【発明の詳細な説明】
ヒンジ
発明の分野
本発明は懸垂部材のヒンジ式ジョイントに使用する装置、特にドアウングおよ
び窓ガラス、滑走部のパーツ、および建築に使用される物、舞台背景、イージー
コンイパートメントの再設計の配置、技術用および家庭用部材等を含む、種々の
可動かつ移動構造体等の構造構成要素を連結するために使用するヒンジに関する
。
従来技術
従来、弾性ジョイントにより連結された固定部および可動部から成るヒンジが
知られている。ジョイント要素は軸方向へ自由に移動するスプリング荷重ロッド
を意味し、弾性ジョイントにより結合された可動部を有する(USSR発明者証
第462922号)。このヒンジは懸垂部材から突出していないが、180゜回
転のみを確実にする。そのために、かかるヒンジは製造が困難で強度に限界があ
る。
2つの懸垂部材を連結するための弾性ジョイントが既知であり、例えば、US
特許第2135280号、同第2178271号、同第2694216号に記載
されている。これらの装置の設計は懸垂部材へ取り付けられたジョイント要素を
相互に連結するためにヒンジ−レバー機構を使用している。この種の既知装置の
全てにおいて、上記機構の2パーツ間には回転中心軸を通る唯一の対称軸が設け
られており、長さの
異なる付加レバー(US特許第2133528号、同第2694216号)また
は付加滑走軸(US特許第2178271号)を有する2つのレバーを連結し、
結合要素を有するレバーを連結する。懸垂部材の所定角の回転により、レバーは
懸垂部材の範囲を越えて突出する。
上記既知ヒンジにおいて結合要素は4つのレバーにより相互にリンクされてお
り、結合要素の回転平面内で運動するために取り付けられ、上記回転平面に対し
て直角に回転する5つの車軸により連結されている。この場合、複雑なヒンジ−
レバー系が導入されており、少なくとも2つの大きさの連結レバーを製造する必
要がある。かかる系の信頼性は高くない。これはこの系(レバー相互と結合要素
を連結する5つの車軸)における多数のヒンジ式ジョイントによるものである。
そのために、レバーは回転時に懸垂部材から突出するので、懸垂部材の重量の影
響下で曲げ歪みを受ける。これは断面積を増加するかまたは製造上一層強度のあ
る材料を使用することによりレバーの剛性を高める必要があるので極めて望まし
くない。
上記ヒンジの主欠点は懸垂部材の制限された相互回転しかできない点と180
°(US特許第2178271号、同第2694216号)または90°(US
特許第2135280号)の1方向への回転しかできない点にある。
レバーがその回転中に懸垂部材から現れるということは、ヒンジの美的印象を
損ない、かつ例えば、特に、重いドアウングのために懸垂部材の中央部に余分の
レバー設置を必要とする場合には危険である。不注意のために、レバーの突出部
により人が怪我をする場合がある。
発明の開示
本発明は懸垂部材を連結するためのヒンジのヒンジ−および−レバー機構に関
し、上記懸垂部材の一方の両側への回転または上記懸垂部材の180°往復回転
並びに上記懸垂部材の一方の他方に相関する360°回転を、最小のヒンジ構成
部材および連結部により、かつ上記懸垂部材の回転時に上記レバーを上記懸垂部
材から突出させることなく確実にし、上記連結された懸垂部材の上記回転後に上
記懸垂部材が初期位置へ自己復帰する可能性を付与することを課題とする。
上記課題は懸垂部材用の本発明によるヒンジにより実現される。本発明のヒン
ジは適宜の懸垂部材へ取り付けられかつレバーにより相互に連結されることので
きる設計の一対の結合要素を含む弾性ジョイントから成り、上記レバーは回転心
棒を中心に平行平面内で往復動作するための自由をもって取り付けられ、上記結
合要素上に固定されており、かつ本発明によれば上記レバーは回転心棒間で同一
長さを有し、かつ上記結合要素の相関回転中に上記レバー運動の平面に平行の平
面上で上記レバーの長軸の交差により形成される点軌跡が楕円形カーブである。
同一の長さを有する2つのレバーを採用することにより、本発明のヒンジのか
かる設計は各結合要素の両側への回転、または結合要素の180°往復回転およ
び一方の結合要素の池方に相関する360°回転を上記結合要素の範囲から上記
