JPH08505183A - 酸素捕捉用エチレン系組成物及び反応押出し器中でのエステル化及びエステル交換によるその製造方法 - Google Patents

酸素捕捉用エチレン系組成物及び反応押出し器中でのエステル化及びエステル交換によるその製造方法

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JPH08505183A JP7504686A JP50468695A JPH08505183A JP H08505183 A JPH08505183 A JP H08505183A JP 7504686 A JP7504686 A JP 7504686A JP 50468695 A JP50468695 A JP 50468695A JP H08505183 A JPH08505183 A JP H08505183A
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Abstract

(57)【要約】 ポリエチレン系主鎖及び懸垂エステル部分を有する重合体をエステル交換する方法で、その重合体の溶融物を反応押出し器中でエステル交換化合物と接触させ、重合体がエステル交換を受けるが、アルコーリシスは受けないようにする方法が開示されている。エステル交換された重合体は、未反応重合体とは種類及び(又は)数の異なった懸垂エステル部分を有する。一つの態様として、その方法は、酸素捕捉を促進するのに有効な量の遷移金属塩を添加することも含む。更に別な態様として、本方法は、エステル交換された重合体を化学線で照射し、酸素捕捉が始まる前の誘導期間を短くすることを含む。エチレン系主鎖及びベンジル基を有する懸垂又は末端部分を有する成分を含む組成物も開示されている。本発明は、ポリエチレン系主鎖及びベンジル基を有する懸垂又は末端部分を有する成分及び遷移金属塩からなる新規なポリエチレン系酸素捕捉用組成物もその態様とする。それら組成物を製造する方法、及びエチレン系組成物を用いた方法及び組成物も開示されている。

Description

【発明の詳細な説明】 酸素捕捉用エチレン系組成物及び反応押出し器中で のエステル化及びエステル交換によるその製造方法 〔技術分野〕 本発明は、エチレン系(ethylenic)組成物及び物品を与える。また、酸素を 含む環境、特に食物及び飲料を含む生成物から酸素を捕捉するための組成物及び 方法も含む。更に、反応押出し器中でポリエチレン系主鎖(polyethylenicbackb one)及び懸垂(pendant)エステル部分を有する重合体をエステル交換し、ポリ エチレン系主鎖、及び未反応重合体とは種類及び(又は)数が異なった懸垂エス テル部分を有する重合体を得る方法を開示する。 〔背景技術〕 酸素に敏感な生成物を酸素に触れにくくすることによりその生成物の品質を維 持し、寿命が向上することはよく知られている。例えば、包装装置中で酸素に敏 感な食物製品の酸素への露出を制御することにより、その食物製品の品質が維持 され、食物の劣化が回避される。更に、そのような包装は、その製品を在庫中に 一層長く保持することができ、それによって、廃棄して在庫を補充しなければな らないことから生ずるコストを減少することができる。食物包装工業では、酸素 への露出を抑制する幾つかの方法が既に開発されている。これらの手段には、変 性雰囲気包装(MAP)及び酸素障壁フイルム包装が含まれる。 現在用いられている一つの方法は「活性包装(active packaging)」によるも のであり、この場合食物製品の包装は食物製品が酸素に露出するのを抑制するよ うな或る方法で修正されている。包装の内部に酸素捕捉剤を入れることは活性包 装の一つの形態である。典型的にはそのような酸素捕捉剤は、酸化反応によって 酸素を捕捉する組成物を入れた袋の形態をしている。或る袋には酸化して第二鉄 塩になる鉄系組成物が入っている。別の種類の袋には粒状吸収剤に不飽和脂肪酸 を付着させたものが入っている。米国特許第4,908,151号明細書参照。 更に別の袋には金属/ポリアミド錯体が入っている。米国特許第5,194,4 7 8号明細書参照。 しかし、それら袋の一つの欠点は、各包装にその袋を入れる付加的包装操作を 必要とすることである。鉄系捕捉剤袋で起きる更に別の欠点は、適切な速度で捕 捉が起きるようにするため、包装内部に或る雰囲気条件(例えば、高湿度、低C O2含有量)が時々必要になることである。更に、それら袋は、間違って食べら れたりすると消費者に危険を与えることがある。 酸素への露出を抑制する別の手段は、酸素捕捉剤を包装構造体自身中に配合す ることを含んでいる。別の捕捉剤構造体(例えば袋)を包装中へ入れる代わりに 、包装体自体に捕捉性物質を配合することにより包装全体に亙って一層均一な捕 捉効果が達成される。このことは、特に包装内部の空気流が制約されている場合 には特に重要になる。更に、酸素捕捉剤を包装構造体中へ配合することは、酸素 が包装体の壁を透過する時その酸素を阻止し捕捉する手段(ここでは「活性酸素 障壁」として言及する)を与え、それによって包装中に可能な最も低い酸素水準 を維持することができる。 