JP4124830B2 - 分析物の検出のための電気的方法 - Google Patents

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Description

関連発明との関係
本件は出願番号60/049,489(1997年6月12日出願)の継続出願である。
発明の分野
本発明は、分析方法および分析機器に関し、特に、AC技術などの電子的技術を用いて生体分子を含む分析物を検出することに関する。
発明の背景
液体または気体中の特異的な物質の存在および/または濃度を検出することについては、多くのアッセイまたはセンサーが知られている。これらの多くは、検出のためのメカニズムとして特異的な配位子/抗配位子の反応によっている。すなわち、対の物質(言いかえると、結合対や配位子/抗配位子)は、互いに結合するが、他の物質とはほとんどまたはまったく結合しないことが分かっている。多くの技術において複合体の検出にこれらの結合対が使用されてきた。一般的な方法としては、複合体の1つの成分をなんらかの方法で標識し、複合体全体を検出する。例えば、放射性同位体、蛍光物などの光学活性分子、酵素などを用いる。
他のアッセイは検出に電子的シグナルを用いる。とくに興味深いのはバイオセンサーである。少なくとも2種のバイオセンサーが知られている。酵素を基とする代謝性バイオセンサーと、結合性すなわちバイオ親和性センサーである。参照、例えば、米国特許4,713,347; 5,192,507; 4,920,047; 3,873,267およびこれらの特許に開示の文献。これらの既知センサーのいくつかは交流電流(AC)を利用しているが、この技法は、バルク(または誘導)インピーダンスの相違を検出することに限定され、溶液中の仲介物を利用して電極間で電荷を移動せしめる。
最近、直接検定すなわち仲介物を用いない検出のために結合配位子と電極との非常に短い連結を使用しようとするいくつかの暫定的な報告がなされている。参照、Loetzbeyer et al., Bioelectrochemistry and Bioenergetics 42: 1-6(1997); Bioelectrochemistry and Bioenergenics 42: 7-13(1997)。
さらに、金などの表面での共役結合オリゴマーの自己集合した単層について、いくつかの報告がある。参照、例えば、Cygan et al., J. Am. Chem. Soc. 120:2721(1998)。
さらに、2層集合を用いる受容体−配位子相互作用の直接比色検出について報告がある(Charych et al., Science 261: 585(1993))。
これらのことを考慮して、本発明の目的は、AC技法を用いる標的分析物の検出について新しい方法と組成物を提供することである。
発明の概要
上記の目的からして、本発明は、レドックス活性分子と分析物とを含む試験サンプル中の標的分析物を検出する方法を提供する。この方法は、入力シグナルを試験サンプルに適用し,レドックス活性分子と分析物との結合の結果としてのシステムのファラデー・インピーダンスの変化を検出する。
更なる態様では、本発明は、レドックス活性分子と標的分析物に結合し得る結合配位子とを含有するレドックス活性複合体に標的分析物を結合し、次いでレドックス活性分子と標的分析物(もし存在すれば)との結合の結果としてのシステムのファラデーインピーダンスの変化を検出する方法を提供する。
この方法は、第1入力シグナルを該レドックス活性複合体に適用することをさらに含む。入力シグナルは交流素子および/または直流素子を含み得る。
さらなる態様において、本発明は、試験サンプル中の分析物を検出するための装置を提供する。この装置は、試験室を含み、その室は少なくとも第1および第2測定電極を有する試験室(ただし該第1測定電極は分析物に共有結合される結合配位子を含む)および試験室に電気的に連結された交流/直流の電圧源を含む。
さらなる態様において、本発明は、電極を含む金属イオンセンサーを提供する。この電極は、自己集合した単層、および導電性オリゴマーを介して電極に共有結合した少なくとも1つの金属イオン配位子すなわちキレートを含む。
【図面の簡単な説明】
図1は、置換基を有する芳香基を含む導電性ポリマーの合成の概要を示す。導電性オリゴマーは、各フェニル環に単一のメチルR基を有するフェニル-アセチレンの構造5オリゴマー(他のオリゴマーも使用できる)であり、この明細書に記載の通り金電極に連結するためにエチルピリジン保護基で末端が終了している。
図2は、標準的な結合反応を用い、タンパク質結合配位子(この場合は抗体)に対するRAM(この場合はフェロセン)を含有のレドックス活性複合体の合成概要を示す。当業者は理解するように、適当なアミンを含むタンパク質または適当なアミンを含むように誘導され得るタンパク質の何れかを、この方法に加えることができる。また、アミンはRAMに加えることができ、BLはカルボン酸を含む。同様に、この図はRAM(フェロセン)の連結を示しているが、タンパク質性結合配位子への連結のために、末端がカルボン酸(またはアミン)で終了している導電性オリゴマーで同様の反応が行える。さらに、示してはいないが、下記の通り“Z”リンカーを成分間に加えることができる。
図3は、システム3型センサーの合成の概要を示し、RAM(この場合はフェロセン)のレドックス活性複合体を含有する導電性オリゴマーを、結合配位子(この場合はビオチン誘導体)とともに含む。多くの他のRAMおよびBLを使用し得る。さらに、下記の通り“Z”リンカーを成分間に加えることができる。図2に示すように、標準的な結合剤(カルボジイミド)を用いると、事実上何れのアミン-またはカルボン酸-含有部分も連結する。導電体オリゴマーの最初のサブユニットを用い、その後、次のサブユニットを加える。
図4は、本発明のセンサーを示し、薬剤に対する抗体の検出を目的とする。抗原抗体結合を伴う患者のサンプルの導入すると、RAMの状況が変化し、シグナルの変化が検出される(すなわち、ファラデー・インピーダンスの変化)。RAMのレドックス・電位が変化するか、またはシグナルの増加もしくは変化が生じ得る。当業者は理解するように、この場合の薬剤を事実上何れの結合配位子とも置換えることができる。さらに、この反応型は標準的な競合型アッセイとして行い得る。
図5A、5Bおよび5Cは、幾つかの実施可能なイオンセンサーを示す。Li+、Mg+2またはNa+のようなイオンの結合は、クラウンエーテルの電子吸引性を変化させ、結合におけるシグナルに変化を及ぼして、フェロセンのレドックス電位を変化させることができる。
図6A、6B、6C、6Dおよび6Eは、本発明の金属イオンセンサーの態様を示す。図6Aは、単層のキレート金属イオン結合配位子(この場合はフェナントロリン)を示す。この配位子は後に金電極に連結されるものである。図6Bおよび6Cは、FeCl2非存在下(6B)および存在下(6C)のACスキャンを示し、鉄のレドックス電位のピークは約450mVである。図6Dは、Ru(NH34PyCl存在下の同一組成物を示し、ピークは約650mVである。図6Eは、K4FeII(CN)6の存在下の同一組成物を示し、ピークは同様に約650mVである。
発明の詳細な説明
本発明の対象は、交流電流(AC)(時に交流電圧(AV)ということがある)技法を用いる分析物の検出である。本発明の基となっているのは、レドックス活性分子の少なくとも1つのレドックス性質が標的分析物との結合の結果として変化し得ることである。理論に縛られるわけでないが、レドックス活性分子の環境における変化によってレドックス性質が変わるようである。すなわち、分析物がレドックス活性分子となんらかの方法で結合すると、レドックス活性分子の測定可能なレドックス性質が変化し、よって分析物の検出ができる。特に、測定可能なレドックス性質の比較的小さい変化を、種々の可能なバイオセンサーを用いてAC技法により検出できる。
レドックス活性分子のレドックス性質の変化は分析物との結合の結果である。これは、レドックス活性分子の配座またはアクセシビリティーに変化を起こし得る結合および/またはレドックス活性分子の局所的環境の変化(例えば、溶媒再編成エネルギーの変化)に基づいており、この両変化ともシステムのファラデーインピーダンスを変えて、特徴的な出力シグナル、すなわち標的分析物が不存在の場合と異なる出力シグナルを生み出す。
このように、本発明の対象は、分析物を結合した結果してのシステムのファラデーインピーダンスの変化を利用して、分析物を検出することである。“ファラデーインピーダンス”は、レドックス活性分子と電極と間のインピーダンスである。キャパシタンスの変化(例えば、表面またはバルク誘電キャパシタンスへの化合物の結合による)は、ファラデーインピーダンスの変化の定義に含まれない。ファラデーインピーダンスは、電極間のバルク溶液のインピーダンスであるバルクすなわち誘電インピーダンスとまったく異なる。多くの因子がバルクインピーダンスに作用しないファラデーインピーダンスを変えることがあり、また変えないこともある。本明細書に記載のように、システムのなんらかの動揺がファラデーインピーダンスの変化をもたらし、これがアッセイの基礎として働く。これには、限定するわけでないが、レドックス活性分子と電極との電子カプリングの変化(しばしば文献では、HABと示される);核再編成エネルギーλの変化(常に溶媒再編成エネルギーにより支配される);レドックス活性分子のE0の変化;システムにおけるレドックス活性分子の伝達インピーダンスの変化;システムにおけるレドックス活性分子のマス伝達インピーダンス;配位子または金属イオンの交換を含むレドックス活性分子の変化などがある。
ファラデーインピーダンスの変化に依存するシステムは、仲介物の使用に基礎をおく従来技術と相違している。すなわち、従来技術システムはレドックス活性分子と電極の間を電子が行き来するのに溶解性の仲介物を常に利用するものであるが、本発明では、一般的に導電性オリゴマーの使用を介してのレドックス活性分子と電極との直接的電子伝達に基礎がある。このように、本発明は、レドックス活性分子と電極とを電子的に仲介するのに働く可溶性仲介物なしに一般的に行われる。すなわち、レドックス活性分子(RAM)は、バルク拡散(体拡散)メカニズムに依存するというよりも、本発明の電極に直接連結している。ここでいう仲介物は、一般的に下記するように、同時還元剤および同時酸化剤と区別される。
一般的に、PCT US 97/20014(出典明示により全体を本明細書の一部とする)に記載の組成物および方法は本発明で利用される。
このように、本発明の対象は、試験サンプル中の標的分析物の検出である。
“標的分析物”、“分析物”およびその文法的等価語は、検出されるべきすべての分子、化合物または粒子を意味する。下記するように、標的分析物は好ましくは結合配位子に結合している。当業者はよく分かるように、多数の分析物を本発明で検出できる。基本的には、結合配位子がつくられるいずれの標的分析物も本発明方法を用いて検出できる。
適当な分析物には、生体分子を含む有機および無機の分子がある。好ましい実施態様において、分析物は、環境汚染物(農薬、殺虫剤、毒素などを含む);化学物質(溶媒、ポリマー、有機物質などを含む);医療用の分子(治療薬、濫用薬、抗生物質などを含む);生体分子(ホルモン、サイトカイン、タンパク質、脂質、炭水化物、細胞膜抗原およびレセプター(神経、ホルモン、栄養および細胞表面レセプター)またはそれらの配位子などを含む);細胞全体(原核細胞(病原性細菌のような)および哺乳類腫瘍細胞などの真核細胞を含む);ウイルス(レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、レンチウイルスなどを含む)ならびに胞子などである。特に好ましい分析物は、環境汚染物;核酸;タンパク質(酵素、抗体、抗原、成長因子、サイトカインなどを含む);治療薬および濫用薬;細胞ならびにウイルスである。
好ましい実施態様では、標的分析物は核酸ではない。同様に、好ましい実施態様では、グルコースではない標的分析物と、グルコースオキシダーゼを含有しないレドックス活性複合体とを用いる。
好ましい実施態様では、標的分析物はタンパク質である。当業者は理解するように、多くの潜在的なタンパク質性標的分析物があり、それらは本発明を用いて検出できる。“タンパク質”または文法的等価語は、タンパク質、オリゴペプチドおよびペプチド、誘導体および類似体(非天然で生ずるアミノ酸およびアミノ酸類似体を含むタンパク質を含む)ならびに擬似ペプチド構造物を意味する。側鎖は(R)または(S)配置の何れでもあり得る。好ましい実施態様では、アミノ酸は(S)すなわちL-配置となる。以下に考察する通り、タンパク質を結合配位子として使用するとき、サンプルの汚染物による変質を遅らすタンパク質類似体を利用することが望ましいかもしれない。
適当なタンパク質標的分析物には下記の(1)〜(4)が含まれるが、これらに限定されない。(1)免疫グロブリン、特にIgE、IgGおよびIgM、および特に治療的または診断的関連抗体、例えばヒトアルブミン、アポリポタンパク質(アポリポタンパク質Eを含む)、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、コルチゾール、α-フェトプロテイン、チロキシン、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、アンチトロンビンに対する抗体、薬剤(抗てんかん剤(フェニトイン、プリミドン、カルバリエゼピン、エトサクシミド、バルプロ酸およびフェノバルビトール)、心臓作用剤(ジゴキシン、リドカイン、プロカインアミドおよびジソピラミド)、気管支拡張薬(テオフィリン)、抗生物質(クロラムフェニコール、スルホンアミド)、抗うつ薬、免疫抑制剤、濫用薬(アンフェタミン、メタンフェタミン、カンナビノイド、コカインおよびオピエート)に対する抗体ならびに多くのウイルス(オルソミクソウイルス(例えばインフルエンザウイルス)、パラミキソウイルス(例えば呼吸器合胞体ウイルス、おたふく風邪ウイルス、はしかウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルス、レオウイルス、トガウイルス(例えば風疹ウイルス)、パルボウイルス(例えば痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス)、エンテロウイルス(例えばポリオウイルス、コクサッキーウイルス)、肝炎ウイルス(A、BおよびCを含む)、ヘルペスウイルス(例えば単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹、サイトメガロウイルス、EBウイルス)、ロタウイルス、ノーウォークウイルス、ハンタウイルス、アレナウイルス、ラブドウイルス(例えば狂犬病ウイルス)、レトロウイルス(例えばHIV、HTLV-Iおよび-II)、パポバウイルス(例えばパピローマウイルス)、ポリオーマウイルスおよびピコルナウイルスなどに対する抗体、および細菌(Bacillus属;Vibrio属、例えばV. cholerae;Escherichia属、例えば腸内毒素原性E. coli、Shigella属、例えばS. dysenteriae;Salmonella属、例えばS. typhi;Mycobacterium属、例えばM. tuberculosis、M. leprae;Clostridium属、例えばC. botulinum、C. tetani、C. difficile、C. perfringens;Cornyebacterium属、例えばC. diphtheriae;Streptococcus属、例えばS. pyogenes、S. pneumoniae;Staphylococcus属、例えばS. aureus;Haemophilus属、例えばH. influenzae;Neisseria属、例えばN. meningitidis、N. gonorrhoeae;Yersinia属、例えばG. lamblia、Y. pestis;Pseudomonas属、、例えばP. aeruginosa、P. putida;Chlamydia属、例えばC. trachomatis;Bordetella属、例えばB. pertussis;Treponema属、例えばT. palladiumを含む多様な病原性または非病原性目的原核生物を含む)に対する抗体;(2)下記のような酵素類(および他のタンパク質):心臓病の指標としてまたは処置に使用する酵素、例えばクレアチンキナーゼ、乳酸脱水素酵素、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、トロポニンT、ミオグロビン、フィブリノーゲン、コレステロール、トリグリセリド、トロンビン、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA);膵臓病の指標としての酵素、例えばアミラーゼ、リパーゼ、キモトリプシンおよびトリプシン;肝臓機能の酵素およびタンパク質、例えばコリンエステラーゼ、ビリルビンおよびアルカリホスファターゼ;アルドラーゼ、前立腺酸性ホスファターゼ、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ、ならびにHIVプロテアーゼのような細菌性およびウイルス性酵素;(3)エリトロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)のようなホルモンおよびサイトカイン(細胞レセプターの配位子の役割をする多くのもの)、インターロイキン(IL-1からIL-17を含む)、インシュリン、インシュリン様成長因子(IGF-1および-2を含む)、上皮細胞成長因子(EGF)、腫瘍成長因子(TGF-αおよびTGF-βを含む)、ヒト成長ホルモン、トランスフェリン、上皮細胞成長因子(EGF)、低密度リポタンパク質、高密度リポタンパク質、レプチン、VEGF、PDGF、繊毛神経栄養性因子、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、カルシトニン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、コトリソール、エストラジオール、卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、プロゲテロン、テストステロン;ならびに(4)他のタンパク質(α-フェトプロテイン、癌胎児抗原CEA)
