い速度 であることである。一方、実施例2では、凝固工程が毎分12.7mm(0.50インチ) のような鋳型の高い後退速度の期間を含んでいた。 実施例4 この実施例は本発明方法を使用するシールの形式を記載する。この実施例に使 用した合金はIN738と名づけられるNi-Cr合金であった。この合金は約1232℃(22 50°F)〜1316℃(2400°F)の融解範囲を有する。この合金の重量%の組成はNi 約60%、Cr16%、Co8.5%である。この実施例では上記の実施例2に説明した一 般方法を使用した。注湯温度は1427℃(2600°F)であった。鋳型の長い部分の 上半部の鋳型は少なくとも1302℃(2375°F)の温度を有する。 しかし、この実施例では炉の後退速度を毎分約3.175mm(0.125インチ)、即ち 毎時0.19m(7.5インチ)に減少させた。炉の後退速度をこの速度に約40分間に わたり継続した。鋳造手順が完了した時、この鋳造金属物品に放射線透過分析を 実施した。この分析はこの金属物品が実質的に欠陥が無いことを示した。従って 、米国特許第4809764号の方法と異なるそれに近い方法を採用しなければ、適切 な鋳造金属物品を生産することができた。 従って、ここに示した実施例に基礎を置けば、米国特許第4809764号によって 特に教示された合金組成以外の合金組成から選択した鋳造金属の時に、この米国 特許によって教示された鋳型後退速度は全体として余りにも早過ぎるのである。 また特に、毎時0.762m(30インチ)より遅い後退速度、好適には毎時0.381m(15 インチ)より遅い後退速度、更に好ましくは毎時0.19m(7.5インチ)の後退速度 であれば、米国特許第4809764号によって教示された方法に比較し、少なくとも 或る合金組成に対し優れた鋳造方法を提供する。 実施例5 この実施例は約毎分12.7mm(0.50インチ)、即ち毎時0.762m(30インチ)の早 い炉の後退速度を使用する部片の可能な製造を説明する。この実施例を実施する ため、Rene41のような本発明に適するいかなる超合金でも選択することができる 。Rene41は約1316℃(2400°F)の固相線温度と約1371℃(2500°F)の液相線温 度とを有する。この合金の組成は約55%ニッケル、11%コバルト、19%クロム、 及び 10%モリブデンである。鋳型の形成、及び炉内で鋳型を加熱する手順は上に述べ た通りである。 Rene41は約1399℃(2550°F)より一層高い過熱温度で注湯され易い。図9に 示すような炉内に鋳型を加熱し、鋳型空所の長くて薄い部分を画成している鋳型 の部分の上半部が約1343℃(2450°F)より高い温度に加熱されるようにこの上 半部を液相線温度にできるだけ近い温度まで加熱する。次に融解したRene41を鋳 型内に注湯する。その後、毎時約0.762m(30インチ)に近い速度でこの鋳型を炉 から後退させることができる。放射線透過分析によって決定されるように、この 方法によってなお、ほぼ欠陥の無い物品が得られる。毎時約0.762m(30インチ) に近い速度まで鋳型を後退させる速度を増大する際の一つの重要な考慮は、液相 線温度より約27.8℃(50°F)低いような液相線温度に近い温度まで、鋳型空所 の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部を加熱することと思われる。 F.G/Rの決定 温度勾配(G)と凝固速度、即ち炉の後退速度(R)との比(G/R比)は特 定の金属組成を鋳造するため受け入れられる凝固速度を決定する重要な指針を提 供する。G/R比の概念は当業者に知られており、本明細書中にも援用した米国 特許第4724891号にも簡単に説明されている。しかし、米国特許第4724891号では 長くて薄い金属シールを鋳造することに言及していない。G/R比が約100から 約11000まで、更に好適には約450から約11000までに確実になるように金属物品 を鋳造することによって本発明により金属物品を鋳造することが容易になること がここに決定された。 実施例6 この実施例はG/R比を測定するのに使用された方法を説明する。シール10 のような希望するシールの形状に構成された鋳型を上に述べたようにまず造った 。鋳型内の種々の高さに熱電対を設置した。各熱電対の温度を1秒間隔で測定す る制御器にこれ等熱電対を接続した。