JPH08511263A - 造血細胞の放出と可動化 - Google Patents

造血細胞の放出と可動化

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JPH08511263A
JPH08511263A JP7501516A JP50151695A JPH08511263A JP H08511263 A JPH08511263 A JP H08511263A JP 7501516 A JP7501516 A JP 7501516A JP 50151695 A JP50151695 A JP 50151695A JP H08511263 A JPH08511263 A JP H08511263A
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ギアリング,アンドリュー,ジョン,ハーバート
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Abstract

(57)【要約】 マウスおよびヒトマクロファージ炎症性タンパク質1α(muMIP-1αおよびhuMIP-1α/LD78)などのような幹細胞阻害剤およびその類似体と変異体は、造血細胞の放出と可動化を増強する。この性質は、それらを感染症に対する応答の増強および細胞収集において有用なものとする。

Description

【発明の詳細な説明】 造血細胞の放出と可動化 本発明は、骨髄からの造血細胞の放出と可動化(mobilisation)を促進する薬 剤としての、野生型分子および(天然のおよび合成の)変異体を含む、幹細胞阻 害剤(SCIs)の用途に関する。そのような薬剤は、免疫応答の増強および細胞収 集において有用である。 種々の成熟血球型はすべて究極的には、造血幹細胞として知られる単一クラス の前駆細胞に由来する。真の幹細胞は共に多能性である。すなわちそれらは全て のタイプの細胞を生成でき、自己再生できる。これは、放射線によって造血シス テムが破壊された動物に再増殖(repopulate)できる能力によって定義される。 幹細胞は骨髄細胞のうちのごく僅かの割合を占め、通常は静止状態である。分裂 を促されるとそれらはより機能的であり分化した、より大きい増殖能力をもつ娘 細胞を産生する。幹細胞という用語はこれらのいわゆる「初期前駆」細胞にもし ばしば用いられる。分裂と分化の連続的繰り返しは、成熟血球の産生に必要な細 胞数の莫大な増加をもたらす。この分裂と分化の過程は細胞産生を制御する多く のレベルでの調節を受ける。このようにコロニー刺激因子(CSFs)などのような 正の因子は、初期前駆細胞の分裂とある特定の系統に沿っての分化を促進するよ うに働く。たとえばG-CSFは好中球産生を動因するが、エ リスロポエチンは赤血球の形成を促進する。最近になって、負の因子もまた造血 を調節するのに重要な役割を果たすことが認識されるようになった。 白血球造血細胞は疾病に対する体の防御を維持するのに重要である。例えば、 マクロファージとリンパ球は感染症と腫瘍に対する体の応答を強化することに関 わっている。顆粒球(好中球、好酸球、および好塩基球)は、感染症、寄生虫お よび腫瘍を克服するのに関わっている。 造血幹細胞から由来するその他のタイプの細胞には血小板および赤血球がある 。血小板は、それらが互いにおよび損傷した表面に付着して繊維素(fibrin)凝 集塊(clot)の形成を助ける因子を放出することによる血栓形成の開始を介して 、止血機構において重要な要素を形成する。赤血球は主に酸素の運搬に関わって いる。 精製された細胞集団は、治療上で益々使用されており、したがって循環血球の 数を増加させることができれば有利である。また化学療法あるいは放射線療法に 先だって造血細胞を収集し、それら造血細胞をこの治療法の有害な影響から保護 し、治療後にそれら細胞を患者に戻すことができれば有用である。したがって、 多くの造血細胞の放出と可動化を促進する薬剤を提供することが非常に有益であ る。そのような薬剤は感染症に対する応答を増強するために有用である。 いくつかのサイトカインが造血細胞の化学運動性を引き起こすのに関係してい る。例えば、IL-8(C-X-Cファミリーのケモ カインの一員)は、好中球に対しては走化性であるが、単球に対しては走化性で はない。一方LD78(C-Cファミリーのケモカインの一員)は単球に対しては走化 性であるが、好中球に対しては走化性ではない。化学運動性は、細胞が剌激に向 かって動く能力を反映する試験管内の現象である。しかしながらこれは、細胞が 1つの組織区画から離れ血流中へ入る生体内の現象である、細胞の放出や可動化 とは異なる。もし化学運動性と放出/可動化の間に関係があるとしても、その性 質がどのようなものであるか明かでない。 好中球は、その他の顆粒球とともに感染症に対する体の細胞性防御の重要な成 分である。このことは、LAD(白血球付着不全症)などのような白血球機能不 全をもつ人が、非常に感染症にかかりやすいという事実によって例証される。好 中球は絶えず骨髄の中の骨髄性前駆体から、多数産生されている。好中球は感染 症あるいは組織損傷において局所的に放出された走化性信号に応答して、組織に 入ることのできる位置から循環系に放出される。この管外遊出は、血管壁と好中 球の間の付着相互作用に決定的に依存し、好中球の活性化とそのβ2-インテグリ ンの結合活性のアップ調節(upregulation)を伴う。すると活性化好中球は、食 作用とともに酵素と遊離基の放出によって感染物質を攻撃することができる。循 環好中球および組織好中球は約2時間の短い半減期をもつ。このことは、もし体 が感染症に対し自身を防御する能力を損なわないためには、骨髄における高い好 中球産生率が必要であることを意味する。 この高い代謝回転速度の重要な結果は、骨髄が損傷したとき好中球数が非常に 早く減少することである。これはいくつかのウイルス感染の際に起こり得るが、 臨床的にはその最も重要な原因は悪性疾患を治療するときに用いられる化学療法 あるいは放射線療法である。そのような治療は、腫瘍中の分裂細胞を破壊するが 、また骨髄や腸管上皮細胞などその他の高増殖性細胞集団も破壊する。骨髄毒性 は造血前駆体を無差別に殺すが、成熟細胞数に対する主要な影響は好中球に見ら れ、さらにそれより少ない程度で血小板に見られるが、それはこれらの細胞の短 い半減期によるものである。化学療法の結果としての好中球減少は、治療の2な いし3日以内に起こり、好中球数が回復するのに十分な程度に造血系が回復する まで長くて2週間患者を感染症にかかりやすい状態にする。 この好中球減少の影響を最小にする方法の1つは、好中球前駆体の分裂と分化 を剌激することにより好中球回復速度を増強するため、G-CSFやGM-CSFのような コロニー刺激因子を使用することであった。このようなアプローチは好中球減少 の期間を短くすることはできるが、それをなくすことはできない。 1つの代替的かつ補足的なアプローチは、細胞毒性薬に暴露される期間中、初 期前駆細胞を細胞周期からはなすことにより初期前駆細胞を保護するために、SC Isのような負の造血調節剤を用いることである。そのような細胞は周期からはず されると、化学療法の毒性効果に対してより抵抗性の強いものとなる。 白血球枯渇あるいは白血球減少はいくつかの条件で起こり、 好中球減少は一般に白血球減少の1つの重要な形態である。 MIP-1α(マクロファージ炎症性タンパク質)およびhuMIP-1αあるいはLD78 (ヒト型)としても知られる幹細胞阻害タンパク質は、約69個のアミノ酸のペ プチドであり、相似の構造をもつ分子のグローイングファミリー(growing fami ly)すなわちケモカインあるいはインタークリン(intercrine)ファミリーの一 員である。このファミリーのその他の注目すべきメンバーには、IL-8および血小 板第4因子が含まれる。MIP-1αは、顕著な自己集合性を持つという点で普通の ものと異なる。MIP-1αは、生理学的条件の下で250kDaを越える分子量を持つ定 序(ordered)多量体を形成することができ、密接に関連したタンパク質MIP-1 βとこの性質を共有している。 MIP-1αは最初、炎症性の性質を持つマクロファージ生成物として単離された (ウォルプら、J.Exp.Med.、167 570-581(1988))。しかしながら今日この 分子の機能と性質についての最初の示唆の少なくともいくつかは誤りであったと 思われる。例えば、今日多少驚くべきことであるが、このタンパク質は、組換え 源から均一な生成物として産生される時、特に炎症性であることはなく、その高 度に精製されたタンパク質は発熱性ではないように思われる。 MIP-1αが数年前に骨髄から精製された因子と同じ分子であることが発見され た時、MIP-1αに対するより重要な役割が明らかになった(グラハムら、Nature 344 442-444(1990))。この因子すなわち幹細胞阻害タンパク質は、初期造血 前駆細胞 (幹細胞)を周期からはずす能力によって定義された。幹細胞は骨髄の再増殖に 必要であるので、癌の化学療法の際骨髄保護薬としてこのタンパク質を用いるこ とに多くの興味がある。野生型の分子および、改良された物理化学的性質を持つ 合成による(engineered)変異体を産生するいくつかの経路が、WO-A-9313206に 記載されている。 SCIsが造血細胞の放出と可動化を促進すること、およびこれが非常に速く起こ ること、特にそれらが白血球増加(leukophilia)を促進すること(これは循環 白血球数の増加を意味する)が、今日驚くべきことに発見された。この発見は、 化学療法により誘発されたマウスの好中球減少モデルにおけるSCIの投与が、循 環好中球数の迅速かつ十分な上昇を誘発したという最初の観察から起こった。こ の急性好中球増加は、循環への好中球の単純な脱離(demargination)によって 説明するには大きすぎであった(8〜10倍の増大)。もっとも当てはまりそう な説明は、薬剤が単なる脱離に加えて新しく形成された好中球の骨髄からの放出 を引き起こしているいうことである。この好中球増加はSCIタンパク質を投与し てから5分以内に誘発され、典型的に約24時間以内に正常なレベルに減衰する 。ひき続くSCIの再投与は同様の効果を引き起こす。この効果は静脈内投与およ び皮下投与の両方において見られた。 