更に、抗体で検出し得るいかなる生体分子もまた直接検出し得、すなわち、ウイルスまたは細菌の細胞、治療薬および濫用薬などの検出が直接行い得る。
適当な標的分析物は、炭水化物を含み、乳癌のマーカー(CA15-3,CA549,CA27.29)、抗原関連性ムチン様癌(MCA)、卵巣癌(CA125)、膵臓癌(DE-PAN-2)ならびに結腸直腸および膵臓癌(CA19,CA50,CA242)を含むが、これらに限らない。
好ましい標的分析物には、金属イオン、特に重金属および/または毒性金属、例えばアルミニウム、砒素、カドニウム、セレニウム、コバルト、銅、クロム、鉛、銀およびニッケルが含まれるが、これらに限定されない。
好ましい実施態様において、標的分析物をレドックス活性分子またはレドックス活性複合体に加える、すなわち導入する。“レドックス活性分子”すなわち“RAM”または“電子伝達部”すなわち“ETM”は、1以上の電子を可逆的に、半可逆的にまたは非可逆的に伝達できる化合物を意味する。用語“電子供与部”“電子受容部”および“電子伝達部”または文法的等価語は、特定の条件で電子伝達を可能にする分子を意味する。電子の供与体と受容体の能力は相対的なものと理解される。すなわち、ある実験条件では電子を失うことのある分子が、別の条件では電子を受容し得る。可能性のある電子供与部および電子受容部の数は非常に多く、電子伝達化合物についての従来技術に従い、本発明においては多数の化合物を用いることができる。好ましい電子伝達部には、限定するものでないが、遷移金属複合体、有機電子伝達部および電極がある。
好ましい実施態様において、電子伝達部は遷移金属複合体である。遷移金属は、原子が電子の部分的または完全な核を有する金属を含む。すなわち、原子番号21−30、39−48、57−80を有する元素およびランタノイドシステム列である。本発明で使用するのに適した遷移金属には、カドミウム(Cd)、銅(Cu)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、オスミウム(Os)、レニウム(Re)、白金(Pt)、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、タングステン(W)およびイリジウム(Ir)があるが、これらに限定されない。すなわち、第1列の遷移金属、白金属(Ru、Rh、Pd、Os、IrおよびPt)が、Fe、Re、W、MoおよびTcと共に好ましい。特に好ましいのは、ルテニウム、レニウム、オスミウム、白金、コバルトおよび鉄である。
遷移金属は、当業者には明らかであるように、一般的に“L”で表される種々の配位子との複合体をつくり、、適当な遷移金属複合体を形成する。適切な配位子は、2つのカテゴリー:(一般に文献ではシグマ(σ)供与体として表される)配位原子として(金属イオンに応じて)窒素、酸素、硫黄、炭素またはリン原子を用いる配位子と、(一般に文献ではパイ(π)供与体として表され、ここではLmと示す)メタロセン配位子などの有機金属配位子とに分類される。適切な窒素供与配位子は、当分野でよく知られており、NH2;NHR;NRR’;ピリジン;ピラジン;イソニコチンアミド;イミダゾール;ビピリジンおよびビピリジン置換誘導体;テルピリジンおよび置換誘導体;フェナントロリン類、例えば、4,7−ジメチルフェナントロリンおよびジピリドル[3,2−a:2’,3’−c]フェナジン(dppzと略す);ジビリドフェナジン;1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(hatと略す);9,10−フェナントレンキノンジイミン(phiと略す);1,4,5,8−テトラアザフェナントレン(tapと略す);1,4,8,11−テトラ−アザシクロテトラドデカン(シクラム(cyclam)と略す)およびイソシアニドがあるが、これらに限定されない。縮合誘導体を含む置換誘導体も使用できる。ある実施態様では、ポルフィリンとポルフィリンファミリーの置換誘導体が使用され得る。例えば、Comprehensive Coordination Chemistry, Ed. Wilkinson et al., Pergammon Press, 1987, Chapters 13.2(pp73-98), 21.1(pp.813- 898)and 21.3(pp915-957)参照、全て出典明示により本明細書の一部とする。
炭素、酸素、硫黄およびリンを用いる適切なシグマ供与配位子は当分野で知られている。例えば、適切なシグマ炭素供与体は、Cotton and Wilkenson, Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, 1988、出典明示により本明細書の一部とする、に記載されており、例えば38頁参照。同様に、適切な酸素配位子は、クラウンエーテル、水およびその他当分野で知られているものを含む。ホスフィンおよび置換ホスフィンも適している。Cotton and Wilkensonの38頁参照。
酸素、硫黄、リンおよび窒素供与配位子は、ヘテロ原子が配位元素として作用できるような方法で結合する。
好ましい態様において、有機金属配位子を使用する。レドックス部として使用する完全な有機化合物、および複素環式または環外置換基として供与体原子を有するδ−結合有機配位子との種々の遷移金属配位複合体に加えて、π−結合有機配位子との広範囲な遷移金属の有機金属化合物が利用可能である(Advanced Inorganic Chemistry, 5th Ed., Cotton & Wilkinson, John Wiley & Sons, 1988, chapter 26; Organometallics, A Concise Introduction, Elschenbrioch et al., 2nd Ed., 1992, VCH; およびComprehensive Organometallic Chemistry II, A Review of the Literature 1982-1994, Abel et al. Ed., Vol. 7, chapters 7, 8, 10 & 11, Pergamon Press参照、本明細書に明白に包含させる)。このような有機金属配位子は、シクロペンタジエニドイオン[C55(−1)]のような環状芳香族化合物、およびインデニリド(−1)イオンのような種々の環置換基および環融合誘導体を含み、これらはビス(シクロペンタジエニル)金属化合物(すなわち、メタロセン)のクラスを形成する;例えば、本明細書に包含させるRobins et al., J. Am. Chem. Soc. 104: 1882-1893(1982);およびGassman et al., J. Am. Chem. Soc. 108: 4228-4229(1986)参照。これらの中で、フェロセン[(C552Fe]およびその誘導体は、化学(引用して包含させるConnelly et al., Chem. Rev. 96: 877-910(1996))および電気化学(引用して包含させるGeiger et al., Advances in Organometallic Chemistry 23: 1-93; およびGeiger et al., Advances in Organometallic Chemistry 24: 87)電子伝達または“レドックス”反応で広範囲に使用されている基本的な例である。種々の第1列、第2列および第3列遷移金属のメタロセン誘導体は、レドックス部として可能性がある。他の適当な可能性のある有機金属配位子には、ビス(アレン)金属化合物およびその環置換および環融合誘導体を製造するためのベンゼンのような環状アレンが含まれ、この中でビス(ベンゼン)クロミウムが基本的な例である。他の、アリル(−1)イオンのような非環状π−結合配位子、またはブタジエンは、適当な可能性のある有機金属化合物を製造し、このような配位子すべてが、他のπ−結合およびδ−結合配位子と共に、金属と炭素の結合が存在する有機金属化合物の一般的クラスを形成する。このような化合物の種々のダイマーおよびオリゴマーの電気化学的研究は、レドックス部の候補物を付与するの可能性がある。化合物は架橋有機配位子および付加的非架橋配位子を有し、金属−金属形成を有するまたは有しない。
本明細書に記載のように、配位子の任意の組み合わせを使用し得る。好ましい組み合わせば:a)全配位子が窒素供与配位子である;b)全配位子が有機金属配位子である;そしてc)導電性オリゴマーの末端の配位子がメタロセン配位子であり、結合配位子により提供される配位子が、必要により他の配位子とともに窒素供与配位子であり、それらは窒素供与配位子またはメタロセン配位子のいずれか、またはその混合物である。
さらに、レドックス活性分子が結合配位子(リンカーを直接的または間接的に利用する)に連結し、またはレドックス活性複合体を形成するのに、レドックス活性分子が電極(詳しく下記するように、導電性オリゴマーなどのスペーサーをしばしば用いる)に連結するのに、あるいはレドックス活性分子が両者に連結するのに、遷移金属イオンの配位部位を使用するのが好ましい。例えば、レドックス活性分子が結合配位子に直接結びつくと、金属イオンの1、2またはそれ以上の配位部位がスペーサーにより占められて、レドックス活性分子が電極に連結する。
遷移金属錯体に加えて、他の有機電子供与体および受容体を本発明での使用し得る。これらの有機分子は、リボフラビン、キサンタン色素、アジン色素、アクリジンオレンジ、N,N’−ジメチル−2,7−ジアザピレニウムジクロライド(DAP2+)、メチルビオロゲン、臭化エチジウム、N,N’−ジメチルアントラ(2,1,9−def.6,5,10−d’e’f’)ジイソキノリンジクロライド(ADIQ2+)のようなキノン;ポルフィリン([メソ−テトラキス(N−メチル−x−ピリジニウム)ポルフィリンテトラクロライド]、バルラミンブルーBヒドロクロライド、ビンドシェドラーズ・グリーン(Bindschedler’s green);2,6−ジクロロインドフェノール、2,6−ジブロモフェノールインドフェノール;ブリリアント・クレスト・ブルー(3−アミノ−9−ジメチル−アミノ−10−メチルフェノキシアジンクロリド)、メチレンブルー;ナイル・ブルーA(アミノアフトジエチルアミノフェノキシアジンスルフェート)、インジゴ−5,5’,7,7,7’−テトラスルホン酸、インジゴ−5,5’,7−トリスルホン酸;フェノサフラニン、インジゴ−5−モノスルホン酸;サフラニンT;ビス(ジメチルグリオキサメート)−鉄(II)クロリド;インジュリン・スカーレット、ニュートラルレッド、アントラセン、コロネン、ピレン、9−フェニルアントラセン、ルブレン、ビナフチリル、DPA、フェノチアジゼン、フルオロアンテン、フェナンスレン、クリセン、1,8−ジフェニル−1,3,5,7−オクタテトラセン、ナフタレン、アセナフタレン、ペリレン、TMPDおよびこれらの化合物の類似体および置換誘導体を含むが、これらに限定されない。
一つの態様において、電子供与体および受容体は、当分野で既知のようにレドックスタンパク質である。しかし、多くの態様でのレドックスタンパク質は好ましくない。
特異的電子伝達部の選択は、下記に概説のように、使用する電子伝達検出のタイプに影響される。
いくつかの実施態様において、下記のように、レドックス活性分子は実際のところ検出されるべき分析物である。例えば、メタロ酵素やシトクロームなどのレドックス活性タンパク質を検出しようとするとき、このタンパク質はレドックス活性分子として働く。他方、いくつかの金属分析物、特に重金属は一般的にキレート配位子とともにレドックス活性分子として働き得る。参照、例えば図6。
一般的に、標的分析物はレドックス活性複合体と結びつく。“レドックス活性複合体”とは、少なくとも1つのレドックス活性分子と少なくとも1つの結合配位子を含む複合体を意味し、下記により詳しく述べるように、多数の相違する方法で結合し得る。いくつかの場合、結合配位子は、レドックス活性分子であり得る。“結合配位子”または文法的等価語は、標的分析物の存在を察知するのに用いられる化合物であって、分析物に結合する化合物を意味する。
当業者はよく理解するように、結合配位子の組成物は標的分析物の組成に依存的である。非常に種々の分析物についての結合配位子が知られており、既知の技術で容易に見つけることができる。例えば、分析物がタンパク質であると、結合配位子はタンパク質(特に抗体またはその断片(FAbなど)を含む)または小さい分子である。分析物が金属イオンであると、結合配位子は遷移金属イオン配位子またはキレートを含み、これらは一緒にレドックス活性分子を形成する。好ましい結合配位子にはペプチドが含まれる。例えば、分析物が酵素であると、適当な結合配位子には基質および阻害剤が含まれる。抗原−抗体対、受容体−配位子および炭水化物と結合相手も適当な分析物結合配位子対である。核酸結合タンパク質が標的であると、結合配位子は核酸であり得る。他方、米国特許5,270,163, 5,75,096, 5,567,588, 5,595,877, 5,637,459, 5,683,867, 5,705,337および関連特許(出典明示により本明細書の一部とする)に一般的に記載のように、核酸“aptomers”を実際上いかなる標識分析物にも結合させるために開発し得る。同様に、組み合せの化学方法に基づいて結合相手を開発することについては、広範な文献が存在する。この実施態様において、結合配位子が核酸である場合、好ましい組成物および技術がPCT US 97/20014(出典明示により本明細書の一部とする)に概説されている。