酸素捕捉壁を製造する一つの試みは、無機粉末及び(又は)塩を配合すること を含んでいる。米国特許第5,153,038号、第5,116,660号、第 5,143,769号、及び第5,089,323号明細書参照。しかし、これ らの粉末及び(又は)塩を配合することにより、壁の透明性及び引き裂き強度の 如き機械的性質の劣化を起こす。更に、これらの化合物は処理問題、特に薄膜を 作る時に問題を起こすことがある。入れ物中の食物により吸収される酸化生成物 は、人間が摂取することに対しFDAによって認可されていないのが普通である 。 EP 0519616には、ポリオレフィンを含む第一重合体成分で、不飽和 カルボン酸無水物又は不飽和カルボン酸、又はそれらの組合せ、又はエポキシド がグラフトされている第一重合体成分と;OH、SH、又はNHR2基(式中、 R2はH、C1〜C3アルキル、置換C1〜C3アルキルである)を有する第二重合 体成分と;酸素と第二重合体成分との反応に対し触媒作用を及ぼすことができる 金属塩;との混合物からなり、然もポリオレフィンがその混合物の相分離を起こ さない充分な量で存在している酸素捕捉用組成物が開示されている。重合体の混 合物を用いて酸素の捕捉を行い、第二重合体成分は、m−キシリレン−ジア ミンとアジピン酸との共重合体(MXD6)の如きポリアミド又はコポリアミド であるのが好ましい。 米国特許第5,021,515号、第5,194,478号及び第5,159 ,005号、欧州特許公告EP 0380319及びPCT公告第90/005 04号及び第90/00578号に開示された酸素捕捉系は、酸素捕捉壁を製造 する試みを例示している。これらの特許出願には、包装体壁中に金属触媒−ポリ アミド酸素捕捉系を配合することが記載されている。ポリアミドの接触酸化によ り、包装体壁は、その包装体の内部に到達する酸素の量を抑制し(活性酸素障壁 )、外囲条件で約5cm3(cc)/m2/日までの酸素を捕捉する酸素捕捉速度 能力を有することが報告されている。しかし、この系はかなりの欠点を有する。 ポリアミド/触媒物質の特に限界を与える欠点の一つは、酸素捕捉速度が低い ことである。米国特許第5,021,515号明細書の実施例7では、これらの 物質を空気の入った高障壁包装中に入れても、頂部空間の酸素を捕捉する用途に 典型的に要求されているような、室温で4週間以内に0.1%未満(空気から出 発して)の内部酸素水準を生ずるのには一般に適さない包装になることを例示し ている。 この種のポリアミド重合体の主鎖又は網状構造中に酸素捕捉性の基を持つこと は欠点にもなる。その基本的重合体構造は急速に劣化し、酸素との反応で急速に 弱くなる。このことは重合体の引張り強度又は衝撃強度の如き物理的性質に悪影 響を与える。重合体の主鎖又は網状組織の劣化は、酸素の如き排除するように求 められている物質に対する重合体の透過性を増大することになる。 更に、MXD6の如きポリアミドは、エチレン−酢酸ビニル共重合体及び低密 度ポリエチレンの如き可撓性包装用壁に用いた熱可塑性重合体とは相溶性を持た ないのが典型的である。更にポリアミドを単独で可撓性包装体壁を製造するのに 用いた場合でも、それらは不適切な固い構造体をもたらすことがある。ポリアミ ドは処理問題も起こし、可撓性包装を作るのに典型的に用いられている熱可塑性 重合体のコストと比較して一層大きなコストを生ずる。更に、それらは時々熱封 着し難いことがある。包装、特に可撓性包装のための材料を選択する場合、及び 包装された生成物の酸素露出を減少させるための系を選択する場合に、これらの 全てが考慮すべき因子になる。 酸素を捕捉する別の方法はEP 0507207に記載されており、それはエ チレン系不飽和炭化水素と遷移金属触媒とからなる酸素捕捉用組成物を開示して いる。この特許はスクワレン、脱水ひまし油、及び1,2−ポリブタジエンの如 きエチレン系不飽和化合物が有用な酸素捕捉用組成物であり、ポリエチレン及び エチレン共重合体の如きエチレン系不飽和化合物を希釈剤として用いることを述 べている。スクワレン、ひまし油、又は他のそのような不飽和炭化水素を用いた 組成物は、典型的には油状の組織をもち、それは食料雑貨小売店で販売するため の肉を包装するような用途とっては望ましくない。更に、エチレン系不飽和であ る重合体鎖は、酸素を捕捉すると架橋して脆くなるか又は劣化し、どちらの場合 でもその重合体を弱くすると考えられる。 米国特許第4,717,759号、第4,994,539号及び第4,736 ,007号明細書(それらは参考のため全体的にここに入れてある)には、85 .0〜99.995モル%のエチレン単位、0.005〜5モル%の式(I): 〔式中、Arは、 (式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R23の各々は水素原子、塩素原 子、又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基である)〕によ って表されるコモノマー単位、及び0〜10モル%のエチレン系不飽和単量体単 位からなるエチレン共重合体で、0.860〜0.970g/cm3の密度及び 0.05〜100g/10分のメルトインデックスを有するエチレン共重合体 が記載されている。