JPH08505797A - 中央吸収体丘部を持つ全体に薄く可撓性の衛生ナプキン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 中程度乃至高程度の月経流を取扱うことができる、中央吸収体丘部（４４）を有する全体に薄く且つ可撓性の衛生ナプキン（２０）。丘部（４４）は、衛生ナプキンの身体面（２０Ａ）から突出した長手方向に配向された細長い内側吸収体丘部からなる。衛生ナプキンは、好ましくは、キャリパが約５mmと等しいか或いはそれ以下の包囲吸収体領域（２７）を丘部の外側に有する。丘部の最大高さの箇所での衛生ナプキンのキャリパは、好ましくは、包囲領域のキャリパの２倍以上である。丘部のキャリパは、好ましくは、少なくとも約３．５mm乃至４mm（約０．１５インチ）である。衛生ナプキンの長手方向中央領域の撓み抵抗は、好ましくは、包囲領域よりも大きい。

Description

【発明の詳細な説明】 中央吸収体丘部を持つ全体に薄く可撓性の衛生ナブキン 発明の分野 本発明は、衛生ナプキンのような吸収体物品に関する。更に詳細には、本発明 は、中央吸収体丘部を備えた全体に薄く可撓性の衛生ナプキンに関する。 発明の背景 本発明は、人体から排出された液体及び他の排出物を吸収してこれを保持し、 身体及び衣服が汚れないように設計された衛生ナプキン、パンティライナ、及び 失禁者用パッドのような吸収体物品に関する。本発明は、特に、全体に比較的薄 く且つ可撓性の部分を持つ衛生ナプキンに関する。 現在、女性は、月経及び他の身体からの排出物を収集するため、種々の形状及 び寸法の衛生ナプキンを使用している。 従来、着用者の身体と接触した状態を維持する衛生ナプキンを提供することに 多くの努力が払われてきた。このような身体との接触を提供しようとする一つの 試みは、１９５６年５月２９日にマーサーに賦与された米国特許第２，７４７， ５７５号に開示されている。マーサーの特許には、着用者の身体に向かって膨ら んでおり着用者の身体と接触できる長手方向丘部を持つ生理帯が開示されている 。しかしながら、マーサーの特許に開示された生理帯には幾つかの欠点があった 。例えば、マーサーの生理帯の吸収体パッド及び丘部の大きさ及び形状は、生理 帯が着用者の身体と接触した状態を維持できる（即ち着用者の身体の形態と一致 できる）状態を制限する。丘部の側部の横方向にある生理帯の部分は、薄くない し可撓性でない。更に、マーサーの生理帯の丘部はセルロース材料でできており 、そのため、使用中に潰れたり永久的にねじれたりし易い。 現在では、ますます薄く、及びかくして従来の衛生ナプキンよりも快適性が高 く邪魔にならない衛生ナプキンを開発する傾向にある。現在、中程度から高程度 の月経排出物を吸収し包含する性能を持つ薄型の衛生ナプキンを開発することに 努力が傾けられている。従来は、このような排出物は比較的厚型の衛生ナプキン でしか取り扱うことができなかった。中程度から高程度の月経流を取扱うのに十 分大きい吸収力を持つ薄型衛生ナプキンの例が、１９９０年８月２１日及び１９ ９１年４月２３日にオズボーン三世に賦与された米国特許第４，９５０，２６４ 号及び米国特許第５，００９，６５３号の夫々に開示されている。 更に、着用者の身体との接触を維持するばかりでなく着用者の身体の形態とで きるだけぴったりと一致する衛生ナプキンが望ましい。このように身体の形態と 一致していると、月経が衛生ナプキンの周囲を移動して漏れる可能性が小さくな り、そのため衛生ナプキンの有効性が高まる。現在、身体の形態と一致する、性 質が改善された衛生ナプキン及び他の吸収体物品を提供する多くの努力が払われ ている。上掲のオズボーンの特許に開示された衛生ナプキンは、薄型衛生ナプキ ンの例として役立つことに加え、解剖学的形態と一致する衛生ナプキンの例とし て役立つ。オズボーンの特許に開示された衛生ナプキンは、極めて優れているが 、改良衛生ナプキンに対する探究はなをも続けられている。 例えば、全体に薄く可撓性の衛生ナプキンのターゲット領域での吸収力を大き くすることが望ましい。更に、衛生ナプキンと着用者の身体、特に着用者の大陰 唇の内方に面した表面との間を良好に接触させるのが望ましい。均等に薄く可撓 性のパッドと同じレベルの快適さを提供しながらこれらの目的を達成するのが望 ましい。 衛生ナプキンを着用者の下着の所定の場所に保持する方法は、衛生ナプキンを 着用者の身体と接触した状態に維持する性能に影響を及ぼすということがわかっ ている。衛生ナプキンは、一般的には、着用者の下着に感圧接着剤又は他の手段 で止められている。着用者が動き廻るとき、着用者の下着は着用者の身体と協調 して移動せず、衛生ナプキンは着用者の下着と一緒に撓んだり捩じれたりしない ため、この手段には応力が加わる。応力が過度に加わったとき、感圧接着剤又は 他の手段が下着から外れてしまうことがある。こうしたことが起こると、衛生ナ プキンは所望の位置からずれてしまい、着用者の膣開口部と整合した状態から外 れる。従って、着用者の身体と着用者の下着との間の動きの影響を吸収する機構 を持つ衛生ナプキンを提供するのが望ましい。 本発明の目的は、全体に薄く且つ可撓性であり、中程度乃至高程度の月経流を 吸収し包含するのに十分な吸収力を持つ衛生ナプキンを提供することである。 本発明の別の目的は、女性の着用者の身体との接触を維持し、女性の着用者の 身体の形状と一致した形態を持ち、特定的には大陰唇の内方に面する表面との接 触を維持することによって月経をその排出時に容易に捕捉する衛生ナプキンを提 供することである。 本発明の更に別の目的は、ターゲット領域での吸収力が特に大きく、装着性及 び快適性が高く、均等に薄い衛生ナプキンの、着用しているのを忘れてしまう性 質を持つ、全体に薄く可撓性の衛生ナプキンを提供することである。 最後に、本発明の目的は、着用者の身体と着用者の下着との間の動きの影響を 吸収する機構を持つ衛生ナプキンを提供することである。 本発明のこれらの目的及び他の目的は、以下の説明を添付図面を参照して読む ことにより、更に明らかになるであろう。 発明の概要 本発明は、衛生ナプキンのような吸収体物品である。本発明の衛生ナプキンは 、中央吸収体丘部を備えた全体に薄く可撓性の衛生ナプキンである。 この衛生ナプキンは、主長手方向中心線、主横方向中心線、身体面、及び衣料 面を有する。長手方向中央領域が主長手方向中心線の少なくとも一部の長さに沿 って配置されている。衛生ナプキンは、長手方向中央領域の少なくとも横方向外 側に配置された長手方向側領域のような包囲領域を有する。衛生ナプキンは、液 体透過性のトップシート、トップシートに接合された液体不透過性のバックシー ト、及びトップシートとバックシートとの間に配置された吸収体コアを有する。 衛生ナプキンの身体面には、長手方向内側吸収体丘部が長手方向中央領域に設け られている。 衛生ナプキンの包囲領域（少なくともその部分）のキャリパは、好ましくは、 約５mmと等しいか或いはそれ以下である。長手方向中央領域の最大高さの箇所で の衛生ナプキンのキャリパは、包囲領域のキャリパよりも大きい。丘部の最大高 さの箇所での衛生ナプキンのキャリパは、好ましくは、包囲領域のキャリパの約 ２倍以上である。最大高さの箇所での衛生ナプキンのキャリパは、好ましくは、 約３mm乃至４mm（約１．５インチ）以上であり、更に好ましくは約４mm乃至約１ ５mmである（しかしながら、この箇所での衛生ナプキンのキャリパは、常に、包 囲領域で計測したキャリパの少なくとも約２倍以上でなければならない）。更に 、衛生ナプキンの長手方向中央領域の撓み抵抗は、包囲領域よりも大きい。撓み 抵抗の計測は、本明細書中に詳細に説明した円形曲げ法に従って行われる。長手 方向中央領域の撓み抵抗は最大約１０００ｇである。包囲領域の撓み抵抗は、好 ましくは、約７００ｇと等しいか或いはそれ以下である。 丘部は、好ましくは、パッドのターゲット領域に吸収力及び液体捕捉力を追加 する丘部形成要素を有する。丘部は、更に、中央決め／位置決め機構を持つ衛生 ナプキンを提供する。丘部は、好ましくは、衛生ナプキンが着用者の身体と、特 に着用者の大陰唇の内方に面した表面と物理的にぴったりと接触した状態を維持 する。（大陰唇の内方に面した表面は、大陰唇間の空間と隣接した大陰唇の表面 である。）丘部形成要素は、好ましくは、圧縮性があり且つ弾性の材料である。 丘部形成要素は、吸収体コアで使用された材料と異なる材料からなるのがよい。 丘部（又は丘部の少なくとも上半部）の圧縮性により、着用者の大陰唇間の空間 に入り込んでこれに快適に嵌まることができる。弾性により、丘部を着用者の身 体の形態と良好に一致させることができ、着用中にこのような接触を維持するこ とができる。丘部形成要素は、好ましくは、湿潤弾性であり且つ乾燥弾性である 。これによって、着用中に出会う状態で丘部形成要素が潰れに対して抵抗するよ うにする。 従来、全体に薄く可撓性の衛生ナプキンの着用者は、衛生ナプキンの厚さ及び 可撓性が比較的に一定でない場合には非常に不快な感触を受けると考えられてき た。しかしながら、思いがけないことに、本発明の衛生ナプキンもまた均等に薄 く可撓性の衛生ナプキンとと同程度の着用時の快適性を提供するということがわ かった。 更に、一実施例では、吸収体物品は、衛生ナプキンのバックシートから分離す る吸収体コアを持つ衛生ナプキンからなる。吸収体コアがバックシートから分離 することによって、着用者の身体と着用者の下着との間の動きの影響を吸収する 。変形例では、衛生ナプキンには、着用者の身体と着用者の下着との間の動きの 影響を吸収するため、丘部を含む衛生ナプキンの部分を着用者の下着から分離で きる形態を持つパンティファスナが設けられている。別の実施例では、衛生ナプ キンは、着用者の身体の形態と良好に一致するようになった横方向にセグメント 分けされた丘部を有する。更に別の実施例では、衛生ナプキンは、長手方向に、 横方向に、又は両方向に伸長性がある。 図面の簡単な説明 第１図は、本発明の衛生ナプキンの好ましい実施例の平面図である。 第２図は、第１図に示す衛生ナプキンの好ましい実施例の第１図の２−２線に 沿った断面図である。 第３図は、第１図の３−３線に沿った断面図である。 第４図は、衛生ナプキンの吸収体コアのバックシートからの分離を示す、第２ 図と同じ角度から見た断面図である。 第４Ａ図は、衛生ナプキンが、好ましくは、どのように着用者の身体と隣接し て装着するのかを示す概略図である。 第５図は、吸収体コアのバックシートからの分離を示す、第３図と同じ角度か ら見た側断面図である。 第６図は、本発明の衛生ナプキンで使用した丘部形成要素の別の配置を示す、 第２図の衛生ナプキンと同じ角度から見た衛生ナプキンの断面図である。 第６Ａ図は、丘部形成要素の変形例を示す、第２図の衛生ナプキンと同じ角度 から見た衛生ナプキンの断面図である。 第７図、第８図、及び第９図は、衛生ナプキンの横方向の部分を連結すること によって丘部が形成された衛生ナプキンの変形例を示す、第２図の衛生ナプキン と同じ角度から見たの断面図である。 第１０図は、変形例の形体の随意のインターライナを持つ本発明の衛生ナプキ ンの変形例の断面図である。 第１１図乃至第１４図は、衛生ナプキンのコアのバックシートからの分離を制 御するための幾つかの変形例の手段を示す断面図である。 第１５図は、好ましい接着剤パターンを持つ衛生ナプキンの概略斜視図である 。 第１６図は、本発明による伸長性衛生ナプキンのアッセンブリを示す分解斜視 図である。 第１７図は、独立した連結されていない横方向にセグメント分けされた三つの コアセグメントを持つ本発明の衛生ナプキンの変形例の、トップシートの一部が 切除してある概略平面図である。 第１８図は、コアの長手方向縁部と整合した峡部連結体で二つのセグメントが 接合されており且つ衛生ナプキンの主長手方向中心線と整合した峡部連結体で二 つのセグメントが接合された三つの独立したセグメントを有する、第１７図に示 す衛生ナプキンの変形例の平面図である。 好ましい実施例の詳細な説明 １．概論 本発明は、衛生ナプキンのような吸収体物品に関する。衛生ナプキンは、着用 者の身体、特に着用者の大陰唇の内方に面する表面との接触性を改善する長手方 向に配向された細長い吸収体丘部をその身体面に有する。丘部の少なくとも一部 は、「ターゲット」領域に極めて高い吸収性を賦与する丘部形成要素によって形 成されているのがよい。ターゲット領域は、月経が代表的に排出される領域であ る。丘部を取り囲む衛生ナプキンの領域（「包囲領域」）は、全体に薄く且つ可 撓性である。 「吸収体物品」という用語は、本明細書中で使用されているように、身体の滲 出物を吸収して包含する衛生ナプキン、パンティライナ、及び失禁者用パッドに 関する。「使い捨て」という用語は、一回使用した後に廃棄するようになってお り、好ましくは、リサイクル、堆肥化、又は他の環境に適合した方法で処分され る物品に関する。（即ち、これらは洗濯又は他の方法でその全体が吸収体物品と して再生したり再使用するようになっていない。） 「衛生ナプキン」という用語は、本明細書中で使用されているように、女性が 外陰部領域と隣接して着用する物品に関し、身体から排出された種々の滲出物（ 例えば、血液、月経、及び尿）を吸収して包含するようになった物品に関する。 一部が着用者の前庭の中にあり且つ一部が外にある陰唇間装置もまた本発明の範 囲内にある。 着用者の大陰唇の「内方に面した表面」という用語は、大陰唇間の空間と隣接 した大陰唇の表面に関する。 本発明の衛生ナプキン２０の好ましい実施例を第１図、第２図、及び第３図に 示す。 衛生ナプキン２０は、基本的には、液体透過性のトップシート２８、液体不透 過性のバックシート３０）及びトップシート２８とバックシート３０との間に位 置決めされた吸収体コア３６からなる。