JPH08511029A - ヘテロアリールシクロアルケニルヒドロキシ尿素 - Google Patents
ヘテロアリールシクロアルケニルヒドロキシ尿素Info
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- JPH08511029A JPH08511029A JP7505049A JP50504994A JPH08511029A JP H08511029 A JPH08511029 A JP H08511029A JP 7505049 A JP7505049 A JP 7505049A JP 50504994 A JP50504994 A JP 50504994A JP H08511029 A JPH08511029 A JP H08511029A
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Abstract
(57)【要約】
5−リポキシゲナーゼ酵素の阻害能を有し、下記の式(I)で表される新規なヘテロアリールシクロアルケニルヒドロキシ尿素化合物およびその薬剤学的に許容される塩。
〔式中、各R1は、独立に、水素原子、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキルまたはC1−C4ハロアルコキシであり;R2は水素原子またはC1−C4アルキルであり;R3は水素原子、クロロ、フルオロまたはC1−C4アルキルであり;XはO、S、SOまたはSO2であり;Zはメチレンまたはエチレンであり;Aはフラン、チオフェン、ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンまたはキノリンから誘導された2価の基、またはクロロ、フルオロ、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、C1−C4ハロアルキルおよびC1−C4ハロアルコキシから選択された1つの置換基を有するこれらの基の1つであり;nは1、2または3の整数であり;Mは水素原子または薬剤学的に許容される陽イオンである。〕これらの化合物は、哺乳類の、炎症性疾患、アレルギーおよび心臓血管疾患の治療または緩和に有用であり、これらの症状の改善用薬剤組成物において活性成分として有用である。
Description
【発明の詳細な説明】
ヘテロアリールシクロアルケニルヒドロキシ尿素
技術分野
本発明は、新規なN−ヒドロキシ尿素化合物に関する。本発明の化合物は、リ
ポキシゲナーゼ酵素の作用を阻害するものであり、哺乳動物の、炎症性疾患、ア
レルギーおよび心臓血管疾患の治療または緩和に有用である。本発明はまた、そ
のような化合物からなる薬剤組成物に関する。
背景技術
アラキドン酸は、プロスタサイクリンを含むプロスタグランジン、トロンボキ
サンおよびロイコトリエンなどのいくつかの内因性代謝産物群の生物学的前駆物
質であることが知られている。アラキドン酸代謝の第一段階は、ホスホリパーゼ
A2の作用により細胞膜リン脂質から、アラキドン酸およびその関連不飽和脂肪
酸を放出することである。放出された脂肪酸は次いで、シクロオキシゲナーゼに
より代謝されてプロスタグランジンおよびトロンボキサンを生ずるか、または、
リポキシゲナーゼにより代謝されてヒドロペルオキシ脂肪酸を経て、さらにロイ
コトリエンを生成することになる。ロイコトリエンは、リウマチ性関節炎、痛風
、喘息、虚血性再灌流障害(ischemia reperfusion in
jury)、乾癖および炎症性腸疾患を含む、炎症性疾患の病理生理学的プロセ
スに関わっている。そのため、リポキシゲナーゼを阻害する薬物は、急性および
慢性の双方の炎症性症状の、非常に重要でしかも新しい改善方法を提供するもの
として期待されている。
近年、リポキシゲナーゼ阻害剤に関するいくつかの文献が報告されている。[
H.マサムネおよびL.S.メルビン(H.Masamune and L.S
.Melvin,Sr.)、メディシナル・ケミストリー(Medicinal
Chemistry)の年報、24巻、1989年、71−80ページ、およ
び、B.J.フィッズシモンズおよびJ.ロカッハ(B.J.Fitzsimm
ons and J.Rokach)、ロイコトリエンズ・アンド・リポキシゲ
ナーゼズ
(Leukotrienes and Lipoxygenases)、198
9年、427−502ページ、参照のこと]。
より詳細には、国際特許出願公開番号WO92/09566およびWO92/
09567、および米国特許第5,187,192号が、リポキシゲナーゼ酵素
の阻害剤としての、種々のN−ヒドロキシ尿素およびヒドロキサム酸化合物を開
示している。国際特許出願公開番号WO92/09566は、シクロアルケン環
にヘテロアリール置換基を有する、いくつかのN−シクロアルケニル−N−ヒド
ロキシ尿素化合物を開示している。しかしながら、国際特許出願公開番号WO9
2/09566のN−(ヘテロアリールシクロアルケニル)−N−ヒドロキシ尿
素化合物はいずれも、ヘテロアリール基に結合した芳香族基を含有するさらなる
置換基を有するものではない。国際特許出願公開番号WO92/09567およ
び米国特許第5,187,192号には、N−ヒドロキシ尿素基に結合した不飽
和環(シクロアルケン環)を有するN−ヒドロキシ尿素は開示されていない。
発明の簡単な開示
本発明は、下記の化学式(I)の、新規なN−ヒドロキシ尿素化合物およびそ
の薬剤学的に許容される塩を提供する。