レバーを突出させることなく確実にする。このために、本発明のヒンジは、2つ
のレバーと、これらを上記結合要素へ連結するために4つの回転心棒を有するの
みである。上記回転心棒は全て上記結合要素へ取り付けられ、上記レバーは上記
結合要素の範囲内にある。これは、曲げ歪みを解消することにより、上記ヒンジ
の信頼性の向上および上記ヒンジの強度の増大を促進する。上記レバーが回転中
に上記結合要素の範囲を越えて突出しないということは美的印象を高めかつ上記
ヒンジの安全性を確実にする。
レバー運動の平面に平行の平面を有する上記レバー回転の幾何学軸の交点は同
軸に上記結合要素が装着される四辺形の角頂に位置してよい。または上記交点は
上記結合要素と平行の四辺形の角頂に位置してよい。
レバー運動の平面に平行の平面をもつ上記回転心棒の幾何学軸の交点間の距離
が上記レバー回転心棒が設置された幾何学軸が通過する平面において結合要素の
最大寸法よりも小さくない寸法にすることには正当な理由がある。
そのために、上記結合要素の往復運動の自由が確実に得られる。
上記回転心棒の幾何学軸に平行の母線により、相互に対面する上記結合要素の
凸状湾曲端面を形成することには正当な理由がある。
かかる設計は1つの同一平面の1位置において(例えば、ドアウイングを閉鎖
した状態で)上記結合要素間の隙間を最小にする。
レバー運動の平面に平行の平面による凸状湾曲面の交点はレバー運動の平面に
平行の平面上の上記レバー長軸の交点により形成された半楕円形の点軌跡である
のが好ましい。
かかる設計は上記結合要素の共役面の実行可能な理想的幾何学的走行によりい
ずれの位置においても上記懸垂部材間に少しの隙間も実際に設けない。
本発明のヒンジ設計の態様において、各結合要素はレバーを収容する2つの孔
を有し、かつ各上記孔は相互に反対の静止面および移動する自由をもった一対の
スプリング荷重ロッドを有し、上記ロッドの空端部は上記レバーの静止面と相互
作用する。
かかる設計のヒンジは上記結合要素の一方または両方の初期位置へ強制的に自
己復帰すると共に閉鎖位置で上記懸垂部材を保持するための所定の力を有する。
これは使用されたヒンジの作用を改善しかつその利用範囲を広げる。
上記ロッドはフランジ、および静止部をもった結合要素を具備するのが好まし
く、上記結合要素の静止部と上記フランジとの間にはスプリングが取り付けられ
ている。
各結合要素は動作に対するスプリング荷重ロッド用係止機構を有するのが好ま
しい。
かかる設計において、上記懸垂部材は自動回転およびかかる回転に必要とされ
る動力調整に対する選択的ストッパ要素を有する。
上記スプリング荷重ロッドは上記レバー静止面と相互作用するために上記ロッ
ドの空端部に弾性的に取り付けられたプッシャを有する。
かかる設計は使用されたヒンジの信頼性を高め、生産および組立を簡単にする
。
図面の簡単な説明
以下に添付図面を参照して本発明の実施態様のいくつかのき態様を詳細に説明
する。
図1は本発明のよるヒンジの大要図を示す(正面図)。
図2は図1のII−II線上の断面図である。
図3は図1のIII−III線上の断面図である。
図4は図1のIV−IV線上の断面図である。
図5は図1と同様の図である(本発明によるヒンジに連結された懸垂部材の1
つの『閉鎖』、『180°の1方側への開放』、および『180°他方側への開
放』位置を示す)。
図6は本発明によるヒンジにより連結された懸垂部材の相互回転時のレバーの
長軸の接点の軌跡構成を示す概略平面図である。
図7から12は本発明によるヒンジレバー回転心棒の相対位置を示す概略図で
ある。
図13はヒンジ結合要素の端面に楕円面部を有する本発明によるヒンジの実施
態様の平面を示す概略図である。
図14はヒンジ結合要素の端面に空洞部を有する本発明によるヒンジの実施態
様の平面を示す概略図である。
図15は初期位置へ自己復帰する懸垂部材機構の部分断面を有する本発明によ
るヒンジの1実施態様の正面図で示す。
図16は図15のXVI−XVI線上の断面図(図面の左側)および矢印“A
”の図(図面の右側)である。
図17は図15のXVII−XVII線上の断面図である。
