JPH08506897A - 発光蛋白質複合体の調製法およびその使用法 - Google Patents
発光蛋白質複合体の調製法およびその使用法Info
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Abstract
(57)【要約】
本発明は、未誘導化発光蛋白質の発光活性の全てもしくは相当部分を保持する発光蛋白質の複合体の合成法を含む。本発明に従うと、発光蛋白質を、ストレプトアビジン/アビジン、糖蛋白質、レクチン、ホルモン、抗原、薬物、抗体およびその抗原結合性断片、もしくは他の選択的に結合可能な試薬を含む多様な結合性試薬と、化学的架橋結合法により複合体を形成させることができる。本発明はまた、この方法により生成される複合体、およびこのような複合体の使用法をも含む。
Description
【発明の詳細な説明】
発光蛋白質複合体の調製法およびその使用法技術分野
本発明は、ラベル化特異的結合アッセイ試薬に、そしてより具体的には結合性
分子に結合させてある発光蛋白質を含む特異的結合アッセイ試薬に関する。発明の背景
生物発光は生物学的分子による光の放射を意味する。生物発光蛋白質は、ルシ
フェリンの酸化の触媒作用を行って光を放射させかつオキシルシフェリンを放出
させるルシフェラーゼ類、もしくはルシフェリンの酸化の触媒作用を行って光は
放射させるが酸化物質は放出させない発光蛋白質類のような酵素そのものである
ことができる。生物発光蛋白質の例には、有櫛動物門の動物であるムネミオプシ
ス(Mnemiopsis)(ムネミオプシン(mnemiopsin))およ
びベロエ オバタ(Beroe ovata)(ベロビン(berovin))
から単離された酵素、腔腸動物門の動物であるアエクオリア(Aequoria
)(アエクオリン(aequorin))、オベリア(Obelia)(オベリ
ン(obelin))、ペラギア(Pelagia)から単離される酵素、なら
びにレニラ(Renilla)(レニラ(Renilla)のルシフェラーゼ)
のような動物から単離されるルシフェラーゼ類、ならびに軟体動物門の動物であ
るフォラス(Pholas)(フォラシン(pholasin))から単離され
る酵素が含まれる。生物発光蛋白
質はまた、シプリディナ(Cypridina)のような貝虫亜網の動物からも
単離することができる。
診断用アッセイにおけるラベル化物として特に有用な生物発光蛋白質は発光蛋
白質アエクオリンである。アエクオリンは腔腸動物門の動物のルシフェリンのオ
キシルシフェリンへの酸化の触媒作用を行い、青色光(ラムダーmax=469n
m)を付随して発生する。アエクオリンは、強固に結合する腔腸動物門の動物の
ルシフェリンおよび酸素を各1モルずつ含むMr22.000の一本鎖のポリペ
プチド鎖であるアポアエクオリンからできている。この複合体からの光放出はカ
ルシウムイオンの結合時に開始する。アエクオリンは単一のターンオーバー現象
すなわち「閃光反応」の触媒作用を行い、これは約10秒間持続する。
この反応の収量が比較的高いために、アエクオリンを市販品として入手可能な
ルミノメーターを用いてアトモルレベル(10−18モル)で検出することができ
る。カルシウムを必要とすることのため、および非常に低いレベルでの検出が可
能であることのために、アエクオリンは細胞内カルシウムのレベルを記録するの
に有用であることが判明している。非放射性同位元素性レポーター分子としてア
エクオリンを用いることの有望な効用は最近、組換え蛋白質が利用可能になって
初めて認識されたばかりである(Cormier et al.により総説がま
とめられている。Cormier、M.J.Prasher DC Longi
atu、M & McCann、R.O.1989、Photochem. P hotobiol.
49:509−512)。
つい最近になるまで、ホタルであるフォティヌス ピラリス(Photinu s
pyralis)のルシフェラーゼの特性に基づき、全て
の生物発光蛋白質は本質的に不安定かつ複雑であり、このためにそれらはレポー
ター分子には不適切なものとなっていると当該分野では一般的に考えられていた
(Bronstein & McGrath、1989 Chemilumin
escence Lights Up.Nature 338、599−600
)。しかしながら、アエクオリンのビオチニル化誘導体はそのもともとの活性の
80パーセントを上回る活性を保持することが最近示され、そしてストレプトア
ビジンと組み合わせて用いる場合には、マイクロタイターウエルもしくは膜支持
体に固定化させた蛋白質抗原およびDNAを初めとするビオチニル化標的のナノ
グラムからサブナノグラムまでを検出することが証明されている(Stults
et al.、1992、Rivera,H.、McCann,R.O.、O
’Kane D.、Cummings,R.D.、Cormier M.J.、
Smith D.F.Use of Recombinant Biotiny
lated−Aequorin in Microtiter and Mem
brane−Based Assays.Purification of R
ecombinant Apoaequorin From Escheric hia
coli.Biochemistry、31、1433−1442)。
その上、ビオチニル化アエクオリンはまた、サルモネラ(Salmonella
)抗原用の捕捉免疫アッセイ(Smith et al.、1991、A Mi
croplate Assay For Analysis of Solut
ion Phase Glycosyltransferase Reacti
ons:Determination of Kinetic Constan
ts.Anal.Biochem.