〔式中、R1は、水素原子、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、炭素数が1ないし
4の
アルキル、炭素数が1ないし4のアルコキシ、炭素数が1ないし4のハロアルキ
ル、または炭素数が1ないし4のハロアルコキシであり;R2は、水素原子、ま
たは炭素数が1ないし4のアルキルであり;R3は、水素原子、クロロ、フルオ
ロ、または炭素数が1ないし4のアルキルであり;Xは、O、S、SO、または
SO2であり;Zは、メチレンまたはエチレンであり;Aは、フラン、チオフェ
ン、ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンまたはキノリンから誘導された
2価の基、またはクロロ、フルオロ、炭素数が1ないし4のアルキル、炭素数が
1ないし4のアルコキシ、炭素数が1ないし4のハロアルキル、および炭素数が
1ないし4のハロアルコキシから選択された1つの置換基を有するこれらの基の
一つであり;nは1、2、または3であり;Mは、水素原子または薬剤学的に許
容される陽イオンである。〕
化学式(I)の化合物は、5−リポキシゲナーゼ酵素を阻害する。したがって
本化合物は、哺乳類、たとえばヒトにおいて、5−リポキシゲナーゼ阻害剤を必
要とする症状の改善に有用であり、特に、アレルギー症状および炎症性症状の改
善に特に有用である。本発明はまた、化学式(I)の化合物と薬剤学的に許容さ
れる担体とからなる、薬剤組成物を含有する。
本発明の特に好ましい化合物群は、化学式(I)において、R2およびR3が、
各々、水素原子であり、Xが、OまたはSであり、Aが、無置換フランであり、
nが1である化合物である。これらの好ましい化合物のなかでも、特に好ましい
化合物は、R1が、4−フルオロであり;Aが、無置換フランであり;Zがエチ
レンである化合物である。
本発明の特に好ましい具体的な化合物は:
N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロブテ
ン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素;
N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロペ
ンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素;
N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロペン
テン
−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素;
[+]−N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シ
クロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素;および
[−]−N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シ
クロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素である。
発明の詳細な説明
ここで使用する”ハロ”とは、フッ素および塩素元素から誘導された基を意味
するものである。
”薬剤学的に許容される陽イオン”とは、無毒性の陽イオンを意味しており、
これには例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム等のアルカリ
金属およびアルカリ土類金属に基づく陽イオン、さらに無毒性のアンモニウム、
置換アンモニウムおよび4級アンモニウム陽イオンが挙げられ、これにはたとえ
ば、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メ
チルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチ
ルアンモニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
”ハロ置換アルキル”とは、前に述べたように、1以上のハロゲンで置換され
たアルキルラジカルを意味しており、これには、クロロメチル、ブロモメチル、
トリフルオロメチル等が含まれるが、これらに限定されるものではない。好まし
いハロ置換アルキル基はトリフルオロメチルである。
”ハロ置換アルコキシ”とは、前に述べたように、1以上のハロゲンで置換さ
れたアルキルラジカルを意味しており、これには、クロロメトキシ、ブロモメト
キシ、ヂフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等が含まれるが、これらに限
定されるものではない。好ましい、ハロ置換アルコキシ基はトリフルオロメトキ
シである。
一般合成法
化学式(I)の化合物は、種々の合成法により合成可能である。以下に示す化
学式において、Qは、
であり、(R1)n、X、およびAは、上記と同様であり、Mは水素原子であ
る。
ある実施態様においては、化学式(I)の化合物は、スキーム1に示す反応工
程に従って合成する。
この工程では、ヒドロキシルアミン(II)を、反応不活性な溶媒において、
通
常、常温から還流温度で、適当なトリアルキルシリルイソシアネートまたは低級
アルキルイソシアネートを用いて処理する。反応剤および/または生成物と反応