図18は図15のXVIII−XVIII線上の断面図である。
図19は図15のXIX−XIX線上の断面図である。
図20は本発明によるヒンジの、開放位置IIとII−2のヒンジ結合要素を
示す正面図である。
図21は本発明によるヒンジの、ヒンジ結合要素の位置II−
1から他方側の『開放』位置II−2へ回転したヒンジ結合要素の回転中間位相
を示す平面図である。
図22はヒンジ結合要素の動作による本発明によるヒンジスプリング荷重ロッ
ドの運動を示す線図である。
図23は本発明によるヒンジの態様の分解図であって、初期位置へ自己復帰す
る結合要素の部分断面を有する正面図を示す。
図24は図23の矢印“B”に沿った図である。
図25は図24のXXV−XXV線上の断面図である。
図26は図24のXXVI−XXVI線上の断面図である。
図27は図24のXXVII−XXVII線上の断面図である。
図28は図24のXXVIII−XXVIII線上の断面図である。
図29は図24のXIX−XIX線上の断面図である。
図30は本発明によるヒンジの他の態様であって、初期位置へ自己復帰する懸
垂部材機構の部分断面を含む正面図である。
図31は図30のXXXI−XXXI線上の断面図である。
図32は図30のXXXII−XXXII線上の断面図である。
図33は図30のXXXIII−XXXIII線上の断面図である。
図34は図30のXXXIV−XXXIV線上の断面図である。
図35は図30のXXXV−XXXV線上の断面図である。
図36は図32のXXXVI−XXXVI線上の断面図である。
本発明の好ましい態様
本発明のヒンジ1(図1)は主として懸垂部材2と3を連結するために設計さ
れており、図1の平面に垂直な平面で相互に対して回転するように懸垂部材2と
3のそれぞれに結合される一対の結合要素4,5から成る。この目的のために、
上記ヒンジは一対のレバー6,7(図1から5)を有し、上記レバーは回転心棒
8,9’および8’,9を中心に平行平面内で往復運動を自由にするために取り
付けられ、結合要素4と5の上にそれぞれ固定されている。レバー6と7が運動
する平面は懸垂部材2と3の回転面と平行である。回転心棒間のレバー6と7の
長さ(または、同様に、回転平面上の突起内の回転心棒8,9’と8’9の幾何
学的中心間の距離(図面平面))は同一である。図5は懸垂部材3,3’および
3”の2つの位置を示す。
相互に関して運動する上記懸垂部材を具備するレバー6と7の長軸F1,F2
およびF3,F4(図6)は、例えば、回転面(図面平面)上の突起内で相互に
交差することにより実線で示した位置から点線で示した位置へ楕円曲線を構成す
る点の軌跡を形成する。これは図6に示した幾何学構造から自明である。図6で
は懸垂部材3の連続位置は位置31−38により形成される。かかる態様のヒンジ
の特徴は上記懸垂部材の範囲を越えてレバー6と7が突出することく180°の
角度で上記懸垂部材の往復回転を確実にする。図6は上記レバーの長軸F1,F
2およびF3,F4の形態において結合要素を具備しない上記ヒンジの概略図で
あり、上記レバーは回転心棒8,8’および9,9’により懸垂部材2および3
を連結し、上記回転心棒の幾何学軸は点F1,F2およびF3,F4によりそれ
ぞれ形成されている。
図7の細線により示されたように、点F1,F2およびF3,
F4は、レバー運動の平面に平行な平面によるレバー6および7の回転の幾何学
的軸の交差により得られる、点F1,F2およびF3,F4を通過する上記レバ
ーの長軸F1,F4およびF2,F3を有する四辺形の角頂に位置し、その四辺
形の対角線上にあるレバー運動の平面に平行な平面によるレバー6および7の回
転心棒8,9’および8’,9の幾何学軸の交差の起点である。図3はレバー運
動の平面と平行の平面によるレバー6および7の回転心棒8,9’および8’,
9の幾何学軸の交点F1,F2およびF3,F4が四辺形の対角線上に設けられ
おり、上記結合要素が同軸設置された状態を示すが、上記懸垂部材を同軸かつ平
行に装着する回転心棒が異なる相対位置をとることが可能であることは明らかで
ある。図7から12は結合要素4,5を装着しないレバー6および7の長軸F1
F4およびF2F3のみを概略的に示す。