好中球増加活性は、LD78が発熱性でなく特に炎症性でもないという発見からす ればより一層驚くべきことである。従って、観察されたSCIの好中球増加効果は 、FMLP(f-Met-Leu-Phe)お よびIL-8(インターロイキン8)のような発熱性でかつ炎症性の分子の好中球増 加活性との類似性によって容易に合理的に説明することはできない。 幹細胞と初期前駆細胞に対する阻害効果に加えて、このSCIタンパク質はまた 、後のより機能的な前駆細胞の分裂に対しても刺激効果を持つ。しかしながらこ れらの効果は、幹細胞およびその他の初期前駆細胞の増殖の調節におけるSCIの 役割ほどには重要でないと現在考えられている。 しかしながら、SCI投与が造血幹細胞およびその他の初期前駆細胞の放出と可 動化を促進することは以前には示されていなかった。今日驚くべきことに、SCIs の投与が循環CFU-S細胞集団の迅速でかつ延長された増加を引き起こすことが示 された。最もあり得る説明はその薬剤が、骨髄からの幹細胞およびより機能的な 前駆細胞の放出を引き起こしているということである。 従ってSCIsは好中球のような成熟細胞およびCFU-Sのような初期前駆細胞の放 出を促進する。SCIsは広い範囲の成熟段階において骨髄に効果を及ぼす。 本発明の第一の態様によれば、特に造血細胞の放出と可動化により循環造血細 胞数の増加を促進する薬剤の製造における幹細胞阻害剤(SCI)の使用が提供さ れる。したがって本発明は、動物に幹細胞阻害剤の有効量を投与することからな る、動物の骨髄からの造血細胞の放出を誘発する方法において有用である。 あらゆる型の幹細胞阻害剤タンパク質を、造血細胞の放出を誘発するために用 いることができる。本発明は、いままで記述 されてきたマウスタンパク質(muMIP-1α)およびヒトタンパク質(huMIP-1α あるいはLD78)を含む種々の天然由来の幹細胞阻害剤および生物物理学的あるい は生物学的性質が改良されていても良い天然あるいはタンパク合成による形態( 「変異体」および「類似体」)の使用を包含する。野生型のマウスあるいはヒト のMIP-1αは、WO-A-9104274あるいはWO-A-9205198に記載されているように製造 することができる。しかしながらより好ましいのは、分子のより高次の会合を制 御するための1つ以上のアミノ酸置換を有する、マウスあるいはヒトのMIP-1α の変異体の使用である(WO-A-9313206に記述されているように)。 「変異体」という用語(あるいは本発明の目的のためにはその同義語である「 類似体」)は、広く、機能的意味で使用されている。しかし実際上では、多くの 変異体は、生物学的活性が実質的に保存されるならば、原型分子に対して高度の 相同性を有するであろう。原型分子からの変化の性質が、それらの数よりも重要 であることが理解されるであろう。しかし指標として、アミノ酸レベルにおいて は、(好ましさの増大する順に並べて)少なくとも40、50、60、65、67あるいは 68個の残基が原型分子と同じであり、核酸レベルにおいては、例えば類似体をコ ードする核酸は緊縮条件下(例えば0.9モルの塩溶液中35℃〜65℃)で原型分子 をコードする核酸とハイブリッド形成していてもよく、あるいは遺伝コードの同 義性を別にすればそのようになっているであろう。 本発明において有用な分子は、天然あるいは組換え源から製造することができ る。天然分子の好ましい形態は、オバルら、J.Biochem 99 885-894(1986)に 記載されたLD78の69個のアミノ酸形態である。天然源に存在するSCIの量が少な いことから、その組換えルートによる産生が非常に好まれている。また、SCIが 多量化して大きな高分子複合体を形成する傾向から見ると、4量体を越えて会合 しない合成変異体の分子を用いることが好まれる。そのような変異体およびその 産生は、WO-A-9313206の主題である。その出願において使用に際し好まれる変異 体は、同様に本出願においても使用に際し好まれる。 原則的には、SCIsの大きな多量体(従って凝集体)の形成を防止することので きる会合機構には、4つの段階がある。これらの段階のそれぞれの阻害はSCI分 子の異なる領域における突然変異によって影響され得る。 まず第一に、4量体の更なる会合を阻害できる。第二に、もしSCI2量体から 4量体へ会合することが防止されるならば、それ以上の多量体化は阻害されるで あろう。第三に、SCI単量体が2量体化するのを防止できる。第四に、12量体 からより高次の多量体への更なる会合を阻害できる。これらの選択肢(options )はいずれも、会合事象の促進及び/又は安定化に関わる残基の特定の突然変異 によって行うことができる。更にもう1つの選択肢は、会合事象の2つあるいは すべてを同時に防ぐ突然変異の組み合わせを使用することである。 次のアミノ酸残基が修飾のため好適である。 (i) 2つの2量体間の相互作用を安定化するのに関わることのできるアミノ 酸残基、および (ii) より高次の会合のための部位としての役目をする、4量体の外面上の表 面領域におけるアミノ酸残基。 2量体から4量体への会合を安定化させる鍵残基(key residues)のそれぞれ あるいはその組み合わせのラジカル突然変異は、2量体組換えSCI変異体あるい は類似の分子を生み出すであろう。同様に4量体から多量体への会合部位におけ る残基の突然変異は、4量体SCI変異体あるいは類似の分子を生み出すであろう 。アミノ酸修飾は、置換を含むことが好ましいが、欠失および付加も本発明の範 囲に含まれるものとして考えられている。 望ましい効果を生み出すための好ましい突然変異の型は、 (i)電荷反発(単量体インシュリンを製造するのにうまく用いられている。ド ッジソン、Prospects in Protein Engineering Meeting Abstracts、49-53(198 9)) (ii)疎水性から親水性への変化 (iii)中性/疎水性から電荷を有するものへ、である。 会合において疎水性効果に寄与することを避けるために、非常に疎水性の残基 をタンパク質へ置換しない方が一般的には良い。同様に、タンパク質の二次構造 要素を有意に崩壊させるような突然変異も避けるのが好ましい。従って例えば、 公知のβ−切断剤(β−breakers)は、β−シート領域に導入しない方が好まし い。 いくつかの型の突然変異が、SCI分子中の好ましい変化を生み出すのに非常に 効果的である。それらは、 電荷反転、 電荷を有する残基から中性へ、 疎水性から親水性へ、である。 最適な結果を得るためには、分子中の特定の部位で置換がなされる必要がある 。変更されるべき残基は、防止すべき多量体化のレベルに依存する。 突然変異のための好ましい部位についての以下の議論はまずLD78について述べ られ、その提案された構造が、WO-A-9313206の図1bに示されている。その出願の 図1bにおいて、リボンはLD78単量体のためのバックボーン原子の予測された経路 を示している。標識をつけた残基は推定される二次構造要素を定義している。β −シート鎖1はPhe23からThr30までわたり、β−シート鎖2はLys35からThr43ま でわたり、β−シート鎖3はSer46からPro53までわたり、C末端ヘリックスはTr p57からAla69までわたっている。類似の二次構造要素が、MIP-1αを含むその他 のSCIsについても、例えばWO-A-9313206の図1aに示されているアミノ酸配列(al ignment)を用いて推論できるであろう。 単量体のいくつかの表面(faces)が多量体化経路の1つ以上の部分に関わっ ていることが明らかである。これらの表面における自己会合の崩壊/阻害の程度 はアミノ酸置換の性質に関連している。 単量体からの2量体の形成の阻害は、例えは残基19(Ile)あるいは39(Val) などにおける1つ以上の突然変異によって達成することができる。どちらの残基 もAlaに変えることができる。 2量体からの4量体の形成は、β−シートの鎖1において2量体の表面から突 き出ている残基における及び/又はβ−シートの鎖2と3の間の折り返し点(tu rn)における突然変異によって影響される。第一の領域の例はLD78のアミノ酸2 4から29であり、第二の領域の例はLD78のアミノ酸43から47である。特に 、Phe23>Ala、Ile24>Asn、Tyr27>Asn、Phe28>Glu、Glu29>Arg、Lys44>Glu (特にArg45>Glnと共に)およびArg45>Gluが好ましい。 4量体からの12量体の形成は、N−末端からシートの鎖1への折り返し点ま での鎖を形成する残基(ここで2つの変化が望ましい)、特に残基16から21、と りわけ17から19か、あるいはLD78の4、12、26、44、48、56または66の位置にお ける上記の性質の突然変異により阻害あるいは崩壊することができる。特に、Al a4>Glu、Phe12>Asp、Arg17>Ser、Asp26>Ala(特にGln18>Gluと共に)、Arg 17>Glu(これも特にGln18>Gluと共に)、Asp26>Ala、Lys44>Ser、Gln48>Gl u(特にPhe28>Gluと共に)、Glu56>SerおよびGlu66>Serが好ましい。 12量体からより高次の多量体の形成は、LD78の12から21の位置、特に12、18 および21の位置、あるいは65の位置におけ る突然変異によって阻止あるいは崩壊される。特に、Phe12>Gln、Gln18>Glu、 Gln21>SerおよびLeu65>Alaが好ましい。 本発明の一般的に好ましいLD78類似体には、LD78に実質的に相当するが以下の アミノ酸残基の1つ以上(好ましくは2つ以下)において突然変異を有する配列 を含む分子があげられる。Ser1、Leu2、Ala3、Ala4、Asp5、Thr6、Ala9、Phe12 、Ser13、Tyr14、Ser16、Arg17、Gln18、Ile19、Pro20、Gln21、Phe23、Ile24、 Asp26、Tyr27、Phe28、Glu29、Ser31、Ser32、Gln33、Ser35、Lys36、Pro37、Gl y38、Val39、Ile40、Leu42、Thr43、Lys44、Arg45、Ser46、Arg47、Gln48、Asp5 2、Glu55、Glu56、Gln59、Lys60、Tyr61、Val62、Asp64、Leu65、Leu67、Glu66 、Ser68、およびAla69。 