しない好適な溶媒は、たとえば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチレンク
ロライドまたはベンゼンである。また、このほかの方法としては、(II)を、
ベンゼンまたはトルエンなどの反応不活性な溶媒中、塩化水素ガスで処理し、次
いでホスゲンで処理する方法がある。反応温度は、通常、常温から溶媒の沸点ま
での範囲である。中間体である塩化カルバモイルは、単離することなく、アミン
H2NR2またはアンモニアの水溶液と(そのまま)反応させる。この方法の変形
例としては、R2が水素原子のとき、ヒドロキシルアミン(II)の酸付加塩は
、水中、等モルのシアン酸カリウムなどのアルカリ金属のシアン酸塩と反応させ
てもよい。このようにして得られた化学式(I)の生成物は、常法により単離し
、再結晶およびクロマトグラフィーなどの慣用手段で精製可能である。
上記ヒドロキシルアミン(II)は、相当するシクロアルケノンまたはシクロ
アルケノールから標準合成法により合成可能である。たとえば、好適なシクロア
ルケノンは、オキシムに変換し、次いで適当な還元剤を用いて所望のヒドロキシ
ルアミン(II)に還元する[たとえば、R.F.ボーシュ(R.F.Borc
h)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Amer
.Chem.Soc.)、93巻、2897ページ、1971年参照]。還元剤
としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、およびボランーピリジン、ボラン−
トリエチルアミンおよびボラン−ジメチルスルフィドなどのホウ素−錯体が挙げ
られるが、これらに限定されるわけではなく、トリフルオロ酢酸におけるトリエ
チルシランも使用可能である。
適当なシクロブテノンまたはシクロペンテノンは、種々の異なった方法(国際
特許出願公開番号WO92/09566参照)により合成可能である。シクロブ
テノンは、相当するエチレンおよびジクロロケテンの[2+2]付加環化後、還
元脱塩素することにより合成可能である[たとえば、R.L.ダンハイザー(R
.L.Danheizer)ら、テトラヘドロン・レター(Tetrahedr
on
Lett.)、28巻、3299ページ、1987年参照]。シクロペンテノン
は、相当するアルデヒドとメチルビニルケトンから、ステッター反応(Stet
terreaction)により容易に合成可能な、1,4−ジケトンの分子内
アルドール環化により合成可能である[たとえば、L.ノヴァック(L.Nov
ak)ら、リービッグス・アニュアル・ケミストリー(Liebigs Ann
.Chem.)、509ページ、1986年参照]。または、シクロアルケノン
は、Pd(PPh3)4、PdCl2(PPh3)2などの適当な触媒の存在下、た
とえば相当するヘテロ芳香族ハライドまたはトリフレートをシクロアルケニルス
タナンとクロスカップリング反応させる、またはそれらを逆にすることにより合
成可能である[たとえば、J.S.キーリー(J.S.Kiely)ら、ジャー
ナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(J.Heterocycli
c Chem.)、28巻、1581ぺージ、1991年参照]。
または、前記ヒドロキシルアミン(II)は、相当するシクロアルケノールを
N,O−ビス(t−ブチルオキシカルボニル)ヒドロキシルアミンと、光延タイ
プの反応条件下、反応させ、次いでNおよびOが保護された中間体(IV)(R4
およびR5がt−ブチル基である)を、(たとえば、トリフルオロ酢酸を用いて
)酸触媒加水分解する(日本国特許第1045344号参照)。所望のシクロア
ルケノールは、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム−三塩化セリ
ウムなどの好適な還元剤を用いて、相当するシクロアルケノンを1,2−還元す
ることにより、容易に合成される。
上記代表的な方法により合成した化学式(II)のヒドロキシルアミンは、常
法により単離し、再結晶およびクロマトグラフィーなどの慣用手段で精製可能で
ある。
他の実施態様においては、化学式(I)の化合物は、スキーム2に示すように
合成する。ここで、R4はフェニルであり、R5はフェニルまたは低級アルキルで
ある。
この方法においては、化学式(III)の化合物は、相当するアルコールとビ
ス−カルボキシヒドロキシルアミン、好ましくはN,O−ビス(フェノキシカル
ボニル)ヒドロキシルアミンとから合成し、次いで、アンモニア、水酸化アンモ
ニウム、またはH2NR2で表されるアミンで処理することにより、化学式(I)
の化合物に変換する[A.O.ステュワートおよびD.W.ブルックス(A.O
.Stewart and D.W.Brooks)、ジャーナル・オブ・オー
ガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)、57巻、5020ページ
、1992年]。反応は、必要なアミン単独で、助溶剤がなくても進行可能であ
るが、好適な反応溶媒として、たとえば、メタノール、エタノール、テトラヒド
ロフラン、ベンゼンなどが挙げられる。反応温度は、一般に、常温から溶媒の沸
点までの範囲の温度である。上記のようにして得られた化学式(III)の生成
物は、常法により単離し、再結晶およびクロマトグラフィーなどの慣用手段で精
製可能である。
本発明の化合物には、一以上のキラル中心があることによる立体異性体が存在