図1から5に示されたように、レバー6,7は結合要素4,5の表面に対して
異なる側に設置されており、荷重配分の観点から最も奨励できる。しかし、これ
は必須ではなてく、上記レバーは必要ならば上記に示された面と同一側に設置で
きる。このために、平行平面でのレバー運動を確実にするために種々の技術的方
法が使用でき、本発明の思想に関係なく当業者に周知である。
レバー運動の平面に平行の平面をもつレバー6,7の回転心棒8,9’および
8’9の幾何学軸の交点F1,F2およびF3,F4間の距離F1−F4または
F2−F3は、上記結合要素内にそれぞれ設けられた回転心棒8,9’および8
’,9の幾何学軸を通過する平面(図6)内の結合要素4または5の最大寸法“
B”に少なくとも等しい。図6は寸法がB1>Bの結合要素(図6に図示せず)
は懸垂部材2を装着して図6の上方部に点線で示し
た位置34をとることはできないことを示す。上記回転心棒8,9’および8’
,9の幾何学軸を通過する平面において結合要素4または5の大きい寸法B2よ
りも大きいレバー運動の平面と平行の平面によるレバー6,7の回転心棒の幾何
学軸の交差位置F1,F2とF3,F4との間の距離F1−F4またはF2−F
3を維持して反対位置をとることは何ら不可能でない。かかる態様は平行位置へ
回転した後の上記懸垂部材間にギャップを必要とする場合に使用できる。この場
合、レバー6,7の小部分が図6において下方部に示されように上記懸垂部材の
位置38において結合要素4,5または懸垂部材2,3の範囲を越えて僅かに突
出する。
結合要素4,5は懸垂部材2,3に取り付けられており、ネジ、接着剤、溶接
等既知手段により相互に連結されるが、切り込みを併用するのが装飾的効果を得
るのによい。この目的から、図1から4に示すように、結合要素4,5はネジ用
の孔10を有する。
本発明のヒンジを使用するために、レバー6および7により相互に連結される
結合要素4および5は上記のごとくそれぞれ懸垂部材2および3へ取り付けられ
る。結合要素4および5をレバー6および7により相互に連結しないで懸垂部材
2および3へ取り付けることができる。上記レバーは、結合要素4および5をそ
れぞれ懸垂部材2および3へ取り付けた後に据え付けることができる。
必要により、懸垂部材2(例えば、ドアウング)の1つは180°完全開放す
るまで図6に示されたように位置2から位置28へ回転する。この場合、レバー
6および7の往復動作は図示されたように長軸F1F4およびF2F3の相対位
置のF1F4およ
びF2F3からF18F48およびF28F38(図6)への変化より行われる。
図7から12に示されたように、上記結合要素(図示せず)の相互に対面する
端面は凸状湾曲面11−13であり、その母線はレバー6,7の回転心棒8,9
’および8’,9の幾何学軸と平行である。これは、図6に示されたように、レ
バー運動の平面に平行の平面によるレバー6,7の長軸F1F4およびF2F3
の交差によって相互に関して1結合要素が回転したときに形成される点軌跡が半
楕円形であることからレバー6,7運動の平面に平行の平面による凸状湾曲面1
1−13のセクションを有することが望ましい場合である。この図形において、
焦点F1およびF2による半楕円形は、上記のごとく、結合要素4(図示せず)
の凸状湾曲端面の断面と懸垂部材2の端面により形成される。この場合、懸垂部
材2,3の端面間の隙間は最小限とし、理想的にはゼロである。
上記結合要素(懸垂部材)の形状に関しては種々の変形が可能であり、楕円面
(図13)の一部であってよく、または凹部(図16)を有していてよいことは
専門家に明らかであろう。かかる面はヒンジの目的によって、より信頼性のある
締結を得るため、または他の目的のために使用できる。上記ヒンジの設計態様の
使用例は図13,14から明らかである。
図15から21に示された設計態様において、上述の要素は同一参照番号によ
り示されており、各結合要素4,5は2つの孔14,15または14’,15’
(図15)を有し、レバー6,7を収容しかつ相互に対向して静止面16,17
および16’,17’、および運動の自由を有する一対のスプリング荷重ロッド
