JPH08508163A - クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体 - Google Patents

クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体

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JPH08508163A JP6521115A JP52111594A JPH08508163A JP H08508163 A JPH08508163 A JP H08508163A JP 6521115 A JP6521115 A JP 6521115A JP 52111594 A JP52111594 A JP 52111594A JP H08508163 A JPH08508163 A JP H08508163A
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Abstract

(57)【要約】 ヒトアドレナリン受容体のα1Cサブタイプをクローニングし、in vitroアッセイを使用してヒトアドレナリンα1C受容体に特異的に結合する化合物をスクリーニングする。該化合物は、良性前立腺肥大の症状を軽減するために有効な化合物を包含する。本発明は、このようなアッセイ、アッセイで使用されるクローン化ヒト受容体、及び他のヒトタンパク質が除去された単離ヒトアドレナリンα1C受容体、及び、ヒトアドレナリンα1C受容体に選択的に結合し、この新規なクローン化受容体の使用によって同定される化合物を包含する。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体関連出願の引照 本出願は、1993年3月15日出願の審査中の米国特許出願第08/032 ,849号の一部継続出願である。発明の背景 i.発明の背景 本発明は、ヒトアドレナリンα1C受容体アンタゴニストとして使用する化合 物の効力及び選択性をクローン化ヒトα1受容体を用いて判定する方法に関する 。本発明はまた、クローン化受容体自体、本発明方法によって同定された化合物 、かかる化合物を単独でまたは他の作用薬との併用によって使用する方法に関す る。本発明によって同定された化合物と、テストステロン5-αレダクターゼイ ンヒビターとの併用は、病状軽減、特に良性前立腺過形成(良性前立腺肥大、B PHとしても知られる)の病状軽減のために特に好ましい。 ii.背景 ヒトアドレナリン受容体は、アドレナリンα受容体とアドレナリンβ受容体と の2種類に大別される複合的(in tegral)膜タンパク質である。どちらの種類も、カテコールアミン、ノル エピネフリン及びエピネフリンと結合することによって末梢交感神経系の作用を 媒介する。 ノルエピネフリンはアドレナリン作動性神経終末によって産生され、エピネフ リンは副腎髄質によって産生される。これらの化合物に対するアドレナリン受容 体の結合親和性が分類の1つの基礎となる。α受容体は、エピネフリンに対する よりも強力に、また合成化合物イソプロテレノールに対するよりもはるかに強力 にノルエピネフリンに結合する。β受容体の場合にはこれらのホルモンとの結合 親和性が逆転する。多くの組織中では、平滑筋収縮のようなα受容体の活性化に よって誘発される機能性応答と、β受容体の結合によって誘発される応答とが対 立している。 その後、種々の動物及び組織のソースから得られた受容体の薬理学的キャラク タリゼーションによって、α受容体とβ受容体との機能の差異をより明確に且つ 詳細に識別できるようになった。その結果、アドレナリンα受容体及びアドレナ リンβ受容体を更に、α1、α2、β1及びβ2というサブタイプに細分した。 α1受容体とα2受容体との機能的な差異が認識され、これらの2種類のサブタ イプ のどちらかに選択的に結合する化合物が開発された。即ち、WO92/0073 では、アドレナリン受容体のα1サブタイプに選択的に結合するテラゾシンのR (+)鏡像異性体の選択的能力が報告された。α2受容体のアゴニスト刺激はエ ピネフリン及びノルエピネフリンの分泌を阻害し、α2受容体のアンタゴニスト 作用は逆にこれらのホルモンの分泌を増進すると考えられるので、上記化合物の α1/α2選択性は重要な意義を有していると開示された。従って、フェノキシ ベンザミン及びフェントラミンのように、アドレナリンα2受容体に媒介されて 血漿カテコールアミン濃度の増加を誘発しこれに伴って生理的続発症(心拍数増 加及び平滑筋収縮)を生じさせる非選択性アドレナリンα遮断薬の使用を減らす ことができる。 アドレナリンα受容体に関する背景情報の概論としては、Robert R. Ruffolo,Jr.,α−Adrenoreceptors:Molecu lar Biology,Biochemistry and Pharmac ology ,(Progress in Basic and Clinica l Pharmacology シリーズ、Karger,1991)が注目され ており、該文献では、α 1/α2下位分類の基礎、分子生物学、シグナル形質導入(G-タンパク質相互 作用、並びに、アドレナリンα受容体の3’-末端から離れていてG-タンパク質 相互作用及びリガンド結合活性に重要な部位の所在)、アゴニスト構造と活性と の関係、受容体機能、及び、アドレナリンα受容体親和性を示す化合物の治療的 用途が開示されている。 動物組織由来のα受容体サブタイプのクローニング、配列決定及び発現は、α 1受容体をα1A(Lomasneyら,J.Biol.Chem.266:6 365-6369(1991),ラットα1A;Brunoら,BBRC17 :1485-1490(1991),ヒトα1A)、α1B(Cotecch iaら,PNAS85;7159-7163(1988),ハムスターα1B ;Libertら,Science,(1989),イヌα1B;Ramara oら,J.Biol.Chem.267:21936−21945(1992) ,ヒトα1B)の下位分類を可能にし、より最近では、ウシ脳を用いた研究によ って新しくα1Cサブタイプが提唱されている(Schwinnら,J.Bio l.Chem. ,265:8183−8189,1990;Hirasawaら、BBRC 195:902-909(1993)は、 ヒトアドレナリンα1C受容体のクローニング、機能発現及び組織分布を記載し た;Hoeheら,Human Mol.Genetics (5):349( 8/92)は、アドレナリンα1C受容体遺伝子中の2対立遺伝子PstI制限 断片多型の存在を指摘した:別の研究はα1D受容体サブタイプの存在さえも示 唆した、Perezら,Mol.Pharm.40:876-883,1992 )。α1受容体サブタイプの各々はそれ自体の薬理学的特異性及び組織特異性を 示す。Schwinn及び彼の共同研究者らは、クローン化ウシα1C受容体が α1Aサブタイプに属すると考えられていた薬理学的特性を示すことを指摘した 。しかしながら、α1Aサブタイプを発現させる組織中で発現しないこと及びク ロロエチルクロニジンに感受性であることに基づいてこの受容体に新しい名称が 与えられた。 アドレナリンα受容体サブタイプの分類は病態生理学的症状に関連する。良性 前立腺肥大BPHは典型的には年齢50歳以上の男性の病気であり、その症状は 加齢に伴って悪化する。この病気の症状としては排尿困難及び性的機能不全があ るがこれだけではない。これらの症状は前立腺の腫脹または肥大によって誘発さ れる。前立腺の寸法増大に 伴って男性尿道を通る流体の自由な流れに妨害が生じる。同時に、腫脹した前立 腺のノルアドレナリン神経支配が増し、膀胱頚部及び尿道のアドレナリン緊張が 増し、尿道を通る尿流が更に制流される。 前立腺肥大のメカニズムは十分に理解されている。男性ホルモンである5α- ジヒドロテストステロンが主因であると同定されている。男性の生涯を通じて、 男性精巣による5α-ジヒドロテストステロンの連続的産生が前立腺を次第に増 殖させる。多くの男性では、ほぼ50歳を過ぎると、この腫脹した前立腺が上記 に指摘したような病理症状によって尿道を閉塞し始める。 上記に要約したようなメカニズムの解明の結果として最近では、BPHの悪化 を抑制し多くの場合には逆転するために有効な作用薬が開発されている。これら の作用薬の中心的存在がMerck & Co.,Inc.の製品PROSCAR (登録商標)(フィナステリド)である。この化合物は、テストステロンを5α -ジヒドロテストステロンに変換する酵素であるテストステロン5−αレダクタ ーゼを阻害する作用を有しており、その結果として、前立腺腫脹が抑制され、し ばしば前立腺腫瘤が縮小する。 PROSCAR(登録商標)のような作用薬の開発はPBHの長期間抑制に対 しては好ましい展開である。しかしながら、この病気が長期間にわたって進行す ることからも判るように、その回復も直ぐには生じない。BPHに罹患した男性 患者は当分の間は苦しみが続き、実際、作用薬が十分な即効性を発揮するという 望みを失いそうになる。 この問題に応じた1つの解決方法は、即効性の症状軽減を与えることによって 徐効性の治療薬を補完する医薬的に活性の化合物を同定することである。アドレ ナリンα1受容体に結合して尿道平滑筋の緩和を誘発し、これによって病気のた めに高められたアドレナリン緊張を減少させる作用薬がこの活性の有望な候補と なるであろう。このような作用薬の1つが、前立腺肥大の場合に排尿を誘発する ための、欧州特許EP0204597に報告されたアルフゾシンである。同様に 、国際特許WO92/0073には、アドレナリン受容体のα1サブタイプに結 合するテラゾシンのR(+)鏡像異性体の選択的能力が報告されている。更に、 参照によってその記載内容が本明細書に含まれる国際特許WO92/16121 3には、5-α-レダクターゼ阻害化合物とアドレナリンα1受容体遮断薬(テラ ゾシン、ドキ サゾシン、プラゾシン、ブナゾシン、インドラミン、アルフゾシン)との併用が 開示されている。しかしながら、これらの化合物のα1A、α1Bまたはα1C サブタイプ特異性に関しては、これらの精製物がまだ入手不可能なので情報が全 くない。本発明は、クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体及びヒトα1C受 容体に結合する化合物の同定方法を提供することによってこの状況を打開する。 典型的には、アドレナリン受容体に富むことが判っている動物組織を使用する ことによって活性化合物を同定する。このため、潜在的なアドレナリン受容体ア ンタゴニストをスクリーニングするためにネズミ組織を使用した。しかしながら 、種変異性のため、動物組織中で活性に見える化合物がヒトにおいては活性でな かったり十分に選択性でなかったりすることもあり得る。この結果、特に多量化 合物のスクリーニングプログラムを使用したときには、かなりの時間及び労力の 浪費となる。また、ヒトにおいては極めて有効な化合物を異種動物受容体に対し ては十分な親和性をもたないという理由で見逃してしまう危険もある。これに関 連して、1つの種においても生物活性タンパク質の配列中の唯1つのアミノ酸変 異が実質的な薬理学的差異を生じる ことが指摘された。例えば、Fongら(J.Biol.Chem.,267:2 5668-25671,1992)は、ヒトニューロキニン-1受容体の配列と相 同ラット受容体との間には22のアミノ酸残基の違いが存在することを指摘した 。彼らは更に、突然変異受容体の研究中に、ヒト受容体中でラット受容体のアン タゴニスト結合親和性を再現するために、2つのアミノ酸残基の置換だけで必要 かつ十分であることを証明した。Oksenbergら(Nature,360 :161−163,1992)は、ヒト及び齧歯類の5-ヒドロキシトリプトア ミン受容体間の主要な薬理学的差異を与えるのが1つのアミノ酸の変異であるこ とを示した。