JPH08506692A - 磁気絞り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 共同して磁界を外部空間に作る電気コイル（１、２）とこれに誘導結合された磁化可能な要素（３）とを備えた磁気絞り装置において、外部空間の磁界を遮断するための磁化可能な要素（３）が、コイル鉄心材料がまだ飽和に達しないコイル（１、２）内のパルス状電流によって飽和制御可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 磁気絞り装置 この発明は、請求項１の上位概念による磁気絞り装置に関する。 このような種類の磁気絞り装置は例えばドイツ連邦共和国特許第３５０５７６ ５号明細書に記載されている。この文献においては問題の種類の磁気絞り装置は 誘導型近接スイッチの動作チェック用試験装置として記載されている。この試験 装置は二次コイルを備えており、この二次コイルに誘導型近接スイッチの振動回 路コイルのセンサ磁界が貫流し、これにより試験装置でもって誘導型近接スイッ チの振動回路がその現在状態から制振に関してそれぞれ逆の状態に切り換え制御 される。その場合二次コイルはコイル端子に何も接続していないときは振動回路 を制振されてない状態に、コイル端子に試験抵抗を接続したときは制振された状 態に保持する。二次コイルは固有の二次鉄心に巻回されており、この鉄心はコイ ル端子に何も接続されていないとき及び試験抵抗を介して接続された二次コイル において振動回路コイルのセンサ磁界を完全に誘導型近接スイッチの金属作動体 に対して遮蔽し、二次コイルが短絡されたときにのみ金属作動体のための二次セ ンサ磁界を作る。このような試験装置はそれ故磁気絞り装置と称することができ る。二次コイル中の大きさの異なる電流によって外部空間に作用するセンサ磁界 が投入、遮断もしくは絞られたり、開かれるからである。 このような磁気絞り装置は、２つのコイル、即ち共同して１つの変成器を構成 する誘導型近接スイッチの振動回路コイルと試験装置の二次コイルとが必要であ る点で不利である。従って磁気絞り装置の磁気回路の構造がかなり複雑となる。 この発明の課題は、上述の種類の磁気絞り装置であって、その構造が比較的コ ンパクトなものを提供することにある。 この課題は、冒頭に述べた種類の磁気絞り装置において、この発明によれば特 許請求の範囲の請求項１の特徴部分の構成を備えることによって解決される。 この発明による磁気絞り装置は、ただ１つのコイルしか持たず、また外部空間 に作用する磁界の絞り及び開放が、２つの部分からなるが構造的にはコンパクト で異なる可逆透磁率の異種材料を備えた磁気回路によって実現されるので、コン パクトな構成になる。 この発明の実施態様は従属請求項の対象である。 以下にこの発明を図面による実施例を参照して詳しく説明する。 図１はこの発明による磁気絞り装置の構成を概略的に、 図２は図１による磁気絞り装置を作動させるための回路の等価回路図を概略的 に、 図３は図１による磁気絞り装置において２つの異種磁気材料について磁束密度 に関連した可逆透磁率の経過をダイヤグラムで示す。 図１による磁気絞り装置の実施例では、コイル巻線２を備えた半殻状の鉄心１ が設けられている。半殻状鉄心１及びコイル巻線２により構成されたコイルの一 方の外側に磁化可能な要素３が載置されている。半殻状鉄心１及びコイル巻線２ により構成された電気コイル並びに磁化可能な要素３は金属ケース４の山に一体 に組み込まれている。 この発明による磁気絞り装置の重要な特徴は、磁化可能な要素３が、コイルの 鉄心２の材料が飽和に達するのに必要な磁束密度に比較して小さい磁束密度で飽 和に達する強磁性材料により形成されていることにある。図３のダイヤグラムに おいて、図１によるコイル鉄心１並びに磁化可能な要素３の材料について磁束密 度Ｂと可逆透磁率μｒｅｌとの関係が示されている。曲線３０では、磁化可能な 要素３の材料は既に比較的小さい磁束密度Ｂで飽和し、即ち可逆透磁率μｒｅｌ はこの比較的小さい磁束密度で１に達する。これに対してコイル鉄心１の材料に 対する曲線１０では、相対透磁率μｒｅｌは比較的大きな磁束密度で初めて１に なる。 この発明の異なる特徴によれば、、コイル１、２の巻線２を貫流して磁気絞り 装置の磁界を外部空間に形成する電流には、磁化可能な要素３を飽和させるのに 充分なパルス状電流が間欠的に重ねられる。この場合飽和した磁化可能な要素３ はコイル１、２の磁気回路をもはや閉じない。従ってそれによって作られた磁界 が外部空間に達し、即ち磁気絞り装置が開かれる。コイル鉄心１と巻線２は通常 の如く動作して、外部空間に達する磁界を作る。コイル鉄心１の材料は磁化可能 な 要素３の材料に比較して比較的高い磁束密度で初めて飽和に達するからである。 間欠的なパルス状の電流の休止期間では、これに対して、磁化可能な要素３は飽 和されず、従ってコイル１、２の磁気回路を閉鎖し、従って磁気絞り装置は閉鎮 される、即ち、外部空間には磁界が作られない。 図２は、定常的な磁界を作る交流電源５と、巻線２内の電流によって磁気絞り 装置を間欠的に開いたり閉じたりするパルス電圧源６とを備えた、コイルの巻線 ２を制御するための概略的回路図である。 図１に示された磁気絞り装置の構成において磁束に対する一定の横断面積比を 得るために、この発明の異なる実施例においては磁化可能な要素３はその半殻状 鉄心１の開放側に向いた側を円錐形に形成し、その円錐の頂点がコイルの中心に くるようにし、さらに半殻状鉄心１はその開放側を磁化可能な要素３の円錐形に 合わせられる。 上記に説明した種類の磁気絞り装置は特に誘導型近接スイッチにおいて使用さ れる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．電気コイル（１、２）とこれに誘導結合された磁化可能な要素（３）とを備 え、これらが共同して外部空間に磁界を作り、その際外部空間の磁界は磁化可能 な要素（３）の磁気パラメータを電気的に切り換えることによって投入及び遮断 されるようにした磁気絞り装置において、磁化可能な要素（３）はコイル（１、 ２）の鉄心（１）の材料が飽和に達するのに必要な磁束密度に比較して小さい磁 束密度で飽和に達する強磁性材料によって形成され、コイル（１、２）にはパル ス電圧源（６）が接続され、この電圧源から、磁化可能な要素（３）が飽和する 磁束密度を発生させるのに充分なパルス状電流が磁界を生ぜしめる電流に重畳さ れることを特徴とする磁気絞り装置。 ２．コイル（１、２）が半殻状鉄心コイルとして形成され、磁化可能な要素（３ ）がコイル（１、、２）の開放側に置かれてこれを閉鎖する要素であることを特 徴とする請求項１記載の磁気絞り装置。 ３．磁化可能な要素（３）が半殻状鉄心コイル（１）の開放側に向いた側で、そ の円錐形の頂点がコイルの山央にあるように円錐状に形成され、半殻状鉄心コイ ル（１）がその開放側において磁化可能な要素（３）の円錐形に合わせられてい ることを特徴とする請求項１又は２記載の磁気絞り装置。 ４．電気導体の金属性の担体ケースの中に一体に組み込まれることを特徴とする 請求項１ないし３の１つに記載の磁気絞り装置。 ５．誘導型絞り装置に使用されることを特徴とする請求項１ないし４の一つに記 載の磁気絞り装置。