本発明による好ましいLD78類似体は、Lys44>Glu(Arg45>Glnと共に)、Arg4 7>Glu、Phe28>Glu、Phe28>Glu(Gln48>Gluと共に)、Phe28>Glu(Arg47>G luと共に)、Arg17>Ser(Gln18>Gluと共に)、Phe12>Ala、Val39>Ala、Ile4 0>Ala、Asp26>Ala(Glu29>ArgおよびArg47>Gluと共に)を含む。本発明によ るより好ましいLD78類似体は、Arg17>Ser、Glu29>Arg、Gln18>Glu、Asp26>S er、Gln48>Ser、Thr15>Ala、Gln21>Ser、Phe23>Ala、Ser32>Ala、Ala51>S er、Ala4>Glu、Phe12>Asp、Asp26>Gln、Lys36>Glu、Lys44>Glu、Arg45>Gl u、 Glu56>Ser、Glu66>Glnを含む。本発明による最も好ましいLD78類似体は、Phe1 2>Gln、Lys44>Ser、Arg17>Glu(Gln18>Gluと共に)および、特に、Asp26>A laおよびGlu66>Serである。 本発明の一般的に好ましいmuMIP-1α類似体には、muMIP-1αに実質的に相当 するが以下のアミノ酸残基の1つ以上(好ましくは2つ以下)において突然変異 を有する配列を含む分子があげられる。Ala1、Pro2、Tyr3、Gly4、Ala5、Asp6、 Thr7、Ala10、Phe13、Ser14、Tyr15、Ser16、Arg17、Lys18、Ile19、Pro20、Arg 21、Phe23、Ile24、Asp26、Phe28、Glu29、Ser31、Ser32、Glu33、Ser35、Gln36 、Pro37、Gly38、Val39、Ile40、Leu42、Thr43、Lys44、Arg45、Asn46、Arg47、 Gln48、Asp52、Glu55、Thr56、Gln59、Glu60、Tyr61、Ile62、Asp64、Leu65、Gl u66、Leu67、Asn68およびAla69。 本発明の好ましいmuMIP-1α類似体は、上記の好ましいLD78類似体に相当する 。 本発明の分子はSer-1(LD78の場合)あるいはAla-1(MIP-1αの場合)に先 行するN末端伸長を持たないことが望ましい。 1つ以上のアスパラギン酸あるいはグルタミン酸側鎖においてアミノ酸置換を 含む合成のあるいは天然の変異体が、本発明において特に好ましい。その例とし ては、LD78(Asp26>Ala)、LD78(Glu56>Ser)、LD78(Phe12>Gln)、LD78( Arg17>Ser)、LD78(Glu66>Ser)、LD78(Asp26>Ser)およびLD78(Phe23>A la)が あげられる。 本発明は、様々な疾病状態において好中球増加などの白血球増加を誘発するの に特に有用である。例えば好中球減少は(細菌等の)微生物感染によって引き起 こされるが、好中球減少は好中球増加を誘発することにより対処することができ る。好中球減少が症状あるいは原因となっているその他の疾病も、可能ならば細 胞毒性薬と共に本発明の手段を用いて治療することができる。そのような疾病は 次の例により示されるがそれに限定されるものではない。 ・コスマン症候群やシュバックマン−ダイアモンド症候群等の先天性好中球減 少症 ・小児及び成人の周期性好中球減少症 ・感染後好中球減少症 ・脊髄形成異常症候群、および ・化学療法および放射線療法に伴う好中球減少症。 文献にはSCIタンパク質が成熟好中球に急性効果を有するという報告がないの で、上記の観察は驚くべきことである。報告の多くはSCIの、初期造血前駆細胞 の増殖を阻害するかあるいは、もっと後のより機能的な前駆細胞の分裂を刺激す る効果に関している。SCIの急性効果は、いくつかの骨髄細胞系を用いることに より調べられて来た。例えば、単球様系統のTHP-1においてCa2+の流入がSCIに よって引きおこされることが示された。しかしながら、そのような研究は同様の 生体内の効果に関していなかった。そのような細胞系は成熟細胞機能のモデル としては限られた利用性しかなく、薬剤の生体内の効果を予測するのに用いるこ とはできない。 FMLP、IL-8およびLPSなどその他いくつかの薬剤が、SCIsについて我々が観察 した好中球増加応答と類似の応答を誘発することが知られている(ジェイゲルズ およびハグリ、J.Immunol.、148 1119-1128(1992))。これらの分子は、その 強力な炎症のメディエーターとしての公知の役割のために研究されてきた。しか しながら、LD78は炎症作用とは独立にその好中球効果を及ぼすように思われる。 本発明は、骨髄系の成熟細胞および機能的前駆細胞の放出を誘発するのに有用 である。機能的前駆細胞は、真性幹細胞の分裂により形成される。これらのより 分化したしかし完全には分化していない娘細胞は、真性幹細胞よりも大きな増殖 能力をもつが、特定の細胞型にしか分化できない。成熟骨髄細胞には顆粒球(好 中球、好酸球および好塩基球を含む)、マクロファージおよびリンパ球が含まれ る。マクロファージおよびリンパ球の循環数の増加は、感染症および腫瘍に対す る体の応答を増強することにとくに有用であろう。またそのような増加は、重症 の慢性好中球減少症の治療にも重要であろう。マクロファージは、急性炎症性応 答、および細菌と寄生虫に対する応答に関わっている。顆粒球の増加は、急性あ るいは慢性の微生物、真菌および寄生虫感染症および腫瘍との戦いに役立つ。例 えば好酸球増加は蠕虫感染に対する免疫応答の顕著な特徴である。 本発明はまた造血幹細胞の放出を誘発するのに有用である。 このことは、特に、治療の悪影響から細胞を保護するため化学療法の前に細胞を 収集することに関連する。本発明以前は、化学療法の前に収集できるよう骨髄か ら幹細胞を放出するため、G/GM-CSFが用いられてきた。この治療は一般に4日な いし7日を要するが、12日までかけることができ、血液中の細胞の出現の時期( timing)は予測しがたい。従って患者にとって、例えば約30分のような予測可 能な早い時間で有意な割合の骨髄細胞を放出するSCI治療を用いることができる ことは非常に有益である。 SCIsが、幹細胞増殖を阻害する一方で骨髄からのこれらの細胞の可動化と放出 にも関与しているということは特に驚くべきことである。本発明は、ケモカイン 投与による骨髄からの造血幹細胞の放出をはじめて観測したものである。 骨髄からの造血細胞の放出刺激剤としてのSCIの利用可能性は、いままで見過 ごされていたように思われるが、それは恐らくその負の調節剤としての役割に対 する優先的な関心のためであろう。 最後に、SCIsはコロニー刺激因子と共投与された(co-administered)とき効 果が増強することが示された。SCIのG-CSFとの共投与は好中球、単球、好酸球、 リンパ球および好塩基球などいくつかの型の細胞の可動化を増強する。このこと は、G-CSF単独では2日間の投与ののちには好酸球あるいは好塩基球の放出に対 して効果がないことが示されたので、特に驚くべきことである。類似の効果が、 GM-CSF、f-Met-Leu-PheあるいはIL -8などのような他の薬剤がSCIsと共投与される時、観察されるであろう。 このように本発明は、末梢血球移植におけるCFSsの使用の代替あるいは補助と しての明瞭な臨床的適用を有している。末梢血球移植は高い投与量の化学療法を うけている癌患者の治療における重要な処置である。そのような治療において、 患者はその癌の臨床的寛解(remission)を誘発するように治療され;引き続き その寛解の間CSFによる治療、例えばシクロフォスファミドを十分投与し次にG-C SFを投与することにより、白血球が泳動した(leucophoresed)血液を収集する ため骨髄から末梢循環への細胞の可動化を引き起こし;次に患者に高い投与量の 化学療法あるいは放射線療法が施され、生じる骨髄不全は、先に採取しておいた 貯蔵血液あるいは血球の注入により補償される。以上の処置は、最初の寛解の誘 発を省略することにより一部変更してもよく、白血球泳動血液のかわりに全血を 採取してもよい。本発明によれば、SCIsの可動化効果は、SCIsをそのような癌治 療養生法においてCSF'sにかわる候補とするだけでなく、CSF/SCI協同治療におい てCSFsの可動化効果を補足する候補にする。骨髄からの幹細胞、前駆細胞および 好中球の可動化は、CSFsの場合よりもSCIsの場合の方が速く起こり、SCIsはCSFs と相乗作用して幹細胞、前駆細胞および好中球の予測可能で速くかつ増強された 産生を生じ、繰り返し泳動(aphoresis)の必要性をさける可能性を持つ。要約 すると、SCIsは次のような利点を提供する。(i)SCIsは、CSF及び/又は十分 な(priming) 化学療法の必要性を減らす。(ii)SCIsは、幹細胞、前駆細胞および好中球(le ucophils)の産生を増加する。(iii)SCIsは、末梢血球移植におけるより予測 可能で管理可能な養生法を提供する。 白血球増加を誘発するSCIsの効果は造血細胞レベルの上昇が重要である全ての 用途において臨床的および獣医学的適用を見いだすであろう。例えばSCIsは、慢 性感染症、特に寄生虫および細菌感染に対して免疫応答を増強するために用いら れる。SCIsはまた、外傷の治癒を促進する役割を持つ。上述のようにして放出さ れかつ収集された造血幹細胞は、引き続き行われる遺伝子治療において遺伝子産 物を供給する試験管内のあるいは少なくとも生体外(ex vivo)の操作において も有用である。細胞毒性薬との共投与はもう1つの目標点である。 免疫原との共投与は、同様に免疫応答を増強し、良好な免疫を獲得する。免疫 応答の増強は、例えばCTL応答あるいは抗体応答の増強のように質的であるかま たは、状況に応じてTh1型応答からTh2型応答へあるいはその逆の応答の方向転 換である。 従って本発明の第二の態様によれば、幹細胞阻害活性と免疫原活性をもつ予防 あるいは免疫療法用ワクチン製剤が提供される。この製剤は幹細胞阻害剤と免疫 原とからなるであろう。 一般的にはタンパク性である幹細胞阻害剤は、単に免疫原との混合物であって も良い。あるいはまたそれを別々に投与しても良い。従って本発明の第三の態様 によれば、免疫療法あるいは予防において、別々に又は同時に又は連続的に投与 するため の幹細胞阻害剤と免疫原とからなる製品が提供される。 