炉の後退工程中に、これ等の温度を記録し た。 上述したように鋳型を予熱し、次に過熱したコバルトクロム合金MAR-M-509(1 0% Ni、23.5% Cr、及び55% Co)を受け口から鋳型に加えた。このMAR-M-509 は約1305℃(2381°F)の固相線温度と1419℃(2587°F)の液相線温度とを有す る。この金属を注湯した後、毎分約6.35mm(0.25インチ)の炉後退速度を使用し て鋳型の周りから炉を後退させた。その後、鋳型は冷却し始め、熱電対からの読 取り値を記録した。凝固過程を通じてこの読取りを継続した。金属が一旦凝固し 始めると、即ち金属の温度が固相線温度に接近し始めると、実質的に欠陥がない 鋳造金属シールを得るためにG/R比を制御することが一層重要になる。 この実施例については、固相線温度は約1299℃(2370°F)である。この温度 に近づくと、1秒間隔で各熱電対毎に温度を記録した。このデータが一旦集めら れると、G/R比を計算した。この計算は当業者には既知である。 金属物品を鋳造するため、実施例4に説明した手順を使用することにより、約 100より大きいG/R比、好適には450より大きいG/R比、代表的には約450〜 約11000のG/R比であれば放射線透過分析によって決定されるほぼ欠陥のない 鋳造金属物品を提供できることが確定されている。炉の後退速度(又は代わりに 炉から鋳型を後退させる速度)によって凝固速度が影響を受けることは当業者の 理解するところである。従って、後退速度を遅くすれば、Rの値も減少し、それ がG/R比の値を増大させる。しかし、或るG/R比が一旦超過した値になると 、金属は等軸晶組織にならず好ましくない柱状晶組織で凝固する。この或るG/ R比は例えば合金組成、及び鋳造金属物品の形態に基づいて変化するが、約1100 0の値以下にG/R比の最大値を定めることによって、等軸晶組織を有する長く て薄い金属物品の鋳造を容易にすることが確定的になった。 G.結論 本発明は等軸晶組織の長くて薄い金属物品、又は長くて薄い金属物品を鋳造す る新規な改良した方法に関するものである。物品の形態に対応する形態を有する 鋳型空所内にこの物品を鋳造する。この物品鋳型空所はこの空所の長くて薄い部 分の両端間に堰、及び湯道が無い。従って、鋳型空所の長くて薄い部分の長さに 沿って堰、又は湯道が無い。 物品の長くて薄い部分を鋳造する物品鋳型の部分の下半部が物品の金属の固相 線温度より低く、この温度に近い温度になるよう鋳型を予熱する。物品の長くて 薄い部分を鋳造する鋳型の部分の上半部を金属の液相線温度に近い温度に加熱す る。物品鋳型空所の上端の堰、又は湯道から導入口を通じて物品鋳型空所内に溶 湯を導入し、等軸晶組織(図3参照)にこの溶湯を凝固させる。所要に応じ、物 品鋳型の下端に第2堰を設けることができる。 物品の長くて薄い部分を鋳造する鋳型空所の部分の下半部内の溶湯は鋳型空所 のこの部分の上半部内の溶湯が完全に凝固する前に完全に凝固する。約100より 大きいG/R比、好適には約450より大きいG/R比は実質的に欠陥の無い鋳造 金属物品を得るのを容易にする。毎時0.19m(7.5インチ)から0.762m(30インチ )の炉後退速度を使用することによってこの範囲内のG/R比が得られる。等軸 晶組織で溶湯が凝固している間に、金属の容積の減少は物品鋳型空所の長くて薄 い部分に最初に溶湯を誘導した導入口を通じて物品鋳型空所の長くて薄い部分に 金属を送給することによって補われる。 数個の好適な実施例について本発明の原理を図示し説明したが、本発明はその 原理から逸脱することなく構成、及び詳細を変更し得ることは当業者には明らか である。発明の精神と範囲内とにあるすべての変更要旨を請求の範囲に記載する 。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.