JPH08510152A - ステントデリバリーシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、ステントデリバリーシステムに向けられている。一つの実施態様において、可撓性で全体的に円筒状の拡張可能なステント（４）を移植するための装置は、遠位端及び近位端を有するカテーテル（１）、ここで、カテーテルは、そこを通って延びる中央の管腔（２）及び第二の管腔（３）を規定し、かつ第二の管腔（３）からカテーテル（１）の表面へと放射方向に延びる長さ方向に配置された２つの開口部（６）を有する；離れた近位端及び遠位端（５）を有する可撓性で拡張可能なステント（４）、ここで、ステントはカテーテル（１）の円周に配置され、かつ離れた端（５）はステント（４）を適当な位置に保持するために開口部（６）中へと延びている；及び第二の管腔（３）中に配置されかつそこを通って延びる少なくとも一つの解放ワイヤ（７）、ここで、一又は複数の解放ワイヤ（７）は、解放ワイヤ（７）が近位方向に動かされた場合に、ステント（４）の離れた端を放射方向に動かすことができる少なくとも一つの円錐型の押し部材（８）を固定して含む、を含む。

Description

【発明の詳細な説明】 ステントデリバリーシステム 発明の分野 本発明は、人体内の狭窄した管の処置のためのデバイスに向けられている。特 には、本発明は、脈管内、尿道、尿管、気管支、食道及び胆管のステント、及び それらを挿入又は移植するための系に向けられている。 発明の背景 尿道狭窄は、先天性又は後天性であり得る。後天性の尿道狭窄は、通常は男性 に起こるが、稀に女性に起こる。殆どの後天性狭窄は、感染又は傷害のせいであ る。性病によって引き起こされる感染の他に、尿道カテーテルの長期間の使用及 び医療的使用のために尿道中へ挿入された大きな管腔直径の器具の使用からの感 染が、尿道に傷害を引き起こす。更に、外からの傷害、例えば骨盤の骨折又は鞍 （ｓａｄｄｌｅ）損傷も尿道狭窄を引き起こしうる。これらの狭窄化は、尿の流 れを制限する。慢性の場合は、膀胱筋は肥大し、そしてその後、残った尿の増加 が、膀胱に病気を起こしうる。長引く閉塞は、失禁を結果する流出制御機構の機 能不全、又は腎臓損傷及び腎不全を結果する膀胱中の高い圧力を引き起こしうる 。残った尿は、前立腺感染を含む尿感染、尿道膿瘍及び更に膀胱結石の素因を与 える因子 であり得る。 尿道狭窄は、尿道の拡張法などの待期的処置を用いて対処されうるが、これは 、治療的ではない。何故なら、拡張法は、瘢痕組織を壊し、そして一時的に管腔 を拡大するからである。治癒が起こるのに伴って、瘢痕組織が再び作られる。 更に、視覚的に制御された内部尿道切除術は、尿道狭窄の処置に用いられうる 。しかしながら、殆どの場合において、狭窄が再発し、そしてその方法が繰り返 されなければならない。 狭窄の形成外科修復は、綿密かつ複雑な方法である。しかしながら、この方法 は尿道狭窄の高率での再発を示し、そして再形成外科術のための熟練した外科医 が不足しているので、大多数の場合は非治療的な方法によって対処される。 拡張可能な管状メッシュから作られた尿道狭窄のために設計された尿道内デバ イスは、E.J.G.Milroyらによって、Jornal of Urology（第１４１巻、１９８９ 年５月）に載せられた文献中に記載されている。デバイスの内径は管の管腔より も大きいので、デバイスは、狭窄した管内に挿入され、そして管腔を開口した状 態に維持する。このデバイスは管状メッシュを含むので、それは、挿入の３〜６ カ月以内に尿道壁中に取り込まれ、永久的なデバイスとなり、その除去には外科 的な介入を必要とする。 膀胱出口閉塞は、泌尿器科学において、最も通常に遭遇 する傷害である。男性における膀胱出口閉塞の最も頻繁に起こる解剖学的原因は 、良性の肥大又は癌のいずれかによる前立腺の膨大である。前立腺は、膀胱の下 に位置し、尿道のほぼ最初の１インチの周囲を包囲しているクリの形をした腺で ある。男性は加令に伴ない、前立腺は通常（必ずしも悪性ではなしに）膨大し、 そして、中央の開口が徐々に狭くなる又は収縮する傾向にあり、従って、放射状 方向で、内側に向いた圧力を、尿道前立腺に及ぼす。