本明細書の“核酸”または“オリゴヌクレオチド”または文法的均等物は、互いに共有結合した少なくとも2つのヌクレオチドを意味する。本発明の核酸は、一般に、ホスホジエステル結合を含有するが、ある場合では、下記に概略説明するとおり、別の主鎖を持ち得る核酸類似体が含まれ、例えば、ホスホルアミド(Beaucage et al., Tetrahedron 49(10): 1925(1993)およびその中の文献;Letsinger, J. Org. Chem. 35: 3800(1970); Sprinzl et al., Eur. J. Biochem. 81: 579(1977); Letsinger et al., Nucl. Acids Res. 14: 3487(1986); Sawai et al., Chem. Lett. 805(1984), Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110: 4470(1988);およびPauwels et al., Chemica Scripta 26: 141 91986))、ホスホロチオエート(Mag et al., Nucleic Acids Res. 19: 1437(1991); and米国特許第5,644,048)、ホスホロジチオエート(Briu et al., J. Am. Chem. Soc. 111: 2321(1989)、O−メチルホスホロアミダイト連結(Eckstein, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, Oxford University Press参照)、およびペプチド核酸主鎖および連結(Egholm, J. Am. Chem. Soc. 114: 1895(1992); Meier et al., Chem. Int. Ed. Engl. 31: 1008(1992); Nielsen, Nature, 365: 566(1993); Carlsson et al., Nature 380: 207(1996)、出典明示により本明細書の一部とする)を含む。その他の類似核酸には、ポジティブ主鎖(Denpcy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92: 6097(1995));非イオン性主鎖(米国特許第5,386,023、5,637,684、5,602,240、5,216,141および4,469,863;Kiedrowshi et al., Angew. Chem. Int. Ed. English 30: 423(1991); Letsinger et al., J. Am. Chem. Soc. 110: 4470(1988); Letsinger et al., Nucleoside & Nucleotide 13: 1597(1994); Chapters 2 and 3, ASC Symposium Series 580,“Carbohydrate Modifications in Antisensse Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cook; Mesmaeker et al., Bioorganic & Medicinal Chem. Lett. 4: 395(1994); Jeffs et al., J. Biomolecular NR 34: 17(1994); Tetrahedron Lett. 37: 743(1996))および非リボース主鎖を持つものを含み、米国特許第5,235,033や5,034,506、およびChapters 6 and 7, ASC Symposium Series 580,“Carbohydrate Modifications in Antisense Research”, Ed. Y.S. Sanghui and P. Dan Cook.に記載のものがある。1以上の炭素環式糖を含有する核酸もまた、核酸の定義(Jenkins et al., Chem. Soc. Rev.(1995)pp169-176)に含まれる。幾つかの核酸類似体は、Rawls, C. & E News June 2, 1997, 35頁に記載されている。これらの文献は全て、はっきりと出典明示により本明細書の一部に組込まれている。リボースホスフェート主鎖をこのように修飾して、RAMまたは導電性オリゴマーの付加を容易にし、または生理学的環境におけるかかる分子の安定性および半減期を高めることができる。
当業者は理解するように、これらの核酸類似体は全て本発明において使用できる。更に、天然の核酸と類似体との混合物を、例えば、導電性オリゴマーまたはRAMの結合部位で作成することができ、類似構造を使用してもよい。あるいは、異なる核酸類似体の混合物、および天然核酸および類似体の混合物を作成することもできる。
好ましい実施態様において、標的分析物の結合配位子との結合は特異的であり、結合配位子は結合対の部分である。“特異的に結合する”とは、分析物と試験サンプルの他の成分すなわち汚染物とを識別するのに十分な特異性を有して、配位子が分析物と結びつくことを意味する。しかし、当業者は理解するように、特異性が高くない結合を用いて、分析物を検出することも可能である。システムで相違の結合配位子、例えば相違の配位子の配列が使用できる。そして特定の分析物の検出が、“電子ノーズ”が作用するように、結合配位子のパネルに結びつく分析物の“特徴”により行われる。これは化学的分析物の検出において特に有用である。結びつきは、非特異的結合除去のための洗浄工程を含むアッセイの条件下で、結合が保持されるのに十分でなければならない。いくつかの実施態様において、例えば、ある種の生体分子の検出には、分析物の結合配位子との解離定数が約10-4−10-6-1以下であり、好ましくは約10-5−10-9-1以下、特に好ましくは約10-7−10-9-1以下である。
さらに、ここにおいて、レドックス活性分子および結合配位子はレドックス活性複合体を含む。上記のように、ある場合には結合配位子はレドックス活性分子であるので、レドックス活性複合体はレドックス活性結合配位子を含む。さらに、いくつかの実施態様において、標的分析物は、金属イオンやメタロ酵素などのレドックス活性分子である。この場合、別個のレドックス活性分子を用いる必要はない。加えるに、1つのレドックス活性複合体につき2以上の結合配位子またはレドックス活性分子が存在し得る。このことは下記に概説する。レドックス活性複合体は、架橋剤や標識などの追加の部分および電極との連結のためのリンカーも含有し得る。標的分析物のレドックス活性複合体への付加(一般的に非共有結合を介する。概説するように、なんらかの相互作用が共有結合と考えられ得る、あるいは連結後の共有結合が架橋剤の使用を介して起こり得る)がアッセイ複合体を形成する。“アッセイ複合体”とは、標的分析物、結合配位子およびレドックス活性分子を含む成分の複合を意味し、検出を可能にする。アッセイ複合体の組成は、概説した種々の成分の利用に依存する。
いくつかの実施態様においては、下記に概説するように、レドックス活性複合体は可溶性である。しかし、好ましい実施態様においてアッセイ複合体の少なくとも1つの成分は電極に共有結合している。好ましい実施態様において、これは、連結されたレドックス活性複合体の1つの成分である。すなわち、レドックス活性分子または結合配位子のいずれかが電極と共有結合する。本明細書で、“電極”は、導電性または半導電性の組成物であって、電子調節検出装置に接続したとき、溶液中または溶液上のRAMに、またはRAMから、電子を伝達する組成物を意味する。従って、電極は、本明細書で記載の電子伝達部である。好ましい電極は、当分野で既知であり、金;プラチナ;パラジウム;シリコン;アルミニウム;酸化白金、酸化チタン、酸化スズ、インディウム酸化スズ、酸化パラジウム、酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化モリブデン(Mo26)、酸化タングステン(WO3)および酸化ルテニウムのような酸化金属電極;および炭素(ガラス状炭素電極、グラファイトおよび炭素ペースト)を含むが、これらに限定されない。好ましい電極は、金、シリコン、炭素および酸化金属の電極を含む。
本明細書に記載の電極は平らな表面として記載されているが、これは電極の可能な形態の一つであるだけであり、模式的目的のためにすぎない。電極の形態は使用する検出法に依存して変わる。例えば、平らな電極が好ましいのは、光学的検出法において、または核酸の配列を成す場合、従って、合成および検出の両方でアドレス可能な位置が必要な場合である。あるいは、単一プローブ分析のためには、電極は管の形であり得、導電性オリゴマーおよび結合配位子は内部表面に結合する。これによって標的分析物を含む表面の最大領域が少量のサンプルに曝されるようになる。
本発明のシステムは、下記に慨説するように、いかなる数の立体配置をも取り得る。
好ましい実施態様において、システムは有機汚染物などの汚染物を検出するのに使用され、下記のシステム1で示す。
Figure 0004124830
システム1では下記するように、斜線部分が電極を表し、好ましくは表面上に単層が存在する。F1は、電極と導電性オリゴマーまたは絶縁体との共有結合を可能にする連結であって、本明細書に記載のような結合、原子またはリンカーなどを含み、例えば、“A”として下記に定義している。F2は、導電性オリゴマーまたは絶縁体の共有結合を可能にする連結であり、本明細書に記載するような結合、原子、または連結であり得る。F2は、導電性オリゴマーの部分、絶縁体の部分、末端基の部分、またはレドックス活性複合体または成分の部分であり得る。また、両方とは異なるもの、例えば、“Z”で定義したようなものでもあり得る。Xはスペーサー(導電性オリゴマー、不動態化剤または絶縁体、必要に応じて)である。RAMはレドックス活性分子である。TGは末端基であり、有機汚染物などの標的汚染物の結合に影響を及ぼすように選択される。例えば、この実施態様ではTGは疎水性である。表面の汚染物の結合がRAMの局所的環境に影響を与える。例えば、RAMのE0すなわち溶媒再編成エネルギーの変化によるものであり、分析物の存在においてシステムのファラデーインピーダンスが変化する。この場合の結合は特定の分析物に特異的でない。
システム2、3、4および5は、特異的な相互作用が起きる点を除き、同様の状態を表す。標的分析物は、結合配位子に特異的に結合し、結合配位子およびRAMに比べて一般的に大きい。結合に際してRAMの局所的環境が影響を受ける。例えば、RAMのE0すなわち溶媒再編成エネルギーの変化によるものであり、分析物の存在においてシステムのファラデーインピーダンスが変化する。この場合における標的分析物はタンパク質、細胞などであり得る。さらに、これらのシステムのいずれかまたはすべてにおいて、同時還元剤を用い得る。標的分析物が結合すると、同時還元剤のRAMへの接近が制限され、相違のシグナルまたはシグナルの喪失のいずれかまたは両方をもたらす。さらに、ここに記載のすべてのシステムについて、単層の個々の分子についての順序や近接は決定的なものでない。
Figure 0004124830
システム2では、1つの結合配位子(BL)につき2以上のRAMが存在し得る。すなわち、表面におけるBLに対するRAMの比率(標的分析物の相対的な大きさに依存的)は1:1から100:1以上である。シグナルの増幅が可能であり、1を越えるRAMが単一の標的分析物の検出に使用できる。
Figure 0004124830
Figure 0004124830
システム6は、標的分析物の結合がRAMと電極との間のHABに理論的に影響を及ぼすシステムを表す。
Figure 0004124830
システム7は同様の状態を表すが、結合配位子がRAMの電極との連結に固有である点が相違する。例えば、ペプチドまたは核酸に分析物が結合する。
Figure 0004124830
システム8は、分析物がレドックス活性分子としても働く状態を表す。これは、毒性のある重金属などの金属のイオンの検出に特に有用である。システム8は金属イオンMおよび金属配位子MLを表すが、当業者はわかるように、この場合、分析物がメタロ酵素、BLなどであることも可能である。当業者はわかるように、システム8は、相違の配位子の配置を用いて、相違の金属イオンの検出に特に有用である。1つの金属が他の金属に優先して結合することが金属配位子結合に相関し得る評価判定結果をもたらす。さらに、相違の金属は、相違するE0を有し、相違するシグナルを与える。
Figure 0004124830
システム9は、検出用のシグナルの低下に基づく競合型アッセイを表す。この場合、標的分析物は、一酸化炭素(CO)などの配位子であり、システムの弱い金属配位子(WML)より特定の金属にさらに強い配位子(SML、高い結合定数を有す)である。
Figure 0004124830
システム10は、同様のアッセイ型を表し、シグナルの低下よりもシグナルの変化が起きる。例えば、E0およびλの両方が新しい配位子結合の結果として変化する。
Figure 0004124830
システム11は、ファラデーインピーダンスおよび物質移動の変化についての分析物の結合に対する拡散係数の変化を利用する。この実施態様において、配位子が電極に共有結合していないときは、拡散係数の変化が物質移動インピーダンスを変え、さらに全ファラデーインピーダンスを変える。すなわち、ある状態において、レドックス活性複合体の周波数応答がその拡散係数によって制限される。また、伝達インピーダンスの変化が分析物の結合によっても変化し得る。高い周波数において、レドックス活性複合体が十分迅速に拡散しないので、強い出力シグナルを生み出すのに十分な速度で、その電子を電極に可逆的に伝達する。低い周波数では、分子が拡散するのに十分な時間があり、出力シグナルを検出できる。この実施態様において単層の使用は一般的に好ましくない。
アッセイ複合体を形成する結合がレドックス活性分子の拡散係数を一般的に変える。結果として、ファラデーインピーダンスが変化する。この作用が最大になるのは、結合相手がレドックス活性部分に比して大きいときである。レドックス活性部分が複合体への結合に際し比較的小さいと迅速に拡散し、比較的大きいと緩やかに拡散する。このことが最大の変化をもたらすので好ましい。同様に、ほぼ同じ大きさの結合相手であると、検出可能なシグナルが得られる。
あるいは、レドックス活性部分の結合相手との結合が大きさの低下を起こすこともある。例えば、抗体などのある種のタンパク質構造は立体的にかさばった配座を“緩め”、その相手(すなわち抗原)との結合の結果として“締め上げる”。
Figure 0004124830
システム12は、システム10および11に類似しており、相違する配位子のセンサーであるが、配位子の変化によってシステムのE0に変化が起きる。同様のシステムが2種の金属とともに使用される。すなわち、強い金属配位子を加える代わりに配位子についての異なる親和性を有する相違の金属を加えて、電気化学的変化を得る。
Figure 0004124830
システム13は前述のシステムの変形であり、RAMおよびBLが密接に結合またはリンクしている。
Figure 0004124830
システム14は、E0またはHABの変化の結果としてファラデーインピーダンスに変化がある。この場合、結合配位子はなんらかの方法で自己結合し、RAMを電極に非常に近接せしめる。例えば、結合配位子は核酸(例えば、核酸結合タンパク質の検出のために)またはタンパク質(例えば、結合配位子タンパク質を阻害または結合するタンパク質の検出のために)であり得る。タンパク質などの標的が結合すると、RAMの立体配座および局所的環境が変化し、検出可能なシグナルをつくる。システム15は“可逆的”にすることもでき、分析物が結合するとRAMを表面に近接せしめる。
Figure 0004124830
システム15は、同一または異なる2つの結合配位子、BL1とBL2を利用して、RAMの環境を変える。望ましくは、結合配位子の一つがなんらかの“一般的”結合配位子であることである。E0および/またはインピーダンスの変化が検出可能なシグナルをもたらす。
Figure 0004124830
システム16もシグナルの低下に基づく。この実施態様で、使用の標的分析物が金属イオン結合配位子複合体を結合して、利用できない金属をレドックス活性分子として働かす。
Figure 0004124830
システム17は、特定の結合配位子に対する金属イオン親和性の変化を利用し、存在する相違の金属を基にしたシグナルの変化(相違のE0を生じる)を検出する。
Figure 0004124830
システム18はシステム9に類似し、標的分析物を検出するための競合型アッセイを表す。システム15において、共有結合した標的分析物または標的類似体(TA)が標的分析物の添加によって結合配位子から競合的に外れて、シグナルの低下をもたらす。
Figure 0004124830
システム19は,システム2および18の混合であって、かさばる類似体(TA)を小さい標的分析物(T)で置換すると、相違するシグナルをもたらす。例えば、同時レドックス反応が起こり得る。他方、“ホール”を有する単層が類似体の不存在で電流を生じ、類似体の存在で電流を生じないので、これも使用できる。
Figure 0004124830
システム20は競合型アッセイにおける2電極システムを表す。この有用な点は、第2電極上のシグナルの増加を検出し得ることにある。シグナルの増加はその消失よりも一般的に好ましい。
Figure 0004124830
当業者は分かるように、システム20もいくつかのやり方で配置し得る。BL1とBL2とは、標的分析物または類似体に対し同じ部位での異なる親和性を有する。すなわち、異なる部位に結合する。同様に他のシステムも2電極システムで用い得る。
さらに、他の実施態様において上記したシステムを用いることが可能である。例えば、熱がファラデーインピーダンスを変えるので、上記システムを熱センサーとして用いることができる。同様に、反応活性または開裂性の結合を使用して電極にRAMを連結すると、シグナルの低下に基づく開裂剤のセンサーが可能となる。例えば、光線遊離結合が光線の検出に用いられ,基質が酵素(プロテアーゼ、ヌクレアーゼ、カルボヒドラーゼ、リパーゼなど)のセンサーとして用いられ、核酸を切断する薬剤などの開裂剤が用いられる。
