JPH08506828A - 自然免疫の損失に伴う寄生虫病の制御における抗‐蠕虫ワクチンの使用 - Google Patents

自然免疫の損失に伴う寄生虫病の制御における抗‐蠕虫ワクチンの使用

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JPH08506828A JP6518763A JP51876394A JPH08506828A JP H08506828 A JPH08506828 A JP H08506828A JP 6518763 A JP6518763 A JP 6518763A JP 51876394 A JP51876394 A JP 51876394A JP H08506828 A JPH08506828 A JP H08506828A
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ペーター ロルフ,ティモシー
ジョン アンドリュース,スチュアート
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マリンクロット ベテリナリー,アイエヌシー.
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、動物に、胃腸蠕虫寄生虫に対する自然免疫が失われるかまたは衰える前および/またはその期間中に少なくとも1回投与し、これにより、自然免疫が損なわれる期間中に前記蠕虫寄生虫に対する保護免疫を刺激するためのワクチン組成物の製造への、1種または数種の嬬虫寄生虫に対して免疫原的活性を有する蠕虫の隠れた抗原、あるいはその抗原性フラグメント、前駆体および機能的に等価な誘導体または変異体の使用を提供する。本発明は、ヒツジにおける蠕虫線虫Haemonchusの周産期増加、およびタイプIIオステルタジア症の周産期増加を制御するのに特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】 自然免疫の損失に伴う寄生虫病の制御における 抗-蠕虫ワクチンの使用 本発明は、蠕虫寄生虫によって、特に家畜において引き起こされる病気を制御 するためのワクチンの製造への蠕虫抗原の使用に関し、殊に自然免疫の抑制/変 化に伴う寄生虫病、例えば、いわゆる周産期増加(PeriParturient rise)また はタイプ IIオステルタジア症を制御する際のこのような抗原の使用に関する。 蠕虫寄生虫は、経済上かなり重要な家畜および他の動物の広範囲にわたる疾患 および寄生虫侵襲の原因であり、これらの寄生虫が侵入すると、繁殖の損失をも たらし、そして動物の死さえももたらす。ヒトの場合、蠕虫感染は深刻な衰弱お よび死をもたらすことがある。家畜に関して特に挙げられるものは、反芻動物の 第四胃に感染して貧血および体重減少を引き起こし、そして処置しないと、しば しば死をもたらす血液栄養性(blood-feeding)線虫であるヘモンカス属(Haemo nchus )、および、動物の致死率および悪い生長(ill-thrift)からみて、特に ウシおよびヒツジにおいて同様の問題を生じる非血液栄養性(non-blood feedin g)線虫であるオステルタジア属(Ostertagia)(テラドルサジア属:Teradorsa gia )である。 経済上重要な他の蠕虫類としては、トリコストロンギルス属(Trichostrongyl us )、クーペリア属(Cooperia)、カベルティア属(Chabertia)、エソファゴ ストムム属(Oesophagostomum)、ネマトディルス属(Nematodirus)、ジクチオ カウルス属(Dictyocaulus)、および様々な肝蛭(例えばファスキオラ属:Fasc iola )などが挙げられる。 Haemonchusのような蠕虫に対する自然免疫は、蠕虫に感染した放牧地に持続的 に暴露されたウシ、ブタ、ヒツジなどの群れにおいて発生することがあるが、蠕 虫感染の制御は、伝統的には放牧管理と共に駆虫剤を用いて行なわれてきた。頻 繁な投与が必要であり、かつ耐性が生じることのある薬剤に対して、抗-蠕虫 ワクチンは明らかな利点を有し、この数年間の努力は、免疫学的制御手段に向け られてきた。 現在まで最も有望な結果は、Haemonchusの腸から抽出されたタンパク質(これ らは、Haemonchusに対してだけでなく、ある範囲の他の蠕虫に対しても保護抗原 としての可能性を有している)を用いて得られた。特に、ヘモンカスコントルト ウス(H.contortus:捻転毛様線虫)の腸内腔表面において発見されたタンパク 質ダブレットH110Dは、ヒツジのヘモンカス症に対する保護免疫を与えることが 示された(例えばWo88/00835参照)。 しかしながら、いわゆる周産期増加(出産後増加とも呼ばれる)は、特別の問 題を提示する。この現象は、蠕虫(一般に線虫)の卵数、典型的には、H.conto rtus を含む多数の異なる種の卵数の増加を指し、この増加は、妊娠の後期、およ び特に出産時付近および授乳初期の動物の糞中に観察され、そして完全に理解さ れてはいないが、妊娠中の動物において生じるホルモンプロラクチンの循環濃度 の変化に伴うか、あるいは血漿中の免疫グロブリンが乳房上皮に移行し、次いで それが乳中に分泌されるために、腸粘膜表面で分泌される免疫グロブリンが減少 することに伴う免疫の一時的な緩和のせいであると考えられる。