良性前立腺過形成（ＢＰＨ ）として知られているこの状態は、種々の閉塞性症状（例えば、排尿躊躇、排尿 のために体を極度に使うこと、及び尿の流れの大きさ及び力が減少することを含 む）を引き起こす。状態が徐々に悪化するのに伴って、尿道の完全な閉塞及びそ れに付随した完全な尿の停滞が起こりうる。慢性の尿停滞は、高い膀胱内圧が腎 実質へと移行されるのに伴って、腎機能を悪化させうる。 介入が必要とされたとき、外科手術の代替として広く受け入れられてきたもの は今までにない。好ましい外科的方法は、経尿道的切開術であり、そこでは、切 除用内視鏡が尿道の外からの開口部を通して挿入され、そして電気外科的ループ が、尿道前立腺内から前立腺の切片を切除するために用いられる。その他の外科 的介入は、腹部切開を通して行われる、前立腺の開放的外科的除去である。しか しながら、ＢＰＨは年配者の典型的な病気であるので、多くの患者はこのような 主要な外科術の候補としては不適当である。 その他の処置は、前立腺のバルーン拡張である。その技術により、３〜４ｃｍ 直径までの尿道前立腺の拡張は、尿道前立腺の開口を維持する一方、前立腺交連 の引き裂きを結果する。この処置の長期間の有効性はまだ確立されていない。更 なる処置は、前立腺組織を、ヒトの体温より３℃〜５℃高い温度まで加熱するこ とであり、これは、ある程度の前立腺収縮を引き起こす組織学的変化である。こ の処置の有効性は、一般的に受け入れられていない。 外科術に代わる有効な代替法（例えば上記したもの）にも拘わらず、手術の危 険が高い患者の殆どは、昔ながらのカテーテル法に頼っている。なぜなら、この 代替法が、今までのところ、尿のドレナージに有効であると証明されているから である。 前立腺肥大の影響の除去を提供すると言われている多数のデバイスが提案され てきた。ヨーロッパ特許出願第０２７４８６号（これは、米国特許出願シリアル 番号第９３９７５４号明細書（１９８６年１２月９日出願）に基づいている）は 、狭窄した尿道前立腺中に経尿道的に挿入されそして配置されるバルーン拡張可 能なステントを記載している。挿入は、特定のバルーンカテーテルの助力により 行われ、該カテーテルは、挿入後に除去され、前立腺管腔を開口した管腔の状態 に維持することを確実とする非可撓性で、拡張されたステントを尿道中に残す。 このステントの可撓性の欠如は、膀胱中へのステントの移動において危険が高い ので欠点である。更に、このステントは、粘膜中への取 り込みを容易とするメッシュデザインを有し、それによって永久的なステントと なり、大きな手術によってのみ除去可能となる。 男性の尿道の病理学の十分なる記載は、Campbell's Urology、第５版、１９８ ６年、第１巻、第５２０〜５２３頁及び第１２１７〜１２３４頁、及び第３巻、 第２８６０〜２８８６頁（W.B．Saunders Co.、フィラデルフィア、ペンシルバ ニア州、米国、により発行された）により提供される（この記載は、引用するこ とにより本明細書の一部である）。 発明の概要 本発明は、ヒトの体内の管の狭窄の処置において、このような狭窄により起こ りうる病理学的結果を救済するための使用が意図されたデバイスに関する。頻繁 に起こるこのような狭窄の一つは、炎症性又は外傷性起源の尿道狭窄、又は良性 或いは悪性の前立腺膨大による男性の尿道の狭窄である。しかしながら、本発明 のデバイスは、このような使用が専ら意図されているのではなく、他の体の管の 制限又は閉塞の処置に有効である。本発明に従ったデバイスが有効である他の頻 繁に起こる狭窄は、尿管、血管、胆管、腸管、胚の気道、卵管の狭窄を含む。診 察する医師は、新しいデバイスが、ヒトの体内の管の狭窄状態の処置においてど の程度まで用いられ得るかを決定するであろう。 本発明を、デバイスの使用のための一具体例として尿道 前立腺狭窄から起こる状態を用いて以下に記載する。しかしながら、上記で述べ た如く、本発明はこの用途に限定されない。 本発明はまた、尿道（又は、他の管）中にデバイスを導入及び配置をし、膀胱 から自然の出口への尿の、又は各々の体の導管中への或いは導管の外への他の流 動体の自由な或いは邪魔されない流れを確実とするための手段及び方法に関する 。 