JP2013136097A - 微細な等軸結晶粒組織を有する物品の製造方法 - Google Patents

微細な等軸結晶粒組織を有する物品の製造方法 Download PDF

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Chin Fan Shi
シー−チン・ファン
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Abstract

【課題】微細な等軸結晶粒組織を要求する部材、及び複雑な幾何学的形状を有する比較的大型の部材を鋳造するための方法を提供する。
【解決手段】一般的方法は、溶融状態の金属材料をインベストメント鋳型内に注入する段階、次いで低融点液体冷却材金属を含む浴中にインベストメント鋳型全体を迅速に浸漬して溶融材料からの実質的に均一な多方向熱移動を達成する段階を含んでいる。凝固して部材を形成する溶融材料は、微細結晶粒の等軸結晶粒組織によって特徴づけられる。関連する実施形態は、超合金材料を構成する2つのインゴットの使用を含んでいる。一方のインゴットは酸素反応性元素を含み、真空融解技法によって製造される。他方のインゴットは残りの元素を含み、空気融解技法のような複数の技法によって製造できる。
【選択図】図1

Description

本開示は、一般的には、金属部材及びこれらの部材の製造方法に関する。若干の特定の実施形態では、本開示は、大抵はニッケル基又はコバルト基超合金から形成される鋳造金属物品及び関連する特殊鋳造方法に関する。
多数の金属及び合金が、強度、耐酸化性及び耐高温性に関して要求の厳しい用途で使用されている。その例には、チタン、バナジウム、モリブデン、及びニッケル、コバルト又は鉄を基材とする超合金がある。超合金は、例えば航空機エンジン及び発電所設備のガスタービンエンジン部材のような高温用途のために特に適している。ほとんどの場合、これらの部材はインベストメント鋳造のような鋳造プロセスによって製造される。金属鋳造は数千年間にわたって実施されてきたが、現代に至り、ひとつにはジェットエンジンブレードのような鋳造部品に関して高いレベルの健全性が要求されるため、その技術は高度に洗練されたものになっている。
金属部材の健全性及び総合品質は、部分的には、その結晶構造(例えば、部材中における結晶粒の粒度及び配向)によって決定される。所望の結晶粒組織はまた、多くは部品の想定される動作温度に依存する。各種の超合金から形成されるガスタービン部材に関する一例としては、タービンの燃焼器におけるタービンブレード(バケット)は900〜1150℃もの高い温度に暴露されることがある。これらの部材は通常、高温クリープ破壊及び他の劣化作用に耐えるため、方向性凝固(DS)された柱状結晶粒組織又は単結晶構造を有している。
それとは対照的に、より低い動作温度に暴露されるエンジン部材は、全く異なる結晶粒組織から利益を受けることが多い。例えば、ガスタービンホイール及びディスクは、独自のセットの性能要件を有すると共に、約650〜700℃の温度で動作することが多い。多くの場合、これらの部材は微細な等軸結晶粒組織を有することが非常に望ましい。
微細な等軸結晶粒組織は小型の鋳造品では普通に得られるが、ガスタービン翼形及び構造部材のような大型の複雑な部品でそれを生成することは比較的難しい。インベストメント鋳造技法は、通例、柱状結晶粒と等軸結晶粒との混合物を有する鋳造部材を生み出す。厚い断面(例えば、厚さが約10mmを超える断面)を有する大型部材に関しては、それがしばしば事実である。部材が広範囲に変化する断面厚さをもった複雑な幾何学的形状を有すれば、所望の微細結晶粒組織を得ることは特に困難となり得る。
不均一な結晶粒形態及び結晶粒サイズは、鋳造部材の品質及び性能の点で問題を引き起こすことがある。(すべてではないが)多くの場合、大きい結晶粒サイズは所定の動作温度で低い強度をもたらすことがある。さらに、柱状結晶粒組織は、特定の温度計画下で動作する部材にとは望ましいものの、上記に言及した低温部材にとっては有害なことがある。柱状結晶粒形態は連続した結晶粒界によって特徴づけられ、それに沿って時には亀裂及び「熱間引裂き」が発生することがある。また、使用中に応力方向を横切って配向した場合、柱状結晶粒界は脆弱であり、ひいては部材の早期破壊を引き起こすことがある。
これらの一般的考慮事項を念頭に置けば、高性能合金の新規な鋳造方法は当技術分野で歓迎されるであろう。かかる技法は、微細な等軸結晶粒組織を要求する部材を製造するために特に適するべきである。その上、新規な開発物は複雑な幾何学的形状を有する比較的大型の部材を鋳造するためにも適するべきである。さらに、かかる技法は、製造コストの大幅な増加をもたらすような現行の鋳造作業の実質的な変更を要求すべきでない。
本発明の一実施形態は、金属材料を鋳造して部材を形成する方法であって、
(a)溶融状態の金属材料をインベストメント鋳型内に注入する段階、及び
(b)低融点液体冷却材金属を含む浴中にインベストメント鋳型全体を迅速に浸漬して溶融材料からの実質的に均一な多方向熱移動を達成し、それにより溶融材料を凝固させて部材を形成して、微細結晶粒の等軸結晶粒組織をもたらす段階