宿主免疫が低下 する結果、最近摂取された感染性幼虫の発育から、または発育阻止された幼虫の 活性化/発育再開から、あるいはその両方から、卵の排出量が増加し、次いで、 次世代の動物が生まれ、それ故に新たな感受性宿主が生まれるちょうどその時に 、放牧地における高レベルの卵(およびこれに続く感染性幼虫の発生)をもたら し、これにより蠕虫種の生存および伝播が保証される。こうして、感染サイクル が連続する。 従って、感受性動物を充分に保護するのを保証するために、かつ蠕虫侵襲の定 常的発生が起こるのを予防するために、この感染サイクルを周産期の時期に打ち 破ることが望ましい。前記のように、自然免疫は臨界的期間に生じるので、これ までのところ、周産期増加を制御する唯一の手段は、一般的に発情する以前に駆 虫薬を投与することであった。しかしながら、動物は通常、妊娠中に感染性幼虫 を食べ続けるので、寄生虫感染は再確立されることがある。従って、周産期増加 を制御するための、および出産後の期間における若い感受性動物の蠕虫感染の後 続発生を低減させるための改良方法に対する明確な要求が存在している。更にま た、餌、畜舎での飼育および寄生虫暴露が季節的に変化するために起こる非妊娠 動物の胃腸線虫に対する自然免疫が失われる結果、しばしば致命的な疾患、例え ばウシのタイプ IIオステルタジア症などの疾患に罹患する。 本発明者らは、驚くべきことに、蠕虫類から得られた隠れた抗原(hiddenanti gen:隔絶された抗原ともいう)を以下に記載する条件下で用いて、特別の方式 で予防接種すると、自然免疫の損失に罹った動物および特に感染妊娠動物の蠕虫 卵産生の低減において、従って周産期増加の予防および感染サイクルの打破にお いて、好結果が得られることを見出した。 従って、一つの観点において、本発明は、動物に、胃腸蠕虫寄生虫に対する自 然免疫が失われるかまたは衰える期間の前および/またはその期間中に少なくと も1回投与し、これにより、自然免疫が損なわれる期間中に前記蠕虫寄生虫に対 する保護免疫を刺激するためのワクチン組成物の製造への、1種または数種の蠕 虫寄生虫に対して免疫原的活性を有する蠕虫の隠れた抗原、あるいはその抗原性 フラグメント、前駆体および機能的に等価な誘導体または変異体の使用を提供す る。 より詳細には、本発明は、雌動物に、発情する前の期間中および/または三分 割妊娠期間の第3期(the third trimester of pregnancy)の初めまでに少なく とも1回投与し、これにより、周産期の期間中に前記蠕虫寄生虫に対する保護免 疫を刺激し、そして特に周産期増加を予防または低減するためのワクチン組成物 の製造への、1種または数種の蠕虫寄生虫に対して免疫原的活性を有する蠕虫の 隠れた抗原、あるいはその抗原性フラグメント、前駆体および機能的に等価な誘 導体または変異体の使用を提供する。 もう一つの観点からみると、本発明は、動物に、胃腸蠕虫寄生虫に対する自然 免疫が失われるかまたは衰える期間の前および/またはその期間中に少なくとも 1回、1種または数種の蠕虫寄生虫に対して免疫原的活性を有する蠕虫の隠れた 抗原、あるいはその抗原性フラグメント、前駆体および機能的に等価な誘導体ま たは変異体の1種または数種を含むワクチン組成物を投与することからなる、自 然免疫が損なわれる期間中の動物における蠕虫寄生虫に対する免疫応答を刺激す る方法を提供することが分かる。 より詳細には、雌動物に、発情する前の期間中および/または三分割妊娠期間 の第3期の初めまでに少なくとも1回、1種または数種の蠕虫寄生虫に対して免 疫原的活性を有する蠕虫の隠れた抗原、あるいはその抗原性フラグメント、前駆 体および機能的に等価な誘導体または変異体の1種または数種を含むワクチン組 成物を投与することからなる、周産期の期間中の雌動物における蠕虫寄生虫に対 する免疫応答を刺激し、そして特に周産期増加を予防または低減する方法を提供 する。 ここで用いられるように、”損なわれた自然免疫(compromised natural immu nity)”なる用語は、無効のまたは不充分な保護をもたらす自然免疫の損失また は衰えを包含する。 従って、本発明によれば、ワクチンは、動物の免疫系が適応性を保持しており 、かつ問題の抗原に対してメモリー応答を確立するのに役立つ期間中に投与され る。周産期の免疫処置の場合は、ワクチンは好ましくは発情する前の期間中およ び/または三分割妊娠期間の第2期の初めまでに少なくとも1回投与することが できる。以下により詳細に記載するように、動物の放牧実施と調和させて、妊娠 中に1回または数回、免疫処置を繰り返すことが一般的に好ましい。 胃腸線虫に対する自然免疫の衰えは、下記のことにより示すことができる。 1.発育阻止された幼虫が回復して成熟すること; 2.摂取された感染性幼虫の確立度の上昇; 3.存在する成虫の駆逐の低下; 4.確立した成虫密度の繁殖力の上昇。 これら四つのファクターの全ては、周産期増加に寄与すると考えられる。自然 免疫の損失または衰えに伴う他の条件、例えばタイプ IIオステルタジア症に関 するかぎり、回復した成熟効果が第一に重要であると信じられる。 更に、低生物相(hypobiotic)幼虫または免疫グロブリン的に発育阻止された 幼虫、即ちある種の線虫種に典型的な季節的発育阻止を受ける幼虫は、宿主が出 産する時期付近の春に成熟する傾向を有し、この春期増加もまた、周産期増加に 寄与しうる。