本発明のデバイスによる処置はまた、他の原因、例えば感染、炎症及び外傷に よって引き起こされる全ての種類の尿道狭窄に対して適用されうる。 本発明の目的 本発明の目的は、ヒトの体内の狭窄された管、例えば尿道、尿管、胆管、動脈 等の処置のためのデバイスを提供することである。 本発明の目的はまた、大きな比率で拡張することができ、前もって設定された 形及び寸法に回復し、そして同時に、最大の拡張力を有するコイルのための適し た物質を提供することである。 本発明の目的は更に、螺旋状に巻かれたコイルであって、各々の端に付属品及 び、狭窄した体の管中に該コイルを挿入するための挿入手段を有するコイルを提 供することである。 本発明の更なる観点は、超弾性物質、Ｎｉｔｉｎｏｌか ら成る螺旋状に巻かれたコイルを提供することである。 本発明のこれら及び他の目的は、以下の議論において更に明白となる。 図面の簡単な説明 図１は、本発明に従ったデリバリーシステムの一つの実施態様の概略的な横断 面図を表している。 図２は、図１の実施態様において有用な解放ワイヤの側面図を表している。 図３は、図１及び２の実施態様に示されたのと同じ考えを用いた、本発明の他 の実施態様の部分断面見取図を表している。 図４、５及び６は、図３に示された実施態様の横断面図を表している。 図７は、図３に示された実施態様のための押し／引き要素の斜角図を表してい る。 図８は、本発明の他の実施態様の部分断面見取図を表している。 図９及び１０は、図８に示された実施態様の横断面図を表している。 図１１は、本発明の更なる実施態様の横断面図を表している。 図１２は、図１１に示された実施態様の縦断面図を表している。 図１３は、本発明の実施態様の斜めから見た角部分横断 面図を表している。 図１４は、図１３に示された実施態様の一部の拡大図を表している。 図１５、１６、１７、１８及び１８Ａ〜１８Ｃは、本発明に従った有用な拘束 機構である。 図１９及び２０は、本発明の更なる実施態様を表している。 発明の詳細な説明 本発明は、ステントデリバリーシステムに向けられており、そこでは、ステン トはカテーテルの遠位部分に解放可能に保持されており、そしてその後、ステン トがいったん狭窄された領域中の所望の位置におかれると、ステントはカテーテ ルから解放される。解放に先だって、ステントは、その外形が縮小されている圧 力のかかった又はトルクのかかった状態にあり、そしていったんステントがカテ ーテルから解放されると、ステントは、より大きな直径の外形を有する圧力のか かっていない、トルクのかかっていない状態をとる。 本発明のこれらの及び他の特徴は、図を参照した以下の詳細な説明により明ら かとなろう。図１によれば、カテーテル１は、中央の管腔２、及び第二の又は側 の管腔３を有する。ステント４は、カテーテル１をその遠位端付近で取り囲んで おり、そしてステント４のそれぞれの端のボール５は、側の管腔３中へと開口部 ６を通って延びている。ス テント４は、圧力がかかった又は前もってトルクがかけられた状態にあり、そし てボール５は、ステント４をほどけないように拘束している。ステント４のトル クがかかった状態のおかげで、その外形は、圧力がかかっていない又はトルクが かかっていない状態に比べて、実質上縮小されている。 側の管腔３は、１つ又は２つの解放ワイヤ、例えば解放ワイヤ７を含み、該解 放ワイヤは１つ又は２つの押し部材８（これもまた、図２中に示されている）を 有する。解放ワイヤ７が近位方向に引かれるのに伴い、押し部材８は、ステント ４のそれぞれの端を解放するために、各々のボール５をカテーテルの外部表面に 対して放射方向に動かす。１つの押し部材８が連続して各々のボール５を解放す ることができ、又、２つの押し部材８が、両者の間隔によるが、同時に又は順次 に複数のボール５を解放することができる。 いったんステント４が両端にて解放されそして拡張が許されると、カテーテル １は近位方向に引っ込められ得る。 押し部材８は、ボール５の位置をずらすのに有効であるいずれの形をもとりう る。好ましくは、押し部材８は、円錐形であるか、又は解放ワイヤ７が近位方向 に引かれた場合にボール５を放射方向に押す傾斜した表面を有する。