長手方向に配向された、細長い、好まし くは弾性の、内側（即ち中央）吸収体丘部４４が衛生ナプキン２０の身体面２０ Ａから突出している。衣料面２０Ｂは、衛生ナプキンの反対側にあり、衛生ナプ キン２０の着用時に着用者の下着と隣接して配置される。 衛生ナプキン２０は二つの中心線、即ち主長手方向中心線Ｌ１及び主横方向中 心線Ｔ１を有する。「長手方向」及び「横方向」という用語は、１９９１年４月 １６日にオズボーンに賦与された「切り離された衛生ナプキン」という標題の米 国特許第５，００７，９０６号に定義されている。衛生ナプキン２０は、全体に 主長手方向中心線Ｌ１の方向に延びる長手方向寸法、及び全体に主横方向中心線 Ｔ１の方向に延びる横方向寸法を有する。衛生ナプキン２０は、間隔を隔てられ た二つの長手方向縁部２２及び間隔を隔てられた二つの横方向縁部即ち端縁部（ 又は「端部」）２４を有し、これらが周囲２６を形成する。衛生ナプキン２０を 着用したとき、一方の端縁部２４Ａは着用者の前部に向かって配向され、他方の 端縁部２４Ｂは着用者の後部に向かって配向される。 衛生ナプキン２０の長手方向中央領域２３は、主長手方向中心線Ｌ１の少なく とも一部の長さに沿って配置されている（好ましくは、主長手方向中心線Ｌ１の ほぼ中央に配置されている）。長手方向中央領域２３は、衛生ナプキン２０の吸 収体丘部４４が設けられた領域である。かくして、長手方向中央領域２３の境界 は、通常は、丘部４４のベース４４Ａが構成する周囲２９と一致する。（丘部４ ４の周囲２９は、丘部４４の存在によりトップシート２８の高さが変化する場所 に配置されている。）従って、長手方向中央領域２３の大きさ及び形状は、平面 図での丘部４４の寸法で決まる。 包囲領域２７は、衛生ナプキンの、吸収性が大きい部分であり、長手方向中央 領域２３の外側にある。「外側」という用語は、主長手方向中心線Ｌ１と横方向 中心線Ｔ１との交差部から遠ざかって位置決めされているということを意味する 。包囲領域２７は、「長手方向側領域」（即ち「側領域」）２７と呼ぶことがで きる。これは、包囲領域が、代表的には、少なくとも丘部４４の横方向外方に配 置されており、そのため、包囲領域が、丘部４４即ち衛生ナプキンの長手方向両 側にあるためである（従って、「長手方向側領域」と呼ぶ。）しかしながら、包 囲領域２７は、長手方向中央領域２３の長手方向外側に設けられている（即ち、 丘部の端部の外側で端領域７２及び７４にある）か、横方向外側に設けられてい る（即ち、丘部４４が吸収体コア３６の全長に亘って延びている場合に、丘部４ ４の長手方向縁部の外側にある）か、或いは、両方向に亘って延びている（後者 を第１図に示す）。かくして、包囲領域は必ずしも丘部４４の全ての側を完全に 包囲する必要はない。 衛生ナプキン２０は、「全体に」薄く且つ可撓性であると言うことができる。 衛生ナプキン２０をこのように説明する場合には、衛生ナプキンの包囲領域２７ が比較的薄く且つ可撓性であるのに対し、長手方向中央領域２３が比較的厚く且 つ比較的非可撓性であるということを意味する。添付図面に示す衛生ナプキン２ ０の実施例は、全体に薄い衛生ナプキン２０の一例である。しかしながら、添付 図面を見るとき、衛生ナプキン２０は、図示の多数の材料層によって実際により も相当厚いように見えるということを理解しなければならない。 本発明の衛生ナプキン２０は、全体として、１９９０年８月２１日にオズボー ンに賦与された「薄く可撓性の衛生ナプキン」という標題の米国特許第４，９５ ０，２６４号及び１９９１年４月２３日にオズボーンに賦与された「薄く可撓性 の衛生ナプキン」という標題の米国特許第５，００９，６５３号に従ってつくる ことができる。「全体として・・・に従ってつくられた」という言 い方は、衛生ナプキンの少なくとも幾つかの構成要素及び性質が、これらの文献 に記載された衛生ナプキンと同じであるということを意味する。しかしながら、 本発明の衛生ナプキンが、全体として、上掲の文献のうちの任意の文献の記載に 従ってつくられている場合には、長手方向に配向された吸収体丘部及び本願中に 説明した他の独特の特徴が備えられていなければならない。 （上掲の文献に説明されている衛生ナプキンの種々の構成要素は、本明細書中 で使用しているのとは僅かに異なる用語で説明されているということは理解され るべきである。しかしながら、本願の図面及び要素は、本特許出願で説明した対 応する構成要素を容易に確認するために条件の文献に記載されているものと比較 することができる。しかしながら、参考のため本願に組み込んだ文献のいずれも 本発明を教示も開示もしていないということは明白である。） ２．衛生ナプキンの個々の構成要素 次に、衛生ナプキン２０の個々の構成要素を詳細に考察する。 Ａ．トップシート トップシート２８は、着用者の身体に向かって配向され且つ着用者の身体と接 触し、身体からの排出物を受け取る、衛生ナプキンの構成要素である。トップシ ート２８は、衛生ナプキンの他の幾つかの構成要素と重なり且つこれらの構成要 素の周りに折畳まれている。トップシートは、衛生ナプキン２０の使用時に使用 者の身体の直ぐ近くにある。 トップシート２８は、身体に面する側（即ち「身体面」）２８Ａ及びコアに面 する側２８Ｂを有する。トップシート２８の身体に面する側２８Ａは、全体とし て、衛生ナプキン２０の身体と接触する面（「身体面」）２０Ａの少なくとも一 部を形成する。トップシート２８は、二つの長手方向縁部２８Ｃ及び二つの端縁 部２８Ｄを有する。（衛生ナプキンの他の構成要素についても同様の方法で番号 を付ける。即ち、構成要素の着用者の身体に面する側には、構成要素の参照番号 及び符号「Ａ」を附し、着用者の下着に面する側には構成要素の参照番号及び符 号「Ｂ」を附し、側部及び端縁部には、構成要素の参照番号及び符号「Ｃ」及び 「Ｄ」を夫々附す。） トップシート２８は、液体透過性であり、可撓性であり、皮膚に対して刺激が ないものでなければならない。本明細書中で使用されているように、「可撓性」 という用語は、柔軟で身体の形状に容易に馴染む、即ち、外力が存在する状態で 容易に変形することによって外力に応答する材料に関する。好ましくは、トップ シート２８は、着用していることが気づかれないように、音を立てない。トップ シート２８は、衛生的で、清浄な外観を持ち、コア３６に集められ且つ吸収され た身体からの排出物を隠すため、幾分不透明である。更に、トップシート２８は 、浸み通し性及び再湿潤特性が良好であり、身体からの排出物をコア３６に迅速 に通すことができるが、トップシート２８を通して着用者の皮膚に逆流させるこ とがない。 適当なトップシート２８は、織布材料及び不織布材料、有孔成形熱可塑性フィ ルム、有孔プラスチックフィルム、及びヒドロフォームド熱可塑性フィルムのよ うなポリマー材料、多孔質フォーム、網状フォーム、網状熱可塑性フィルム、及 び熱可塑性スクリムのような広範な材料から製造できる。適当な織布材料及び不 織布材料は、天然繊維（例えば木材繊維又は綿繊維）、合成繊維（例えば、ポリ エステル繊維、ポリプロピレン繊維、又はポリエチレン繊維のようなポリマー繊 維）、又は天然繊維と合成繊維の混紡からなる。 好ましいトップシートは、有孔成形フィルムからなる。有孔成形フィルムは、 身体の滲出物に対して透過性であるが非吸収性であり、孔が適切に設けられてい る場合には、液体を逆流させて着用者の皮膚を再び濡らす傾向が小さいため、ト ップシートについて好ましい。かくして、身体と接触した成形フィルムの表面は ドライな状態のままであり、これによって、身体が汚れ難くし、着用者に対して 更に快適な触感を提供する。適当な成形フィルムは、１９７５年１２月３０日に トンプソンに賦与された米国特許第３，９２９，１３５号、１９８２年４月１３ 日にミュラン等に賦与された米国特許第４，３２４，２４６号、１９８２年８月 ３日にラデル等に賦与された米国特許第４，３４２，３１４号、１９８４年７月 ３１日にアー等に賦与された米国特許第４，４６３，０４５号、及び１９９１年 ４月９日にベイアードに賦与された米国特許第５，００６，３９４号に記載され ている。本発明について好ましいトップシートは、上掲の特許のうちの一つ又は それ以上に説明されており且つオハイオ州シンシナチのプロクターアンドギャン ブル社が衛生ナプキンについて「ドライウィーブ（ＤＲＩ−ＷＥＡＶＥ）」とし て販売している成形フィルムである。 本発明の好ましい実施例では、成形フィルムトップシートの身体面は親水性で ある。これにより、液体は、身体面が親水性でない場合よりも迅速にトップシー トを通って移動し、月経流体が吸収体コアに流入しないでトップシートから流れ 落ちる傾向を小さくする。好ましい実施例では、１９９１年１１月１９日にアジ ズ等の名で出願された「不織有孔フィルムカバーシートを持つ吸収体物品」とい う標題の米国特許出願第０７／７９４，７４５号に説明されているように、界面 活性剤が成形フィルム製トップシートのポリマー材料に組み込んである。変形例 では、オズボーンに賦与された上掲の米国特許第４，９５０，２５４号に記載さ れているように、トップシートの身体面を界面活性剤で処理することによって親 水性にすることができる。 更に、衛生ナプキン２０は（第１５図に示してあり且つ以下の４Ｃのセクショ ンに説明してあるように）、伸長性であるのがよい。伸長性の実施例で使用する ための一つの好ましいトップシート２８は、米国特許第４，４６３，０４５号に 従ってつくられており且つ或る程度の伸長性を賦与するためリングロール加工が 加えられたトップシートである。リングロール加工即ち「波形を予め付ける」た めの適当なプロセスは、１９７８年８月１５日にシソンに賦与された米国特許第 ４，１０７，３６４号、１９８９年５月３０日にサビーに賦与された米国特許第 ４，８３４，７４１号、１９９１年２月２８日にジェラルドＭ．ウェーバー等が 出願した現在継続中の一般に譲渡された米国特許出願第０７／６６２，５３６号 、１９９１年２月２８日にケネスＢ．ブエル等が出願した米国特許出願第０７／ ６６２，５３７号、１９９１年２月２８日にジェラルドＭ．ウェーバー等が出願 した米国特許出願第０７／６６２，５４３号に記載されている。トップシートの 波形の折り目線は、トップシートが長手方向に伸長性であるように、横方向に延 びていなければならない。他の適当な伸長性のトップシート材料が、以下の４Ｅ のセクションで参考のために組み込んだ「伸び縮み自在の吸収体物品」特許出願 に記載されている。 Ｂ．吸収体コア 吸収体コア３６は、その上側に排出された又は液体透過性のトップシート２８ を通って別の方法で移動する身体からの排出物、特に月経を集めて包含するため の手段である。 吸収体コア３６は、液体（例えば月経、及び／又は尿）を吸収でき、又は保持 できる任意の吸収体手段であるのがよい。第１図に示すように、吸収体コア３６ は、身体に面する側（即ち「第１主面」）３６Ａ、衣料に面する側（即ち「第２ 主面」）３６Ｂ、二つの長手方向縁部（即ち「側縁部」）３６Ｃ、及び二つの横 縁部即ち端縁部３６Ｄを有する。吸収体コア３６は、多くの種々の大きさ及び形 状（例えば、矩形、楕円形、砂時計形状、犬骨形状、非対称形状、等）で製造で きる。 第１図、第２図、及び第３図に示す好ましい実施例では、吸収体コア３６は層 状であり、粒子４２の形態の超吸収体ポリマー材料層が二つの空気堆積薄葉紙間 、即ち第１及び第２の薄葉紙層（即ち「上」薄葉紙層及び「下」薄葉紙層）３８ 及 び４０間に挟まれている。第１及び第２の薄葉紙層３８及び４０は、超吸収体ポ リマー材料４２を包含し、吸収された滲出物の吸収体コア３６に亘る毛管作用に よる横方向移動を改善し、或る程度の吸収性を提供する。 しかしながら、吸収体コア３６は、一般にエアーフェルトと呼ばれる微粉砕し た木材パルプのような、衛生ナプキン及び他の吸収体物品で一般的に使用されて いる種々の液体吸収体材料からつくることができる。他の適当な吸収体材料の例 には、紙綿、コフォームを含む溶融吹き出しポリマー、熱的に結合した空気堆積 繊維、化学的に補剛した、改質した即ち架橋したセルロース繊維、クリンプ加工 を施したポリエステル繊維のような合成繊維、草炭、薄葉紙の包紙及び薄葉紙積 層体を含む薄葉紙、吸収体フォーム、吸収体スポンジ、超吸収体ポリマー、吸収 体ゲル化剤、又は任意の等価の材料又はこれらの材料の組み合わせ又は混合物が 含まれる。 吸収体コアの形体及び構造もまた変化させることができる（例えば、吸収体コ アはキャリパの異なるゾーンを備えていてもよく（例えば、中央が厚くなるよう に賦形されている）親水性勾配又は超吸収体勾配が異なるゾーンを備えていても よく、低密度で低坪量の捕捉ゾーンを備えていてもよく、一つ又はそれ以上の層 又は構造からなっていてもよい）。しかしながら、吸収体コアの全体としての吸 収力は、設計負荷及び衛生ナプキンの所期の使用に匹敵するものでなければなら ない。更に、吸収体コアの大きさ及び吸収力は、失禁者用パッド、パンティライ ナ、レギュラー衛生ナプキン、又は夜用衛生ナプキンのような種々の用途に合わ せて変化させることができる。 本発明の吸収体コアとして使用するための例示の吸収体構造は、１９９０年８ 月２１日にオズボーンに賦与された「薄く可撓性の衛生ナプキン」という標題の 米国特許第４，９５０，２６４号、１９８６年９月９日にワイズマン等に賦与さ れた「高密度吸収体構造」という標題の米国特許第４，６１０，６７８号、 １９８９年５月３０日にアルマニー等に賦与された「低密度で低坪量の捕捉ゾー ンを持つ高密度吸収体部材」という標題の米国特許第４，８３４，７３５号、１ ９８６年１０月２２日にデュエンク等の名で公開されたプロクターアンドギャン ブル社の欧州特許出願第０ １９８ ６８３号、１９９１年１２月１７日にクリ ー等の名で出願された「融着層を持つ吸収体物品」という標題の米国特許出願第 ０７／８１０，７７４号、クリー等の名で出願された米国特許出願第０７／９４ ４，７６４号（プロクターアンドギャンブル社の事件番号第４５４６Ｒ号）、１ ９９２年１０月７日にクリー等の名で出願された米国特許出願第０７／９５７， ５７５号（プロクターアンドギャンブル社の事件番号第４７３５号）、及び１９ ９２年１０月２６日にアー等の名で出願された米国特許出願第０７／９６６，２ ４０号（プロクターアンドギャンブル社の事件番号第４７５０号）に記載されて いる。 