免疫原は、病因となる物質(aetiological agent)あるいは腫瘍に由来するか あるいはそれに関連する配列に相当する。病因となる物質は、ウイルス、細菌、 真菌あるいは寄生虫のような微生物である。ウイルスは、HIV-1、HIV-2、HTLV-I 、HTLV-II、HTLV-III、SIV、BIV、LAV、ELAV、CIAV、マウス白血球ウイルス、モ ロニーマウス白血病ウイルスあるいはネコ白血病ウイルスなどのレトロウイルス や;ヒトインフルエンザA、BまたはCあるいはウマまたはネコインフルエンザ などのオルトミクソウイルスや;パラインフルエンザウイルス、流行性耳下腺炎 、はしか、RSVあるいはセンダイウイルスなどのようなパラミクソウイルスや ;HPVなどのパポーバウイルスや;ヒトあるいはマウスのLCMVなどのアレナウイ ルスや;B型肝炎ウイルスなどのヘパドナウイルスや;HSV、VZV、CMV、あるい はEBVなどのヘルペスウイルスであろう。腫瘍関連抗原あるいは腫瘍由来抗原は 、例えばメラノーマ関連抗原あるいは乳癌あるいは大腸癌などに由来する上皮腫 瘍関連抗原などのタンパク性ヒト腫瘍抗原、あるいはraf癌遺伝子のような癌遺 伝子産物などである。 抗原配列はまた、ナイセリア(Neisseria)属、キャンピロバクター(Campylo bacter)属、ボルデテラ(Bordetella)属、リステリア(Listeria)属、クラミ ジア(Chlamydia)属{特にC.トラコマチス(C.trachomatis)}、マイコバク テリウム(Mycobacterium)属、リーシュマニア(Leishmania)属などの細菌、 あるいは、トリパノソーマ(Trypanosoma)属、スキゾソーマ(Schizosoma)属 、プラスモジウム(Plasmodium)属{特にP.ファルキパルム(P.falciparum) }などからの寄生虫、あるいはカンジダ(Candida)属、アスペルギルス(Asper gillus)属、クリプトコッカス(Cryptococcus)属、ヒストプラスマ(Histopla sma)属、ブラストミセス(Blastomyces)属などからの真菌に由来する。 好ましい抗原配列は、レトロウイルス、パラミクソウイルス、アレナウイルス あるいはヘパドナウイルス由来の、あるいはヒト腫瘍細胞由来の抗原決定基に対 応する。その例としては次のもの由来の抗原決定基があげられる。 1) HIV(特にHIV-1)gp120、 2) HIV(特にHIV-1)p24、 3) VZV gpI、gpIIおよびgpIII、 4) LCMV核タンパク質、 5) インフルエンザウイルス核タンパク質、 6) インフルエンザマトリックスタンパク質、血球凝集素あるいはノイラミ ニダーゼ、 7) HPV L1およびL2タンパク質、 8) ヒト乳頭腫ウイルスE5およびE7、 9) マラリアCSPあるいはRESA抗原、 10)マイコバクテリアp6、 11)GA 733-2上皮腫瘍関連抗原、 12)上皮腫瘍関連抗原由来のMUC-1繰り返し配列、 13)メラノーマMZ2-E抗原および 14)メラノーマp97関連抗原。 ワクチン製剤は、一般的に非経口投与用に製造され、無菌状態であろう。一般 的に、注射用水、生理的食塩水あるいは燐酸塩緩衝化生理食塩水(PBS)などの 水性坦体が存在するであろう。脱多量化型SCIを用いる場合には、PBSの使用が好 ましい。(幹細胞阻害剤自体がアジュバントとして機能している場合にはその幹 細胞阻害剤以外の)1つ以上の適当なアジュバントが存在していてもよい。適切 なアジュバントの例としては、原型ムラミルジペプチドなどのムラミルペプチド 化合物、水酸化アルミニウムおよびサポニンがあげられる。さらに、その他の希 釈剤及び/又はアジュバントおよび、必要に応じてその他の活性成分が存在して も良い。一般に非ワクチン製剤も同様に処方されるであろう。 活性成分は無菌媒体中で非経口的に投与することができる。用いられる媒体( vehicle)および濃度に応じて、その薬剤は媒体中で懸濁させるかあるいは溶解 させることができる。局所麻酔剤、防腐剤および緩衝化剤などのアジュバントを 媒体中に溶解させることが有利である。 SCIタンパク質の治療的あるいは予防的投与は、注射によることができ、好ま しくは静脈内、腹腔内、筋肉内あるいは皮下の経路で投与することができる。そ の他、経皮、経口、鼻腔内あるいは吸入による経路も可能である。 本発明のあらゆる態様における幹細胞阻害剤の投与量は、有 効量でなされ、内科医あるいは臨床医のコントロールの下でなされるであろう。 SCIが免疫原とともに投与されない場合における、一般的ではあるが排他的でな い手引としては、投与量は、0.001から1mg/kgの範囲であり、好ましくは0.01 から0.2mg/kgである。投与は繰り返して、例えば1日当たり1回から6回、好 ましくは1日当たり1回から3回おこなうことができる。 アジュバントとしての用途では、SCIは、上記のように投与することができる が、好ましくは初期免疫感作から離れた部位において皮下あるいは筋肉内の経路 で投与することができる。投与量は、0.001から1mg/kgの範囲であり、好まし くは0.01から0.2mg/kgである。免疫感作の時には、単回投与が好ましい。 SCIsの投与により観察される急性白血球増加症は、その分子の生体内の活性を モニターする非常に便利な方法である。従って、本発明の第四の態様によれば、 幹細胞阻害剤分子を実験動物に投与し、造血応答を観察することからなる、幹細 胞阻害剤分子の生体内活性を検出あるいは検定する方法が提供される。 本発明の各態様の好ましい特徴は、必要な変更を加えれば互いに他の態様に対 してあてはまる。 さて本発明を次の実施例に基づき説明する。これらの実施例は添付の図面を参 照する。それらにおいて、 図1は、5-FU処置をしたマウスに対するLD78の好中球増加効果を示すグラフで ある。 図2は、ara-C処置をしたマウスに対するLD78の好中球増加 効果を示すグラフである。 図3は、ara-C処置をしたマウスに対するhuMIP-1α(LD78)の好中球増加効 果を示す追加のグラフである。 図4は、LD78と突然変異体#10(LD78(Asp26>Ala))の好中球増加効果を 示している。 図5は、種々の量のLD78の皮下投与における好中球増加効果を示している。 図6は、種々の量の突然変異体#10(LD78(Asp26>Ala))の皮下投与にお ける好中球増加効果を示している。 図7は、種々の量のLD78の静脈内投与における好中球増加効果を示している。 図8は、種々の量の突然変異体#10(LD78(Asp26>Ala))の静脈内投与に おける好中球増加効果を示している。 図9は、種々の量の突然変異体#26(LD78(Phe12>Glu))の静脈内投与に おける好中球増加効果を示している。 図10a、10bおよび10cは、カルシウム流出に対するLD78と突然変異体 #10(LD78(Asp26>Ala))と突然変異体#26(LD78(Phe12>Glu))の効 果をそれぞれ示している。 図11は、キヌザル(marmosets)に種々のレベルで皮下投与した後の好中球 数のタイムコースを示している。 図12は、キヌザルに種々のレベルで静脈内投与した後の好中球数のタイムコ ースを示している。 図13aと13bは、末梢CFU-S数と白血球の可動化に対するタイムコースを それぞれ示している。 図14は、突然変異体#10(LD78)(Asp26>Ala)と共に投与した時のG-CS Fの、マウス好中球数に対する効果を示している。 図15は、突然変異体#10(LD78)(Asp26>Ala)と共に投与した時のG-CS Fの、マウスリンパ球数に対する効果を示している。 図16は、突然変異体#10(LD78)(Asp26>Ala)と共に投与した時のG-CS Fの、マウス単球数に対する効果を示している。 図17は、突然変異体#10(LD78)(Asp26>Ala)と共に投与した時のG-CS Fの、マウス好酸球数に対する効果を示している。 図18は、突然変異体#10(LD78)(Asp26>Ala)と共に投与した時のG-CS Fの、マウス好塩基球数に対する効果を示している。 図19は、突然変異体10による末梢血液への多能性造血前駆細胞(CFU-mix )の可動化を示している。 図20は、突然変異体10による脾臓への多能性造血前駆細胞の可動化を示し ている。 図21は、末梢血液への多能性造血前駆細胞可動化に対するG-CSFとSCI'sの連 続使用の効果を示している。 図22は、脾臓への多能性造血前駆細胞可動化に対するG-CSFとSCI'sの連続使 用の効果を示している。 図23は、シクロフォスファミドとG-CSF処置マウスからの 前駆細胞の末梢血液への可動化に対する突然変異体10の効果を示している。 図24は、シクロフォスファミドとG-CSF処置マウスからの前駆細胞の脾臓へ の可動化に対する突然変異体10の効果を示している。 図25は、8日目の脾コロニー形成細胞(CFU-Sd8)の可動化に対するG-CSF( 100ug/Kg1日2回皮下、2日間)および突然変異体10(100ug/Kg皮下)の連続 使用の効果を示している。 図26は、12日目の脾コロニー形成細胞(CFU-Sd12)の可動化に対するG-CS F(100ug/Kg1日2回皮下、2日間)および突然変異体10(100ug/Kg皮下)の 連続使用の効果を示している。 図27は、G-CSF(100ug/Kg1日2回皮下、2日間)および突然変異体10(1 00ug/Kg皮下)の連続使用後の、末梢血液可動化CFU-Sの再増殖能力を示す図であ る。 図28は、LD78の変異体による多能性前駆細胞の可動化を示している。 図29は、Lin+ではなくSca-1+細胞表面マーカーを発現する非常に初期の 前駆細胞の可動化に対する、G-CSFとSCI'sの連続使用の効果を示している。 図30は、シクロフォスファミドとG-CSF処置マウスからの非常に初期の前駆 細胞の可動化に対する突然変異体10の効果を示している。 図31は、2日間G-CSFで前処置したC57BL/6Jマウスにおけ る好中球数に対するLD78変異体(100μg/kg皮下)の効果を示している。 図32は、2日間G-CSFで前処置したC57BL/6Jマウスにおけるリンパ球数に対 するLD78変異体(100μg/kg皮下)の効果を示している。 