長くて薄い部分を有する鋳型空所の長くて薄い部分がその厚さの少なくとも 約20倍の約102mm(4インチ)より長い長さを有し、前記鋳型空所の長くて薄い 部分の長さに沿って堰を設けていない鋳型空所を有する鋳型を形成し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分の縦軸線が直立方向に指向し、炉がほぼ前記 鋳型を包囲するよう炉内に鋳型を位置させ、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部を、金属の固 相線温度より低いが固相線温度に近い最高温度を有する第1温度範囲内に加熱す ると共に、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部を、金 属の液相線温度に近い最高温度を有する第2温度範囲内に加熱する鋳型の加熱工 程により前記炉によって鋳型を加熱し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部が前記第1温 度範囲内にあり、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部 が前記第2温度範囲内にある間に、前記鋳型空所の長くて薄い部分の長さに沿う 以外の位置から前記鋳型空所内に溶湯を導入し、 前記物品の鋳型空所内で等軸晶組織に溶湯を凝固させることを特徴とする金 属物品の鋳造方法。 2.前記金属物品の金属が超合金である請求項1に記載の方法。 3.前記金属物品の金属がニッケルクロム超合金、コバルトクロム超合金、及び 鉄クロム超合金から成る群から選択した金属である請求項1に記載の方法。 4.前記金属がコバルトクロム超合金であり、前記金属物品がシールである請求 項3に記載の方法。 5.前記溶湯を凝固させる工程において、毎時約0.762m(30インチ)より遅い速 度で、少なくとも前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の周りか ら前記炉を後退させる請求項1に記載の方法。 6.前記溶湯を凝固させる工程において、毎時約0.381m(15インチ)より遅い速 度で、少なくとも前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の周りか ら前記炉を後退させる請求項1に記載の方法。 7.前記溶湯を凝固させる工程において、毎時約0.178m(7インチ)から毎時約0 .762m(30インチ)までの速度で、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳 型の全体の部分の周りから前記炉を後退させる請求項1に記載の方法。 8.前記金属物品の金属が約1299℃(2370°F)の固相線温度と約1416℃(2580 °F)の液相線温度とを有するコバルトクロム超合金であり、前記鋳型空所内に 溶湯を導入する前記工程において、過熱された融解コバルトクロム超合金を物品 の鋳型空所に導入し、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下 半部を加熱する前記工程において、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳 型の部分の下半部を約1260℃(2300°F)より低い平均温度まで加熱し、前記鋳 型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部を約1357℃(2475°F) の平均温度まで加熱する請求項1に記載の方法。 9.前記溶湯を凝固させる工程において、約0.381m(15インチ)より遅い速度で 前記鋳型の周りから前記炉を後退させる請求項8に記載の方法。 10.前記鋳型空所内に溶湯を導入する前記工程において、前記物品の鋳型空所 の長くて薄い部分の一端のみから前記鋳型空所の長くて薄い部分に溶湯を導入す る請求項1に記載の方法。 11.溶湯を凝固させる前記工程において、約450より大きいG/R比が得ら れるよう選択した速度で前記炉を後退させる請求項1に記載の方法。 12.