JPH08505476A - 電気的に活性なポリマ電極を用いたパルス式電気化学的検出方法 - Google Patents

電気的に活性なポリマ電極を用いたパルス式電気化学的検出方法

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JPH08505476A JP6519375A JP51937594A JPH08505476A JP H08505476 A JPH08505476 A JP H08505476A JP 6519375 A JP6519375 A JP 6519375A JP 51937594 A JP51937594 A JP 51937594A JP H08505476 A JPH08505476 A JP H08505476A
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ジョン エム リヴィエロ
ゴードン ウォーレス
オモウンミ アモク サディク
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/28Electrolytic cell components
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    • G01N27/327Biochemical electrodes, e.g. electrical or mechanical details for in vitro measurements
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    • G01N27/3277Sensing specific biomolecules, e.g. nucleic acid strands, based on an electrode surface reaction being a redox reaction, e.g. detection by cyclic voltammetry

Abstract

(57)【要約】 第1の実施形態において、溶液中の目標分析物は、周期的な交流電圧が接続される導電性の電気的に活性なポリマを含む電極に溶液を曝すことにより検出される。分析物に曝されると、電極の特性が変えられ、この変化が時間及び周期的な交流電圧の関数として電極電流を測定することにより検出される。交流電圧波形は、酸化時間周期と還元時間周期を有し、これら周期及び波形のデューティサイクルは、電極感度、選択度を向上すると共に、電極の汚染及びデータヒステリシスを実質的に排除するように制御される。第2の実施形態においては、受容体が電極に接合され、電極には交流電圧波形が接続されて、相手となる目標物質を受容体に可逆に結合できるようにし、電極電流の測定値がこのような可逆の結合の尺度を与えるようにする。この第2の実施形態は、抗体、抗原、ハプテン、DNA、RNA及び酵素を検出するのに特に有用である。いずれの実施形態も、フロースルー電気化学セル、流れ注入分析、液体及びイオンクロマトグラフィー及び毛細管電気泳動における検出に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 電気的に活性なポリマ電極を用いたパルス式 電気化学的検出方法発明の分野 本発明は、目標分析物を検出し、そして電気化学的電極センサを用いて抗体− 抗原の付着のような生物学的な相互作用を検出するための方法及び装置に係り、 より詳細には、検出中に汚染されない電気化学的な電極センサを用いた方法及び 装置に係る。先行技術の説明 電気的に不活性な分析物(検体)を含む溶液中の分析物を溶液中において検出 するために電気化学的電極センサを使用することが知られている。又、このよう なセンサを、抗体−抗原対の間、受容体及び配位子、タンパク質、酵素、電気触 媒、金属錯化グループの間の付着の溶液中検出に使用することも知られている。 導電性の電気的に活性のポリマ(CEP)は、このような用途において電気化 学的センサ電極として有望であることを示している。このようなセンサ電極を製 造する場合には、導電性の不活性な金属電極が、ポリピロール、ポリチオフェン 又はポリアニヒンのようなCEPで処理される。製造後に、CEPは、出来上が った電気化学センサの活性成分となる。 電極の安定性及び再現性の理由で、金属電極には、ポテンショダイナミック、 ポテンショスタティック及びガルバノスタティック技術をしばしば用いて、電気 蒸着又は電気重合により導電性のポリマ被膜が付着される。或いは又、適当な溶 媒中のモノマ溶液を金属電極の表面に塗布しそして蒸発させることもできる。C EP電極の形成は公知であるから、これ以上詳細に説明しない。 図1A及び1Bは、CEP電極を検出用に使用した一般的なシステムを示して おり、溶液2は、CEP作用電極4と、基準電極6及びいわゆる反対電極8とに 曝される。一般に、基準電極は、基準ノード、好ましくは接地点に接続され、そ して反対電極は、同じノードに電気的に接続される。図1A及び1Bにおいて、 溶液2は、問題とする目標分析物10(この分析物は比較的電気的に不活性であ る)、及び/又はCEP電極4に付着した適当な受容体14にぴったりと接続し 得る他の目標物12をおそらく含むものとして示されている。 受容体又は配位子14がCEP電極の外面に付着することは公知である。吸引 親和性目標物12をもつ受容体14は、とりわけ、抗原(この場合、目標物12 は抗体である)、抗体(この場合、目標物12は抗原である)、酵素、タンパク 質を含むことができる。 図1Aの構成では、可変電流源16がCEP電極4に接続され、そしてCEP 電極と基準電極との間の電圧が電圧計(又は他の装置)18で測定される。一般 に、電流源16はゆっくりと変化され、そして電圧計の読みが記録される。この 形式の測定構成は、しばしば、電位差計法と称される。 これに対し、図1Bは、いわゆる電流計法の構成を示しており、CEP電極と 基準電極との間には可変電圧源18’が接続され、そしてCEP電極に流れる電 流が電流計16’で監視される。一般に、電圧源18’により与えられる電圧は ゆっくりと変化又はスイープされ(図示されていないポテンショメータを変化さ せることにより)、そして電流の読みが記録される。 CEPは、合成中に適当な反対イオンを組み込んだ際に酸化形態から還元形態 へと電気化学的に切り換えることができる。反対イオンがCEPに付着し、即ち 「フック」したときには、CEPがドープ又は酸化されると言われ、そして反対 イオンが解離するときには、CEPがアンドープ又は還元されると言われる。C EPが受ける電気的な環境を変えることにより、中性状態、ドープ状態又はアン ドープ状態を生じさせることができる。例えば、CEPのいわゆる背骨に正味の 正電荷を満たすために反対イオンが必要とされるときには付着を生じさせること ができ、そして背骨に正の正味電荷を満たす必要がもはやない時には解離を生じ させることができる。 CEP電極が、酸化形態から還元形態へ切り換わる間にイオン種を組み込んだ り追放したりするときには、有用な分析信号を発生することができる。例えば、 CEPは、カソード電位でアンドープできるが、容易に組み込まれるアニオン分 析物、例えば、燐酸塩又は硝酸塩の存在中でアノード電位に復帰するときには再 ドープできることがハイネマン氏等により長年にわたって示唆されている。Y. イカラヤマ、C.カリアストサトス、及びW.R.ハイネマン、S.ヤマンチ著 の「Sens.Act.12」(1987年)、455;及びY.イカラヤマ、 及びW.R.ハイネマン著の「Anal.Chem.58」(1986年)18 03を参照されたい。 これらの現象の正確なメカニックは完全に理解されていないが、合成中に組み 込まれる反対イオンが、導電率、電気化学的スイッチング電位、及びイオン交換 選択性シリーズを含むCEPの特性に著しい作用を及ぼし得る。 例えば、図1Aにおいて、電流源16によりセットされた適当なバイアス状態 のもとでCEP電極4に適当な分析物10が付着すると、電圧計18により測定 される差電圧が測定可能に変化し得る。同様に、図1Bにおいて、電圧源18’ によって決定された適当なバイアス状態のもとでCEP電極に分析物が付着する と、電流計16’により測定される電流が変化し得る。同様に、いずれの形態に おいても、受容体14に適当な目標物が吸引されると、有用な分析信号が生じ得 る。 抗原及び抗体は、相互作用の選択性を与えるが、不都合なことに、公知技術に おいては、このような相互作用に応答して意味のある再現性のある分析信号を発 生することが困難である。