また、押し 部材８は、例えば、接着、クリンプ加工、溶接又ははんだ付けにより解放ワイヤ ７に確実に取り付けられた別個の部材であることができ、また押し部材８及び解 放ワイヤ７は、一体型である、即ち、一緒に形成されることが できる。 図３〜７は、図１に示された実施態様の変型を表しており、そこでは、角張っ た外形である押し部材１０が解放ワイヤ１１の遠位端にある。カテーテル１２は 、中央の管腔１３、弓状の側の管腔１４、及びステント１７のボール１６を収容 するための開口部１５を有し、ステント１７は、圧力が加えられているか又はト ルクが加えられている。解放ワイヤ１１が遠位方向に引かれた場合に、その結果 ボールが押し要素１０の傾斜した表面１８に接触するように、開口部１５は中央 線からずれた様式にて配列されている。それぞれの接触は、各々のボール１６を それぞれの開口部１５から解放することを引き起こし、それによって、ステント １７のそれぞれの端は、”ほどかれ”、そしてステント１７の直径は増加する。 押し部材１０は、解放ワイヤ１１の遠位端又は遠位部分に確実に添え付けられ ている又は取り付けられている。このような取り付け又は固定は、適当な手段、 例えば、接着、クリンプ加工、はんだ付け又は溶接によって成されうる。更に、 押し部材１０は、解放ワイヤ１１と一体型で形成されうる。 図４、５及び６は、押し要素１０が側の管腔１４内に配置される様式を描いて いる。 図８、９及び１０に示された実施態様は、中央の管腔２２及び、第二の又は側 の管腔２３を有するカテーテル２１を表している。側の管腔２３は、開口部２４ と連絡してお り、これは破線で示されている。 圧力が加えられた又はトルクが加えられたステント２５は、そのそれぞれの端 にボール２６を有する。各々のボール２６は、解放ワイヤ２７の間に保持されて おり、解放ワイヤはカテーテル２１の近位端へと延びている。 側の管腔２３は、解放ワイヤ２７が互いに圧迫されそしてその結果、ボール６ を拘束するのに十分に小さい。しかしながら、解放ワイヤ２７の一方又は両方が 、オペレーターにより近位方向に動かされた場合は、その結果、各々のボール２ ６が解放され、ステント２５のそれぞれの端がカテーテル２１から解放されるの を可能とする。 図１１及び１２に示された実施態様は、弾性金属リング３１を有するカテーテ ル３０を含む。各々の金属リング３１は、ステント３４の端部分３３を拘束する ためのホルダー３２を有する。解放ワイヤ３５、３６は、遠位部分３３を取り囲 むために側の管腔３７及び溝３８、３９、４０及び４１を通って延びる。解放ワ イヤ３５、３６が、各々近位方向に動かされたとき、ステントの端部分３３はホ ルダー３２から解放される。 解放ワイヤ３５、３６が単一の解放ワイヤによって置き換えられることができ るということは本発明の範囲内である。更に、解放ワイヤ３５、３６のそれぞれ は、別々の側の管腔内に置かれうる。 図１３に記載した本発明の実施態様において、ステント５０の遠位端及び近位 端のそれぞれは、バンド５２及び固 定部材５３を含む拘束手段５１によって拘束されている。固定部材５３の２つの 端はバンド５２に取り付けられており、そして固定部材５３のループ側は、ステ ント５０の外側表面の上を通過し、かつ１以上の固定ワイヤ５４によって第２の 又は側の管腔５５内で保持されている。固定ワイヤ５４は、カテーテル５７の１ 以上の主の又は中央の管腔５６に隣接する側の管腔５５内に含まれる。固定ワイ ヤ５４が２つの別個の側の管腔５５の各々を通って延びることができ、及び／又 は３つの固定ワイヤ５５が２つ又は３つの別個の側の管腔５５を通って延びるこ とができ、そこでは、各々１つの固定ワイヤが３つの別個の側の管腔５５のそれ ぞれを通って延びているか、又は１つの固定ワイヤ５４が１つの側の管腔５５を 通って延びそして２つの固定ワイヤ５４が第２の、側の管腔５５を通って延びる ことは本発明の範囲内である。 好ましくは、固定部材５３は、固定部材５３内の開口部の大きさを減少させる 溶接、はんだ又は接着部材５６を有して、体の管内にてステントを展開した後、 ステント５０の端にあるボール５８が、該開口部内に捕らえられないようにする ことを確実とする。 拘束機構は、切断部分Ａとして示された図１３の部分の拡大図を表している、 図１４にて幾分より明瞭に示されている。 拘束機構５１は、図１５にて幾分より明瞭に示されている。