図33は、2日間G-CSFで前処置したC57BL/6Jマウスにおける単球数に対するL D78変異体(100μg/kg皮下)の効果を示している。 図34は、2日間G-CSFで前処置したC57BL/6Jマウスにおける好酸球数に対す るLD78変異体(100μg/kg皮下)の効果を示している。 図35は、2日間G-CSFで前処置したC57BL/6Jマウスにおける好塩基球数に対 するLD78変異体(100μg/kg皮下)の効果を示している。 図36は、G-CSFで処置したC57BL/6Jマウスの好中球数に対する突然変異体1 0(サンプリング30分前、100μg/kg皮下)の効果を示している。 図37は、G-CSFで処置したC57BL/6Jマウスのリンパ球数に対する突然変異体 10(サンプリング30分前、100μg/kg皮下)の効果を示している。 図38は、G-CSFで処置したC57BL/6Jマウスの単球数に対する突然変異体10 (サンプリング30分前、100μg/kg皮下)の効果を示している。 図39は、G-CSFで処置したC57BL/6Jマウスの好酸球数に対 する突然変異体10(サンプリング30分前、100μg/kg皮下)の効果を示して いる。 図40は、G-CSFで処置したC57BL/6Jマウスの好塩基球数に対する突然変異体 10(サンプリング30分前、100μg/kg皮下)の効果を示している。 図41は、投与後30分のBALB/cマウスの好中球数に対するrhMIP-1β(100 μg/kg皮下)の効果を示している。 図42は、流感(flu)特異性CTLの誘導に対するマウスMIP-1α(SCP)の効 果を示している。 図43は、マラリア特異性CTLの誘導に対するマウスMIP-1α(SCP)の効果を 示している。実施例1−マウスの5-FUによる好中球減少モデルにおける好中球回復動態学に対 するLD78の効果 実験に5-フルオロウラシル(5-FU)を選んだ理由は、強力な骨髄減少剤だから である。5-FU誘発好中球減少モデルを設定し、好中球回復に対するLD78の効果を 調べた。0日目2時に、すべてのマウスに5-FUの150mg/kgを腹腔内(i.p.)に一 回投与した。LD78又は偽薬(リン酸塩緩衝化生理食塩水−PBS)をマウスに与え た。LD78を−1日目から+3日目までの0時と7時にそれぞれ1mg/kgと3mg/ kg皮下(s.c.)投与した(容量40μl)。偽薬投与マウスには同様にして40μl のPBSのみが投与された。 +1日目から+15日目までの1時に致死量のハロタン麻酔の下(1日当たり1 群n=4-5)、心臓穿刺によって両群及び未処理対照群から血液サンプルを採取し た。血液サンプルにEDTAに よって凝固阻止処理を施し、好中球および血小板計数をテクニコンTMH1血球分析 器(Bayer Diagnostics)で行った。 −1日目から+3日目のLD78投与群に一過性の好中球の増加が見られたのは予 期しないことであった。この好中球の増加は減衰し、偽薬投与群と同程度、同持 続期間の5-FU誘発好中球減少を示した(図1)。実施例2−マウスのシトシンアラビノシドによる好中球減少モデルにおける好中 球回復動態学に対するLD78の効果 シトシンアラビノシド(cytosine arabinoside,Ara-C)を用いた好中球減少 モデルもまた調査した。この薬剤は好中球回復に対するLD78の効果について唯一 報告された研究で用いられたものである(Dunlop et al.、Blood79 2221-2225(1 992))。−5日目から+2日目までの0時と7時にそれぞれLD78の1mg/kgと3 mg/kgを皮下投与した(容量40μl)。偽薬投与マウスには40μlのPBSが与えら れた。Ara-Cの100mg/kgを−5日目、−1日目、0日目の−1時と6時にすべて のマウスに腹腔内投与した。 好中球および血小板計数のため、−4日目から+10日目までの1時に両群及び 未処理の対照群から致死量ハロタン麻酔の下(1日当たり群n=4-5)心臓穿刺に よって血液サンプルを採取した。血球計数はテクニコンTMH1血球分析器で行った 。 −4日目と−3日目のLD78投与群にまた一過性の好中球の増加が観察された。 この好中球の増加に引き続いて、好中球の減少が起こり、その最下点は偽薬投与 群と同じであった。好中球 の回復はLD78投与群の方が速く、偽薬投与群では+7日目であったのに比べ+5 日目に見られた(図2)。LD78は、0日目までは100〜150ng/mlの濃度でサンプ ル中に検出できたが、LD78最終投与の1日後である+3日目には500pg/ml未満に まで減少した。 好中球数はLD78投与群では投与後+5および+6日目に正常値に戻ったが、こ れを偽薬投与群の+7日目と比べると、LD78の投与が好中球の回復を高めたのは 明らかである。好中球減少の最大値に影響はなかった。全体的にみて、好中球減 少の持続期間はLD78投与群では4日間短縮されたが、この短縮のうち少なくとも 2日間はLD78投与による急性の好中球増加効果のためであるといえる。 上記の実験をそのまま繰り返したところ、一過性の好中球の増加がまた−4日 目と−3日目に観察された。しかしながら、2回目の実験ではLD78投与群と偽薬 投与群の好中球減少の持続期間には有意な差はなかった。この結果は部分的に、 第1回目の実験では+7日目に対照レベルに回復した偽薬投与群の好中球数が+ 5日目に回復したことによる(図3)。好中球回復速度はLD78投与群のほうが速 いと思われる。 この2つの実験を総合すると、LD78が好中球回復速度に効果を有すると分かる 。LD78が急性の好中球増加を誘発することが観察されたのは予期しないことであ り、この分子の数々の臨床的可能性を示唆するものであった。実施例3−皮下注射によるBALB/cマウスにおける好中球増加実 上記の急性好中球増加をさらに調査するため、LD78の効果をLD78の2個の変異 体すなわち突然変異体を用いて得られた効果と比較した。突然変異体#10は1個 のAsp26>Ala置換を有し、 この置換はこの分子が四量体を越えて会合するのを阻止する。 これをLD78(Asp26>Ala)と呼ぶことができる。突然変異体#26は1個の置換 (Phe12>Glu)を有し、均質な二量体群を形成する。これをLD78(Phe12>Glu) と呼ぶことができる。突然変異体#10の生物学的特性は受容体結合およびTHP-1 細胞にCa2+応答を誘発する能力に関して本質的に野生型である。これに対し、突 然変異体#26は本質的に不活性であり、対照として含まれた。 BALB/cマウスに、LD78を1μg/kg、10μg/kg、30μg/kg、100μg/kg、1000μg /kg、または突然変異体#10を1μg/kg、10μg/kg、30μg/kg、または突然変異 体#26を30μg/kg、100μg/kg、1000μg/kg皮下投与した(すべてPBS中で40μl )。投与30分後、致死量のハロタン麻酔下、心臓穿刺によって血液サンプルを採 取した。血液サンプルにEDTAで凝固阻止処理を施し、好中球計数をテクニコン"H 1血球計数器(Bayer)を用いて行なった。 投与量依存型の好中球数の増加が100μg/kgまでの投与量が与えられたLD78投 与マウスに見られた。1000μg/kgの投与ではそれ以上の増加は見られなかった。 突然変異体#10は実験投与量でLD78と同様の好中球数増加を示した。しかしなが ら、突然変異体#26は1000μg/kgでごく僅かな好中球数増加を示しただ けであった(図4)。様々な量のLD78の皮下注射による投与後の好中球数のタイ ムコースは図5に、突然変異体#10については図6に示す。実施例4−静脈注射によるBALB/cマウスにおける好中球増加実験 実施例3の手順を繰り返した。ただし、皮下注射ではなく静脈注射(i.v.)で 活性化合物を投与した。好中球数に対する効果が再び見られたが、実施例3の皮 下注射による投与ほど顕著ではなかった。様々な量のLD78の静脈注射による投与 後の好中球数のタイムコースは図7に、突然変異体#10については図8に、突然 変異体#26については図9に示す。実施例5−SCIsのアジュバント特性 ハイブリッドTy-VLPsによる細胞毒性Tリンパ球(CTL)の誘導に対するマウスM IP-1α(SCP)の効果を調べた。ハイブリッドTy-VLPsは酵母のレトロトランス ポソン由来の自己集合p1タンパクのC-末端に融合した抗原配列を含むウィルス様 の粒子である。ハイブリッドTy-VLPsは酵母中に産生される。インフルエンザウ ィルスの核タンパクの40個のアミノ酸を有するハイブリッドTy-VLPsはWO-A-9320 840記載のように作成した。BALB/cマウスを250、25、2.5、または0ngのいずれ かのSCPと共に20μgのインフルエンザNP-VLPsで筋肉内投与により免疫した。1 2日後に脾臓を取り出し、スペノサイト(spenocytes)を7日間インフルエンザ ペプチドを用いて再度刺激した。その後細胞のCTL活性を分析した。図42は、S CPが2.5ngでCTLのレベ ルを高めたことを示しているが、この測定はインフルエンザNPペプチドの破壊に よって行った。データは1群当たり32匹のマウスの平均を表している。また、BA LB/cマウスを250、25、2.5、または0ngのいずれかのSCPと共にマラリアサーカム スポロゾイト(circumsporozoite、CSP)タンパクの9個のアミノ酸配列を有す る1μgのハイブリッドVLPで免疫した。3日後に脾臓を取り出し、スペノサイ トを7日間マラリアCPSペプチド(9個のアミノ酸)を用いて再度刺激した。そ の後マラリアCSPペプチドパルス化P815標的細胞(51Crラベル付)に対する細胞 のCTL活性を分析した。図43は、SCPが3つの投与量すべてでマラリア特異性CT L活性を高めたことを示している。データは1群当たり3匹のマウスの平均を表 している。実施例6−野生型LD78は非発熱性である 組換え野生型LD78の発熱性をヨーロッパ薬局方発熱テストV.2.1.4.(1989)に よってウサギで実験した。ウサギに5mg/mlの製剤を体重1kgあたり2ml投与し た。温度上昇の平均±SDは0.38℃±0.024℃(n=3)で、この結果よりヨーロッパ 薬局方はこの製品が非発熱性であると定義している。実施例7−THP-1細胞におけるCa2+の流出 2〜3×106細胞/mlの密度のTHP-1細胞にFURA-2AMTMを添加した。対数成長 中の細胞を培地で洗浄し、1μmのFURA-2AMTMの存在下37℃で45分間インキュベ ートした。