この特許は、それら共重合体をチーグラー触媒を用いるか、 又は遊離ラジカルを触媒とした重合によって製造してもよいことを述べている。 これらの重合体はコモノマー単位を5モル%未満有するように限定されており、 電気絶縁に有用である。 重合体のエステル交換も文献で論じられている。例えば、M.ランブラ(Lamb la)その他による、27 Polymer Sci.and Eng'g,No.16(mid-Sept.1987)122 1-28には、反応押出し器中で錫触媒の存在下でエチレン酢酸ビニル共重合体とア ルコールとのエステル交換を行い、ポリエチレン系主鎖及び懸垂アルコール部分 を有するエチレンビニルアルコール共重合体を形成することが論じられている。 D.シーバッハ(Seebach)その他によるSynthesis(Feb.1982)138-41には 、チタン触媒を用いて溶液中でエステルとアルコールとをエステル交換をするこ とが論じられている。それらの反応は3〜120時間を必要とする。 M.ケオー(Keogh)による米国特許第4,767,820号明細書には、ワ イヤー及びケーブルの周りの押出し物として有用な組成物で、加水分解可能な懸 垂シラン部分及びチタン酸テトラメチルを、通常固体のアルキレン−アルキルア クリレート共重合体マトリックス中に分散したものからなる組成物が記載されて いる。 M.チャング(Cheung)その他による米国特許第5,023,284号明細書 では、残留チタン触媒が存在しているために二つのポリエステルを溶融混合する 間にエステル交換が起き、脆弱化及び他の有害な影響を生ずることを認めている 。 従来法でまだ得られていないものは、大きな捕捉速度をもち、広い範囲の重合 体と両立することができる効果的な酸素捕捉組成物である。また、ポリエチレン 系主鎖及び懸垂エステル部分を有する重合体のエステル交換を制御して、ポリエ チレン系主鎖及びその未反応重合体とは数及び(又は)種類の異なった懸垂エス テル部分を有する重合体を生成させる経済的方法も従来法では得られていない。 本発明は、これらの組成物及び方法を与えるものである。 〔発明の開示〕 一つの態様として、本発明は、遷移金属塩及び式(II): 〔式中、nは2〜約30,000の整数であり、どのXも独立に水素及びメチル 基(radical)からなる群から選択され、どのYも独立に水素、1〜18個の炭 素原子を有するアルキル基、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜 6個の炭素原子を有するアミン基、1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル 及びアミド基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール基、 6〜24個の炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテル基 、及び式III及び式IV: {式中、どのAも独立にヘテロ原子を有する基であり、どのBも独立に式V及び 式VI: (式中、どのR1、R2、R3、R4、R5及びR6も独立に水素、1〜18個の炭素 原子を有するアルキル基、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6 個の炭素原子を有するアミン基、1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及 びアミド基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール基、6 〜24個の炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテル基、 及び式III及び式IVの基からなる群から選択される) の基からなる群から選択される} の基からなる群から選択され、然も、Yがアセテート基である場合、Xは水素で あり、更に組成物の少なくとも1モル%は式III及び式IVの基からなる〕 の構造を有する成分からなる組成物を与える。 別の態様として、本発明は、遷移金属塩と、懸垂又は末端ベンジル基を有する エチレン系主鎖からなる組成物で、安息香酸、又は1〜18個の炭素原子を有す るアルキル基、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原 子を有するアミン基、1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミド基 、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール基、6〜24個の 炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテル基からなる群か ら選択された少なくとも一つの基で置換された安息香酸を、分子状酸素との反応 で生ずる組成物を与える。 