抗原−抗体の吸引を検出するときには、吸引により生 じる測定可能な電流又は電圧は、抗体−抗原反応生成物によるものではないと考 えられる。むしろ、CEP自体の特性が反対イオンのオン又はオフ状態によって 変化すると考えられる。有用な相互作用信号を感知する試みにおけるこれらの問 題は、ファラディ(例えば、電子の移送)信号の欠如、及び抗体−抗原プロセス 自体の不可逆な性質に起因すると思われる。 公知技術では、電位測定、間接的電流計則による免疫学的検定技術、及び直接 的測定を用いて、抗体−抗原相互作用の後にセンサ表面の容量特性の変化を感知 することによりこれら測定上の問題を克服するように試みている。不都合なこと に、これらの手順は、平衡時間が長く及び/又は多段階の手順が必要とされるた めに、時間のかかるものである。更に、抗体−抗原相互作用を逆転するためには 抗体を含む面を化学的に再生しなければならない。 抗体は、対応する抗原との特定の反応を促進するために合成中にCEPに容易 に組み込むことができる。交流(AC)電圧測定を使用すると、充分な感度を与 えることはできるが、再現性と、作用電極を再使用する能力は失われる。 図1Cは、図1Bの構成により通常発生される繰り返しの電圧電流図(CV) を示しており、単一のスイープが示されている。図1Cのデータは、分析物カチ オンがナトリウムであるナトリウムオクタンサルフォネートの溶液において行わ れる実験の典型例である。通常、図IBの電圧源18’は、おそらく20mV/ 秒の割合でゆっくりとスイープされ、これは、1.6VDCをスイープして図1 Cに示すデータを発生するのにほぼ1.5分を要することを意味する。 図1B及び1Cを参照すれば、CEPは最初は中性である。電源18’を最初 に約0Vとする。このとき、CEPは、中性であり、実質的に非酸化されると考 えられる。電圧が正に(左方向に)例えば+0.6V(例えば600mV)まで スイープされると、CEPは正に荷電される(酸化される)。電荷バランスを保 つために、この正の電荷は、周囲の溶液中で負の電荷(イオン)から中性化する ことを必要とする。これらイオンはCEP構造体へと組み込まれることになり、 そして点Bにおいて、CEPにアニオンが完全に組み込まれた(ドープされた) ときに電流が増加する。これらのイオンがCEP構造体へ移動すると(イオンの サイズが小さいことにより)、認知し得る電流が生じる。ここで、電圧が更に負 へ(例えば、右側へ)スイープするにつれて、CEPは、正の電荷を失い始め、 還元されると言える。 電荷の中性度を例えば約−0.3Vに維持するために、2つの作用の1つを生 じさせることができる。既に組み込まれたアニオンは、CEPの網を離れること ができるか、或いは周囲の溶液からのカチオン種を組み込むことができる。電圧 が更に負になると、CEPは、更に還元された状態となる(例えば、実効正電荷 未満)。約−1Vにおいて、カチオンが組み込まれた状態となり、電流の大きさ 及び方向が切り換わる。ここで電圧が更に正になると(−0.5Vに向かう)、 点Aに達するが、CEPは還元状態となり、そして再び酸化状態になり始める。 電圧のスイープをゆっくりと繰り返した場合には、電流ピークA及びBがほぼ 同じ電圧で生じるが、CVの形状はおそらく変化する。それにより生じるヒステ リシスは、主として、ポリマが組み込まれた電荷を容易に再ドープできないため に、CEP電極の汚染及び校正ずれを表すことになろう。従って、一定電位にお いてCEP電極で得られたデータは、あまり再現性が良くない。というのは、C EPに組み込まれる目標物が、組み込み場所がそれ以上なくなるまで、組み込ま れた状態に保たれる傾向となるからである。これは、検出感度のロスを招くと共 に、注目すべき校正ずれ及び電極の汚染を生じる。 従って、数分使用した後に電極を頻繁に交換又は清掃しなければならない。C EPを適当な電位でゆっくりと繰り返し動作し、例えば、−1.5VDCで10 分間動作することにより、CEP電極を還元し、例えば、それを回復させること が知られている。明らかに、CEP電極を交換したり、或いは電極を電気的に還 元することによりCEPに組み込まれている目標物を追放したりすることは、不 所望にも時間がかかり且つルーチン分析を妨げることになる。 作用電極が実験により不所望に且つ明らかに非可逆に変更されるのに加えて、 図1A及び1Bの公知構成は、他の欠点に悩まされている。これら構成は、電流 I又は電圧Vのいずれかを測定中一定に維持するので、例えば、分析と分析との 間を確認できるような選択性は存在しない。全てのアニオン(又はカチオン)が CEP電極に付着するので、全アニオン(又は全カチオン)を測定することしか できない。 このように、非選択性の公知CEP電極は、全てのアニオンがCEPと相互作 用するので、塩化物のみ又はフッ化物のみを検出することはできない。たとえ幾 つかのアニオン種がCEPと異なるように相互作用したとしても、公知技術では それらの種を区別することができない。例えば、CEPの公知の用途では、非常 に効果的に相互作用するアニオン種の比較的低い密度により生じる電圧又は電流 の変化を、あまり効果的でなく相互作用するアニオン種の高い密度により生じる 電圧又は電流の変化と区別することができない。その各々に対する総検出信号は 見掛け上同一になる。 又、公知技術では、非CEP電極、例えば、周期的電圧のソースに接続された 不活性金属電極を使用することも知られている。これらの技術は、「パルス式ク ーロン計測検出(PCD)」又は「パルス式電流計則検出(PAD)」としばし ば称されている。PCD方法は、一般に、検出に先立って絶対的に必要なものと して化学的な作用電極反応を必要とする。 一般的に、PCDは、例えば、作用電極と水素との間の最初の化学吸着反応に より電流が確立されるような間接的な方法である。この電流は、次いで、作用電 極と化学的分析物との間の吸着反応によって減衰される。このような用途では、 作用電極は白金でよいが、例えば、金にすることはできない。というのは、水素 原子が金により吸着されないからである。逆に、作用電極の組成に係わりなく、 測定前の段階で電極の化学的な吸着が必要なことにより、作用電極に吸着しない 化学物質に対する間接的な測定が除外される。 PCD技術の改良された変形が、ジョンソン氏等の米国特許第4,939,9 24号(1990年7月)に開示されており、この場合は、周期的な段階状電位 波形が不活性な金属作用電極に接続され、そして電流の積分により測定ノイズが 補償される。電位段階状PCDに対しPS−PCDと称するジョンソン氏等の方 法は、作用電極を含むフロースルーセルにおいて分析物をより直接的に検出する ものである。 この方法においては、パルス段階状又は傾斜状電位波形が作用電極に印加され そして全電位波形の繰り返し部分にわたって電流を積分することにより分析物が 電気化学的に直接検出される。これにより、ジョンソン氏等は、電気化学的酸化 により直接生じる電荷の測定に基づいて有機分子を検出することができる。 図1Dは、ジョンソン氏等により開示された改良されたPCD技術を示してい る。図示されたように、目標分析物10を含む溶液2は、不活性金属の作用電極 24に曝されると共に、基準電極6及び反対電極8に曝される。電圧波形発生器 28は、作用電極24と基準電極との間に接続され、図1E、1F及び1Gに示 す波形のような繰り返し電圧波形を出力する。電流積分器30は、作用電極の電 流を積分し、検出信号を記録器又は他の計器32へ発生する。 図1Eないし1Gに示されたように、発生器28によって出力される電圧波形 は、通常、おそらく60Hzの繰返数を有し、そしておそらく1ないし2ボルト のピーク・ピーク最大行程を有する。この波形は、第1の電位値E1を有し、こ のとき、作用電極の表面は酸化のない状態で存在する。次いで、波形の電位は、 E1から更に高いE1’へ増加し、作用電極の表面に酸化物を形成できると同時 に、可溶物及び/又は分析物の電気触媒酸化反応を形成できるようにする。波形 の電位は、保持時間中第1の値E1に復帰し、この間に、作用電極の表面に形成 された酸化物は触媒作用で剥離される。電位がE1’に充分長時間保持される場 合には、それ以上の酸化還元は不要である。さもなくば、電位は更に高い値E2 へ上昇され、電極表面の完全な酸化清掃が行われる。最も負の電位E3にされる 場合には、E1及び/又はE2において形成された表面酸化物のカソード分解に よる電極の再活性化が生じ得る。 図1Dにおいて、検出周期の全時間は、電位E1における時間と、電位E1’ における(又はそこに至る途中の)時間との和である。電流積分器30は、電位 E1が最初に与えられたときに作動され、そして積分された電流出力は、E1’ の後に、電位E1への復帰の終わりにサンプリングされる。 