同様に、Kuhseら(Neuron,5:867-873,19 90)は、1つのアミノ酸の交換が、新生ラットのグリシン受容体サブユニット の薬理学的特性を変化させることを示した。上記のように予測が極めて難しく不 可能でさえあるため、ヒトにおいて活性の化合物を同定するための化合物スクリ ーンが要望されていた。 本発明者らは、ヒトアドレナリン受容体の新規なα1Cサブタイプをクローニ ングすることによってこれらの問題を解決した。本発明者らは、その努力の結果 として、ヒト アドレナリンα1C受容体と特異的に相互作用する化合物を同定し得る新規なス クリーニングアッセイの開発に到達した。Marshallら(Br.J.Pha rm .,107:327(1992))は、アドレナリンα1C受容体と特異的 に相互作用する化合物がヒト前立腺の収縮の原因であろうと推測した。本発明は 、ヒトα1C受容体と結合する化合物の同定方法を提供する。更に、化合物と他 のヒトα1受容体サブタイプとの結合について試験し、また、化合物を他の受容 体タイプに対してカウンタースクリーニングすることによって、化合物がヒトア ドレナリンα1C受容体に対する特異性を有するか否かを判断し得る。 本発明によって同定された化合物はBPHの急性症状を軽減するために使用し 得る。本発明方法で同定された新規な作用薬または本発明のアッセイで活性を示 す既知の作用薬は、この病気の急性症状と闘うBPH患者を助けるために新規な 方法で使用され得る。従って本発明は、単独で使用し得るかまたはPROSCA R(登録商標)のようなより持続性の抗BPH治療薬との併用によって使用し得 る化合物を同定するために有用である。本発明の他の用途としては、高度に組織 特異性の局在アドレナリンα1C受容体の 遮断を誘発する化合物の同定がある。この遮断の効果は、眼内圧低下、心臓不整 脈の制御であり、また、α1C受容体に媒介される多数の中枢神経系事象である 。更に、クローン化α1C受容体は、アドレナリンα1C受容体の組織特異的発 現をスクリーニングするために使用され得る。アドレナリンα1C受容体によっ て誘発されるかまたはこれによる分析に使用され得る同様の効果も本発明の一部 を形成している。発明の概要 ヒトアドレナリン受容体のα1Cサブタイプをクローニングし、in vit roアッセイで使用して該受容体に結合する化合物をスクリーニングする。該化 合物は、該受容体の活性を特異的に阻害する化合物も包含する。本発明は、この ようなアッセイ、該アッセイに使用されるクローン化受容体(cDNA)、単離 されたヒトアドレナリンα1C受容体、クローン化受容体を発現する細胞、及び 、この新規なクローン化受容体の使用によって同定された化合物、即ちヒトアド レナリンα1C受容体に選択的に結合する化合物、例えば受容体の特異的アンタ ゴニストを包含する。本発明の1つの実施態様によれば、ヒトα1Aまたはヒト α1B受容体に対する親和性の12倍以上の親和性をヒトα1C受容体に対して 有している化合物を使用して良性前立腺肥大(BPH)を治療する方法が提供さ れる。図面の簡単な説明 図1は、PCRによって得られたヒト心臓mRNAのcDNAの、配列番号4 で示す配列である。 図2は、ヒト心臓から得られた読取り枠の配列番号5で示す配列とウシアドレ ナリンα1C受容体の配列番号6で示す配列との比較である。 図3は、図1の心臓mRNAに由来の配列を用いたヒト海馬cDNAライブラ リーのスクリーニングによって得られたcDNAの、配列番号7で示す配列であ る。 図4は、オリゴヌクレオチドを用いたヒトゲノムDNAライブラリーのPCR 増幅によって得られたヒトα1C遺伝子の3’コーディング領域の、配列番号1 0で示す配列である。 図5は、図3及び図4で示したヒトα1CのDNAの結合部分の、配列番号1 1で示す配列である。 図6は、ヒトアドレナリンα1C受容体の、配列番号12で示すアミノ酸配列 である。 図7は、5’非翻訳領域を示すヒトアドレナリンα1C受容体の、配列番号1 1で示すヌクレオチド配列と配列番号12で示すアミノ酸配列との位置合わせで ある。 図8は、COS細胞中のヒトアドレナリンα1C受容体の発現を示す。発現ベ クター単独をトランスフェクトした細胞及びヒトアドレナリンα1C受容体コー ディング配列を含む発現ベクターをトランスフェクトした細胞から夫々得られた 膜を用いた結合データを示す。 図9は、発現ベクターを含むヒトアドレナリンα1C受容体でトランスフェク トしたCOS細胞から得られた膜を用いた化合物の結合曲線を示す。 図10は、ヒトα1A受容体の、配列番号13で示すヌクレオチド配列である 。 図11は、ヒトアドレナリンα1A受容体の、配列番号14で示すアミノ酸配 列である。 図12は、ヒトアドレナリンα1B受容体の、配列番号17で示す部分配列で ある。 図13は、ヒトアドレナリンα1B受容体の、配列番号20で示す部分配列で ある。 図14は、ヒトアドレナリンα1B受容体の、配列番号 23で示す部分配列である。 図15は、配列番号24で示すヒト/ラットα1Bの複合アドレノレセプター である。 図16は、複合ヒト/ラットα1Bアドレナリン作動性受容体の、配列番号2 5で示すアミノ酸配列である。 図17は、ヒトアドレナリンα1A、1B及び1C受容体の発現ベクターによ ってトランスフェクトされたCOS細胞から得られた膜を用いた化合物の結合曲 線である。 図18は、頭部欠失したヒトアドレナリンα1C受容体の、配列番号26で示 す配列である。 図19は、PstI部位を有するヒトアドレナリンα1C受容体の、配列番号 27で示すヌクレオチド配列である。 図20は、PstI部位をコードする対立遺伝子によってコードされたヒトア ドレナリンα1C受容体の、配列番号28で示すアミノ酸配列である。 図21は、図19の配列番号27のヌクレオチド配列と図20の配列番号28 のアミノ酸配列との位置合わせである。 図22は、ヒトアドレナリンα1A受容体の、配列番号 29で示すヌクレオチド配列である。 図23は、ヒトアドレナリンα1A受容体の、配列番号30で示すアミノ酸配 列である。 図24は、図22の配列番号29のヌクレオチド配列と図23の配列番号30 のアミノ酸配列との位置合わせである。発明の詳細な説明 本発明者らは、ヒトアドレナリンα受容体の1-Cサブタイプを同定し、クロ ーニングし、発現させた。この受容体の部分的コーディング領域を、逆転写酵素 -複製連鎖反応技術RT-PCRによって作製した。即ち、全部のα1受容体の3 つのサブタイプ(A、B、C)5番目及び6番目のトランスメンブランドメイン に保存されているアミノ酸をコードする縮重オリゴヌクレオチドを用いて、ヒト 心臓mRNAを鋳型として用いるRT-PCR反応をプライムした。予想サイズ の産物をクローニングし配列決定した。増幅されたcDNAの翻訳は、ウシα1 C受容体(図2の配列番号5及び6)に95%相同のタンパク質をコードする読 取り枠を生じた。この部分配列を使用して、ヒト海馬ライブラリーからより大き いcDNAクローン(図3、配 列番号6)を作製した。ウシα1C受容体のcDNA配列と6個の最終アミノ酸 とに基づくプライマーを用いたヒトゲノムDNAのPCR増幅によって、残りの コーディング配列が得られた(図4、配列番号10)。次に、図3の配列番号6 及び図4の配列番号10に示す部分配列を用いて完全受容体を組立て、図5の配 列番号11の配列を作製した。この配列の翻訳を図6の配列番号12の配列に示 す。ヌクレオチド配列とアミノ酸配列との位置合わせ及び5’-非翻訳配列を、 図7の配列番号11及び配列番号12に示す。 予め得られた配列番号10のクローンの放射性標識3’-末端の512個のヌ クレオチドでヒトゲノムライブラリーをスクリーニングすることによって、ヒト アドレナリンα1C受容体の3’-末端の6個のアミノ酸を確認した。この方法 で完全なヒトエキソン2を作製し、配列決定した。この遺伝子のヌクレオチド配 列を図19の配列番号27で示し、アミノ酸配列を図20の配列番号28で示す 。出願人らは、このクローンが、以下の事項を除いて遺伝子の出発3’-末端部 分に等しいことを知見した。 (1)新しいクローンと予め得られたクローンとの間に5 個の不活性(silent)ヌクレオチド変異が存在する(終止コドンを含む5 個の最終コドンの各々が第3ヌクレオチド中に不活性変異を有する)、及び、 (2)ヌクレオチド1636位(アミノ酸347)に、シトシンからチミンへの 塩基変異があり、その結果として、この位置にPstI部位が形成され、付随的 に1つのアミノ酸がArgからCysに変異する。従って、Hoeheら〔Hu man Mol.Genetics(5):349(8/92)〕によって 指摘されていた2対立遺伝子PstI制限断片多型(RFLP)の部位の存在及 びその位置が確認された。双方の対立遺伝子のクローンを用いた薬理学的試験に よって、ArgからCysへの変異は薬理学的に識別できないことを確認した( 表II、実施例11、後出)。 クローン化ヒトα1C受容体は哺乳類細胞系(図8参照)中で発現されたとき 、受容体に結合しその機能を変更するリガンドを発見するために使用される。更 に、クローン化α1C受容体は、RNアーゼ保護アッセイによって、大動脈及び 前立腺などのヒト組織中のmRNAレベルを定量し得る。これらの目的のために 、受容体の完全コーディング配列が提供される。しかしながら、受容体のリガン ド結合 及びシグナル形質導入セグメント(G-タンパク質相互作用)がインタクトであ る限り、配列の3’-末端の頭部欠失は受容体の機能に影響を与えない。従って 、配列番号11で与えられた配列に加えて、配列番号26で示される3’端の頭 部欠失した配列が開示されており、これは完全にヒトα1C配列から構成されて いる。 α1C受容体に対して親和性を示す化合物の結合特異性は、クローン化α1C 受容体でトランスフェクトしたCOS細胞から得られた膜に対する親和性と、別 のタイプのアドレナリンαまたはβ受容体を発現することが判っている組織から 得られた膜に対する親和性とを比較することによって証明される。このためには 更に、クローン化ヒトα1A及びハイブリッドヒト/ラットα1B(細胞質カル ボキシ末端領域だけがラット配列)をCOS細胞中で発現されたヒトα1C受容 体と共に使用し得る。クローン化ヒトα1A、α1B及びα1C受容体を発現さ せ、これらの結合特性を既知の選択性アンタゴニストと比較する方法は、化合物 を選択し予測可能な薬理学的活性を有する新規な化合物を発見するための合理的 な方法である。 ひとたびヒト受容体をクローニングしCOS細胞または CHO細胞のような細胞中で発現させると、受容体から他のヒトタンパク質が除 去される。次に、膜関連受容体結合アッセイのために当業界で周知の方法によっ て、ヒトアドレナリンα受容体の種々のサブタイプを発現する細胞から膜を単離 する。例えば、Schwinnら(J.Biol.Chem.265:8183-8 189,1990)の方法を使用し得る。問題の化合物を使用して、既知の定量 可能なα受容体リガンドと競合的に結合させる。例えば、放射性標識したプラゾ シン、ニグルジピン、5-メチルウラピジル、テラゾシン、ドキサゾシン、フェ ノキシベンザミン、WB4101、ベノキサチアン、HEAT(2-〔β-(4- ヒドロキシ-3-ヨードフェニル)エチルアミノメチル〕テトラロンまたはフェン トラミンをこのために使用し得る(例えば、Robert R.Ruffolo ,Jr.,α-Adorenoreceptors:Molecular Bio logy,Biochemistry and Pharmacology,( Progress in Basic and Clinical Pharm acology series,Karger,1991),29頁参照)。12 5 ヨウ素検出が容易なので、このためには125I-HEATが好ま しい。