別の態様として、本発明は、遷移金属塩と重合体とからなる組成物で、前記重 合体が、1)ポリエチレン系主鎖;及び2)a)ベンジルエステル基、b)N− ベンジル−アミド基、c)N−ベンジルイミド基、d)ベンジル−チオ基、e) ベンジルケトン基、f)ベンジル−エーテル基、g)6〜30個の炭素原子を有 するアリール基又は置換アリール基、h)6〜30個の炭素原子を有するアリー ルエーテル基又は置換アリールエーテル基、及びi)前記ベンジル基でN−置換 されたイミド基、ベンジル−ケトン基、1〜18個の炭素原子を有するアルキル 基、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有する アミン基、酸のエステル及びアミド基、1〜16個の炭素原子を有する前記エス テル及びアミド基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール 基、6〜24個の炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテ ル基からなる群から選択された少なくとも一つの基に化学的に結合した前記ベン ジル基のフェニル基を有するベンジル基、からなる群から選択された少なくとも 一つの基を有する懸垂部分;からなる組成物を与える。 一つの態様として、本発明は、遷移金属塩と、エチレン系主鎖及びベンジル基 を有する懸垂部分を有する重合体とからなる新規な組成物を与える。別の態様と して、本発明は、酸素捕捉用組成物を製造するのに有用な新規な重合体組成物を 与える。本発明の組成物を製造する方法及びそれを用いる方法も開示する。 種々の因子の中で、本発明は、ここに記載したような組成物が酸素捕捉速度及 び(又は)酸素捕捉能力に関して極めて効果的な酸素捕捉剤であり、特にそれら 組成物がベンジル基に直接結合したヘテロ原子含有基を有する場合にそうである ことが発見されたことに基づいている。更に、多くの場合、これらの組成物は広 い範囲の包装用途に配合することができるようにする優れた物理的及び処理性を 有する。また、典型的には、これらの組成物のフイルムは慣用的方法を用いて容 易に製造できることも見出されている。更に、それらの組成物は、包装で用いら れる多くの一般的熱可塑性材料、特にポリエチレン及びエチレンとアルキルアク リレート又はメタクリレートとの共重合体と通常両立することができる。 更に、本発明の組成物の多くは、更に光開始剤を添加する必要なく、紫外線( UV)に露出すると、酸素捕捉誘導期間が驚く程短くなることが見出されている 。 また、本発明は、ポリエチレン系主鎖及び懸垂エステル部分を有する重合体の 溶融物を形成し、その溶融物を反応押出し器中でエステル交換条件下でエステル 交換用化合物と接触させる方法で、前記重合体がエステル交換を受けるがアルコ ーリシスは受けず、エステル交換後の重合体がエチレン系主鎖及び懸垂エステル 部分を有する方法を与える。その方法は、更にエステル交換された重合体による 酸素捕捉を促進するのに効果的な量の遷移金属塩を添加することを含んでいても よい。本方法は、更にエステル交換された重合体を化学線に露出し、それによっ て組成物の酸素捕捉誘導期間を減少させることを含んでいてもよい。 一つの好ましい態様として、エチレンアルキルアクリレート共重合体を反応押 出し器中でエステル交換し、エチレンヒドロカルビルアクリレート共重合体を形 成する。別の好ましい態様として、コバルト塩をエステル交換された重合体に添 加し、効果的な酸素捕捉剤を形成する。第三の好ましい態様として、処理された 重合体を化学線に露出する。 種々の因子の中で、懸垂エステル部分を有する重合体及びエステル交換用化合 物を効果的にエステル交換し、未反応重合体とは数及び(又は)種類の異なった 懸垂エステル部分を有する重合体を生ずることができると言うことが発見されて いる。このエステル交換法は、エステル交換の程度及び速い反応時間について正 確な制御を与え、それによって特定の用途に適合した性質を有する重合体を生成 させる経済的な手段を与える。この方法は、極めて有効な酸素捕捉用組成物を製 造する手段も与える。 上記利点及び他の利点を更に下に記述する。 〔図面の説明〕 第1図は、フェニル環にメチル又はメトキシ基を置換した時の酸素捕捉速度に 与える影響を例示している。縦軸は時間(日)であり、横軸はml/g単位で測 定された酸素吸収量を示す。線Aは、例19の酸素吸収速度を示し、Bは例23 の速度を示し、Cは例24の速度を示し、Dは理論的有効酸素を示す。頂部空間 1000cc中に入れた2gの試料をモコン(Mocon)分析器を用いて分析した 。 第2図は、例19の重合体5gの試料の室温での酸素捕捉能力を例示している 。縦軸は時間(日)であり、横軸はml/g単位で測定された酸素吸収量を示す 。点A及びBでは、1000mlの頂部空間を空気で再び満たした。 