細胞をタイロード緩衝液で洗浄し、過剰のFURA-2AMTMを除去した。最 後に細胞をタイロード緩衝液で2〜3×106細胞/mlまで再懸濁し、光 による染料の退色を防ぐためチューブをホイルで包んだ。全実験は細胞のラベル 化の90分以内に行なった。 細胞にCa2+を混合し(最終濃度1mM)、パーキンエルマー(PERKIN-ELMER)TML S-50蛍光計に入れた。野生型LS78、変異体10、または変異体26を加え(1μg/ml )、蛍光強度の増加を以下の条件下で計測した: λex=340nm、10nmバンド幅;λex=500nm、10nmバンド幅; 1cmセル長;37℃サーモスタットセルホルダー。 結果は図10に示されている。蛍光強度の最大値と最小値をそれぞれジキトニン とEGTAを加えて測定した。これも図10に示されている。実施例8−キヌザルにおける皮下注射による好中球増加実験 キヌザルに突然変異体#10の10 0μg/kgを皮下投与した(すべてPBS中で容量4 0μl)。血液サンプルを採取し、EDTAで凝固阻止処理後、テクニコンTM血球計数 器を用いて好中球計数を行った。様々な量の皮下注射投与後の好中球数のタイム コースは図11に示されている。実施例9−キヌザルにおける筋肉内注射による好中球増加実験 実施例8の手順を繰り返した。ただし、皮下注射ではなく筋肉内注射によって 活性化合物を投与した。好中球数に対する効果がまた見られた。突然変異体#10 についての筋肉内注射投与後の好中球数のタイムコースは図12に示されている。実施例10−突然変異体#10による初期前駆細胞の可動化 マウスに2.5μgまたは10μgの四量体SCI変異突然変異体 #10を皮下注射した。注射後0.5、1、2、および24時間目に一群3匹のマウス を殺し、血液中の循環白血球およびCFU-Sを分析した。 テストマウスの血液を致死量の放射線照射を受けた指標マウスに注入して幹細 胞数を測定した。受容体マウスの脾臓に入った幹細胞は増殖し、造血細胞の大き な混合コロニーとなり、8〜11日経つと数えることができる小結節を形成する。 供与体マウスの末梢血中の幹細胞数は、CFU-S数を説明可能な範囲(3〜30コロ ニー/脾臓)にするために必要な希釈を考慮にいれて、CFU-Sのコロニーの数か ら逆算して求められる。 致死量のγ線照射を受けた(0.84Gy/hで15.2Gy60Co)受容体マウスのCFU-S数 を測定した。8日後に脾臓を採集し、ホルマリン保存をし、コロニーを計数して 8日目のCFU-S数を得た。適量の血液を10匹の受容体マウスに静脈内注射した。C FU-S数は、血液1ml中のCFU-Sの形成細胞数の平均±標準誤差で表される。総白 血球数を平行して血球計数器を用いて測定した。 この実験によって、突然変異体#10を両方の試験投与量で投与した場合、投与 30分後で予期されていた好中球の増加が見られた。これは2時間を越えると減衰 し、白血球数は24時間以内でベースラインに戻った。このパターンの白血球の可 動化は、突然変異体#10の投与30分後の末梢CFU-S数の予想値15〜20/mlから35 〜40/mlへの増加に合っていた。これも24時間後にベースラインに戻った。末梢 CFU-S数のタイムコースは図13に示されている。 この実験により突然変異体#10が成熟白血球とともに初期の前駆細胞をも骨髄 から可動化させることが分かった。実施例11−ClsとG-CSFの共投与の成熟造血細胞に対する効果 各系統のマウスについて4つの投与グループを用いた。 1)PBS単独 マウスの肩甲骨の間に40μlのPBSを皮下投与した。30分後、致死量のハロタ ン麻酔下、心臓穿刺によってマウスから血液サンプルを採取した。血液サンプル は直ちに0.5mlのサンプルカップ中でEDTAによって凝固阻止処理を施した。分化 白血球計数をFDA承認ソフトウェアを有するテクニコンH1血球計数器を用いて行 った。 2)突然変異体#10単独 マウスの肩甲骨の間にPBSに入れた突然変異体#10の100μg/kgを皮下投与した (注射量40μl)。30分後血液サンプルを採取し、上述のように分析した。 3)G-CSFとPBSとの共投与 0日目と1日目に1日2回、0時と7時にPBS中に適切に希釈したG-CSFをマウ スに100μg/kg皮下投与した(注射量40μl)。2日目にマウスに40μlのPBSを 皮下投与し、30分後血液サンプルを採取し、上述のように分析した。 4)G-CSFと突然変異体#10との共投与 0日目と1日目に1日2回、0時と7時にPBS中に適切に希釈したG-CSFをマウ スに100μg/kg皮下投与した(注射量40μ l)。2日目にマウスに突然変異体#10の100μg/kgを皮下投与し、30分後血液サ ンプルを採取し、上述のように分析した。 (a)好中球数:好中球数に対する効果は図14に示されている。 C57BL/6Jマウスの場合、突然変異体#10単独はPBS単独と比べて循環好中球数 に2.6倍の増加をもたらし、G-CSFとPBSとの共投与ではPBS単独と比べて好中球数 に増加を起こさなかった。ところが、G-CSFと突然変異体#10との共投与はPBS単 独と比べて好中球数に10.9倍の増加をもたらした。BALB/cマウスの場合、突然変 異体#10単独はPBS単独と比べて循環好中球数に7.4倍の増加をもたらし、PBS単 独と比べて、G-CSFとPBSとの共投与では好中球数に16.1倍の増加を、G-CSFと突 然変異体#10との共投与は好中球数に39.5倍の増加をもたらした。 (b)リンパ球数:リンパ球数に対する効果は図15に示されている。 C57BL/6Jマウスの場合、突然変異体#10単独投与群とG-CSFとPBSとの共投与群 では循環リンパ球数に増加をもたらさなかった。ところがG-CSFと突然変異体#1 0との共投与はPBS単独と比べて循環リンパ球数に3.2倍の増加をもたらした。BAL B/cマウスの場合、突然変異体#10単独投与群とG-CSFとPBSとの共投与群では循 環リンパ球数に増加をもたらさなかった。ところが、G-CSFと突然変異体#10と の共投与はPBA単独と比べて循環リンパ球数に2倍の増加をもたらした。 (c)単球数:単球数に対する効果は図16に示されている。 C57BL/6Jマウスの場合、突然変異体#10単独はPBS単独と比 べて循環単球数に2.3倍の増加をもたらし、G-CSFとPBSとの共投与では増加を起 こさず、G-CSFと突然変異体#10との共投与は単球数に突然変異体単独と同様の 増加をもたらした。BALB/cマウスの場合、突然変異体#10単独はPBS単独と比べ て循環単球数に2.9倍の増加をもたらした。G-CSFとPBSとの共投与では増加を起 こさず、G-CSFと突然変異体#10との共投与は単球数に突然変異体#10単独と同 様の増加をもたらした。 (d)好酸球数:好酸球数に対する効果は図17に示されている。 C57BL/6Jマウスの場合、突然変異体#10単独はPBS単独と比べて循環好酸球数 に6倍の増加をもたらした。G-CSFとPBSとの共投与では増加を起こさず、G-CSF と突然変異体#10との共投与は循環好酸球数にPBS単独と比べて12.8倍の増加を もたらした。BALB/cマウスの場合、突然変異体#10単独はPBS単独と比べて循環 好酸球数に2.9倍の増加をもたらした。G-CSFとPBSとの共投与では増加を起こさ ず、G-CSFと突然変異体#10との共投与は数に突然変異体#10単独と同様の増加 をもたらした。 (e)好塩基球数:好塩基球数に対する効果は図18に示されている。 C57BL/6Jマウスの場合、突然変異体#10単独とG-CSFとPBSとの共投与では循環 好塩基球数に増加をもたらさなかった。ところが、G-CSFと突然変異体#10との 共投与は循環好塩基球数にPBS単独と比べて6.7倍の増加をもたらした。BALB/cマ ウスの場合、突然変異体#10単独は好塩基球数に増加をもたらさず、G-CSFとPBS との共投与では2.9倍の増加をもたらし、G -CSFと突然変異体#10との共投与はPBS単独と比べて5.7倍の増加をもたらした。実施例12−突然変異体#10による多能性造血前駆細胞(CFU-mix)の可動化 これまでの実施例は成熟造血細胞および初期のCFU-Sを末梢血へ可動化させるL D78と突然変異体#10の能力を立証した。 ここでの実験は半固体培地でコロニーを形成できるより成熟した多能性前駆細 胞に対する幹細胞阻害剤(SCIs)の効果を調べるため実施された。C57BL/6Jマウ スの群(n=5/群)に40μlのPBSをまたはPBSに入れた突然変異体#10の100μg/ kgを(注射量40μl)肩甲骨間に側腹部を通じて皮下投与した。30分後、致死量 のハロタン麻酔下、心臓穿剌によってマウスから血液サンプルを採取した。血液 サンプルは直ちに貯蔵しヘパリンで凝固阻止処理を施した。同時に脾臓を取り出 し、イスコーブズ(Iscoves)培地中で粉砕し貯蔵した。血液と脾臓からの低密 度の単核細胞をフィコールのグラジエントで生成した。適切な栄養素と成長因子 を含むメチルセルロース(カナダバンクーバーのステムセルテクノロジーズから 市販)でこの低密度単核細胞を培養して各サンプル中の造血前駆細胞の数を測定 した。プレートを酸素5%、二酸化炭素5%の中で37℃で7日間インキュベート し、低倍率の顕微鏡を用いてコロニーを記録した。末梢血中に可動化した前駆細 胞の数は1ミリリットルあたりのコロニー形成単位(CFU)で表される(図19) 。脾臓に可動化したCFUの数はCFU/脾臓として表される(図20)。C57BL/6Jマウ スに おいて、突然変異体#10は前駆細胞を可動化させ、末梢血前駆細胞では5.4倍の 増加を、脾臓前駆細胞では7.7倍の増加をもたらしたが、これらの前駆細胞はメ チルセルロース培地でコロニーを形成できるものである(CFU-mix)。 この分析で検出した前駆細胞は実施例10でCFU-Sとして記載した前駆細胞より 成熟しており全く異なったものである。臨床的には、これらのタイプの前駆細胞 は移植後の輸血の必要性を減少させるであろう。実施例13−多能性造血前駆細胞に対するG-CSFとSCIの連続使用の効果 損傷後の血液学的回復の速度を増すために現在、EPO、G-CSF、GM-CSFのような コロニー刺激因子が臨床的に用いられている。SCIsとその他のサイトカインとの 相互作用の研究を始めるため、G-CSFの投与後2日、3日または4日目にその効 果を増すSCIsの能力を調べた。