標識されない試験化合物の量が増加すると、競合によって標識化合物が受 容体から排除される。これらの実験から、各試験化合物及び受容体サブタイプの IC50値を決定する。 従って、本発明によれば、以下の段階を含むヒトα1C受容体に特異的な化合 物の同定方法が提供される。 a.ヒトアドレナリンα1C受容体をクローニングする、 b.クローン化アドレナリンα1C受容体を発現ベクターにスプライシングし、 原核細胞または真核細胞に構築物を導入したときに受容体の発現が誘発されるべ く十分な転写及び翻訳シグナルにα1C受容体が操作可能に結合された構築物を 作製し、 c.導入される上記構築物の非存在下ではヒトアドレナリンα1C受容体を発現 しない原核細胞または真核細胞に上記構築物を導入し、 d.段階c.で産生された細胞から単離した細胞または膜を、ヒトアドレナリン α受容体に結合することがわかっている、定量可能化合物と共にインキュベート し、次いで定量可能化合物を競合によって受容体から排除するためにあ る濃度範囲で試験化合物を添加し、定量可能化合物の50%が受容体から排除さ れたときの試験化合物の濃度を試験化合物のIC50として測定し、 e.段階d.のインキュベーション条件と同じ条件下で、 ヒトα1C受容体以外の導入されたクローン化ヒトアドレナリンα受容体のサブ タイプを天然に発現するかまたは有している細胞または細胞の膜をインキュベー トし、非α1C受容体に対する試験化合物のIC50を測定し、 f.α1C受容体に対する試験化合物のIC50とα1C以外のアドレナリンα受 容体のサブタイプに対する試験化合物のIC50とを比較し、α1C受容体に対す るIC50が低いほうの化合物を同定する。 ヒトアドレナリンα1C受容体の配列を提供することに加えて、本発明者らは また、Brunoら〔BBRC 179:1485-1490(1991)〕によ って報告された配列とは異なるヒトアドレナリンα1A受容体の配列を発見した 。新しい配列はラットアドレナリンα1A受容体の配列により高い相同を示して いる。この新規なヒトアドレナリンα1A受容体の配列が本発明で開示され、請 求の範囲に記載されている(実施例12、図22、23、24、配 列番号29及び30参照)。これらの2つの受容体間のアミノ末端アミノ酸の違 いに基づくリガンド結合の違いはこれまで全く観察されなかったが、これらの違 いを判定するためには、化合物を双方のクローンでスクリーニングする方法しか ない。本発明によって新規なヒト配列が提供されるので、これまでに公表された ヒトアドレナリンα1A受容体配列を用いて本発明方法に従って同定された化合 物は、このクローンに対して確認できる。 上記に説明し更に下記に例示するクローニング、配列決定、発現及びスクリー ニング作業の結果として、多数の化合物について、クローン化ヒトα1C受容体 に高い親和性で特異的に結合する能力を試験した。ヒトアドレナリンα1C受容 体に特異的な化合物、即ち、ヒトα1Aまたはヒトα1B受容体に対する親和性 の12倍以上の親和性をヒトα1Cに対して有している化合物をこの方法によっ て同定する。このようにして、S(+)ニグルジピン、(S(+)-1,4-ジヒ ドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン 酸3-(4,4-ジフェニル-1-ピペリジニル)-プロピルメチルエステル塩酸塩 )、及び、5-メチルウラピジル(5-メチル-6〔〔3-〔4-(2-メトキ シフェニル)-1-ピペラジニル〕プロピル〕アミノ〕-1,3-ジメチルウラシル )などの化合物がヒトアドレナリンα1C受容体に選択的に結合することが知見 された。これらの化合物は、BPHのように治療を必要とする場合にα1C受容 体に拮抗すべく有効な薬用量で投与され得る。 本発明の方法に従ってヒトアドレナリンα1C受容体の選択的なアンタゴニス トであると同定された化合物は、カウンタースクリーニングによって更に明らか になる。これは、種々の生物機能の媒介を担当する他の受容体を用いて当業界で 公知の方法で行われる。ヒトアドレナリンα1受容体の種々のサブタイプ間で選 択性であり且つアドレナリンα2受容体、アドレナリンβ受容体、ムスカリン受 容体、セロトニン受容体などの他の受容体に低親和性である化合物が特に好まし い。このような非特異的活性の欠如は、本文中に開示された方法と同様に、発現 されたクローン化受容体を用いて種々のヒトアドレナリンα1受容体に高親和性 の化合物を同定する方法によって確認できる。更に、機能性生物試験を使用して 、同定された化合物がアドレナリンα1C受容体アンタゴニスト作用を有するか 否かを確認する。 本特許の開示に従って同定された化合物は、潜在する毒性を最小限に抑えてヒ トアドレナリンα1C受容体の最適な阻害を達成するために、定型的な試験方法 によって決定される適正用量で単独使用され得る。更に、BPHの作用を軽減す る他の作用薬を同時投与または順次投与するのが望ましい。即ち、1つの実施態 様によれば、本文の開示に従って同定された化合物とヒトテストステロン5-α レダクターゼインヒビターとを投与する。多くのこのような化合物が現在も当業 界で周知であり、例えば、PROSCAR(登録商標)(フィナステリドという 名称でも知られる4-アザ-ステロイド、例えば参照によってそれらの記載内容が 本明細書に包含される米国特許第4,377,584号及び第4,760,07 1号参照)のような化合物がある。本発明に従って同定された化合物は、ヒト5 -αレダクターゼアイソザイム2に対して選択性を有するので主として前立腺組 織中で活性のPROSCAR(登録商標)と、アイソザイム1(特に皮膚から検 出される)の阻害に特異的に活性の化合物類との組合わせで併用してもよく、ま た、双方のアイソザイムに作用する化合物類と併用してもよい。 良性前立腺肥大(BPH)のようなアンドロジェン過剰症 の治療及び/または前立腺癌の予防及び治療、並びに前立腺炎の治療には、ジヒ ドロテステロンの産生を有意に阻害するように双方のアイソザイムに活性の完全 薬(drug entity)を得るのが望ましい。また、尋常性ざ瘡、脂漏症 、女性多毛症及びアンドロジェン性脱毛症などの皮膚及び頭皮の症状を治療する ためには、双方のアイソザイムに対する二重インヒビターとして活性の完全薬を 得るのが望ましい。更に、このような5α-レダクターゼ1及び2に対する二重 インヒビターは、5α-レダクターゼ1インヒビターまたはフィナステリド(P ROSCAR(登録商標))のような5α-レダクターゼ2インヒビターと併用 でき、本発明に従ってヒトアドレナリンα1C受容体の選択的アンタゴニストで あると同定された化合物と併用してアンドロジェン過剰症の症状を治療する併用 療法に使用できる。5α-レダクターゼアイソザイムの二重インヒビターはまた 、カリウムチャンネルオープナー例えばミノキシジルと併用して、男性型禿頭症 の治療に使用でき、この組み合わせとヒトアドレナリンα1C受容体の選択的ア ンタゴニストとの併用も本発明の一部を形成する。5α-レダクターゼ1及び2 の二重インヒビターとして活性の化合物は、 WO93/23420,EP0572166;WO93/23050;WO93 /23038;WO93/23048;WO93/23041;WO93/23 040;WO93/23039;WO93/23376;WO93/23419 ,EP0572165;WO93/23051に記載されている。これらの各々 の記載内容は本明細書に含まれるものとする。 本発明の目的はまた、本発明の新規な治療方法に使用するための適当な外用、 経口、全身性及び非経口医薬製剤を提供することである。ヒトアドレナリンα1 C受容体の特異的拮抗作用に使用するための有効成分であることが本発明によっ て同定された化合物を含有する組成物は、全身性投与に適した慣用の賦形剤中の 種々の治療薬剤形で投与できる。例えば、化合物を、錠剤、カプセル剤(各々が 定期放出製剤及び持続放出製剤を含む)、丸剤、散剤、顆粒剤、エリキシル剤、 チンキ剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤及び乳濁液剤のような経口剤形または 注射によって投与し得る。同様に、化合物は、静脈内(注射(bolus)及び 注入)、腹腔内、皮下、吸蔵を任意に伴う外用、または筋肉内の形態で投与され てもよい。いずれの形態も製薬業者 には周知の形態である。有効ではあるが毒にはならない量の所望化合物をα1C 拮抗薬として使用し得る。 生成物の日用薬用量は、1日に成人1人あたり0.01〜1,000mgの広い 範囲内で変更し得る。経口投与の場合には、要治療患者に対する薬用量を症状に 応じて調節できるように、組成物が0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、 2.5、5.0、10.0、15.0、25.0及び50.0mgの有効成分を含む刻 み目付きまたは刻み目なしの錠剤の形態で提供されるのが好ましい。通常は、有 効量の薬剤が、1日に体重1kgあたり約0.0002mgから約50mgとな る薬用量レベルで投与する。より特定的にはこの範囲は、1日に体重1kgあた り約0.001mgから7mgである。アドレナリンα1C受容体及びテストス テロン5-αレダクターゼインヒビターを併用するときにはそれらの投与量を所 望の効果を得るように調節する。当業者には理解できるであろうが、アドレナリ ンα1C受容体インヒビターによる治療を開始してBPHの急性症状を軽減した ときには、5-αレダクターゼインヒビターの必要量は少ない。また、これらの 種々の作用薬の薬用量を個別に最適化し、いずれかの作用薬を単独使用したとき よ りも病状を軽減する相乗効果を得るように併用してもよい。 本発明の化合物は、1日分の薬用量を1回で投与するか、または1日分の薬用 量を2回、3回または4回に分けて投与するのが有利である。更に、本発明の化 合物は、適当な鼻腔用賦形剤の外用のように経鼻腔形態で投与してもよく、また は当業者に周知の皮膚浸透性皮膚貼付薬の形態を用いて皮膚浸透経路で投与して もよい。皮膚浸透デリバリー系の形態で投与できれば勿論、投薬計画全体にわた って薬剤が断続的でなく連続的に供給されるであろう。尋常性ざ瘡、男性型禿頭 症を含むアンドロジェン性脱毛症、脂漏症、女性多毛症、良性前立腺肥大、前立 腺炎の治療、前立腺癌の予防及び/または治療のためには、12倍以上の選択性 でアドレナリンα1C受容体阻害を示す化合物を、4,7β-ジメチル-4-アザ- 5α-コレスタン-3-オンのような5α-レダクターゼ1インヒビターに加えて、 治療有効量のフィナステリドのような5α-レダクターゼ2インヒビターと共に 、経口、全身性または非経口用の単一医薬製剤の形態にして併用し得る。または 、アドレナリンα1C受容体アンタゴニストと5α-レダクターゼ1または2イ ンヒビタ ーとを、経口、全身性または非経口用の個別の製剤として投与する併用療法も使 用できる。また、尋常性ざ瘡、男性型禿頭症を含むアンドロジェン性脱毛症、脂 漏症、女性多毛症のような皮膚及び頭皮関連疾患に対しては、本発明の化合物及 び5α-レダクターゼ1及び2に対する二重インヒビターを外用投与に適した製 剤として調製し得る。例えば、ニグルジピンまたは5-メチルウラピジルとフィ ナステリドとを経口用もしくは外用の単一製剤として投与してもよく、または、 有効な作用薬の各々を別々の製剤、例えば別々の経口用製剤として投与してもよ く、または、フィナステリドの経口用製剤と5α-レダクターゼの2つのアイソ ザイムの二重阻害を示す化合物から成る外用製剤とを併用してもよい。5α-レ ダクターゼインヒビターの薬用量及び製剤形態に関しては米国特許第4,377 ,584号及び第4,760,071号の記載を参照するとよい。 