上記のシステムにおいて、レドックス活性複合体が電極に共有結合している。当業者は分かるように、このことは多くの方法でなし得る。好ましい実施態様において、レドックス活性分子および結合配位子の一つまたは両方がスペーサーを介して電極に連結する。下記に概説する技術および組成物が使用される。“スペーサー”とは、電極の表面から離れたレドックス活性複合体を保持する部分を意味する。好ましい実施態様において、レドックス活性分子と連結するのに使用されるスペーサーは、概説するように導電性オリゴマーであり、適当なスペーサー部は下記するように不動態化剤および絶縁体を含む。スペーサー部は実質的に非導電性であり得る。一般的に、スペーサーの長さは導電性ポリマーおよび不動態化剤について述べた通りである。当業者は分かるように、スペーサーが長すぎると、レドックス活性分子と電極との電子的カプリングが急速に低下する。
好ましい実施態様において、レドックス活性分子が導電性オリゴマーを介して連結し、レドックス活性分子と電極との間のファラデーインピーダンスの変化が検出される。システムの他の成分が他のスペーサーを用いて連結される。例えば、システム2に一般的に表すように、結合配位子とレドックス活性分子が別個に連結されると、結合配位子は非導電性オリゴマー・スペーサーを介して連結される。
好ましい実施態様において、スペーサーは導電性オリゴマーである。“導電性オリゴマー”とは、実質的に導電するオリゴマー、好ましくは直鎖状のものを意味し、その実施態様のいくつかは文献で“分子ワイヤー”と表されている。
“導電性オリゴマー”とは、実質的に導電性のオリゴマー、好ましくは直鎖状を意味し、その実施態様の幾つかは、文献中に“分子ワイヤー”と表されている。“実質的に導電性”とは、導電性オリゴマーを介する電子伝達速度が一般的に標的分析物の検出における律速段階でないことを意味する。とは言っても、下記するように、律速段階であるスペーサーを使用するシステムもまた許容できる。別記のとおり、導電性オリゴマーの抵抗性はシステムの他の成分よりも低い。一般に、導電性オリゴマーは、導電性オリゴマーの単量体単位間として実質的に重複するπ軌道、すなわち共役π軌道を持つが、導電性オリゴマーは1以上のシグマ(σ)結合を含有してもよい。更に、導電性オリゴマーは、電子を連結成分から、または連結成分へ移動せしめる能力でもって機能的に定義できる。更に、導電性オリゴマーは、本明細書に定義する絶縁体よりも導電性が高い。
好ましい実施態様では、導電性オリゴマーは、約10-6から約104Ω-1cm-1の導電率Sを持ち、約10-5から約103Ω-1cm-1が好ましく、これらのS値は、約20Åから約200Åの範囲の分子について算出する。下記のように、絶縁体は、約10-7Ω-1cm-1またはそれ以下の導電率Sを持ち、約10-8Ω-1cm-1以下が好ましい。総括的に、出典明示により本明細書の一部とするGardner et al., Sensors and Actuators A 51(1995)57-66参照。
導電性オリゴマーの望ましい特性には、高い導電率、本発明の組成物を合成および使用する場合の有機溶媒および/または水における十分な溶解度、および好ましくは、i)本発明のシステムの合成に際し、ii)電極に導電性オリゴマーが結合するに際し、またはiii)試験アッセイに際し、起こる反応に対する化学抵抗性がある。
本発明のオリゴマーは、本明細書に記載のように、少なくとも2つの単量体サブユニットを含む。下記に詳しく説明するが、オリゴマーには、ホモおよびヘテロオリゴマーがあり、ポリマーも含む。
好ましい実施態様では、導電性オリゴマーは構造1で表す構造を持つ:
Figure 0004124830
当業者は理解するように、ここに示した構造は全て、追加の原子または構造を持ち得る。すなわち、構造1の導電性オリゴマーは、レドックス活性分子、例えば、電極、遷移金属錯体、有機電子伝達部およびメタロセンに、および結合配位子またはこれら数種に結合させることができる。特記しない限り、ここに示した導電性オリゴマーはその左側で電極に結合させる。つまり、構造1の場合は、左側の“Y”を本明細書に記載の電極につなげ、右側の“Y”は、存在するならば、直接的にまたは本発明に記載のリンカーを用いてレドックス活性複合体に結合させる。
本実施態様では、Yは芳香族基であり、nは1から50の整数であり、gは1または0のいずれかであり、eは0から10の整数であり、mは0または1である。gが1のとき、B−Dは共役結合であり、好ましくは、アセチレン、アルケン、置換アルケン、アミド、アゾ、−C=N−(−N=C−、−CR=N−および−N=CR−を含む)、−Si=Si−および−Si=C−(−C=Si−、−Si=CR−および−CR=Si−)から選択される。gが0のとき、eは好ましくは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、このヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される。適切なヘテロ原子部分には、−NHおよび−NR(Rは本明細書に定義のとおり);置換硫黄;スルホニル(−SO2−)スルホキシド(−SO−);酸化ホスフィン(−PO−および−RPO−);およびチオホスフィン(−PS−および−RPS−)があるが、これらに限定されない。しかしながら、下記に概略説明するとおり、導電性オリゴマーを金電極に結合させるような場合、硫黄誘導体は好ましくない。
“芳香族基”または文法的均等物とは、一般に5から14の炭素原子を含む芳香族単環式または多環式炭化水素部(しかし、より大きい多環式環構造を作ることができる)およびそれらの炭素環式ケトンまたはチオケトン誘導体(遊離の原子価を持つ炭素原子が芳香族環の一員である)を意味する。芳香族環には、アリーレン基および2つ以上の原子をはずした芳香族基がある。本適用の目的には、芳香族基は複素環を含む。“複素環”または“ヘテロアリール”とは、1から5個の指定炭素原子を、窒素、酸素、硫黄、リン、ホウ素およびケイ素から選択されるヘテロ原子(遊離の原子価を持つ原子が芳香族環の一員である)で置換した芳香族基、およびそれらの複素環式ケトンおよびチオケトン誘導体を意味する。そこで、複素環には、チエニル、フリル、ピロリル、ピリミジニル、オキサリル、インドリル、ピリニル、キノリル、イソキノリル、チアゾリル、イミドジル等がある。
重要なのは、導電性オリゴマーのY芳香族基が異なっていてもよい、すなわち、導電性オリゴマーがヘテロオリゴマーであり得る点である。つまり、導電性オリゴマーは、単一型のY基または多型のY基のオリゴマーを含むことができる。よって、好ましい実施態様では、下記のようにバリアー単層を使用する場合、1以上の型のY基を、単層レベル上に用いる第2型のY基と共に単層内の導電性オリゴマーにおいて使用する。このように、本明細書に記載のとおり、導電性オリゴマーは、単層内に電極表面で良好なパッキング効率を持つY基と、単層レベル上に大きい柔軟性および親水性を持つ第2型のY基を含み、標的分析物の結合を容易にする。例えば、非置換ベンジル環は単層パッキング用にY基を含むことができ、置換ベンジル環は単層上に使用できる。あるいは、複素環式環は、置換または非置換のいずれかで、単層上に使用できる。更に、一実施態様では、導電性オリゴマーが単層外に及ばない場合でも、ヘテロオリゴマーを使用できる。
芳香族基は、一般にRで表す置換基で置換できる。R基を必要に応じて加え、導電性オリゴマーのパッキングに影響を及ぼすことができる、すなわち、導電性オリゴマーが電極上に単層を形成するとき、R基を用いて単層におけるオリゴマーの会合を変化させることができる。R基を加えて、1)オリゴマーまたはオリゴマーを含む組成物の溶解度を変える;2)システムの共役または電子化学電位を変える;および3)単層表面の電荷または特性を変えることもできる。
好ましい実施態様では、導電性オリゴマーが3つのサブユニットより大きいとき、R基は、溶液合成を行う場合の溶解度を高めるのに好ましい。しかしながら、R基およびその位置は、下記のように、表面上、特に単層内での導電性オリゴマーのパッキングへの影響を最小限にするよう選択される。一般に、単層内では小さいR基のみが使用され、大きいR基は一般に単層表面上にある。そのため、例えば、単層内の導電性オリゴマー部分にメチル基を付けて溶解度を高めるのが好ましく、例えば、C3からC10のより長いアルコキシ基を単層表面上に付けるのが好ましい。その一般的意味は、本明細書に記載のシステムでは、絶縁体分子の長さによって最初の3つのオリゴマーサブユニットのいずれにも立体的に重要なR基を結合させないことである。
適切なR基には、水素、アルキル、アルコール、芳香族、アミノ、アミド、ニトロ、エーテル、エステル、アルデヒド、スルホニル、ケイ素部分、ハロゲン、硫黄含有部分、リン含有部分およびエチレングリコールがあるが、これらに限定されない。本明細書に示した構造では、Rは、その位置が置換されていない場合は水素である。ある位置では、2つの置換基、RおよびR’が可能であり、その場合、RおよびR’基は同一であるかまたは異なっているかのいずれでもよい。
“アルキル基”または文法的均等物とは、直鎖状または分枝状アルキル基を意味し、直鎖アルキル基が好ましい。分枝状のときは、特記しなければ1箇所以上の任意の位置で枝分かれしている。このアルキル基は、約1から約30の炭素原子(C1−C30)の範囲であり、好ましい実施態様では、約1から約20の炭素原子(C1−C20)を利用し、約C1から約C12ないしC15も好ましく、C1ないしC5が特に好ましいが、ある実施態様では、アルキル基はもっと大きくてもよい。アルキル基の定義の中に含まれるものには、C5およびC6環などのシクロアルキル基や、窒素、酸素、硫黄またはリンを持つ複素環式環もある。アルキルはまた、好ましくは硫黄、酸素、窒素およびケイ素のヘテロ原子を持つヘテロアルキルも含む。アルキルは、置換アルキル基も含む。“置換アルキル基”とは、更に上記定義の1以上の置換基部分“R”を含むアルキル基を意味する。
“アミノ基”または文法的均等物とは、−NH2、−NHRおよび−NR2基を意味し、Rは本明細書に定義のとおりである。
“ニトロ基”とは、−NO2基を意味する。
“硫黄含有部分”とは、硫黄原子を含有する化合物を意味し、チア−、チオ−およびスルホ−化合物、チオール(−SHおよび−SR)およびスルフィド(−RSR−)があるが、これらに限定されない。“リン含有部分”は、リンを含有する化合物を意味し、ホスフィンおよびホスフェートがあるが、これらに限定されない。“シリコン含有部分”とは、シリコン含有化合物を意味する。
“エーテル”とは、−O−R−基を意味する。好ましいエーテルには、アルコキシ基があり、−O−(CH22CH3および−O−(CH24CH3が好ましい。
“エステル”とは、−COOR基を意味する。
“ハロゲン”とは、臭素、ヨウ素、塩素またはフッ素を意味する。好ましい置換アルキルは、部分的にまたは全体的にハロゲン化したアルキル、例えばCF3等である。
“アルデヒド”とは、−RCOH基を意味する。
“アルコール”とは、−OH基およびアルキルアルコール−ROHを意味する。
“アミド”とは、−RCONH−またはRCONR−基を意味する。
“エチレングリコール”とは、−(O−CH2−CH2n−基を意味するが、エチレン基の各炭素原子は、一重にまたは二重に置換されていてもよく、すなわち、−(O−CR2−CR2n−(Rは上記定義のとおり)であってよい。酸素の位置に他のヘテロ原子を持つエチレングリコール誘導体(すなわち、−(N−CH2−CH2n−または−(S−CH2−CH2n−または置換基を持つ)も好ましい。
好ましい置換基には、メチル、エチル、プロピル、−O−(CH22CH3および−O−(CH24CH3などのアルコキシ基およびエチレングリコールおよびそれらの誘導体があるが、これらに限定されない。
好ましい芳香族基には、フェニル、ナフチル、ナフタレン、アントラセン、フェナントロリン、ピロール、ピリジン、チオフェン、ポルフィリンおよび縮合環誘導体を含むこれらそれぞれの誘導体があるが、これらに限定されない。
本明細書に示した導電性オリゴマーにおいて、gが1のとき、B−Dは2つの原子または化学部分をつなげる結合である。好ましい実施態様では、B−Dは重複または共役π軌道を含有する共役結合である。
好ましいB−D結合は、アセチレン(−C≡C−、アルキンまたはエチンとも呼ばれる)、アルケン(−CH=CH−、エチレンとも呼ばれる)、置換アルケン(−CR=CR−、−CH=CR−および−CR=CH−)、アミド(−NH−CO−および−NR−CO−または−CO−NH−および−CO−NR−)、アゾ(−N=N−)、エステルおよびチオエスチル(−CO−O−、−O−CO−、CS−O−および−O−CS−)および他の共役結合(−CH=N−、−CR=N−、−N=CH−および−N=CR−)、(−SiH=SiH−、−SiR=SiH−、−SiH=SiR−、およびSiR=SiR−)、(−SiH=CH−、−SiR=CH−、−SiH=CR−、−SiR=CR−、−CH=SiH−、−CR=SiH−、−CH=SiR−および−CR=SiR−)などから選択される。特に好ましいB−D結合は、アセチレン、アルケン、アミドおよびこれら3種の置換誘導体およびアゾである。とりわけ好ましいB−D結合は、アセチレン、アルケンおよびアミドである。二重結合に結合させたオリゴマー成分は、トランスまたはシス配置、または混合型であってよい。そのため、BまたはDのいずれかは、炭素、窒素またはケイ素を含むことができる。置換基は、上記Rのところで定義したとおりである。
構造2導電性オリゴマーのg=0のとき、eは好ましくは1であり、D部分は上記定義のカルボニルまたはヘテロ原子部分であり得る。
上記Y環のように、どの単一導電性オリゴマー内でも、B−D結合(またはg=0のときD部分)は、全て同じでもよく、または少なくとも1つが異なっていてもよい。例えば、mが0のとき、末端B−D結合は、アミド結合であることができ、残りのB−D結合はアセチレン結合であることができる。一般に、アミド結合が存在するとき、アミド結合はできるだけ少ない方が好ましいが、ある実施態様では、全てのB−D結合がアミド結合である。よって、上記Y環について概略説明したとおり、上記単層内ではある型のB−D結合が導電性オリゴマー中に存在でき、単層レベル上では別の型のB−D結合があるので、大きな柔軟性を与えることができる。
本明細書に示した構造中、nは1から50の整数であるが、より長いオリゴマーもまた使用できる(例えば、Schumm et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1994 33(13): 1360参照)。理論に縛られることなく、表面上で標的分析物の効率的な結合のためには、結合が表面から少し離れて起こるようである。すなわち、結合速度が、特に大きい分析物について、表面からの距離の関数として増加するようである。従って、導電性オリゴマーの長さは、レドックス活性複合体の最も近接部分が電極表面から約6Åから約100Å(但し、500Åまでの距離が使用できる)に位置するような長さであり、約25Åから約60Åが好ましい。好ましい実施態様において、導電性オリゴマーの長さは(CH26リンカーよりも長く、(CH210が好ましく、(CH216が特に好ましい。従って、nは芳香族基の大きさに応じて変わるが、一般に、約1から約20であって、約2から約15が好ましく、約3から約10が特に好ましい。
本明細書に示した構造中、mは0または1のいずれかである。つまり、mが0のとき、導電性オリゴマーの末端には、B−D結合またはD部分があり、すなわち、D原子が直接的かまたはリンカーを介するかのいずれかでレドックス活性複合体の成分に結合している。ある実施態様では、導電性オリゴマーとレドックス活性複合体の成分の間に結合させたリンカーなどの別の原子があってもよい。更に、下記に概略説明するとおり、D原子は、レドックス活性複合体の窒素原子、例えば、タンパク質のアミンであり得る。あるいは、mが1のとき、導電性オリゴマーの末端には芳香族基Yがあり、すなわち、芳香族基がレドックス活性複合体またはリンカーに結合している。
当業者に明らかなように、多数の導電性オリゴマーが利用できる。これらは、例えば、縮合芳香族環または、−(CF2n−、−(CHF)n−および−(CFR)n−などのテフロン(登録商標)様オリゴマーを含む化合物などの当分野で知られている他の導電性オリゴマーと同じく、構造1や構造8式の範囲内にある導電性オリゴマーを含む。例えば、Schumm et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 33: 1361(1994); Grosshenny et al., Platinum Metals Rev. 40(1): 26-35(1996); Tour, Chem. Rev. 96: 537-553(1996); Hsung et al., Organometallics 14: 4808-4815(1995);およびここに引用されている文献参照、これらは全てはっきりと出典明示により本明細書に組込まれている。