Haemonchusのような蠕虫に対する自然免疫は、主として早期L4 幼虫期(この属において発育阻止が起こる時期である)に作用する。幼虫が一旦 首尾よく発育を回復すると、これらの幼虫は、宿主の自然免疫によっては、もは や制御することができない。これとは対照的に、隠れた抗原は、幼虫後期および 確立した成虫期(宿主の自然免疫機構を逃避してしまっている)に対する保護免 疫を刺激するのに有効である。 本発明の効果、即ち、蠕虫に対する自然免疫が損なわれる期間中に、例えば、 宿主が妊娠しており寄生虫に対する免疫応答が減少する期間中に保護免疫応答を 刺激すること(この刺激が周産期増加を予防または低減するように作用する)は 、驚くべきことであり、かつ予期できなかった。以前の研究では、免疫スクリー ニングにより自然免疫応答に寄与することが示された抗原を用いたヒツジおよび ウシの予防接種は、有効でないことが示されたからである。それ故に、周産期免 疫処置の場合、動物に、発情の前またはそのしばらく後に一次免疫処置を与え、 次いで場合により、妊娠中に二次免疫処置を与えることによって、この免疫処置 が、周産期増加を予防しうる免疫応答を誘発するのに成功するであろうことは、 予期されなかった。同様に、自然免疫の損失または衰えに伴う他の条件、例えば タイプ IIオステルタジア症が、自然免疫が損なわれた期間中に免疫処置するこ とにより制御できるであろうことも、予期できない。 理論に結び付けるつもりはないが、この効果は、主として、低生物相的または 免疫グロブリン的に発育阻止された幼虫が成虫に成熟するのを防止し、これによ り、確立した感染レベルが低減するためと信じられる。成虫寄生虫により産生さ れる卵数の減少もまた、重要な役割を演じる。これは、発育阻止された幼虫が妊 娠動物または雄雌両方のウシにおいて成熟すると、しばしば致命的な疾患、例え ばタイプ IIオステルタジア症に導くOstertagiaのような蠕虫にとって、特に重 要である。 周産期の効果において重要なもう一つのファクターは、隠れた抗原で免疫処置 することにより誘発される保護母性抗体が、栄養摂取する子に初乳を経て伝達さ れうることであり、この伝達は、周産期増加に起因する卵から誘導された幼虫を 摂取した後に、例えばHaemonchusによる若い動物における感染の発生を低減する のにも重要であろう。このことは、母親から子孫に伝達されない自然免疫と は著しく対照的である。 ここで用いられる”隠れた抗原”なる用語は、通常の感染経路中では宿主の免 疫系と接触するようにはならず、その結果として、問題の寄生虫に対する自然免 疫を獲得した動物の血清によっては認識されない”秘密の(cryptic)”、”遮 蔽された(covert)”または”潜伏した(concealed)”抗原としても知られて いる抗原を定義する。従って、このような抗原は、感染中に宿主の免疫系に暴露 されない蠕虫の部分、一般的に内因性部分から、一般的に誘導される。即ち、例 えば蠕虫の腸が、隠れた抗原の特に豊富な源であることが示されている。 問題の抗原の前駆体は、例えばタンパク質分解により処理してその抗原自体を 生成する、より大きなタンパク質であってよい。このような前駆体は、チモーゲ ン、即ち例えばペプシン/ペプシノーゲン系に類似したタンパク質分解的開裂に より活性化される酵素の不活性前駆体、または血栓カスケードに関連するよく知 られたチモーゲンの形態をとることができる。 隠れた抗原は、宿主の血液が摂取されたときに寄生虫により吸収される免疫エ フェクター分子、例えば抗体または補体を宿主の血流中に産生することによりそ の効果を発揮するので、隠れた抗原の概念は、最初は、血液栄養性寄生虫に限ら れると考えられた。しかしながら、我々は、隠れた抗原を非-血液栄養性寄生虫 に対するワクチンの基礎として使用できることも示した。 ここで用いられる”免疫原的活性”なる用語は、宿主-保護免疫応答、即ち寄 生虫の生殖能を不妊化または減退させ、寄生虫に損傷を与え、寄生虫を阻害また は殺し、これにより、寄生虫卵の排出を低減させると共に、宿主を臨床的または 不顕性疾患および繁殖損失から”保護”する免疫エフェクター分子、抗体または 細胞の生成をもたらす、宿主による応答を定義する。 隠れた抗原に対するこのような保護免疫応答は、最も普通には、寄生虫の代謝 機能を阻害できる抗体を産生し、発育阻害、卵産生の喪失および/または死をも たらすことにより示すことができる。主に宿主の血清中に存在する保護抗体、主 としてIgG抗体の産生は、隠れた抗原により誘発される免疫応答型を、自然免疫 で観察される免疫応答型から区別するのに重要なファクターであり;隠れた抗原 に基づく免疫エフェクター機構は、主に体液性であり、即ち抗体に基づくのに 対し、寄生虫に対する自然免疫は、主に細胞媒介性であり、即ち作用する状態に なると寄生虫に損傷を与える物質を放出する好酸球およびマスト細胞に基づくと 思われ、免疫応答の体液性アームの重要性は少ない。 隠れた抗原により誘発される免疫応答におけるこれらの相違は、自然免疫が損 なわれる期間中の寄生虫疾患、例えば周産期増加およびウシにおけるタイプ II オステルタジア症を制御する際の隠れた抗原の成功に寄与する重要なファクター であると考えられる。 前記のように、本発明の範囲には、蠕虫の隠れた抗原の機能的に等価なフラグ メント、誘導体および変異体が包含される。