第3図は、例19の重合体2g(線A)の酸素捕捉速度及び能力を、三菱ガス 化学社から入手できる製品であるエージレス(Ageless)2g(線B)と比較し たものである。縦軸は時間(日)であり、横軸はml/g単位で測定された酸素 吸収量を示す。分析瓶は、1000mlの頂部空間を有し、その空間中に2%の 酸素を含んでいた。 第4図は、1000ccの頂部空間中に入れた2gの試料について、酸素捕捉 速度に対する種々の量のコバルトの影響を例示している。縦軸は時間(日)であ り、横軸はml/g単位で測定された酸素吸収量を示す。線A、B、C、及びD は、夫々例19、20、21、及び22の重合体についての酸素捕捉速度を示し ている。 第5図は、2枚の三層フイルムについての酸素透過速度(OTR)を比較した ものであり、一方は例25からの重合体(線A、UV処理なし、約0.24cc /m2/日の平均OTRを有し、線Bは5.2mv/cm2のUV源に5cmの距 離から10分間露出したものであり、約0.06cc/m2/日の平均OTRを 有する)を用いたものであり、他方は例19の重合体(線C、例25の重合体に 同じUV照射量を与えたもの)を用いたものである。線Dはエチレンービニルア ルコール共重合体の単層(0.13cc/m2/日)の理論的OTRである。縦 軸は時間(hr)であり、横軸はcc/m2/日単位で測定した酸素透過速度を 示す。これらの速度は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂の厚さ2ミル のフイルムの理論的酸素透過速度に匹敵する。点Eは、酸素への露出開始時間を 示す。 〔詳細な説明〕 一つの態様として、本発明の組成物は酸素を捕捉するのに有効である。用語「 捕捉(scavenge)」とは、酸素を吸収し、枯渇させ、或は酸素と反応し、実質的 な量の酸素が、それが吸収、枯渇又は反応した環境へ戻らなくなったことを意味 する。組成物1g当たり少なくとも酸素0.5cc/日で吸収する材料は酸素捕 捉性であると考えられる。 また、本発明の組成物の多くは良好な接着性を有する。これらの組成物は材料 層を一緒に結合することができ、或は物品の被覆として用いて結合可能な表面を 与えることができる。これらの組成物は、熱封着層としても有効である。 〔本発明の組成物についての説明〕 一つの態様として、本発明の組成物は、遷移金属塩と、エチレン系主鎖及びベ ンジル基を含む懸垂又は末端部分を有する成分とを有する。 ここで用いる用語、遷移金属塩は、元素周期律表の第一、第二及び第三遷移系 列から選択された元素を含む。この遷移金属塩は、本発明の組成物による酸素の 捕捉を促進するか、又は捕捉性を付与する形になっている。一般に、遷移金属塩 は少なくとも二つの酸化状態の間でその遷移元素が容易に変換できるようなイオ ン状態になっていると考えられる。適当な遷移金属元素には、マンガンII又は III、鉄II又はIII、コバルトII又はIII、ニッケルII又はIII、銅I又はII、ロジ ウムII、III、又はIV、及びルテニウムが含まれるが、それらに限定されるもの ではない。組成物中に導入された時の遷移金属元素の酸化状態は必ずしも活性型 のものである必要はない。酸素を捕捉するのに組成物が必要とされる時に、又は その直前に活性系になっている遷移金属元素を有するようになっていさえすれば よい。遷移金属元素は、好ましくは鉄、ニッケル又は銅であり、一層好ましくは マンガンであり、最も好ましくはコバルトである。 遷移金属元素に対して適切な対イオンは有機又は無機の陰イオンである。それ らには塩素、酢酸、ステアリン酸、パルミチン酸、2−エチルヘキサン酸、クエ ン酸、グリコール酸、安息香酸、ネオデカン酸、又はナフテン酸の陰イオンが含 まれるがそれらに限定されるものではない。有機陰イオンが好ましい。特に好ま しい塩には、2−エチルヘキサン酸コバルト(II)、安息香酸コバルト、及びネ オデカン酸コバルト(II)が含まれる。遷移金属元素はアイオノマーとして導入 してもよく、その場合、重合体対イオンが用いられる。そのようなアイオノマー は当分野でよく知られている。米国特許第3,264,272号明細書(それは 参考のため全体的にここに入れてある)参照。 本発明の組成物は、重合体中の酸素捕捉性を促進するのに充分な量の遷移金属 塩を含有する。一般に、これは約2000:1〜約10:1のベンジル基モル数 対遷移金属元素モル数の比を必要とする。このモル比は200:1〜20:1で あるのが好ましい。遷移金属元素の好ましい量は、どの遷移金属塩が用いられる かによって典型的に変化する。 本発明の組成物は、エチレン系主鎖を有する成分も含有する。一つの態様とし て、組成物は低分子量のものであり、そのエチレン系主鎖に対し懸垂又は末端に あるベンジル基を有する。主鎖は一つのエチレン単位を持っていてもよく、又は 約1000g/10分より大きなメルトインデックスを有するオリゴマー又は非 常に小さい分子量の重合体であってもよい。それらの例にはクエン酸、アスコル ビン酸、ステアリン酸、及び1,10−デカンジカルボン酸の如きC1〜C20酸 のベンジル、ジベンジル、又はトリベンジルエステルが含まれる。