を含む方法に関する。
本発明の追加の実施形態は、ニッケル基超合金を鋳造してタービンエンジン部材を形成する方法に関する。本方法は、
(i)ニッケル及び超合金中のすべての酸素反応性元素を含む第1のインゴットを真空融解技法によって製造すると共に、
概して非酸素反応性の超合金元素を含む第2のインゴットを空気融解技法、不活性ガス技法又は真空融解技法によって製造する段階、
(ii)2つのインゴットを互いに結合するか、又は2つのインゴットを一緒に配置することで鋳造装入物を形成し、装入物を融解して溶融材料をインベストメント鋳型内に注入する段階、及び
(iii)低融点液体冷却材金属を含む浴中にインベストメント鋳型全体を迅速に浸漬して溶融材料からの実質的に均一な多方向熱移動を達成し、それにより溶融材料を凝固させて部材を形成して、微細結晶粒の等軸結晶粒組織をもたらす段階
を含んでいる。
本発明の上記その他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照しながら以下の詳細な説明を読んだ場合に一層よく理解されよう。添付の図面中では、図面全体を通じて類似の部分は同一の符号で示されている。
図1は、本発明の若干の鋳造実施形態のために適する例示的なワックス鋳型構造物の写真である。 図2は、図1のワックス鋳型構造物に基づく例示的なセラミック鋳型構造物の写真である。 図3Aは、関連するシェル鋳型を冷却材浴中に浸漬する前における、本発明の実施形態のための例示的な鋳造システムの断面模式図である。 図3Bは、関連するシェル鋳型を冷却材浴中に浸漬した後における、本発明の実施形態のための例示的な鋳造システムの断面模式図である。 図4は、それぞれがニッケル基超合金の特定の成分を含む、互いに接合された2つのインゴットの図示である。 図5は、本発明の実施形態に従って鋳造した後における、ニッケル基超合金のエッチングした断面の顕微鏡写真である。
本開示に関しては、本明細書中に開示されるすべての範囲は包括的かつ結合可能である(例えば、「約25wt%以下」、さらに詳しくは「約5〜約20wt%」という組成範囲は端点を含むと共に範囲内のすべての中間値を含む)。さらに、本明細書中における「第1」、「第2」などの用語は、いかなる順序、数量又は重要度も表すものではなく、むしろある構成要素を別の構成要素から区別するために使用される。本明細書中における冠詞“a”及び“an”は、数量の限定を表すものではなく、言及された品目が少なくとも1つ存在することを表す。さらに、本明細書及び特許請求の範囲の全体を通じて使用される概略表現用語は、それが関係する基本機能の変化を生じることなしに変動することが許容される任意の数量表現を修飾するために適用できる。したがって、「約」のような用語で修飾された値は、明記された厳密な値に限定されない。場合によっては、概略表現用語は値を測定するための計器の精度に対応することがある。
以前に述べた通り、本発明の実施形態に従って多数の金属を鋳造することができる。その例には「超合金」が含まれるが、この用語は鉄基、コバルト基又はニッケル基合金を包含するものである。超合金は通常、その高温性能を高めるために1種以上の追加元素を含んでいる。追加元素の非限定的な例には、コバルト、クロム、アルミニウム、タングステン、モリブデン、レニウム、ルテニウム、ジルコニウム、炭素、チタン、タンタル、ニオブ、ハフニウム、ホウ素、ケイ素、イットリウム及び希土類金属がある。(各々の基材合金は基材金属として記載された他の元素を含むことがあり、例えばニッケル基合金はコバルト及び/又は鉄を含む。)本発明に従って鋳造できる他の金属には、チタン又はチタン合金、或いはステンレス鋼合金がある。
本発明の典型的な実施形態では、部材を形成するために使用される金属又は合金は、最初は粉末、粒状体又はインゴットの形態を有する。次いで、材料を十分な融解温度に加熱する。(ニッケル含有合金の場合、合金は通常約1350〜約1750℃に加熱される。)次いで、溶融金属を鋳造プロセスにおいて鋳型内に注入することで所望の成形物を製造できる。
大抵の実施形態では、部品を製造するためにインベストメント鋳造が一般に使用される。この技法は、大型の部品及び/又は複雑な形状を有しかつ高温に耐え得る必要がある部品を製造するため非常に有用である。インベストメント鋳型は、通常、ワックス又は融解除去できる他の材料を用いて原型を形成することで作製される。このワックス原型を耐火材スラリー中に浸漬し、次いで耐火材サンドでコートすると、耐火材サンドは原型をコートしてシェルを形成する。シェルを乾燥した後、スラリー中に浸漬し、サンドでコートして乾燥するプロセスを丈夫な厚さが得られるまで繰り返す。これらの段階後、「シェルを備えた」原型をオートクレーブ内に配置し、ワックスを融解除去する。次いで、空のシェルを焼成すれば、溶融金属/合金を充填できる鋳型が得られる。
シェル鋳型は通常、一体原型の周囲に形成される(従来の砂型鋳造法のように鋳型から引き抜く必要がない)ので、非常に複雑な部品及びアンダーカットを製造することができる。ワックス原型自体は、通常、例えば注入ダイ又はステレオリソグラフィーを用いる複製によって作製することができる。親模型は、例えばコンピュター立体模型マスターを用いる各種の技法で作製できる。総合プロセスの多くの変形例が当業者に知られている。