更に、5α-レダクターゼインヒビターは、治療有効量のカリウムチャンネル オープナー、例えば、ミノキシジル、クロマカリン、ピナシジル、S-トリアジ ン、チアン-1-オキシド、ベンゾピラン、ピリジノピラン誘導体のクラスから選 択された化合物または医薬として許容されるその塩 との併用投与が有用であることが知見されたので、本発明の化合物は、男性型禿 頭症を含むアンドロジェン性脱毛症を治療するための併用療法にも使用され得る 。活性物質を単一の外用製剤として投与してもよく、または各活性物質を個別の 製剤として、例えば個別の外用製剤として投与してもよく、または式Iの化合物 の経口製剤を例えばミノキシジルのような外用製剤と併用してもよい。カルシウ ムチャンネルオープナーの薬用量及び製剤形態に関しては米国特許第4,596 ,812号及び第4,139,619号並びに1992年2月20日公開のWO 92/02225を参照するとよい。 2種類以上の活性物質で併用治療する場合、活性物質が個別の製剤形態である ときは、活性物質を同時に投与してもよく、または時間をずらして夫々を別々に 投与してもよい。 本発明の化合物を使用する投薬計画は、患者の体型、人種、年齢、体重、性別 及び医療条件、治療すべき病気の容態、投与経路、患者の腎機能及び肝機能、使 用される特定化合物などを含む種々の要因に従って選択される。標準的な知識を もつ医師及び獣医師は、病気の進行を阻止、抵抗 または停止させるために必要な薬剤の有効量を容易に決定し処方し得る。毒性を 伴わずに効力を生じる範囲の薬剤の濃度を最も正確に判断するためには、標的部 位に対する薬剤の有効性に関する動力学に基づいて投薬計画を作成することが必 要である。これは、薬剤の分配、平衡及び除去に関する考察を含む。 本発明の方法において、本文中に詳細に記載した化合物は、有効成分を形成で き、典型的には、経口錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、シロップ剤などの所望 の投与形態に応じて適宜選択され且つ慣用の製剤作業に矛盾しない適当な医薬用 希釈剤、賦形剤または担体(本文中ではまとめて“担体材料”と総称する)と混 合して投与される。 例えば、錠剤またはカプセル剤の形態で経口投与するためには、有効薬剤成分 をエタノール、グリセロール、水などのような医薬として許容される不活性の無 毒な経口担体と組み合わせる。更に、希望または必要に応じて、適当な結合剤、 潤滑剤、崩壊剤及び着色剤も混合物に混入し得る。適当な結合剤の非限定例とし ては、澱粉、ゼラチン、グルコースまたはβ-ラクトースのような天然糖、トウ モロコシ甘味料、アラビアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸 ナトリウムのような天然及び合成のゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエ チレングリコール、ワックスなどがある。これらの剤形で使用される潤滑剤の非 限定例は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグ ネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどがある。 崩壊剤の非限定例としては、澱粉、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キ サンタンガムなどがある。 液体はトラガカント、アラビア、メチルセルロースなどの合成及び天然のゴム の適度に香味を付けた懸濁剤または分散剤として形成される。使用され得る他の 分散剤はグリセリンなどである。非経口投与のためには、滅菌懸濁液及び溶液が 望ましい。静脈内投与が望ましいときには通常は適当な防腐剤を含有する等張性 調製物を使用する。 活性薬剤成分を含有する外用調製物は、アルコール、アロエベラゲル(alo e vera gel)、アラントイン、グリセリン、ビタミンA及びE油、鉱油 、PPG2ミリスチルプロピオネートなどの当業界で周知の種々の担体材料と混 合して、例えばアルコール溶液、外用クレンザー、クレンジングクリーム、皮膚 用ゲル、皮膚用ローション及び クリーム状またはゲル状シャンプーを形成し得る。例えば、欧州特許EP028 5382参照。 本発明の化合物はまた、小単層小胞、大単層小胞及び多層小胞のようなリポソ ームデリバリー系の形態で投与され得る。リポソームはコレステロール、ステア リルアミンまたはホスファチジルコリンのような種々のリン脂質から形成され得 る。 本発明の化合物はまた、化合物分子と結合する個別担体としてモノクローナル 抗体を使用することによってデリバリーされてもよい。本発明の化合物はまた、 標的に到達可能な薬剤担体である可溶性ポリマーと結合されてもよい。このよう なポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキ シプロピルメタクリル-アミドフェノール、ポリヒドロキシ-エチルアスパルトア ミドフェノールまたはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシドポリ リシンがある。更に、本発明の化合物は、薬剤の調節放出を行うために有用な生 物分解性ポリマーのクラス、例えば、ポリ乳酸、ポリイプシロンカプロラクトン 、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロ- ピラン、ポリシアノアクリレ ート及びヒドロゲルの架橋または両性ブロックコポリマーに結合し得る。 以下の実施例は本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記 載に限定されない。実施例1 phα1XのPCR増幅、クローニング及び配列決定 ヒトα1A、ラットα1B及びウシα1C受容体のアミノ酸ホモロジーに基づ いて、受容体の3つのサブタイプ全部をコードするcDNAを増幅するように縮 重オリゴヌクレオチドを設計した。これらのオリゴヌクレオチドを以下に示す。 オリゴヌクレオチドMYC及びWL’を、Perkin Elmer Cetu sのRNA PCRキットを用いたヒト心臓mRNA(Clontech)の逆 転写PCR増幅の プライマーとして使用した。簡単に説明すると、ランダムオリゴヌクレオチドプ ライマー(反応1)またはオリゴdTプライマー(反応2)を用い、0.5μg のmRNAを20μlの容量中で逆転写した。反応液1及び2をプールし、以下 のPCR増幅の鋳型として使用した。 PCR反応: 一次反応(50μl) 5μlのPerkin Elmer Cetusの遺伝子増幅キット(Gene Amp Kit)の10×緩衝液 8μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々の 原液 3μlの第一cDNA鎖 1μlの25ピコモルのオリゴMYC 1μlの25ピコモルのオリゴWL’ 0.25μlの1.25単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 31.75μlの水 反応条件;94℃で1分、45℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 二次反応(100μl) 9.5μlのPerkin Elmer CetusのGeneAmp Kitの 10×の緩衝液 16μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々 の原液 5μlの第一cDNA鎖 2μlの50ピコモルのオリゴMYC 2μlの50ピコモルのオリゴWC’ 0.5μlの2.5単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 65μlの水 反応条件;94℃で1分、45℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 試料規模(Prep scale)の三次反応 3×200μl: 19.5μlの10×緩衝液 32μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々 の原液 5μlの二次PCR反応液 4μlの100ピコモルのオリゴMYC 4μlの100ピコモルのオリゴWC’ 1μlの5単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 134.5μlの水 反応条件;94℃で1分、50℃で2分、72℃で2分のサイクルを30回。 PCR産物をQiagenスピンカラムで精製し、制限エンドヌクレアーゼS peI及びXbaIによって消化した。次に、フラグメントをSpeI/Xba I切断したpGEM9Zf(−)に結合した。結合ミックスを大腸菌XL-1ブ ルーの形質転換に使用した。プラスミドDNAを白色形質転換体から単離し、ジ デオキシチェーンターミネーション法によって配列決定した。得られた塩基配列 を図1の配列番号4で示す。実施例2 部分的α1CのcDNAクローンの単離 ヒト海馬から単離したmRNAから調製したcDNAライブラリー(Stra tagene)を、phα1Xをプローブとして用いたプラークハイブリダイゼ ーションによってスクリーニングした。以下のハイブリダイゼーション条件を使 用した。 5×SSC(1×SSCは0.15Mの塩化ナトリウム、 0.015Mのクエン酸ナトリウム)と、 50%ホルムアミドと、 5×Denhardt溶液(1%のFicoll、1%のポリビニルピロリド ン、1%のウシ血清アルブミン)と、 0.15mg/mlのサケ精子DNAと、 を42℃で一夜ハイブリダイズさせる。 フィルターを2×SSC、0.1%SDS中で室温で5分間ずつ3回洗浄し、 次いで1×SSC、0.1%SDS中で50℃で30分間の洗浄を1回行った。 陽性クローンをオートラジオグラフィーによって同定した。ファージミド(Ph agemid)DNAを陽性プラークから救出し、ジデオキシチェーンターミネ ーション法によって配列決定した。得られた塩基配列を図3の配列番号7で示す 。実施例3 α1Cの3’CGのPCR増幅、クローニング及び配列決定 ヒトアドレナリンα1C受容体のコーディング領域の3’端を以下の2つのオ リゴヌクレオチドを用いてヒトゲノ ムDNAから増幅した。 及び 以下の条件を使用した。 10μlのPerkin Elmer CetusのGeneAmp Kitの 10×緩衝液 16μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々 の原液 6μlの1μgのヒトゲノムDNA(Promega) 2μlの50ピコモルのオリゴS3C 2μlの50ピコモルのオリゴ3’C 0.5μlの2.5単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 63.5μlの水 反応条件;94℃で1分、50℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 PCR産物をQiagenスピンカラムで精製し、制限 エンドヌクレアーゼEcoRIによって消化した。次に、フラグメントをEco RI切断したpGEM3Zf(−)に結合した。結合ミックスを使用して大腸菌 XL-1ブルーを形質転換した。白色形質転換体からプラスミドDNAを単離し 、ジデオキシチェーンターミネーション法で配列決定した。塩基配列を図4の配 列番号10で示す。実施例4 ヒトアドレナリンα1c受容体の完全コーディング領域の組立 cDNAクローン(実施例2及び図3の配列番号7参照)と3’CG(実施例 3及び図4の配列番号10参照)とを共通PvuII部位(図3の配列番号7の1 552-1557及び図4の配列番号10の59-64)で結合させることによっ て、ヒトアドレナリンα1c受容体の完全コーディング領域を組立てた。完全ヌ クレオチド配列を図5の配列番号11で示す。アミノ酸配列を図6の配列番号1 2で示す。図7は、5’-非翻訳配列を含むcDNAの構造を示す。