伸長可能な衛生ナプキンの実施例では、一つの好ましい吸収体コア３６は、上 文中に説明したような積層体であり、添付図面のうち第１５図に示すように長手 方向に伸長自在であるように少なくとも部分的にスリットが設けられている。ス リットが設けられた又は部分的にスリットが設けられたこのコアは、セクション ４Ｃで説明する毛管チャンネル繊維特許出願に詳細に記載されている。他の適当 な伸長自在のコア材料は、以下の４Ｅのセクションに参考のため組み込んだ「伸 び縮み自在の吸収体物品」特許出願に記載されている。 Ｃ．バックシート バックシート３０は、衛生ナプキン２０によって集められ且つ包含された排出 物、特にコア３６が吸収した排出物が衛生ナプキン２０から漏出し、衣服やベッ ドを汚すことがないようにする。 バックシート３０は、ポリオレフィン製のフィルムのような可撓性で耐液性の 好ましくは液体不透過性の任意の材料であるのがよいが、他の可撓性の液体不透 過性材料を使用することもできる。バックシート３０は、好ましくは、着用を悟 られないように音を立てない。バックシート３０は、吸収体コア３６から蒸気を 逃がすことができる（即ち呼吸できる）が、滲出物を通さない。バックシート３ ０は、変形例では、臭気が漏れて着用者や他人がこれに気付くことがないように 、吸収された身体の排出物が発生する悪臭のガスに対して不透過性であるのがよ い。 バックシート３０は、織布材料又は不織布材料、ポリエチレン又はポリプロピ レン製の熱可塑性フィルムのようなポリマーフィルム、又はフィルムでコーティ ングした不織布材料のような複合材料からなるのがよい。好ましくは、バックシ ートは、厚さが約０．０１２mm（０．５ミル）乃至約０．０５１mm（２．０ミル ）のポリエチレンフィルムである。例示のポリエチレンフィルムは、オハイオ州 シンシナチのクロペー社がＰ１８−０４０１の表示で製造しているポリエチレン フィルム、及びインディアナ州テルホイテのトレッデガフィルム製造社がＸＰ− ３９３８５の表示で製造しているポリエチレンフィルムである。バックシートは 、更に布に近い外観を提供するため、好ましくは、エンボス加工及び／又は艶消 し仕上げが施してある。 バックシート３０は、コアに面する側３０Ａ及び衣料側３０Ｂを有する。バッ クシート３０のコアに面する側３０Ａの少なくとも一部が、通常は、コア３６に 面する。バックシート３０のコアに面する側３０Ａの部分（例えば、ウイング５ ６）をこれらが必ずしもコア３６に面しないように折畳むこともまた本発明の範 囲内にある。コアに面する側３０Ａは、一般的には、トップシート２８及び／又 はコア３６に接合されたバックシート３０の側部である。バックシート３０の衣 料側は、全体が、衛生ナプキン２０の衣料面２０Ｂを形成する。 第１図、第２図、及び第３図に示す衛生ナプキン２０の好ましい実施例では、 バックシート３０は、好ましくは二つの層からなる。第２図に示すように、バッ クシート３０は、バックシート３０のコアに面する側３０Ａ上に配置されたロフ テッド材料からなる第１層３２を有する。第１層３２の目的は、快適で着用者の 身体に対して刺激のない表面を提供することである。ロフテッド層は、不織布材 料のような任意の適当な材料からなるのがよい。好ましくは、ロフテッド層は、 疎水性の不織布材料からなる。第２層３４は、バックシート３０の衣料側３０Ｂ に配置されており、流体不透過性フィルムからなる。トレッデガフィルム製造社 の型番ＸＰ−３９３８５号のフィルムのような低密度ポリエチレン材料がこの第 ２層に特に適していることがわかっている。更に、バックシート３０は、トップ シート２８に対して疎水性の軟質の布のような材料でつくってもよい。ポリエス テル繊維又はポリプロピレン繊維製のバックシート３０が優れていることがわか っている。特に好ましい軟質の布のようなバックシート材料は、ポリエステル製 の不織布材料と、１９８４年1０月９日にナックに賦与された米国特許第４，４ ７６，１８０号に記載されたフィルムのようなフィルムとからなる積層体である 。 伸長性の衛生ナプキンで使用するための好ましいバックシート３０は、ウィス コンシン州ワウワトサのフィンドレー接着剤社が製造しているフォーミュラ＃１ ９８−３３８延伸接着フィルムである。この延伸接着フィルムは、毛管チャンネ ル繊維特許出願に更に詳細に記載されている。他の適当な伸長自在のバックシー ト材料は、以下の４Ｅのセクションに参考のため組み込んだ「伸び縮み自在の吸 収体物品」特許出願に記載されている。 Ｄ．吸収体丘部 衛生ナプキン２０の身体面２０Ａに設けられた長手方向に配向された細長い吸 収体丘部（「吸収体丘部」又は「丘部」）４４を第１図、第２図、及び第３図に 示す。 丘部４４は、着用者の陰唇組織間の空間に装着する上で特に有用である。丘部 ４４は、月経及び他の身体からの排出物をこれらが着用者の身体を離れるときに 容易に捕捉するため、陰唇組織間の空間と隣接した着用者の大陰唇の表面と接触 し続けるようになっている。丘部４４は、着用者の会陰部内に当てて又は会陰内 に少なくとも部分的に装着するような大きさのものである。丘部４４が着用者の 身体の直ぐ近くにあるため、丘部は、好ましくは、比較的軟質でなければならな い。丘部４４は、好ましくは、着用者の大陰唇の内方に面する表面が構成する空 間の形状に良好にフィットし且つ馴染むことができなければならない。 丘部４４は、少なくとも部分的には、衛生ナプキン２０の一つ又はそれ以上の 構成要素部分からなるのがよい（即ち、こうした構成要素の部分から形成されて いるのがよい）。丘部４４は、トップシート２８、吸収体コア３６、バックシー ト３０、又は、トップシート２８とバックシート３０との間にある本明細書中に 記載した任意の追加の層といった構成要素のうちの任意の一つ又はそれ以上の部 分によって形成できる。変形例では、又は追加として、丘部４４は、少なくとも 部分的には、図中で参照番号４４′を附した丘部形成要素によって形成できる。 丘部４４は、好ましくは、少なくとも部分的に吸収性である。丘部４４は、そ の任意の部分が吸収性である場合には、本発明の目的について、「吸収性」であ ると考えられている。しかしながら、丘部４４の全体が吸収性である必要はない 。例えば、丘部４４は、丘部を形成する、下側の構成要素の一つが吸収性である 限り、成形フィルムからなるトップシート２８自体に吸収性がなくても「吸収性 」であると考えられる。 丘部４４は、「長手方向に配向され」ており、「細長い」。「長手方向」とい う用語及び「長手方向に配向され」たという用語は、本明細書中で使用されてい るように、丘部４４の最も大きい寸法が長手方向に配向されているということを 意味する。「細長い」という用語は、本明細書中で使用されているように、丘部 ４４はその幅に比べて長いということを意味する。丘部４４は、それ自体の長手 方向中心線Ｌ２及び横方向中心線Ｔ２を有する（第１図に示してある）。（丘部 形成要素４４′が丘部４４の形状を決定する場合には、丘部形成要素４４′もま たそれ自体の長手方向中心線及び横方向中心線を有する。これらの中心線は、代 表的には、丘部４４の中心線と同じである。） 丘部４４の位置を第１図に示す。丘部４４は、衛生ナプキン２０の身体面２０ Ａの上に中心がある。このような場合には、丘部の長手方向中心線Ｌ２及び横方 向中心線Ｔ２は衛生ナプキン２０の主長手方向中心線Ｌ１及び主横方向中心線Ｔ １と一致する。丘部４４は、他の実施例では、衛生ナプキン２０の主長手方向中 心線又は主横方向中心線のいずれかからずらして位置決めされていてもよい。好 ましくは、丘部４４は、少なくとも、衛生ナプキン２０の主長手方向中心線Ｌ１ のほぼ中央にある。（即ち、丘部４４は、衛生ナプキン２０の長手方向縁部２２ の中間にある。）これによって、丘部４４を着用者の陰唇組織間の空間に位置決 めできる。しかしながら、丘部４４は、衛生ナプキン２０の主横方向中心線Ｔ１ に対して必ずしも中央になくてもよい。丘部４４は、例えば、衛生ナプキンが主 横方向中心線を中心として非対称である場合には、主横方向中心線からずれてい てもよい。しかしながら、好ましくは、丘部４４の少なくとも部分が主横方向中 心線に対して十分に中央にあり、丘部４４の前記部分は、衛生ナプキン２０の中 央領域７６に配置されている。「中央領域」という用語は、衛生ナプキンの横方 向区分に関する。（「中央領域」という用語は、本明細書中で使用されている「 長手方向中央領域」２３という用語とは区別できる。中央領域という用語は、１ ９８７年９月１日にヒギンズに賦与された米国特許第４，６９０，６８０号に定 義されている。） 丘部４４は、着用者の陰唇組織間の空間に少なくとも部分的に嵌まるのであれ ば、どのような形状を持っていてもよい。丘部４４は、その長手方向中心線Ｌ２ 及び横方向中心線Ｔ２を中心として対称であってもよいし非対称であってもよい 。 第１図、第２図、及び第３図に示す好ましい実施例では、丘部４４は両中心線に 関して対称である。（丘部４４の形状を論じるとき、丘部形成要素４４′を使用 する場合には吸収体丘部４４が丘部形成要素４４′とほぼ同じ形状であるという ことを理解しなければならない。しかしながら、丘部４４の形状が丘部形成要素 ４４′と幾分異なる場合もある。一つの例として、丘部形成要素４４′が円筒形 である場合には、衛生ナプキン２０の特定の構成要素が丘部形成要素４４′上に 垂れ下がるため、丘部４４が円筒形形状の上部分の形状しかとることができない ）幾つかの適当な形状を以下に説明する。 丘部４４の平面図での形状（即ち、衛生ナプキン２０を平らに拡げた状態で吸 収体丘部４４を真上から見た形状）を第１図に示す。丘部４４の平面図での形状 は、葉巻形状（第１図に示す）、矩形、楕円形、又は幾つかの他の適当な形状で ある。 丘部４４の横断面形状を第２図に示す。丘部４４は、内方に僅かに凹状をなし た側部を有し、これらの側部は上面に向かってテーパしている。丘部４４は、変 形例では、「箱状」であり、全体に矩形の横断面を有する。更に他の変形例では 、丘部４４は、半円形の断面を有する（例えば、丘部形成要素４４′が円筒形で ある）。変形例では、横断面形状は、放物線形状、三角形形状、直線的な側縁部 及び丸味を帯びた頂部を持つ変形矩形形状、又は任意の他の適当な形状であるの がよい。更に別の変形例では、（第７図、第８図、及び第９図に示すように）丘 部４４の側部は外方に凹状になっている。 吸収体丘部４４の長手方向断面もまた種々の異なる形状をとることができる。 これらの形状には、丘部４４の長手方向断面が全体に矩形の形状（例えば、丘部 形成要素４４′が矩形又は円筒形である場合）、及び丘部４４がテーパした形状 が含まれるがこれに限定されない。第３図は、横方向中心線Ｔ２から丘部４４の 両端に向かってテーパした、丘部４４の一例を提供する。 丘部４４の長手方向寸法（長さ）はＬであり、横方向寸法（幅）はＷであり、 垂直方向寸法即ちｚ軸方向寸法（「厚さ」又は「高さ」）はＴである。（これら は第１図及び第２図に示してある。）丘部４４の長さＬは、丘部の一端の丘部の ベース４４Ａで最も外側にある箇所から長手方向に丘部４４の他端の同様の箇所 までを計測した寸法である。丘部４４の幅は、丘部４４の一方の側の最も外側の 箇所から丘部４４の他方の側の同様の箇所まで全体に横方向に計測した寸法であ る。 丘部のベース４４Ａのところにある上述の計測に使用された衛生ナプキンの部 分は、包囲領域２７が構成する平面内で、湾曲の方向又は程度即ち高さが視覚的 に変化するような場所に配置されている。丘部４４の横断面形状がテーパしてい る場合には、丘部４４の幅が丘部の頂部と丘部４４のベースとの間で変化すると いうこともまた理解しなければならない。従って、丘部４４は、計測された丘部 の部分に応じて幅（及び他の寸法）が異なる。例えば、幅は、丘部のベース４４ Ａの平面内にある二つの箇所を使用して計測できる。変形例では、幅は、丘部と 交差し且つ丘部４４のベースの平面と平行な任意の他の平面で計測できる。 丘部４４の高さＴは、丘部４４のベース４４Ａのところにあるトップシート２ ８の上面から丘部４４の頂部４４Ｃ上の最大高さの箇所４４Ｃ′までの寸法であ る。更に、丘部４４のキャリパには、丘部の下にある衛生ナプキンの部分の厚さ が含まれる。（かくして、丘部４４の高さＴは、丘部４４のキャリパとは異なる 。キャリパは、代表的には、丘部での衛生ナプキンの全厚を表すのに使用される 。これは計測が最も簡単であるためである。） 丘部４４の寸法は、所定の限度内で変化させることができる。丘部４４の好ま しい寸法を以下に記す。場合によっては、これらの寸法を丘部形成要素４４′の 寸法に関して表現するのがよい。これは、このような要素の寸法を計測するのが 容易であるために行われる。丘部４４の外側寸法に関して表現した以下の寸法の うちの幾つかを丘部形成要素４４′の寸法の近似値として使用すること及びその 逆を行うことができる。しかしながら、丘部形成要素４４′を使用した場合には 、丘部４４の外側寸法は、一般的に、丘部形成要素４４′の寸法よりも僅かに大 きい。丘部４４の外側寸法は、丘部形成要素４４′と重なった衛生ナプキンの構 成要素の厚さだけ、及び衛生ナプキンのこれらの構成要素が丘部形成要素４４′ 上に位置決めされている場合又は丘部形成要素４４′上に「ドレープ」をなして いる場合につくりだされる任意の追加の厚さだけ丘部形成要素４４′の寸法と異 なる。 