本実施態様の特に好ましい導電性オリゴマーを下記に示す:
Figure 0004124830
構造2は、gが1のときの構造1である。構造2の好ましい実施態様には、eが0であり、Yがピロールまたは置換ピロールであるもの;eが0であり、Yがチオフェンまたは置換チオフェンであるもの;eが0であり、Yがフランまたは置換フランであるもの;eが0であり、Yがフェニルまたは置換フェニルであるもの;eが0であり、Yがピリジンまたは置換ピリジンであるもの;eが1であり、B−Dがアセチレンであり、Yがフェニルまたは置換フェニルであるもの(例えば、下記構造4参照)がある。構造2の好ましい実施態様はまた、eが1であり、下記構造3に示す:
Figure 0004124830
構造3の好ましい実施態様は、Yがフェニルまたは置換フェニルであり、B−Dがアゾであるもの;Yがフェニルまたは置換フェニルであり、B−Dがアルケンであるもの;Yがピリジンまたは置換ピリジンであり、B−Dがアセチレンであるもの;Yがチオフェンまたは置換チオフェンであり、B−Dがアセチレンであるもの;Yがフランまたは置換フランであり、B−Dがアセチレンであるもの;Yがチオフェンまたはフラン(または置換チオフェンまたはフラン)であり、B−Dがアルケンおよびアセチレン交互の結合であるものである。
本明細書に示した構造の殆どが構造3の導電性オリゴマーを利用している。しかしながら、どの構造4オリゴマーも、構造1、2または8オリゴマー、または他の導電性オリゴマーで置換でき、かかる構造3の使用は、本発明の範囲を限定する意味を持たない。
構造3の特に好ましい実施態様は下記の構造4、5、6および7を含む:
Figure 0004124830
構造4の特に好ましい実施態様には、nが2であり、mが1であり、Rが水素であるもの;nが3であり、mが0であり、Rが水素であるもの、および溶解度を高めるためのR基の使用がある。
Figure 0004124830
構造5のようにB−D結合がアミド結合であるとき、導電性オリゴマーは擬似ペプチドオリゴマーである。構造5中のアミド結合は、カルボニルを左側にして、すなわち、CONH−で示すが、逆、すなわち−NHCO−も使用できる。構造5の特に好ましい実施態様には、nが2であり、mが1であり、Rが水素であるもの;nが3であり、mが0であり、Rが水素であるもの(この実施態様では、末端窒素(D原子)はアミノ修飾リボースの窒素であり得る)、および溶解度を高めるためのR基の使用がある。
Figure 0004124830
構造6の好ましい実施態様には、第1のnが2であり、第2のnが1であり、mが0であり、全てのR基が水素であるもの、または溶解度を高めるためのR基の使用がある。
Figure 0004124830
構造7の好ましい実施態様には、第1のnが3であり、第2のnが1−3であり、mが0または1のいずれかであるもの、および溶解度を高めるためのR基の使用がある。
好ましい実施態様では、導電性オリゴマーは、構造8で示した構造を持つ:
Figure 0004124830
この実施態様では、Cは炭素原子であり、nは1から50の整数であり、mは0または1であり、Jは酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄、カルボニルまたはスルホキシドからなる群から選択されるヘテロ原子であり、Gはアルカン、アルケンまたはアセチレンから選択される結合であって、2つの炭素原子と一緒になってC−G−C基がアルケン(−CH=CH−)、置換アルケン(−CR=CR−)またはそれらの混合物(−CH=CRまたは−CR=CH−)、アセチレン(−C≡C−)またはアルカン(−CR2−CR2−、Rは水素または本明細書に記載の置換基のいずれかである)であるようにする。各サブユニットのG結合は、他のサブユニットのG結合と同一かまたは異なっていてもよく、つまり、アルケンとアセチレン結合が交互にあるオリゴマーが使用できる。しかしながら、Gがアルカン結合であるとき、オリゴマー中のアルカン結合数は最小に維持すべきであり、導電性オリゴマー当りシグマ結合約6以下が好ましい。アルケン結合が好ましく、本明細書に総括的に示しているが、アルカンおよびアセチレン結合は、当業者には明らかなように、本明細書に記載したどの構造または実施態様においても置換できる。
好ましい実施態様では、構造8のmは0である。特に好ましい実施態様では、構造9に示したように、mは0であり、Gはアルケン結合である:
Figure 0004124830
構造9のアルケンオリゴマーおよび本明細書に示した別のものは、一般に、好ましいトランス配置で示しているが、シスまたはトランスとシスの混合したオリゴマーも使用できる。上記のように、R基を加えて、電極上での組成物のパッキング、オリゴマーの親水性または疎水性、およびオリゴマーの柔軟性、すなわち、回転、ねじれ、または縦の柔軟性を変えることができる。nは上記定義のとおりである。
好ましい実施態様では、Rは水素であるが、Rはアルキル基およびポリエチレングリコールまたは誘導体であってもよい。
別の実施態様では、導電性オリゴマーは、異なる型のオリゴマーの混合物、例えば構造1や8の混合物であってもよい。
導電性オリゴマーは、上記システムで概説したように、レドックス活性複合体の成分である結合配位子またはレドックス活性分子のいずれかまたは両方に共有結合している。“共有結合”とは、2つの部分が、シグマ結合、π結合および共役結合を含む少なくとも1つの結合により結びついていることを意味する。
レドックス活性複合体をスペーサー(連結リンカーとも言う。絶縁体または導電性オリゴマーのいずれかであり得る)に連結さす方法は、一般に既知の技術で行われ、連結リンカーの組成物と捕捉結合配位子の両者に依存的である。一般的に、レドックス活性複合体は、連結に用いられる官能基の使用により連結リンカーに連結される。連結に好ましい官能基は、アミノ基、カルボキシ基、オキソ基およびチオール基である。これらの官能基は、直接的にまたはリンカーを介して間接的に連結され、本明細書では“Z”と表されることもある。リンカーは、よく知られているとおり、例えば、ホモまたはヘテロ二官能性リンカーである(1994 Piece Chemical Company catalog, technical section on cross-linker, pages 155-200参照、出典明示により本明細書の一部とする)。好ましいZリンカーには、アルキル基(置換アルキル基およびヘテロ原子部分を含有するアルキル基を含む)であり、これらに限定されず、好ましいのは、短いアルキル基、エステル、アミド、アミン、エポキシ基およびエチレングリコールおよび誘導体であり、特に好ましいのは、プロピル、アセチレンおよびC2アルケンである。Zはまた、スルホン基であってもよく、スルホンアミド結合を形成する。
遷移金属複合体であるレドックス活性分子の好ましい連結には、導電性オリゴマーの末端上の遷移金属配位子(配位原子を含む)を利用する。これはレドックス活性分子が導電性オリゴマーに連結するのに働き、下記の構造10および11で一般的に表す。構造10および11は、構造3の導電性オリゴマーを表すが、他のオリゴマーも使用できる。同様に、結合配位子が連結していると(例えば、システム4に示すように)、金属配位子は、結合配位子に連結するか(すなわち、外部から付加、例えばZリンカーを用いて)、結合配位子自体によって提供される(例えば、アミノ酸側鎖の窒素を用いて)。
Figure 0004124830
Lは、共配位子(co-ligand)であって、金属イオンの結合用に配位原子を提供する。共配位子の数や性質は金属イオンの配位数によって変わる。一座、二座または多座共配位子が任意の位置で使用できる。よって、例えば、金属が配位数6のとき、導電性オリゴマーの末端由来のL、結合配位子(もし存在すれば)由来のLおよびrは6まで加える。そのため、金属が配位数6のとき、rは0(全ての配位原子がその他の配位子により提供されるとき)から5(全ての共配位子が一座配位子であるとき)の範囲であり得る。従って、一般に、rは0から8であり、金属イオンの配位数と他の配位子の選択によって変わる。
一実施態様では、金属イオンは配位数6であり、導電性オリゴマーに結合した配位子および結合配位子に結合または結合配位子に付与された配位子は少なくとも二座配位子である。すなわち、rは好ましくは0、1(すなわち、残りの共配位子が二座配位子である)または2(2つの一座共配位子を用いる)である。
当業者には明らかなように、共配位子は、同じでも異なっていてもよい。
1個以上の共配位子が有機金属配位子であるとき、配位子は一般的に有機金属配位子の炭素原子の一つを介して結合するが、結合は複素環式配位子の他の原子を介し得る。好ましい有機金属配位子は、置換誘導体およびメタノセネオファン(CottonおよびWilkenson、前掲、1174頁参照)を含むメタロセン配位子を含む。例えば、好ましくは多くのメチル基を有するペンタメチルシクロペンタジエニルのような、メチルシクロペンタジエニルのようなメタロセン配位子の誘導体は、本メタロセンの安定性を増加させるために使用できる。好ましい態様において、メタロセンの二つのメタロセン配位子の一つだけが誘導体化される。
このように、レドックス活性複合体は、タンパク質、レシチン、核酸、小さい有機分子、炭水化物などを含む結合配位子を含有して、連結され得る。
好ましい実施態様においてタンパク質様の結合配位子を用いる。既知のように、タンパク質様結合配位子とリンカーとの連結に数多くの技術が用いられる。レドックス活性複合体とスペーサーの連結について上記した。参照、図2および3.部分をタンパク質に付加することについて広範な技術が知られている。同様の技術が当業者に分かるように、結合配位子をレドックス活性分子に付加するのに使用できる。例えば、システム3,4,5に表す。
好ましい実施態様で、結合配位子として核酸を使用できる。PCT US 97/20014に概説されている技術が連結に有用である。
連結リンカーの1端がレドックス活性複合体にリンクされ、他端(当業者は分かるように、厳密な末端はいずれかについて必要ないが)が電極に連結される。このように、本明細書で表した構造のいずれもが末端基として効果的なレドックス活性複合体またはシステム成分をさらに含有できる。
レドックス活性分子を含む導電性オリゴマーの共有結合的結合(および他のスペーサー分子の結合)は、使用する電極および導電性オリゴマーに依存して、種々の方法で達成し得る。一般に、下記で、Xが導電性オリゴマーであり、斜線の表面は電極である構造12で“A”と記載するような、あるタイプのリンカーを使用する:
Figure 0004124830
本態様において、Aはリンカーまたは原子である。“A”の選択は、電極の特徴に一部依存する。従って、例えば、Aは、金電極を使用する場合、硫黄部分である。あるいは、酸化金属電極を使用するとき、Aはオキサイドの酸素に結合したシリコン(シラン)部である(例えば、両方とも引用して本明細書に包含させるChen et al., Langmuir 10: 3332-3337(1994); Lenhard et al., J. Electroanal. Chem. 78: 195-201(1977)参照)。炭素ベースの電極を使用するとき、Aはアミノ部である(好ましくは、1級アミン;例えば、Deinhammer et al., Langmuir 10: 1306-1313(1994)参照)。従って、好ましいA部は、シラン部、硫黄部(アルキル硫黄部を含む)およびアミノ部を含むが、これらに限定されない。好ましい態様において、当分野で既知のようなレドックスポリマーとのエポキシドタイプ結合は使用しない。
本明細書には一つの部としてしか記載していないが、導電性オリゴマーは、2個以上の“A”部で電極と結合し得る;“A”部は同一または異なり得る。従って、例えば、構造13に下記のように、電極が金電極であり、“A”が硫黄原子または部であるとき、一般に下記構造14,15および16に記載のように、複数の硫黄原子が、電極に導電性オリゴマーを結合させるのに使用し得る。当業者に認められるように、このような他の構造が製造できる。構造14,15および16において、A部は硫黄原子だけであるが、置換硫黄原子も使用し得る。
Figure 0004124830
構造16と同様に、電極に結合した3つの硫黄部を有する一つの炭素原子で終了した導電性オリゴマーを有することが可能である。
好ましい態様において、電極は金電極であり、結合は当分野で既知のように硫黄結合を介しており、すなわち、A部は硫黄原子または部である。金−硫黄結合の正確な特徴は知られていないが、この結合は本発明の目的で、共有結合と考える。代表的構造は構造17に記載する。構造17は、“A”リンカーが硫黄原子のみを含むように記載しているが、他の原子も存在し得る(すなわち、硫黄から導電性ポリマーへのまたは置換基へのリンカー)。
Figure 0004124830
好ましい態様において、電極は炭素電極、すなわち、ガラス状炭素電極であり、結合はアミン基の窒素原子を介している。代表的構造を構造18に示す。また別の原子が存在し得、すなわち、Zタイプリンカーであり得る。
Figure 0004124830
構造19において、酸素原子は酸化金属電極のオキサイド由来である。Si原子は他の原子を含み得る、すなわち、置換基を含むシリコン部であり得る。
従って、好ましい態様において、電極は、より詳細に本明細書に記載のように、ハイブリダイゼーションアッセイの目的で、レドックス活性複合体に結合した導電性オリゴマーを含むように製造する。当業者に認められるように、電極は、結合配位子の一つの種を有するように製造できる。すなわち、単一の標的分析物または複数の結合配位子の検出のためである。
加えて、本明細書に概説のように、電極のような固体支持体の使用は、これらのアッセイの配列形での使用を可能にする。オリゴヌクレオチド配列などの配列の使用は当分野で既知であり、同様のシステムを本発明でつくり得る。さらに、電極配列内に位置を“アドレッシング”するためおよび電極の表面修飾のための方法は既知である。従って、好ましい態様において、異なる結合配位子の配列は、電極の下に置かれ、その各々は導電性リンカーを介して電極に共有結合する。この態様において、分析物の異なる種の数は、1から数千に広く変化し得、好ましくは約4から約100,000、および特に好ましくは約10から約10,000である。
好ましい態様において、更に、電極は不動態化剤を、好ましくは電極表面上の単層の形で含む。上記に概略のように、標的分析物が電極からある距離をおいている場合に結合の効果が増加し、単層が用いられると非特異的結合が低下する。不動態化剤層は、電極表面から離れた位置に標的分析物を維持させるのを容易にする。加えて、不動態化剤は、電荷担体を電極表面から離れた位置に保つ役目を果たす。従って、この層は、電極と電子伝達部の間の、または電極と溶媒中の荷電種の間の電気的接触の防止を助ける。このような接触は、サンプル中に存在し得る荷電種を介した直接“短絡”または間接短絡をもたらす可能性がある。従って、不動態化剤の単層は、好ましくは電極表面の均一単層中に、最少の“ホール”しか存在しないように、密接にパックされている。あるいは、不動態化剤は、単層の形ではないが、導電性オリゴマーのパッキングまたは他の性質を助けるように存在し得る。
従って、不動態化剤は、電極への溶媒接近性を阻害する物理的バリアーとして働き得る。このように、不動態化剤それ自体は、実際、(1)導電性または(2)非導電性、すなわち、絶縁物質であり得る。従って、一つの態様において、不動態化剤は、電極への電荷の伝達を阻害または減少する末端基を有するまたは有しない、本明細書に記載のような導電性オリゴマーである。他の不動態化剤は、−(CF2n−、−(CHF)n−および−(CFR)n−のオリゴマーを含む。好ましい態様において、不動態化剤は絶縁部である。
“絶縁体”は、実質的に非導電性オリゴマーであって、好ましくは直鎖である、。本明細書中の“実質的に非導電性”は、絶縁体を介した電子移動の速度が伝達反応を制限する速度であることを意味する。言いかえると、絶縁体の電気抵抗は、システムの他の部分の電気抵抗より高い。絶縁体を介した電子伝達速度は、好ましくは本明細書に記載の導電性オリゴマーを介した速度より遅いのが好ましい。しかしながら、オリゴマーが一般に絶縁体とみられても、遅い速度ではあるがなお電子を伝達し得る。
好ましい態様において、絶縁体は、約10-7Ω-1cm-1またはそれより低い導電性Sを有し、約10-8Ω-1cm-1より低いのが好ましい。一般に、Gardner et al., 前掲、参照。