別の態様とし て、組成物は約0.3〜約1000g/10分(ASTM法No.D−882) の範囲内のメルトインデックスを有するポリエチレン系主鎖を有する。メルトイ ンデックスは約0.5〜約100g/10分であるのが好ましく、一層好ましく は約1〜約10g/10分である。ポリエチレン系主鎖は、一般に重合工程中に 生成した飽和炭素原子の鎖構造即ち主鎖から本質的になる。例えば、エチレンの 単独重合はポリエチレン主鎖を与える。エチレンとアクリル酸、メタクリル酸、 アルキルアクリレート、又はアルキルメタクリレートとの共重合も、懸垂酸又は エステル部分を有するポリエチレン系主鎖を与える結果になる。式: から本質的になる組成物を与える重合は、ポリエチレン系主鎖を有する重合体を 与える。 本発明の組成物は、ベンジル基を有し、エチレン系主鎖に懸垂又は末端にある 部分も有する。ここで用いられる用語として、ベンジル基を有する懸垂部分とは 、エチレン系主鎖に対し側鎖即ち分岐鎖になっているか、又は末端にある基で、 ベンジル基を有する基のことである。上記式(VII)では、部分−X及び−Yは 懸垂部分である。 ベンジル基は、メチレン基に直接結合したフェニル基を有する。これらの基は 、ヒドロカルビル基、或はヘテロ原子又はヘテロ原子含有基で置換されていても よく、又は置換されていなくてもよい。置換されたフェニル基は、そのフェニル 基の少なくとも一つの水素原子の代わりに置換された少なくとも一つの基を有す る。本発明の目的にとって、非置換メチレン基は一つの炭素原子と二つ又は三つ の水素原子からなる。本発明の目的にとって、置換されたメチレン基は、一つの 炭素原子、一つの水素原子、及び水素原子の一つの所で置換された少なくとも一 つの基からなる。ベンジル基は、そのフェニル基を通してその懸垂部分の残りの 所に結合していてもよい。この場合、そのメチレン基はメチル基又は置換メチル 基でもよい。 ヘテロ原子含有基は、炭素及び水素とは別の元素を含むどのような基でもよい 。 ヘテロ原子含有基は、一般に組成物の酸素捕捉能力を改良する。ヘテロ原子含有 基が存在する場合、それはベンジル基に直接結合し、そのヘテロ原子含有基とベ ンジル基との間に存在する部分はないのが好ましい。ヘテロ原子含有基は、三つ の可能なやり方のどれかの組合せでベンジル基に結合することができる。例えば 、ヘテロ原子含有基はメチレン基に結合してもよい。それは水素原子の一つの所 でメチレン基に置換されていてもよく、その場合メチレン基は直接主鎖に結合し ているか、又は主鎖に結合した部分又は他のヘテロ原子含有部分に結合している 。或は、ヘテロ原子含有基はフェニル基の水素原子の一つの代わりに置換されて いてもよい。ヘテロ原子含有基の例には、アミン、エーテル、スルフィド、及び ケトン基が含まれ、好ましい基はエステル及びアミドである。 ベンジル基に置換することができる基には、1〜18個の炭素原子を有するア ルキル基、1〜16個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を 有するアミン基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール基 、6〜24個の炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテル 基、及び1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミド基が含まれる。 アリール及びアリールエーテル基は、メチレン及びフェニル基と同じやり方で置 換されていてもよく、置換後、そのアリール及びアリールエーテル基は合計6〜 24個の炭素原子を有するという限定を受ける。好ましくは、ベンジル基に置換 された基は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有 するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアミン基、6〜15個の炭素原 子を有するアリール基又は置換アリール基、6〜15個の炭素原子を有するアリ ールエーテル基又は置換アリールエーテル基、及び1〜6個の炭素原子を有する 酸のエステル及びアミド基からなる群から選択される。一層大きな酸素捕捉速度 を与える好ましいラジカルは、アルキル、アルコキシ、及びアミン基である。 エチレン系主鎖に懸垂した部分は、好ましくはベンジルチオエステル、一層好 ましくはベンジルアミド、最も好ましくはベンジルエステル部分からなる。アミ ド又はエステルは直接エチレン系主鎖に結合しているのが好ましい。他の好まし い懸垂部分には、ベンジルエーテル基、ベンジルアミン基、及び−CH2−アリ ール含有基で、アリール基が一つより多くの環、例えば、1,3−ジヒドロイソ インドール、アントラセン、フェナントレン、ナフタレン等を含む場合のものが 含まれる。 本発明をこの理論に限定するものではないが、遷移金属元素が懸垂部分中のベ ンジル基と酸素との間の反応に触媒作用を及ぼすと考えられる。