丘部４４の長さＬは、約２cm（約０．７５インチ）から吸収体コア３６の長さ までの範囲にある。（吸収体コア３６の長さは、例えば約２０cm（約８インチ） 乃至約２２cm（約８．５インチ）である。）好ましくは、丘部４４の長さＬは、 約４cm（約１．５インチ）乃至約１５cm（約６インチ）であり、更に好ましくは 約４cm（約１．５インチ）乃至約１０cm（約４インチ）であり、最も好ましくは 約４cm（約１．５インチ）乃至約７．５cm（約３インチ）である。丘部４４の長 さに関し、上文中に範囲の大きい方の限度で特定された長さの幾つかよりも短い 場合に衛生ナプキン２０が良好に機能すると考えられているということに着目し なければならない。好ましい長さは、約２cm又は４cm（約１インチ又は１．５イ ンチ）乃至約１０cm（約４インチ）の範囲内にある。更に好ましい長さは、約４ cm乃至約１０cmである。丘部の特に好ましい長さは約３cm乃至約約８cmであり、 約７cm（約２・３／４インチ）の長さが特に好ましい。これらは、代表的には、 丘部が着用者の陰唇組織間の空間即ち会陰溝内に更に完全に嵌まるため、良好に 作用する。これよりも長い丘部４４を持つ実施例もまた可能であるけれども、着 用者の陰唇組織間の空間及び会陰溝内に全体が嵌まる構造から大きく逸脱してい るため、あまり好ましくない。 丘部４４の幅Ｗは、約０．５cm（約１／４インチ）乃至約５cm（約２インチ） であるのがよく、更に好ましくは約１cm（約３／８インチ）乃至約５cm（約２イ ンチ）であり、更に好ましくはベースのところで約１cm（約３／８インチ）乃至 約４．５cm（約１・３／４インチ）であり、最も好ましくは約１cm（約３／８イ ンチ）乃至約４cm（約１・１／２インチ）である。丘部４４の寸法は、多くの場 合、丘部のベース４４Ａから丘部４４の頂部４４Ｃまで減少している。丘部４４ が、第２図に示すようにベース４４Ａから頂部４４Ｃまでテーパしている場合に は丘部４４の頂部４４Ｃは、尾根の頂部と似ており、最大高さの箇所４４Ｃ′で 幅が非常に狭くなっている。ベース４４Ａの上方の丘部４４の部分の寸法、特に 丘部４４の上半部を構成する部分の寸法（幅）は、丘部の下半部の寸法よりも丘 部形成要素（以下に説明する）の寸法に近い。（丘部の「上半部」は、ベースか らＴ／２と等しいかそれ以上の間隔を隔てられた部分に関する。）即ち、丘部４ ４のこれらの部分が、着用者の陰唇間の空間に少なくとも部分的に嵌まる丘部の 部分であるためである。更に別の変形例では、丘部４４のベースの大きさもまた 、丘部形成要素４４′について以下に記す寸法の範囲内にある。 丘部４４を含む衛生ナプキン２０の部分のキャリパを丘部４４の種々の部分で 計測できる。好ましくは丘部４４のキャリパは、最大高さの箇所で計測される。 丘部４４の最大高さの箇所４４Ｃ′のキャリパは、包囲領域２７のキャリパより も大きい。丘部４４の最大高さの箇所４４Ｃ′のキャリパは、好ましくは、衛生 ナプキンの包囲領域２７のキャリパの約２倍以上である。（最大高さの箇所４４ Ｃ′は、代表的には、丘部４４の長手方向中心線に沿って配置されている。）丘 部の最大高さの箇所での衛生ナプキン２０のキャリパは、好ましくは、約３mm以 上であり、更に好ましくは約４mm乃至約１５mmであり、これよりも更に好ましく は約５mm乃至約１０mmであり、最も好ましくは約５mm乃至約８mmである。丘部４ ４の厚さＴは、丘部４４のベース４４Ａでの包囲領域２７のキャリパを丘部のキ ャリパから引くことによって計算できる。 衛生ナプキンは、上述のように、丘部形成要素４４′によって少なくとも部分 的に形成された丘部４４を有するのがよい。丘部形成要素４４′は、丘部４４を 部分的に形成するばかりでなく、衛生ナプキン２０のターゲット領域（月経及び 他の身体からの排出物が排出される領域）に余分の吸収性を提供する。 第１図、第２図、及び第３図に示す丘部形成要素４４′は、吸収体コア３６の 上にあり且つ随意のワイプ捕捉シート４５及び湿式堆積薄葉紙４７（以下に詳細 に説明する）の下に位置決めされている。変形例では、丘部形成要素４４′は、 本明細書中に説明した他の構成要素又は層のうちの任意のものの間に位置決めす ることができる。例えば、丘部形成要素４４′は、吸収体コア３６を構成する薄 葉紙層（３８又は４０のいずれか）のうちの一方とコア内の超吸収体材料粒子４ ２の層との間に位置決めできる。このような実施例では、丘部形成要素４４′は 、吸収体コア３６内に位置決めされているものと考えることができる。更に、丘 部形成要素４４′を吸収体コア３６の一方の面と隣接して位置決めすることもで きる。丘部形成要素４４′は、吸収体コア３６と一体（即ち、吸収体コア３６の 部分）であってもよいし、吸収体コア３６とは別の要素であってもよい。更に別 の実施例（第６図に示す実施例のような実施例）では、丘部形成要素４４′を吸 収体コア３６の下に位置決めできる。更に別の変形例では、丘部形成要素４４′ は、衛生ナプキンの身体面に取り付けられた長手方向に配向されたチューブから なるのがよい。このような実施例は、１９９２年４月２８日にオズボーンの名で 出願された米国特許出願第０７／８７４，８７２号の第１９図に示されている。 （本願は、この特許出願の一部継続出願である。） 丘部形成要素４４′は、通常は、ロフト加工を施した（即ち比較的厚い）構成 要素である。更に、丘部形成要素４４′は、着用者の身体と比較的ぴったりと接 触した状態に配置されるため、好ましくは、軟質であり且つ着用者に対して剌激 がないものでなければならない。更に、丘部形成要素４４′は幾分可撓性である のがよい。しかしながら、丘部形成要素４４′は、衛生ナプキン２０の包囲領域 ２７程に可撓性である必要はない。 丘部形成要素４４′もまた吸収性がある。しかしながら、丘部形成要素４４′ は、吸収体コア３６の下に配置される場合には、必ずしも吸収性でなくてもよい 。コアの上側に配置される場合には、丘部形成要素４４′の吸収力は、好ましく は、０psiの負荷が加わった状態で少なくとも約０．５ｇでなければならない。 丘部形成要素４４′は、好ましくは、衛生ナプキン２０の着用時に長手方向又 は横方向に大きくずれないように、衛生ナプキン２０の所定位置に保持されなけ ればならない。着用者は、非対称の解剖学的形体及びパンティでの衛生ナプキン の不整合を調節するため、丘部形成要素４４′を或る程度横方向に移動できる。 しかしながら、丘部形成要素４４′は、衛生ナプキン２０の任意の他の構成要素 に固定されている必要はない。丘部形成要素４４′は、例えば、衛生ナプキンの 構成要素間に又は衛生ナプキンの構成要素内にぴったりと装着されているだけで ある。しかしながら、代表的には、丘部形成要素４４′は、その上下の構成要素 の両方に固定されている。 丘部形成要素４４′は、接着剤のような任意の適当な丘部形成要素固定手段４ ６でこれらの構成要素に固定できる。丘部形成要素固定手段４６の面積は、丘部 形成要素４４′の上下の表面の全面積と一致する（又は、これらの表面の一部だ けと一致する）。丘部形成要素固定手段４６は、丘部形成要素４４′又はコア３ ６への月経及び他の滲出物の流れを妨げるものであってはならない。丘部形成要 素固定手段４６が接着剤である場合には、コア３６への流路は幾つかの方法で保 存できる。これらの方法には、トップシート材料の開口部の大多数が接着剤で覆 われないように接着剤を十分薄く塗り拡げる方法が含まれる。多くの種類の接着 剤が丘部形成要素固定手段４６として使用するのに適しており、これらには、水 溶性接着剤及びホットメルト接着剤が含まれる。 丘部形成要素４４′の寸法は以下の通りである。丘部形成要素４４′の長さは 、好ましくは丘部４４の長さについて上文中に記載した範囲とほぼ同じ範囲内に ある。丘部形成要素４４′の幅は、約０．５cm（約０．２インチ）乃至約５cm（ 約２インチ）であり、更に好ましくは約１cm（約３／８インチ）乃至約４cm（約 １．５インチ）であり、最も好ましくは約１cm（約３／８インチ）乃至約４．５ cm（約１・３／４インチ）である。一つの好ましい実施例では、幅Ｗは、約０． １cm乃至１．０cmの範囲内にあり、好ましくは約０．５cm（約１／４インチ）で ある。丘部形成要素４４′の厚さは、約０．３cm（１／８インチ）乃至約１cm（ ３／８インチ）又は約１．３cm（約１／２インチ）である。一つの好ましい実施 例では、丘部形成要素４４′は、約１cm（約３／８インチ）の直径の円形断面を 有し、そのため、幅Ｗ及び厚さＴが同じである。 別の実施例では、丘部形成要素４４′は、互いに積み重ねられた幾つかの別々 の構成要素からなる。例えば、第６Ａ図に示すように、丘部形成要素４４′は薄 い吸収体コア３６の下に位置決めされた幾つかの別個のストリップからなる。丘 部形成要素は、好ましくは、約４cm（約１．５インチ）幅の比較的薄い第１スト リップ４４Ａ′のような上構成要素を有する。薄いストリップ４４Ａ′は、比較 的厚いが狭幅の第２ストリップ４４Ｂ′のような下構成要素の上に配置される。 第２ストリップ４４Ｂ′は、別の狭幅の第３ストリップ４４Ｃ′の上に置かれて いる。比較的厚い第２及び第３のストリップは、それを中心としてコア及び第１ ストリップを曲げる梃の支点として役立つ。丘部形成要素４４′の構成要素は、 種々の材料でつくることができる。この実施例の一態様では、上構成要素が吸収 体材料からなり、下構成要素が非吸収材料からなるか又はその逆である。更に別 の態様では、この実施例の別の構成要素を吸収体コアの上側に配置でき、吸収体 コアの内部に配置でき、又は一部が吸収体コアの上側に配置でき及び／又は吸収 体コアの内部に配置でき及び／又は吸収体コアの下側に配置できる。このよ うな別体の構成要素の種々の可能な構成の全てが本発明の範囲内にある。 丘部４４及び丘部形成要素４４′の寸法を計測するための方法は、別記されて いない限り、以下に記載する通りである。全ての計測は、包装から新たに取り出 した吸収体物品について行われる。物品を包装から取り出して３０分間に亘って 放置し、物品の性質を圧縮等で損なうことがないように注意深く取り扱わなけれ ばならない。別記されていない限り、全ての試験は、剥離紙を外した吸収体物品 について５０％の湿度及び２２．７８OC（７３OF）の温度で行われる。 丘部４４のキャリパ以外の外部寸法は、試料に荷重を全く加えない状態で標準 的な物差しを使用して計測される。丘部形成要素４４′の寸法は、吸収体物品を 切り開き、折畳みや圧縮等により丘部形成要素の性質に影響を及ぼすことなく丘 部形成要素４４′を取り出すことによって計測される。次いで、丘部形成要素４ ４′の長さ、幅、及び高さを、荷重を加えることなく標準的な物差しで計測しな ければならない。 丘部形成要素４４′に使用された材料は、吸収体コア３６での使用について特 定された材料のうちの任意の材料であるのがよい。しかしながら、好ましくは、 丘部形成要素４４′は、エアーフェルトの塊よりも弾性の大きい材料からなる。 丘部形成要素４４′で使用するのに適した一つの材料は、１９８９年１２月１９ 日にクック等に賦与された米国特許第４，８８８，０９３号に記載されている材 料のような、化学的に補剛し架橋したセルロース繊維の塊である。別の適当な材 料は、ペンシルバニア州ニュートンスクウェアのアルコ化学社がファイバーソー ブ（FIBERSORB）の商標で以前製造していた、及びイングランドのウェストミッ ドランドのコートールド社が現在製造している超吸収体繊維のタフトである。超 吸収体繊維は、１９８９年８月８日にボーランドに賦与された米国特許第４，８ ５５，１７９号に更に詳細に論じられている。丘部形成要素４４′についての更 に別の適当な材料は、１９９０年１０月１０日に公開されたフィリップス等の欧 州特許出願第３９１，８１４号及び以下に説明する毛管チャンネル繊維特許出願 に詳細に記載されている毛管チャンネル繊維（外面にチャンネルを持つ繊維）で ある。 丘部形成要素４４′（又は別体の丘部形成要素がない場合には丘部４４）は、 幾分圧縮性でなければならない。圧縮性は、以下の圧縮キャリパ試験に従って計 測される。圧縮キャリパ試験は、米国特許第５，００９，６５３号に記載された キャリパ試験の一態様である。しかしながら、圧縮キャリパ試験では、元来のキ ャリパ及び圧縮キャリパの二つのキャリパ計測値が得られる「元来のキャリパ」 は、試験重りが付けてない１０ｇのコンパレータ脚部の下で計測する。次いで、 ８０ｇの試験重りを１０ｇのコンパレータ脚部に付けた試料に載せ、キャリパを 計測する。この後者の計測値が「圧縮キャリパ」である。 好ましくは、丘部形成要素４４′もまた弾性材料でできている。「弾性」とい う用語は、本明細書中で使用されているように、材料を１７．５７５g/cm2（０ ．２５psi.）の荷重で５秒間に亘って圧縮したとき、材料の寸法が圧縮力によっ て圧縮力の方向で減少し、荷重を取り除いた後に材料がその圧縮されていない寸 法の少なくとも約５０％まで戻るということを意味する。 好ましくは、丘部形成要素（又は丘部）は約８５％又はそれ以上に回復し、更 に好ましくは、以下のキャリパ回復試験に従って計測したとき、その圧縮キャリ パの約９０％以上に回復する。キャリパ回復試験もまた、オズボーンに賦与され た米国特許第５，００９，６５３号に記載されたキャリパ試験の変形態様である 。「元来のキャリパ」は、重りが付けてない１０ｇのコンパレータ脚部の下で計 測される。次いで、８０ｇの試験重りを１０ｇのコンパレータ脚部に付けた試料 に５秒に亘って載せる。次いで、８０ｇの試験重りを外し、試料のキャリパを１ ０ ｇのコンパレータ脚部の下で３０秒後に再び計測する。後者のキャリパの計測値 が「回復キャリパ」である。 