C57BL/6Lマウスの群(n=5/群)にPBS中に適切に 希釈したG-CSFの100μg/kgを(注射量40μl)、適宜0日目と1日目、または0 日目と1日目と2日目、または0日目と1日目と2日目と3日目に1日2回、0 時と7時に皮下投与した。G-CSF最終投与の1日後(+2日目と3日目と4日目 )、群に40μlのPBSまたは突然変異体#10の100μg/kgを皮下投与した。血液お よび脾臓を30分後に取り出し、脾臓は粉砕した。血液および脾臓からの低密度単 核細胞をフィコールのグラジエントで精製した。実施例12記載のメチルセルロー ス検定法を用いて多能性造血前駆細胞を数えた。G-CSF前処置によ る末梢血への多能性前駆細胞の可動化に対する突然変異体#10の効果は図21に、 脾臓への可動化については図22に示されている。突然変異体#10はG-CSF前処置 後2日目、3日目の末梢血前駆細胞の収量をG-CSFを単独投与した場合に比べ22 倍と2.4倍に高めた。また突然変異体#10は+4日目(G-CSF処置後3日目)の脾 臓への前駆細胞の可動化を2.4倍に増した。 これらの結果は非常に重要で、現在使用されているG-CSF治療を2倍改善する ことができることを示唆している。これは病院での前駆細胞収集治療の数の減少 させるとともに/または移植成功率を上げると解釈できる。GM-CSF、IL3,SCFの ような他のコロニー刺激因子との相乗効果も期待できる。実施例14−シクロフォスファミドおよびG-CSF前処置マウス由来の前駆細胞の 可動化に対する突然変異体#10の効果 臨床的には、一部外科的な化学療法による投与が、コロニー刺激因子に対する 供与体骨髄の応答性を高めることから、サイトカイン可動化に先立つ供与体骨髄 の準備のため使用されることがよくある。このような前駆細胞可動化プロトコー ルのマウスモデルとして、C57BL/6Lマウスにシクロホスファミドの200mg/kgを0 日目に復腔内投与し、G-CSFの100μg/kgを3日間、1日2回皮下投与した。4日 目にマウスに突然変異体#10(100μg/kg s.c.)またはPBSを投与し(注射量40 μl)、30分後血液と脾臓を採集した。両組織からの低密度単核細胞をフィコー ルのグラジエントで生成し、実施例12記載のメチルセルロースで培養した。対照 と比較して突然変異体#10の投与後は 末梢血前駆細胞数に幾分の増加があった(図23)。シクロフォスファミドとG-CS F投与後の脾臓への前駆細胞の可動化には実質的な(2.7倍)向上があった(図24 )。 結論として、この実施例からシクロフォスファミドとG-CSF前処置を用いた臨 床的に関連させた設定において突然変異体#10が可動化を改良することが分かる 。実施例15−脾コロニー形成細胞(CFU-S)の可動化に対するG-CSFと突然変異体 #10の連続使用の効果 実施例13ではG-CSFと突然変異体#10の単独使用に比べその連続使用によって 多くの多能性前駆細胞が可動化することが分かった。この実験はこの観察をさら に広げ、連続的なサイトカイン療法もその単独使用と比較してCFU-Sの末梢血へ の可動化を増強することを立証するものである。BALB/cマウスの群にPBSまたはG -CSF(100μg/kg s.c.)を0日目と+1日目の0時と7時に注射した。2日目 に突然変異体#10(100μg/kg s.c.)またはPBSを与え、30分後に末梢血を収集 する。投与法の異なる4つの群を作った。PBS対照、突然変異体#10単独、G-CSF 前処置後PBS、G-CSF前処置後突然変異体#10。末梢血のCFS-U数/mlを実施例10 記載のCFU-S検定法を用いて測定した。供与体マウスの群を移植後8日目と12日 目に屠殺し、それぞれCFU-SD8図25)およびCFU-SD12(図26)の結果を得た。PBS 対照と比べ突然変異体#10はCFU-SD8では4.2倍の増加を、CFU-SD12では1.7倍の 増加を誘起した。2日間のG-CSF前処置はCFU-SD8では67倍の増加、CFU-SD12では 19.6倍の増加を引き 起こした。突然変異体#10での30分の処置はG-CSFによる可動化をCFU-SD8では67 倍から93倍へ、CFU-SD12では19.6倍から98.5倍へとそれぞれ高めた。 これらの結果から実施例10の結果は突然変異体#10とG-CSFの併用使用を含む ものとなった。これらタイプの初期食前駆細胞は移植を成功させるために重要で ある。実施例16−末梢血に可動化したCFU-Sの再増殖試験 実施例10記載のCFU-S検定法はサンプルに存在する初期前駆細胞数を測定する が、移植実験に用いた場合の前駆細胞の長期定着能力の測定はできない。このよ うな測定を追加の検定工程が可能にし、それは多重増殖検定法すなわちMRAと呼 ばれる。 実施例15の4つの各群、すなわち対照、突然変異体#10、G-CSFおよびG-CSFと 突然変異体#10から得られた末梢血を実施例15に記載したように致死量の放射線 照射を受けた受容体に注射した。13日後動物を屠殺し大腿骨を採取した。骨髄細 胞の懸濁液を作り、懸濁液画分を放射線照射済受容体に注射した。12日後CFU-SD 12 を実施例15に記載のように計数した。MRA検定法は第一受容体を増殖し第二受 容体中でCFU-SD12コロニーを形成する供与体幹細胞の能力を測定する。結果は、 CFU-SD12/大腿骨/血液mlで表される(図27)。ごく初期の前駆細胞の可動化に 関し対照群と比べ、突然変異体#10単独では1.6倍、G-CSFでは36.8倍、G-CSF突 然変異体#10とでは99.3倍増加したとの結果がMRA検定法で得られた。 要約すると、これらの細胞が移植にいかに優れているかがこ の検定法からわかった。突然変異体#10はG-CSF治療をかなり改良する。実施例17−LD78変異体による多能性前駆細胞の可動化 LD78の7つの変異体におけるG-CSF前処置2日後の前駆細胞の可動化を高める 能力を調べた。突然変異体#35のような他の野生型LD78変異体や突然変異体#26 のような本質的に不活性な変異体がこれに含まれた。C57BL/6Jマウスの複数群( 1群につき3匹)にG-CSFの100μg/kgを0日目と1日目に1日2回、0時と7時 に投与した。2日目に各群にLD78変異体(100μg/kgs.c.)またはPBS(注射量40 μl)を投与した。30分後末梢血と脾臓を採取し、実施例12記載のメチルセルロ ース検定法を用いてコロニー形成単位数を測定した。 幾つかの変異体では対照PBSより良好に可動化した(図28)。野生型変異体35 と突然変異体10および83は同様なよい結果になった。突然変異体2もCFU-mixを 脾臓に可動化させることができた。実施例18−Lin+ではなくScal+の細胞表面マーカーを発現するごく初期の多能 性前駆細胞の可動化に対するG-CSFとSCIsの連続使用の効果 最も初期の造血幹細胞は増殖性が高くなく、CFU-SまたはCFU-mixタイプの検定 法に対する応答が悪い。それらは蛍光活性化細胞評価(FACS)を用いて非常に正 確に計数できる。これらの初期幹細胞は特異的な抗原を表す。すなわち幹細胞抗 原(Sca1)。その未熟性のため分化に関連した抗原は表さず、系統(Lineag e)なし(Lin-)として記載される。G-CSFと突然変異体#10との連続投与中のこ れらの初期前駆細胞の末梢血への可動化を調べた。C57BL/6Jマウスに2日間、G- CSF(100μg/kg s.c.)を日に2回、またはPBS対照を投与し、続いて3日目に 突然変異体#10の100μg/kgまたはPBS対照を投与した。30分後心臓穿刺によって 末梢血を採取した。1群当り3匹のマウスからの血液を貯蔵し、フルオレセイン に結合した系統特異抗体(CD4、CD8、B220、Gr-1、Mac-1)とSca-1に対するフィ コエリトリン結合型抗体のパネルでラベル化した。次にサンプルを固定し、溶解 し、PBSに再懸濁し、ベクトンディケンソンFACSanでのフローサイトメトリー分 析の準備をした。電子ゲートを設定し、Sca1抗原を発現する(Sca+)が系統マ ーカー(lineage markers)を発現しない(Lin-)低密度細胞を受け入れた。貯 蔵された各群について表現型Lin-、Sca+を表す細胞の数を計測し、データを図に した。結果(図29)は、G-CSFまたは突然変異体#10単独投与後の末梢血前駆細 胞の増加、およびこの2つを組み合わせて使った場合の相乗効果を示している。 この実施例に使用された細胞は、移植後長期間にわたる骨髄の再増殖が可能な ごく初期のマウスの前駆細胞集団に相当している。実施例19−シクロフォスファミドとG-CSF前処置マウスからのごく初期の前駆 細胞の可動化に対する突然変異体#10の効果 実施例14の実験を広げるために、Scal+、Lin-前駆細胞の可動化を計数するた めこの実験の末梢血の一部を実施例18の方 法を用いてFACSにより分析した。結果(図30)は各群の動物の貯蔵物についてで あり、突然変異体#10をG-CSFと併用した場合、G-CSF単独投与に比べ幹細胞の可 動化に関し有意な効果、すなわち4.7倍の増加が見られた。この研究によって成 熟および多能性前駆細胞の前述の結果は最も初期の前駆細胞の可動化をも立証す るものとなった。 この実施例において、G-CSFは臨床環境でシクロフォスファミドのような細胞 毒性薬の投与に続いて移植のための前駆細胞を可動化させるために投与されてい る。このマウスの可動化モデルは突然変異体#10がG-CSFの効果を大いに高める ことを示唆している。実施例20−D78変異体による成熟白血球の可動化 オスのC57BL/6Jマウス(n=5/群)にG-CSF(Amgen,NEUPOGENTM)の100μg/kg を2日間、1日2回(0時と7時)予め皮下投与した。G-CSFの最終投与後14時 間目に、LD78変異体の100μg/kgまたは100μls.c.のPBSを皮下投与した。サン プル採取のため、マウスを致死量のハロタンで麻酔し、血液を心臓穿刺によって 取り出した。血液サンプル(0.5ml)は直ちに被覆サンプルカップ(Teklab UK) 内でEDTAによって凝固阻止処理を行った。分化白血球計数をFDA承認ソフトウェ アを有するテクニコンH*1TMで行った。 図31、32、33、34、35は、G-CSFを100μg/kgで2日間、1日2回皮下投与した 後の種々のLD78変異体の好中球、リンパ球単球、好酸球、好塩基球数に対する効 果を示している。 (突然変異体#2=Lys44>Glu、 Arg45>Gln 突然変異体#26=Phe28>Glu、 Arg47>Glu 突然変異体#35=Leu-Ser-Ala-Ser1>Pro、 Gly38>SerとSer46>Gly 突然変異体#47=Glu56>Ser 突然変異体#52=Glu66>Ser 突然変異体#83=Phe23>Ala) データは、このアッセイ系において、成熟白血球の可動化を引き起こすことに 関して、突然変異体#10は突然変異体#35、 突然変異体#47、突然変異体#52および突然変異体#83と効力が等しく、突然 変異体#2より効力があり、突然変異体#26は不活性であるという効力の順を示 している。実施例21−G-CSFと突然変異体#10の連続投与による成熟白血球の可動化 オスのC57BL/6Jマウス(n=5/群)に以下のいずれかを予め投与した;2日間 、3日間、または4日間、G-CSF(Amgen,NEUPOGEN)(100μg/kg s.c.)を日 に2回(0時と7時)、またはPBS(100μls.c.)を日に2回(0時と7時)。 G-CSFの最終投与後14時間目に、突然変異体#10を100μg/kgまたはPBSを100μl 皮下投与した。30分後血液サンプルを採取した。サンプル採取のため、マウスは 致死量のハロタンで麻酔し、心臓穿刺によって血液を取り出した。血液サンプル (0.5ml)は直ちに被覆サンプルカップ(Teklab UK)内でEDTAによって凝固阻止 処理を行った。分化白血球計数をFDA承認ソフトウェア付きの テクニコンH*1TMで行った。 図36、37、38、39、40は、G-CFSを100μg/kgで1日2回、2日間、3日間、4 日間予め皮下投与した後の好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球数に対す る突然変異体#10の効果を示している。 図36、37、40(好中球、リンパ球、好塩基球数)から、突然変異体#10単独で は好中球数のみ増加することがわかる。しかしながら、2日間、3日間、4日間 のG-CSF投与に続く突然変異体#10の投与は、これらすべての成熟細胞の相乗的 放出を生じる。G-CSF単独では、投与の日数が増えるにしたがって増加する循環 数を生じた。図38、39は、単球と好酸球数について、G-CSF単独では循環細胞数 に効果がなく、突然変異体#10単独ではこれらの細胞の放出を引き起こし、かつ この放出にはG-CSFの前処置による変化はないことを示している。実施例22−BALB/cマウスにおける好中球数に対するrhMIP-1βの効果(比較例 オスのBALB/cマウスにrhMIP-1βを100μl/kg皮下投与し、対照マウスにPBS/B AA媒体対照を投与した。30分後に致死量のハロタンで麻酔したマウスから血液サ ンプルを採取した。血液サンプルは直ちに被覆サンプルカップ(Teklab UK)内 でEDTAによって凝固阻止処理を施し、好中球計数をFDA承認ソフトウェアを有す るテクニコンH*1で行った。 図41はBALB/cマウスにおける好中球数に対するrhMIP-1βの効果を示している 。rhMIP-1β(100μg/kg s.c.)は投与後 30分の循環好中球数に影響を与えなかった。 MIP-1βは幹細胞阻害剤でないことに留意すべきである。したがってこの実施 例は幹細胞阻害剤でない分子は好中球の放出を促進できないことを立証している 。言い換えれば、幹細胞阻害剤であるMIP-1αとそうではないMIP-1βとを区別 する基準に好中球の存在を利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI A61K 39/21 ADY 9284−4C A61K 39/39 AGA 39/39 AGA 9455−4C 37/02 ADS (31)優先権主張番号 9402188.8 (32)優先日 1994年2月4日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,DE,FI,GB,GE,HU,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LK,LV,MD,MG ,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU,SD, SI,SK,TJ,TT,UA,US,UZ,VN (72)発明者 マッコート,マシュー,ジョン イギリス国、オックスフォード オーエッ クス4 5エルワイ、カウリー、ウォトリ ントン ロード(番地なし)ブリテッシュ バイオテック ファーマシューティカル ズ リミテッド (72)発明者 ウッド,ラース,マイケル イギリス国、オックスフォード オーエッ クス4 5エルワイ、カウリー、ウォトリ ントン ロード(番地なし)ブリテッシュ バイオテック ファーマシューティカル ズリ ミテッド (72)発明者 ハンター,マイケル,ジョージ イギリス国、オックスフォード オーエッ クス4 5エルワイ、カウリー、ウォトリ ントン ロード(番地なし)ブリテッシュ バイオテック ファーマシューティカル ズ リミテッド (72)発明者 エドワード,リチャード,マーク イギリス国、オックスフォード オーエッ クス4 5エルワイ、カウリー、ウォトリ ントン ロード(番地なし)ブリテッシュ バイオテック ファーマシューティカル ズ リミテッド (72)発明者 ギアリング,アンドリュー,ジョン,ハー バート イギリス国、オックスフォード オーエッ クス4 5エルワイ、カウリー、ウォトリ ントン ロード(番地なし)ブリテッシュ バイオテック ファーマシューティカル ズ リミテッド

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.造血細胞の放出と可動化を促進するための薬剤の製造における幹細胞阻害剤 の使用。 2.造血細胞が白血球である請求項1記載の使用。 3.造血細胞が好中球である請求項1記載の使用。 4.造血細胞が前駆細胞である請求項1記載の使用。 5.造血細胞が幹細胞である請求項1記載の使用。 6.白血球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製造における幹細胞阻害 剤の使用。 7.先天性好中球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製造における幹細 胞阻害剤の使用。 8.小児又は成人の周期性好中球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製 造における幹細胞阻害剤の使用。 9.感染後好中球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製造における幹細 胞阻害剤の使用。 10.骨髄形成異常症候群を予防あるいは治療するための薬剤の製造における幹 細胞阻害剤の使用。 11.化学療法に伴う好中球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製造に おける幹細胞阻害剤の使用。 12.急性または慢性の微生物、真菌あるいは寄生虫感染を治療するための薬剤 の製造における幹細胞阻害剤の使用。 13.化学療法に伴う好中球減少症を予防あるいは治療するための薬剤の製造に おける幹細胞阻害剤の使用。 14.自己又は異種の移植のための収集に先立って幹細胞の放出と可動化を促進 するための薬剤の製造における幹細胞阻害剤の使用。 15.収集された細胞が、患者が細胞毒性の化学療法あるいは放射線療法を受け た後に、患者に投与される請求項14記載の使用。 16.収集された細胞が、少なくともいくつかの細胞の遺伝子操作の後に、患者 に投与される請求項14記載の使用。 17.幹細胞阻害剤が、野生型LD78(またはhuMIP-1α)あるいはその変異体で ある請求項1〜14のいずれかに記載の使用。 18.幹細胞阻害剤が、1つ以上のアスパラギン酸あるいはグルタミン酸側鎖に おけるアミノ酸置換を含むLD78変異体である請求項17記載の使用。 19.幹細胞阻害剤が、LD78(Asp26>Ala)、LD78(Glu56>Ser)、LD78(Phe1 2>Gln)、LD78(Arg17>Ser)、LD78(Glu66>Ser)、LD78(Asp26>Ser)、LD 78(Phe23>Ala)あるいはLD78(Lys44>Glu、Arg45>Glu)である請求項17あ るいは18記載の使用。 20.造血細胞の放出と可動化を促進するか、 白血球減少症を予防あるいは治療するか、 先天性好中球減少症を予防あるいは治療するか、 小児あるいは成人の周期性好中球減少症を予防あるいは治療するか、 感染後好中球減少症を予防あるいは治療するか、 骨髄形成異常症候群を予防あるいは治療するか、 化学療法に伴う好中球減少症を予防あるいは治療するか、 急性または慢性の微生物、真菌あるいは寄生虫感染症を治療するか、または 患者からの収集に先立って幹細胞の放出と可動化を促進するために、 別々に、同時にあるいは連続的に投与するための幹細胞阻害剤とコロニー刺激因 子とからなる製品。 21.動物に有効量の幹細胞阻害剤を投与することからなる、ヒトあるいはヒト 以外の動物における造血細胞の放出および可動化を促進する方法。 22.方法が、さらにコロニー刺激因子を投与することを含む請求項21記載の 方法。 23.コロニー刺激因子が、G-CSFあるいはGM-CSFである請求項22記載の方法 。 24.幹細胞阻害活性および免疫原活性を有する予防あるいは免疫治療用ワクチ ン製剤。 25.免疫治療あるいは予防において別々に、同時に、あるいは連続的に投与す るための幹細胞阻害剤と免疫原とからなる製品。 26.免疫原が、病因となる物質あるいは腫瘍に由来するかもしくはそれに関連 する配列に相当する請求項24または25に記載の製剤または製品。 27.病因となる物質が、ウイルスである請求項26記載の製 剤または製品。 28.ウイルスがHIV-1である請求項27記載の製剤または製品。 29.免疫原が、HIV-1 gp120由来の抗原決定基に相当する請求項28記載の製 剤。 30.幹細胞阻害剤分子を実験動物に投与し、造血応答を観察することからなる 、幹細胞阻害剤分子の生体内活性を検出あるいは検定する方法。
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