長くて薄い部分を有する鋳型空所の長くて薄い部分がその厚さの少なくと も約20倍の約102mm(4インチ)より長い長さを有し、前記鋳型空所の長くて薄 い部分の長さに沿って堰を設けていない鋳型空所を有する鋳型を形成し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分の縦軸線が直立方向に指向し、炉がほぼ前記 鋳型を包囲するよう炉内に鋳型を位置させ、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部を、最高平均 温度が約1260℃(2300°F)より低い第1温度範囲内に加熱すると共に、前記鋳 型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部を、金属の液相線温度に 近い最高温度を有し前記第1温度範囲より高い第2温度内に加熱する鋳型の加熱 工程により前記炉によって鋳型を加熱し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部が前記第1温 度範囲内にあり、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部 が前記第2温度範囲内にある間に、前記鋳型空所の長くて薄い部分の長さに沿う 以外の位置から前記鋳型空所内に溶湯を導入し、 毎時0.762m(30インチ)より遅い速度で、溶湯を含む前記鋳型の周りから前 記炉を後退させ、 前記物品の鋳型空所内で等軸晶組織に溶湯を凝固させることを特徴とする金 属物品の鋳造方法。 13.前記金属物品の金属が超合金である請求項12に記載の方法。 14.前記金属物品の金属がニッケルクロム超合金、コバルトクロム超合金、及 び鉄クロム超合金から成る群から選択した金属である請求項12に記載の方法。 15.前記金属合金がコバルトクロム超合金と鉄クロム超合金とから成る群から 選択した金属合金である請求項14に記載の方法。 16.前記金属がコバルトクロム超合金であり、前記金属物品がシールである請 求項12に記載の方法。 17.毎時約0.381m(15インチ)より遅い速度で前記鋳型の周りから前記炉を後 退させる請求項12に記載の方法。 18.前記鋳型空所内に溶湯を導入する前記工程において、前記物品の鋳型空所 の長くて薄い部分の一端のみから前記鋳型空所の長くて薄い部分に溶湯を導入す る請求項12に記載の方法。 19.溶湯を凝固させる前記工程において、約450より大きいG/R比が得ら れるよう選択した速度で前記炉を後退させる請求項12に記載の方法。 20.長くて薄い部分を有する鋳型空所の長くて薄い部分がその厚さの少なくと も約20倍の約102mm(4インチ)より長い長さを有し、前記鋳型空所の長くて薄 い部分の長さに沿って堰を設けておらず、シールの形状の形態を持つ鋳型空所を 有する鋳型を形成し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分の縦軸線が直立方向に指向し、炉がほぼ前記 鋳型を包囲するよう炉内に鋳型を位置させ、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部を、約1260℃ (2300°F)より低い第1温度範囲内に加熱すると共に、前記鋳型空所の長くて 薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部を、金属合金の液相線温度に近い第2温 度範囲内に加熱する鋳型の加熱工程により前記炉によって鋳型を加熱し、 金属超合金から成る群から選択した過熱融解金属を用意し、 前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の下半部が前記第1温 度範囲内にあり、前記鋳型空所の長くて薄い部分を画成する鋳型の部分の上半部 が前記第2温度範囲内にある間に、前記鋳型空所の長くて薄い部分の一端のみの この長くて薄い部分の長さに沿う以外の位置から前記鋳型空所内に溶湯を導入し 、 450より大きいG/R比が得られるように選択した速度であって毎時約0. 178m(7インチ)から毎時約0.762m(30インチ)の速度で前記鋳型の周りから前 記炉を後退させ、 前記物品の前記鋳型空所内で等軸晶組織に溶湯を凝固させることを特徴とす る等軸晶組織を有する長くて薄い金属シールの鋳造方法。 21.前記金属合金が約45から75重量%のコバルトを有し、約1416℃(2580°F )の液相線温度を有するコバルトクロム超合金であり、前記鋳型を第2温度範囲 内で加熱する工程において、前記鋳型を1357℃(2475°F)まで加熱する請求項 20に記載の方法。 22.請求項1の方法で製造した鋳造物品。 23.請求項12の方法で製造した鋳造物品。 24.請求項20の方法で製造した鋳造物品。
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