好ましくは、丘部形成要素４４′について選択した材料は、上文中に説明した 状態で上文中に説明した量において弾性である（即ち、この材料は湿潤弾性であ り且つ乾燥弾性である）。丘部形成要素４４′が湿潤弾性である場合には、身体 からの排出物によって湿潤された場合に潰れず、最初の体液並びにこれに続く体 液を取り扱うことができる。 適当な湿潤弾性材料には、ポリエステル、レーヨン、オーロン、及び界面活性 剤処理を施したポリオレフィン繊維材料が含まれるがこれらに限定されない。丘 部形成要素４４′に使用できる好ましい湿潤弾性材料は、６デニールのポリエス テル繊維バットである。別の好ましい材料は、ファイバーソーブ（これ自体は湿 潤弾性でない）とこのようなポリマー繊維バットの混合物である。これらの材料 は、弾性であるばかりでなく、比較的軟質であり、着用者にとって快適であるこ とがわかっている。 丘部形成要素４４′についての更に別の好ましい材料は、二つの空気堆積薄葉 紙間に置いた一つの超吸収体ポリマー材料層からなる積層体を重ねた上文中に説 明した６デニールのポリエステル繊維バットである。このような実施例で使用さ れた積層体は、吸収体コア３６の部分を構成でき、又は、吸収体コアとは別の積 層体を構成する。更に別の変形例では、丘部形成要素４４′の一つ又はそれ以上 の構成要素がフォームからなる。 Ｅ．随意の構成要素 本発明の衛生ナプキン２０には、当該技術分野で周知であり、本明細書中に参 考のため組み込んだ任意の随意の追加の構成要素を設けることができる。 第１図、第２図、及び第３図に示すように、随意の構成要素には、一つ又はそ れ以上の吸収体層及び／又は流体移送層（例えば、ワイプ捕捉シート即ち第２ト ップシート４５、及び湿式堆積薄葉紙４７）、随意のインターライナ５４、又は 衛生ナプキン２０の着用時に着用者のパンティ（添付図面では、パンティには参 照符号Ｕが附してある）の股部分の周りに折畳まれるサイドフラップ即ち「ウイ ング」５６が含まれる。衛生ナプキン２０は、代表的には、衛生ナプキン２０を 着用者の下着に取り付けるためのファスナ（即ち「ファスニング手段」）５８を 備えている。これらの随意の構成要素を以下に説明する。 ワイプ捕捉シート４５及び湿式堆積薄葉紙４７は、オズボーンに賦与された米 国特許第５，００９，６５３号に詳細に説明されている。変形例では、ワイプ捕 捉シート４５は、改質した即ち架橋したセルロース繊維又は毛管チャンネル繊維 特許出願に詳細に説明されている毛管チャンネル繊維からなるのがよい。 随意のインターライナ５４は、１９９１年４月１６日にオズボーン等に賦与さ れた「切り離された衛生ナプキン」という標題の米国特許第５，００７，９０６ 号に詳細に説明されている。 本発明の衛生ナプキンで使用するのに適しており且つ適合させることのできる フラップ５６は、１９８７年８月１８日にヴァン・チルバーグに賦与された「フ ラップを持つ賦形衛生ナプキン」という標題の米国特許第４，６８７，４７８号 、１９８６年５月２０日にヴァン・チルバーグに賦与された「衛生ナプキン」と いう標題の米国特許第４，５８９，８７６号、及び１９８６年８月２６日にマッ ティングリーに賦与された「衛生ナプキン取り付け手段」という標題の米国特許 第４，６０８，０４７号に開示されている。 ファスナ（即ち「パンティファスナ」）５８は、機械式ファスナ、接着剤ファ スナ、高摩擦係数材料、又は他の種類のファスナからなるのがよい。一つの適当 な種類のファスナは、感圧接着剤の一つ又はそれ以上のパッチである。接着剤は 、 バックシート３０の衣料側３０Ｂに任意の適当なパターンで取り付けられている のがよい。接着剤の適当な形体は、米国特許第４，９１７，６９７号、１９９２ 年３月１９日にパパ等の名で公開されたＰＣＴ国際特許出願公開第ＷＯ９２／０ ４０００号、下文（セクション４Ｃの「他の変形例」）において本願に参考のた め組み込んだ１９９２年７月２３日に出願された特許出願に詳細に説明されてい る。 接着剤が使用前に下着の股部分以外の表面にくっつかないようにするため、取 り外し自在のカバーストリップ即ち剥離等６０を使用して接着剤ファスナ５８を 覆うのがよい。変形例では、パンティファスナは、衛生ナプキンの個々の包装と しても役立つ剥離自在のラッパーのようなカバーで覆われているのがよい。この ようなラッパーは、１９８５年１２月３日にスワンソン等に賦与された米国特許 第４，５５６，１４６号及び１９９２年１２月１２日にバード等の名で公開され たＰＣＴ国際特許出願公開第９１／１８５７４号に記載されている。 Ｆ．衛生ナプキンの構成要素の組み立て トップシート、バックシート、及び吸収体コアは、種々の周知の形体（いわゆ る「チューブ」製品及びサイドフラップ製品を含む）に組み立てることができる 。 トップシート２８及びバックシート３０は、全体として、吸収体コア３６の身 体面及び衣料面の夫々と隣接して位置決めされる（間に介在構成要素が設けられ ている場合もあるし設けられていない場合もある）。トップシート及びバックシ ートは、好ましくは、コアに対し、互いに対し、又は互いに対し及びコアに対し 、当該技術分野で周知の取り付け手段によって直接的に又は間接的に接合されて いる。（「接合」されたという用語は、オズボーンに賦与された米国特許第５， ００９，６５３号に定義されている。） 第１図及び第２図は、トップシート２８、湿式堆積薄葉紙４７、及びワイプ捕 捉シート４５が、好ましくは吸収体コア３６の長手方向側縁部３６Ｃを越えて延 び、それらの長手方向縁部に沿ってそれらの下に内方に折畳むのに十分広幅であ り、横方向に間隔を隔てられた一対の長手方向接合部６１のところでそれらの長 手方向縁部に沿ってバックシート３０に接合された、衛生ナプキン２０の好まし い実施例を示す。これらの構成要素の残りは、バックシートに取り付けられてお らず、そのため、取り付けられていない部分はバックシートから離れるように移 動できるにの特徴は、以下のセクション４Ａにおいて、「吸収体コアをバックシ ートから分離するための実施例」に詳細に記載されている。） 別の実施例では、トップシート２８及びバックシート３０は、吸収体コア３６ よりも全体に大きい長さ寸法及び幅寸法を有し、周囲がコア３６の周りで接合さ れている。更に、トップシート２８及びバックシート３０は、吸収体コア３６の 縁部を越えて延び、周囲の部分ばかりでなくサイドフラップも形成する。 トップシート２８及び／又はバックシート３０は、接着剤のような取り付け手 段で吸収体コア３６に又は互いに固定されている。満足のいく結果が得られるこ とがわかっている接着剤は、ミネソタ州セントポールのＨ．Ｂ．フューラー社が ＨＬ−１２５８又はＨ−２０３１の表示で製造している接着剤である。このよう な接着剤は、接着剤の均等な連続した層、パターンをなした接着剤の層、又は接 着剤の別々の線、螺旋、又はスポットからなるアレイの形体であるのがよい。取 り付け手段は、好ましくは、１９８６年３月４日にミネトラに賦与された米国特 許第４，５７３，９８６号に開示されているように、接着剤のフィラメントから なる開放パターンネットワークを構成する。例示の取り付け手段は、１９７５年 １０月７日にスプラーグ・ジュニアに賦与された米国特許第３，９１１，１３７ 号、１９７８年１１月２２日にジーカー等に賦与された米国特許第４，７８５， ９９６号、及び１９８９年６月２７日にウェレニックに賦与された米国特許第４ ，８４２，６６６号に示されている装置及び方法によって例示されている、螺旋 パターンに渦を巻いた接着剤フィラメントの幾つかの線からなる。 変形例では、取り付け手段は、熱結合、圧力結合、超音波結合、動的機械的結 合、又は任意の他の適当な取り付け手段、又は当該技術分野で周知の即ち本願に 参考のため組み込んだ文献に記載された取り付け手段の組み合わせからなるのが よい。適当な変形例の取り付け手段は、１９９１年１２月１７日にクリー等の名 で出願された「融着層を持つ吸収体物品」という標題の米国特許出願第０７／８ １０，７７４号に記載されている。 ３．衛生ナプキンのキャリパ、可撓性、吸収力、及び他の性質 衛生ナプキン２０の包囲領域２７は、上述のように、「全体に薄く且つ可撓性 」である。衛生ナプキン２０は、薄いけれども中程度乃至高程度の月経流を取扱 うことができる。 Ａ．キャリパ 衛生ナプキンの「重要な吸収体部分」を計測することによって包囲領域２７の キャリパ（及び可撓性）を計測する。 「重要な吸収体部分」という用語は、本明細書中で使用されているように、吸 収体材料を内部に収容した、ナプキンの主本体部分（主本体部分は、サイドフラ ップを含まないナプキンの部分を構成する）における衛生ナプキンの部分に関す る。 問題なのは、重要な吸収体材料を包含していないけれども可撓性が大きく、本 明細書中に特定した重要な吸収体部分よりもキャリパが小さい包囲部分２７の横 方向外方にある衛生ナプキンの任意の他の部分にれらの部分の一例は、衛生ナプ キンの周囲に亘るシール内にトップシート及びバックシートが延びる場所である ）でなく、これらの重要な吸収体部分である。 衛生ナプキン２０即ち衛生ナプキンの種々の領域のキャリパは、以下の試験に よって決定される。丘部の最大高さの箇所のところで衛生ナプキンの長手方向中 央領域で少なくとも一つの計測値が得られ、衛生ナプキンの包囲領域で少なくと も一つの計測値が得られる。 マサチューセッツ州ウォルサムのＢ．Ｃ．アムス社から入手できるコンパレー タゲージ及び特定的には、ダイヤルインジケータ４８２型を備えたアムス１３０ 型が必要とされている。コンパレータゲージは、代表的には、重量が１０．０ｇ であり、接触面積が５．１６cm2のアルミニウム製の円形のコンパレータ脚部を 備えていなければならない。ゲージには、全部で１７．５７５g/cm2（０．２５p si）の圧力を加えるため、８０．０ｇのステンレス鋼製の重りが設けられている 。試験されるべき領域の平面図で見た形状のため、円形のコンパレータ脚部を使 用できず、この領域を正確に計測できない場合には、２５．４mm×６．３５mm（ １インチ×１／４インチ）の矩形のコンパレータ脚部を使用しなければならず、 全部で１７．５７５g/cm2（０．２５psi）の圧力を加える試験重りを使用しなけ ればならない。コンパレータゲージはゼロ調整してある。重りをコンパレータダ イヤルの上を延びるスピンドルに載せる。コンパレータ脚部を持ち上げ、パンテ ィ接着剤剥離紙が取り外してあり且つ接着剤にコーンスターチが散布してあるナ プキンを衣料面を下にしてベースプレートに載せる。脚部を下ろしたときに脚部 がナプキンの計測しようとする領域にあるようにナプキンをベースプレート上で 位置決めする。ナプキンを平らに拡げ、ナプキンの皺を取り除く。脚部をナプキ ンにゆっくりと下ろす。脚部がナプキンと接触してから３０秒後にコンパレータ ダイヤルを読むことによって、ナプキンのキャリパを決定する。 包囲領域２７のキャリパは、約５mm又はそれ以下であり、好ましくは約４mm又 はそれ以下であり、更に好ましくは約３mm又はそれ以下である。包囲領域２７の キャリパは、オズボーンに賦与された米国特許第５，００９，６５３号に記載さ れた衛生ナプキンの「重要な吸収体部分」について特定されたキャリパであって もよい。（本明細書中で使用されている「重要な吸収体部分」という用語の定義 は、単一の薄葉紙層又は吸収体材料だけからなる吸収体部分を含むという点でオ スボーンの特許に定義された用語とは異なっているということは理解されるべき である。）本発明の衛生ナプキンの包囲領域２７のキャリパは、あまり好ましく ない実施例では、撓み抵抗の増大と比例して増大させることができる。撓み抵抗 を約４００ｇ以上に、或いは約５００ｇ以上に増大させる場合には、キャリパを 約４．０mm乃至５．０mm程度にまで増大させるが、キャリパは、好ましくは、約 ３．０mm以下である。 勿論、衛生ナプキンの長手方向中央領域２３のキャリパは、代表的には、吸収 体丘部４４が存在するために上文中に特定したキャリパよりも大きい。衛生ナプ キンの種々の変形例の主長手方向中心線に沿って計測したキャリパは、上文中で セクション２Ｄに説明してある。 Ｂ．可撓性 衛生ナプキン２０を全体に可撓性であると説明した。「全体に可撓性」という 用語は、本明細書中で使用されているように、衛生ナプキン２０が着用者にとっ て快適であるように比較的可撓性の包囲領域２７を備えている場合には、衛生ナ プキン２０が比較的に可撓性でない長手方向中心線領域２３を持つことができる ということを意味する。 衛生ナプキンの種々の領域の可撓性を撓み抵抗に関して表現する。可撓性を円 形曲げ法（以下に詳細に説明する）に従って計測する。好ましくは、長手方向中 央領域２３の撓み抵抗は、最大で約１０００ｇであり、これと等しいか又はこれ 以下である。更に好ましくは約７００ｇと等しいか又はこれ以下であり、更に好 ましくは約５００ｇと等しいか又はこれ以下であり、最も好ましくは約４００ｇ と等しいか又はこれ以下である。 包囲領域２７の撓み抵抗は、好ましくは、約７００ｇと等しいか又はこれ以下 であり、更に好ましくは約６００ｇと等しいか又はこれ以下であり、更に好まし くは約５００ｇと等しいか又はこれ以下であり、更に好ましくは約４００ｇと等 しいか又はこれ以下であり、更に好ましくは約３００ｇと等しいか又はこれ以下 であり、最も好ましくは約２５０ｇと等しいか又はこれ以下である。包囲領域２ ７の撓み抵抗もまた、オズボーンに賦与された米国特許第５，００９，６５３号 に記載された衛生ナプキンについて特定された任意の数値であるのがよい。 長手方向中央領域２３の撓み抵抗は、多くの場合、包囲領域２７の夫々の撓み 抵抗よりも大きい。しかしながら、包囲領域と同じか又はそれ以下の可撓性を持 つ丘部及び長手方向中央領域２３を衛生ナプキンに設けることもできる。