一つ好ましい態 様として、この反応はベンジル基のメチレン基とヘテロ原子含有基との間の結合 の切断を与える結果になる。この反応は別個の化合物、安息香酸、安息香酸塩、 又は置換安息香酸又はその塩を形成する。一般に限られた量では人間による消費 に安全であると考えられている化合物としてFDAに挙げられている安息香酸が 形成されるのが好ましい。 ベンジル基の主たる機能は、酸素捕捉過程中に酸素と不可逆的に反応させるこ とにあると考えられる。遷移金属塩の主たる機能は、この過程を促進することに ある。従って、ベンジル基の量及び遷移金属塩の量は、酸素が消費される速度に 大きく影響を与える。従って、ベンジル基及び遷移金属塩の量は、必要な捕捉速 度に従って選択される。 好ましい態様として、本発明の重合体組成物は、約1〜10モル%のベンジル 基を含む。一層好ましくは、組成物は約2〜6%、更に一層好ましくは約2〜3 モル%のベンジル基を含む。それらベンジル基はヘテロ原子含有基に直接結合し ているのが好ましい。ベンジル基及びヘテロ原子含有基の正確な量及び遷移金属 塩の量は、通常組成物を用いようとする用途によって決定される。 別の好ましい態様として、本発明の組成物は、エチレン、ベンジル(benzylic )アクリレート又はアクリルアミド、及びアルキルアクリレート、アルキルメタ クリレート、アクリル酸、又はメタクリル酸の三元重合体を含む。この種の組成 物は、酸素捕捉性部分と同様、アルキルエステル又は酸部分で置換されたポリエ チレン系主鎖を有する。本発明の目的にとって、酸素捕捉性部分は、前に定義し た如く、ベンジル基、置換ベンジル基、及び更にそれらベンジル基又は置換基に 結合したヘテロ原子含有基からなる。好ましいアルキルアクリレートはブチル及 びエチルアクリレートであり、最も好ましくはメチルアクリレート(MA)であ る。好ましいアクリル酸は、アクリル酸及びメタクリル酸である。これらのエス テル及び酸部分は、例えば、結合層に良好な接着性を与えることができる。 本発明の重合体組成物は、アルキルエステル又は酸の塩を含むアイオノマーで もよい。ナトリウム、カリウム、亜鉛、及びリチウム塩が好ましい。 特定の用途に望ましい性質を与えるため、添加剤を組成物に含有させてもよい 。そのような添加剤には、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤、安定化剤、処理助 剤、可塑化剤、難燃剤、曇り防止剤等が含まれるが、必ずしもそれらに限定され るものではない。これらの添加剤の量は用途によって変化するが、典型的には組 成物の全重量の10%より少なく、好ましくは5%より少ない。 組成物に含有させることができる一つの添加剤は、多くの酸素捕捉組成物の誘 導期間を減少させる働きをする光開始剤である。光開始剤について論じている米 国特許第5,211,875号明細書(これは参考のため全体的にここに入れて ある)参照。 〔本発明の組成物の製造方法〕 エチレン系主鎖及びベンジル基含有懸垂部分を有する本発明の組成物は、多く の方法により製造することができる。典型的にはその方法はエチレン系酸素捕捉 性成分中に遷移金属塩を配合することからなる。 本発明の組成物のエチレン系成分を製造する多くの方法が存在する。ベンジル 基を有する単量体を、単独重合するか、又はエチレン、プロピレン又は他のオレ フィンと共重合し、重合後エチレン系主鎖を与える。この種の重合方法は当分野 でよく知られており、遊離ラジカル触媒、チーグラー・ナッタ触媒、又はメタロ セン重合触媒の如き触媒の存在下での、溶液、懸濁、又は気相重合が含まれる。 重合体成分を製造するのに好ましい方法は、重合体中間体を製造し、その中間 体を適当なベンジル化合物と反応させ、重合体成分を形成することである。遷移 金属塩は、重合体中間体とベンジル化合物との反応前、反応中、又は反応後にそ の組成物に配合することができる。 本発明の組成物を製造するのに有用な多くの種類の重合体中間体がある。例え ば、アルキルメタクリレートは、付加重合法により単独重合することができ、懸 垂メチル基及び懸垂アルキルエステル基を有するエチレン系主鎖を有する重合体 を形成する。エチレンとアルキルアクリレート又はメタクリレートとの共重合も 有用な重合体中間体を形成する。一つの好ましい共重合体は、EMAC(登録商 標名)共重合体としてシェブロン・ケミカル社から販売されているエチレンメチ ルアクリレート共重合体である。 高融点エチレン/アルキルアクリレート共重合体も有用な重合体中間体である 。これらの共重合体は、基準エチレン−アルキルアクリレート共重合体よりも少 なくとも約6°F高い融点温度を有し、この場合その基準共重合体は多重領域オ ートクレーブ反応器中で製造され、基準共重合体を製造する時の反応領域中のア ルキルアクリレート対エチレン比は、多重領域オートクレーブ反応器中に供給さ れた全エチレン対アルキルアクリレート比にほぼ等しい。高融点エチレン−メチ ルアクリレート共重合体は、式: 温度(°F)=248−2.9Y (式中、Yは高融点エチレン−メチルアクリレート共重合体中のメチルアクリレ ートの重量%であり、Yは10より大きい) から得られる値よりも大きい融点温度を有するのが典型的である。