不都合なことに、PCD、PAD及びPS−PCDの公知システムには、電気 的に不活性な分析物を検出できないという本来の制約がある。関連する電気化学 的酸化により生じる電荷が存在しない場合には、このような目標物は非検出とな る。 要約すれば、選択性を与えながらも作用電極の汚染を防止する安定な再現性の あるやり方で、電気的に不活性な分析物を含む目標物を検出するための方法及び 装置が要望されている。このような方法及び装置は、流れ注入分析、液体及びイ オンクロマトグラフィー、及び毛細管電気泳動に適用できるのが好ましい。 本発明は、このような方法及び装置を開示する。発明の要旨 本発明は、周期的パルス状波形又は他の過渡電圧波形が接続される導電性電気 的活性ポリマ(CEP)作用電極を提供する。電圧波形は、見掛け上、CEPの 形態を変化させ、1つの形態は、目標分析物との検出可能な相互作用を促進し、 このとき、少なくとも1つの電極特性が可逆に影響を受ける。検出の可逆特性に よって、CEP電極は、アニオン、カチオン、有機酸、アミン、金属錯化グルー プ、抗原、抗体、酵素及びその他の当該目標物を含む種々の目標物を検出するこ とができる。選択的な検出は、安定で且つ再現性のある仕方で行われ、電極の汚 染や検出データにおけるヒステリシス作用は生じない。更に、製造中にCEPを 変更することにより、付加的な検出の選択性が与えられる。 イオンやカチオンのような分析物は、過渡電圧が第1の大きさであるときには CEPの背骨に組み込まれる(又は「ドープ」される)に充分な小さいものであ り、そして電圧が第2の大きさであるときにはそこに組み込まれない(又は「デ ドープ」される)。電圧を充分急速に推移させることにより、ドープ/デドープ を反転することができ、これにより、電極の汚染、校正ずれ及びデータのヒステ リシスを排除することができる。目標分析物はCEPの網に可逆に組み込まれる ので、それにより生じる電荷の再バランスでCEPの網の特性を変更し、例えば 信号検出へ電流を切り換えることができる。 目標分析物が生物学的分子であるときには、分子のサイズが大き過ぎてCEP 構造体に密接に組み込むことができない。しかしながら、適当な受容体をCEP 電極に接合することにより(例えば、抗原を検出するときには抗体)、大きな目 標分析物とその受容体との一致した相互作用を検出することができる。この一致 した相互作用は、CEPの網自体を変更するとは考えられず、接合した受容体の 配座を変更すると考えられ、これは、直接CEPの網の特性に測定し得る状態で 影響するものではない。 1つの特徴において、CEP検出選択性は、CEP電極に接続される過渡電圧 波形に対して電流がサンプリングされる時点を制御することにより与えられる。 分析物を検出する際には、可逆の分析物/電極相互作用の運動エネルギーに基づ いて時間の関数として異なる電流を測定することができる。 別の特徴においては、パルス状であるか、ステップ状であるか、傾斜状である か、さもなくば時間の関数として変化するような付与される過渡電位波形の性質 により、選択性が維持される。従って、電流のサンプリング点を一定に保持しな がら付与される電位波形を変更することにより、検出選択性を制御することがで きる。 更に別の特徴においては、CEPの化学的組成を用いて検出選択性を影響を及 ぼすようにし、CEP化学組成の変更は、ポリマの合成中に行うのが好ましい。 重合されるべきモノマ、コモノマ及び支持電解質の性質は、各々独特の検出選択 性を有する異なる導電性ポリマを形成することができる。 本発明による検出は、フロースルー電気化学セル、流れ注入分析、液体及びイ オンクロマトグラフィー、及び毛細管電気泳動に使用することができる。CEP と目標物との間の関連相互作用は、特定及び非特定の吸着、測光効果、及びカラ ー変化を生じ得る分光電気化学効果を含むことができる。CEPの状態変化によ って変更される測定パラメータは、電流、抵抗、キャパシタンス又は質量変化を 含む。又、同じ又は異なる過渡電圧源に接続された多数のCEP電極を使用し、 互いに異なるCEP電極の使用も含むことにより、区別及び確証分析を行うこと もできる。 本発明の他の特徴及び効果は、添付図面に関連して好ましい実施の形態を詳細 に述べた以下の説明から明らかとなろう。図面の簡単な説明 図1Aは、公知技術により、ゆっくりと変化する電流源に接続されたCEPを 用いて目標物を検出するための一般的な電位差計法構成を示す図である。 図1Bは、公知技術により、ゆっくりと変化する電圧源に接続されたCEPを 用いて目標物を検出するための一般的な電流計法構成を示す図である。 図1Cは、公知技術により、図1A又は図1Bの構成を用いて非可逆なCEP の相互作用及びCEPの汚染の検出データ特性におけるヒステリシスを示す繰り 返し電圧電流図である。 図1Dは、公知技術により、段階状電位源に接続された金属作用電極を用いて 電気的に活性の分析物を検出するための一般的な段階状電位PCD(PS−PC D)構成を示す図である。 図1Eないし1Gは、図1Dの公知構成及び本発明に使用される電圧発生器の 出力波形を示す図である。 図2Aは、本発明による導電率及び電流計測検出を与える一般的な流れ注入分 析システムを示す図である。 図2B及び2Cは、本発明に使用する電圧発生器の出力波形を示す図である。 図3は、+0.4VDCに接続されたPP/NO3CEP電極を用いて異なる 濃度のNaNO3溶液を注入するための図2Aの構成について得られた応答を示 す図である。 図4Aないし4Dは、選択された分析に対し図2の構成で得られる校正曲線を 示すグラフである。 図5A及び5Bは、グリシンキャリアを用いたCEPマイクロ電極に対する流 体力学電圧電流図である。 図6は、本発明によるマイクロ電極検出セルを示す図である。 図7A及び7Bは、本発明による各々グリシン溶離液及び蒸留水溶離液におけ るマイクロ電極に対する校正曲線を示すグラフである。 図8は、本発明による一連の流れ注入分析システム応答を示す図である。 図9は、本発明による抑制を用いたイオンクロマトグラフィーシステムのシス テム概略図である。 図10A及び10Bは、本発明により得たクロマトグラムである。 図10Cは、本発明を用いて得た導電率検出データを示す図である。 図11は、本発明により検出された無機及び有機アニオンの勾配分離を示す図 である。 図12Aは、本発明によりパルス電位の関数としてパルス式電位流体力学電圧 電流計測HSA検出を示す図である。 図12Bは、本発明によりパルス巾の関数としてパルス式電位流体力学電圧電 流計測HSA検出を示す図である。 図13Aは、本発明によるHSAに対する流れ注入分析応答を示す図である。 図13Bは、図13Aに示されたデータに対する校正曲線である。好ましい実施形態の詳細な説明 ここで使用する「目標分析物」(例えば、図1Aの要素10)という用語は、 実験者が測定又は決定のために選択した分析物(検体)を意味する。本発明につ いては、目標分析物は、有機イオン、低分子量の目標物、例えば、有機酸、アミ ンを含み、タンパク質やペプチドのような大きな重量の生物学的分子も含む(こ れに限定されるものではない)。本発明は、イオンクロマトグラフィー分離装置 に検出機構として接続できるので、目標分析物は、イオンクロマトグラフィーを 用いて分離される全ての分析物を含む。 更に、ここで使用する「不動化受容体」(例えば、図1Aの要素14)は、通 常は、CEPに組み込まれる比較的大きな分子であって、ある生物学的な活動又 は相互作用を有する分子である。このような受容体(及びそれらの対応部、例え ば、図1Aの要素12)は、抗体、抗原、酵素、酵素基体を含むことができる。 一般に、このような受容体は、免疫学的検定を受ける受容体、例えば、単クロー ン抗体や、多クローン抗体を含む。 ここで使用する「酸化」という用語は、ポリマの形態を指し、ドープ(例えば 目標分析物をCEP構造体へ組み込む)のための有利な環境を設定できるが、酸 化それ自体がドープを確保するものではない。 要約すれば、本発明は、2つの基本的なメカニズム又はモデルを用いて機能す ると考えられる。第1のメカニズムは、ポリマの電荷バランスが重要な役割を演 じると思われる小さな目標分析物の検出に関連している。第2のメカニズムは、 ポリマの背骨(又は網)の電荷の半分が所望の相互作用によって直接的に密接な 影響を受けないと思われる大きな分析物の検出に関連している。 適切な状態にある小さな目標分析物、例えば、アニオン、カチオンは、ポリマ の網(又は背骨)へ運び込み、組み込み又はドープすることができ、或いはそこ から組み込み解除(又はデドープ(ドープ解除))することができる。