し得る。本発明では、エナンチオマー、ジアステレオマー、およびこれらの混合
物を含有するすべての立体異性体を包含するものである。本発明による化合物の
個々の異性体は、当業者に公知の種々の方法により合成可能である。たとえば、
化学式(I)の化合物の所望のアイソマーは、キラル補助剤と反応させて得られ
たジアステレオマー混合物を分離し、その後キラル補助基を除去する方法、また
は、キラル固定相を用いて分離する方法などにより得ることが可能である。
本発明による新規化合物の薬剤学的に許容される塩は、無毒性陽イオンの場合
、水溶液または適当な有機溶媒のいずれかにおいて、前記化合物を、化学量論量
の適当な金属水酸化物またはアルコキシドまたはアミンと混合することにより、
容易に合成できる。無毒性酸塩の場合には、水溶液または適当な有機溶媒のいず
れかにおいて、適当な鉱酸または有機酸が使用可能である。各塩は次いで、沈殿
させるかまたは溶媒を留去することにより得ることができる。
生物学的活性
本発明の化合物は、リポキシゲナーゼ酵素の活性を阻害する。この阻害は、ア
ラキドン酸代謝の際の前記化合物の効果を決定する、炎症、第7巻、145−1
50頁、1987年に記載された方法にしたがってラット腹腔細胞(RPC)を
用いた試験、およびブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジー(B
r.J.of Pharmacol.)、99巻、113−118ページ、19
90年に記載された方法にしたがってヘパリン化されたヒト全血(HWB)を用
いた試験により実証されている。前記試験においてテストされた以下の実施例化
合物はすべて、リポキシゲナーゼ活性の阻害能を示した。これらの試験において
、いくつかの好ましい化合物は、リポキシゲナーゼ活性に関して、RPC試験で
は0.01μM−1μMのIC50値を示し、HWB試験では0.1μM−5μM
のIC50値を示す。
ICRマウス(雄)に化合物を経口投与した後のインビボでの効力は、J.M
.ヤングら[J.M.ヤング、P.J.マロニー、S.N.ジャブおよびJ.S
.クラーク(J.M.Young,P.J.Maloney,S.N.Jubb
,and J.S.Clark)、プロスタグランジンズ(Prostagla
ndins)、30巻、545ページ、1985年;M.クリスキュオリおよび
A.スビッシ(M.Criscuoli and A.Subissi)、ブリ
ティッシュ・ジャーナル・オブ・ファーマシティックス(Br.J.Pharm
ac.)、90巻、203ページ、1987年;H.ツノダ、S.アベ、Y.サ
クマ、S.カタヤマ、およびK.カタヤマ、プロスタグランジンズ・ロイコトリ
エンズ・アンド・エッセンシャ
ル・ファッティ・アシズ(Prostaglandins Leukotrie
nes and Essential Fatty Acids)、39巻、2
91ページ、1990年]により記載されたものと同様の手法によるPAF死亡
率試験を用いて決定した。この試験において、いくつかの好ましい化合物は、1
−10mg/kgの範囲のED50値を示す。
本発明の化合物のリポキシゲナーゼ酵素阻害能から、本発明の化合物が、哺乳
類においてアラキドン酸から生ずる内因性代謝産物によって引き起こされる症状
の治療に有用であるといえる。このため、これらの化合物は、アラキドン酸代謝
産物の蓄積によって起こる、例えばアレルギー性気管支喘息、皮膚障害、リウマ
チ関節炎、および変形性関節炎のような疾患状態の予防と治療に有用である。し
たがって、本発明の化合物および薬剤学的に許容される塩は、ヒトを対象とした
炎症性疾患の治療または緩和に特に用いられる。
上記種々の疾患治療用として、本発明の化学式(I)で表される化合物および
その薬剤学的に許容される塩は、単独で、または、好ましくは標準的な薬剤学的
実用性に応じた薬剤組成物において、薬剤学的に許容される担体あるいは希釈剤
と組み合わせて、ヒトに投与することができる。
本発明の化合物は、経口投与または非経口投与を含めた通常用いられる種々の
投与経路によりヒトに投与可能である。本発明の化合物を経口投与する場合、そ
の投与量範囲は、一回もしくは分割投与量において、治療対象体の体重1kg、
1日当たり、約0.1−20mg、好ましくは約0.5−15mgである。非経
口投与が好ましい場合の有効投与量は、治療されるヒトの体重1kg、1日当た
り、約0.05−10mgである。投与量は、個々の患者の年齢、体重、反応性
、ならびに患者の症状の重症度および投与すべき特定化合物の効力に応じて必然
的に変化するものであり、場合によっては上記範囲外の投与量を用いることが必
要である。
経口投与用としては、本発明の化合物およびこれらの薬剤学的に許容される塩
を、例えば、錠剤、粉剤、トローチ剤、シロップ剤もしくはカプセル剤として、
または水
溶液もしくは懸濁液として投与することができる。経口用錠剤の場合に通常用い
られる担体としては、ラクトースおよびコーンスターチがある。さらに、例えば
ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤が一般に添加される。カプセル剤の場
合は、有用な希釈剤としてはラクトースと乾燥コーンスターチとが用いられる。
経口投与用に水性懸濁液が必要なときは、活性成分を乳化剤および懸濁化剤と組
み合わせて用いる。必要ならば、ある種の甘味剤や香味剤を加えることも可能で
ある。筋肉内、腹腔内、皮下および静脈内投与用として用いる場合には、通常、