199、286−292)、ならびにグリコシルトランスフェ
ラーゼ類および糖蛋白質類用の固相アッセイ(Mengeling et al
.、1991、A Microplate Assay For Analys
is of Solution Phase Glycosyltransfe
rase Reactions:Determination of Kine
tic Constants.Anal.Biochem.199、286−2
92)、(Zatta et al.、1991、A Solid Phase
Assay For β1,4 Galactosyl Trasferas
e Activity in Human Serum Using Reco
mbinant Aequorin、Anal. Biochem.194、1
85−191)において成功裏に用いられている。
アエクオリンのビオチニル化誘導体は多様なアッセイ型において良好に作用す
るものの、化学的な架橋形成法により、レセプター、ホルモン、レクチン、抗体
およびそれらの結合性断片、抗原、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、なら
びに糖蛋白質を初めとする多様な選択的結合可能試薬との組換えアエクオリンの
直接複合体を合成することが有利であろう。このような複合体は、インキュベー
ション段階の数を減少するか、あるいはアビジン/ストレプトアビジン−ビオチ
ン相互作用を完全に除去することにより生物学的標的のより迅速な検出を可能に
するであろう。
ヘテロ二官能性試薬を用いる抗体のFAB断片に対するアポアエクオリンの直
接的な化学的架橋形成が報告されている(Erikaku et al.、19
91、Bioluminescent Immuno
assay Using a Monomeric Fab’−Photopr
otein Aequorin Conjugate.Biochem.Bio phys
.Res.Commun.174、1331−1336)。この抗体複
合体はマレイミド基でのアポアエクオリン上のアミノもしくはチオール基の修飾
に基づく化学的架橋形成技術を用いて調製された。不幸なことに、この架橋形成
法は未誘導化アエクオリンの単に約10パーセントの活性を保持するアポアエク
オリン−抗体複合体をもたらすに過ぎない。(Abst.、p.1331 Er
ikaku et al.、1991、を参照せよ)。
従って必要とされるのは、実質的に発光蛋白質活性を保存する発光蛋白質複合
体を調製するための直接的な化学的架橋形成法である。発明の要約
本発明は、未誘導化発光蛋白質の発光活性の実質的部分を保持する発光蛋白質
の複合体の合成法を含む。本発明に従うと、発光蛋白質を、ストレプトアビジン
/アビジン、レクチン、酵素、糖蛋白質、ペプチド、ホルモン、レセプター、抗
原、薬剤、抗体およびそれらの抗原結合性断片、RNA、DNA、オリゴヌクレ
オチド、あるいは他の選択的結合可能分子もしくは組成物を含むがそれらには限
定されない多様な結合性試薬と、化学的架橋形成法により架橋形成させることが
できる。
本発明はまた、この方法により生成される複合体、ならびにある被検体の試料
中での存在および量を決定するための結合アッセイにおけるこのような複合体の
使用法をも含む。本発明の複合体形成法は、複合体形成予定の発光蛋白質内へ追
加のスルフヒドリル基を導入し、ある結合性試薬を化学的に修飾してその試薬を
スルフヒドリル反応性にさせ、そし
てそのスフルヒドリル活性化発光蛋白質をそのスルフヒドリル反応性結合性試薬
と反応させて本発明の発光蛋白質−結合性試薬複合体を形成する段階を含む。こ
の方法により、発光活性を保持する安定な発光蛋白質−結合性試薬複合体が得ら
れる。
従って、生物発光活性を保持する安定な発光蛋白質−結合性試薬複合体を生成
するための方法を提供することは本発明の目的である。
生物発光活性を保持する安定な発光蛋白質−結合性試薬複合体を提供すること
は本発明の別の目的である。
生物発光活性を保持するアポアエクオリンもしくはアエクオリンの安定な複合
体の生成のための方法を提供することは本発明の更に別の目的である。
生物発光活性を保持するアポアエクオリンもしくはアエクオリンの安定な複合
体を提供することは本発明の更に別の目的である。
一つもしくは複数のアミノ基を含む結合性試薬を、得られる複合体が生物発光
活性を保持するように少なくとも一つの追加のスルフヒドリル基を含むように修
飾した発光蛋白質に対して複合体形成させることができる方法を提供することは
本発明の更に別の目的である。
結合性試薬が抗体である安定な発光蛋白質複合体を提供することも、やはり本
発明の目的である。
結合性試薬が抗原である安定な発光蛋白質複合体を提供することも、やはり本
発明の目的である。
結合性試薬がレクチンである安定な発光蛋白質複合体を提供することは本発明
の目的である。
結合性試薬がレセプターである安定な発光蛋白質複合体を提供するこ
とは本発明の別の目的である。
結合性試薬がリガンドである安定な発光蛋白質複合体を提供することも、やは
り本発明の目的である。
結合性試薬がオリゴヌクレオチドである安定な発光蛋白質複合体を提供するこ
とも、やはり本発明の目的である。
本発明のこれらの目的および他の目的ならびに利点は、開示される態様および
添付される請求の範囲の以下に記載される詳細な記述の再考査後には明らかにな
るであろう。図面の簡単な記述
図1は、発生する光の量により測定した際のスルホ−SMCCの増加量での処
理によるアエクオリンの不活化のグラフ的表示である。
図2は、発生する光の量により測定した際のアエクオリンにおける2−イミノ
チオランの有害効果の非存在のグラフ的表示である。
図3は、発生する光の量により測定した際の免疫化したヤギの抗−マウス抗体
に特異的なアエクオリン−(マウス抗体)複合体結合のグラフ的表示である。
図4は、発光およびO.D.280吸収により測定した際のアエクオリン−抗体
複合体の精製を具体的に説明するゲル−濾過クロマトグラフィー曲線である。
図5は、発光および280nmでの光学密度(O.D.280)により測定した
際のアエクオリン−抗体複合体の精製を具体的に説明するDEAEイオン交換ク
ロマトグラフィー曲線である。
図6は、競合的免疫アッセイにおけるチロキシン(T4)に対するアエクオリ
ン−チロキシン(T4)複合体の結合性のグラフ表示である。発明の詳細な記述
本明細書に用いられる重要な用語は以下のように定義される。
本明細書に用いられる用語「発光蛋白質」は、いずれかの生物発光蛋白質、す
なわち発光可能ないずれかの蛋白質、あるいはルミネセンス反応の(すなわち、
光を発生する生物発光蛋白質介在反応)の一構成成分であるものを意味する。用
語「発光蛋白質」には、ルシフェリン類のような生物発光酵素類およびアエクオ
リンのような発光蛋白質類が含まれる。発光蛋白質の例には、アポアエクオリン
、アエクオリン、アポ−オベリン、オベリン、アポ−ムネミオプシン、ムネミオ
プシン、アポ−ベロビン、ベロビン、フォラシン、ならびに生物体ペラギア(P elagia
)、シプリディナ(Cypridina)のような貝虫亜網の動物
から単離される生物発光蛋白質類、ならびにレニラ(Renilla)のルシフ
ェラーゼが含まれるがそれらに限定はされない。発光蛋白質のアポ−形態は、そ
の蛋白質がルシフェリンに結合していることを意味する。それとは対照的に、発
光蛋白質の非アポ−形態は、ルシフェリンがその蛋白質に結合していることを意
味する。
本明細書に用いられる用語「アポアエクオリン」は、引用により本明細書に取
り込まれるPrasher et al.(1987)、Sequence C