より詳細 には、パルス式又は過渡電圧電源がCEP電極に接続される。電圧があるレベル であるときは、目標分析物がポリマに組み込まれるが、電圧が異なるレベルであ るときは、目標分析物がポリマから除去される。これらの電圧レベル間を充分に 迅速にパルス動作又はスイッチングすることにより、分析物の組み込みを可逆と することができ、例えば、他方の電圧レベルが生じたときに、分析物を組み込み 解除することができる。 これは、好都合にも、公知技術で生じたように電極の汚染や検出システムの校 正ずれを伴うことなく、本発明による検出を行うことができるようにする。この 第1のメカニズムは、目標分析物をCEP構造体へ入れる熱力学的駆動力として の電荷バランスに依存すると考えられる。(これに対し、生物学的な目標分析物 は一般にCEP網に入るには大き過ぎる。)それらがポリマの網に組み込まれる と、その組み込まれた分析物は、例えば、電流を監視することにより測定を行え るやり方でポリマに変更を生じさせる。分析物は、ポリマの網に入ると、ポリマ の典型的な正の電荷を中性化し、そしてそのプロセスにおいて、水の分子も入れ られる。その結果、ポリマに関連した配座の変化及び水分含有量の変化が得られ る。 これに対し、第2のメカニズムは、大きな目標分析物(例えば、抗原、抗体) に関連し、電荷バランスに依存しないと考えられる。これらの目標分析物は、C EPの背骨又は網に個々に入り込んだり又はそれを変更したりするには大き過ぎ る。このような目標物を検出する際には、受容体(これに所望の目標分析物がぴ ったりと吸引する)が実験の前にCEP電極に取り付けられる。印加電圧により CEPがある形態にされたときに、目標分析物が受容体と相互作用すると(例え ば、Ab−Agの相互作用)、受容体は、ポリマの配座を変更し且つポリマ全体 で電荷を保持する能力を変更すると考えられる。 配座の変更を受けるのに加えて、ポリマが酸化するときは(一般に正の荷電に より)、正に荷電された場所が、電荷バランスを得るために負の電荷(例えば、 イオン)を必要とする。負のイオン(例えば、塩化物)は、ポリマへ水分を運び 込み、CEPの水分含有量を増加させる。生物学的な相互作用(例えば、Ab− Ag)は、配座がしかるべき配向で生じることを必要とすると思われる。CEP 電極がパルス動作されると、受容体(及びおそらくはCEPの表面)は、配座の 変更を受ける。相手となる目標分析物との相互作用を許したり許さなかったりす ると考えられるのは、この配座の変更である。 図2Aは、本発明による一般的な流れ注入分析システムを示している。図示さ れたように、検出されるべき目標物を含む液体の流れは、検出前システム30、 例えば、他のシステムの中でもとりわけ、流れ注入分析器、液体又はイオンクロ マトグラフィー、毛細管電気泳動システムからの出力として与えられる。通常、 この流れは、導電率検出器32を通過し、そして電気化学的流れ検出セル34へ 送られる。(流れ検出セル34の好ましい実施形態は、図6について詳細に説明 する。) 流れ検出セル34は、少なくとも1つの作用CEP電極36と、通常は銀/塩 化銀、角水銀鉱及び/又はpHである基準電極38と、通常はステンレススチー ルや白金のような不活性金属である反対電極40とを備えている。しかし、ある 用途においては、反対電極40は、CEP作用電極36に関連したCEPと同じ であるか又は異なるCEP被膜を有してもよい。液体流は、流れセル34を通過 すると、通常は廃水容器42へ捨てられる。 作用電極と基準電極との間には電圧波形発生器44が接続される。この発生器 44は、傾斜状、パルス状又はその組合せである好ましくは周期的な電圧波形を 出力し、ピーク・ピーク出力電圧は、大きいところで約4V(例えば、+2Vか ら−2V)から小さいところで50mVまでの範囲であり、繰り返し率はおそら く約1Hzから約60Hzである。発生器42によって出力される典型的な波形 が図2B及び2Cに示されており、実際には、図1Eないし1Gに示された波形 も使用できる。 通常は、高利得低ノイズの前置増幅器46がCEP作用電極36に接続されて 信号の増幅を与えると共に、もし所望ならば、付加的な監視装置48をCEP作 用電極に接続してもよい。好ましくは、図2Aに示すように、ファラデーケージ 50が流れセル及び関連部品を包囲する。前置増幅器46からの出力は検出器5 2に接続され、その出力は、例えば、記録器54に表示される。 測定されるべき分析信号の特性により、どんな形式の検出器52を使用するか が決定される。例えば、CEP電極に関連した電流を測定するためには、電流計 測検出器が使用される。しかしながら、CEP電極の抵抗、キャパシタンス又は 質量の変化も、検出信号として使用される。 図2Aの構成は、パルス式電流計則検出(PAD)に使用するものとある程度 類似している。しかしながら、本発明は、裸の金電極や他の不活性金属電極では なくてCEP作用電極を使用する。もちろん、2つ以上のCEP作用電極36が セル34内に使用されてもよい。多数のCEP作用電極は、互いに同一である必 要はなく、多数の電圧発生器44に接続されるが、その全てが同一の波形を出力 する必要もない。多数のCEP作用電極、電圧発生器及び検出器を使用すると、 区別及び確証分析機能を与えることができる。 本発明のCEP作用電極は、不活性金属の導体(例えば、ステンレススチール や、白金や、金)であってその表面がCEP材料で覆われているのが好ましい。 作用電極は、ある範囲の大きさをもつことができ、例えば、CEP直径は約0. 01mmないし約10mmであり、内側の不活性金属導体を包囲する。直径が約 50μm未満のCEP電極を、マイクロ電極と称し、これは、マクロ電極サイズ の反対部分よりも優れた感度及び電気化学的制御性を与えることができる。 CEPは、当業者に良く知られた種々の仕方で作用電極を形成するように金属 導体に塗布することができる。CEP作用電極は、ポテンショダイナミック、ポ テンショスタティック及びガルバノスタティック技術を用いた電気蒸着又は電気 重合によるか、或いは適当な溶媒におけるモノマー溶液の蒸着によって形成でき るが、これに限定されるものではない。 しかしながら、本発明による検出は、PCD、PAD及び電位段階状PCDを 含む公知技術を用いたときに生じるものよりも相当に多くの化学作用を伴うこと を強調しておかねばならない。本発明の検出においては、CEP作用電極の酸化 及び還元の際に、イオン交換機構が生じると考えられる。アニオンだけでなく、 カチオンも、ドープ及びデドープ中に、CEPへ可逆に組み込むことができる。 更に、酸化及び還元プロセス中には、配座及び/又は水分含有量の変化(水和作 用の変化)がCEPに生じる。 本発明は、検出事象、例えば、目標分析物の可逆結合(例えば、目標抗体又は 抗原とその免疫学的反対部分との相互接続)に関連したCEP電極の状態の変化 を監視することにより検出を行うことができる。このような組み込み又は相互作 用事象は、CEPに関連した少なくとも1つの特性を検出信号として監視できる 仕方でCEPの構造を変更すると思われる。しかしながら、このような事象がC EP構造を可逆に変更して測定信号を与えるメカニズムは証明されていない。 例えば、発生器44によってCEP電極に電位が接続されるときには、組み込 み又は相互接続事象は、作用電極の電流が測定信号を与えるようにCEP構造を 変更すると思われる。この電流は、研究を続ける対象である多数の現象から生じ ると思われる。 1つの電流成分は、発生器44により印加された総電位の結果としてポリマの 酸化又は還元によって生じるファラデー電流であると思われる。しかしながら、 このファラデー電流成分の大きさは、酸化段階においてCEPに生じる正の電荷 をCEP電極の周囲の溶液中のあるアニオンによっていかに容易に満たせるかに 基づいている。例えば、比較的移動度の高いアニオンは容易に付着することがで き、CEPの多くが参加され、大きな電流成分が生じることになる。 しかしながら、その同じアニオンは、明らかにポリマの網へと移動することに より、関連しているが異なる電流成分も生じると考えられる。 又、CEPの反対イオンがそこから容易に放出されない場合にはカチオンの移 動による電流成分も生じる。このような反対イオンが保持される場合には、電圧 発生器がCEP電極を還元状態にするときに、アニオンがCEPの網に組み込ま れたままとなるために、電荷の不平衡が生じる。この点において、周囲の溶液か らのカチオンがポリマの網へと移動し、ポリマにアニオン成分を満たすことがで きる。例えば、CEP作用電極が還元状態にあって塩化ナトリウムを含む溶液で 取り巻かれていると仮定する。