好ましくは、ワックスの残留物を除去すると共に、存在する結合剤を硬化させるため、
インベストメント鋳型を約800〜1100℃に予熱する。予熱段階は通常、真空又は不活性雰囲気中で実施されるが、空気中で実施することもできる。インベストメント鋳造技法は、“Nickel−Based Superalloys for Advanced Turbine Engines:Chemistry,Microstructure,and Properties”,by T.Pollock et al;及びthe Journal of Propulsion and Power,Vol.22,No.2,March−April 2006のような多くの参考文献中に記載されている。金属材料は、各種の注入技法によって鋳型内に導くことができる。その例としては、重力、圧力、不活性ガス又は真空条件によって注入を実施できる。若干の例では、好ましい実施形態は真空中で鋳造することである。
若干の実施形態では、鋳型の内面上に核生成剤が配置される。核生成剤は、たとえ低い濃度でも、極めて望ましい等軸結晶粒組織の形成を促進することができる。多数の化合物及び材料が核生成剤(時には「結晶粒微細化剤」ともいう)として役立ち得る。非限定的な例には、コバルト、ルテニウム、ロジウム、イリジウム及び白金のような金属、或いはニッケル、コバルト又は鉄の酸化物がある。例えば、シリカ、コバルト及びアルミナの混合酸化物も使用できる。若干の好ましい実施形態では、核生成剤は1種以上のコバルト含有酸化物(例えば、アルミン酸コバルト)からなる。ある種の鋳造用途のために核生成剤を使用することは、例えば、米国特許第5,823,243号(T.Kelly)(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)に記載されている。
典型的な実施形態では、核生成剤はフェースコートの形態で鋳型の内面に組み込むことができる。フェースコートは任意適宜のやり方で適用できる。別法として、核生成剤は「ウォッシュ」コーティングとして鋳型の表面に適用することもできる。
核生成剤の濃度は、鋳造すべき金属の種類及び特定の核生成剤の正体のような各種の因子に依存する。ニッケル基合金を鋳造する場合に例えばアルミン酸コバルトを使用する若干の実施形態では、核生成剤の最終濃度はウォッシュコーティング組成物中で約5〜約10重量%の範囲内にある。しかし、濃度は上述した因子に応じてずっと高くてもよい。核生成剤の使用に関する関連情報は、“Microstructure and Mechanical Properties of High Temperature Creep Resisting Superalloy ReneTM 77 Modified CoAl24”,by M.Zielinswka et al;Archives of Materials Science and Engineering;Vol.28;Issue 10;October 2007;pp.629−632(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)中に見出すこともできる。
(下記に一層詳しく記載するように)充填した鋳型を冷却するために使用される浴は、各種の異なる形状を有し得る。浴は、冷却コイルを備えたタンク内に収容することができる。浴温度を調整するため、発熱体を含めることもできる。やはり下記に記載される通り、浴の容積は、特定の冷却計画を最大化する配列に従って選択された数のインベストメント鋳型を収容できように計算される。
浴用の低融点液体冷却材金属は当技術分野で公知である。多くの実施形態では、冷却液体はスズ又はアルミニウムである。低い融点及び低い蒸気圧を有する点で、スズが特に好ましい。一般に、液体冷却材金属は実際に可能な限り低い温度(例えば、金属の融点よりあまり高くない温度)に維持される。若干の典型的な実施形態では、金属材料を鋳型内に注入する間、液体冷却材金属は鋳造すべき金属材料の融点より約700〜約1400℃低い温度に維持される。ニッケル基超合金を鋳造する場合、スズ浴に関する好適な温度はしばしば約250〜約350℃である。鋳造すべき金属材料は、通常、その融点より約50〜約150℃高い材料温度で(予熱された)鋳型内に注入される。
下記にやや詳しく記載されかつ図面中に図示される通り、インベストメント鋳型に溶融金属を
充填した後、鋳型を浴中に迅速に浸漬する。本発明者らは、浴中での迅速な冷却が冷却される鋳造品のミクロ組織に劇的な影響を及ぼし得ることを発見した。下記に記載される通り、微細な等軸結晶粒組織が得られるが、これはまた鋳造物品に他の重要な性質を付与する。(若干の実施形態では、結晶粒は実質的に均一でもある。)
若干の実施形態では、鋳型内に注入される溶融金属材料は、金属材料の分散固体粒子を比較的少量含んでいる。かかる固体粒子は、最終鋳造品に対して追加の結晶粒微細化をもたらし得る。通常、固体粒子は鋳造すべき金属材料の総重量の約2%未満を占め、若干の実施形態では約1%未満を占める。1つの例示的な技法に従えば、固体粒子は、溶融材料をシェル鋳型内に注入するのに先立ち、溶融鋳造金属を1以上の凝固−融解サイクルに付すことで得ることができる。「融解−凝固」シーケンスにより、材料を鋳型内に注入する際の再融解に先立ち、鋳造材料の本体又は深部に粒子の形成を誘起することができる。