ループ５３及びバ ンド５２は、種々の機能的に同等の もの、例えば、図１６及び１７に示された実施態様を取りうるということは、当 技術分野の熟練者によって認識されるであろう。図１６において、連続した閉じ た一つの金属ワイヤ又はポリマーワイヤ６０は、開口部６３を有するループ６２ 及び有効なバンド部材６４を規定する溶接６１を有する。このような物質は、適 当な可撓性を有する、好ましくは０．０５〜０．４ｍｍの直径を有する、いずれ かの生理学的に許容される又は医学的に許容されるワイヤから構成されうる。 図１５、１６及び１７に示された拘束機構に関して、代替の配置において、ル ープ５３、６２又は６５が開口部５９、６３又は６７を規定するためにねじられ ることができ、それによってループ５３、６２又は６５のねじられた部分が、適 した手段、例えば接着、はんだ又は溶接により保持されるということが認識され るべきである。好ましくは、ねじられた部分は、ループが可撓性を維持するよう に接着により保持される。 図１７に示されたバンド、即ち拘束機構５１において、物質の可撓性のストラ ンドが、ループ６５及びバンド６６を規定するために配列されている。このよう なストランドは、いずれかの適した可撓性の物質、例えば絹、ひも、適当なポリ マー又は更には小さな直径の編んだワイヤから構成されうる。 拘束機構の他の実施態様が図１８に示されており、そこでは、拘束機構７０は 、バンド７１、コネクター７２及び ループ７３を含む。ループ７３は、開口部７４を規定している。好ましくは、バ ンド７１及びループ７３は、円形の又は楕円形の横断面を有し、そしてコネクタ ー７２は長方形の横断面を有する。拘束機構７０は、好ましくは、ナイロン、ポ リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びこれらのポリマーの１以上の コポリマーよりなる群より選ばれる適当なポリマー又はコポリマーからなる。拘 束機構７０が、２つの別個のポリマーから構成されうること、例えば、バンド７ １が堅いポリエチレン／ポリプロピレンコポリマーから作られ、一方コネクター ７２及びループ７３がより可撓性のポリマー例えばポリエチレンから作られるこ とは、本発明の範囲内である。 本発明の他の実施態様が図１９及び２０に示されている。拘束機構８７は、コ ネクター８２によって連結されたループ手段８１を有する拘束バンド８０を含む 。ループ手段８１は、ステント８５の遠位端８４がカテーテル８６に対して保持 されるように拘束ワイヤ８３に相対的に配置される。拘束機構８７は、シース８ ８によって、部分的に又は完全に覆われうる。更に、拘束機構８７の一部は、ノ ッチ又は溝８７内に装着されうる。 本明細書に記載されたステントデリバリーシステムは、示したステント並びに 他の拡張可能なステントのために有用であることが意図される。好ましいステン ト、例えば本明細書中で示したステントは、米国特許第５２４６４４５号明細書 に記載されており、これは引用することにより本 明細書の一部である。 特に、好ましいステントは、人体に許容される物質から成る立体螺旋（ヘリッ クス）状に巻かれたワイヤを含み、そして該ワイヤは、その上、体液により腐蝕 されたり又は攻撃されたりしない。このような物質（これはまた、生理学的に又 は医学的に許容される物質として知られている）は、本発明の目的のための、公 知の物質の１以上であり得る。本発明で特に有用なのは、金属、例えば、ステン レススチール、金メッキされた医療用のステンレススチール、シリコーン、重炭 酸又はポリテトラフルオロエチレンでコートされたステンレススチール、例えば ＴＥＦＬＯＮ（商標）、タンタル、チタン、超弾性アロイ、例えばニッケル−チ タン（Ｎｉ−Ｔｉ）アロイ（Ｎｉｔｉｎｏｌ又はＴｉｎｅｌとして市販されてい る）、又は生体吸収性物質である。ワイヤは、典型的には、約０．１〜１．０ｍ ｍ、好ましくは約０．１５〜０．６０ｍｍの直径を有する。更に、楕円形の、長 方形の、ステップを有する長方形の、又はＳ字形のワイヤが、ステント製造に適 している。 ステントの巻きが実質的に堅いこと、デバイスの外側表面が実質的に連続する こと、その結果、導管又は管の内部の内層を”通過する漏れ”が防げることが重 要である。