図示された 3’の27個のヌクレオチド(6アミノ酸)が配列の作製に使用されたPCRプ ライマーの配列である。しかしながら、リガンド結合及びシグナル形質導入の双 方に対す る受容体の機能は、受容体のカルボキシ末端から遠隔の配列に依存している。完 全ヒト配列を図18の配列番号26で示す。この配列は3’末端の頭部が欠失し ている。実施例5 クローン化アドレナリンα1C受容体の発現 ヒトアドレナリンα1C受容体の完全配列(配列番号11)を真核細胞発現ベ クターpcDNA1-neo(Invitrogen)にサブクローニングした 。得られたプラスミドをエレクトロポレーションによってCOS−7細胞にトラ ンスフェクトした。72時間後に細胞を採取し、発現された受容体タンパク質を 含む膜を、Schwinnら,J.Biol.Chem.,265:8183-81 89,1990に記載されたようにして調製した。α1C受容体遺伝子を含むベ クターをトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜(5-25μg、 図8参照)はα1アンタゴニスト〔125I〕-HEATに特異的に結合したが、ベ クター単独をトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜はα1アン タゴニスト〔125I〕-HEATに結合しなかった(図8)。これは、アドレナリ ンα1C受容体が発現されたことを証明する。結合反応液(総量=200μl) は、 50mMのTris-HCl,pH7.4と、5mMのEDTAと、150mMの NaClと、100pMの〔125I〕-HEATと、発現プラスミドをトランスフ ェクトしたCOS-7細胞から調製された膜とを含んでいた。反応液を振盪しな がら室温で1時間インキュベートした。Brandel細胞採取装置によって反 応液をWhatman GF/Cガラス繊維フィルターで濾過した。フィルター を氷冷緩衝液で3回洗浄し、結合した放射能を測定した。10μMのプラゾシン の存在下に非特異的結合が測定された。実施例6 スクリーニングアッセイ:アドレナリンα1C受容体結合 また、トランスフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜を、ヒトアドレ ナリンα1C受容体に結合する化合物を同定するために使用し得る。これらの競 合結合反応液(総量=200μl)は、50mMのTris-HCl,pH7.4 と、5mMのEDTAと、150mMのNaClと、100pMの〔125I〕-H EATと、α1C発現プラスミドをトランスフェクトしたCOS-7細胞から調 製された膜と、漸増量の非標識リガンドとを含む。反応液を振盪しな がら室温で1時間インキュベートする。Brandel細胞採取装置によって反 応液をWhatman GF/Cガラス繊維フィルターで濾過した。フィルター を氷冷緩衝液で3回洗浄し、結合した放射能を測定した。結合データを分析し、 繰返し曲線調整プログラム(iterative curve fitting program)によってIC50を測定した。結果を図9に示す。実施例7 ヒトアドレナリンα1A受容体の発現 ヒトアドレナリンα1A受容体の完全コーディング領域(Brunoら,BB RC.179:1485-1490,(1991);図10の配列番号13及び 図11の配列番号14参照)を、真核細胞発現ベクターpcDNA1-neo( Invitrogen)にサブクローニングした。得られたプラスミドをエレク トロポレーションによってCOS-7細胞にトランスフェクトした。72時間後 に細胞を採取し、発現された受容体タンパク質を含む膜を、Schwinnら,J.Biol.Chem. ,265:8183-8189,1990に記載されたよ うにして調製した。α1A受容体遺伝子を含むベクターをトランスフェクトした COS -7細胞から調製された膜はα1アンタゴニスト〔125I〕-HEATに特異的に 結合したが、ベクター単独をトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製され た膜はα1アンタゴニスト〔125I〕-HEATに結合しなかった。 結合反応液(総量=200μl)は、50mMのTris-HCl,pH7.4 と、5mMのEDTAと、150mMのNaClと、100pMの〔125I〕-H EATと、発現プラスミドをトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製され た膜とを含んでいた。反応液を振盪しながら室温で1時間インキュベートした。 反応液をBrandel細胞採取装置によってWhatman GF/Cガラス 繊維フィルターで濾過した。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗浄し、結合した放 射能を測定した。10μMのプラゾシンの存在下に非特異的結合が測定された。実施例8 ヒトアドレナリンα1B受容体の発現 1.ヒトアドレナリンα1B受容体の部分的cDNAのPCR増幅 5XBクローンの増幅 オリゴヌクレオチド5XB及びA1Bを、Invitrogenコピーキット (Copy Kit)を用いるヒト心臓mRNA(Clontech)の逆転写 PCR増幅のプライマーとして使用した。簡単に説明すると、オリゴヌクレオチ ドWC’をプライマーとして用い、20μlの容量中で1.0μgのmRNAを 逆転写した。 一次反応(50μl) 5μlのPerkin Elmer CetusのGeneAmp Kitの1 0×緩衝液 8μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々の 原液 2.5μlの第一cDNA鎖 1μlの25ピコモルのオリゴ5XB 1μlの25ピコモルのオリゴA1B 0.25μlの1.25単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 32.75μlの水 反応条件;94℃で1分、58℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 PCR産物をpCRベクター(Invitrogen)に直接結合し、大腸菌 INVαF’(Invitrogen)の形質転換に使用した。プラスミドDN Aを白色形質転換体から単離し、ジデオキシチェーンターミネーション法によっ て配列決定した。塩基配列を図12の配列番号17で示す。2.EFKクローンの増幅 オリゴヌクレオチドEFK及び5B1を、Invitrogenのコピーキッ トを用いたヒト大動脈mRNA(Clontech)の逆転写PCR増幅のプラ イマーとして使用した。簡単に説明すると、オリゴdTをプライマーとして用い 、20μlの容量中で1.0μgのmRNAを逆転写した。 一次反応(50μl) 5μlのPerkin Elmer CetusのGeneAmp Kitの1 0×緩衝液 8μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々の 原液 2.0μlの第一cDNA鎖 1μlの25ピコモルのオリゴEFK 1μlの25ピコモルのオリゴ5B1 0.25μlの1.25単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 33.25μlの水 反応条件;94℃で1分、58℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 PCR産物をpCRベクター(Invitrogen)に直接結合し、大腸菌 INVαF’(Invitrogen)の形質転換に使用した。プラスミドDN Aを白色形質転換体から単離し、ジデオキシチェーンターミネーション法によっ て配列決定した。塩基配列を図13の配列番号20で示す。3.ヒトアドレナリンα1B受容体の部分的cDNAの組立 5XB配列(配列番号17)とEFK配列(配列番号20)とを共通のBam HI部位で接合することによって、ヒトアドレナリンα1B受容体をコードする 部分的cDNAクローンを組立てた。4.ラットアドレナリンα1B受容体の3’端の増幅 オリゴヌクレオチドS4B及び3’B2を、Invitrogenのコピーキ ットを用いるラット心臓mRNAの逆転写PCR増幅のプライマーとして使用し た。簡単に説明すると、オリゴdTをプライマーとして用い、20μlの容量中 で0.6μgのmRNAを逆転写した。 一次反応(50μl) 5μlのPerkin Elmer Cetus GeneAmp Kitの10 ×緩衝液 8μlの1.25mMのdATP,dCTP,dGTP及びdTTPの各々の 原液 2.0μlの第一cDNA鎖 1μlの25ピコモルのオリゴEFK 1μlの25ピコモルのオリゴ5B1 0.25μlの1.25単位のAmplitaq DNAポリメラーゼ 33.25μlの水 反応条件;94℃で1分、58℃で2分、72℃で2分のサイクルを40回。 PCR産物をpCRベクター(Invitrogen)に直接結合し、大腸菌 INVαF’(Invitrogen)の形質転換に使用した。プラスミドDN Aを白色形質転換体から単離し、ジデオキシチェーンターミネーション法によっ て配列決定した。塩基配列を図14の配列番号23で示す。5.機能性ヒト/ラットハイブリッドアドレナリンα1B受容体の組立及び発現 ヒトアドレナリンα1B受容体の部分的cDNAを、ラットアドレナリンα1 B受容体のcDNAの3’端に、共通BssHII制限エンドヌクレアーゼ部位で 接合した。この複合配列を図15の配列24で示し、アミノ酸配列を図1 6の配列25で示す。 ヒト/ラットアドレナリンα1B受容体の完全コーディング領域を、真核細胞 発現ベクターpcDNA1-neo(Invitrogen)にサブクローニン グした。得られたプラスミドをエレクトロポレーションによってCOS-7細胞 にトランスフェクトした。72時間後に細胞を採取し、発現された受容体タンパ ク質を含む膜を、Schwinnら,J.Biol.Chem.,265:8183 -8189,1990に記載されたようにして調製した。α1B受容体遺伝子を 含むベクターをトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜はα1ア ンタゴニスト〔125I〕-HEATに特異的に結合したが、ベクター単独をトラン スフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜はα1アンタゴニスト〔125I〕 -HEATに結合しなかった。結合反応液(総量=200μl)は、50mMの Tris-HCl,pH7.4と、5mMのEDTAと、150mMのNaClと 、100pMの〔125I〕-HEATと、発現プラスミドをトランスフェクトした COS-7細胞から調製された膜とを含んでいた。反応液を振盪しながら室温で 1時間インキュベートした。反応液をBrandel細胞採取装置によっ てWhatman GF/Cガラス繊維フィルターで濾過した。フィルターを氷 冷緩衝液で3回洗浄し、結合した放射能を測定した。10μMのプラゾシンの存 在下に非特異的結合が測定された。実施例9 選択的結合アッセイ ヒトα1受容体サブタイプ発現ベクターをトランスフェクトしたCOS-7細 胞から調製された膜はまた、ヒトアドレナリンα1C受容体に選択的に結合する 化合物を同定するために使用し得る。これらの競合結合反応液(総量=200μ l)は、50mMのTris-HCl,pH7.4と、5mMのEDTAと、15 0mMのNaClと、100pMの〔125I〕-HEATと、夫々のα1サブタイ プ発現プラスミドをトランスフェクトしたCOS-7細胞から調製された膜と、 漸増量の非標識リガンドとを含む。反応液を振盪しながら室温で1時間インキュ ベートする。反応液をBrandel細胞採取装置によってWhatman G F/Cガラス繊維フィルターで濾過した。