図1は、本発明の実施形態のために適した(簡略化された形態の)例示的なワックス鋳型構造物10を図示している。かかる構造物は、ワックスで形成されかつ複数のセラミック支持ポスト14によって支持された注入カップ12を含んでいる。注入カップは、鋳造で使用する溶融金属を収容するように設計されている。注入カップ12の下部領域は、やはりワックスで形成された複数の供給管又は「ランナー」16と連絡している。各々の供給管16はワックス物品鋳型18の内部領域で終わっている。
鋳型18は、本プロセスに従って鋳造すべき部品の正確な形状に適合させるための公知技法によって予め形成されている。鋳型18及びポスト14は、底板22の上面に支持することができる。このタイプのワックス鋳型構造物に関する他の一般的詳細は、米国特許第5,072,771号(Prasad)及び“Nickel−Based Superalloys for Advanced Turbine Engines:Chemistry,Microstructure,andProperties”,by T.Pollock et al;Journal of Propulsion and Power;Vol.22,No.2,March−April 2006(上述)をはじめとする複数の参考文献中に示されている。さらに、注入カップ構造物に関する他の情報及び鋳型への溶融金属の供給に関する詳細は、様々な情報源(例えば、米国特許第6,019,158号(Soderstrom et al))中に見出すことができる。これら3件の文書の開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなしている。
(複数の部材を同時に鋳造するために)複数の鋳型を冷却材浴中に浸漬する状況では、微細な等軸結晶粒組織の形成を確実にするように注意を払う必要がある。本発明者らは、若干の実施形態では、構造物に溶融金属を充填して浴中に浸漬した際に溶融金属から最大の多方向熱移動が得られるようにインベストメント鋳型をワックス鋳型構造物中に配列するのが好ましいことを発見した。若干の実施形態では、インベストメント鋳型は各シェル鋳型の最長アクセス面に沿って互いに概して星形に配列される。
シェル鋳型が比較的高いアスペクト比を有し得る他の実施形態では、冷却材浴中にある各シェル鋳型の最長面又は表面は少なくとも1つの他のシェル鋳型の最長表面から離隔し、かつ概してそれに平行である。一例としては、各対のシェル鋳型は図1に示されるように互いに向かい合った対向表面を有し得る。シェル鋳型は一般に、鋳型構造物の底板の外周に直立して配置すればよい。一般に、シェル鋳型の表面は上述したように最大の熱移動が得られるように離隔させるべきである。
図2は、図1に示したワックス鋳型構造物10の原型に基づく例示的なセラミック鋳型構造物30の写真である。当業者には理解される通り、セラミック鋳型は通例、アルミナ、シリカ及び/又はジルコニアのような材料で形成される。通例、鋳型は図1に示されるようなワックス原型の周囲にセラミック層を漸進的に増成することで作製される。冷却通路のような内部構造物を得るため、ワックス中にセラミックコアを埋め込むこともできる。(この図中では、特記しない要素は、セラミック形態であることを除けば図1中と同じものである。)
図1及び図2は、単一のシェル鋳型(例えば、シェル鋳型構造物30)に関して一般的に説明されている。しかし、別法として、各々が供給管16(図1)によって「給湯」されかつ各々が特定のワックス鋳型18の1つで形成される鋳造物品に関連する複数のシェル鋳型に関してこれらの図を説明することもできる。ここでは、全体的な説明を簡略化するため、複数の鋳型の概念は単一の「鋳型構造物」として表現されている。
ワックス材料上にセラミック層を堆積させた後、熱サイクルを用いてワックス材料を除去することで図2のセラミック構造物を形成する。かくして、注入カップ、供給管及び物質鋳型(即ち、図1の物品鋳型18)はすべて、この段階ではセラミック原型の一部である。セラミック鋳型構造物は、通常、図2に示されるような底板(チルプレート)32上に支持されている。今では、鋳型構造物(「インベストメント鋳型」という)には、鋳造プロセスの一部として溶融金属材料を充填することができる。
図2の鋳型の厚さは、ある程度変化することができる。ニッケル基超合金から鋳造されかつ約10〜約25mmの平均厚さを有する物品に関する一般的な非限定的例示としては、アルミナ系鋳型の平均厚さは約5〜約25mmの範囲内にある。(総合鋳型サイズは、鋳造プロセスで使用する炉のサイズによっても限定される。)
若干の実施形態では、鋳型は、上部領域(即ち、注入カップ領域)及び下部領域(即ち、底板領域)では、中央領域(即ち、鋳造部品自体を含む領域)に比べて厚くてもよい。(中央領域は「臨界冷却領域」と見なすことができる。)本発明者らは、鋳型の所要強度及び健全性に基づきかつ臨界冷却プロセス中における鋳型壁からの熱の移動に関して鋳型の容量とバランスさせながら、所望のミクロ組織を効果的に得るためには、このような厚さの差が特に重要であり得ることを発見した。