18を具備し、上記ロッドの空端部はレバー6,7の静止面16,
17および16’,17’と相互作用するようになっている。ロッド18は軸動
作のための自由をもって取り付けられかつフランジ19を具備する。他方、結合
要素4,5は静止部20,20’を有する。結合要素4,5の静止部20および
20’とロッド18のフランジ19との間にはスプリング21,21’が設けら
れ、その内側には付加スプリング22,22’(必須でない)が設けられている
。標準条件下のこの構成において、ロッド18は、スプリング21,21’およ
び付加スプリング22,22’によりレバー6,7の静止面16,17および1
6’,17’へ押圧されて、懸垂部材2を同軸(閉鎖された)位置に保持し、か
つ平行位置へ回転後にこの位置への自己復帰する(図21)。
結合要素4,5は、レバー6,7を収容するために孔14,15と14’,1
5’との間に設置され、かつ孔14,15と14’,15’の対称平面内に設け
られた軸0−0’を有する孔24,24’を具備する分離ウエブ23,23’を
有する。
結合要素4,5の本体は結合要素4,5の分離ウエブ23,23’内の孔24
,24’と交差しかつスプリング荷重ロッド18の運動方向へ配設されたガイド
孔25,26および25’,26’を具備する。フラット部27(図18から2
0)を有するロッドの端部はガイド孔25,26および25’,26’内に配設
されている。
上記ヒンジはストッパ要素28,28’、結合要素4,5の分離ウエブ23,
23’の形態による、動作に対抗するスプリング荷重ロッド18係止機構を有す
る。ストッパ要素28,28’は円筒状ステムの形状を有し、上記ステム(図1
9)の側面に沿って隔置された直径反対方向の溝29,29’を具備する。ロッ
ド18(図18から20)は溝29,29’の幅よりも小さい幅を
有するフラット部27からストッパ要素28,28’の溝29,29’へ進入す
る。
上記要素を同一参照番号で示す図23から29に示された設計態様は上述の態
様と同様であるが、次の点のみが異なる。スプリング荷重ロッド18はプッシャ
18aを具備し、このプッシャはレバー6,7の静止面16,17および16’
,17’と相互作用するために上記ロッドの空端部へピン30により弾性的に取
り付けられる。プッシャ18aは板状であるが、上記ロッドの断面は円筒状であ
る。ロッド18は静止面の形態の小さい直径を有するテール片18bと嵌合して
いる。テール片18bは可動レスト33のフランジの盲孔31へ入り、可動レス
ト33はガイド要素34へ固定され、ガイド要素34は結合要素4へ固く連結さ
れかつ固定レスト35を装着する。ストッパ要素28は円筒状ステムの形状で形
成され、上記ストッパ要素の全長に沿った半円形断面を有する直径反対方向の溝
29を具備し、ロッド18を受ける。上記プッシャ板の幅はストッパ要素28の
溝29の幅よりも小さい。ストッパ要素28は前へ回転するためにスリット36
を具備する。
図30から36に示された本発明のヒンジの設計態様において、上記要素は上
記と同一参照番号で示されており、各結合要素4,5はレバー6,7の運動の平
面に平行の平面内にガイド孔37,37’を有し、他方、上記レバーを収容する
孔14,15および14,15’はレバー6,7と平行に設置されかつ結合要素
4,5の端面39,39’(図32)の側からガイド孔37,37’の一部内に
配設された分離ウエブ38,38’により形成されており、かつ分離ウエブ38
,38’の平面と平行に設けられた貫通孔40,40’(図36)によりガイド
孔37,37’へ連
結される。レバー6,7は分離ウエブ38,38’(図30から33)の両側上
のガイド孔37内に取り付けられる。レバー6,7運動の平面に直角の平面によ
る断面内において、ガイド孔37,37’は2つの歪対称凹部41,42,41
’,42’を有する。この態様において、上記プッシャは一対の2重アームレバ
ー43,44,43’,44’として形成され、各結合要素4,5へ弾性的に取
り付けられ、分離ウエブ38,38’へ直角の上記結合要素のガイド孔(図示せ
ず)内に据え付けられるスプリング荷重ロッド18へ弾性的に取り付けられる1
セットのアーム45,46,45’,46’を有し、他方セットのレバーアーム