活性成分の無菌溶液が調製され、この溶液のpHは適度に調節され、緩衝剤で処
理される必要がある。静脈内投与用として用いる場合には、溶質の総濃度を制御
して、等張とする必要がある。
実施例
以下、本発明を実施例を用いて説明する。ただし本発明は、これらの実施例の
特定細部事項に限定されるものではない。実施例で用いられるプロトン核磁気共
鳴スペクトル(NMR)は、特に指示がないかぎり、270MHzにて測定され
たものである。また、ピーク位置は、テトラメチルシランから低磁場へ100万
分の1単位(ppm)で表現する。ピーク形状は次のように表す。s:シングレ
ット、d:タブレット、t:トリプレット、m:マルチプレット、およびbr:
ブロード。
実施例1 N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロブ テン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素
[A] 5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フルフルアルデヒド:
n−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%W/V、鉱油中に分散;7
.089;177mM)のTHF(200ml)攪拌懸濁液に、窒素雰囲気下、
固体形状のp−フルオロフェノール(19.99;177mM)を少量ずつ添加
した。ガスの発生が止った後、溶媒を減圧留去した。得られた粗フェノキシドを
DMF(200ml)に溶解し、0℃に冷却後、この攪拌混合物に、5−ニトロ
フルフラール(25
9;177mM)のDMF(50ml)溶液を、滴下漏斗を経由して添加した。
添加中、さらなるDMF(150ml)を添加した。添加終了後、混合物を0.
5時間攪拌し、水に注いで、エーテル(300mlX4、200mlX2)で抽
出した。有機層を10%水酸化ナトリウム水溶液(150mlX3)、水(15
0mlX3)、食塩水(150mlX1)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後
、シリカゲルのショートカラムに通し、濾液を減圧濃縮したところ、粗生成物が
319得られた。これをエーテル−n−ヘキサンから再結晶したところ、表題化
合物が、淡黄色固体として26.99(収率73.8%)得られた。
1H−NMR(CDCl3)δ:9.41(s,1H),7.22−7.05(
m,5H),5.53(d,J=4.0Hz,1H)ppm。
[B] 2−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−1,1−ジ
ブロモエタン:
四臭化炭素(1519;455mM)、亜鉛粉末(29.769;455mM
)およびトリフェニルホスフィン(119.39;455mM)をジクロロメタ
ン(1L)に添加し、一昼夜、窒素雰囲気下、攪拌した。得られた懸濁液に、ア
ルデヒド(37.59;182mM)のジクロロメタン溶液を添加し、この混合
物を室温で3時間攪拌した。ヘキサン(3L)を混合物に加え、このヘキサン−
ジクロロメタン溶液を、セライトをのせたシリカゲルショートカラムで濾過した
。この濾液を濃縮したところ、表題化合物が、黄色オイルとして599(収率9
0%)得られた。
[C] 2−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−エチン:
−78℃に冷却した、ジブロモオレフィン(329;88.4mM)のTHF
(300ml)攪拌溶液に、窒素雰囲気下、n−ブチルリチウム(113.4m
l;176.9mM、ヘキサン中1.56M)を滴下した。反応混合物を−78
℃で1時間攪拌した。この冷却反応混合物に、飽和塩化アンモニウム水溶液(2
00ml)を添加し、室温まで昇温した。溶媒を留去後、水(200ml)を加
え、エーテル(200mlX2)で抽出した。有機層を水(100ml)、食塩
水(150ml)で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をn−ヘキサンを用いてク
ロマトグラフィー精製したところ、12.29(収率68.5%)の表題化合物
が得られた。
[D] 3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−4,4−ジ
クロロ−2−シクロブテノン:
アセチレン(5.059;25mM)および亜鉛-銅合金(6.549;10
0mM)のエーテル(50ml)攪拌懸濁液に、室温で塩化トリクロロアセチル
(8.37ml;75mM)およびオキシ塩化リン(7ml;75mM)を滴下
した。滴下終了後、混合物を一昼夜還流した。冷却後、亜鉛−銅合金を濾過した
。濾液を減圧濃縮し、エーテル(400ml)を加え、水(200mlX3)、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(150ml)、水(150ml)、食塩水(2
00ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルのショートカラム
で濾過し、濃縮したところ、黄色オイルとして、粗表題化合物が6.49(収率
82%)得られた。これを、さらに精製することなく使用した。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.37(d,J=3.7Hz,1H),7.