一般に、絶縁体は、シグマ結合を有するアルキルまたはヘテロアルキルオリゴマーまたは部であるが、具体的な絶縁体は、芳香族基または一個またはそれ以上の共役結合を含み得る。本明細書の“ヘテロアルキル”なる用語は、鎖に包含された少なくとも1個のヘテロ原子、すなわち、窒素、酸素、硫黄、リン、シリコンまたはホウ素を有するアルキル基を意味する。あるいは、絶縁体は、1個以上のヘテロ原子を添加された導電性オリゴマーと非常に類似であり、それが電子伝達を好ましくは実質的に阻害するかまたは遅くさせる。
絶縁体を含む不動態化剤は、本明細書で定義のR基で置換され得、電極でのその部または導電性オリゴマーのパッキング、絶縁体の親水性または疎水性、および絶縁体の柔軟性、すなわち、回転の、振れのまたは縦の柔軟性を変える。例えば、分枝アルキル基を使用し得る。加えて、絶縁体を含む不動態化剤の末端は、更なる基を含み得、単層の暴露された表面に作用する。例えば、末端に陰性荷電基が存在すると、陰性荷電表面を形成し、非特異的結合から陰性荷電種を拒絶する。同様に、例えばシステム1に示すように、疎水基を用いると、疎水性分析物などをひきつける。好ましい不動態化剤末端基は、−NH2、−OH、−COOH、−CH3、トリメチルシリル(TMS)および、(ポリ)エチレングリコール、後者が特に好ましい。
不動態化剤の長さは、必要に応じて変化する。上記に概説のように、結合は表面からの距離に、より有効であるのようである。加えて、導電性オリゴマーは、基本的に不動態化剤と同じ長さかそれらより長く、結合配位子が標的分析物の溶媒により近接可能とする。
この単層は、絶縁体を含む不動態化剤の一つのタイプ、または異なるタイプを含み得る。
適当な絶縁体は当分野で既知であり、−(CH2n−、−(CRH)n−および−(CR2n−、エチレングリコールまたは酸素の代わりに他のヘテロ原子、すなわち窒素または硫黄を使用した誘導体(硫黄誘導体は、電極が金である場合、好ましくない)を含むが、これらに限定されない。
不動態化剤は、一般に、導電性オリゴマーと同様の方法で電極に結合し、上記の“A”リンカーと同様に使用し得る。
本発明の組成物は、既知技術を一般的に利用して、下記に概説するように一般的に合成できる。
本組成物はいくつかの方法で製造し得る。好ましい方法は、最初に結合配位子またはレドックス活性分子に結合した導電性オリゴマーを合成し,次いで電極に連結する。レドックス活性複合体の第2成分を電極への結合の前または後に添加し得る。あるいは、全核酸を製造し、次いで完全な導電性オリゴマーを添加し、続いて電極に結合する。あるいは、導電性オリゴマーおよび単層(存在する場合)を最初に電極に結合し、続いて他の成分を結合する。
好ましい態様において、導電性オリゴマーは硫黄結合を介して電極に共有結合する。しかしながら、驚くべきことに、分子の金電極への結合に使用する慣用的保護基は、本明細書に記載の組成物の合成および生体分子合成反応への包含の両方への使用に一般に理想的でない。従って、本発明は、PCT US97/20014に記載のようなエチルピリジンおよびトリメチルシリルエチルを含む普通でない保護保護基を使用して、導電性オリゴマーの金電極へ結合する新規方法を提供する。要約すると、好ましい態様において、電極への結合のために硫黄原子を含む導電性オリゴマーのサブユニットをエチル−ピリジンまたはトリメチルシリル基で保護する。前者に関して、一般に硫黄原子(好ましくはスルフヒドリルの形で)を含むサブユニットをビニルピリジン基またはビニルトリメチルシリルエチル基と、エチルピリジン基またはトリメチルシリルエチル基が硫黄原子に添加されるような条件下で接触させることにより行う。
このサブユニットは、付加的サブユニットへの結合のために官能部も一般に含み、従って、付加的サブユニットが結合して導電性オリゴマーを形成する。次いで導電性オリゴマーをレドックス活性複合体の成分に結合させる。次いで保護基を除去し、硫黄−金共有結合を行う。あるいは、導電性オリゴマーの全てまたは一部を製造し、次いで保護硫黄原子を含むサブユニットを添加するか、硫黄原子を添加して、保護する。導電性オリゴマーをレドックス活性複合体の成分に結合させる。あるいは、レドックス活性複合体の成分に結合した導電性オリゴマーを製造し、次いで保護硫黄原子を含むサブユニットを添加するか、硫黄原子を添加して、保護する。あるいは、エチルピリジン保護基を上記のように使用し得るが、1以上の段階の後に除去し、ジスルフィドのような標準的な保護基に置き換える。このように、エチルピリジンまたはトリメチルシリルエチル基は、合成反応のいくつかで保護基のように作用し得、次いで除去して慣用的保護基に置き換える。
本明細書の導電性ポリマーの“サブユニット”は、硫黄原子が結合する導電性オリゴマーの少なくとも一部を意味するが、導電性オリゴマーの付加的成分の添加を可能にする官能基、または導電性オリゴマーの付加的成分を含む付加的原子も存在し得る。従って、例えば、構造1オリゴマーを使用するとき、サブユニットは少なくとも第1Y基を含む。
好ましい方法は、1)一般に、ビニルピリジンまたはトリメチルシリルエチル基のスルフヒドリルへの添加により行う、導電性オリゴマーの第1サブユニットに結合した硫黄原子への、エチルピリジンまたはトリメチルシリルエチル保護基の添加;2)導電性オリゴマーの形成のための付加的サブユニットの添加;3)少なくともレドックス活性複合体の第一成分の導電性オリゴマーへの添加;4)必要に応じて追加成分の添加;5)導電性オリゴマーの金電極への結合を含む。
上記の方法は、金電極への不動態化分子の結合にも使用し得る。
好ましい態様において、不動態化剤の単層を電極に添加する。一般に、添加の化学物は、導電性オリゴマーの電極への添加と類似か同じであり、すなわち、金電極への結合に硫黄原子を使用するなどである。レドックス活性複合体の成分に共有結合した導電性オリゴマーに加えて単層を含む組成物を、少なくとも次の5つの方法の1つでつくり得る:(1)単層の添加、続く導電性オリゴマー−レドックス活性複合体の連続的添加;(2)導電性オリゴマー−レドックス活性複合体の添加、続く単層の添加;(3)単層と導電性オリゴマー−レドックス活性複合体の同時添加;(4)レドックス活性複合体への結合に適した官能基で終了している導電性オリゴマーを含む単層の形成(1,2または3を使用した);または(5)レドックス活性複合体合成に適した官能基で終了した導電性オリゴマーを含む単層の形成、すなわち、レドックス活性複合体(例えば、結合配位子)を当分野で既知のように単層表面で合成する。このような適当な官能部は、ホスホロアミデイト添加のためのヌクレオシド、アミノ基、カルボキシル基、保護硫黄部またはヒドロキシル基を含むが、これらに限定されない。
当業者はわかるように、電極は、成分の任意の組み合わせを有するように製造し得る。従って、種々の異なる導電性オリゴマーまたは不動態化剤を一つの電極で使用し得る。
組成物がつくられると、本明細書に記載のように数多くの適用がある。
本発明の組成物は、レドックス活性複合体に結合した標的分析物を含有するアッセイ複合体を含む。レドックス活性複合体は結合配位子とレドックス活性分子を含む。好ましい実施態様において、配位子−分析物の相互作用は、レドックス活性分子の環境が結合時に十分変化して、レドックス活性分子の測定可能のレドックス性質を変える。例えば、抗原−抗体複合体、酵素−基質(または阻害剤)複合体、他のタンパク質−タンパク質相互作用などにおいて、レドックス活性分子は、相互作用の結合部位または活性部位の中に、または近接して一般に位置し、結合に際してレドックス活性分子が変化するようになる。このことは、立体配座の変化、レドックス活性分子の“遮蔽”、レドックス活性分子の新たな溶媒アクセシビリティーなどに基づくのであろう。好ましくは、レドックス活性分子は、配位子−標的結合を阻害しないが、それから影響を受けるように、位置する。一般に、RAMは、標的分析物の50Å以下、好ましくは25Å以下、さらに好ましくは6−10Å以下の範囲にある。
一般的に、ファラデーインピーダンスの変化は、RAMと電極間との電子伝達の速度変化に基づく。両者間は一般的に導電性オリゴマーを介する。半古典的な理論から予測されるように、電子伝達の速度変化は、介在媒体の変化(概念的にHABの変化)、核再編成エネルギーλの変化(この主要成分は溶媒再編成エネルギーである)、推進力の変化(−ΔG0;一般的に分析物結合の結果としてシステムの変化よりも入力シグナルの変化の関数である)距離の変化に基づく。下記の式で表される。
kET=(4π3/h2λkBT)1/2(HAB2exp[(-ΔG0+λ)2/λkBT]
このように、一般的に概説すると、ファラデーインピーダンスの変化は、RAMと電極との間の電子伝達の速度および/または量の変化を知ることで決定される。したがって、ファラデーインピーダンスの変化は、標的分析物の存在および不存在における電子伝達に始まり、標的分析物の存在または不存在に特徴的なシグナルが生じるのを測定する。いくつかの実施態様、例えばシステム8においては、分析物の不存在のとき、電子伝達はまったくないか、ほとんどない。他のシステムは、標的分析物の存在または不存在に基づく電子伝達の速度または量の変化に依存している。
電子伝達は好ましい電圧を持って、少なくとも第1入力シグナルを電子的に一般的に開始される。電位がアッセイ複合体に適用される。適用電位における厳密なコントロールおよび変形は、電位および3電極システム(1つの対照、1つのサンプル(すなわち作動)、1つの逆電極)または2電極システム(1つのサンプル、1つの逆電極)を介している。このことで応用電位がシステムのピーク電子伝達電位にマッチされる。このシステムは、一部がRAMの選択に、一部が用いた導電性オリゴマーに、単層の組成および完全性、対照電極に使用の型に依存しているものである。記載のように、フェロセンが好ましいRAMである。
好ましい実施態様において、同時還元剤または同時酸化剤(合せて、同時レドックス剤)が追加の電子源として用いられる(参照、Sato et al., Bull. Chem. Soc. Jpn 66: 1032(1993); Uosaki et al., Electrochimica Acta 36:1799(1991);およびAlleman et al., J. Phys. Chem. 100:17050(1996)、出典明示により本明細書の一部とする)。これは、直流検出を用いるとき、または遅い交流すなわち非拡散制限交流電流を用いるときに有用である。
好ましい実施態様において、溶液中の入力源が電子伝達の開始に用いられる。好ましくは、直流電流を用いてまたは拡散が制限されない交流周波数で開始および検出がなされるときである。一般に、当業者はよくわかるように、好まし実施態様で“ホール”含有の単層を用いると、システムの短絡が回避できる。これはいくつかの一般的な方法で行うことができる。好ましい実施態様において、入力電極源は、アッセイ複合体のRAMよりも低いか同じレドックス電位を有する。このように、入力電子源のレドックス電位以上の電圧において、RAMおよび入力電子源が酸化されて電子を与え得る。RAMは電極に電子を与え、入力源がRAMに与える。例えば、実施例中に記載した本発明の組成物に結合したRAMとして、フェロセンは、水溶液中で大略200mVのレドックス電位を有する(フェロセンが結合してもの、結合の方法およびなんらかの置換基の存在によって非常に変化する)。電子源のフェロシアニドは、同様に約200mVのレドックス電位を有する。従って、約200mVまたはそれ以上の電圧において、フェロセンはフェリセニウムに変わり、電子を電極に伝達する。フェリシアニドを酸化して電子をRAMに伝達することができる。この方法において、電子源(または同時還元剤)はシステムに生じたシグナルを増幅するために働き、電子源分子がアッセイ複合体に結合したRAMに電子を迅速に、かつ繰り返して伝達する。電子の供与・受容の速度は、同時還元剤の拡散の速度すなわち同時還元剤とRAMとの間の電子伝達に制限される。電子伝達は濃度および大きさなどの影響を受ける。
他方、RAMよりも低いレドックス電位を有する入力電子源が用いられる。RAMのレドックス電位よりも低いが、電子源のレドックスよりも高い電圧において、フェロシアニドなどの入力源は酸化され得ず、RAMに電子を与え得ない。すなわち電子伝達が起きない。フェロセンが酸化されると、電子の伝達経路ができる。
他の好ましい実施態様において、入力電子源は、標識プローブRAMよりも高いレドックス電位を有する。例えば、電子源のルミノールは大略720mVのレドックス電位を有する。電子源のレドックス電位よりも低いが、RAMのレドックス電位よりも高い電圧すなわち200−720mVにおいては、電圧がルミノールのレドックス電位よりも低いので、ETMはルミノール電子源から電子を受けることができない。しかし、ルミノールのレドックス電位またはそれ以上で、ルミノールはRAMに電子を伝達し、迅速かつ反復の電子伝達を可能とする。この方法において、電子源(または同時還元剤)はシステムで生じたシグナルを増幅するのに働き、電子源分子はアッセイ複合体のRAMに迅速にかつ反復して電子を供与する。
ルミノールは酸化に際して化学的発光種になるという別の利点もあり(参照Jirka et al., Analytica Chemica Acta 284:345(1993))、RAMから電極への電子伝達の光学的検出が可能となる。ルミノールが電極に直接接触しない限り、すなわち電極への効率的な電子伝達経路がないようなRAMの存在において、アッセイ複合体上のRAMに電子を伝達することのみによりルミノールは酸化される。RAMが存在していないと、ルミナールは顕著に酸化されないで、ルミノールからの低い光子放出および低い(もしあれば)シグナル放出をもたらす。標的の存在で非常に大きいシグナルが生じる。このように光子放出によるルミノール酸化の測定は、電極に電子を与えるRAMの能力についての間接的な測定となる。さらに、光子検出は一般的に電子検出よりも感度がよいので、システムの感度が増大する。最初の結果から、発光が過酸化水素濃度、pHおよびルミノール濃度(これは直線的ではない)に依存していることが示唆される。
適切な電子源分子は周知であり、フェリシアニドやルミノールが含まれるが、これらに限定されない。
他方、出力電子受容体を用いることができる。すなわち上記反応を逆に行う。電極から電子を受けるメタロセンなどのRAMを用いる。電子を迅速に繰り返し受ける出力電子受容体でメタロセンをメタリセニウムに変える。この実施態様で、コバルトイセニウムが好ましいRAMである。
システムのファラデーインピーダンスの変化、すなわち電子伝達は種々の方法によって検出することができる。光学的検出には、これらに限定されるものではないが、例えばフルオレッセンス、ホスホレッセンス、ルミネッセンス、ケミルミネッセンス、エレクトロルミネッセンスおよび屈折率がある。電子的検出には、これらに限定されるものではないが、アンペロメトリー、ボルタメトリー、キャパシタンス、インピーダンスがある。これらの方法には、交流または直流の電流に基づく時間・周波数依存法、パルス法、ロックイン法、フィルター法(高パス、低パス、バンドパス)および時間分解フルオレセンスなどの時間分解法がある。
1つの実施態様において、RAMから電極への電子の効率的な伝達は、RAMのレドックス状態での定型的変化をもたらす。ビピリジン、ピリジン、イミダゾール環含有のルテニウム複合体を含む多くのRAMでもって、レドックス状態におけるこれらの変化はスペクトルの変化に関連している。吸収の顕著な相違がこれらの分子について還元状態と酸化状態の間にみられる。例えば、参照、Fabbrizzi et al.,Chem.Soc.Rev.1995 pp192-202。これらの相違は、分子光度計あるいは光電子増倍管を用いて監視することができる。
この実施態様において、電子供与体および受容体には、光学活性化すなわち開始について上記したすべての誘導体が含まれる。好ましい電子供与体および受容体は電子伝達を高感度で監視し得るレドックスについて大きいスペクトル変化を特徴としている。好ましい例に、Ru(NH34pyおよびRu(bpy)zimがある。吸収によって監視される供給体または受容体のみが理想のスペクトル特性を有していることが理解されるべきである。
好ましい実施態様において、電子伝達は蛍光定量で検出される。ルテニウムなどの遷移金属複合体の多くが明白な蛍光性を有する。従って、レドックス活性複合体に結合した電子供与体と受容体とのレドックス状態の電荷は、Ru(4,7−ビフェニル2−フェナントロリン)3 2+などによる蛍光を用いて、感度よく監視することができる。この化合物の生成は、標準的蛍光検出法によって容易に測定することができる。例えば、レーザー誘発蛍光は、標準的細胞蛍光定量、オンライン蛍光定量でのフロー(例えばクロマトグラフィーに結合したもの)あるいは96ウエル・イムノアッセイについて市販されているものに類似の多サンプル“プレートリーダー”で記録することができる。