omparisons of Complementary DNAs Enc
oding Aequorin Isotypes、Biochemistry
、volume 26、number 5 1326−1332により例として
示される組換えアポアエクオリンを初めとする、アポアエクオリン配列として当
該技術分野に一般的に知られる関連アミノ酸配列のいずれかを意味する。用語「
アポアエ
クオリン」はまた、部位特異的突然変異誘発により変化させた蛋白質のような修
飾化蛋白質を含むことも意図される。アポアエクオリンは、ルシフェリン(これ
が強固に会合するとアエクオリン複合体が形成される)を含まない単独の蛋白質
配列を意味する。
本明細書に用いられる用語「アエクリン」は、ルシフェリンおよび酸素が結合
する天然に得られるものかあるいは組換え体のいずれかのアポアエクオリン蛋白
質でできている複合体を意味する。この複合体は、カルシウムのような二価カチ
オンによりトリガー反応が起こる(trigger)際に光を発生することが可
能である。本明細書で用いられる用語「スルフヒドリル−活性化発光蛋白質」は
、未修飾の発光蛋白質中に存在するよりも少なくとも一つ多いスルフヒドリル基
を含むように化学的に修飾された先に定義したような発光蛋白質を意味する。
本明細書で用いられる用語「結合性試薬」は、アッセイ予定の被検体に特異的
に結合可能であって化学修飾に利用可能なアミノ基を有する化合物を意味する。
アッセイ予定の被検体はいずれかの選択的結合可能物質であることができる。結
合性試薬の例には、ストレプトアビジン/アビジン、レクチン、酵素、糖蛋白質
、ペプチド、ホルモン、レセプター、抗原、薬物、抗体およびそれらの抗原結合
性断片、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、あるいは他の選択的結合可能分
子もしくは組成物が含まれるがそれらには限定されない。
本明細書で用いられる用語「スルフヒドリル−活性化」もしくは「スルフヒド
リル−活性化発光蛋白質」は、発光蛋白質中にもともと内在するスルフヒドリル
基に加えて少なくとも一つのスルフヒドリル基を含むように修飾してある発光蛋
白質を意味する。スルフヒドリル−活性化発
光蛋白質をスルフヒドリル−反応性結合性試薬と反応させて本発明の複合体を形
成することができる。
本明細書で用いられる用語「スルフヒドリル−反応性」もしくは「スルフヒド
リル−反応性の結合性試薬」は、スルフヒドリル−活性化発光蛋白質上のスルフ
ヒドリル基と反応して発光蛋白質−結合性試薬複合体を形成することが可能な結
合性試薬を意味する。ある種のスルフヒドリル−反応性の結合性試薬はマレイミ
ド基を含むように予め修飾してあるものを意味し、そしてこれを「マレイミド−
活性化」と称する。別の種類のスルフヒドリル−反応性の結合性試薬はα−ハロ
カルボニル基を含むように修飾してあるものである。
本明細書で用いられる用語「発光蛋白質−結合性試薬複合体」もしくは「複合
体」は、スルフヒドリルを基にする架橋形成反応を介して共有結合的に結合する
、発光蛋白質と結合性試薬との先に定義したような複合体を意味する。
本発明は、発光蛋白質と、ストレプトアビジン/アビジン、レクチン、ホルモ
ン、抗原、薬物、抗体およびそれらの抗原結合性断片、もしくは他の結合性試薬
を初めとする多様な結合性試薬との化学的架橋形成法による複合体の合成法を含
む。本発明はまた、この方法により生成される発光蛋白質−結合性試薬複合体を
も含む。
本発明の複合体形成法には、複合体形成予定の発光蛋白質内へ追加のスルフヒ
ドリル基を導入し、ある結合性試薬を化学的に修飾してその試薬をスルフヒドリ
ル反応性にさせ、そしてそのスフルヒドリル活性化発光蛋白質をそのスルフヒド
リル反応性の結合性試薬と反応させて本発明の発光蛋白質−結合性試薬複合体を
形成する段階が含まれる。この方法
により発光活性を保持する安定な発光蛋白質−結合性試薬複合体が産生される。
この理論に限定されることは望まないものの、発光蛋白質のスルフヒドリル活
性化は、生物発光活性に必須である内在性スルフヒドリル基を保護するのに働く
ということが推定される。従って後続の、スルフヒドリル−活性化発光蛋白質中
のスルフヒドリル基を介する結合性試薬への架橋形成は生物発光活性に実質的に
悪影響を及ぼすことがない。これは、非スルフヒドリル−活性化発光蛋白質の従
来の技術の複合体に勝る実質的な改善である。
本発明で用いられる発光蛋白質には、アポアエクオリン、アエクオリン、オベ
リン、ムネミオプシン、ベロビン、フォラシン、ルシフェラーゼ類、ならびにペ
ラギア(Pelagia)、シプリディナ(Cypridina)、および貝虫
亜網の動物から単離される発光蛋白質類が含まれるがこれらには限定されない。
発光蛋白質類を適切な試薬での化学的修飾によりスルフヒドリル活性化させて
、未修飾の発光蛋白質上に存在するよりも少なくとも一つ多いスルフヒドリル基
を付加する。この発光蛋白質に複数のスルフヒドリル基を付加することが好まし
い。このようなスルフヒドリル活性化試薬の例には、2−イミノチオラン(トロ
ート試薬(Traut’s reagent))、N−スクシンイミジル S−
アセチルチオ酢酸エステル(これは後にヒドロキシルアミンでの脱保護化をおこ
なう)が含まれるがこれらには限定されない。さらに、無水S−アセチルメルカ
プトコハク酸(SAMSA)、N−スクシンイミジル−3(2−ピリジルジチオ
)プロピオン酸エステル(SPDP)、およびスルホン化されているかも
しくは伸長用スペーサーアームを有するそれらの誘導体類、あるいは4−スクシ
ンイミジルオキシカルボニル α−メチル α(2−ピリジルジチオ)−トルエ
ン(SMPT)を使用することができ、これら各々を還元試薬での処理により脱
保護化する。好ましいスルフヒドリル活性化試薬は2−イミノチオランである。
本発明で使用することができる結合性試薬には、ストレプトアビジン/アビジ
ン、レクチン、酵素、糖蛋白質、ペプチド、ホルモン、レセプター、抗原、薬物
、抗体、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、あるいは他の選択的結合可能分
子もしくは組成物が含まれるがこれらには限定されない。好ましい結合性試薬は
抗体および抗原である。結合性試薬を化学的に修飾してそれらをスルフヒドリル
−反応性にする。スルフヒドリル−反応性ヘテロ二官能性架橋形成試薬およびス
ルフヒドリル−反応性モノ二官能性架橋形成試薬がこの目的に用いられる。
マレイミド基を誘導するヘテロ二官能性試薬の例には、スクシンイミジル 4
−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン(SMCC)、スルホスクシンイミ
ジル 4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(
スルホ−SMCC)、m−マレイミド ベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイ
ミドエステル(MBS)およびMBSのスルホン化誘導体(スルホ−MBS)、
スクシンイミジル 4−(p−マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)お
よびそのスルホン化誘導体(スルホ−SMPB)、ならびにスクシンイミジル−
6−(N−マレイミド− −ヘキサノエート)(MHS)が含まれるがそれらに
は限定されない。
α−ハロカルボニル基を導入するのに有用なヘテロ二官能性試薬の例