23−7.10(m,4H),6.14(s,1H),5.63(d,J=3.
7Hz,1H)ppm。
[E] 3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロ
ブテノン:
3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−4,4−ジクロロ−
2−シクロブテノン(6.49;20mM)の酢酸(25ml)攪拌懸濁液に、
亜鉛粉末(6.59;100mM)を室温で添加した。2時間攪拌後、亜鉛を濾
過除去し、濾液を減圧濃縮した。残渣を、フラッシュカラム(シリカゲル)を用
いて酢酸エチル−n−ヘキサン(1:7)で溶出したところ、2.29(収率4
5%)の表題化合物が得られた。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.19−7.06(m,4H),6.80
(d,J=3.6Hz,1H),5.99(s,1H),5.55(d,J=3
.6Hz,1H),3.45(s,2H)ppm。
[F] 3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロ
ブテノン オキシム:
シクロブテノン(0.679;2.75mM)のエタノールーピリジン(10
ml−3ml)攪拌溶液に、室温でヒドロキシルアミン塩酸塩(0.299;4
.12mM)を添加し、この混合物を一昼夜攪拌した。溶媒を留去後、得られた
オイルを酢酸エチル(100ml)に溶解し、0.5N塩酸水溶液(60ml)
で洗浄し、この水層を酢酸エチル(50ml)で抽出した。合わせた有機層を水
(60ml)、食塩水(60ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、シリ
カゲルのショートカラムで濾過した。濾液を減圧濃縮したところ、表題化合物が
0.79得られた。
[G] N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−
シクロブテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素:
3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロブテノン
オキシム(0.879;3.36mM)の酢酸(10ml)攪拌溶液に、室温
で、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH3CN:0.39;4.7mM)
を添加した。1時間攪拌後、反応混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液(80
ml)に注ぎ、酢酸エチル(60mlX2)で抽出した。有機層を水(50ml
)、食塩水(60ml)で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮したと
ころ、粗ヒドロキシルアミンが0.99得られた。
粗ヒドロキシルアミン(0.99;3.45mM)のTHF(10ml)攪拌
溶液に、室温で、窒素雰囲気下、トリメチルシリルイソシアネート(TMSNC
O)(0.619;4.47mM)を添加した。この混合物を30分間攪拌後、
エタノール(10ml)を添加した。溶媒を減圧留去後、残渣を酢酸エチル−n
−ヘキサンから再結晶したところ、表題化合物が、無色固体として0.39(3
0%)得られた。
融点: 113−116℃(dec.)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:9.07(s,1H),7.29−7.1
4(m,4H),6.50(d,J=3.6Hz,1H),6.34(s,2H
),5.87(s,1H),5.76(d,J=3.6Hz,1H),5.09
(brs,1H),2.85−2.72(m,2H)ppm。
分析(C15H13FN2O4)
計算値:C,59.21, H,4.31, N,9.21;
測定値:C,58.96, H,4.20, N,9.06。
実施例2
N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロ ペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素
[A] 5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フルフルアルデヒド:
n−ヘキサンで洗浄した水素化ナトリウム(60%W/V、鉱油中に分散;3
.69;89mM)のTHF(100ml)攪拌懸濁液に、窒素雰囲気下、約1
0℃で、p−フルオロチオフェノール(11.49;89mM)のTHF(10
ml)溶液を滴下した。ガスの発生が止った後、揮発性物質を減圧留去した。得
られた粗フェノキシドをDMF(75ml)に溶解し、0℃に冷却後、この混合
物に、5−ニトロフルフラール(12.59;89mM)のDMF(25ml)
溶液を、滴下漏斗を経由して添加した。この混合物を0.5時間攪拌し、水に注
いで、エーテル(100mlX5)で抽出した。有機層を10%水酸化ナトリウ
ム水溶液(100mlX2)、水(200mlX2)、食塩水(200ml)で
洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥して、シリカゲルのショートカラムで濾過した
。濾液を減圧濃縮したところ、表題化合物が、黄色オイルとして159(収率8
7%)得られた。
1H−NMR(CDCl3)δ:9.56(s,1H),7.50−7.42(
m,2H),7.27−7.18(m,1H),7.10−6.96(m,2H
),6.53(d,J=3.0Hz,1H)ppm。
[B] 1−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−1,4
−ペンタンジオン:
5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フルフルアルデヒド(13.59;
60.8mM)のエタノール(30ml)攪拌溶液に、室温で、メチルビニルケ
トン(4.05ml;48.7mM)、塩化3−ベンジル-5−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−メチルチアゾリウム(2.849;10.5mM)およびトリ