フィルターを氷冷緩衝液で3回洗浄し 、結合した放射能を測定した。結合データを分析し、繰返し曲線調整プログラム によってIC50 を測定した。この分析の結果を表1に示す。 実施例10 ヒトアドレナリンα1-C受容体の新規な対立遺伝子の同定及びクローニング プローブ 3’CG:単離したcDNAクローンに基づくセンスプライマーとウシα1c のcDNAの6個の最終アミノ酸に基づくアンチセンスプライマーとを用い、ヒ トアドレナリンα1c受容体の完全エキソン2に特異的な525bpのフラグメ ントを、ヒトゲノムDNAからPCR増幅した。このPCR産物をサブクローニ ングし、配列決定によって確認した(実施例3、配列番号10参照)。ゲノムライブラリースクリーニング ラムダFixIIベクター(2×106組換え体;Stratagene,La Jolla,CA)中で合成したヒトW138線維芽細胞ゲノムライブラリーを (3’CG)でスクリーニングした。ランダム-プライムした標識キット(Bo ehringer Mannheim,Indianapolis,IN)によ ってこのプローブを32P-dCTP(Amersham)で標識した。Hybo nd-Nナイロンの二重フィルター(Amersham,UK)を用いて、合計 8 00,000のプラークをスクリーニングした。ハイブリダイゼーションに先立 って、フィルターの変性(1.5MのNaCl+0.5MのNaOH)、中和(1 .5MのNaCl+1MのTris.Cl,pH8.0)及び洗浄(0.2MのTr is.Cl,pH7.5+2SSC)を各5分間ずつ行った。UVクロスリンカー (Stratagene,La Jolla,CA)によってDNAを架橋させ た。次に、50%ホルムアミド、5×SSC(1×SSC=0.15MのNaC l、0.015Mのクエン酸ナトリウム,pH7.0)と、0.02%のポリビニ ルピロリン酸塩と、0.2%のFicollと、0.2%のウシ血清アルブミンと 、150μgの裁断し煮沸したサケ精子DNAと、106cpmの32P-標識化プ ローブとの中でフィルターを42℃で40時間ハイブリダイズさせた。0.1× SSC+1%SDS溶液中でフィルターを60℃で20分間洗浄した。20個の “陽性”プラーク/クローンを3’CGプローブで更に2回スクリーニングして 、アドレナリンα1C受容体の2つのクローンを確認し、これらを夫々48.1 C及び53.1Cと命名した。クローン53.1Cを更に分析/検査した。エキソン2のサブクローニング 53.1CラムダDNAをプレート溶菌法(plate lysis meth od)によって増幅し、Qiagenミディ-ラムダキット(Qiagen,C hatsworth,CA)で精製した。EcoRI制限酵素によって切り出し た2.6Kbのバンドを3’CGプローブを用いたサザン分析によって同定した 。このフラグメントを次にpGEM3Zf(+)ベクターにサブクローニングし た。DNA配列決定 Sangerのチェーンターミネーション法によってDNAを両方向でヌクレ オチド配列解析した。結果及び考察 このゲノムクローンの配列解析から、クローン53.1cは5’-端にイントロ ンが結合(flank)した完全エキソン2の配列を含むことが確認された。ま た、ヌクレオチド1636位、アミノ酸位置347にシトシン(C)からチミン (T)へのヌクレオチド変異が存在することも判明した。この変異は、PstI 部位を発生させ、コドンをアルギニン(Arg)からシスチン(Cys)に変異 させる。このデータは遺伝子の既知/公表cDNA配列とは違っている。ヒトゲ ノムDNAのサザン分析は、遺伝子/エキソン2中の PstI部位を追認する。実施例11 α1-c対立遺伝子の比較薬理学 ヒトα-1c受容体のために2つの遺伝子をクローニングした。コーディング 領域は、単一のヌクレオチドの違いを有している。遺伝子は、受容体のC末端の 近傍のアミノ酸347にCysまたはArgをコードしている。ヌクレオチドの 違いはPstI制限酵素認識部位の内部に存在し、従って、制限断片長多型(R FLP)が生じる。83の非近縁個体中で、対立遺伝子1(LPR)の頻度は0 .34、対立遺伝子2(LCR)の頻度は0.66である(Hoeheら「アドレ ナリンα1C受容体遺伝子の2つの対立遺伝子のPstI RFLP(A two -allele PstI RFLP for the alpha-1C adren ergic receptor gene)」,Human Molecular Genetics 1:349,1992;対立遺伝子1は2.1kbのPstI フラグメントによって形成され、対立遺伝子2は1.6及び0.5kbの2つのバ ンドを生じる)。アミノ酸の違いは受容体の細胞内テール内部で生じるので、発 現された受容体間の薬理学的差異 は予想できない。ヒトアドレナリンα1c受容体の2つの対立遺伝子形態の薬理 学的プロフィルを検査するために、対立遺伝子2のゲノムエキソン2のフラグメ ントを対立遺伝子1のcDNAクローンに共通PvuII制限部位で結合した。p cDNA1/NEO(Invitrogen)発現ベクターを用いて2つの対立 遺伝子形態をCOS-7細胞中で過渡的に発現させた。125I-HEATの存在下 に種々のアンタゴニストと共に行った競合的阻害試験は、双方の薬理学的プロフ ィルに有意な違いがないことをを示した(表II)。 実施例12 新規なアドレナリンα1-A受容体のクローニング double-cosベクターsCos-1中にFG293細胞系ゲノムDNA を含むコスミドライブラリーを以下のごとくスクリーニングした。公表されたヒ トα1a受容体cDNAクローン(Brunoら,BBRC179:1485 -1490(1991)及び図10の配列番号13参照)を、ベクターpcDN A1 neoにクローニングして、クローンpEXα1aを作製した。約200, 000個のクローンを含むフイルターを、α1a(TMD1-3)、α1b(T MD1−5)及びα1c(TMD1−5)に対応するPCRによって作製された 混合エキソン1プローブを用い、コロニーハイブリダイゼーション(〔Samb rook,Molecular Cloning,Cold Spring Ha rbor Laboratory Press,New York,1989〕) によってスクリーニングした。95℃で1分間、52℃で30秒間及び72℃で 1.5分間のサイクルを25回繰り返した。このスクリーニングでは、1.5μM の各非標識dNTPと50μCiの3000Ci/mmolのα-〔32P〕dC TPとを含む12μlの反応液中で、10ngのpEX α1b、pEX α1c また はpEX α1aと、10ピコモルの以下の各プライマーとを用いた。プライマ ーとして、α1bには、5’MET(5’GAATCCCGACCTGGAC) ,配列番号31及び3’BAM(5’GGATCCTCAGGGTC),配列番 号32を用い、α1cには、5’597(5’CCATGGTGTTTCTCT CGGG),配列番号33及び3’1219(5’GACGCGGCAGTAC ATGAC),配列番号34を用い、α1aには、5’76(5’GTCATG ATGGCTGGGTACTTG),配列番号35を用いた。5×SSC、35 %ホルムアミド、0.02%のSDS、0.1%のラウロイルサルコシン、2%の ブロッキング緩衝液(Boehringer Mannheim)中で、フィル ターを1×106cpm/mlのプローブと共に42℃で18時間インキュベー トした。フィルターを、2リットルの0.5×SSC、0.1%のSDSで55℃ で洗浄し、Kodak XAR-5フィルムに露光した。12個の陽性一次クロー ンをマスタープレートから採取し、α1a-特異的プローブを用いて再度スクリ ーニングした。第2ラウンドの陽性クローンからコスミドDNAを調製し、エン ドヌクレアーゼEcoRIまたはHindIIIによって消化し、 サザンブロット分析した。フラグメントを電気泳動によって分離し、サザン法( 〔Southern,1975#14〕)に従って、20×SSC(1×SSC =0.15Mの塩化ナトリウム、0.015Mのクエン酸ナトリウム,pH7.0 )と共に、ニトロセルロース膜(Boehringer Mannheim)に 移した。前記同様にして膜をハイブリダイズさせ、洗浄し、分析した。α1a、 α1bまたはα1c特異的プローブで行ったゲノムサザンブロットに制限パター ンを比較することによって、α1a、α1b及びα1c受容体クローンを同定し た。α1a受容体エキソン1のDNAを含むコスミドをエンドヌクレアーゼPs tIによって制限消化し、α1aの特異的プローブを用いて上述のようにサザン ブロット分析した。2.3及び1.6kbの2つのフラグメントを検出し、PGE M 3ZFのPstI部位にサブクローニングした。2.3kbのフラグメント 中に正しい5’末端配列が存在することを、逆方向反復配列及び非反復配列間の 接合の両側の配列決定によって確認した。α1a受容体遺伝子の5’端をcDN Aクローンに共通PstI部位で結合した。図22〜図24の配列番号29及び 30参照。実施例13 典型的なカウンタースクリーン 1.アッセイの名称:ドーパミンD2,D4のin vitroスクリーンアッセイの目的 : このアッセイの目的は、ヒトドーパミン受容体D2、D3またはD4を発現す る細胞への〔3H〕スピペロンの結合に特異的に影響する作用物質を除去するこ とである。方法 : VanTolら(1991);Nature(Vol350)610-613 頁、の方法の修正方法。 クローナル細胞系中で安定に発現した特異的ドーパミン受容体サブタイプを含 む凍結ペレットを、2mlの溶解緩衝液(10mMのTris-HCl/5mM のMg,pH7.4)に溶解する。これらの膜の遠心(24,450rpmで15 分)後に得られたペレットを、EDTA、MgCl2、KCl、NaCl、Ca Cl2及びアスコルビン酸塩を含む50mMのTris-HCl,pH7.4に再 懸濁させて、1mg/mlの懸濁液とする。0.2nMの〔3H〕-スピペロンを 含む総量500μl中で50〜75μgの膜を添加 することによってアッセイを開始する。10μMのアポモルヒネを用いて非特異 的結合を証明する。室温で2時間インキュベーション後、50mMのTris- HCl,pH7.4を用い、0.3%PEI中に予備浸漬したGF/Bフィルター で高速濾過することによってアッセイを終了する。 2.アッセイの名称:セロトニン5HT1aアッセイの目的 : このアッセイの目的は、クローン化ヒト5HT1a受容体への結合に特異的に 影響する作用物質を除去することである。方法 : Schelegel & PeroutkaのBiochemical Pha rmacology 35:1943-1949(1986)の修正方法。 クローン化ヒト5HT1a受容体を発現する哺乳類細胞を、氷冷した5mMの Tris-HCl、2mMのEDTA(pH7.4)に溶解し、ポリトロンホモジ ナイザーで均質化する。ホモジェネートを1000×gで30分間遠心し、次に 上清を38,000×gで再度30分間遠心する。 結合アッセイは、50mMのTris-HCl、4mMのCaCl2、1mg/m lのアスコルビン酸塩中に、0.25nMの〔3H〕8-OH-DPATを含む。 10μMのプロプラノロールを用いて非特異的結合を証明する。室温で1時間イ ンキュベーション後、GF/Cフィルターで高速濾過してアッセイを終了する。実施例14 典型的な機能アッセイ ヒトアドレナリンα1C受容体に対する化合物の特異性を確認し、化合物の生 物活性を証明するために以下の機能試験を実施し得る。 1.in vitroのラット、イヌ及びヒトの前立腺及びイヌの尿道 Taconic Farmsの体重250〜400gの雄のスプレーグ・ドー リーネズミを麻酔(メトヘキシタル;50mg/kg、腹腔内注射)にかけ、頸 部脱臼によって殺す。前立腺の腹側葉を摘出するために下腹部を切開する。