には、スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SLAB
)およびそのスルホン化誘導体(スルホ−SLAB)、ならびにN−ヒドロキシ
スクシンイミジルブロモアセテート(HSBA)が挙げられるがそれらには限定
されない。
スルフヒドリル反応性架橋形成に有用なホモ二官能性試薬の例には、ビス(マ
レイミド)−メチルエーテル(BMME)およびビスマレイミドヘキサン(BM
H)が含まれるがそれらには限定されない。好ましい試薬はスルホスクシンイミ
ジル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(ス
ルホ−SMCC)である。
本発明の好ましい態様においては、組換えアエクオリンを2−イミノチオラン
で化学的に修飾し、それをスルフヒドリル−活性化させる。これとは別に、アッ
セイ予定の被検体に特異的に結合することが可能な抗体のような結合性試薬をヘ
テロ二官能性架橋形成剤のスルホ−SMCCで化学的に修飾して、その結合性試
薬をスルフヒドリル−反応性にさせる。その後にそのスルフヒドリル−活性化発
光蛋白質とそのスルフヒドリル−反応性の結合性試薬を、発光蛋白質−結合性試
薬複合体を形成するための結合を促進するのに十分な条件下で反応させる。
得られる複合体を、所望される場合には当業者に一般的に知られる方法により
、その反応混合物の未反応構成成分から分離することができる。例えば発光蛋白
質−結合性試薬複合体は一般的に、単独の発光蛋白質もしくは結合性試薬のいず
れと比較してもサイズがかなり大きいであろう。そのため、それらは簡単に、サ
イズを基にして複合混合物の構成成分を分離するクロマトグラフィーカラムを通
す分離により精製することができる。その上複合体を、イオン交換クロマトグラ
フィーのような他の方
法により分離することができる。このような分離技術は当該技術分野において良
く知られている。
本発明の発光蛋白質−結合性試薬複合体を多様な結合アッセイに用いて、ある
結合性試薬に選択的に結合することが可能な被検体の存在もしくは量を測定する
ことができる。結合アッセイの例には、遂次捕捉アッセイ(サンドイッチアッセ
イとしても知られている)、同時捕捉アッセイ、競合的アッセイ、およびDNA
もしくはRNAへのオリゴヌクレオチド結合のような核酸ハイブリッド形成があ
る。このようなアッセイは一般的には結合アッセイと称されるものの、抗体が関
連する場合にはこれらは免疫アッセイと称されることがある。
ある態様においては本発明のアッセイを、被検体と結合可能な発光蛋白質−結
合性試薬複合体を測定予定の被検体を含むことが疑われる試料と接触させ、その
複合体と被検体とを互いに結合させて発光蛋白質−結合性試薬−被検体複合体を
形成させ、その複合体を残りの試料から分離し、そしてその発光蛋白質でルミネ
センス反応を開始させ、次いで発生する光を測定することにより被検体の存在お
よび量を決定することにより実施する。
別法では被検体の存在および量を、未知の量の被検体を含む試料を既知の量の
被検体−発光蛋白質複合体と合わせ、そしてこの混合物をその被検体用の結合相
手の限定量に結合させる競合的結合アッセイにおいて決定することができる。こ
の被検体−発光蛋白質複合体は、被検体の結合相手への結合についてその試料中
の被検体と競合する。被検体の結合相手に結合する複合体の量は、ルミネセンス
反応を開始させかつ放出される光を測定することにより決定する。その後にこの
試料中の被検体の
量を、生じる競合的結合の量の関数として決定する。
多くの診断用アッセイは免疫アッセイ技術を利用しており、そして本発明の発
光蛋白質−結合性試薬複合体は、その結合性試薬が抗体である場合に調製するこ
とができる。選択される抗体はモノクローナルもしくはポリクローナルのいずれ
かであることができ、かつアッセイ予定の被検体に特異的に結合することが可能
である。体液を例とするアッセイ予定の試料を、マイクロタイターウエルのよう
な固体支持体に固定化されていて、抗体であることが良くある捕捉試薬と接触さ
せる。この試料中の被検体はその捕捉試薬により選択的に捕捉され、そして非結
合性試料を洗浄して除去する。その後に発光蛋白質−抗体複合体を、特異的に結
合するようにその捕捉化被検体と接触させる。過剰の発光蛋白質−抗体複合体を
洗浄して除去する。別法ではこの捕捉アッセイを、全ての結合性構成成分を同時
に混合することにより実施する。
結合した複合体の量は、その複合体により放射される光の量を測定することに
より決定する。アエクオリンの場合には、発光はカルシウムのような二価のカチ
オンの添加により引き起こされる。測定された複合体の量は、その試料中に存在
する被検体の量を示す。
既述の複合体は本発明に含まれる複合体の例である。多様な他の結合性試薬を
抗体に代用させることができる。例えば、抗原−複合体は本発明の範囲内に含ま
れ、そして試料中の複合体未形成の抗原の量を決定するための競合アッセイに有
用である。同様に、本発明の複合体は結合性試薬としてレクチンを含み、そして
試料中に存在する炭水化物もしくは糖蛋白質の量および種類を決定するのに有用
である。その上、本発明の複合体は結合性試薬としてレセプターおよびリガンド
を含み、そしてそ
れぞれ試料中のリガンドもしくはレセプターの存在および量を決定するのに有用
である。その他にも、本発明の複合体は結合性試薬としてストレプトアビジン/
アビジンを含み、そしていずれかのビオチニル化被検体の存在および量を決定す
るのに有用である。類似の様式で、本発明の複合体は結合性試薬としてDNA、
RNA、およびオリゴヌクレオチドを含み、そして当該技術分野で知られるヌク
レオチドハイブリッド形成法により試料中の核酸分子の存在および量を決定する
のに有用である。
他のアッセイおよび本発明の複合体の使用法は当業者には明白になるであろう
し、かつそれらは添付される請求の範囲内に含まれることが意図される。
本発明は、以下に示す具体例を参照すればより良く理解されるであろう。例1
有用な複合体を作成するのに失敗した従来の試み
本発明以前には、アエクオリン複合体の合成用の数々の異なる研究方法が試さ
れた。このような研究法の一つは、第一級アミン反応性のN−ヒドロキシスルホ
スクシンイミドおよびチオール反応性のマレイミドを含むヘテロ二官能性試薬ス
ルホ−SMCCを用いるアエクオリン内へのマレイミド基の導入であった。この
手法はアエクオリンのアミノ基のスルホ−SMCCのNHSエステル部分との反
応を必要とし、マレイミド−活性化誘導体を生成し、この誘導体はその後に結合
相手上の利用可能なスルフヒドリル基と共有結合により結合させることができる
。アミノ基それ自体の修飾はアエクオリンに有害ではなく、それはビオチニル化
されたアエクオリン誘導体の作成が成功していることにより説明される
(Stults et al.、1992)。
しかしながら、同一分子もしくは近隣の分子上の接近可能なスルフヒドリル基
と反応することができるマレイミド基の導入は、同様に発光蛋白質活性の喪失を
もたらすであろう。アエクオリン中の3つのシステイン基の内の少なくとも一つ
はカルシウム依存的発光に必須であることが示されている(Shimomura
et al.、1978;Kemple et al.、1984)。部位特
異的突然変異誘発研究により、3つ全てのシステイン基はアエクオリン活性にお
いてある役割を担っていることが実証されている(Tsuji et al.、
1986;Kurose et al.、1989)。従って当業者は、重要な
スルフヒドリル基の化学修飾はアエクオリンの活性を有意に損なうであろうこと
を予測するであろう。
アエクオリン中の3つのシステイン残基の内の少なくとも一つが発光に必要で