このよ うな実施例の一例は、可撓性材料で丘部を構成し、衛生ナプキンの一つ又はそれ 以上の剛性の構成要素を長手方向中央領域２７から取り除いた実施例である。 衛生ナプキンの種々の領域の撓み抵抗をピーク曲げ剛性として計測する。ピー ク曲げ剛性は、ＡＳＴＭ Ｄ ４０３２−８２円形曲げ法に倣った試験によって 決定される。このＡＳＴＭの方法は、本発明で使用するように変えてある。本発 明の目的に対して変えてあり且つ使用された円形曲げ法を、以下、単に「円形曲 げ法」と呼ぶ。円形曲げ法の一態様がオズボーンに賦与された米国特許第５，０ ０９，６５３号に記載されている。円形曲げ法は、材料を同時に多方向に変形さ せ、試料の一方の面が凹状になり、他方の面が凸状になる。円形曲げ法は、撓み 抵抗に関する力の値を提供すると同時に全ての方向での剛性を平均化する。 本発明の場合には、円形曲げ法を実施するとき、米国特許第５，００９，６５ ３号に記載されているように衛生ナプキンの重要な吸収体部分から取り出した一 組の試料を使用するのでなく、長手方向中央領域２３及び包囲領域２７から衛生 ナプキンの別々の試料を取り出す。長手方向中央領域２３について撓み抵抗値が 得られ、包囲領域２７について別の値が得られるように、試料を試験し、別々に 平均する。 装置 円形曲げ法に必要な装置は、以下の部品を持つ改造円形曲げ剛性試験機である 。 １８．７５mmの直径のオリフィスを持つぴかぴかに磨き上げた鋼板製の１０２ ．０mm×１０２．０mm×６．３５mmのプラットホーム。オリフィスの縁部は、４ ．７５mmの深さまで４５°の角度になっていなければならない。 全長が７２．２mmで直径が６．２５mmのプランジャ、半径が２．９７mmのボー ルノーズ、このボールノーズから０．８８mm延びるベース直径が０．３３mmの針 先、及び半径が０．５mm以下のポイント。プランジャは、オリフィスと同心に取 り付けられており、全ての側で隙間が等しい。針先は、単に、試験試料が試験中 に横方向に移動しないようにするためのものであるということに着目されたい。 従って、針先が試験試料に重大な悪影響（例えば、膨張可能な構造を破裂させる ）を及ぼす場合には、針先を使用してはならない。プランジャの底部は、オリフ ィスプレートの頂部の かに上方に設定されていなければならない。ボールノー ズは、この位置からプレートオリフィスの正確な底部まで下方に移動される。 力計測ゲージ及び更に特定的にはインストロン式圧縮荷重変換ロードセル。こ のロードセルの荷重範囲は、約０．０ｇ乃至約２０００．０ｇである。 アクチュエータ、更に特定的にはインストロン１１２２型は、圧縮荷重変換ロ ードセルを有する。インストロン１１２２型は、マサチューセッツ州カントンの インストロン・エンジニアリング社が製造している。 試料の数及び調製 この試験を以下に説明するように行うため、五つの代表的な衛生ナプキンが必 要とされる。試験されるべき五つのナプキンのうちの一つから任意の数「Ｙ」の ３７．５mm×３７．５mmの試験試料を切り出す。少なくとも一つの試料を、丘部 の最大高さの箇所を含む衛生ナプキンの部分から切り出し、少なくとも一つの試 料を衛生ナプキンの包囲領域から切り出す。試験されるべき領域の平面図での形 状のため３７．５mm×３７．５mmの正方形の試料を切り出すことができない場合 には、試験を適正に実施するため、試料が試験プラットホームのオリフィスを適 切に覆うならば、任意の他の１４００mm2の大きさの試料を使用することができ る。 トップシートが障壁シートに直接接合された部分を持つ試料、又はトップシー ト、二つ又はそれ以下の薄葉紙シート及び障壁シートからなる積層体である試料 は試験してはならない。これらの試料を試験しない理由は、吸収体コアの縁部を 越えたナプキンの周囲のところでトップシートが障壁シートに接合された、現在 存在する従来技術のナプキンでは、このような部分が非常に可撓性であるためで ある。本発明は、更に、衛生ナプキンの重要な吸収体部分の可撓性に関する。衛 生ナプキンの重要な吸収体部分のうちの任意の部分が、添付の請求の範囲に特定 の領域について記載したパラメータと合致する場合には、衛生ナプキンは、添付 の請求の範囲の範囲内にある。各衛生ナプキンについて、多数の異なる試料を試 験しなければならない。特に、衛生ナプキンの中央の、構造的に最も可撓性の小 さい部分を長手方向中央領域として試験しなければならない。ナプキンの包囲領 域の試料を計測するとき、衛生ナプキンの最も可撓性の部分を試験しなければな らない。 試験試料は、試験者によって折畳まれたり曲げられたり、圧縮されてはならな い。試料の取扱いは、撓み抵抗特性に影響が及ぼされないようにするため、最小 でなければならず、縁部を持って行われなければならない。四つの残りの衛生ナ プキンから第１ナプキンから切り出した試料と同じ試料を同数「Ｙ」個切り出さ なければならない。かくして、試験者は五つの同じ試料からなる「Ｙ」個の組を 持たなければならない。 試験方法 円形曲げ法は、以下の通りに実施する。２１±１OCで相対湿度が５０±２％の 室内に２時間に亘って放置することによって試料の状態を整える。試験プレート を水平に置く。プランジャの速度を全ストローク長に亘って毎分５０．０cmに設 定する。試料をプランジャの下でオリフィスプラットホームの中央に置く。これ は、試料の身体面２０Ａがプランジャに向き、試料の衣料面２０Ｂがプラットホ ームに向き、試料の衣料面の接着剤から剥離紙が取り外されており、接着剤がく っつかないように接着剤にコーンスターチが散布してある状態で行われる。必要 であれば、インジケータのゼロを検査し、調節する。プランジャを作動させる。 試験中、試料に触れないようにしなければならない。最も近いグラム数に合わせ た最大力の読みを記録する。五つの同じ試料が全て試験し終えるまで、以上の工 程を繰り返す。 計算 各試料についてのピーク曲げ剛性は、前記試料についての最大力の読みである 。五つの同じ試料からなる各組を試験し、前記組について受け取った五つの値を 平均する。かくして、試験者は、試験した試料の「Ｙ」個の同じ組の各々につい て平均値を得る。衛生ナプキンの重要な吸収体部分のうちの任意の部分が長手方 向中央領域及び包囲領域を有し、各同じ試料についての平均値に必須の撓み抵抗 がある場合には、ナプキンはこの試験のパラメータを満足する。 Ｃ．試験吸収力及び全吸収力 本発明の衛生ナプキン２０の液体吸収力は、中程度乃至高程度の月経流を吸収 するのに十分大きい。衛生ナプキンの吸収力を、衛生ナプキンの大きさに応じて 同じであるのがよい、試験吸収力及び全吸収力の二つの吸収力に関して定義する 。これらの吸収力の定義、及び試験吸収力及び全吸収力を決定するための方法は 、オズボーンに賦与された米国特許第５，００９，６５３号に記載されているの と同じである。 本発明の衛生ナプキン２０は、少なくとも、米国特許第５，００９，６５３号 に記載されている試験吸収力及び全吸収力を持たなければならない。かくして、 衛生ナプキンの試験吸収力は、少なくとも約８．０ｇでなければならず、更に好 ましくは少なくとも約１０．０ｇでなければならず、更に好ましくは少なくとも 約１５．０ｇでなければならず、最も好ましくは少なくとも約１８．０ｇでなけ ればならない。好ましくは、本発明の衛生ナプキン２０の全吸収力は、少なくと も約２０．０ｇでなければならず、更に好ましくは少なくとも約２５．０ｇでな ければならず、更に好ましくは少なくとも約３０．０ｇでなければならず、最も 好ましくは少なくとも約４０．０ｇでなければならない。吸収体丘部形成要素４ ４′を使用した場合、このような要素が提供できる追加の吸収力のため、好まし くは、衛生ナプキン２０の試験吸収力及び全吸収力はこれ以上でなければならな い。 衛生ナプキンの試験吸収力及び全吸収力は、以下のように決定される。パンテ ィ接着剤は、試験されるべきナプキンから取り外されている。試験吸収力を決定 するため、衛生ナプキンの４．７５cm×１４．０cmの部分から、又は６６．５cm 2の任意の他の形体の部分から試料を得る。衛生ナプキンの着用時に膣開口部の 下の中央にくる衛生ナプキンの部分から試料を切り出す。ナプキン全体から剥離 紙を外した任意の試料を使用して全吸収力を決定する。 試料を最も近い０．１ｇ単位の目盛で計量する。次いで、試料を無菌の生理食 塩水（イリノイ州ディーアフィールドのバクスター・トラベノール社から得るこ とができる）のビーカーに浸漬する。この浸漬は、試料全体が浸漬され、曲がっ たり捩じれたり折畳まれたりしないように行われる。試料を１０分間に亘って浸 漬する。試料を生理食塩水から取り出し、２分間に亘って垂直な状態に吊り下げ 、試料から生理食塩水を抜く。次いで、ペンシルバニア州マウント・ホーリー・ スプリングスのフィルトレーション．サイエンス社のイートン−ダイクマン部か ら入手できる６３１番濾紙のような吸収体ブロッター上に試料を身体に面する面 を下にして置く。１７．６g/cm2の均等な荷重を試料に加えて余分な流体を絞り 出す。吸収体ブロッターに移行した流体の量が３０秒の期間で０．５g/cm2以下 に なるまで吸収体ブロッターを３０秒毎に交換する。次に、試料を最も近い０．１ ｇ単位の目盛で計量し、これから試料の乾燥重量を差し引く。グラム数の差が、 試料の試験吸収力又は全吸収力である。 ４．本発明の吸収体物品の変形例 Ａ．衛生ナプキンの部分にギャザー寄せを行うことによって丘部を形成した実施 例 第７図、第８図、及び第９図に示す変形例では、丘部４４は、衛生ナプキン２ ０の長手方向中央領域２３で衛生ナプキン２０の少なくとも幾つかの構成要素に ギャザー寄せを施し且つ固定することによって形成されている。衛生ナプキン２ ０の互いにギャザー寄せした部分は、丘部４４を形成するための接着剤５２のよ うな丘部保持手段で（第７図に示すように）互いに固定されるか或いは、ナプキ ンの固定された部分を橋渡しする別体の構成要素５３からなる丘部保持手段に（ 第８図に示すように）固定されるかのいずれかである。 これらの実施例は、マーサーに賦与された上掲の米国特許第２，７４７，５７ ５号の開示にほぼ従ってつくることができる。しかしながら、これらの実施例は 、マーサーの特許の開示にほぼ従ってつくられている場合には、幾つかの重要な 点でマーサーの特許に開示された実施例と異なっている。本発明の形体の実施例 は、マーサーの特許に開示されているような厚いパッドでなく、中程度乃至高程 度の月経流を取り扱うことのできる全体に薄く可撓性の衛生ナプキンをなして形 成されていなければならない。形成された丘部４４は、着用者の陰唇組織間の空 間に快適に嵌まるように、本明細書中に説明した形態に形成されていなければな らず、本明細書中に説明したのと同じ寸法を持っていなければならない。更に、 本発明の実施例には、フラップ５６及び／又は吸収体コア３６をバックシート３ ０から分離できる本発明の特徴が設けられているのがよい。 更に、これらの実施例の一つの態様（第９図に示す）では、衛生ナプキンの構 成要素（トップシート２８及び吸収体コア３６のような）の一つ又はそれ以上（ 即ち、幾つか、しかし全てでない）にギャザー寄せし、衛生ナプキン全体をギャ ザー寄せされた状態に固定する（これは、マーサーの特許の場合におけるように 衛生ナプキン全体にギャザー寄せが施されており且つこの状態に固定されている のとは異なる）。このような実施例では、ギャザー寄せされて丘部４４を形成す る衛生ナプキンの構成要素の少なくとも幾つかが或る程度の吸収力を持つのが好 ましい。かくして、このような実施例は、好ましくは、成形フィルム製のトップ シートにギャザー寄せを施し且つこの状態に固定して丘部を形成するだけでは形 成されない。 Ｂ．吸収体コアをバックシートから分離するための実施例 他の好ましい変形例では、衛生ナプキンには、着用者の身体と着用者の下着と の間の動きの影響を吸収するらめ、衛生ナプキン２０のバックシート３０から分 離する（「切り離す」）ことのできる吸収体コア３６が設けられている。 これらの構成要素の分離（即ち「切り離し」）は、衛生ナプキンの主長手方向 軸線及び主横方向軸線に対してほぼ垂直方向（即ち、「ｚ軸方向」）での一つの 構成要素の別の構成要素からの移動に関する。 衛生ナプキンの構成要素の分離（即ち「切り離し」）の概念は、１９９１年４ 月１６日にオズボーン等に賦与された「切り離された衛生ナプキン」という標題 の米国特許第５，００７，９０６号、１９９２年５月１４日にロナルド Ｂ．ヴ ィッシャー等の名で出願された「使用中に分離できる構成要素を持つ衛生ナプキ ン」という標題のＰＣＴ国際特許出願公開第ＷＯ９２／０７５３５号、及び１９ ９２年４月２８日にオズボーンの名で出願された「中央部が補剛された全体に薄 い可撓性の衛生ナプキン」という標題の米国特許出願第０７／８７４，８７２号 に詳細に説明されている。 コア３６のバックシート３０からの分離は、トップシート２８のバックシート ３０からの分離（米国特許第５，００７，９０６号に記載されているように）と 考えることもできる。これは、コア３６がバックシート３０から分離すると、ト ップシート２８（これは、コア３６の他方の側に配置されている）もまたバック シート３０から分離するためである。 本発明の、コア３６のバックシート３０からの分離即ち切り離しを先ず最初に 添付図面のうち第４図及び第５図に示す。これらの図は、単に、衛生ナプキンが その着用時にとる形態をおおまかに表そうとするものである。かくして、これら の構成要素の分離は、添付図面に示す方法を含む幾つかの方法で行うことができ る。本発明の範囲には、これらの他の形態及び分離方法が含まれる。更に、衛生 ナプキン２０の種々の構成要素の大きさが、添付図面では僅かに誇張してあると いうことを理解すべきである。これは、衛生ナプキン２０の構成要素の分離を更 に明瞭に示すために行われている。 これらの実施例では、衛生ナプキン２０にはインターライナ５４が設けられて いなければならない。