雑種 のイヌから摘出した前立腺の各々を、尿道開口部に沿って縦に6〜8片に分割し 、必要ならば使用前に氷冷した酸素添加クレブス溶液に一夜保存する。前立腺に 近い イヌの尿道を約5mmの環状に切断し、環状筋肉の収縮性を測定するために環を 切り開く。良性前立腺肥大の経尿道手術で得られたヒト前立腺チップも必要なら ば氷冷クレブス溶液に一夜保存する。 37℃に加温した酸素添加クレブス溶液〔NaCl,118mM;KCl,4 .7mM;CaCl2,2.5mM;KH2PO4,1.2mM;MgSO4,1.2m M;NaHCO3,2.0mM;デキストロース,11mM〕を収容したシャーレ に組織を入れる。余剰の脂質材料及び結合組織を丁寧に除去する。組織切片を4 -0の外科用絹糸でガラス組織ホルダーに結び付け、5%CO2/95%O2を吹 込んだ37℃のクレブス緩衝液を収容した5mlのジャケット付き組織浴に入れ る。組織を、Statham-Gould力変換器に接続し、1g(ラット、ヒ ト)または1.5g(イヌ)の張力を作用させ、組織を1時間平衡させる。He wlett-Packard7700シリーズのストリップチャートレコーダー で収縮を記録する。 3μM(ラット用)、10μM(イヌ用)及び20μM(ヒト用)のプライミ ング用量のフェニレフリンを1回投与した後で、アゴニストに対する累積濃度反 応曲線を作成する。 1時間後まで組織を10分おきに洗浄する。浴に基剤またはアンタゴニストを添 加し、1時間インキュベートし、次いでアゴニストに対する累積濃度反応曲線を 再度作成する。 GraphPad Inplotソフトウエアを用いて各グル ープのEC50値を計算する。3以上の濃度を試験したときはSchildプロッ トからpA2(-logKb)値が得られた。3未満のアンタゴニスト濃度を試 験したときは、式Kb=〔B〕/(x-1)に従ってKb値を算出する。式中、 xはアンタゴニストの存在下と非存在下とのアゴニストのEC50の比であり、〔 B〕はアンタゴニスト濃度である。 2.麻酔したイヌの尿道内圧の測定 目的 :良性前立腺肥大症は、前立腺質量の増加による前立腺尿道の物理的な受動 的閉塞及び前立腺収縮による能動的閉塞の双方によって尿流量の減少を生じさせ る。プラゾシン及びテラゾシンのようなアドレナリンα受容体アンタゴニストは 、能動的な前立腺収縮を阻止し、尿流量を改善してヒトの症状を軽減する。しか しながら、これらは非選択的α-1受容体アンタゴニストであり、血管に対して も顕 著な作用を与える。本発明では、ヒト前立腺の支配的サブタイプとしてα−1C 受容体サブタイプを同定したので、この受容体を特異的標的とすることによって 付随的な血管系の変化を生じることなく前立腺収縮を阻害することが可能になっ た。アドレナリンα受容体の選択的アンタゴニストの効能及び効力を評価するた めに、以下のモデルを使用して麻酔にかけたイヌの尿道内圧及び動脈圧中のアド レナリン媒介変化を測定する。達成すべき目標は、(1)前立腺/尿道収縮及び 血管応答を担当するα-1受容体のサブタイプを同定し、(2)このモデルを使 用してアドレナリンα受容体の新しい選択的アンタゴニストを評価することであ る。この方法で、アドレナリンα受容体の新規なアンタゴニスト及び標準アンタ ゴニストを評価し得る。方法 :この試験では雑種の雄イヌ(7〜12kg)を使用する。ペントバルビタ ールナトリウム(35mg/kgの静注と4mg/kg/時の静脈内注入を併用 )でイヌを麻酔にかける。気管内にチューブを挿入し、Harvard ins truments positive displacement大動物換気装置 を用いて動物を室内空気で換気する。動脈圧及び薬剤投与量を夫々測定するため に、カ テーテル(PE240または260)を、大腿動脈経由で大動脈及び大腿静脈経 由で大静脈に配置する(各血管に各1本つの2本のカテーテル)。ペニスの脇で 恥骨上方を1/2インチ以内に切開し、尿管、膀胱及び尿道を露出させる。尿が ビーカーに自由に流入するように尿管を結紮しカニューレを挿入する。膀胱のド ームを収縮させて尿道の基部及び末端の剥離を容易にする。臍帯を膀胱頸部で尿 道の下方に通し、臍帯の他の1片を尿道の末端下方で前立腺末端から約1-2c mに配置する。膀胱を切開し、Millarマイクロ-チップ圧力変換器を尿道 に挿入する。変換器を保持させるために、膀胱の切開部を2-0または3-0の絹 糸で縫合する(巾着縫合)。変換器のチップを前立腺尿道に配置し、前立腺を静 かに圧迫して尿道圧力の大変化を調べることによってMillarカテーテルの 位置を確認する。 尿道内圧及び動脈圧の変化に関する用量反応曲線を作成するためにアドレナリ ンα-1アゴニストであるフェニレフリンを投与する(0.1-100μg/kg の静注;0.05ml/kgの量)。アドレナリンαアンタゴニスト(または基 剤)を漸増量で投与後に、動脈圧及び尿道内圧に対す るフェニレフリンの作用を再度測定する。各動物毎に4または5つのフェニレフ リン用量反応曲線を作成する(1つが対照、3つまたは4つが異なる用量のアン タゴニストまたは基剤を使用した場合)。フェニレフリンで誘発される動脈圧及 び尿道内圧の変化に基づいてアンタゴニストの相対的効力をSchil分析によ って測定する。平均曲線のグループを、曲線間の勾配、反応最小値、反応最大値 を定数に維持する4パラメータ論理演算式で同時に調整する(ALLFITソフ トウエアパッケージ使用)。アンタゴニスト用量毎の用量比(用量反応曲線の対 照から右方向へのシフト)を、夫々の曲線に対するED50の比として算出する。 次に、これらの用量比を用いてSchildプロットを作成し、Kb(静注量μ g/kgで表す)を測定する。Kb(フェニレフリンの用量反応曲線の2倍の右 方向シフトを生じるアンタゴニスト用量)を用い、尿道内圧及び動脈圧のフェニ レフリン応答の阻害に基づいてアンタゴニストの相対的効力を比較する。相対的 選択性は動脈圧のKbと尿道内圧のKbの比として計算される。基底動脈圧に対 するα-1アンタゴニストの作用もモニターする。動脈圧の変化及び尿道内圧の 変化に対するアンタゴニストの相対的 効力の比較から、尿道内圧を上昇させるα受容体サブタイプが全身血管系にも存 在するか否かを推測できる。この方法によって、血管系には全く作用しないでフ ェニレフリンによる尿道内圧の上昇を阻止し得るアドレナリンα1C受容体アン タゴニストの選択性が確認され得る。 実験終了後のイヌは、ペントバルビタールまたは飽和KClを静脈内に過剰投 与して殺した。 【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:両方 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:2 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:3 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:4 配列の長さ:235 配列の型:核酸 鎖の数:両方 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:5 配列の長さ:78 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル:No アンチセンス:No フラグメント型:中間部フラグメント 配列 配列番号:6 配列の長さ:93 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド ハイポセティカル:No アンチセンス:No フラグメント型:中間部フラグメント 配列 配列番号:7 配列の長さ:1601 配列の型:核酸 鎖の数:両方 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:8 配列の長さ:26 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:9 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:10 配列の長さ:512 配列の型:核酸 鎖の数:両方 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:11 配列の長さ:2004 配列の型:核酸 鎖の数:両方 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:12 配列の長さ:466 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル:No アンチセンス:No フラグメント型:N末端フラグメント 配列 配列番号:13 配列の長さ:1621 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:14 配列の長さ:501 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 ハイポセティカル:No アンチセンス:No フラグメント型:N末端フラグメント 配列 配列番号:15 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:16 配列の長さ:29 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:17 配列の長さ:921 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:両形態 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:18 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No アンチセンス:No 配列 配列番号:19 配列の長さ:18 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA ハイポセティカル:No 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【手続補正書】特許法第184条の7第1項 【提出日】1994年8月29日 【補正内容】 補正請求の範囲 〔1994年8月29日(29.8.1994)国際特許局で受理;請求項7及び 12を補正;新請求項22-24を追加;その他の請求項は補正なし(4ページ )〕 1.ヒトアドレナリン受容体のα1-CサブタイプをコードするDNAから本質 的に成るDNA。 2.原核細胞または真核細胞に導入されたときに受容体が発現されるように、受 容体をコードするDNAが調節配列に操作可能に結合されていることを特徴とす る請求項1に記載のDNA。 3.受容体が、図5の配列番号11で示される核酸配列、遺伝コードの重複性を 介してヒトα1C受容体をコードするその変異体、または、インタクトなG-タ ンパク質及びリガンドの結合部位を備えた機能性ヒトアドレナリンα1C受容体 のコードを継続しているその頭部欠失体を有することを特徴とする請求項2に記 載のDNA。 4.図5の配列番号11、図18の配列番号26または図19の配列番号27の 配列を有する請求項3に記載のDNA。 5.当該受容体をコードするクローン化核酸構築物を含む細胞によって発現され るヒトアドレナリンα1C受容体。 6.クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体を発現する細胞。 7.ヒトアドレナリンα1C受容体に選択的に結合する化合物の同定方法であっ て、前記化合物は前記アドレナリンα1C受容体に対して、アドレナリンα1C 受容体以外のヒトアドレナリンα受容体に対する親和性の12倍を上回る高い親 和性を有しており、方法が、 a.ヒトアドレナリンα1C受容体をクローニングする段階と、 b.