あるため、そしてスルホ−SMCCのマレイミド部分は活性化段階中にアエクオ
リンの遊離のスルフヒドリル基と反応するであろうために、当業者はアエクオリ
ンの発光活性の相当な低減を予測できるであろう。従って、スルホ−SMCCで
のアエクオリンの処理により発光蛋白質の迅速な不活化がもたらされることが予
測された。
アエクオリンを最高3倍モル過剰のスルホ−SMCCで30分間室温で処理し
た。光活性はカルシウムの注入の際にルミノメーターを用いて記録した。スルホ
−SMCCでの処理によるアエクオリンの激烈かつ有害な不活化が図1に説明さ
れる。これらの結果により、スルホ−SMCCでの活性化によるアエクオリンの
迅速かつ相当な不活化についてのErikaku et al.、の所見が証明
される。
これらの考察および先に論議される結果を考慮すると、マレイミド−活性化さ
せた結合相手を直接アエクオリンの遊離のスルフヒドリルと反応させるスルホ−
SMCCを用いる別法の結合手法でもやはりほとんど発光蛋白質活性を持たない
不安定な複合体を生じるとが予期されない訳ではなかった。表1は、未修飾のア
エクオリンで作成した複合体とスルホヒドリル−活性化アエクオリンを用いて作
成した複合体との間の劇的な違いを説明する。既知の量の甲状腺刺激化ホルモン
(TSH)を、ヒトのTSHに対するマウスモノクローナル抗体でコートしたポ
リスチレン製の試験管に添加した。結合したホルモンを、スルフヒドリル−活性
化していないアエクオリンに対して2−イミノチオランで活性化させてあるアエ
クオリンを用いて調製した抗−ヒトTSHマウスモノクローナル抗体−アエクオ
リン複合体を用いて検出した。洗浄後、光活性をカルシウムの注入の際にルミノ
メータを用いて検出した。
単位μIUはTSHのミクロ国際単位であり、RLUは相対的光単位を意味し
、RIU/ODは280nmの光学密度当たりの相対的光単位
を意味し、そして括弧内の数値は%CV(変動係数)である。
未修飾のAEQで調製した複合体を用いるアッセイにおいては6.5倍多い複
合体を必要としたことに注意することが重要である。このデータにより、未修飾
のアエクオリンで合成された複合体の性能は、追加のスルフヒドリル基を含むよ
うに修飾されたアエクオリンを用いて合成された複合体よりも著しく劣ることが
証明される。スルフヒドリル付加を伴わずに調製された複合体の比活性は2−イ
ミノチオランを用いて調製された複合体と比較すると10%を下回っていた。未
修飾化アエクオリンで作成した複合体は免疫アッセイにおいてTSHに結合する
一方で、その性能は、免疫反応性カウント数すなわち添加する必要のあるIgG
の量と、そのアッセイの総体的な性能との両方により制約される。
従って、実質的なルミネセンスを保持する修飾化および架橋結合させたアエク
オリン−抗体複合体の発見は驚くべきかつ思いもよらない結果であった。本発明
の光活性の高いアエクオリン−抗体複合体は以下に記載のように合成した。以下
の非制限的実施例は、当業者が添付される請求の範囲により特定される本発明を
より良く理解することができることを目的に提供する。
例2
スルフヒドリル−活性化アエクオリンの複合体の合成
材料. 2−イミノチオランおよびスルホ−SMCC(スルホスクシンイミジ
ル4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキレート)は、P
ierce Chemical Co.社から取得し、DEAE−セファロース
(Sepharose)、セファデックス(Sephadex)、セファクリル
(Sephacryl)、および
他の全ての化学物質はSigma Chemical Co.社もしくはFis
her Scientific社のいずれかから取得した。光測定は試験管用ル
ミノメーター(Berthold Clinilumat LB9502)もし
くはマイクロタイタープレート用ルミノメーター(Dynatech ML10
00 Microplate)のいずれかを用いて行った。Dynatech社
の装置内ではDynatech社から入手することができる不透明なマイクロタ
イターウエル(Microlite 2 ウエル)を用いた。
2−イミノチオランでのアエクオリンの活性化.通常、2mMのEDTAを含
む10mMのトリス、0.15MのNaCl、pH8.0(TBS/E)中に保
存してあるアエクオリンは2−イミノチオランでの活性化前に、重炭酸塩緩衝液
で平衡化してある脱塩カラムを通すことにより0.1Mの重炭酸ナトリウム、0
.2MのNaCl、2mMのEDTA、pH8.5に交換する。各1mlの分画
を回収し、そしてO.D.280を記録する。アエクオリンを含む素通り分画を一
緒に合わせ、そしてその合わせた分画の蛋白質の量をO.D.280により評価す
る。この時点で重炭酸塩緩衝液中にあるアエクオリンをその後に、その合わせた
アエクオリンに、重炭酸塩緩衝液中の2−イミノチオランの新しく調製した保存
溶液の適切な容量を添加することにより2〜200倍モル過剰の2−イミノチオ
ランと反応させる。この溶液を緩和に混合させ、そして室温で30分間放置する
。この反応を、過剰のアミノ試薬(50〜100μlの1.5M トリス、pH
7〜9)の添加により停止させる。この反応混合物を、脱気させた0.1M ト
リス、2mM EDTA、pH7.0(TE)中で平衡化させた脱塩カラムに通
して余剰な2−イ
ミノチオランを除去する。各1mlの分画を回収し、そしてO.D.280を記録
する。2−イミノチオラン活性化アエクオリンを含む素通り分画を合わせ、そし
てその合わせた分画中の蛋白質の量をO.D.280により評価する。この2−イ
ミノチオラン活性化アエクオリンは、それをマレイミド−活性化蛋白質と結合さ
せるまで氷上に保存する。図2は、100モル過剰の2−イミノチオランでのア
エクオリンのスルフヒドリル活性化でさえアエクオリンの光活性に悪影響を及ぼ
さないことを証明している。アエクオリンは図2に示される量の2−イミノチオ
ラン(トロート試薬(Traut’s reagent))で、室温で30分間
処理した。光活性は、カルシウムの注入の際にルミノメーターを用いて測定した
。
抗体の活性化. 抗体のような結合性試薬は、普通は5〜50倍モル過剰のス
ルホ−SMCCで活性化させる。該当する抗体が凍結乾燥されている場合には、
それを直接0.1Mの重炭酸ナトリウム、0.2MのNaCl、0.5mMのE
DTA、pH7.5中で再構成させるか、あるいはそれが溶液である場合には0
.1Mの重炭酸ナトリウム、0.2MのNaCl、0.5mMのEDTA、pH
7.5へとゲル濾過により交換する。活性化予定の抗体の量を蛋白質量測定法に
よるか、あるいは適切なモル吸光係数を用いてO.D.280により決定する。重
炭酸塩中のスルホ−SMCCの新しく調製した保存溶液の適切な量をその抗体に
添加し、そしてその溶液を緩和に混合し、そして室温で30分間反応させる。こ
の反応を既述のようにトリスの添加により停止させ、そしてその後にこの反応混
合物を脱気させた0.1Mのトリス、2mMのEDTA、pH7.0内で平衡化
させてある脱塩カラムに通して余剰なスルホ
−SMCCを除去する。マレイミド−活性化抗体を含む素通り分画を合わせ、そ
してその合わせた分画内の蛋白質の量をO.D.280から決定する。マレイミド
−活性化抗体は、2−イミノチオラン活性化アエクオリンと合わせるまでは氷上
に保存する。
複合体形成および複合体の活性アッセイ. 2−イミノチオラン活性化アエク
オリンおよびスルホ−SMCC活性化抗体を、通常は3と30との間のモル比で
合わせ、緩和に混合し、そして振盪させずに一晩4℃で反応させる。この反応混