インターライナ５４は、コア３６と関連しており、これら の実施例では、コア３６とバックシート３０との間に位置決めされている。イン ターライナ５４は、コア３６を出てバックシート３０に向かって移動しようとす る傾向のある身体からの排出物に対し、第１拘束体として役立つ。第１０図に示 すように、インターライナ５４は、好ましくは、コア３６の長手方向縁部３６Ｃ に巻き付けてある。この実施例のインターライナ５４は、好ましくは、コア３６ の長手方向縁部３６Ｃと隣接してコア３６の身体に面する側３６Ａに接合されて いる。インターライナ５４の性質、インターライナがとることのできる変形例の 形態、及びインターライナのコアへの接合方法は、切り離しの概念を論じる上掲 の特許出願に詳細に記載されている。 コア３６のバックシート３０からの分離は、コア３６のバックシート３０への 接合方法により、可能となる。コア３６は、コア３６の長手方向縁部３６Ｃに沿 った長手方向接続部６１のところでバックシート３０に接合（即ち、直接的に又 は間接的に）されている。更に、コア３６は、少なくとも一つの横方向接合部に 沿ってバックシート３０に接合してもよい。コア３６は、コアの長手方向縁部３ ６Ｃ間では、全体として、バックシート３０に取り付けられておらず、衛生ナプ キン２０の少なくとも一方の端部２４に取り付けられていない。コア３６の取り 付けられていない部分３６′は、バックシート３０から遠ざかるように移動でき る。横方向接続部２５は、一つだけ存在する場合には、前端縁部２４Ａのような 衛生ナプキン３０の端縁部２４とほぼ一致する。横方向接続部２５が配置された 端縁部を「接合された端縁部」２５Ａと呼ぶ。他方の端縁部は、「取り付けられ ていない端縁部」２５Ｂである。代表的には、取り付けられていない端縁部２５ Ｂは、衛生ナプキンの着用時に着用者の後部に向かって配向される（即ち、これ は、端縁部２４Ｂのところに配置されている）。 変形例では、横方向接続部２５は、衛生ナプキンの端縁部間の幾つかの箇所に 配置されているのがよい。第１２図は、横方向接続部２５が必ずしも衛生ナプキ ン２０の端部２４と一致しなくてもよいということを示す。第１２図に示す衛生 ナプキンは、二つの取り付けられていない端縁部２５Ｂ及び２５Ｂ′を有する。 好ましくは、コア３６がバックシート３０から切り離されることによって衛生ナ プキン２０の形態が着用者の解剖学的形態と一致するように横方向接続部２５を 長手方向に位置決めする。かくして、トップシート２８及びコア３６が持ち上が り、衛生ナプキン２０の前部分の形状が着用者の陰唇組織と一致し、月経をその 排出時に更に容易に捕捉し、衛生ナプキン２０の後部分が持ち上がり、着用者の 臀裂間に嵌まるように、横方向接続部２５を配置しなければならない。横方向接 続部２５の代わりに、身体及び下着が衛生ナプキン２０に及ぼす向き合った力に よって、コアを横方向線に沿ってバックシートに対して保持することができる。 このような実施例の衛生ナプキン２０は、好ましくは、コア３６のバックシー ト３０からの分離を制御するための手段を有する。コア３６のバックシート３０ からの分離を制御するための手段は、衛生ナプキン２０が望ましからぬ程著しく 変形しないようにし、所望の開放位置を越えないようにする。 第１図乃至第５図に示す衛生ナプキン２０で使用した、コアのバックシートか らの分離を制御するための手段は、プリーツが長手方向に配向された材料（「プ リーツを備えた材料」）６２を有し、この材料がコア３６をバックシート３０に 直接的に又は間接的に接合する。プリーツを備えた材料６２には、長手方向に配 向された折り目線６４が設けられている。 長手方向に配向されたこの好ましいプリーツを備えた材料６２は、トップシー ト２８のような一つ又はそれ以上の構成要素の延長部によって形成される。第２ 図に示すように、トップシート２８は、Ｃ字形折畳み形状である。トップシート ２８を構成するシートの長手方向端部２８Ｅは、トップシート２８を構成するシ ートの中央部分の下に折畳まれており、その結果、これらは吸収体コア３６の長 手方向縁部３６Ｃの横方向内方にある。シートの長手方向端部２８Ｅは、バック シート３０に接合されている。コア３６は、プリーツを備えた材料６２が完全に 拡がって折り目がなくなるまで、バックシート３０から離れることができる。 コア３６のバックシート３０からの分離量を制御するための種々の手段が第１ １図、第１３図、及び第１４図に示してある。 第１１図は、複数の折り目線６４が長手方向に配向された、長手方向に配向さ れたアコーディオン型のプリーツを持つ材料６５を使用した実施例を示す。アコ ーディオンプリーツには、材料６５のプリーツが設けられた区分の横幅を過度に 大きくする必要なしにｚ軸方向に比較的大きく分離することが可能であるという 利点がある。 本発明による衛生ナプキン２０は（第１３図に示すように）、取り付けられて いない端縁部２５Ｂでコア３６をバックシート３０に連結する横方向プリーツを 持つ横方向に配向された好ましくは液体不透過性の材料６６を更に有するのがよ い。横方向プリーツを持つ材料には、コア３６の吸収力を越えた月経、又は取り 付けられていない長手方向端縁部２５Ｂに向かって長手方向に移動する月経を衛 生ナプキン２０内に保持するという利点がある。 第１４図に示す見栄えのしない実施例では、衛生ナプキン２０のコア３６のバ ックシート３０からの分離を制御するための手段は、コア３６をバックシート３ ０に接合する弛緩した材料６８を有するだけである。 このセクションで説明した全ての実施例では、コアの取り付けられていない端 縁部、例えば３６Ｄ′は、米国特許第５，００７，９０６号に特定された量だけ 分離されているのがよい。コア３６及びバックシート３０の取り付けられていな い端縁部３６Ｄ′及び３０Ｄ′の分離は、ヴィッシャー等の名で出願された上掲 のＰＣＴ国際特許出願公開第ＷＯ９２／０７５３５号に記載された方法のうちの いずれかの方法で計測することができる。 Ｃ．丘部を持つ衛生ナプキンの部分を着用者の下着から 分離できる形体のファ スナを持つ実施例 第１５図は、丘部４４を含む衛生ナプキン２０の中央領域７６全体を着用者の パンティから分離（即ち「切り離し」）できる実施例を示す。この実施例は着用 者のパンティが、着用中に、陰唇から遠ざかる方向に移動するとき、着用者の陰 唇とぴったりと接触するように移動できる丘部４４を提供する。 第１５図に示す実施例では、衛生ナプキン２０に特定のパンティファスナ形体 を提供することによって達成される。パンティファスナが 衛生ナプキンの端領 域７２及び７４に設けられている。しかしながら、衛生ナプキン２０の中央領域 ７６にはパンティファスナが設けられていない。こによって、丘部４４を含む中 央領域７６を着用者のパンティから切り離して着用者の陰唇に向かって移動させ ることができる。これによって、衛生ナプキン２０の着用時に丘部４４を着用者 の身体と更に継続的に接触させる。 ファスナは、全体に矩形の四つの接着剤のストリップ又はパッチの形体で配置 された接着剤５８からなる。これらのパッチは、接着剤の全体としてのパターン が「Ｘ」の文字と似ており、「Ｘ」の中央部がなく、各パッチが主長手方向中心 線と主横方向中心線の交点Ｃから衛生ナプキンの一つの隅部３１への方向に延び ているように配置されている。接着剤パッチの端部は、好ましくは、衛生ナプキ ン２０の横方向端縁部２４のできるだけ近くに配置されている。接着剤の形体の この原理は、１９９２年３月１９日にパパ等の名で公開された「形状及び吸収体 物品用の接着剤ファスニング手段」という標題のＰＣＴ国際特許出願公開第ＷＯ ９２／０４０００号に論じられている。他の特徴（中央領域７６に接着剤がない ）は、本発明の衛生ナプキンの形体に独特の原理に基づいて作用する。 更に、第１５図に示す接着剤パターンを、本明細書中に説明した種類の異なる 切り離し装置を備えた衛生ナプキンに使用することができる。他の適当な接着剤 形体も可能である。例えば、接着剤は、衛生ナプキン２０の各端領域７２及び７ ４に逆Ｖ字形状、又は山形パターンをなして付けることができる。 更に別の実施例では、上文中に説明した他の種類のファスナのうちの任意の他 のファスナを接着剤に代えて又は接着剤に加えて使用できる。 Ｄ．セグメント式のコアを持つ実施例 本発明の別の実施例では、衛生ナプキン２０は、着用者の身体の形状と更に良 好に一致するようになったセグメント分けされたコア及び／又は丘部（又は丘部 形成要素）を有する。 セグメント分けされたコアのおおまかな概念は、１９９２年７月９日にトーマ スＷ．オズボーンの名で公開された「横方向にセグメント分けされたコアを持つ 衛生ナプキン」という標題のＰＣＴ国際特許出願公開第ＷＯ９２／１０９８４号 に詳細に記載されている。これらの実施例のコア３６及び又は丘部（又は丘部形 成要素）は、複数の個々のセグメント３６nに分割されている。（「ｎ」の文字 は、個々のセグメントの数を表す整数である。）更に特定的には、セグメント３ ６nは、横方向に独立してセグメント分けされている。コアは、隣接したセグメ ント３６n間の分割線が、主長手方向中心線Ｌ１と全体に直交するコア３６の平 面内にベクトル成分を持つ場合に横方向にセグメント分けされていると考えられ る。セグメント３６nは、セグメント３６nが互いに対してｚ軸方向に移動でき且 つこうした移動が隣接したセグメントによって拘束されていない場合に「独立」 していると考えられ、この用語を使用する。本発明の目的について、折り目線及 び刻み線を持つコアは、折り目線又は刻み線の前後で起こるｚ軸方向の移動に対 する拘束のため（たとえ、折り目線又は刻み線がコアを特定の接合部で曲げるこ とができるようにするヒンジとして作用する場合でも）、「独立」したセグメン トを持つものとは考えられない。 （以下の議論において、議論を簡単にするため、セグメント分けを主にコアの セグメント分けに関して論じる。）丘部又は丘部形成要素もまたセグメント分け できるということは理解されるべきである。変形例では、丘部形成要素をセグメ ント分けし、コア又はコアの残りの部分をセグメント分けしない。コアのセグメ ントの以下の説明は、これらの他の構造にも同様に適用される。 コア３６は、任意の数の独立したセグメント３６n、即ち複数のセグメント３ ６nに分割できる。好ましくは、コア３６を三つの独立したセグメント３６1、３ ６2、及び３６3に分割する。着用者の身体は、主長手方向中心線に沿って着用者 を眺めたとき、解剖学的に別個の三つの賦形領域に分割されるものと考えられる ため、三つのセグメントコア３６が望ましい。着用者の身体の前部から着用者の 身体の後部まで、三つの領域のうちの第１の領域は、恥丘領域と考えることがで きる。恥丘領域は、前から見ると、複合した曲線をなした上方に凸状になった形 状を有する。第２領域は、大陰唇が構成する領域であり、前から見るとＷ字 形状の輪郭を有する。第３領域は、臀裂によって構成された領域であり、後ろか ら見ると全体にカスプ形状をなしており、上方に凸状をなした外方に末広がりに なった線によって構成されている。衛生ナプキン２０のこの実施例は、着用者の 身体のこれらの三つの非常に別個の形状に適合するようになっている。 衛生ナプキン２０は、三つの連結されていないセグメント３６1、３６2、及び ３６3からなるコア３６を有する。コア３６のセグメント３６nは、夫々のセグメ ント３６nが隣接したセグメント３６nに直接接合されていない場合には「連結さ れていない」と考えられる。セグメント３６nはトップシート２8、バックシート ３０、又はコア３６を包む任意の薄葉紙等を通して間接的に連結されている場合 には、直接的に連結されておらず且つ独立していると考えられる。 衛生ナプキン２０に三つのセグメント３６1、３６2、及び３６3のような幾つ かのセグメントが設けられている場合、これらのセグメントの長さは長手方向で 同じである必要はない。例えば、長手方向で約７．０cm（２．７５インチ）の後 セグメント３６3、約７．０cm（２．７５インチ）の中央セグメント３６2、及び 長手方向で約６．４cm（２．５インチ）の前セグメント３６1の三つのセグメン トを持つ衛生ナプキン２０が優れていることがわかっている。 着用者の身体の大陰唇領域に対して装着される中央セグメント３６2が、良好 な装着性を得る上で最も重要であるため、セグメント３６n間の長手方向寸法の 相違を斜酌しなければならない。良好な装着性を得る上で次に重要な領域は、臀 裂（着用者の臀部間の空間）を受入れる衛生ナプキン２０の後部分である。衛生 ナプキンの前部の着用者の身体の恥丘領域に対する装着性は、重要性が最も小さ い。 衛生ナプキンのこれらのセグメントは、第１７図及び第１８図に示すように、 丘部形成要素４４′を構成できる。丘部形成要素４４′はセグメント分けされて もよいしセグメント分けされなくてもよい。丘部形成要素４４′は、セグメント 分けされていない場合には、好ましくは、中央セグメントのようなコアのセグメ ントの一つと整合している。セグメント分けされている場合には、丘部形成要素 ４４′を二つ又はそれ以上（例えば三つ）のセグメントに分割できる。これは、 代表的には、比較的長い丘部形成要素を使用する場合に行われる。好ましくは、 三つのセグメントがある場合には、丘部形成要素４４′は、丘部の中央セグメン トと整合した部分が着用者の陰唇間の空間に嵌まり、丘部の後セグメントと整合 した部分が着用者の臀裂と整合するように、中央セグメント３６2及び後セグメ ント３６3と整合している。 第１８図を参照すると、衛生ナプキン２０のコア３６は、変形例では、独立し ているが連結されたセグメント３６nを有するのがよい。セグメント３６nは、峡 部連結体８０（二つの大きな領域を連結する比較的狭幅のストリップ即ち峡部を なした連結体）を通して連結されている。