ここで”機能的に等価な”とは、ア ミノ酸配列が、単一または多重のアミノ酸の置換、付加および/または欠失によ り修飾されている天然タンパク質に関連するかまたはそれから誘導されるタンパ ク質(糖タンパク質を含む)、そしてまた、アミノ酸が化学的に修飾されている (脱グリコシル化またはグリコシル化による修飾を含む)が、それでもなお、保 護抗原的(免疫原的)活性を保持しており、例えば蠕虫に対して宿主保護抗体お よび/または機能的免疫を生じさせうる配列を定義するのに用いられる。このよ うな機能的に等価な変異体は、自然の生物学的変異体として生じることがあり、 あるいは既知の技術を用いて製造することができる。例えば、機能的に等価な組 み換えタンパク質は、部位指向性突然変異発生、ランダム突然変異発生、あるい は核酸の酵素的開裂および/または連結の既知の技術を用いて製造することがで きる。 前記のように、周産期免疫処置において、隠れた抗原に基づくワクチン組成物 は、雌動物に、発情する前の期間中および/または三分割妊娠期間の第3期の初 めまでに、より好ましくは三分割妊娠期間の第2期の初めまでに、少なくとも1 回投与される。しかしながら、ワクチンは一般的に2回以上、例えば発情前の一 次注射、および三分割妊娠期間の第3期の初めまで、より好ましくは第2期の初 めまでの1回または数回の追加免疫によって投与される。 好都合には、ワクチンは、最初に、発情前の60日から発情後の20日まで、より 好ましくは発情後の10日までの範囲の期間内に、例えば発情に至る45日以内、よ り好ましくは発情前の40〜5日、特に40〜10日の期間内に投与す ることができる。発情のしばらく前に、最初のワクチン注射により投与すること が好ましいが、異なる牧場での異なる放牧の実施は、異なる時点での免疫処置、 例えば発情の6か月前、または動物の子が生まれたしばらく後の免疫処置でさえ も、より好都合でありうることを決定するであろう。 追加免疫投与は、発情後から三分割妊娠期間の第3期の初めまでの任意の時点 で行なうことができる。例えば追加免疫は、三分割妊娠期間の早い第3期から早 い第2期までの期間の任意の時点で1回または数回与えることができる。 前記のように、同じ免疫原での予防接種は、適切な期間中に2回以上行なって よく、異なる動物またはワクチンにとっては異なる組み合わせが適切なことがあ る。しかしながら、その代わりに、遅延放出性抗原配達系(controlled-release antigen delivery system)の使用は、1回の予防接種から長期免疫応答を誘導 するであろう(O’Hagan,et al.,1991,Immunology,73:239-242)。発情の 6か月より前に一次注射を与えた場合は、発情に至るまでの6か月以内にもう1 回注射することが一般的に必要である。幾つかの場合には、毎年の、例えば感染 の危険が低い冬の期間中の追加免疫注射で足りるであろう。好適な免疫処置方式 の例として、H110Dに基づくワクチンを、発情前の約40日および10日に2回投与 し、発情後の約90日に投与すると、Haemonchusに対するヒツジの免疫処置におい て有効であることが見出された。 妊娠後期中のみの動物の免疫処置(この場合、遅延放出性ワクチン調製物を使 用しない)は有効でないことが見出されたが、三分割妊娠期間の第3期の初めま での妊娠中に、例えばヒツジの場合は妊娠中の約50〜100日目、例えば45〜90日 目に、1回または数回のワクチンの追加免疫投与を与えることが好ましいであろ う。 本発明からの利益を受けることのできる動物は、ヒトまたはヒト以外の動物の 何れであってもよいが、コンパニオン動物、特にイヌおよびネコ、および家畜、 殊に反芻動物が好ましい。特にヒツジ、ウシ、シカおよびヤギが挙げられる。 多数の蠕虫種が周産期増加に関連しており、従ってワクチン組成物の好適な標 的である。これらの蠕虫としては、最も顕著にはヘモンカス属(Haemonchus)、 オステルタジア属(Ostertagia)、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus ) 、カベルティア属(Chabertia)、エソファゴストムム属(Oesophagostomum)、 ヒオストロンギルス属(Hyostrongylus)、ネマトディルス属(Nematodirus)、 トキソカラ属(Toxocara)およびクーペリア属(Cooperia)の種が挙げられる。 隠れた抗原は、このような蠕虫の範囲から得ることができる。 好ましいものは、それから抗原が単離された蠕虫に対する宿主保護免疫応答に 加えて、他の蠕虫寄生虫の範囲に対する宿主保護免疫応答を刺激することのでき る抗原、いわゆる”広スペクトル”抗原である。 好都合には、本発明により用いられる隠れた抗原は、蠕虫の腸から単離された 任意の膜内在性タンパク質(例えば酵素を含む)、構造タンパク質、あるいは蠕 虫の維持および/または発育に必要な他の任意の機能性タンパク質、例えば蠕虫 の栄養収穫機構に関連するタンパク質であってよい。このようなタンパク質とし ては、例えば酵素、例えば摂取されたタンパク質の遊離アミノ酸への分解に関連 するプロテアーゼ、またはエキソ-およびエンドペプチダーゼが挙げられる。 好適な隠れた抗原としては、前記のH110D、その形態がWO93/23542に記載され ている組み換え体の調製物などが挙げられる。WO90/11086に記載されたタンパク 質複合体H45およびWO90/11086に記載された抗原も挙げることができる。