他方、蛍光は、溶液中の結合配位子または光学繊維に結合した結合配位子で光学結合センサーを用いて測定することができる。蛍光は光学繊維に結合した光学増倍管または他の光検出器を用いて監視することができる。これについての有利な点は、検出に用いられるサンプル量が極めて少量でよいことである。
さらに、Molecular Dynamicから販売されているFluorlmagerなどの走査蛍光検出器が固体表面に並んだ修飾核酸分子の蛍光を監視するのに非常に適している。このシステムの利点は、何千もの別異の結合配位子でカバーされたチップを一度に用いて多数電子伝達プローブを走査できることである。
多くの遷移金属複合体が大きいStokesシフトでもって蛍光を現す。適当な例として、ルテニウムなどの遷移金属のビスおよびトリスフェナントロリン複合体、およびビスおよびトリビピリジン複合体がある(参照、Juris, A., Balzani, V., et al. Coord. Chem. Rev., V.84, p.85-277, 1988)。好ましい例では、効率的な蛍光(合理的に高い量子収量)および低い再構築エネルギーを示す。これらには、Ru(4,7−ビフェニル2−フェナントロリン)3 2+、Ru(4,4’−ジフェニル2,2’−ビピリジン)3 2+および白金複合体がある(参照、Cummings et al., J. Am. Chem. Soc. 118:1949-1960(1996)、出典明示により本明細書の一部とする)。他方、ハイブリダイゼーションに関連する蛍光の低下は、これらのシステムを用いて測定できる。
別の実施態様において、電子化学発光が電子伝達検出の基礎として用いられる。Ru2+(bpy)3などのRAMのいくつかで直接発光に励起状態の低下がおきる。この性質の変化は、配位子結合に関連しており、簡単な光学増倍管で監視することができる。(参照、Blackburn, G.F. Clin. Chem. 37:1534-1539(1991);およびJuris et al., 上記)。
好ましい実施態様において、電子検出に、アンペロメトリー、ボルタメトリー、キャパシタンスおよびインピーダンスなどが用いられる。好ましい技法として、これらに限定されるものでないが、電解重量分析、クーロメトリー(制御電位クーロメトリーおよび一定カレント・クーロメトリーを含む)、ボルタメトリー(サイクルボルタメトリー、パルスボルタメトリー(正常パルスボルタメトリー、スクエア波ボルタメトリー、示差パルスボルタメトリー、オステリオウング・スクエア波ボルタメトリー、静電量パルス法)、ストリッピング分析(アニオンストリッピング、カチオンストリッピング、スクエア波ストリッピングボルタメトリー)、伝導分析(電子的伝導、直接分析)、時間依存電子化学分析(クロノアンペロメトリー、クロノポテンショメトリー、サイクルクロノアンペロメトリー、サイクルクロノポテンショメトリー、交流ポログラフィー、クロノガルバメトリー、クロノクロメトリー)、交流インピーダンス法、キャパシタンス法、交流ボランタメトリー、光学電子化学法がある。
好ましい実施態様において、電子伝達の監視はアンペロメトリー検出で行われる。この検出法において、望む標的遺伝子を含有するサンプル中の複合体結合電極と対照(逆)電極との間の電位(単離された対照電極と比較して)が利用される。相違する効率の電子伝達が標的核酸の存在または不存在によって生じる。すなわち標的分析物の存在また不存在が異なる電流をおこす。
アンペロメトリーで電子伝達を測定する器具は、感度のよい電流検出を含み、電圧電位を制御する手段、常にポテンシオスタットを含む。この電圧は標識プローブ上の電子供与複合体の電位を参照することにより最適化される。電子供与複合体には、鉄、オスミウム、白金、コバルト、レニウム、レテニウムの複合体について上記のものが含まれ、鉄複合体が最も好ましい。
好ましい実施態様において、他の電子検出法が用いられる。例えばポテンシオメトリー(すなわちボルタメトリー)には、非ファラデー法(ネット電流なし)が含まれ、pHや他のイオン検出器において通常用いられる。同様のセンサーがRAMと電極との間の電子伝達を監視するために用いられる。さらに、絶縁体(抵抗など)および導電体(導電、インピーダンス、キャピシタンス)などの他の性質がRAMと電極との間の電子伝達を監視するために用いられる。また、電流を生じるいかなるシステム(電子伝達など)も小さい磁場を生じ、ある実施態様で監視され得る。
本発明の組成物で見られる電子伝達の速い速度がもたらす一つの利点は、時間分解が吸収、蛍光あるいは電流などによるモニターにおけるシグナル対ノイズ結果を一般的に高め得ることである。本発明の電子伝達の速い速度は、高度のシグナルと電子伝達開始・完了間の定型的遅延とをもたらす。特定の遅延のシグナルを増幅することにより、電子伝達のパルス開始および“ロックイン”増幅検出およびフーリエ変換がなされる。
好ましい実施態様において、電子伝達は交流電流(AC)法を用いて始められる。理論に拘束されることなく、電極に連結したRAMは、つながっている抵抗とコンデンサーを流れる交流電圧に同様に反応する。基本的に、これらの抵抗とコンデンサーとして働く複合体の性質を測定し得る方法は、検出の基本とすることができる。驚くべきことに、従来からの電気化学理論、例えば、Laviron et al., J. Electroanal. Chem. 97:135(1979)およびLaviron et al., J. Electroanal. Chem. 105:35(1979)(出典明示により本明細書の一部とする)は、非常に小さいEAC(10mV以下)および比較的多数の分子を除き、本明細書に記載のシステムのモデルとはならない。すなわち、交流電流(I)は、Lavironの式に正確には記載されていない。このことは、この理論が電子の限界のない源とシンクを想定していることに部分的には由来するものであり、これは本発明のシステムには当てはまらない。
従って、Nernstの式と最初の原理を用いて、結果に密接に適合するモデルを開発するために、別の式をつくりだした。これは次の通りである。Nernst式、下記の式1は、同じ酸化電位ですべての分子が酸化されるわけでないので、与えられた電圧と温度における酸化分子(O)の還元分子(R)に対する比(分子数=n)を示す。
Figure 0004124830
DOは電極電位、E0は金属複合体の形式的電位、Rはガス定数、TはKelvin度数での温度、nは伝達された電子の数、Fはファラデー定数、[O]は酸化分子の濃度、[R]は還元分子の濃度である。
Nernst式は式2および3に書き改めることができる。
Figure 0004124830
DOは電位の直流素子である。
Figure 0004124830
式3は式4、5、6に、単純化のために1に等しい濃度に正常化することにより書き改めることができる。次に分子の全数を掛けることを要す。
式4 [O]+[R]=1
式5 [O]=1−[R]
式6 [R]=1−[O]
式5および6を式3に挿入し、nF/RTが38.9V-1に等しいことから、n=1とすると、[O]および[R]をそれぞれ定義する式7および8は次の通りである。
Figure 0004124830
Figure 0004124830
交流ファラデー電流の発生を考慮して、与えられる電位での[O]/[R]比を検定しなければならない。応用EACを有する特定のEDCは、本明細書で一般的に記載されるように、EACの最大値で、表面の電圧がEDC+EACになるので、より多くの分子が酸化状態になり、EACの最小値で、電圧が低くなるのでより還元される。従って、与えられたEDCでの交流電流(AC)は、Nernst曲線と同様に交流および直流電圧の両方によって検出される。特定的に交流サイクル最小での酸化分子の数を交流サイクル最大時の値から引くと、その交流サイクルにおける全変化が式9に記載のように得られる。次いで2で割ると、交流振幅が得られる。
Figure 0004124830
式10で交流電流が得られる。
Figure 0004124830
式11に示すように、全交流電流は、レドックス分子数C)、ファラデー定数(F)、交流周波数(ω)、0.5(交流振幅を考慮するため)、式7に上記した比率から導かれる。交流電圧は大略、平均振幅EAC2/πである。
Figure 0004124830
しかし、電子伝達速度の影響も機器による因子(入力インピーダンスおよび迷いキャパシタンスを含む)も、式11に組み入れられてない。電子伝達速度は、応用周波数に近いか、それより低いと、重要である。このように真のiACは下記の式12に示すような3因子の関数である。
式12
AC=f(Nernst因子)f(kET)f(機器因子)
これらの式は、交流素子および直流素子を含む入力シグナルを利用するシステムにおける期待交流電流をモデル化し、予測できる。上記したように、驚くべきことに従来の理論は、非常に低電圧の場合以外は、これらのシステムをまったくモデル化しない。
一般に、非特異的結合分析物は、特異的に結合したときよりも、インピーダンスに相違を示す(すなわち、高いインピーダンス)。好ましい実施態様において、非特異的結合物質を洗い落とすと、無限大の効果的なインピーダンスをもたらす。このように、一般的に下記するように交流検出はいくつかの利点があり、それには、感受性の増加およびバックグラウンドのノイズを拙除する能力が含まれる。特に、インピーダンスの変化(例えばバルクインピーダンスを含む)を、標的分析物の非特異的結合と標的特異的アッセイ複合体形成の差として監視できる。
従って、AC開始および検出方法を用いると、システムの周波数応答がRAM存在の結果として変化する。“周波数応答”は、電極とRAMとの間の電子伝達の結果としてのシグナル修飾を意味する。この修飾はシグナル周波数に従って相違する。周波数応答には、1以上の周波数での交流電流、位相シフト、直流オフセット電圧、ファラデーインピーダンス等が含まれる。
標的分析物を含むアッセイ複合体がつくられると、第1入力電子シグナルはシステムに用いられ、好ましくは少なくともサンプル電極(本発明の複合体を含む)および逆電極を介してシステムに用いられ、電極とRAMとの電子伝達が開始される。3つの電極システムも対照および実施電極に適用される電圧で用いられる。第1入力シグナルは少なくとも1つの交流素子を含む。交流素子は変化し得る振幅と周波数である。一般的に、本発明方法での使用において、交流振幅は約1mV−1.1Vであり、約10mV−800mVが好ましく、特に約10−300mVが好ましい。交流周波数は約10Hz−100KHzであり、約10Hz−10MHzが好ましく、約100Hz−20MHzが特に好ましい。
交流と直流シグナルとの組み合わせ使用は、驚くべき感受性とシグナル最大化を含む種々の利点がある。
好ましい実施態様において第1入力シグナルは交流素子および直流素子を含む。すなわち、サンプルと逆電極直流オフセット電圧は、RAM(例えば、フェロセンを用いると、掃引は一般に0から500mV)(あるいは、作動電極をグラウンドすると、対照電極は0から−500mVで掃引される)の電子化学的電位を介して掃引される。この掃引はシステムの最大応答が見られる直流電圧を同定するのに用いられる。これは一般にRAMの電子化学的電位かその周辺である。この電圧が測定されると、掃引または1以上のユニホーム直流オンセット電圧が用いられる。直流オンセット電圧は約−1Vから+1.1Vであり、約−500mVから+800mVが望ましく、約−300から500mVが特に望ましい。好ましい実施態様において直流オンセット電圧はゼロではない。直流オンセット電圧のトップで、変化し得る振幅および周波数のシグナル交流素子が適用される。もしRAMが存在して交流摂動に応答し得ると、電極とRAMとの間の電子伝達によって、交流電流が生じる。
確立したシステムにおいて、標的分析物の有無を識別するのに、単一の入力シグナルを用いて十分である。他方、複数の入力シグナルも適応される。これには、多くの種類があり、多重周波数、、多重交流振幅あるいはこれらの組合せが用いられる。
このように好ましい実施態様において、多重直流オンセット電圧を用いると、直流電圧掃引が好ましい。これは単一の周波数または2以上の周波数で行われれる。
好ましい実施態様において、交流振幅は変更することができる。理論にとらわれることなく、振幅を上げると推進力が増すようである。高い振幅は高い過電位をもたらし、電子伝達に速い速度を与える。一般的に同じシステムがその周波数での高い過電位の使用を介して単一の周波数での応答を改善する(すなわち、より高い出力シグナル)。振幅が高周波数で増やすと、システムを通しての電子伝達の速度を増し、感受性が大きくなる。さらに、例えば、これは、適当な空間のある配置を有さないような遅いシステムでの応答を惹起するのに用いられる。
好ましい実施態様において、システムの測定は、少なくとも2つの単離した振幅または過電位でなされる。複数の振幅が好ましい。上記したように、振幅変化の結果としての応答の変化は、システムの同定、校正および定量の基礎を形成する。さらに1以上の交流周波数が同様に用いることができる。
好ましい実施態様において、交流周波数は様々である。相違する周波数において、異なる分子が異なる方法で応答する。当業者は分かるように、周波数が増すと出力電流は一般に増加する。しかし、電極とRAMに電子が行き来する速度よりも周波数が大きいときは、RAMの高い周波数は出力シグナルの喪失または低下をもたらす。ある時点で周波数がRAMと電極との間の電子伝達の速度よりも大きくなり、出力シグナルも低下する。
ある実施態様において、検出に単一周波数における出力シグナルの単一測定を用いる。すなわち、標的分析物の不存在でのシステムの周波数応答はあらかじめ測定でき、特定の高周波数で非常に低い。この情報を用いると、特定の周波数応答がアッセイ複合体の存在を示す。すなわち、特定の周波数でのすべての応答はアッセイ複合体を特徴付ける。単一入力高周波数を用いることのみが必要であり、すべての周波数応答のなんらかの変化は、分析物が存在すること、標的配列が存在することを示す。
さらに交流技法を用いると、分析物以外の物質によるすべての単一周波数でのバックグラウンドシグナルの顕著な低下をもたらす。すなわち、望まないシグナルの“閉め出し”または“濾去”である。溶液中の電荷キャリヤーすなわちレドックス活性分子の周波数応答が、その拡散係数および電荷伝達係数によって制限される。従って、高周波数では、電荷キャリヤーはその電荷を電極に伝達するのに十分速く拡散し得ず、および/または電荷伝達速度が十分に速くない。このことは、適切な単層を用いない場合あるいは部分的または不完全な単層を用いる場合、すなわち溶媒が電極に到達し得ない場合に著しい。すでに概記したように、直流技法において、電極に溶媒が到達し得る“ホール”の存在は、システムの“短絡”溶媒電荷キャリヤーをもたらすことがある。すなわち、電極への到達およびバックグラウンドシグナルの生成である。しかし、現在の交流技法を利用すると、1以上の周波数が選ばれて、単層の存在・不存在にかかわらず溶液中の1以上の電荷キャリアーの周波数応答を防ぐ。このことは血液などの多くの生物体液が、アンペロメトリー検出を妨害し得るレドックス活性分子を顕著な量で含有しているので、特に意味がある。
好ましい実施態様において、システムの測定は少なくとも2つの単離された周波数で行われ、複数の周波数の測定が好ましい。複数の周波数には走査がある。例えば交流電流は、1−20Hzなどの低い入力周波数で、10−100kHzなどの高い周波数での出力シグナルに対する応答と比較すると、RAMの存在の有無による周波数応答の相違を示す。好ましい実施態様において、周波数は少なくとも2、好ましくは約5、さらに好ましくは少なくとも約10周波数で測定される。
電子伝達を開始するために入力シグナルを伝導した後に、出力シグナルが受けられ、すなわち検出される。出力シグナルの存在および増大は多くの因子に依存する。すなわち、入力シグナルの過電位/振幅;入力交流シグナルの周波数;介在媒体の組成物;直流オフセット;システムの環境;RAMの性質;溶媒;塩の種類と濃度である。1つの与えられた入力シグナルにおいて、出力シグナルの存在および大きさは、一般的に標的分析物の存在の有無、単層表面からのRAMの位置と距離および入力シグナルの性質に依存する。いくつかの実施態様において、非特異的結合と標的特異的アッセイ複合体の形成との相違をインピーダンスに基づき識別することは、可能である。
好ましい実施態様において、出力シグナルは交流電流を含む。上記したように、出力電流の大きさはパラメーターの数に依存する。これらのパラメーターを変えると、数においてシステムが最適化される。
本発明で生じる交流電流は一般的に、約1femptoamp−約1milliampにあり、約50femptoamp−約100microampが好ましく、約1picoamp−約1microampが特に好ましい。