クローン化アドレナリンα1C受容体を発現ベクターにスプライシングし、 原核細胞または真核細胞に当該構築物を導入したときに受容体の発現を誘発する に十分な転写及び翻訳シグナルにα1C受容体が操作可能に結合された構築物を 作製する段階と、 c.導入される当該構築物の非存在下ではヒトアドレナリンα1C受容体を発現 しない原核細胞または真核細胞に前記構築物を導入する段階と、 d.段階cで産生された細胞から単離した細胞または膜を、 ヒトアドレナリンα受容体に結合することが知られている定量可能化合物と共に インキュベートし、次いで定量可能化合物を競合によって受容体から排除するた めにある濃度範囲で試験化合物を添加し、定量可能化合物の50%が受容体から 排除されたときの試験化合物の濃度を試験化合物のIC50として測定する段階と 、 e.段階dのインキュベーション条件と同じ条件下で、ヒトα1C受容体以外の 導入されたクローン化ヒトアドレナリンα受容体のサブタイプを天然に発現する かまたは有している細胞または細胞の膜をインキュベートし、非α1C受容体に 対する試験化合物のIC50を測定する段階と、 f.α1C受容体に対する試験化合物のIC50と、α1C以外のアドレナリンα 受容体のサブタイプに対する試験化合物のIC50とを比較し、α1C受容体に対 するIC50が1/12以下である化合物を同定する段階と、 を含むことを特徴とする方法。 8.ヒトアドレナリンα1C受容体に特異的に結合する化合物を医薬として有効 な量で投与する良性前立腺肥大の症状を軽減する方法。 9.化合物が、S(+)-ニグルジピン、(S(+)-1,4-ジ ヒドロ-2,6-ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボ ン酸3-(4,4-ジフェニル-1-ピペリジニル)-プロピルメチルエステル塩酸 塩)、または、5-メチルウラピジル、5-メチル-6〔〔3-〔4-(2-メトキシ フェニル)-1-ピペラジニル〕プロピル〕アミノ〕-1,3-ジメチルウラシルで あることを特徴とする請求項8に記載の方法。 10.前記化合物がヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効 な化合物と共に投与されることを特徴とする請求項8に記載の方法。 11.ヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効な化合物が、 5-αレダクターゼアイソザイム1のインヒビターであることを特徴とする請求 項10に記載の方法。 12.5-αレダクターゼインヒビターがフィナステリドであることを特徴とす る請求項10に記載の方法。 13.ヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効な化合物が、 5-αレダクターゼアイソザイム1及びアイソザイム2の二重インヒビターであ ることを特徴とする請求項10に記載の方法。 14.フィナステリド及びS(+)-ニグルジピンまたは5- メチルウラピジルを医薬として有効な量で投与する良性前立腺肥大の症状を軽減 する方法。 15.ヒトアドレナリン受容体のα1-Aサブタイプ全体をコードするDNAか ら本質的に成るDNA。 16.原核細胞または真核細胞に導入された受容体が発現されるように、受容体 をコードするDNAが調節配列に操作可能に結合されていることを特徴とする請 求項15に記載のDNA。 17.受容体が図22の配列番号29で示される核酸配列、遺伝コードの重複性 を介してヒトアドレナリンα1A受容体をコードするその変異体、または、イン タクトなG-タンパク質及びリガンド結合部位を備えた機能性ヒトアドレナリン α1A受容体のコードを継続しているその頭部欠失体を有することを特徴とする 請求項16に記載のDNA。 18.当該受容体をコードするクローン化核酸構築物を含む細胞によって発現さ れるヒトアドレナリンα1A受容体。 19.配列番号29の配列に95%を上回る相同性を示す配列を有しているクロ ーン化ヒトアドレナリンα1A受容体を発現する細胞。 20.ヒトアドレナリンα1A及びα1B受容体に比べて ヒトアドレナリンα1C受容体に対して12倍以上の特異性を有する化合物を阻 害有効量で要治療患者に投与する良性前立腺肥大の治療方法。 21.ヒトアドレナリンα1A及びα1B受容体に比べてヒトアドレナリンα1 C受容体に対して12倍以上の特異性を有する阻害有効量の化合物と、阻害有効 量のヒトテストステロン5-αレダクターゼインヒビターとを含む組成物。 22.ヒトα1A及びα1B受容体に比較してヒトアドレナリンα1C受容体に 対して12倍以上の特異性を有する阻害有効量の化合物と、阻害有効量のヒトテ ストステロン5-αレダクターゼの1型選択インヒビター、2型選択インヒビタ ーまたは1型及び2型の選択インヒビターとを含む組成物。 23.ヒトアドレナリンα1A受容体またはヒトアドレナリンα1B受容体に対 する当該化合物の結合親和性を12倍よりも大きく上回る結合親和性でヒトアド レナリンα1C受容体に結合する治療有効量の化合物を患者に投与する良性前立 腺肥大患者の治療方法。 24.前記化合物を、阻害有効量のヒトテストステロン5 -αレダクターゼの1型選択インヒビター、2型選択インヒビターまたは1型及 び2型の選択インヒビターと共に投与する請求項23に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,HU,JP,KR,KZ,LK,L V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU ,SD,SI,SK,TT,UA,US,UZ (72)発明者 クリネシユミド,ブラツドリイ・ブイ アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19403、 ジエフアーソンビル、ストニーブルツク・ ドライブ・206 (72)発明者 ストラーダー,キヤサリーン・デイー アメリカ合衆国、ニユー・ジヤージー・ 07044、ベローナ、モーニングサイド・ロ ード・119

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ヒトアドレナリン受容体のα1-CサブタイプをコードするDNAから本質 的に成るDNA。 2.原核細胞または真核細胞に導入されたときに受容体が発現されるように、受 容体をコードするDNAが調節配列に操作可能に結合されていることを特徴とす る請求項1に記載のDNA。 3.受容体が、図5の配列番号11で示される核酸配列、遺伝コードの重複性を 介してヒトα1C受容体をコードするその変異体、または、インタクトなG-タ ンパク質及びリガンドの結合部位を備えた機能性ヒトアドレナリンα1C受容体 のコードを継続しているその頭部欠失体を有することを特徴とする請求項2に記 載のDNA。 4.図5の配列番号11、図18の配列番号26または図19の配列番号27の 配列を有する請求項3に記載のDNA。 5.当該受容体をコードするクローン化核酸構築物を含む細胞によって発現され るヒトアドレナリンα1C受容体。 6.クローン化ヒトアドレナリンα1C受容体を発現する細胞。 7.ヒトアドレナリンα1C受容体に特異的に結合する化合物の同定方法であっ て、 a.ヒトアドレナリンα1C受容体をクローニングする段階と、 b.クローン化アドレナリンα1C受容体を発現ベクターにスプライシングし、 原核細胞または真核細胞に当該構築物を導入したときに受容体の発現が誘発され るべく十分な転写及び翻訳シグナルにα1C受容体が操作可能に結合された構築 物を作製する段階と、 c.導入される当該構築物の非存在下ではヒトアドレナリンα1C受容体を発現 しない原核細胞または真核細胞に前記構築物を導入する段階と、 d.段階cで産生された細胞から単離した細胞または膜を、ヒトアドレナリンα 受容体に結合することが知られている定量可能化合物と共にインキュベートし、 次いで定量可能化合物を競合によって受容体から排除するためにある濃度範囲で 試験化合物を添加し、定量可能化合物の50%が受容体から排除されたときの試 験化合物の濃度を試験化合物のIC50として測定する段階と、 e.段階dのインキュベーション条件と同じ条件下で、ヒ トα1C受容体以外の導入されたクローン化ヒトアドレナリンα受容体のサブタ イプを天然に発現するかまたは有している細胞または細胞の膜をインキュベート し、非α1C受容体に対する試験化合物のIC50を測定する段階と、 f.α1C受容体に対する試験化合物のIC50と、α1C以外のアドレナリンα 受容体のサブタイプに対する試験化合物のIC50とを比較し、α1C受容体に対 するIC50のほうが低い化合物を同定する段階と、 を含むことを特徴とする方法。 8.ヒトアドレナリンα1C受容体に特異的に結合する化合物を医薬として有効 な量で投与する良性前立腺肥大の症状を軽減する方法。 9.化合物が、S(+)-ニグルジピン、(S(+)-1,4-ジヒドロ-2,6- ジメチル-4-(3-ニトロフェニル)-3,5-ピリジンジカルボン酸3-(4,4 -ジフェニル-1-ピペリジニル)-プロピルメチルエステル塩酸塩)、または、5 -メチルウラピジル、5-メチル-6〔〔3-〔4-2-メトキシフェニル)-1-ピペ ラジニル〕プロピル〕アミノ〕-1,3-ジメチルウラシルであることを特徴とす る請求項8に記載の方法。 10.前記化合物がヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効 な化合物と共に投与されることを特徴とする請求項8に記載の方法。 11.ヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効な化合物が、 5-αレダクターゼアイソザイム1のインヒビターであることを特徴とする請求 項10に記載の方法。 12.5-αレダクターゼインヒビターがフィナステリドであることを特徴とす る請求項11に記載の方法。 13.ヒトテストステロン5-αレダクターゼを阻害するのに有効な化合物が、 5-αレダクターゼアイソザイム1及びアイソザイム2の二重インヒビターであ ることを特徴とする請求項10に記載の方法。 14.フィナステリド及びS(+)-ニグルジピンまたは5-メチルウラピジルを 医薬として有効な量で投与する良性前立腺肥大の症状を軽減する方法。 15.ヒトアドレナリン受容体のα1-Aサブタイプ全体をコードするDNAか ら本質的に成るDNA。 16.原核細胞または真核細胞に導入された受容体が発現されるように、受容体 をコードするDNAが調節配列に操 作可能に結合されていることを特徴とする請求項15に記載のDNA。 17.受容体が図22の配列番号29で示される核酸配列、遺伝コードの重複性 を介してヒトアドレナリンα1A受容体をコードするその変異体、または、イン タクトなG-タンパク質及びリガンド結合部位を備えた機能性ヒトアドレナリン α1A受容体のコードを継続しているその頭部欠失体を有することを特徴とする 請求項16に記載のDNA。 18.当該受容体をコードするクローン化核酸構築物を含む細胞によって発現さ れるヒトアドレナリンα1A受容体。 19.配列番号29の配列に95%を上回る相同性を示す配列を有しているクロ ーン化ヒトアドレナリンα1A受容体を発現する細胞。 20.ヒトアドレナリンα1A及びα1B受容体に比べてヒトアドレナリンα1 C受容体に対して12倍以上の特異性を有する化合物を阻害有効量で要治療患者 に投与する良性前立腺肥大の治療方法。 21.ヒトアドレナリンα1A及びα1B受容体に比べてヒトアドレナリンα1 C受容体に対して12倍以上の特異性を有する阻害有効量の化合物と、阻害有効 量のヒトテス トステロン5-αレダクターゼインヒビターとを含む組成物。
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