後者の 場合、このような抗原には、蠕虫の腸における生得の局存在性を有し、そしてペ プスタチンに結合可能であり、かつ麦芽レクチン、ピーナッツレクチン、および β-結合N-アセチルガラクトサミンに対する特異性を有する他のレクチンに結合 可能であることにより特徴付けられる膜内在性タンパク質が包含される。このよ うな抗原は、タンパク質分解酵素であってよく、特にアスパルチルプロテアーゼ 活性および/または中性エンドプロテアーゼ活性を有する酵素であってよい。特 に挙げることのできる抗原は、WO94/02169に記載されているH-gal-GPおよびO-ga l-GPである。 これらの抗原、およびそのフラグメント、前駆体および機能的に等価な変異体 および誘導体は、蠕虫から直接に単離された天然抗原であってよく、あるいはSa mbrook et al.,1989(Molecular Cloning,a laboratory manual 2nd Edition ,Cold Spring Harbour Press)に記載されているような標準的技術を用いた組 み換えDNA技術により、またはよく知られたMerrifieldの固相合成手 順のような化学的合成により製造することができる。 動物に投与されるワクチン組成物は、例えばある範囲の蠕虫種に対して活性な ある範囲の抗原成分を含有する多価ワクチンであってよい。 ワクチン組成物は、本発明によれば、ワクチン製造の技術分野でよく知られた 方法により製造することができる。伝統的なワクチン調製物は、適切ならば1種 または数種の好適なアジュバント、例えば水酸化アルミニウム、カリ明礬、サポ ニンまたはその誘導体、ムラミルジペプチド、鉱物油または植物油、NAGO、ノバ ソームまたは非イオン性ブロック共重合体、DEAEデキストラン、あるいは遅延放 出性抗原配達系、例えば生物分解可能な微粒子と一緒に、本発明に係る1種また は数種の抗原または抗体を、製剤上許容される1種または数種の担体または賦形 剤の存在下に含むことができる。好適な担体としては、液状媒体、例えばペプチ ドまたはポリペプチドを動物または患者に導入するためのビヒクルとして使用す るのに適切な食塩溶液が挙げられる。付加成分、例えば保存剤が含まれていても よい。 もう一つのワクチン組成物は、挿入された核酸分子(例えばDNA分子)により コードされるポリペプチドに対する免疫応答を刺激するために、核酸分子が挿入 されているウイルスまたは宿主細胞、例えば微生物(生でも、殺されていても、 弱毒化されていてもよい)を含むことができる。 ワクチン組成物の投与は、任意の普通の経路、例えば経口的に、あるいは非経 口的に、例えば腹腔内、皮下または皮内注射により行なうことができる。注射が 一般的に好ましい。 以下に、隠れた抗原H110Dを用いたヒツジにおけるHaemonchusの周産期増加の 予防に特に言及して、本発明をより詳細に論じる。本発明の一般性は前記のよう に限定されるものではないが、Haemonchus抗原を用いてヒツジにおけるHaemonch us 卵排出の周産期増加を予防することは、本発明の好ましい態様を表すことが理 解されるであろう。以下の実施例において、 図1は、妊娠110日目に、感染性Haemonchus幼虫でチャレンジした、予防接種 した妊娠雌ヒツジおよび非妊娠雌ヒツジ、および予防接種しなかった妊娠た雌ヒ ツジおよび非妊娠雌ヒツジにおける経時的な糞中の平均卵カウント(糞1 g当たりの卵1000)を示す。 □ グループD (H110DおよびクロストリジウムワクチンCOVEXIN8で 予防接種した17匹の妊娠雌ヒツジ) + グループE (H110Dで予防接種した18匹の妊娠雌ヒツジ) ◇ グループF (H110DおよびワクチンCOVEXIN8で予防接種した5匹 の非妊娠雌ヒツジ) △ グループG (H110Dで予防接種した3匹の非妊娠雌ヒツジ) × グループC (フェリチンで予防接種したコントロールとしての17匹 の妊娠雌ヒツジ) 矢印はチャレンジの時点を示す。 図2は、H110Dに対する抗体の初乳伝達による、5週令でのH.contortusチャ レンジに対する子ヒツジの経時的な(出産後の平均日数)保護(糞1g当たりの 卵1000)を示す。○は予防接種した雌ヒツジからの子ヒツジ;●はコントロール 雌ヒツジからの子ヒツジ。 実施例1 この実施例は、以下を目的としている。 (i) 周産期間中の雌ヒツジでの、H.contortus感染に伴う蠕虫卵排出の制御 におけるH110Dワクチンの効果を評価すること。 (ii) 妊娠および非妊娠両方の雌ヒツジでの抗体応答を監視し、抗原H110Dの免 疫原性における妊娠の影響を評価すること。 (iii)H11ワクチンの効能における、クロストリジウムワクチンCOVEXIN8の同時 投与の効果を評価すること。新規な蠕虫ワクチンとの、既存のバクテリアワクチ ンの適合性は、それらの実際的適用に対する前提条件である。序論 この研究では、受精前に2回ワクチン接種され、かつ妊娠中に追加ワクチン接 種されるとともに、妊娠の最後の三分割期(the last trimester of gestation )中にH.contortus感染性幼虫の人為的チャレンジを受けた一歳の 雌ヒツジ(2年目の雌子ヒツジ)からの蠕虫卵排出の制御における、H110Dワク チンの効果が評価された。これら一歳の雌ヒツジは、年令を合わせたワクチン接 種された非妊娠コントロールと比較された。