峡部連結体８０は、好ましくは、衛生 ナプキン２０のコア３６の幅の約２０％以下、好ましくは約１０％以下を占める 。第１８図に示されているように、峡部連結体８０は、衛生ナプキン２０のコア ３６の長手方向縁部３６Ｃに沿って配置されているのがよい。このような構成は 、衛生ナプキン２０の主長手方向中心線Ｌ１に沿ったコア３６の隣接したセグメ ント３６n間の相対的ｚ軸方向移動を最大にする。従って、この構成は、衛生ナ プキン２０のコア３６の形状を着用者の膣開口部と良好に一致させる上で特に望 ましい。 変形例では、峡部連結体８０は、衛生ナプキン２０の主長手方向中心線Ｌ１と 実質的に整合している。この構成により、衛生ナプキン２０のコア３６の長手方 向縁部３６Ｃが自由であるという利点及び衛生ナプキン２０のコア３６の隣接し たセグメント３６n間の相対的なｚ軸方向最大変位がこのような長手方向縁部３ ６Ｃで起こるという利点が得られる。しかしながら、この構成は、着用者に対し てより快適な装着性を提供し、内股を擦ることが少ないが、膣開口部との最大 の装着を得ることができない。 第１８図は、上文中に説明した峡部連結体８０の両方の種類を組み込むことに よってつくることのできるハイブリッド型衛生ナプキン２０を示す。このような 衛生ナプキン２０は、主長手方向中心線Ｌ１と整合した峡部連結体８０を有し、 この連結体が前セグメントと中央セグメントを接合する。この峡部連結体８０に より、コア３６のセグメントを上方になだらかに凸状に湾曲した恥丘領域の形状 と整合させて、着用者の身体の大陰唇領域（これは曲率半径が小さい）の急な凸 状をなした形状と整合したコア３６のセグメントよりも曲率半径を大きくする。 衛生ナプキン２０の後セグメント及び中央セグメント３６nを接合する峡部連 結体８０は、衛生ナプキン２０のコア３６の長手方向縁部３６Ｃと実質的に整合 している。この構成により、後区分のｚ軸方向最大変位が衛生ナプキン２０の主 長手方向中心線Ｌ１で起こり、そのため、後セグメント３６nが着用者の臀裂に 正確に且つ快適に嵌まる。 Ｅ．他の変形例 本発明の中央吸収体丘部を設けることのできる衛生ナプキンの幾つかの変形例 が多くの文献に示されており且つ説明されている。これらの文献には、１９８７ 年８月１８日にヴァン・チルバーグに賦与された「フラップを持つ賦形衛生ナプ キン」という標題の米国特許第４，６８７，４６８号、１９８６年８月２６日に マッティングリーに賦与された「衛生ナプキン取り付け手段」という標題の米国 特許第４，６０８，０４７号、１９８６年５月２０日にヴァン・チルバーグに賦 与された「衛生ナプキン」という標題の米国特許第４，５８９，８７６号、１９ ８１年８月２５日にマックネールに賦与された「衛生ナプキン」という標題の米 国特許第４，２８５，３４３号、１９９０年８月２１日及び１９９１年４月２３ 日に夫々オズボーンに賦与された「薄く可撓性の衛生ナプキン」という標題の米 国特許第４，９５０，２６４号及び第５，００９，６５３号、１９９２年 ４月２８日にオズボーン等の名で出願された「中央部が補剛してある全体に薄く 可撓性の衛生ナプキン」という標題の米国特許出願第０７／８７４，８７２号、 １９８４年１月１０日にデスマライスに賦与された「複合衛生ナプキン」という 標題の米国特許第４，４２５，１３０号、１９８２年３月３０日にアーに賦与さ れた「ボーダーを持つ使い捨て吸収体物品」という標題の米国特許第４，３２１ ，９２４号、１９９２年１２月１５日にブエルに賦与された米国特許第５，１７ １，３０２号、及び１９９２年１０月７日にクリー等が出願した米国特許出願第 ０７／９５７，５７５号が含まれるが、これらに限定されない。 第１６図に示す別の実施例では、衛生ナプキン２０は、衛生ナプキンの着用時 に伸長（特に長手方向に）できる構成要素からなるのがよい。第１６図に示すよ うに、このような衛生ナプキンは、リングロール加工を施したトップシート２８ 、伸長性のある接着剤フィルム製バックシート、端部領域７２及び７４にスリッ トが設けられているが中央領域にはスリットが設けられていない吸収体コア３６ 、中央部がタフト９２に連結された毛管チャンネル繊維層８８、紙綿タオル層７ ８、及びポリエチレン製の端部保護体８２からなるのがよい。衛生ナプキンのこ の伸長性の実施例には、伸長性があってもよいしなくてもよい丘部形成要素が設 けられているのがよい。好ましくは、衛生ナプキン２０は、その伸長されていな い長さの約１５％乃至約４０％延ばすことができる。この伸長性が使用中の良好 な装着性及び快適性を提供し、汚れを少なくする。 このような実施例は、１９９１年７月２３日に出願された以下の特許出願、即 ち、トンプソン等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，４０４号、ト ンプソン等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，３９２号、及びブエ ンガー等の名で出願された米国特許出願第０７／７３４，４０５号（本願はこれ らの特許出願の一部継続出願である）に記載されている。これらの特許出願を集 合的に「毛管チャンネル繊維」特許出願と呼ぶ。別の伸長性のある衛生ナプキン の実施例が米国特許出願第０７／９１５，１３３号及び米国特許出願第０７／９ １５，２８４号に記載されており、これらの特許出願は、両方とも、オズボーン 等の名で１９９２年７月２３日に出願されている。後者の二つの特許出願を、集 合的に「伸び縮み自在の吸収体物品」特許出願と呼ぶ。 他の実施例では、衛生ナプキンに湾曲形状が付けてある。このような実施例は 、１９９２年７月２３日に出願された以下の特許出願、即ち、ジョンソン等の名 で出願された米国特許出願第０７／９１５，２８５号（プロクターアンドギャン ブル社の事件番号第４６７４号）、オズボーン等の名で出願された米国特許出願 第０７／９１５，２０２号、（プロクターアンドギャンブル社の事件番号第４６ ７５号）、オルセン等の名で出願された米国特許出願第０７／９１５，２０１号 、及びハインズ等の名で出願された米国特許出願第０７／９１５，１３４号（プ ロクターアンドギャンブル社の事件番号第４６７７号）に記載されている。 本願に亘って言及した全ての特許、特許出願（及びこの特許出願に基づく特許 並びに任意の対応する外国特許出願）、及び公開公報は、これらについて触れた ことにより、開示されている内容は本明細書中に組み入れたものとする。しかし ながら、本願に組み込んだ文献のいずれにも本発明は教示も開示もなされていな いということは明らかである。更に、本明細書中に説明した商業的に入手できる 材料又は製品のいずれも本発明を教示も開示もしないということは明らかである 。 衛生ナプキンについての以上の記載に特定した全ての限度及び範囲には、特定 した限度及び範囲内の狭い限度及び範囲が含まれるということは理解されるべき である。かくして、例えば、丘部の長さの範囲が約３．８cm（約１．５インチ） 乃至約１０cm（約４インチ）であると特定されている場合には、これよりも狭い 全ての範囲（例えば約５cm乃至７．５cm（約２インチ乃至約３インチ）、等）は 、別に挙げられていなくても、特許請求されている。 本発明の特定の実施例を図示し且つ説明したが、本発明の精神及び範囲から逸 脱することなく種々の他の変形及び変更を行うことができるということは当業者 には明らかである。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の範囲内のこのよ うな変形及び変更の全てをカバーしようとするものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ， ＣＮ，ＣＺ，ＦＩ，ＨＵ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，Ｌ Ｋ，ＬＶ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＲＯ ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＺ，ＶＮ (72)発明者 シュミッツ，デボラ キャサリーン アメリカ合衆国オハイオ州、ウェスト、チ ェスター、ティンバートゥリー、ウェイ、 8097

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 主長手方向中心線、主横方向中心線、身体面、衣料面、前記主長手方向 中心線の少なくとも一部の長さに沿って配置された長手方向中央領域、及び該長 手方向中央領域の外側に配置された包囲吸収体領域を有し、前記包囲領域の少な くとも幾つかの部分のキャリパが５mmと等しいか或いはそれ以下であり、更に好 ましくは４mmと等しいか或いはそれ以下であり、液体透過性のトップシート、該 トップシートに接合された液体不透過性のバックシート、及び前記トップシート と前記バックシートとの間に配置された吸収体コアを有する衛生ナプキンにおい て、前記衛生ナプキンの前記長手方向中央領域の前記身体面上に長手方向内側丘 部が設けられ、該丘部は、高さが最大の箇所を有し、該高さが最大の箇所で計測 したキャリパが約３mm以上であり、前記包囲領域の前記部分のキャリパの少なく とも２倍であることを特徴とする衛生ナプキン。 ２． （a）前記丘部の長さが２cm乃至２２cmであり、更に好ましくは２cm乃至１２cm であり、最も好ましくは３cm乃至８cmであり、 （b）前記丘部は、ベース、上半部、及び下半部を有し、 （1）前記丘部のベースでの幅は０．５cm乃至５cmであり、更に好ましくは０． ５cm乃至４cmであり、 （2）前記丘部の前記上半部の幅は０．５cm乃至５cmであり、前記丘部の前記下 半部の幅は前記丘部の前記上半部の幅よりも大きく、 （c）前記最大高さの箇所でのキャリパは、約4mm乃至約１５mmであり、更に好ま しくは５mm乃至１０mmである、請求項１に記載の衛生ナプキン。 ３． 前記長手方向中央領域の撓み抵抗は前記包囲領域の前記部分の撓み抵抗 よりも大きく、前記長手方向中央領域の撓み抵抗は最大１０００gであり、前記 包囲領域の前記部分の撓み抵抗は７００ｇと等しいか或いはそれ以下である、請 求項１又は２に記載の衛生ナプキン。 ４． 前記丘部の少なくとも部分は丘部形成要素によって形成されており、前 記吸収体コアは所与の材料からなり、前記丘部形成要素は前記吸収体コアとは異 なる材料でできている、請求項１、２、又は３に記載の衛生ナプキン。 ５． 前記丘部形成要素は弾性であり、好ましくは湿潤弾性であり、更に、好 ましくは、乾燥時及び湿潤時の回復が約８５％以上であり、更に好ましくは約９ ０％以上である、請求項４に記載の衛生ナプキン。 ６． 前記丘部形成要素は、少なくとも部分的には、 （a）吸収体材料、 （b）親水性繊維質材料、 （c）合成繊維及び吸収体ゲル化剤からなる群から選択された材料からできてお り、 （1）前記丘部形成要素は、約２０％乃至約１００％が、ポリエステル繊維、毛 管チャンネルを外側に備えた合成繊維、ポリプロピレン繊維、又はオーロン繊維 のうちの少なくとも一つからなる群から選択された合成繊維からなり、 （2）前記丘部形成要素は、繊維質吸収体ゲル化剤、又は繊維質吸収体ゲル化剤 とポリエステルの混合物からなる、請求項４に記載の衛生ナプキン。 ７． 前記丘部形成要素は、少なくとも一つの上構成要素及び下構成要素を含 む少なくとも二つの別体の構成要素からなり、前記上構成要素は前記下構成要素 よりもキャリパが小さく、前記上構成要素の横方向に計測した寸法が前記下構成 要素よりも大きい、請求項４に記載の衛生ナプキン。 ８． 前記上下の構成要素は、層の以下の組み合わせのうちの一つからなり、 即ち、 上構成要素が、ポリエステル材料でできたバットからなる下構成要素に重なっ た少なくとも一つの薄葉紙層からなり、又は、 上構成要素が、ポリエステルのバット、レーヨンのバット、オーロンのバット 、木材パルプのバット、フォーム、又は毛管チャンネル繊維のバット、又はこれ らの組み合わせからなる群から選択された材料からなる下構成要素に重なった、 少なくとも一つの薄葉紙層及び少なくとも一つの吸収体ゲル化剤層を有する積層 体からなる、請求項７に記載の衛生ナプキン。 ９． 前記丘部は、主長手方向中心線を中心としてギャザー寄せされ且つ固定 された衛生ナプキンの部分からなる、請求項１に記載の衛生ナプキン。 １０． 前記吸収体コアの取り付けられた部分、前記吸収体コアの取り付けら れていない部分、一対の長手方向縁部、一対の端縁部、及び隅部を更に有し、こ れらが互いの衛生ナプキンの周囲を形成し、更に、前記隅部と隣接した隅部領域 を有し、前記衛生ナプキンは、 （a）前記コアが前記バックシートに少なくとも二つの長手方向接続部に沿って 接合され、前記コアの少なくとも一つの端縁部を含む前記コアの前記取り付けら れていない部分は、前記バックシートに取り付けられておらず、そのため、前記 コアの前記取り付けられていない部分が前記バックシートから遠ざかるように移 動し即ち分離する特徴、 （b）前記衛生ナプキンを着用者のパンティの股領域に止めるため衣料面に設け られたファスナであって、少なくとも二つのファスナ材料ゾーンを有し、これら のファスナ材料ゾーンは、文字「Ｘ」を変形させた形状と似た全体形体をなして 全体に配置され、文字Ｘの中央を形成する形体の部分にはファスナ材料がなく、 「Ｘ」の端部が衛生ナプキンの隅部領域に配置されているファスナ、 （c）前記吸収体コア及び前記丘部のうちの少なくとも一方が、それらの長さに 沿って複数の独立したセグメントに分割された特徴、 （d）伸長性のトップシート、バックシート、及び吸収体コア、 （e）伸長性の丘部形成要素、 のうちの少なくとも一つを有する、請求項１に記載の衛生ナプキン。