しかしながら、管の壁中にステントを組み込むことが好ましい場合に は、約０．１〜２．０ｍｍの空間が、コイルのループ間に残される。 本発明において有用な好ましいステントは、ステントの 遠位端及び近位端にて厚くなった領域を有する。しかしながら、本明細書におい ては上記の点は、”ボール５”となっており、各々のボール５は、記載された” ボール”としての機能の限りにおいて、球状又は非球状であることができる。例 えば、図１３及び１４に示された実施態様において、”ボール５”は、単に、非 球状の厚くなった領域、例えば、卵形、円錐形或いは涙のしずく形、又は機能的 に同等である、ループ、穴或いはカギであることができ、それらはステントの端 を拘束するためにループ５３と協同する。 デバイスの外側の直径及び長さは、意図される使用に従って変わる。前立腺又 は尿の使用のためには、巻かれたデバイスの外径は、典型的には約１０〜４０フ レンチ（約３．３〜１３．３ｍｍ）であり、そしてデバイスの長さは、約２〜１ ５ｃｍ、好ましくは約４〜１２ｃｍの間で変化しうる。更に、デバイスがワイヤ によって連結された２つの螺旋状物を含むことができ、螺旋状物及びワイヤが好 ましくは連続したワイヤであることも本発明の範囲内である。 ニッケル−チタンアロイ（Ｎｉｔｉｎｏｌ）の螺旋状の特性は、ステントの製 造のために用いられる。ニッケル−チタンアロイは、所与の温度、例えば、体温 （３７℃）にて、超弾性を有することができる。”超弾性”なる言葉は、実質的 な変形の後に負荷を取り除くと元の形に戻る、ある種のアロイの特性を示すため に用いられる。超弾性アロイは、可塑的に変形されることなしに、元の弾性物質 の１０倍以上にまで変形させられ得る。このような超弾性は、デ リバリーカテーテルを覆って非常に小さい直径にまでステントを圧縮することを 可能とする。弾性はまた、形状記憶物質としてのＮｉｔｉｎｏｌにおいても有効 であるが、その時は、放射方向の力がより低く、かつステントの挿入の間に温度 変化が与えられなければならず、手順は、挿入をより複雑、困難かつ危険なもの にする。 本発明の他の適用は、尿道前立腺管腔を非常に大きな直径（直径３０〜４０ｍ ｍ）にまで開き、前立腺交連の強制拡張及び前立腺組織の収縮を結果することで ある。この方法は、前立腺管腔の開口及び、腺の圧によって起こる閉塞からの患 者の解放を結果する。この方法は、尿道前立腺を長期間にわたり（数日まで）ゆ っくりと開口する点、及び前立腺組織上の定圧が圧迫萎縮を起こす点において、 前立腺のバルーン拡張より有利である。この萎縮は、前立腺容量をより小さくし 、そしてそうすることによって、尿道前立腺を通る良好な尿の流れを可能とする 。（バルーン拡張は、前立腺交連の強制拡張のみを引き起こす。）このことは、 前立腺のバルーン拡張において当てはめることができない。何故なら、この短時 間の方法においては、前立腺交連の引き裂きのみであり、例えばゆっくりした前 立腺の拡張で起こるような前立腺細胞の萎縮及び減少はないからである。 前立腺狭窄又は外部の括約筋近くの尿道狭窄においては、第一の狭窄において 膀胱まで、そして第二の狭窄においての陰茎道の方へステントを移動することは 非常に危険なこ とである。このことを克服するために、その他の２つの部品、即ち、その他の開 口ワイヤ及びその他の短い閉じたループ（１〜２ｃｍ）がステントに付加される 。真っ直ぐなワイヤは、尿道の定まった最も強い部分である外側の括約筋領域中 にステントを保持するためのものである。このような系は、Ｐｒｏｓｔａｃａｔ ｈ（前立腺ステント）中、及び更にフランスで製造された尿道人工器官中に存在 する。 これらのステントの両者において、ワイヤは真っ直ぐなワイヤであり、該ワイ ヤは、ステントの可撓性を小さくし、そして両螺旋状物（一つは、他方に対して ある角度にある）の容易な動きを許さない。この状況は、尿道球及び尿道前立腺 においてより大きな定圧を与え、そして尿道管腔並びに尿道穿孔／瘻孔中へのス テント穿通を起こしうる（例は、文献で報告されている）。 ここで、ステントの円周において半回転から１回転の真っ直ぐなワイヤカーブ が、２つのコイルの間で用いられる。