かくして、若干の実施形態では、鋳造部品(中央)領域における鋳型の厚さは、注入カップ領域及び底板領域の両方における厚さより約25%以上小さくすべきである。若干の好ましい実施形態では、鋳造部品領域におけるシェル鋳型の厚さは、他の領域における鋳型の厚さより約50%以上小さい。(注入カップ領域及び底板領域における鋳型の厚さは互いに同一である必要はない。その上、注入カップ領域における厚さは時にはある程度の勾配を有している。)
図3Aは、本発明の実施形態のための例示的な鋳造システム50を簡略化して図示したものである。所望の鋳造品(例えば、タービンブレード)の形態に成形された1以上の断面を有する(図2のものと同様な)シェル鋳型52が、チルプレート54に固定される。本発明の態様を図示する目的のため、図3Aでは鋳型が上方の位置に示されている。下記に説明する図3Bでは、鋳型を冷却材浴中に浸漬した下方の位置が示されている。
水冷誘導コイルによって部分的に包囲されたるつぼ内に鋳造金属のインゴットを配置することができる。(インゴット及びるつぼは通常の構成要素(特に図示せず)である。例えば、前述したPollockの論文を参照されたい。)他のタイプの加熱技法も使用可能である。
インゴットを含むるつぼを、任意適宜の機械的手段によって炉62内に降下させることができる。一例は、通常の駆動システムに連結し得る機械的アーム64である。アームの下端は、鋳型及びチルプレートを支持するプラットホーム或いは任意の関連構造物に連結できる。このようにすれば、インベストメント鋳型の上下運動を正確に制御することができる。プロセス全体は、好ましくは真空中又は不活性雰囲気中で実施される。加熱室から引き出した後に鋳型を冷却する一形態として、周囲の空気雰囲気を単独で又は他の環境と共に使用することもできる。
鋳造システムはまた、セラミックシェル鋳型52を適当な温度(通常は鋳造金属又は合金の液相線温度より高い温度)に予熱するための何らかの手段(特に図示せず)を含んでいる。かかるシステムはさらに、炉62の下部領域と冷却材浴68の上部領域との間に位置するバッフル66を含み得る。バッフルは、過熱鋳型と液体冷却材浴との間に急激な温度勾配を得るために役立ち得る。バッフルは単一層又は多重層の形態を有し得ると共に、通常は(必ずではないが)剛性又はたわみ性の断熱材を含んでいる。バッフルは固定状態であってもよいし、或いは浮動状態であってもよい。図3Aの例示的な実施形態では、追加の浮動バッフル69も設けられている。一般に、鋳型は加熱室からバッフルを通して液体冷却材浴68中に引き出されるので、バッフル66は鋳型の形状の周囲におけるはまり具合を変えるように設計することができる。
注入カップ71の一般的機能は、図1及び図2に関して説明した。注入カップは、概してカップの上方に位置しかつそれと連絡するるつぼ(図示せず)から溶融鋳造金属73を受け入れる。注入カップの特定のデザイン及び特徴は、本発明にとって重要でない。
冷却材浴68は、前述したような適当な冷却材金属を含み、通常は撹拌機(図示せず)又は他の撹拌手段を備えている。浴は、しばしば熱油のライナー72によって包囲され、これは浴の温度を調節するために使用できる。ライナー中の熱油は、Pollockの論文中に示されているように、流入及び流出導管を通して循環させることができる。
浴のサイズ及び形状は、多少変化させることができる。関連する鋳造品のサイズ及び形状並びに使用する炉のタイプ及び一般的な空間要件のような各種の因子が関係する。若干の実施形態では、浴は、鋳造金属及びその鋳型の合計質量の少なくとも4倍の(好ましくは4倍を超える)質量を有している。(本開示中の図は、様々な特徴を読者に注目させるため、必ずしも一定の比率で描かれていない。)
溶融鋳造金属をシェル鋳型52内に導入した後、図3Bに示されるように、鋳型を冷却材浴68中に迅速に浸漬する。上述した通り、迅速な浸漬は微細な等軸結晶粒組織をもたらすことが判明した。本明細書中で使用する「微細な等軸結晶粒組織」とは、約2.5未満のメジアンアスペクト比を有する結晶粒の集団をいう。若干の実施形態では、鋳造材料は約3mm以下の平均結晶粒径によって特徴づけられる。
迅速な浸漬は、「引出し速度」(即ち、鋳造システムの高温域(炉62)からの鋳型の引出し)によって特徴づけることができる。インベストメント鋳型はほんの僅かな滞留時間で炉から浴に移動するので、引出し速度は実際には鋳型を完全に冷却材浴68中に移動させるための「プランジ速度」又は「急冷速度」である。特定の引出し速度は、鋳造金属の正体、その想定されるサイズ及び形状、鋳造金属の液相線温度、冷却材浴温度及び浴サイズ、インベストメント鋳型の肉厚及び総合サイズ、並びに核生成剤の有無(及び種類)のような各種の因子に依存する。