タイムテーブル(主な日付) 方法および実験デザイン 1991年9月初旬から、レバミソール(NILVERM GOLD)を投与して、既に定着し た全ての蠕虫侵入を除去されている60頭の一歳の雌ヒツジを囲い地に入れるよう にした。7日間の気候順化最低期間の後に、一歳の雌ヒツジを、3つのグループ A、BおよびC(各々35頭、8頭および17頭の一歳の雌ヒツジからなる)に、無 作為に分割した。グループAおよびBの一歳の雌ヒツジを、H110Dにてワクチン 接種した(日数-40)。一方、グループCの雌ヒツジを、フェリチンにてワクチ ン接種し、コントロールとした。30日後(日数-10)に、一歳の雌ヒツジに、 二次ワクチン接種を受けさせ、次いで直ちに、更にグループ分けした。即ちグル ープAの一歳の雌ヒツジを分割して2つの新たなグループDおよびEを形成し、 一方でグループBの雌ヒツジから同様にしてグループFおよびGを形成した。10 月の最終週の間に、グループC、DおよびEの動物に雄ヒツジを加え、日数0に できるだけ近いグループ平均受精日と、3月最終週および4月第一週の計画され た出産日を考慮した。グループFおよびGの一歳の雌ヒツジは、免疫非妊娠コン トロールとなるように、雄ヒツジにかけ合わせなかった。略6週間後に、囲い地 から雄ヒツジを除き、全ての一歳の雌ヒツジを1つの群れとして一緒に放牧した 。80日に、全ての成虫蠕虫および発育停止幼虫を除去するために、全ての一歳の 雌ヒツジにイベルメクチン(ORAMEC DRENCH)を投与し、畜舎に入れた。90日( 即ち、妊娠90日±10日)に、グループD、F、EおよびGの全ての一歳の雌ヒツ ジに、H110Dにて三次ワクチン接種を施した。グループDおよびFの一歳の雌ヒ ツジには、同時に、COVEXIN8の注射も受けさせた。妊娠110日±10日に、全ての 動物に、約10,000のH.contortus感染性幼虫のチャレンジを受けさせた。糞便サ ンプリングによって、線虫数を監視した。妊娠中に隔絶された抗原H110Dに対す る免疫応答の考え得る抑圧の欠如が、抗体レベルの監視によって確認された。動物グループの概要 試験材料 説明 Haemonchus contortus(H110D)ワクチンは、Institute of Animal Physiolog y and Genetics Research,Babraham,Cambridgeによって供給および調製された 。一次ワクチン接種のためのアジュバントシステムは、フロイント完全アジュバ ント/水酸化アルミニウム(FCA/Al(OH)3)であり、フロイント不完全アジュ バント/水酸化アルミニウム(FIA/Al(OH)3)が、二次および三次ワクチン接 種のためのアジュバントシステムである。 ウマフェリチンコントロールワクチンは、Institute of Animal Physiology a nd Genetics Research,Babraham,Cambridgeによって供給および調製された。 用いられたアジュバントシステムは、上記と同様である。寄生虫チャレンジ 種/系統 H.contortusのベンズイミダゾール耐性系統(系統H/CR)をこの研究に用いた 。この系統は、Central Veterinary Laboratory,Weybridgeより、第3期幼虫と して得られた。ベンズイミダゾール耐性は、エッグハッチアッセイおよびコント ロール試験(Cawthorne RJG and Cheong FH 1984,Veterinary Record 114:562 )において確認された。幼虫培養 充分な数の第3期幼虫を、蠕虫非感染子ヒツジを介する経路によって産生した 。卵を含む糞便を採集し、感染性段階まで培養した。感染性幼虫を採取し、 Baermann装置を用いて洗浄した。感染投与量 約10,000の感染性幼虫の接種物を、標準的な希釈技術によって調製した。幼虫 は、清潔なプラスチック管を用いて口から投与された。チャレンジの手順 妊娠の最後の三分割期間に制御されたチャレンジを行なうため、80日目に、全 ての一歳の雌ヒツジをイベルメクチン(ORAMEC DRENCH)で処置して蓄積された 嬬虫侵入を全て除去し、直ちに畜舎に入れた。全ての一歳の雌ヒツジに、妊娠11 0日目に約10,000のH.contortus感染性幼虫のチャレンジを受けさせ、制御され た方法にて、周産期増加の進行を模倣した。実験手順 偏り(Bias)のコントロール 全ての一歳の雌ヒツジは、所定時の体重に基づいて、無作為にグループ分けし た。ワクチン接種手順 グループAおよびBの一歳の雌ヒツジを、-40日に、150μgのH.controtus抗 原を用いて、後脚への筋肉内注射によってワクチン接種(各足毎に1ml、合計2 ml)し、次いで-10日に、再度前脚への筋肉内注射によってワクチン接種(各足 毎に1ml、合計2ml)した。グループD、E、FおよびGを形成した後の90日に 、これら4グループにおける全ての一歳の雌ヒツジに、後脚への筋肉内注射(一 次と同様の手順)によって、ワクチンの三次注射を受けさせた。同時に、グルー プDおよびFの一歳の雌ヒツジに、クロストリジウムワクチンCOVEXIN8を用い て、首への皮下注射(製造元のデータシートによる)を行なった。グループCの 一歳の雌ヒツジは、コントロールとして残し、-40日、-10日および90日 に、ウマフェリチンの注射(H110Dワクチンと同じの経路および体積)を受けさ せ、さらに90日に、C0NVEXIN8の注射(皮下)を受けさせた。