合物内の活性な抗体複合体の存在についてテストするために、幾つかのアリコー
トを、アエクオリン−抗体複合体が認識するであろうもしくはその複合体を捕捉
するであろう適切な血清もしくは精製した抗−複合体抗体もしくは抗原で、ある
いはストレプトアビジン/アビジンの場合にはビオチニル化した標的で予めコー
トしてある不透明なマイクロタイターウエルもしくはポリスチレン製試験管内で
インキュベートする。例えばマウスのモノクローナル抗体の場合には、マイクロ
タイターウエルを、その複合体を捕捉するであろうヤギ抗−免疫グロブリンでコ
ートすることができる。典型的には、ウエルもしくは試験管を100μlの5〜
50μg/mlの抗体で一晩、4℃でコートする。このコートしたウエルもしく
は試験管をその後に、1%のゼラチン/5mg/mlのBSAのような適切な遮
断試薬で遮断する。平衡に行う一連のブランクウエルもしくは試験管は、同じ遮
断試薬を含む未処理の不透明マイクロタイターウエルをインキュベートすること
により調製する。
この複合体反応混合物の数々の10倍希釈物を、0.1mg/mlのBSAを
含むTBS/E(TBS/E/BSA)中で調製する。幾つか
のアリコート(100μl/ウエル)を遮断したブランクウエルもしくは試験管
および遮断したコート化ウエルもしくは試験管内に入れ、そして10分もしくは
それを上回る期間、室温でインキュベートする。このウエルをTBS/Eで4〜
5回洗浄して結合しなかった複合体を除去する。TBS/E/BSA(50μl
)をそのウエルもしくは試験管に添加して乾燥を回避させる。このマイクロタイ
ターウエルもしくは試験管を適切なルミノメーターに入れて、カルシウムの注入
(10〜100mMのトリス、10〜100mMの酢酸カルシウム、pH7.5
)により結合した複合体の存在を記録する。ブランクウエルもしくは試験管と比
較して有意な光シグナルが抗体/抗原/ビオチニル化標的でコートしたウエルも
しくは試験管内に観察される場合には、この複合体を以下のとおりに精製する。
複合体の精製. アエクオリンと抗体との複合体はゲル濾過およびイオン交換
クロマトグラフィーの組み合わせを用いて精製することができる。この精製段階
を実施する順序は、精製した複合体に関しては問題とはならない。ゲル濾過は、
この反応混合物中に存在するアエクオリン−抗体複合体およびいずれかの未反応
の抗体から遊離のアエクオリン(MW22,000)を分離するのに役立つ適切
な樹脂(例えば、セファデックス(Sephadex)G−100もしくはG−
150、セファクリル(Sephacryl)S−100もしくはS−200)
を用いて実施する。適切なイオン交換媒質を用いて、ゲル濾過後に得られるアエ
クオリン−抗体複合体から反応しなかった抗体を除去する。酸性の等電点(pH
4〜5)であるためにアエクオリンと結合するDEAE−セファロース(Sep
harose)を通常は用いる。アエクオリン−抗体複
合体はその樹脂に結合し、そして溶出のためには塩の濃度勾配液を必要とする。
抗体およびストレプトアビジン/アビジンのような結合性試薬はアエクオリンよ
りも塩基性よりの等電点を有し、そしてそのためにDEAEカラムを素通りする
か、あるいはより低い親和性で結合し、そしてより低い塩濃度で溶出するかのい
ずれかであろう。
この複合体反応混合物を、TE,pH7.0中で平衡化させたゲル濾過カラム
にかける。例えば、抗体との複合体をセファクリル(Sephacryl)S−
200カラム(1.2×85cm)に4℃でかけ、そしてそのカラムをTEで溶
出させる。各分画(0.5〜1.0ml)を回収し、そして280nmでの吸収
により光活性および蛋白質の存在について記録する。そのカラムのボイド容積付
近に溶出するピークはアエクオリン−抗体複合体ならびに未反応の結合性試薬を
含む。光活性の包括的ピークは遊離のアエクオリンに相当する。図4は、抗体−
アエクオリン複合体のセファクリル(Sephacryl)S−200カラムク
ロマトグラフィーの精製曲線を示す。各1mlの分画を回収し、蛋白質濃度を2
80nmでの分光測光により測定し、そして光活性をカルシウムの注入と同時に
ルミノメーターを用いて測定した。
アエクオリン−抗体複合体を含む分画を合わせ、そしてTE、pH7.0で平
衡化させた5mlのDEAE−セファロース(Sepharose)カラム(1
×12cm)にかける。このDEAEカラムを約15〜20mlのTE、pH7
で洗浄した後に、このカラムに結合した蛋白質を、25mlのTE、pH7と0
.6MのNaClを含む25mlのTE、pH7とを用いる直線塩濃度勾配液(
総量50ml)を用いて溶出させる。各1mlの分画を回収し、そして280n
mでの吸光度および
光活性について記録する。遊離の抗体が最初の蛋白質ピーク内に存在するであろ
う。アエクオリン−抗体複合体は蛋白質および光活性を含むピークとして後から
溶出されるであろう。
図5は、DEAE−セファロース(Sepharose)イオン交換クロマト
グラフィーによる抗体−アエクオリン複合体の精製の溶出曲線を示す。光活性は
カルシウムの注入の際にルミノメーターを用いて測定した。精製されたアエクオ
リン−抗体を含む分画を合わせ、そして既述の活性な複合体の存在について再検
査した。精製された複合体のアリコートをSDS−PAGEに供して複合体の存
在を更に確認する。この複合体の比活性(mg当たりの光活性)を決定し、そし
てこの複合体を適切な条件下に保存する。
例3:
抗−ヒト抗体−アエクオリン複合体の精製
スルホ−SMCCマレイミド−活性化マウス抗−TSH抗体の12倍モル過剰
のスルフヒドリル−活性化アエクオリンを含む抗−ヒトTSHモノクローナル抗
体−アエクオリン反応混合物は、4℃で一晩結合させた後に、そのもともとの光
活性の内の約84%を保持していた。
遮断試薬のみで予め処理してあるウエルに比較する際のヤギ抗−マウス抗体で
予め処理してあるマイクロタイターウエル内の3〜10倍多い光活性の結合に基
づき、この反応混合物は所望の複合体を含むことが示された。複合体の希釈液を
、ヤギ抗−マウス抗体でコートした不透明のマイクロタイターウエル内に入れ、
そして遮断試薬で室温で30分間処理した。未結合の複合体を洗浄して除去した
後に、結合した光活性をカルシウムの注入と同時にマイクロタイタープレート用
のルミノメーター
を用いて測定した。特異的結合の結果を図3に示す。
この反応混合物をセファクリル(Sephacryl)S−200カラムに、
次いでDEAE−セファロース(Sepharose)イオン交換クロマトグラ
フィーに通した。このクロマトグラフィー曲線を図4に示す。図4に示されるよ
うに、このS200カラムにかけた約6%の光活性および36%の蛋白質がボイ
ド容積付近に溶出される一方で、残りの光活性は遊離のアエクオリンに相当する
位置に溶出された。このDEAE段階は、図5に示されるように、複合体形成を
行わなかった微量の抗体の除去に役立った。
結合は、抗体の重鎖(50kD)が観察されるよりも大きい分子量の幾つかの
バンドが観察される精製複合体の還元的SDS−PAGE分析により立証された
(データー非公開)。その上この同一の複合体は、発光蛋白質および免疫学的活
性の両方に関して、溶液の状態でも、そして凍結乾燥に対しても安定であった。
この複合体は、適切な緩衝液内に一カ月間4℃で保存した後にその光活性の約7
0%を、そして室温で凍結乾燥粉末として保存した際にはその光活性の85%を
上回る光活性を保持していた。
例4
甲状腺刺激化ホルモン結合アッセイ
甲状腺剌激化ホルモン(TSH)アッセイを実施した。簡潔に記載すると、既
知の量の甲状腺刺激化ホルモン(TSH)を、ヒトのTSHに対するマウスのモ