次いで、電圧発生器は、CEP作用電極の酸化を 生じさせるパルスを与え、作用電極は正に荷電された状態となる。次いで、塩化 物はポリマに関連して正のポリマ電荷を満たすことができ、この点において、C EPはアニオン交換機に類似したものになる。 更に別の例として、塩化ナトリウムではなく、実質的に大きく且つ移動度の低 いアニオン、例えば、ナトリウムオクタンサルフォニック又はオクタンサルフォ ネートが存在してもよい。これらのアニオンは、酸化中にCEPにある程度まで 関連し、ポリマ電荷を満たす。しかしながら、CEP作用電極を還元するときに は、これらのアニオンは、ポリマの正の部分に対して親和性が強いために正の電 荷に強力に結合する。この例において、アニオンは、密接に保持されるか又は移 動度が低いので、ポリマからほとんど放出されない。CEP作用電極の還元は、 依然生じるが、アニオンは保持される。電荷の中性度を維持するために、カチオ ンがポリマの網に入りそして組み込まれて、移動電流成分を生じなければならな い。 本発明は、これらの同時化学作用の存在を効果的に使用して、被測定パラメー タ、例えば、電流を変調しようとするものである。本発明によるCEP電極を用 いてデータが収集された幾つかの作用例について以下に説明する。 例1−マクロサイズのCEP電極を用いて流れ注入分析で電気的に不活性のイ オンをパルス式電気化学検出する。 第1の例において、本発明は、流れ注入分析で電気的に不活性なイオンを検出 するのに使用され、この検出は、従来のPAD、PCD又はPS−PCD技術を 用いては不可能なものである。 マクロサイズのポリピロール電極は、ピロールモノマ(0.1M)を水溶液か ら白金基板にガルバノスタティック的に電気重合することにより作成した。白金 電極は、布及びアルミナを用いて研磨され、そして電気重合の前に超音波処理を 受けた。重合化のための反対イオン溶液は、0.5Mの塩化物、アセテート、ド デシル硫酸塩、燐酸塩又は炭酸塩のナトリウム塩を含むものであった。出版され た文献によれば、これら状態のもとでは、24mC/cm2が約0.1μm厚み のCEP膜を生じると仮定される。溶液は、電気重合化の前に10分間窒素で脱 酸素処理された。ポリピロールは、0.85mA/cm2の電流密度を用いて5 分間付着された。 図2Aに示す流れ注入分析の実験設定を使用し、電圧発生器44は最初一定の DC出力電位を発生した。塩化物、硝酸塩、燐酸塩、炭酸塩、アセテート及びド デシル硫酸塩(DS)を含むアニオンの検出が行われると考えられた。特に指示 のない限り、使用するカチオンは、全ての場合にナトリウムであった。 イオン交換プロセスを検出するためには適当な電圧電位を使用しなければなら ず、以下のデータは、CEP電極を過渡電位波形ではなくて一定電位に接続して 得たものである。−1.00VDCの電位を3分間印加し、その後に、硝酸塩の 場合に電流ピーク高さに対するアノード(酸化)電位の作用を試験した。(硝酸 塩を選択した理由は、全ての電極に対する電圧電流図がこの媒体において良好に 定められたからである。)流れ注入分析を使用すると、得られる応答は、アノー ド電位の増加と共に増加したが、+0.6Vより正の電位においてポリマの劣化 が観察され、考慮すべき分析物に係わりなく全ての電極について同様の傾向が得 られた。 これらのデータは、一定電位の分析の場合に、約+0.4Vのアノード電位が 適度な感度を与えることを示唆した。更に、+0.4Vの電位では、ポリマがそ の酸化形態にある間に通常のイオン交換プロセスを受けるので、作用電極の寿命 が延びた。 図3は、図2Aの構成について得た測定電流応答を、+0.4Vに接続された PP/NO3電極、1Mグリシンキャリア、及び1.0mL/分の流量を用いて 検出セル36に注入された硝酸塩溶液濃度の関数として示している。図示された ように、2x10-5Mないし1x10-3Mの溶液濃度に対し測定電流に著しい差 がある。 選択された種に対し高い分析物濃度において得られる流れ注入分析校正曲線が 図4Aないし4Dに示されている。これらのデータは、図2Aの構成で得られた ものであり、キャリアは1Mのグリシンであり、流量は1.0mL/分でありそ して注入量は50μLであった。図4Aにおいて、PP/Cl(PP/塩化物) 電極が使用され、分析物はNO3及びCO32であった。図4Bにおいて、電極は PP/NO3でありそして分析物はCO32であった。図4Cのデータは、PP/ PO43電極及びCH3COO分析物に対して得られたものである。図4Dは、P P/DS電極を用いて、NO3及びPO43分析物に対して得られたものである。 図4Aないし4Dを更に参照すれば、低い濃度においては、おそらく信号発生 のメカニズムが媒体の低いイオン強度によって歪められるために、得られる校正 曲線がほとんど非直線的であった。このため、検出範囲は、10-5M領域に限定 された。 以下のテーブルIは、上記校正曲線の直線部分から得られた分析物イオン感度 を示している。 テーブルIにおいて、かっこのないデータは、アンドープせずに一定の+0. 4VDCを用いて得た感度を表し、一方、かっこ内のデータは、+0.4Vない し−1.0Vの範囲の60msパルスを用いて得た感度を示している。従って、 テーブルIに示すように、パルス動作により、試験した全てのイオンに対し感度 が改善された。 次いで、電極感度を変えるために、界面活性剤を含む溶離液、即ちドデシル硫 酸ナトリウム(DSD)をキャリアとして使用した。曲線の直線部分から感度を 得、テーブルIIに示した。 テーブルIIにおいて、かっこのないデータは、アンドープせずに一定の+0 .40VDCを用いて得た感度を表し、一方、かっこ内のデータは、+0.4V ないし−1.0Vの範囲の60msパルス及び0.1MのDSをキャリアとして 用いて得た感度を示している。 特に、感度比のような感度係数変化を考慮するときには、どのキャリアを使用 するかによって得られる一連の感度に影響が及ぶことに注意されたい。塩化ポリ ピロール(PP/Cl)がグリシン内に含まれた状態では、硝酸塩/燐酸塩は、 6.8の感度係数を示すが、SDSキャリアを用いると、2.5の感度係数が生 じる。しかしながら、SDSを用いると、硝酸塩/アセテートの比は8.4であ るが、グリシンを用いると、この比は1.3に過ぎない。同様に、ポリピロール ドデシル硫酸塩(PP/DS)の作用電極の場合には、硝酸塩/燐酸塩感度係数 は、グリシンにおいて1.2に過ぎないが、SDSキャリアにおいては9.2で ある。 このキャリアの依存性は、分析物とCEPとの間のイオン交換が、観察される 信号に貢献するという本出願人の仮説を支援すると思われる。これは、キャリア イオンが使用できる場所に対して競合し、選択度を変更するためであると思われ る。更に、このキャリア導電率においては、分析物が注入されたときに差がほと んどなくなる。例えば、0.1Mのドデシル硫酸ナトリウムの比コンダクタンス は、5.78mSであるが、0.01Mの硝酸ナトリウムについては、比コンダ クタンスが4.23mSとなる。得られた校正曲線の形状は、グリシンを溶離液 として用いて得られるものと同様であり、検出範囲は、10-5Mの範囲に限定さ れた。 パルス状の電位波形をCEP作用電極に接続して使用することにより検出信号 が増幅されると考えられる。というのは、分析物が存在する場合に、ポリマが連 続的に酸化及び還元される(付随するアニオン又はカチオン交換が促進されるよ うにして)からである。グリシン媒体を用いたときでも、本発明は、電圧パルス がCEP作用電極に接続されたときに検出感度の増加を生じる。例えば、テーブ ルI及びIIにおいて、グリシン及びSDSキャリアについて各々得られた感度 に注意されたい。 特に関心をもつべきは、相対的な感度、ひいては、得られる選択度係数の変化 である。これは、CEP作用電極にパルス状の電位を印加したときに、カチオン (又はアニオン)の組み込み/追放が信号発生プロセスにおいて主たる役割を演 じることができるからであると推測される。例えば、カチオンは、負の電位でC EPに組み込めるが、次いで、正の電位においてCEPから追放される。 このように、電圧がCEP電極に接続されたときの本発明に関連した組み込み /追放プロセスは、好都合にも見掛け上可逆の性質であるように推移する。これ は、もちろん、電極の汚染や感度の低下や校正ずれやヒステリシスやが一般的で あった公知技術で経験されたものとは対照的である。テーブルIIのデータは、 SDSキャリアと共にパルス状電位を使用すると、一般に、より大きな作用が感 度に及ぶことを示唆している。更に、SDSキャリアにおいてCEP作用電極に パルス状電位を接続して使用すると、感度の変化を誘起することができる。 