エチルアミン(13.9ml;99.7mM)を添加した。一昼夜攪拌後、揮発
性物質を留去し、残渣に水(150ml)を加えて、酢酸エチル(100mlX
2)で抽出した。有機層を水(70ml)、食塩水(70ml)で洗浄後、硫酸
マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣のオイルを、フラッシュカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル)により、酢酸エチル−n−ヘキサン(1:4)で
溶出したところ、表題化合物が黄色オイルとして15.79(収率89%)得ら
れた。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.44−7.36(m,2H),7.17(
d,J=3.6Hz,1H),7.04(t,J=8.8Hz,2H),6.5
7(d,J=3.6Hz,1H),3.09(d,J=6.2Hz,2H),2
.84(t,J=6.2Hz,2H),2.22(s,3H)ppm。
[C] 3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シク
ロペンテノン:
1−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−1,4−ペンタン
ジオン(89;27.4mM)の0.55M水酸化ナトリウム水溶液(100m
l)の溶液を、5時間還流した。冷却後、エーテル(150mlX1、90ml
X2)で抽出し、有機層を水(90ml)、食塩水(150ml)で洗浄後、硫
酸マグネシウムで乾燥し、シリカゲルのショートカラムで濾過した。濾液を減圧
濃縮したところ、5.99(収率79%)の表題化合物が、黒色オイルとして得
られた。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.39−7.30(m,2H),7.06−
6.99(m,2H),6.82(d,J=3.7Hz,1H),6.68(d
,J=3.3Hz,1H),6.38(t,J=1.8Hz,1H),2.90
(d.
t,J=1.8Hz,5.2Hz,2H),2.52(t,J=5.2Hz,2
H)ppm。
[D] 3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シク
ロペンテノン オキシム:
3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロペンテ
ノン(5.99;21.5mM)のエタノール−ピリジン(50ml−12ml
)攪拌溶液に、室温でヒドロキシルアミン塩酸塩(2.249;32.3mM)
を添加した。この混合物を一昼夜攪拌し、溶媒を留去した。残渣に0.5N塩酸
水溶液(80ml)を添加し、酢酸エチル(100mlX2)で抽出した。有機
層を、水(70ml)、食塩水(70ml)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥
して、減圧濃縮したところ、粗表題化合物が、茶色オイルとして、69(収率9
7%)得られた。これをさらに精製することなく使用した。
[E] N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2
−シクロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシルアミン:
3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロペンテ
ノン オキシム(69;20.8mM)の酢酸(40ml)攪拌溶液に、室温で
、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(1.579;24.9mM)を添加した。2
.5時間攪拌後、酢酸を留去した。残渣を、酢酸エチル(150ml)に溶解し
、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(80ml)で洗浄後、この水層を酢酸エチル
(80ml)で抽出した。有機層を合わせて、水(80ml)、食塩水(80m
l)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を、ジクロロメ
タン−エタノール(50:1)溶出でクロマトグラフィー精製したところ、表題
化合物が、黄色オイルとして1.359(収率22%)得られた。
1H−NMR(CDCl3)δ:7.28−7.22(m,2H),6.98(
t,J=8.8Hz,2H),6.68(d,J=3.3Hz,1H),6.3
4(d,J=3.3Hz,1H),6.11(br.s,1H),4.32(b
r.
s,1H),2.83−2.73(m,1H),2.66−2.55(m,1H
),2.33−2.22(m,1H),2.05−1.94(m,1H)ppm
。
[F] N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2
−シクロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素:
N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロ
ペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシルアミン(1.359;4.64mM)
のTHF(13ml)攪拌溶液に、室温で、窒素雰囲気下、TMSNCO(0.
7559;5.56mM)を添加した。この混合物を1時間攪拌後、エタノール
(20ml)を添加した。揮発性物質を留去後、得られた残渣を酢酸エチル−エ
タノール(20ml−120ml)から再結晶したところ、表題化合物が、無色
固体として0.59得られた。
融点: 184−186℃(dec.)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:8.95(s,1H),7.31−7.1
8(m,4H),6.99(d,J=3.3Hz,1H),6.59(d,J=
3.3Hz,1H),6.34(s,2H),5.90(br.s,1H),5
.32(br.s,1H),2.71−2.59(m,1H),2.53−2.