防護の評価 糞便卵カウント 出産にほぼ6週間先立った時点から始めて1週間間隔で、この研究が終了する まで、糞便サンプルを直腸を介して全ての一歳の雌羊から採取した。糞便卵カウ ントは、糞便1グラム当たり10個の卵(epg)までの精度を有する改善McMaster 法によって評価した。幼虫の同定のために、糞便サンプルは、2週間毎に、7日 間27℃で培養し、チャレンジの純粋性を確かめた。ConAH11のワクチン接種に続く抗体応答 一次ワクチン接種後2週間の間隔で、血液サンプルを、全ての一歳の雌ヒツジ の頸部静脈から平板血液容器に採取した。予備採血を、参照血清のために、一次 免疫の日に採集した。抗体レベルを、ELISA法によって評価した。結果 この研究の結果を図1に示す。これは、非ワクチン接種雌ヒツジ(グループC )が、人為的チャレンジの後、出産時周辺期に高レベルの線虫卵を産生すること を、明確に示している。しかしながら、全てのワクチン接種雌ヒツジでは、糞便 中の卵の数が実質的に減少している。クロストリジウムワクチンの同時接種を受 けた雌ヒツジにおいて、防護は低減しなかった。 表1は、この研究における動物の抗体レベルを決定するためのELISA試験の結 果を示す。全てのワクチン接種雌ヒツジが、非ワクチン接種雌ヒツジより高い抗 体レベルを示したことが判る。ワクチン接種妊娠雌ヒツジにおける抗体レベルは 、非妊娠雌ヒツジのそれと同様であり、隔絶された抗原に対する抗体応答の抑圧 の欠如が確かめられた。同時投与のクロストリジウムワクチンCOVEXIN8は、抗 体レベルに影響を与えなかった。 実施例2 H110D仲介免疫の初乳伝達 実験原理の説明 防護が、初乳伝達によって若い子ヒツジに授与され得ることを確かめるため。 従って、非免疫雌ヒツジからの子ヒツジを参照し、H110Dで免疫された雌ヒツジ から授乳した約5週令の子ヒツジにおいて、防護を決定した。防護は、丸塊(bo lus)チャレンジに続く、糞便卵排出および蠕虫侵入の減少として決定した。実験デザイン 実験デザインを以下の表に要約する。 妊娠雌ヒツジのH110Dによる免疫の全詳細は、実施例1で説明されている。H11 0D免疫雌ヒツジから生まれた10頭の子ヒツジを、10頭のコントロール雌ヒツジと ともに、2〜3週令での第一捕獲の基礎として選択した。これらからの抗血清を 、抗−H110D抗体レベルに対してELISAにより、スクリーニングした。最も高い抗 体レベルを有する6頭の子ヒツジを、H110D免疫雌ヒツジグループから選択した 。6頭のコントロール子ヒツジを選択して、年令合わせをした。これ ら2グループの子ヒツジに、4〜5周目に、約3,000のL 3H.contortus幼虫(H/C R系統)を用いてチャレンジを行なった。糞便卵カウントを8〜11週目から監視 し、11週目での検死に続いて、蠕虫侵入を計数した。結果 抗−H110D抗体の初乳伝達は、H110Dで免疫された雌ヒツジからの6頭の子ヒツ ジにおける高い抗体レベルによって確認された(表3参照)。これに反して、コ ントロール雌ヒツジからの子ヒツジでは、抗−H110D抗体は全く検出されなかっ た。 8〜11週令の合計糞便卵カウントは、コントロール雌ヒツジからの子ヒツジ と比較して、免疫雌ヒツジからの子ヒツジにおいて約50%低く(P<0.05)(図 2参照)、より少ない成虫雌蠕虫と一致した(以下参照)。チャレンジ後5週間 での平均蠕虫侵入は、以下の通りであった。 蠕虫侵入における減少は、有意ではなかった(P<0.05)。しかしながら、雌/ 雄比において顕著な減少があり、より成熟した子ヒツジにおけるH110D免疫の特 徴的効果があった。概要 H110Dで免疫された雌ヒツジから生まれ、かつこれに育てられた子ヒツジは、 初乳伝達から誘導されたH110Dに対する実質的な抗体レベルを有している。 この抗体は、5週令での丸塊チャレンジに起因する糞便卵排出および蠕虫侵入 に対する防護を授与した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA, CN,CZ,FI,GE,HU,JP,KP,KR,K Z,LK,LV,MG,MN,MW,NO,NZ,PL ,RO,RU,SD,SK,UA,US,UZ,VN (72)発明者 アンドリュース,スチュアート ジョン 英国 ミドルセックス ユービー9 6エ ルエス,アックスブリッジ ヘアーフィー ルド ブレイクスペア ロード サウス マリンクロット ベテリナリー リミテッ ド内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 動物に、胃腸蠕虫寄生虫に対する自然免疫が失われるかまたは衰える前お よび/またはその期間中に少なくとも1回投与し、これにより、自然免疫が損な われる期間中に前記蠕虫寄生虫に対する保護免疫を刺激するためのワクチン組成 物の製造への、1種または数種の蠕虫寄生虫に対して免疫原的活性を有する蠕虫 の隠れた抗原、あるいはその抗原性フラグメント、前駆体および機能的に等価な 誘導体または変異体の使用。 2. 雌動物に、発情する前の期間中および/または三分割妊娠期間の第3期の 初めまでに少なくとも1回投与し、これにより、周産期中に前記蠕虫寄生虫に対 する保護免疫を刺激するためのワクチン組成物の製造への、請求項1に記載の使 用。 3. 周産期増加を予防または低減するため、請求項2に記載の使用。 4. 