例2 マイクロサイズのCEP電極を用いた流れ注入分析において電気的に不活性な イオンをパルス式に電気化学的検出する。 上記したように、独特の信号発生メカニズムが、ポリピロールのようなCEP と共に存在すると考えられる。このメカニズムは、当該分析物と、イオンをポリ マに容易に組み込めないような適当なキャリアとの存在中でポリマの酸化/還元 によって信号を発生すると思われる。このとき、ポリマの酸化は、より容易に組 み込まれるイオン(分析物)の存在に基づき、そして酸化/還元の程度は、これ らの種の濃度に基づく。しかしながら、容易に組み込まれないアニオンと共にキ ャリアを使用すると、導電率の低いキャリアを使用することになるという点で、 窮地に陥る。公知の電気化学的セルでは、大きなオーミック(i・R)低下が生 じるのに伴い、印加電圧、ひいては、検出メカニズムに対する制御が失われる。 本発明においては、マイクロ電極(例えば、横方向寸法が50μmより小さい 電極)の使用に伴い、検出電流が小さくなり、ひいては、低導電率キャリアにお けるオーミックi・R低下が小さなものとなる。従って、パルス電圧源(例えば 電圧発生器44)に接続されたCEPマイクロ電極は、オーミック低下を著しく 減少する。これは、次いで、良好なポテンショスタティック制御を達成する際の 歪みを最小にする。 更に、CEPマイクロ電極は、低いキャパシタンス値に関連し、これは、信号 対雑音比を効果的に改善することができる。 ポリピロール電極は、直径が10μmないし50μmの範囲の白金電極上に水 溶液からピロールモノマ(0.5M)をガルバノスタティック重合化することに より作成された。重合化のための反対イオン溶液は、1Mの塩化ナトリウム、1 Mの燐酸三ナトリウム及び0.1Mのドデシル硫酸ナトリウムを含むものであっ た。 2mA/cm2の電流密度を使用しそしてポリピロールを10分間付着した。 PP/Cl、PP/DS又はPP/PO4の成長がマクロ電極に対して既に報告 したものと同様になった後に、繰り返しの電圧電流図(CV)を記録した。良好 に定められた酸化/還元応答が観察され、これらの応答に対応する電圧の大きさ 及びそれにより得られる電流の大きさは、それを支持する電解質の性質によって 左右される。各々の場合に、マイクロ電極の電流の大きさは、マクロ電極から与 えられる電流よりも低く、PP/PO4では電流が著しく小さくなる。 図5A及び5Bを参照すれば、種々のアニオンに対しグリシンにおいて繰り返 しの電圧電流図が得られ、このCVは、ポリマが最初に塩化物媒体において繰り 返し動作されるとすれば、良好に定められた酸化及び還元応答を示す。パルス状 の流体力学電圧電流図(PHD)がグリシン媒体において記録され、この場合に 初期電位(Ei)は約0.4Vに一定に保持され、そして最終電位(Ef)は変 化された。図5A及び5Bは、NaNO3分析物、5x10-2Mに対するこのよ うなデータを1mL/分の流量において示しており、x軸はEfでありそしてy 軸は検出電流である。実験において、ti=60ms、tf=60msであり、 電流はtiの終わりにサンプリングされ(例えば、60msサンプリング点)、 検出器の応答時間は350msである。これらのデータは、より負の電位へのパ ルス動作が、明らかにポリマの可逆のドーピング/デドーピングにより、いかに 感度を高めるかを示している。 Efが0.2Vに増加されたときに信号強度が増加した。0.2ないし−0. 6Vでは、信号強度は平坦であるが、更に負の電位では、おそらくカチオンが組 み込まれることにより再び増加した。本発明は、マイクロサイズのCEP電極を 用いて容易に達成される電位範囲を使用して効率的なパルス状の電気化学的制御 を与えることが明らかである。これは、アニオン及びカチオンをポリマに組み込 むことができるようにし、従って、本発明を用いてカチオン又はアニオンを検出 する能力が与えられる。 図6は、図2Aに示された流れ注入分析システムを用いてマイクロサイズのC EP電極データを収集するのに使用される変形検出セル60を示すもので、この 場合には、グリシン又は水がキャリア溶液として使用される。このように、検出 セル60は、図2Aに示されたセル34の1つの実施形態である。 図6を参照すれば、検出セル本体自体の上部62は、反対電極(例えば、図2 Aの電極40)として働き、該電極への電気的接触はワイヤ64によってなされ る。保持部66は、基準電極(例えば、図2Aの電極38)を保持し、該電極へ の電気的接触はワイヤ68によってなされる。図示されたように、上部領域62 は、被検査溶液を通す流体入口ポート84及び流体出口ポート86を画成する。 図6の実施形態において、セル部分62は、カリフォルニア州、サニーベールの ジオネクス社から入手できるジオネクス薄層電気化学セル、モデル番号3775 2である。 検出セル60は、更に、ガラスを25%含む3.7cmx2.3cmx1.2 cmのTeflon(登録商標)ブロックで形成された下部72も備えている。 約0.178mm厚みのTeflon(登録商標)材料で形成されたスペーサ7 4が部分62と72との間に配置され、約0.5mm巾の流れチャンネル76を 画成する。下部の中央には、保持器78を受け入れるために直径0.6cmの穴 が開けられ、保持器78は、白金ワイヤコアCEP作用電極80(例えば、図2 Aの電極36)を保持する。CEP電極80への電気的接触はワイヤ82を経て 行われる。 図6のこの構成は、電極保持器のためのねじ嵌合を与え、従って、電極の取り 外し及び交換を容易にする。図示された検出セルの構成は、例えば、ガラスカー ボンや、金や、カーボンペーストのような他の作用電極材料で製造するように容 易に適用することができる。 図2Aの構成を使用し、図示されたファラデーカーゴ内で測定を行うようにし て、硝酸塩、塩化物、炭酸塩、燐酸塩、アセテート及びドデシル硫酸塩のナトリ ウム塩の電気化学的検出を行った。電圧発生器44は、+0.4Vないし−1. 0Vの範囲のパルスを発生し、正のパルスの終わりに電流をサンプリングした。 PP/Clを1mL/分の溶離液(キャリア)流量で使用した。全てのイオンに 対し、良好に定められた応答が観察され、その検出限界をテーブルIIIに要約 する。テーブルIIIにおいて、Eiは、ti=60msに対して+0.4VD Cであり、そしてEfは、tf=60msに対して−1.0VDCであり、Ei パルスの終わりに電流サンプルが取り出された。 テーブル3に要約されたデータに関しては、試験した範囲、例えば、検出限界 から1x10-2M塩まで、応答が直線的であった。校正曲線は、PP/PO4マ イクロ電極及びグリシン溶離液を使用してアニオンについて図7Aに示されてお り、そして蒸留水を溶離液として用いてPPClマイクロ電極について図7Bに 示されている。テーブルIVは、マイクロ電極及びグリシンをキャリアとして用 いてこれらの校正曲線から得た感度(nA/nMol)を要約したものである。 図7A及び7Bのデータは、1.0mL/分の流量、Ei=+0.4V、Ef= −1.0V、ti=tf=60msにおいて得られたものである。 テーブルIVにおいて、かっこ内の値は、マクロ電極を用いてパルス式電気化 学的検出で得た感度を表し、NDは、「検出されず」を指し、そしてその他の実 験条件は、テーブルIIIについて上記した通りである。 図8は、上記構成で得られた一連の流れ注入分析システム応答を示しており、 ピーク電流が異なる硝酸ナトリウム濃度について時間の関数としてプロットされ ている。 例3−CEP電極及び抑制器を用いたイオンクロマトグラフィー分析において 電気的に不活性なイオンをパルス式に電気化学的検出する。 この例では、抑制装置を用いた従来のイオンクロマトグラフィーシステムに、 3mm白金基板PP/ClのCEP電極(その製造は前記した通りである)及び パルス式電気化学的検出機構が設けられた。図9は、このシステムの概略を示す もので、溶離液90は、ポンプシステム92により噴射バルブ94に通される。 分離モードメカニズム96及び検出モードメカニズム98が設けられ、その後に データサービス100が設けられる。CEP電極をもつ本発明のパルス式電気化 学的検出器と、従来の抑制式導電率検出との比較を、検出メカニズム98に関連 して電気化学セルの下流に導電率セルを設けることにより行うことができる。 図10Aにおいて、約60ms間0Vで、次いで、60ms間+0.5Vで、 次いで、60ms間−1.5Vで、次いで、60ms間0Vに戻り、等々となる 電圧波形を印加した。図10Aのデータに対して使用した電流サンプリング周期 は、70ないし160msであり、図10Bの場合には、電流サンプリング周期 が80ないし160msであった。 