43(m,1H),2.17−2.05(m,1H),1.98−1.84(m
,1H)ppm。
分析(C16H15FN2O3S)
計算値:C,57.48, H,4.52, N,8.38, F,5.
68, S,9.59;
測定値:C,57.52, H,4.46, N,8.30, F,5.
65, S,9.78。
実施例3
N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロペ ンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素
表題化合物を、実施例2の方法に従って、実施例2の工程Bにおける5−(4
−フルオロフェニルチオ)−2−フルフルアルデヒドのかわりに、5−(4−フ
ルオロフェノキシ)−2−フルフルアルデヒドを用いて合成した。
融点: 153−156℃(dec.)
1H−NMR(DMSO−d6)δ:8.91(s,1H),7.29−7.1
4(m,4H),6.42(d,J=3.3Hz,1H),6.32(s,2H
),5.74(d,J=3.3Hz,1H),5.67(d,J=1.9Hz,
1H),5.29(br.s,1H),2.66−2.38(m,2H),2.
13−2.04(m,1H),1.94−1.85(m,1H)ppm。
分析(C16H15FN2O4)
計算値:C,60.38, H,4.75, N,8.80;
測定値:C,60.51, H,4.70, N,8.59。
実施例4および5
[+]−N−3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シ クロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素、および [−]−N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2− シクロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素:
表題化合物を、実施例3において合成したラセミ化合物のキラル分割により得
た。ラセミ化合物(50mg)を、キラルカラム[ダイセル・キラル・パック・
AS(DAICEL chiral pak AS)]を用いてHPLC(n−
ヘキサン−エタノール(70:30)溶出)で分割したところ、無色の固体とし
て、より極性の低いエナンチオマー(実施例4)が20mg;融点: 151.
5−153℃(dec.);
[α]D=+42.5°、(c=0.04、エタノール)
および、無色の固体として、より極性の高いエナンチオマー(実施例5)が1
9mg得られた。
融点: 151.5−153℃(dec.);
[α]D=−40.0°、(c=0.04、エタノール)。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.下記の化学式の化合物およびその薬剤学的に許容される塩。 〔式中、R1は、水素原子、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、炭素数が1ないし 4のアルキル、炭素数が1ないし4のアルコキシ、炭素数が1ないし4のハロア ルキル、または炭素数が1ないし4のハロアルコキシであり; R2は、水素原子、または炭素数が1ないし4のアルキルであり; R3は、水素原子、クロロ、フルオロ、または炭素数が1ないし4のアルキルで あり; Xは、O、S、SO、またはSO2であり; Zは、メチレンまたはエチレンであり; Aは、フラン、チオフェン、ピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェンまたは キノリンから誘導された2価の基、またはクロロ、フルオロ、炭素数が1ないし 4のアルキル、炭素数が1ないし4のアルコキシ、炭素数が1ないし4のハロア ルキル、および炭素数が1ないし4のハロアルコキシから選択された1つの置換 基を有するこれらの基の1つであり; nは、1、2、または3であり; Mは、水素原子または薬剤学的に許容される陽イオンである。〕 2.Xが、OまたはSであり;Aが、無置換フランまたは無置換チオフェンであ る、請求項1に記載の化合物。 3.R2が、水素原子であり;R3が、水素原子であり;nが1である、請求項2 に記載の化合物。 4. Zがエチレンである、請求項3に記載の化合物。 5. R1が4−フルオロであり;Aが無置換フランである、請求項4に記載の 化合物。 6. N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シク ロブテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素; N−[3−[5−(4−フルオロフェニルチオ)−2−フリル]−2−シクロペ ンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素; N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シクロペン テン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素; [+]−N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シ クロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素;および [−]−N−[3−[5−(4−フルオロフェノキシ)−2−フリル]−2−シ クロペンテン−1−イル]−N−ヒドロキシ尿素から選択される、請求項1に記 載の化合物。 7. 哺乳類において、請求項1に記載の化合物の治療有効量を投与することか らなる、5−リポキシゲナーゼ阻害剤が必要な症状を治療する方法。 8. 症状が、アレルギー症状または炎症性症状である、請求項7に記載の方法 。 9. 哺乳類におけるアレルギー症状または炎症性症状の改善用薬剤組成物であ り、請求項1に記載の化合物の治療有効量と薬剤学的に許容される担体とからな る、薬剤組成物。
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- 1999-12-22 GR GR990403325T patent/GR3032238T3/el unknown
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