47,48,47’,48’はガイド孔37,37’内に配設されかつガイド孔
37,37’に対応する断面を有する押圧要素49,49’の端面を押圧要素4
9,49’の反対側から付勢する。
動作に対抗するスプリング荷重ロッド18係止機構は閉鎖偏心カム51,51
’の形態に形成され、上記偏心カムは貫通孔40,40’内で回転心棒52,5
2’上に据え付けられかつ突出制御ボス53,53’(図31から33および3
6)を有する。上記端面と反対の押圧要素49,49’の端部は凹所50,50
’を有し、これは分離ウエブ38,38’の平面に平行の平面による断面におい
て階段を形成する(図31から33および35)。
図15から21に示された設計態様の作用の説明
初期位置において、懸垂部材2,3(図15,16)はその端面が相互に対面
して結合するように同軸に設置する。この位置は、例えば、閉鎖ドアの位置に対
応する。同位置において、ロッド18(図18,19)をストッパ要素28,2
8’の溝へ進入さ
18(図18,19)をストッパ要素28,28’の溝へ進入させる。フラット
部27の幅が溝29,29’の幅よりも小さいので、上記ロッドは簡単に移動す
るら懸垂部材の1つの他方懸垂部材(図21)に関する回転時に、スプリング2
1,22および21’,22’はロッド18のフランジ19による加圧によって
圧縮され、上記懸垂部材はレバー6,7を回転させる静止面16,17および1
6’,17’の動作により移動する(図15から17および21)。それにより
、上記懸垂部材2,3は相互に平行位置になる。保持懸垂部材の場合、例えば、
懸垂部材を開放し、スプリング21,22および21’,22’を弛緩してフラ
ンジ19によりロッド18上を加圧する。ロッド18の端部がレバー6,7の静
止面16,17および16’,17’上に作用する(図15から17および21
)。その後に、レバー6,7は反対方向へ回転して、懸垂部材2,3を相互に関
して回転させかつ該懸垂部材を初期位置へ復帰させる(図15から17)。かか
るヒンジの作用は、例えば、自己閉鎖ドアまたは種々機構の板ガラスが使用され
るときに適用できる。
図22はスプリング荷重ロッド18の運動対懸垂部材の運動の線図であり、“
L”で表示された懸垂部材の単独運動は“H”で示されたロッド18のH1から
H8までの運動に合致する。この図は、上記懸垂部材の開放方向への回転に従っ
て上記スプリング荷重ロッド運動値が降下することを表している。このことによ
り、上記懸垂部材を開放するための動力は上記スプリングの圧縮中に上るスプリ
ングの抵抗よりも早く下る。それと共に、ロッド18が上記懸垂部材の閉鎖(同
軸)位置で結合要素4,5により停止させられると直ちに初期位置へ自己復帰す
る懸垂部材機構の力が瞬時に低下してゼロになることにより、上記懸垂部材は閉
鎖位
置では揺動しない。
上記初期位置へ自己復帰する懸垂部材機構の使用を必要としない場合において
、ストッパ要素28の1/4回転は、スリット36で懸垂部材2,3を相互に対
して平行にして(例えば、ドア開放位置において)スプリング21,22および
21’,22’(図21)を圧縮させることにより可能である。これにより、上
記ロッドのフラット部27の後ろ部分がストッパ要素28,28’の側面を付勢
するがレバー6,7を加圧しない。懸垂部材2,3の加圧回転中に、ロッド18
は動作せず、上記ヒンジ作用になんら影響を与えない。この場合、上記ヒンジ作
用は上述のいずれの態様においても同様である。
懸垂部材2,3を開放するに必要とされる動力を減少させる必要がある場合に
は、上記懸垂部材の1つのストッパ要素28を回転させ、対のスプリング荷重ロ
ッド18の係合を解放する。他の対のロッドは連続して両レバー6,7上に働く
。上記スプリングが効かない場合には、上記ヒンジを懸垂部材2,3の開放およ
び自己復帰に必要とされる小動力状態下で操作し続ける。上記スプリングが破壊
した場合には、上記ヒンジが作用する。ただし、この場合、上記懸垂部材の初期
位置への自己復帰はできない。
上記ロッド18はレバー6,7の静止面を自由に付勢するので、重量モーメン
トは完全にレバー6,7に吸収されて上記スプリング上へは作用しない。これは