ニッケル基又はコバルト基超合金の鋳造において、(鋳造部品領域での)シェル鋳型肉厚が約3.5mm(0.14インチ)〜約1cm(0.4インチ)の範囲内にあり、かつコバルト基核生成剤が鋳型表面に組み込まれている場合、引出し速度は通常毎時約380cm(150インチ)以上であり、例えば毎時約380cm(150インチ)〜約510cm(200インチ)の範囲内にある。若干の特定の実施形態では、引出し速度は毎時約510cm(200インチ)を超える。比較的高い引出し速度は、シェル鋳型が受ける(即ち、炉と冷却材浴との間で受ける)放射冷却の量を最小限に抑える。これはまた、所望の結晶粒組織の形成を促進することができる。通常のタービンエンジン部材に関する若干の実施形態では、金属材料が鋳型内に注入された後、鋳型全体が約300秒以内に浴中に浸漬される。
チタン基合金の場合には、引出し速度は通常毎時約380cm(150インチ)以上であり、若干の好ましい実施形態では毎時約510cm(200インチ)以上である。ステンレス鋼合金の場合には、引出し速度は通常毎時約380cm(150インチ)以上であり、若干の好ましい実施形態では毎時約510cm(200インチ)以上である。鋳造技術分野の当業者は、本明細書中の教示に基づき、所定の状況に最も適した引出し速度を決定できるであろう。
他の鋳造及び凝固プロセスに関する引出し速度は、多くの場合、本発明の実施形態に関して上記に記載したものよりかなり長いことを力説しておきたい。本明細書中に記載される物品と同様な寸法を有するニッケル基又はコバルト基超合金製の物品であるが、直接凝固(DS)プロセスに付されるものに関して一例を示すことができる。その技法では、物品は毎時約125cm(50インチ)未満の速度で引き出すこと(即ち、冷却材浴中に浸漬すること)ができる。かかる物品において得られるミクロ組織は、通常、本明細書中に記載される微細結晶粒の等軸結晶粒組織と非常に異なっている。
鋳造の完了後、通常の段階を実施することで鋳造物品を解放する。通例、インベストメント鋳型は、ハンマリング、メディアブラスチング、振動、水ジェット、化学的溶解又はこれらの技法の何らかの組合せによって物品から分離される。成形プロセスで使用したスプルー又はゲートを切除し、次いで鋳造品を他のクリーニング及び仕上げ段階(例えば、研削)に付すことができる。
鋳造合金の品質並びにかかる合金の製造及び使用のためのコストは、本発明用の高性能部材を製造する際の非常に重要な因子であり得る。合金組成物の高品質インゴットを製造するためには、真空誘導融解及び真空アーク再融解のような真空融解技法が使用できる。これらのタイプの技法は、アルミニウム、チタン及びジルコニウムのような酸素反応性元素を含む合金を製造する場合にしばしば必要とされる。しかし、設備及び運転の詳細から見ると、この技法の使用は比較的高くつくことがある。特に、合金材料の非常に大きいインゴット(例えば、約450キログラム(1000ポンド)以上のもの)の場合にそうである。本発明の多くの実施形態では、合金は実際に1種以上の酸素反応性元素を含んでいる。
他方、アルゴン酸素脱炭のような各種の空気融解技法は、合金(例えば、板、薄板及び棒管用の鍛錬合金)を製造するために非常に魅力的である。(空気融解技法は、時には、続く真空プロセスに対する予備段階としても使用される。)空気融解技法の人気は、ひとつには、真空融解に比べて低コストであることに基づいている。しかし、空気融解技法は、所望の合金が上述の酸素反応性元素を含む場合には容易に実施できない。
したがって、金属材料が反応性元素及び非反応性元素の両方を含む本発明の実施形態に従えば、2種の別々の合金組成物(例えば、インゴット)が最初に製造される。第1のインゴットは、概して酸素と反応する元素を含んでいる。上述の通り、反応性元素は通常、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及び希土類金属の1種以上を含んでいる。超合金の場合、第1のインゴットは基材元素の1種以上(即ち、ニッケル、コバルト又は鉄)も含み得る。第1のインゴットはまた、炭素、ホウ素、ケイ素及び(若干の場合には)タンタルの1種以上も含み得る。第1のインゴット中における基材金属元素(全部)と酸素反応性元素(全部)との重量比は、通常約90:10〜約80:10の範囲内にある。
第1のインゴットは、真空融解技法によって製造できる。以前に述べた通り、これらの技法は当技術分野で公知である。若干の好ましい実施形態では、真空融解技法は誘導融解又は非消耗性アーク融解である。
第2のインゴットは、概して酸素と反応しない元素を含んでいる。超合金組成物の場合、第2のインゴットは、ニッケル、コバルト及び鉄の1種以上並びにクロム、モリブデン、タングステン、レニウム及び(若干の場合には)タンタルの1種以上を含んでいる。好ましい実施形態では、第2のインゴットの組成物はアルミニウム、ジルコニウム及びハフニウムのような酸素反応性元素を実質的に含まない。他の実施形態では(すべての実施形態ではないが)、第2のインゴットは炭素又はホウ素の1種以上も実質的に含まない。
第2のインゴットは、空気鋳造又はアルゴン酸素脱炭のような任意適宜の空気融解技法により、(特に経済的な観点から)有利に製造できる。しかし、他の実施形態では、本明細書中に記載される適当な真空融解技法のいずれかによって第2のインゴットを製造することも可能である。さらに、時には不活性ガス技法を第2のインゴットに対して使用することもできる。