前記ワクチン組成物が、雌動物に、発情する前に少なくとも1回、および 三分割妊娠期間の第3期の初めまでの妊娠中に少なくとも1回投与される、請求 項2または請求項3に記載の使用。 5. 前記ワクチン組成物が、雌動物に、発情する前に少なくとも1回、および 三分割妊娠期間の第2期の初めまでの妊娠中に少なくとも1回投与される、請求 項4に記載の使用。 6. タイプ IIオエオステルタジア症を撲滅するための、請求項1に記載の使 用。 7. 前記蠕虫の隠れた抗原が、腸膜内在性タンパク質である、請求項1〜6の 何れか一つに記載の使用。 8. 前記蠕虫抗原が、酵素または輸送タンパク質である、請求項7に記載の使 用。 9. 前記蠕虫抗原が、プロテアーゼ、あるいはエキソ-またはエンドペプチダ ーゼである、請求項8に記載の使用。 10. 前記蠕虫抗原が、抗原H110D、H45、H-gal-GPおよびO-gal-GP、あるいはそ の抗原性フラグメントまたはその前駆体から選択される、請求項9に記載の使用 。 11. 前記動物が、反芻動物である、請求項1〜10の何れか一つに記載の使用。 12. 前記動物が、ヒツジ、ウシ、シカ、ヤギおよびイヌから選択される、請求 項1〜10の何れか一つに記載の使用。 13. ヘモンカス属(Haemonchus)、オステルタジア属(Ostertagia)、トリコ ストロンギルス属(Trichostrongylus)、カベルティア属(Chabertia)、エソ ファゴストムム属(Oesophagostomum)、ヒオストロンギルス属(Hyostrongylus )、ネマトディルス属(Nematodirus)、トキソカラ属(Toxocara)およびクー ペリア属(Cooperia)から選択される蠕虫に対する保護免疫を刺激する、請求項 1〜12の何れか一つに記載の使用。 14. 前記ワクチン組成物が、遅延放出調製物の形態にある、請求項1〜13の何 れか一つに記載の使用。 15. ヒツジにおけるHaemonchus卵糞中排出の周産期増加を制御するためのワク チン組成物の製造への、抗原H110Dまたはその抗原性フラグメントの請求項1〜 5および7〜14の何れか一つに記載の使用。 16. 動物に、胃腸蠕虫寄生虫に対する自然免疫が失われるかまたは衰えるの前 および/またはその期間中に少なくとも1回、1種または数種の蠕虫寄生虫に対 して免疫原的活性を有する蠕虫の隠れた抗原、あるいはその抗原性フラグメント 、前駆体および機能的に等価な誘導体または変異体の1種または数種を含むワク チン組成物を投与することからなる、自然免疫が損なわれる期間中の動物におけ る蠕虫寄生虫に対する免疫応答を刺激する方法。 17. 前記ワクチン組成物を、雌動物に、発情する前の期間中および/または三 分割妊娠期間の第3期の初めまでに少なくとも1回投与し、これにより、周産期 中の保護免疫応答を刺激する、請求項16に記載の方法。 18. 周産期増加を予防または低減する、請求項17に記載の方法。 19. 前記ワクチン組成物を、雌動物に、発情する前に少なくとも1回、および 三分割妊娠期間の第3期の初めまでの妊娠中に少なくとも1回投与する、請求項 17または請求項18に記載の方法。 20. 前記ワクチン組成物を、雌動物に、発情する前に少なくとも1回、および 三分割妊娠期間の第2期の初めまでの妊娠中に少なくとも1回投与する、請求項 19に記載の方法。 21. タイプ IIオステルタジア症を撲滅する、請求項16に記載の方法。 22. 前記蠕虫の隠れた抗原が、腸膜内在性タンパク質である、請求項16〜21の 何れか一つに記載の方法。 23. 前記蠕虫抗原が、酵素または輸送タンパク質である、請求項16〜22の何れ か一つに記載の方法。 24. 前記蠕虫抗原が、プロテアーゼ、あるいはエキソ-またはエンドペプチダ ーゼである、請求項16〜23の何れか一つに記載の方法。 25. 前記蠕虫抗原が、抗原H110D、H45、H-gal-GPおよびO-gal-GP、あるいはそ の抗原性フラグメントまたはその前駆体から選択される、請求項16〜24の何れか 一つに記載の方法。 26. 前記ワクチン組成物を、反芻動物に投与する、請求項16〜25の何れか一つ に記載の方法。 27. 前記ワクチン組成物を、ヒツジ、ウシ、シカおよびヤギから選択される動 物に投与する、請求項16〜25の何れか一つに記載の方法。 28. 保護免疫を、ヘモンカス属(Haemonchus)、オステルタジア属(Ostertag ia )、トリコストロンギルス属(Trichostrongylus)、カベルティア属(Chaber tia )、エソファゴストムム属(Oesophagostomum)、ヒオストロンギルス属(Hy ostrongylus )、ネマトディルス属(Nematodirus)、トキソカラ属(Toxocara) およびクーペリア属(Cooperia)から選択される蠕虫に対して刺激する、請求項 17〜27の何れか一つに記載の方法。 29. 前記ワクチン組成物を、遅延放出調製物の形態で投与する、請求項16〜28 の何れか一つに記載の方法。 30. 抗原H110Dまたはその抗原性フラグメントを含むワクチン組成物を、雌ヒ ツジに、発情前の約40〜10日に、および発情後の約90日に投与し、これにより、Haemonchus 卵糞中排出の周産期増加を制御する、請求項16〜20および22〜29の何 れか一つに記載の方法。
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