このことは、ワイヤをより可撓性にし、そ してステントの遠位及び近位の弾性部分の両者をより自由に動けるようにする。 更に、それは、このループワイヤがステント管腔の”周囲”中に進んだときに、 ステント管腔を通って器具が通過するのを邪魔しない。 前記の特定の実施態様は、本発明の実施の説明である。しかしながら、本技術 分野の熟練者にとって公知の又は本明細書中に開示された他の手段が、本発明の 考え又は添付の請求の範囲から離れることなしに用いられ得るというこ とが理解されるべきである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 グロベルマン，オーレン イスラエル国，58 543 ホーローン，エ リコ 14

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．遠位端及び近位端を有するカテーテル、ここで、該カテーテルは、そこを通 って延びる中央の管腔及び第二の管腔を規定し、かつ第二の管腔からカテーテル の表面へと放射方向に延びる長さ方向に配置された２つの開口部を有する、 離れた近位端及び遠位端を有する可撓性で拡張可能なステント、ここで、該ス テントは該カテーテルの円周に配置されており、かつ該離れた端は該ステントを 適当な位置に保持するために該開口部中へと延びている、及び 第二の管腔中に配置されかつそこを通って延びる少なくとも一つの解放ワイヤ 、ここで、該一又は複数の解放ワイヤは、解放ワイヤが近位方向に動かされた場 合に、該ステントの離れた端を放射方向に動かすことができる少なくとも一つの 円錐型の押し部材を固定して含んでいる、を含む、可撓性で全体的に円筒状の拡 張可能なステントを移植するための装置。 ２．ステントの離れた端がボールを有する請求の範囲第１項に記載の装置。 ３．一つの解放ワイヤのみが存在する請求の範囲第１項に記載の装置。 ４．解放ワイヤが２つの押し部材を含む請求の範囲第３項に記載の装置。 ５．押し部材が、該開口部間の距離と等しい距離にて間隔を置いて配置されてい る請求の範囲第４項に記載の装置。 ６．押し部材間の距離が該開口部間の距離と異なっている請求の範囲第４項に記 載の装置。 ７．ステントが超弾性アロイからなる請求の範囲第１項に記載の装置。 ８．超弾性アロイがニッケル−チタンアロイ（Ｎｉｔｉｎｏｌ）である請求の範 囲第７項に記載の装置。 ９．アロイが、超弾性である、即ちステント直径の縮小の後にステントが元のほ どかれた形をとるほどの高い弾性を有する請求の範囲第８項に記載の装置。 １０．遠位端及び近位端を有するカテーテル、ここで、該カテーテルは、そこを 通って延びる中央の管腔及び１つ〜３つの第二の管腔を規定し、かつ第二の管腔 からカテーテルの表面へと放射方向に延びる長さ方向に配置された２つ又は３つ の開口部を有する、 離れた近位端及び遠位端を有する可撓性で拡張可能なス テント、ここで、該ステントは該カテーテルの円周に配置されている、 第二の管腔中に配置されかつそこを通って延びる１以上の解放ワイヤ、及び それぞれステントに対して近位及び遠位に配置された２つ又は３つの拘束手段 、ここで、該拘束手段の各々は２つの端を有するループ部材を含み、該ループ部 材が該ステントの端の外側表面を横切って配置されかつ解放ワイヤと交わるため にそれぞれの放射方向の開口部中に延びるように、そして該解放ワイヤが近位方 向に引かれたときにループ部材がステントの端を解放してステントがほどけるよ うに、該端の一つはカテーテルの外側表面上に配置されかつもう一つの端はその 中に開口部を有する、を含む、可撓性で全体的に円筒状の拡張可能なステントを 移植するための装置。 １１．ループ部材が可撓性である又は堅い請求の範囲第１０項に記載の装置。 １２．ループ部材が、該ステントの端の各々の側上の解放ワイヤの周りに配置さ れている請求の範囲第１０項に記載の装置。 １３．ループ部材が、該ステントの端の一つの側上の解放ワイヤの周りに配置さ れている請求の範囲第１０項に記載 の装置。 １４．ステントが超弾性アロイからなる請求の範囲第１０項に記載の装置。 １５．一つの解放ワイヤのみが存在する請求の範囲第１０項に記載の装置。 １６．２つの解放ワイヤが存在し、ワイヤがそれぞれ、ステントの近位端及び遠 位端にてループ部材と係合している請求の範囲第１０項に記載の装置。 １７．各々の解放ワイヤが各々別個の第二の管腔を通って延びる請求の範囲第１ ６項に記載の装置。 １８．２つの拘束手段のみが存在し、該拘束手段がそれぞれ、ステントの近位端 及び遠位端に配置されている請求の範囲第１０項に記載の装置。 １９．３つの拘束手段が存在し、該拘束手段がそれぞれ、ステントの近位端、中 間及び遠位端に配置されている請求の範囲第１０項に記載の装置。 ２０．カテーテルが、実質的にステントと同一の広がりを持つ縮小された外径の 断面を有する請求の範囲第１０項に 記載の装置。 ２１．遠位端及び近位端を有するカテーテル、ここで、該カテーテルは、そこを 通って延びる中央の管腔及び１つ〜３つの第二の管腔を規定し、かつ第二の管腔 からカテーテルの表面へと延びる長さ方向に配置された２つ以上の開口部を有す る、 離れた近位端及び遠位端を有する可撓性で拡張可能なステント、ここで、該ス テントは該カテーテルの円周に配置されている、 第二の管腔中に配置されかつそこを通って延びる少なくとも一つの解放ワイヤ 、及び ２つ又は３つの拘束手段、ここで、拘束手段の内の２つは、ステントのそれぞ れの端に配置されかつ各々がステントのそれぞれの端を越えて延びている拘束部 材を有し、そして、解放ワイヤが近位方向に引かれたときにステントの一方又は 両方の端が拘束部材から解放されてステントが拡がるように、解放ワイヤは、ス テントの一方又は両方の端を保持し、かつそれによりステントを適当な位置に保 持するめに、該開口部の少なくとも一つを通って延びる、を含む、可撓性で全体 的に円筒状の拡張可能なステントを移植するための装置。 ２２．各々の拘束部材が可撓性である又は堅い請求の範囲第２１項に記載の装置 。 ２３．拘束部材が、該ステントの各々の側上の解放ワイヤの周りに配置されてい る請求の範囲第２１項に記載の装置。 ２４．拘束部材が、該ステント端の一方の側上の解放ワイヤの周りに配置されて いる請求の範囲第２１項に記載の装置。 ２５．ステントが、超弾性アロイからなる請求の範囲第２１項に記載の装置。 ２６．一つの解放ワイヤのみが存在する請求の範囲第２１項に記載の装置。 ２７．２つの解放ワイヤが存在し、ワイヤがそれぞれ、ステントの近位端及び遠 位端にてループ部材と係合している請求の範囲第２１項に記載の装置。 ２８．各々の解放ワイヤが各々別個の第二の管腔を通って延びる請求の範囲第２ ７項に記載の装置。 ２９．２つの拘束手段のみが存在し、該拘束手段がそれぞれが、ステントの近位 端及び遠位端に配置されている請求の範囲第２１項に記載の装置。 ３０．３つの拘束手段が存在し、該拘束手段がそれぞれが、 ステントの近位端、中間及び遠位端に配置されている請求の範囲第２１項に記載 の装置。 ３１．カテーテルが、実質的に該ステントと同一の広がりを持つ縮小された外径 の断面を有する請求の範囲第２１項に記載の装置。 ３２．遠位端及び近位端を有するカテーテル、ここで、該カテーテルは、そこを 通って延びる中央の管腔及び第二の管腔を規定し、かつ第二の管腔からカテーテ ルの表面へと放射方向に延びる長さ方向に配置された２つの開口部を有する、 離れた近位端及び遠位端を有する可撓性で拡張可能なステント、ここで、該ス テントは該カテーテルの円周に配置されており、かつ該離れた各端は、該ステン トを適当な位置に保持するために該開口部中に延びている、及び 第二の管腔中に配置されかつそこを通って延びる解放ワイヤ、ここで、該解放 ワイヤは、解放ワイヤが近位方向に動かされた場合に、該ステントの一つの離れ た端を放射方向に動かすことができる押し部材を固定して含んでおり、ここで、 第二の管腔は実質的に弓形であり、押し部材は類似した形の横断面を有し、押し 部材の近位部分は２つの向い合って配置された傾斜面を有し、そしてカテーテル の開口部は、解放ワイヤが遠位方向に引かれた場合に、一方の傾斜面が一つの開 口部の面を横切りかつ他方の傾斜面が他 の開口部の面を横切るように中心からずれて配置されている、 を含む、可撓性で全体的に円筒状の拡張可能なステントを移植するための装置。 ３３．ステントの離れた端がボールを有する請求の範囲第３２項に記載の装置。 ３４．ステントが超弾性アロイからなる請求の範囲第３２項に記載の装置。