他方のインゴットと比較した各インゴット中の元素の比率は、主として最終鋳造品に関する所要の組成に依存する。他の因子には、各インゴットに対して使用される特定の融解技法並びに2種の合金の相対融点がある。(合金組成物の処方の点から見れば、各インゴットの融点は融解段階が困難になるほど高くすべきでない。さらに、最終の鋳造合金中における結晶粒微細化を促進するため、一方のインゴットの融点を他方から「間隔を置く」ことが時には望ましくあり得る。)他方のインゴットに対する各インゴットの重量もまた、意図される最終金属組成に加えて上述の因子に依存する。これらのインゴットに関する他の詳細は、米国特許第4,718,940号(McPhillips)(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)中に見出すことができる。
次いで、2つのインゴットを、スポット溶接又は任意のタイプの機械的結合法のような任意適宜の技法によって互いに接合することができる。別法として、これらを単に一緒に配置するか、或いは互いに積み重ねてもよい。図4はニッケル基超合金を例示するものであり、第1のインゴット「A」及び第2のインゴット「B」を簡単に図示している。第1のインゴットはニッケル及び酸素反応性元素を含む一方、第2のインゴットはニッケル及び残りの典型的な超合金元素を含んでいる。図中に示された相対重量パーセントは例示的なものであり、上述したように変化し得る。
一般に、2つのインゴットを使用することには1以上の経済的利点がある。この場合、材料の大半をなすインゴット「B」はより安価な空気融解技法によって形成される。インゴット「A」は、より高価な真空融解技法によって製造されるものの、そのサイズが相対的に小さいために必要な製造コストが少なくて済む。その上、さもなければ酸素反応性元素を処理する際に起こり得る問題も抑制又は防止される。
2つのインゴットは、所望のインベストメント鋳造部材を製造するために必要となるまで、接合された状態又は互いに隣接した状態に保つことができる。次いで、鋳造プロセスを実施するため、これらを図1に示されるようなシステム内のるつぼに加えることができる。本発明者らは、場合によっては大きな経済的処理上の利点が得られることに加えて、記載の方法における2つのインゴットの使用が微細結晶粒の等軸組織をさらに促進し得ることも発見した。
本発明の実施形態に従えば、多数の部材を鋳造することができる。一般に、超合金。チタン合金及びステンレス鋼合金のような高温/高強度材料から形成される任意の部材が本発明の恩恵を受けることができる。本明細書中に記載されるようにして形成できるタービンエンジン部材の非限定的な例には、タービンバケット、ブレード、ベーン、ノズル、燃焼器ライナー、燃焼器ドーム及びシュラウドがある。本明細書中に記載された本発明方法は、柱状結晶粒と等軸結晶粒との混合物を有する部材に対して特に有用である。上述したような「大型」の部材(例えば、厚さが約10mmを超える断面を有するもの)に関しては、それがしばしば事実である。そのようなサイズの部材に関して微細結晶粒の結晶組織を得ることは、伝統的に非常に困難であったからである。
微細な等軸結晶粒組織をもたない合金から形成された部材とは対照的に、本発明の実施形態によって形成される部材のミクロ組織は非常に望ましいものであり得る。ニッケル基超合金から形成されたタービンエンジン部材に関して実例を示すことができる。合金が微細な等軸ミクロ組織を有する場合、部材は比較的粗大結晶粒の組織を有する鋳造合金から形成された部材より30%以上高い降伏強さを示すと予想される。
本実施例では、ニッケル基超合金であるRene(商標)108のインゴットを使用した。この合金は、米国特許第5,897,801号(Smashey et al)(その開示内容は援用によって本明細書の内容の一部をなす)中に記載されるような概略組成を有していた。図3Aに示されたものと同様な装置及びNi−30Crプラグを用いて、インゴットをるつぼ内において1400℃で融解した。溶融金属を、(鋳造部品領域において)約0.5cm(200ミル)の平均鋳型肉厚を有するアルミナ系鋳型内に導いた。金属を受け入れる前に、約5〜10重量%のCoAl24を含むフェースコートを鋳型の内面上にコートした。鋳型を1250℃に予熱した。
溶融金属が鋳型を満たした後、約250℃の温度に維持された液体スズ浴中に鋳型を迅速に浸漬した。引出し速度(即ち、浸漬速度)は毎時590cm(233インチ)であった。鋳造部品(細長い試験板)の凝固後、部品を鋳型から取り出し、クリーニングし、次いで標準的な酸含有エッチング液中でエッチングした。
図5は、エッチング後における合金の横断面のミクロ組織を示す顕微鏡写真である。平均結晶粒度は約300ミクロンであった。結晶粒は約2.5未満のメジアンアスペクト比を有していた。これらの測定値は、本発明の実施形態に従えば、ミクロ組織が微細結晶粒で等軸のものと見なされることを表している。
以上、本明細書中には本発明の若干の特徴のみを例示し説明してきたが、当業者には数多くの修正及び変更が想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は本発明の真の技術思想に含まれるこのような修正及び変更のすべてを包含するものであることを理解すべきである。