ノクローナル抗体でコートしたポリスチレン製の試験管に添加した。結合したホ
ルモンを抗−ヒトTSHマウスモノクローナル抗体−アエクオリン複合体で検出
した。洗浄後、光活性をBerth
old Clinilumatルミノメーターを用いて記録した。表2に示すよ
うに抗−TSH抗体−アエクオリン複合体は機能状態であり、それは、捕捉免疫
アッセイにおける低いレベルのTSHを検出する能力により証明されている。
例5
競合的免疫アッセイ
チロキシン−(T4)アエクオリン複合体を用いるチロキシン用の競合的免疫
アッセイを実施した。既知の量のチロキシン(T4)を、チロキシン(T4)に
対するマウス抗体とチロキシン−(T4)アエクオリン複合体の両方と共に、緩
衝液を含む、マウスIgGに対するロバ抗体でコートしたポリスチレン製の試験
管に添加した。洗浄後に、結合した複合体をルミノメーターを用いてカルシウム
の検出時に測定した。得られた競合的結合曲線を図6に示す。
例6
核酸−発光蛋白質複合体の調製
一般的にはDNA/RNAプローブを,蛋白質に類似する様式で誘導化するこ
とができる。RNAおよびDNAの特異的配列に対する相補的プローブを作成し
、そしてアミノ末端もしくは側鎖のアミノ、カルボニル、もしくは他の官能基を
介して直接的に誘導化させるか、あるいは誘導化用試薬と反応させるかのいずれ
かで、より活性の高い「ラベル化可能」な基を提供することができる。その上D
NAは、連結用の遊離のアミノ基を提供することができるプソラレン類のような
物質と架橋結合させることができる。これらの方法を説明する例は以下のとうり
である。
プローブを1,1’−カルボニルジイミダゾールおよびビス−アミンのような
活性化剤と反応させてDNAの二重ヘリックス形成を妨害しないプローブ用の脂
肪族性第一級アミン連結部分を提供することができる。その後にこの第一級アミ
ンをオリゴヌクレオチドとしてスルホ−SMCCのようなNHSエステルと反応
させて、マレイミド官能基を付加した。この例は、引用により本明細書に取り込
まれるS.Beck、T.O’
文(Nuc.Acid.Res.、1989、17、5115−5123)に示
されている。修飾化オリゴヌクレオチドをNHS−ビオチンと反応させる際には
、実質的にはSMCCを用いることができそうである。
アルキルアミンリンカーを,そのプローブの合成中もしくは合成後のいずれか
に付加することができる。この修飾法の例はアリルアミンの使用である。これを
例えばピリミジンのC−5位と反応させてアリルアミン基を作成し、これを標準
的なNHSもしくは他の化学作用を用いて修
飾させて、SMCCもしくはそれに等価な基に結合させることができる。Bio
Techniques、1983、38−41中のL.Gardner、および
PNAS、1983、80、4045−4049におけるそれらの利用法を参照
せよ(この両方共は、引用により本明細書に取り込まれる)。
NHSの化学作用を用いてアクリジニウムエステルをアミン修飾化DNAおよ
びRNA分子に連結させてDNAおよびRNAプローブが作成された。引用によ
り本明細書に取り込まれるClinical Chmistry、1989、3 5
、1588−94のL.J.Arnold Jr.を参照せよ。
このようなプローブを、DNAもしくはRNAに対してハイブリッド形成する
オリゴヌクレオチドのような当業者に知られる核酸ハイブリッド形成アッセイに
用いることができる。
先の説明文および実施例に本発明を十分に記載したので、他の変法および使用
が当業者に明らかになるであろう。このような変法の全ては添付される請求の範
囲の範囲内に含まれることが意図される。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
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TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY,
CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G
B,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,LU,LV
,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT,
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Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 光を発生するためのルミネセンス反応に関与することが可能であり、あ る被検体に特異的に結合することが可能なスルフヒドリル−反応性の結合性試薬 に結合したスルフヒドリル−活性化発光蛋白質を含んでなる発光蛋白質−結合性 試薬複合体組成物。 2. 前記スルフヒドリル−活性化発光蛋白質が、未修飾の発光蛋白質内に存 在するよりも少なくとも一つ多いスルフヒドリル基を含むように修飾されており 、そして前記スルフヒドリル−反応性の結合性試薬が前記発光蛋白質上のスルフ ヒドリル基と架橋結合するように修飾され、得られる発光蛋白質−結合性試薬複 合体が前記リガンドに特異的に結合することが可能でありかつルミネセンス反応 に関与して光を発生することができる、請求の範囲1の発光蛋白質−結合性試薬 。 3. 前記発光蛋白質が、アポアエクオリン、アエクオリン、アポ−オベリン 、オベリン、アポ−ムネミオプシン、ムネミオプシン、アポ−ベロビン、ベロビ ン、ホラシン、ルシフェラーゼ類、ペラギア(Pelagia)もしくは貝虫亜 網の動物から単離される生物発光蛋白質類からなる群より選択される、請求の範 囲1の組成物。 4. 前記結合性試薬が、ストレプトアビジン/アビジン、レクチン、酵素、 糖蛋白質、ペプチド、ホルモン、レセプター、抗原、薬物、抗体、RNA、DN A、およびオリゴヌクレオチドからなる群より選択される、請求の範囲1の組成 物。 5. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、かつ前記 結合性試薬が抗体である、請求の範囲1の組成物。 6. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、 かつ前記結合性試薬が抗原である、請求の範囲1の組成物。 7. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、かつ前記 結合性試薬が核酸分子である、請求の範囲1の組成物。 8. 前記発光蛋白質が、2−イミノチオラン(トロート試薬(Traut’ s reagent));N−スクシンイミジル S−アセチルチオアセテート (これは後にヒドロキシルアミンで脱保護化する);S−アセチルメルカプトコ ハク酸無水物(SAMSA)(これは後に還元剤での処理により脱保護化する) ;N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPD P)およびその誘導体類(これらは後に還元剤での処理により脱保護化する); ならびに4−スクシンイミジルオキシカルボニル α−メチル α−(2−ピリ ジルジチオ)−トルエン(SMPT)(これは後に還元剤での処理により脱保護 化する)からなる群より選択されるスルフヒドリル活性化剤でスルフヒドリル活 性化された、請求の範囲1の組成物。 9. 前記発光蛋白質が、2−イミノチオランでスルフヒドリル活性化された 、請求の範囲8の組成物。 10. 