炭酸ナトリウム及びナトリウムキャリアを分離に使用した。抑制器を通過した 後に、キャリアは、低導電率キャリア(16μS/cm)をもつ炭酸に変換され た。以下に述べる図10Aないし図10Cにおいて、番号1ないし6は、F-、 Cl-、Br-、NO3 -、PO4 3-及びSO4 21を各々示している。 図10Cは、このシステムから得た典型的なクロマトグラムを示し、カラムは IonPac AS4ASCで、キャリアは1.8mM Na2CO3、1.7m M NaHCO3で、流量は2.0mL/分で、そして注入量は20μLである 。抑制装置は、カリフォルニア州サニーベールのジオネクス社から入手できるA MMS IIで、0.012M H2SO4M Hl22SO4の再生液及び導電 率検出器(CDM II)を用いたものである。 パルス式電気化学的検出を使用して、図10A及び10Bに示すデータを得、 パルスシーケンス及び電流サンプリング点は、検出器の応答に非常に大きな作用 を及ぼすと思われた。例えば、電流サンプリング点を10msだけ変えると、硫 酸塩のピークが反転した。この現象は、この検出技術の選択性を示している。例 えば、図10Aと同じ構成を用いてデータが得られた図10Bを参照されたい。 又、導電率検出クロマトグラムに比して硝酸塩に対する相対的なピーク高さの差 にも注意されたい(導電率検出データを示す図10Cを参照されたい)。ほとん どの分析物の検出範囲は、導電率検出に比較し得る低いppb範囲である。デー タの直線性は、イオンクロマトグラフィーシステムについては典型的であって、 即ち約3桁の大きさに及ぶ。 非常に低い導電率のキャリアにおいてCEP電極をテストするために、水酸化 ナトリウムキャリアを用いてアニオンの勾配分離を行った。この場合に、水酸化 ナトリウムは抑制装置において水に変換され、背景導電率は1ないし4μSであ り、そしてアニオンは酸の形態に変換された。図11は、図10Aについて述べ た検出条件を用いて検出された無機及び有機アニオンの勾配分離を示している。 図11に示された番号1ないし16は、ピーク識別番号である。この例は、パル ス式電気化学的検出に組み合わされたCEP電極が広い範囲のイオンを検出でき ることを示している。 例4−CEPを含む抗体を用いてタンパク質をパルス式電気化学的検出する。 次の実施形態は、CEPのドーピング−デドーピングを伴うものでないが、他 の測定に対してCEPによるパルス式電気化学的検出の効果を示すものである。 この実施形態は、抗体(Ab)を使用して、電気化学的感知においてこれまで得 られなかった選択度を与えるものである。 対応する抗原(Ag)に対する抗体(Ab)の固有の分子確認能力は、本発明 において非常に有用である。前記したように、公知技術では、抗体−抗原相互作 用に応答して有用な再現性のある信号を発生することは困難であり或いはAb− Ag相互作用の後にCEP作用電極を再使用できるようにすることは困難である と分かっている。 ここに述べる本発明の実施形態では、所望のAbがCEP作用電極の表面に接 合された。次いで、作用電極を流れ注入分析システムに使用し、図2Aの発生器 44のようなパルス電圧源に接続することができる。 ポリピロールの抗人血清アルブミン(AHSA)をテストケースとして使用し た。0.5mA/cm2の電流密度を用いて白金基板上に100ppmのAHS A溶液を含む水溶液からピロールモノマ(0.5M)をガルバノスタティック的 に電気重合化することによりポリピロール/AHSA作用電極を作成した。繰り 返しの電圧計則により、通常のポリマ酸化/還元プロセスが生じることが確認さ れた。この技術において従来そうであったのと同様に、抗体を含むCEP電極を HSAに曝したときには繰り返し電圧計測の変化は生じない。 流れ注入分析システムを用いて、PP/AHSAを流れにおいてテストした。 このシステムは、最初、+0.6VDCの一定電位でテストした。このDC電位 では、HSAの注入について分析応答を得ることができるが、感度が悪く、検出 範囲は25ppmに過ぎない。更に、おそらくは一定の印加電位ではAb−Ag の相互作用が不可逆であることにより末尾のピークを生じるために、形成された 応答に影響が生じた。 次いで、パルス式電気化学的波形を使用した実験を行い、PP/AHSAを用 いて分析信号を発生した。対称的な120ms巾のパルスを用いて、パルス状の 電位の流体力学的電圧電流図が得られた。初期電位(Ei)を、Ab−Ag相互 作用が促進される範囲である+0.4VDCに維持した。E2の大きさを−0. 4Vないし+0.90Vの間で変え(図12A参照)、電流のサンプリングは、 常に、E2の端で行った。 更に正の電位へのパルス動作は、電位と共に増加しない小さな信号を生じた。 しかしながら、電位が0.0VDCに対して負にパルス動作されると、信号の大 きさが増加した。しかし、負の電位範囲がそれ以上低下すると、応答は減少され た。手短に述べると、パルス電位の使用により、得られる応答の大きさは著しく 増加した。この増幅は、パルス動作の際に得られる容量静電流が増加し且つパル ス動作がおそらく多数のAb−Ag相互作用を誘起することによると思われる。 これらの初期及び最終電位状態を用いて、得られる応答に対するパルス巾の影 響を考察した(Ei=0.4V及びEf=−1.0Vの図12Bを参照)。感度 は、パルス巾を60msから120msへ増加したときには著しく増加したが、 パルス巾をそれ以上増加しても僅かに増加するだけであることが分かった。60 msから120msへのパルス巾における感度の変化は、Ab−Ag相互作用の 運動エネルギーが信号発生において演じる役割を強調する。 実際上の目的として、充分な感度及び分解能を与えることから230msのパ ルス巾が使用された。典型的な応答が図13Aに示されており、パルス波形は、 E1=+0.4V、E2=0.00V、t1(又はTa)=120ms、そして t2(又はTb)=120msである。図13Aは、種々の濃度でのHSAの注 入を比較したものである。図13Bは、校正曲線を示しており、検出された信号 が実際にAb−Ag相互作用によるものであることを確認するために白金及びP P/NO3に対するブランク校正曲線も得られている。 得られた応答の再現性は、5ppmないし50ppmタンパク質の範囲におい て充分なものであり(例えば、10回の注入に対し+5%)、検出限界は約0. 5ppmであった。 要約すれば、上記の実施形態は、PP/AHSAを用いたHSAのための検出 方法であって、流れ注入分析システムにおいてパルス式電気化学的検出を行う迅 速で、高感度で且つ再現性の良い検出方法が実現されたことを実証している。こ こに述べたシステムは、直接的な電気化学的な免疫学的検定に従来関連していた 多数の実際的な問題を克服し、そして他のAb−Agシステムに特に有用なもの である。 請求の範囲に規定する本発明の要旨及び精神から逸脱せずに、ここに開示した 実施形態に修正や変更がなされ得ることを理解されたい。
【手続補正書】 【提出日】1995年9月5日 【補正内容】請求の範囲 1.溶液内の目標分析物を検出する方法において、 (a)導電性の電気的に活性のポリマを含む電極に上記溶液を露出させ、 (b)上記電極に周期的な交流電圧を接続し、そして (c)上記電極に流れる電流を時間及び上記交流電圧の関数として測定して、 上記溶液内の上記目標分析物を検出し、 上記電極の特性を上記目標分析物に曝す際に変更して、上記電極に流れる電流 を変化させるようにしたことを特徴とする方法。 2.上記段階(b)において、上記交流電圧は、上記電圧が上記電極を酸化さ せる少なくとも酸化時間間隔と、上記電圧が上記電極を僅かに酸化させ及び/又 は還元させる還元時間間隔とを含んだ周期を有している請求項1に記載の方法。 3.上記交流電圧は、(i)分析物による電極の汚染を最小にし、(ii)分析 物に対する電極の検出感度を向上し、(iii)所望の分析物グループに対する選 択度を向上し、(iv)所望の分析物に対する選択度を向上し、(v)検出された データにおけるヒステリシス作用を実質的に排除し、そして(vi)上記周期的交 流電圧が非対称である、ことより成る群から少なくとも1つの基準を満たすよう に選択されたデューティサイクル及び周期を有する請求項2に記載の方法。 4.上記目標分析物はアニオンであり、そして 上記目標分析物は、上記酸化時間間隔の少なくとも一部分中に上記電極に可逆 に付着する請求項2に記載の方法。 5.上記目標分析物はカチオンであり、そして 上記目標分析物は、上記還元時間間隔の少なくとも一部分中に上記電極に可逆 に付着する請求項2に記載の方法。 6.