ヒンジの信頼性を改善する。
図23から29に示され本発明のヒンジ設計の態様は次の1つ例外を除いて上
記と同様に作用する。ロッド18はピン30によりロッド18の空端部へ弾性的
に取り付けられているプッシャ18aによりレバー6,7の静止面16,17お
よび16’,17’と相互作用する。かかる設計は信頼性を向上させかつ組立手
順
を単純化する。
図30から36に示された設計態様の作用の説明
初期位置において、懸垂部材2,3(図30から34)はそれらの端面が相互
に対面して結合するように同軸位置に配設される。これは、例えば、閉鎖ドア位
置に対応する。この位置で、2重アームレバー43,44,43’,44’がス
プリング力により押圧要素49,49’へ圧力を加える。偏心カム51,51’
は押圧要素49,49’の長手運動を抑制しない(図31,32および36)。
この位置で、2重アームレバー43,44,43’,44’とロッド18は押圧
要素49,49’の移動と共に移動する。懸垂部材2,3の一方の他方に対する
回転の場合、スプリング21が孔37,37’内で押圧要素49,49’の動作
により圧縮され、2重アームレバー43,44の回転によりレバー6,7の静止
面16,17および16’,17’が回転し、かつロッド18の運動によりその
フランジ19がスプリング21上へ作用する。この上で、懸垂部材2,3は相互
に対して平行の位置へつく。保持懸垂部材、例えば、懸垂部材3、がこの位置で
解放される場合、スプリング21は弛緩し、フランジ19を介してロッド18を
加圧する。上記ロッドは2重アームレバー43,44,43’,44’により押
圧要素49,49’の端面上に作用する。この後に、押圧要素49,49’の反
対端部がレバー6,7の静止面16,17および16’,17’上へ働く(図3
0から33)。この動作により、レバー6,7は反対方向へ回転し、その結果、
懸垂部材2,3が相互に対して回転しかつ上記懸垂部材は初期位置へ復帰する。
懸垂部材2,3の初期位置への自己復帰を停止する必要がある
場合には、閉鎖偏心カム51,51’を1/4回転して懸垂部材2,3を相互に
平行位置にし(例えば、ドア開放位置において)、かつスプリング21を圧縮す
る。その結果として、押圧要素49,49’の凹所50,50’により形成され
る階段が閉鎖偏心カム51,51’を付勢するがレバー6,7を押圧しない。付
勢された懸垂部材2,3の回転により、押圧要素49,49’と2重アームレバ
ー43,44,43’,44’は移動せず、ロッド18は動作せずかつヒンジ作
用になんら影響を与えない。この場合、上記懸垂部材の初期位置への復帰はなさ
れず、ヒンジの作用は図1から12の上記態様の作用と全て同じである。
上記懸垂部材の開放または閉鎖に伴う上記スプリングの動力の変化および上記
ロッドの変位に関する図15から21の説明は全て本発明の設計態様に良好に維
持される。2重アームレバー43,44,43’,44’の採用による相違はス
プリングの剛性を低減しかつ上記懸垂部材の開放に必要な動力を増大する。その
ために、上記設計の態様は上記ヒンジの上記懸垂部材への取り付けを簡単かつ信
頼性のある方法により確実にし、かつ修理または点検の場合に上記懸垂部材の自
己復帰機構へのアクセスを可能にする。
図25が示すように、上記ヒンジは上記機構を塵埃または他の物体から保護す
るためのカバー54を有する。かかるカバーは自己復帰機構を装備するヒンジ設
計の全態様に使用できる。
産業上の利用性
本発明によるヒンジは、例えば、人または動物の多量の流れのドア開放による
通過を可能にするためにドアウングを180°両側へ全回転または相対的に各ド
アウングを相互に対して360°回
転する必要がある場合に、ドアウングを結合するために非常に首尾よく使用でき
る。
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IT,LU,NL,S
E),AU,BG,BR,CA,FI,JP,KR,N
O,PL,RO,US
(72)発明者 グレブ,アナトリー コンスタンティノビ
チ
ベラルーシ共和国,ミンスク,ウリツァ
ヤ.マブラ,31,クバルチーラ 108