前記結合性試薬が、マレイミド基もしくはα−ハロカルボニル基を含む ように前記結合性試薬を修飾することによりスルフヒドリル反応性にされた、請 求の範囲1の組成物。 11. 前記結合性試薬が、スクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル) シクロヘキサン(SMCC)、SMCCのスルホン化誘導体、m−マレイミドベ ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、MBSのスルホ ン化誘導体(スルホ−MBS)、スクシンイミジル 4−(p−マレイドフェニ ル)ブチレート(SMPB)、SMP Bのスルホン化誘導体(スルホ−SMPB)、スクシンイミジル−6−(N−マ レイミド−n−ヘキサノエート)、スクシンイミジル(4−ヨードアセチル)ア ミノベンゾエート(SIAB)、SIABのスルホン化誘導体(スルホ−SIA B)、N−ヒドロキシスクシンイミジルブロモアセテート、ビス−(マレイミド )メチルエステル、およびビス−マレイミドヘキサン(BMH)からなる群より 選択される化合物で前記結合性試薬を処理することによりスルフヒドリル反応性 にされた、請求の範囲1の組成物。 12. 前記結合性試薬が、スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメ チル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(スルホ−SMCC)で前記結合 性試薬を処理することによりスルフヒドリル反応性にされた、請求の範囲11の 組成物。 13. 光を発生するためのルミネセンス反応に関与することが可能なスルフヒ ドリル−活性化発光蛋白質の、ある被検体に特異的に結合することが可能なスル フヒドリル−反応性の結合性試薬への結合の段階を含む、発光蛋白質−結合性複 合体組成物の作成法。 14. 前記スルフヒドリル−活性化発光蛋白質が、未修飾の発光蛋白質内に存 在するよりも少なくとも一つ多いスルフヒドリル基を含むように修飾されており 、そして前記スルフヒドリル−反応性の結合性試薬を前記発光蛋白質上のスルフ ヒドリル基と架橋結合するように修飾され、得られる発光蛋白質−結合性試薬複 合体が前記リガンドに特異的に結合することが可能でありかつルミネセンス反応 に関与して光を発生することができる、請求の範囲13の方法。 15. 前記発光蛋白質が、アポアエクオリン、アエクオリン、アポ− オベリン、オベリン、アポ−ムネミオプシン、ムネミオプシン、アポ−ベロビン 、ベロビン、ホラシン、ルシフェラーゼ類、ペラギア(Pelagia)もしく は貝虫亜網の動物から単離される生物発光蛋白質類からなる群より選択される、 請求の範囲13の方法。 16. 前記結合性試薬が、ストレプトアビジン/アビジン、レクチン、酵素、 糖蛋白質、ペプチド、ホルモン、レセプター、抗原、薬物、抗体およびその抗原 結合性断片、RNA、DNA、およびオリゴヌクレオチドからなる群より選択さ れる、請求の範囲13の方法。 17. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、かつ前記 結合性試薬が抗体である、請求の範囲13の方法。 18. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、かつ前記 結合性試薬が抗原である、請求の範囲13の方法。 19. 前記発光蛋白質がアポアエクリンもしくはアエクリンであり、かつ前記 結合性試薬が核酸分子である、請求の範囲13の方法。 20. 前記発光蛋白質が、2−イミノチオラン(トロート試薬(Traut’ s reagent));N−スクシンイミジル S−アセチルチオアセテート (これは後にヒドロキシルアミンで脱保護化する);S−アセチルメルカプトコ ハク無水物(SAMSA)(これは後に還元剤での処理により脱保護化する); N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プロピオン酸エステル(S PDP)およびその誘導体類(これらは後に還元剤での処理により脱保護化する );ならびに4−スクシンイミジルオキシカルボニル α−メチル α−(2− ピリジルジチオ)−トルエン(SMPT)(これは後に還元剤での処理により脱 保護化する)からなる群より選択されるスルフヒドリル活性化剤でスル フヒドリル活性化された、請求の範囲13の方法。 21. 前記発光蛋白質が2−イミノチオランでスルフヒドリル活性化された、 請求の範囲20の方法。 22. 前記結合性試薬が、マレイミド基もしくはα−ハロカルボニル基を含む ように前記結合性試薬を修飾することによりスルフヒドリル反応性にされた、請 求の範囲13の方法。 23. 前記結合性試薬が、スクシンイミジル 4−(N−マレイミドメチル) シクロヘキサン(SMCC)、SMCCのスルホン化誘導体、m−マレイミドベ ンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、MBSのスルホ ン化誘導体(スルホ−MBS)、スクシンイミジル 4(p−マレイミドフェニ ル)ブチレート(SMPB)、SMPBのスルホン化誘導体(スルホ−SMPB )、スクシンイミジル−6−(N−マレイミド−n−ヘキサノエート)、スクシ ンイミジル(4−ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)、SIAB のスルホン化誘導体(スルホ−SIAB)、N−ヒドロキシスクシンイミジルブ ロモアセテート、ビス−(マレイミド)メチルエステル、およびビス−マレイミ ドヘキサン(BMH)からなる群より選択される化合物で前記結合性試薬を処理 することによりスルフヒドリル反応性にされた、請求の範囲13の方法。 24. 前記結合性試薬が、スルホスクシンイミジル 4−(N−マレイミドメ チル)シクロヘキサン−1−カルボン酸エステル(スルホ−SMCC)で前記結 合性試薬を処理することによりスルフヒドリル反応性にされた、請求の範囲23 の方法。 25. 結合アッセイにおいて請求の範囲1の発光蛋白質−結合性試薬 複合体を用いることにより、ある試料中の被検体の存在もしくは量を測定するこ とを含むアッセイ法。 26. 結合アッセイが、同時捕捉結合アッセイ、遂次捕捉結合アッセイ、競合 的結合アッセイ、および核酸ハイブリッド形成を含む群より選択される、請求の 範囲25のアッセイ法。 27. 測定されるべき被検体に特異的に結合可能な発光蛋白質−結合性試薬複 合体が、測定されるべき被検体を含むことが疑われる試料と、その発光蛋白質− 結合性試薬複合体と被検体とが互いに結合して発光蛋白質−結合性試薬−被検体 複合体を形成するのに十分な条件下で接触され、同時もしくはその後にその複合 体が残りの試料から分離され、そして発光蛋白質でルミネセンス反応を開始させ ることにより被検体の存在もしくは量が測定され、かつ発生される光が測定され 、請求の範囲25のアッセイ法。 28. 測定されるべき被検体の結合相手に選択的に結合可能な発光蛋白質−結 合性試薬複合体が、測定されるべき被検体を含むことが疑われる試料と、その発 光蛋白質−結合性試薬複合体とその被検体の結合相手とが互いに結合して発光蛋 白質−結合性試薬−被検体の結合相手複合体を形成するのに十分な条件下で接触 され、その後にその複合体を残りの試料から分離され、そして発光蛋白質でルミ ネセンス反応を開始させることにより被検体の存在もしくは量が測定され、かつ 発生される光が測定される、請求の範囲25のアッセイ法。
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