上記段階(c)において、上記電流は、(i)上記電圧の印加に関連した ファラデー電流、(ii)上記電極への上記分析物の移動に関連した電流、そして (iii)上記目標分析物とは逆の電荷のイオンが上記電極へ移動することに関連 した反対電流、より成る群から選択された少なくとも1つの成分を含む請求項1 に記載の方法。 7.不動化受容体に対して付着親和性を有する結合可能な目標物質を検出する 方法において、 (a)結合可能な目標物質に結合し得る不動化受容体を含む導電性の電気的に 活性なポリマ層を有する電極を形成し、 (b)結合可能な目標物質を含む水溶液に上記電極を接触させ、 (c)上記電極に周期的な交流電圧を接続し、そして (d)上記電極に流れる電流を時間及び上記交流電圧の関数として測定して、 上記不動化受容体への上記結合可能な目標物質の付着が生じたかどうか決定し、 上記不動化受容体と上記結合可能な目標物質との間の付着の際に上記電極の少 なくとも1つの特性を変えて、上記電極に流れる電流を変化させることを特徴と する方法。 8.上記不動化受容体は、(i)抗体、(ii)抗原、(iii)ハプテン、(iv )DNA、(v)RNA及び(vi)酵素より成る群から選択される請求項7に記 載の方法。 9.上記段階(c)において、上記交流電圧は、上記電圧が上記電極を酸化さ せる少なくとも酸化時間間隔と、上記電圧が上記電極を僅かに酸化させ及び/又 は還元させる還元時間間隔とを含んだ周期を有している請求項7に記載の方法。 10.上記交流電圧は、(i)電極の汚染を最小にし、(ii)電極の検出感度 を向上し、(iii)選択度を向上し、(iv)上記不動化受容体と上記結合可能な 目標物質との間の付着の可逆性を促進し、(v)上記電圧の関数としての上記電 流の繰り返し測定におけるヒステリシスを実質的に排除し、そして(vi)上記交 流電圧が非対称である、ことより成る群から少なくとも1つの基準を満たすよう に選択されたデューティサイクル及び周期を有する請求項7に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI G01N 30/64 C 7363−2J (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,GE,HU,JP,KG,KP,KR,KZ,LK ,LU,LV,MD,MG,MN,MW,NL,NO, NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SI,S K,UA,US,UZ,VN (72)発明者 ウォーレス ゴードン オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ ウーロンゴング フランシス スト リート 35 (72)発明者 サディク オモウンミ アモク オーストラリア ニュー サウス ウェー ルズ 2500 キーラヴィル ピーオーボッ クス 19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.溶液内の目標分析物を検出する方法において、 (a)導電性の電気的に活性のポリマを含む電極に上記溶液を露出させ、 (b)上記電極に周期的な交流電圧を接続し、そして (c)上記電極に流れる電流を時間及び上記交流電圧の関数として測定して、 上記溶液内の上記目標分析物を検出し、 上記電極の特性を上記目標分析物に曝す際に変更して、上記電極に流れる電流 を変化させるようにしたことを特徴とする方法。 2.上記段階(b)において、上記交流電圧は、上記電圧が上記電極を酸化さ せる少なくとも酸化時間間隔と、上記電圧が上記電極を僅かに酸化させ及び/又 は還元させる還元時間間隔とを含んだ周期を有している請求項1に記載の方法。 3.上記交流電圧は、(i)分析物による電極の汚染を最小にし、(ii)分析 物に対する電極の検出感度を向上し、(iii)所望の分析物グループに対する選 択度を向上し、(iv)所望の分析物に対する選択度を向上し、(v)検出された データにおけるヒステリシス作用を実質的に排除し、そして(vi)上記周期的交 流電圧が非対称である、ことより成る群から少なくとも1つの基準を満たすよう に選択されたデューティサイクル及び周期を有する請求項2に記載の方法。 4.上記目標分析物はアニオンであり、そして 上記目標分析物は、上記酸化時間間隔の少なくとも一部分中に上記電極に可逆 に付着する請求項2に記載の方法。 5.上記目標分析物はカチオンであり、そして 上記目標分析物は、上記還元時間間隔の少なくとも一部分中に上記電極に可逆 に付着する請求項2に記載の方法。 6.上記段階(c)において、上記電流は、(i)上記電圧の印加に関連した ファラデー電流、(ii)上記電極への上記分析物の移動に関連した電流、そして (iii)上記目標分析物とは逆の電荷のイオンが上記電極へ移動することに関連 した反対電流、より成る群から選択された少なくとも1つの成分を含む請求項1 に記載の方法。 7.上記段階(c)において、上記電圧は、(i)1つの周期内で約+2VD Cから約−2VDCへと変化する電圧の大きさ、(ii)約50msないし約25 0msの周期、(iii)上記電圧が上記電極を酸化させるところの約10msない し約50msの範囲の第1時間間隔を含む周期、そして(iv)上記電圧が上記電 極を再酸化させるところの約10msないし約50msの範囲の第2時間間隔を 含む周期、より成る群から選択された少なくとも1つの特性を有する請求項1に 記載の方法。 8.上記電圧は、上記電圧の関数として上記電流の繰り返し測定におけるヒス テリシスを実質的に排除する波形を有する請求項1に記載の方法。 9.上記の溶液は、(i)流れ注入分析システムからの出力に関連した流れ、 (ii)液体クロマトグラフィーからの出力に関連した流れ、(iii)イオンクロ マトグラフィーからの出力に関連した流れ、そして(iv)毛細管電気泳動システ ムからの出力に関連した流れ、より成る群から選択される請求項1に記載の方法 。 10.不動化受容体に対して付着親和性を有する結合可能な目標物質を検出す る方法において、 (a)結合可能な目標物質に結合し得る不動化受容体を含む導電性の電気的に 活性なポリマ層を有する電極を形成し、 (b)結合可能な目標物質を含む水溶液に上記電極を接触させ、 (c)上記電極に周期的な交流電圧を接続し、そして (d)上記電極に流れる電流を時間及び上記交流電圧の関数として測定して、 上記不動化受容体への上記結合可能な目標物質の付着が生じたかどうか決定し、 上記不動化受容体と上記結合可能な目標物質との間の付着の際に上記電極の少 なくとも1つの特性を変えて、上記電極に流れる電流を変化させることを特徴と する方法。 11.上記不動化受容体は、(i)抗体、(ii)抗原、(iii)ハプテン、(i v)DNA、(v)RNA及び(vi)酵素より成る群から選択される請求項10 に記載の方法。 12.上記段階(c)において、上記交流電圧は、上記電圧が上記電極を酸化 させる少なくとも酸化時間間隔と、上記電圧が上記電極を僅かに酸化させ及び/ 又は還元させる還元時間間隔とを含んだ周期を有している請求項10に記載の方 法。 13.上記交流電圧は、(i)電極の汚染を最小にし、(ii)電極の検出感度 を向上し、(iii)選択度を向上し、(iv)上記不動化受容体と上記結合可能な 目標物質との間の付着の可逆性を促進し、(v)上記電圧の関数としての上記電 流の繰り返し測定におけるヒステリシスを実質的に排除し、そして(vi)上記交 流電圧が非対称である、ことより成る群から少なくとも1つの基準を満たすよう に選択されたデューティサイクル及び周期を有する請求項10に記載の方法。 14.上記段階(d)において、上記交流電圧は、(i)1つの周期内で約+ 2Vから約−2Vへと変化する電圧の大きさ、(ii)約50msないし約250 msの周期、(iii)上記電圧が上記電極を酸化させるところの約10msない し約50msの範囲の酸化時間間隔を含む周期、そして(iv)上記電圧が上記電 極を再酸化させるところの約10msないし約50msの範囲の還元時間間隔を 含む周期、より成る群から選択された少なくとも1つの特性を有する請求項10 に記載の方法。 15.上記段階(b)において、上記溶液は、(i)流れ注入分析システムか らの出力に関連した流れ、(ii)液体クロマトグラフィーからの出力に関連した 流れ、(iii)イオンクロマトグラフィーからの出力に関連した流れ、及び(iv )毛細管電気泳動システムからの出力に関連した流れ、より成る群から選択され る請求項10に記載の方法。
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