好ましい実施態様において、出力シグナルは入力シグナルに比較すると交流素子でシフトする位相である。理論にとらわれることなしに、本発明のシステムを充分に一様にすると、位相シフトの検出が可能となるようである。すなわち、本発明の電子伝達が起きるバイオ複合体は、均質に交流入力と反応し、これは標準の電子素子と同じであり、位相シフトが測定できる。このことは、分析物の存在の有無の検出の基礎として、および/または標的特異的アッセイ複合体の存在とシステム成分に対する物質の非特異的結合との差異として働く。
出力シグナルは分析物の存在を特徴とする。すなわち出力シグナルは標的特異的アッセイ複合体の存在を特徴とする。好ましい実施態様において、検出の基礎は、アッセイ複合体の形成の結果としてのシステムのファラデーインピーダンスの相違にある。本発明方法で重要なことは、RAMと電極との間のファラデーインピーダンスが、標的が電極に特異的または非特異的に結合するかどうかにより非常に異なることである。
従って、本発明はさらに、本発明の組成物を用いて分析物検出のための電子機器あるいは装置を提供する。この装置は、少なくとも第1測定すなわちサンプル電極および第2測定すなわち逆電極を有するサンプル液受容用の試験室を含む。3電極システムも用いられる。第1および第2電極は試験サンプル受容領域に接触し、液体試験サンプルの存在下で、2つの電極は電子的に接触し得る。
好ましい実施態様において、本明細書に記載のように、装置は、結合配位子およびレドックス活性分子を含む本発明の組成物を含む検出電極、および導電性オリゴマーを含む単層も含む。組成物は結合配位子およびレドックス活性分子を含むレドックス活性複合体を含む。
装置は、試験室すなわち測定電極に電気的に連結した交流電圧源を含む。好ましくは、交流電圧源はオフセット電圧も同様に放出し得る。
好ましい実施態様において、装置はさらに、入力シグナルと出力シグナルとを比較し得るプロセッサーを含む。プロセッサーは電極に結合しており、出力シグナルを受けるように配置され、標的の存在を検出する。
本発明の組成物は、種々の研究、臨床、品質管理、野外試験などに用いられる。
好ましい実施態様において、ウィルスおよび細菌検出が本発明の複合体を用いてなされる。この実施態様において、種々の細菌およびウィルスに由来の標的(例えば、表面タンパク質)が検出されるように結合配位子(例えば、抗体およびその断片)が設計される。例えば、現在の血液スクリーニング法は抗HIV抗体の検出に依存している。ここに開示した方法で、抗ウイルス治療の効力を調べる改善方法として患者中に存在のウイルスを直接監視することができる。同様に、白血病関連ウィルス、HTLV−IおよびHTLV−IIがこの方法で検出される。結核およびクリミジアなどの性感染症における細菌感染も検出できる。同様に、本発明の組成物を用いて、水および食品のサンプルの選別における細菌についてのプローブとできる。同様に、本発明の組成物を用いて、バイオ治療方針を検討できる。
本発明は標的を感度よく検出できる方法を提供する。好ましい実施態様において、約1012以下の分子が検出され、約1010以下が好ましく、108以下が特に好ましく、約105以下がさらに好ましく、約104以下が最も好ましい。
本明細書に引用したすべての文献は全体として本明細書の一部とする。
以下に本発明の主な態様を記載する。
1.1つの電極を含む組成物であって、その電極が
(a)自己組織化単分子層および
(b)導電性オリゴマーを介して該電極に共有結合された金属イオン配位子を含む、組成物。
2.該電極が複数の相違する金属イオン配位子を含む、上記1の組成物。
3.該勤続イオン配位子がフェナントロリンである、上記1の組成物。
4.該導電性オリゴマーが、
i)式:
Figure 0004124830
式中、
Yは芳香族基であり;
nは1から50の整数であり;
gは1または0のいずれかであり;
eは0から10の整数であり;そして
mは0または1であって;
式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、及び
ii)式:
Figure 0004124830
式中、
nは1から50の整数であり;
mは0または1であって;
Cは炭素であり;
Jはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄からなる群から選択され;
Gはアルカン、アルケンまたはアセチレン(m=0の場合、少なくとも1つのGはアルカンでない)から選択される結合である、
よりなる群から選ばれる、上記1の組成物。
5.金属イオンを検出する方法であって、
a)第1入力シグナルを下記i)およびii)を含むアッセイ複合体に適用し、
i)下記1)および2)を含む電極:
1)自己組織化単分子層および
2)導電性オリゴマーを介して該電極に共有結合された金属イオン配位子、および
ii)金属イオン
b)システムのファラデーインピーダンスにおける変化を金属イオンと金属イオン配位子との結合の結果として検出する、
ことを含む方法。
6.サンプル中の非核酸標的分析物を検出する方法であって、
a)第1入力シグナルを下記i)およびii)を含むアッセイ複合体に適用し、
i)下記1)および2)を含むレドックス活性複合体:
1)レドックス活性分子および
2)標的分析物に結合する結合配位子、および
ii)標的分析物
(該アッセイ複合体の少なくとも1つの成分が導電性オリゴマーを介して電極に共有結合している)
b)システムのファラデーインピーダンスにおける変化をレドックス活性分子と標的分析物(もし存在すれば)との結合の結果として検出する、
ことを含む方法。
7.該電極が自己組織化単分子層をさらに含む、上記6の方法。
8.該入力シグナルが交流成分を含む、上記6の方法。
9.該入力シグナルが直流成分をさらに含む、上記6の方法。
10.該レドックス活性分子が該電極に共有結合している、上記6の方法。
11.該結合配位子が該電極に共有結合している、上記6の方法。
12.該レドックス活性分子が遷移金属複合体である、上記6の方法。
13.該遷移金属複合体がフェロセンである、上記12の方法。
14.該レドックス活性分子が該結合配位子に共有結合している、上記6の方法。
15.該検出が該分析物の存在を特徴とする出力シグナルを受けることによる、上記6の方法。
16.該出力シグナルが電流である、上記15の方法。
17.該導電性オリゴマーが、
i)式:
Figure 0004124830
式中、
Yは芳香族基であり;
nは1から50の整数であり;
gは1または0のいずれかであり;
eは0から10の整数であり;そして
mは0または1であって;
式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、及び
ii)式:
Figure 0004124830
式中、
nは1から50の整数であり;
mは0または1であって;
Cは炭素であり;
Jはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄からなる群から選択され;
Gはアルカン、アルケンまたはアセチレン(m=0の場合、少なくとも1つのGはアルカンでない)から選択される結合である、
よりなる群から選ばれる、上記6の方法。
18.試験サンプル中の標的分析物を検出するための装置であって、
a)少なくとも第1および第2測定電極を含む試験室、ただし該第1測定電極は下記i)およびii)を含む、
i)自己組織化単分子層および
ii)該電極にスペーサーを介して共有結合された結合配位子(該結合配位子は核酸でない)、
b)該試験室に電気的に結合された電流源、
を含む装置。
19.該試験室が複数の場所を有し、各場所が1つの電極を含み、その電極が
i)自己組織化単分子層および
ii)該電極にスペーサーを介して共有結合された結合配位子(該結合配位子は核酸でない)、
を含む、上記18の装置。
20.プロセッサーをさらに含む、上記18または19の装置。
21.該スペーサーが導電性オリゴマーである、上記18、19または20の装置。
22.該導電性オリゴマーが、
i)式:
Figure 0004124830
式中、
Yは芳香族基であり;
nは1から50の整数であり;
gは1または0のいずれかであり;
eは0から10の整数であり;そして
mは0または1であって;
式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、及び
ii)式:
Figure 0004124830
式中、
nは1から50の整数であり;
mは0または1であって;
Cは炭素であり;
Jはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄からなる群から選択され;
Gはアルカン、アルケンまたはアセチレン(m=0の場合、少なくとも1つのGはアルカンでない)から選択される結合である、
よりなる群から選ばれる、上記21の装置。
23.該スペーサーが絶縁体である、上記18、19、20、21または22の装置。
24.該自己組織化単分子層が絶縁体を含む、上記18、19、20、21、22または23の装置。
25.該自己組織化単分子層が導電性オリゴマーを含む、上記18、19、20、21、22または23の装置。
26.該自己組織化単分子層が導電性オリゴマーおよび絶縁体を含む、上記18、19、20、21、22または23の装置。
27.該自己組織化単分子層が下記式の該導電性オリゴマー
式:
Figure 0004124830
式中、
Yは芳香族基であり;
nは1から50の整数であり;
gは1または0のいずれかであり、
eは0から10の整数であり;そして
mは0または1であって;
式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、
上記25または26の装置。

Claims (25)

  1. サンプル中の非核酸標的分析物を検出する方法であって、
    a) i)下記1)および2)を含むレドックス活性複合体:
    1)レドックス活性分子および
    2)標的分析物に結合する結合配位子、および
    ii)標的分析物
    を含むアッセイ複合体であり、該アッセイ複合体の少なくとも一つの成分は、スペーサーを介して電極に共有結合しているアッセイ複合体に、第1入力シグナルを適用すること
    b)システムのファラデーインピーダンスにおける変化をレドックス活性分子と、もし存在すれば標的分析物との結合の結果として検出すること、
    を含む方法。
  2. ファラデーインピーダンスの変化は、レドックス活性分子のE 0 の変化である請求項1に記載の方法。
  3. 該電極の表面に、自己組織化単分子層が形成されている、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 該入力シグナルが交流成分を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 該入力シグナルが直流成分をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 該レドックス活性分子が該電極に共有結合している、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 該結合配位子が該電極に共有結合している、請求項1又は2に記載の方法。
  8. 該レドックス活性分子が遷移金属複合体である、請求項1又は2に記載の方法。
  9. 該遷移金属複合体がフェロセンである、請求項8に記載の方法。
  10. 該レドックス活性分子が該結合配位子に共有結合している、請求項1又は2に記載の方法。
  11. 該検出が該分析物の存在を特徴とする出力シグナルを受けることによる、請求項1又は2に記載の方法。
  12. 該出力シグナルが電流である、請求項11に記載の方法。
  13. 該スペーサーが、導電性オリゴマーである請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 該導電性オリゴマーが、
    i)式:
    Figure 0004124830
    式中、
    Yは芳香族基であり;
    nは1から50の整数であり;
    gは1または0のいずれかであり;
    eは0から10の整数であり;そして
    mは0または1であって;
    式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
    式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、及び
    ii)式:
    Figure 0004124830
    式中、
    nは1から50の整数であり;
    mは0または1であって;
    Cは炭素であり;
    Jはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄からなる群から選択され;
    Gはアルカン、アルケンまたはアセチレン(m=0の場合、少なくとも1つのGはアルカンでない)から選択される結合である、
    よりなる群から選ばれる、請求項13に記載の方法。
  15. 試験サンプル中の非核酸標的分析物を検出するための装置であって、
    a)少なくとも第1および第2測定電極を含む試験室であって、
    該第1測定電極は、
    i)レドックス活性分子;及び
    ii)スペーサーを介して、該電極と共有結合している、核酸でない結合配位子
    を含み、
    該電極の表面に、自己組織化単分子層が形成されており、
    b)該試験室に電気的に結合された電流源、
    を含む装置。
  16. 該試験室が複数の場所を有し、各場所が1つの電極を含み、
    その電極が
    i)レドックス活性分子;及び
    ii)スペーサーを介して、該電極と共有結合している、核酸でない結合配位子
    を含み、
    該電極の表面に、自己組織化単分子層が形成されている
    請求項15に記載の装置。
  17. 結合配位子は、タンパク質、脂質及び炭水化物を含む、請求項15又は16に記載の装置。
  18. プロセッサーをさらに含む、請求項15〜17のいずれかに記載の装置。
  19. 該スペーサーが導電性オリゴマーである、請求項15〜18のいずれかに記載の装置。
  20. 該導電性オリゴマーが、
    i)式:
    Figure 0004124830
    式中、
    Yは芳香族基であり;
    nは1から50の整数であり;
    gは1または0のいずれかであり;
    eは0から10の整数であり;そして
    mは0または1であって;
    式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
    式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、及び
    ii)式:
    Figure 0004124830
    式中、
    nは1から50の整数であり;
    mは0または1であって;
    Cは炭素であり;
    Jはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、窒素、ケイ素、リン、硫黄からなる群から選択され;
    Gはアルカン、アルケンまたはアセチレン(m=0の場合、少なくとも1つのGはアルカンでない)から選択される結合である、
    からなる群から選ばれる、請求項19に記載の装置。
  21. スペーサーは、絶縁体である、請求項15〜20のいずれかに記載の装置。
  22. 該自己組織化単分子層が絶縁体を含む、請求項15〜21のいずれかに記載の装置。
  23. 自己組織化単分子層が導電性オリゴマーを含む、請求項15〜21のいずれかに記載の装置。
  24. 自己組織化単分子層が導電性オリゴマーおよび絶縁体を含む、請求項15〜21のいずれかに記載の装置。
  25. 自己組織化単分子層が下記式の該導電性オリゴマー
    式:
    Figure 0004124830
    式中、
    Yは芳香族基であり;
    nは1から50の整数であり;
    gは1または0のいずれかであり;
    eは0から10の整数であり;そして
    mは0または1であって;
    式中、gが1のとき、B−Dは共役結合であり;
    式中、gが0のとき、eは1であり、Dは好ましくはカルボニルまたはヘテロ原子部分であり、そのヘテロ原子は、酸素、硫黄、窒素、ケイ素またはリンから選択される、
    を含む請求項23又は24に記載の装置。
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