10 ワックス鋳型構造物
12 注入カップ
14 セラミック支持ポスト
16 供給管
18 ワックス物品鋳型
22 底板
30 セラミック鋳型構造物
32 底板
50 鋳造システム
52 シェル鋳型
54 チルプレート
62 炉
64 機械的アーム
66 バッフル
68 冷却材浴
69 浮動バッフル
71 注入カップ
72 ライナー
73 溶融鋳造金属

Claims (20)

  1. 金属材料を鋳造して部材を形成する方法であって、
    (a)溶融状態の金属材料をインベストメント鋳型内に注入する段階、及び
    (b)低融点液体冷却材金属を含む浴中にインベストメント鋳型全体を迅速に浸漬して溶融材料からの実質的に均一な多方向熱移動を達成し、それにより溶融材料を凝固させて部材を形成して、微細結晶粒の等軸結晶粒組織をもたらす段階
    を含む方法。
  2. インベストメント鋳型が真空中又は不活性雰囲気中で予熱される、請求項1記載の方法。
  3. インベストメント鋳型が等軸結晶粒組織の形成を促進するための核生成剤を含む内面を有する、請求項1記載の方法。
  4. 核生成剤が1種以上のコバルト含有酸化物を含む、請求項3記載の方法。
  5. 浴が鋳型及び鋳造材料の総質量の4倍以上の質量を有する、請求項1記載の方法。
  6. 浸漬速度が毎時約380cm(150インチ)以上の引出し速度によって定義される、請求項1記載の方法。
  7. 金属材料は、鋳型内に注入される際、その融点より約50〜約100℃高い温度を有する、請求項1記載の方法。
  8. 液体冷却材金属は、金属材料が鋳型内に注入される際、金属材料の融点より約700〜約1400℃低い温度を有する、請求項1記載の方法。
  9. 鋳型内に注入される溶融金属材料が金属材料の分散固体粒子を含み、固体粒子が金属材料の総重量の約2%未満を占める、請求項1記載の方法。
  10. 溶融材料中の固体粒子が、溶融材料を鋳型内に注入するのに先立ち、溶融材料を1以上の凝固−融解サイクルに暴露することで得られる、請求項9記載の方法。
  11. 複数のインベストメント鋳型を浴中に浸漬することで複数の部材が形成され、インベストメント鋳型は溶融材料から最大の多方向熱移動が得られるように浴中に配列される、請求項1記載の方法。
  12. インベストメント鋳型が各鋳型の最長アクセス面に沿って互いに概して星形に配列される、請求項11記載の方法。
  13. 金属材料がニッケル、コバルト、鉄又はこれらの組合せを基材とする超合金を含む、請求項1記載の方法。
  14. 部材がタービンエンジン部品である、請求項13記載の方法。
  15. 部材用金属材料が概して酸素と反応しない1群の元素を含み、また1種以上の酸素反応性元素も含む、請求項1記載の方法。
  16. 鋳造すべき金属材料が、
    すべての酸素反応性元素並びにニッケル、コバルト及び鉄から選択される1種以上の基材元素を含む第1のインゴットを真空融解技法によって製造し、
    すべての概して非反応性元素を含む第2のインゴットを空気融解技法、不活性ガス技法又は真空融解技法によって製造し、
    2つのインゴットを互いに結合するか、又は2つのインゴットを一緒に配置することで鋳造装入物を形成し、
    装入物を融解して溶融材料をインベストメント鋳型内に注入する
    ことによって製造される、請求項15記載の方法。
  17. 真空融解技法が真空誘導融解、真空アーク再融解及び非消耗性アーク融解からなる群から選択され、空気融解技法が空気鋳造及びアルゴン酸素脱炭からなる群から選択される、請求項16記載の方法。
  18. 第1のインゴットが、ニッケル、コバルト及び鉄の1種以上並びにアルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム及び希土類金属の1種以上を含む、請求項16記載の方法。
  19. ニッケル基超合金を鋳造してタービンエンジン部材を形成する方法であって、
    (i)ニッケル及び超合金中のすべての酸素反応性元素を含む第1のインゴットを真空融解技法によって製造すると共に、
    概して非酸素反応性の超合金元素を含む第2のインゴットを空気融解技法、不活性ガス技法又は真空融解技法によって製造する段階、
    (ii)2つのインゴットを互いに結合するか、又は2つのインゴットを一緒に配置することで鋳造装入物を形成し、装入物を融解して溶融材料をインベストメント鋳型内に注入する段階、及び
    (iii)低融点液体冷却材金属を含む浴中にインベストメント鋳型全体を迅速に浸漬して溶融材料からの実質的に均一な多方向熱移動を達成し、それにより溶融材料を凝固させて部材を形成して、微細結晶粒の等軸結晶粒組織をもたらす段階
    を含む方法。
  20. インベストメント鋳型が等軸結晶粒組織の形成を促進するための核生成剤を含む内面を有する、請求項19記載の方法。
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