同様に、高融 点エチレン−ブチルアクリレート共重合体は、式: 温度(°F)=240−2.1Z (式中、Zは高融点エチレン−ブチルアクリレート共重合体中のブチルアクリレ ートの重量%であり、Zは15より大きい) から得られる値よりも大きい融点温度を有するのが典型的である。高融点エチレ ン−アルキルアクリレート共重合体は、 A. 全重量がAのアルキルアクリレート及び重量Eのエチレンを多重領域オ ートクレーブ重合反応器に供給し、 B. 有効な量の開始剤及びエチレンの全重量の少なくとも一部分E1を反応 器の第一反応領域に導入し、 C. 同時にアルキルアクリレートの一部分A1を前記第一反応領域へ導入し 、A1/E1の比が、反応器全体についての比A/Eよりも少なくとも約20%大 きいか、少なくとも約20%少なくなるように導入し、そして D. 開始剤、エチレン及びアルキルアクリレートの残りの部分を後の反応領 域(単数又は複数)に供給する、 ことからなる方法によって製造することができる。 高融点エチレン−アルキルアクリレート共重合体は、1991年9月24日に 出願された米国特許出願Serial No.07/764,861、1992 年9月21日に出願されたSerial No.07/947,870、及び1 994年4月26日に出願されたSerial No.08/233,180( それらの記載は参考のため全体的にここに入れてある)に記載されている。 別の有用な重合体中間体はエチレン酢酸ビニル共重合体である。更に別の重合 体中間体は無水マレイン酸部分を有するポリエチレン系主鎖重合体である。例え ば、ELFアトケム(Atochem)の製品であるロターダー(Lotader)は、エチレ ン、アルキルアクリレート及び無水マレイン酸部分を含み、その中で無水マレイ ン酸の不飽和炭素原子がポリエチレン系主鎖内で飽和炭素原子になっている。別 法として、ポリエチレン系主鎖を有する重合体に無水マレイン酸を、例えば、遊 離ラジカルグラフトによりグラフトしてもよい。これらの重合体を製造する方法 は当分野でよく知られている。例えば、米国特許第4,506,056号明細書 (これは参考のため全体的にここに入れてある)参照。ポリエチレン主鎖に懸垂 した部分中のエステル、酸、アセテート又は無水物を、次にベンジル化合物と反 応させ、本発明の組成物に有用な重合体を形成する。 重合体中間体と反応するベンジル化合物は、特定の重合体中間体とのその反応 性に基づき、またヘテロ原子含有基がベンジルラジカルの酸素との反応性を改良 するのに望ましいか否かに基づいて選択される。ベンジル化合物は前に述べたよ うに置換されていても、されていなくてもよい。本発明の好ましい態様として、 懸垂メチルアクリレート部分を有する重合体中間体、エチレン−メチルアクリレ ート共重合体を、ベンジルアルコールでエステル交換し、懸垂ベンジルアクリレ ート部分を形成する。同様に、別の好ましい態様として、エチレン−メチルアク リレート共重合体をベンジルアミンとアミド交換して懸垂ベンジル−アミド部分 を形成する。ベンジルアルコールはアクゾ・ケミカル社(Akzo Chemical Co.) から入手することができ、ベンジルアミンはスペクトラム・ケミカル社(Spectr umChemical Co.)から入手することができる。これらの場合では、ベンジル化合 物の重要な特徴は、それが、そのようなエステル交換又はアミド交換を促進する のに充分な条件下でエステル交換又はアミド交換することができることである。 イミド化(無水物と第一アミンとからイミドを形成する反応)、エステル交換 、又はアミド交換はオートクレーブ中で行うことができる。反応条件は反応物に 従って変化する。エステル交換又はアミド交換触媒を用いてもよい。アルキルア クリレート又はメタクリレート懸垂部分を有する重合体中間体の場合、反応は1 80〜300℃の温度及び50〜1000psiの圧力で1/2〜8時間の時間行 われるのが典型的である。エチレン−メチルアクリレート共重合体をベンジルア ミンと反応させる場合、反応は200〜240℃の温度及び100〜600ps iの圧力で1〜5時間の時間行われるのが好ましい。これによってベンジル基を 有する懸垂部分を含む重合体を生ずる。酸のアミド化又はアミド交換は、下で述 べるように反応押出し器中で行なってもよい。 エステル化、エステル交換、アミド交換、又はイミド化を、重合体の如きエチ レン系成分を溶媒中に溶解し、その成分、ベンジル化合物(例えば、ベンジルア ミン又はベンジルアルコール)、及び任意にエステル交換又はアミド交換触媒を 還流条件で加熱することにより行うこともできる。それらの条件は求められる特 定の組成物に従って変化させることができる。反応は130〜240℃の温度で l/2〜16時間の時間行われるのが典型的である。エチレン−メチルアクリレー ト共重合体をベンジルアルコールと反応させる場合、反応は160〜200℃の 温度で1〜8時間の時間行うのが好ましい。これによってもベンジル基を有する 懸垂部分を有する重合体を生ずる。この方法は、低分子量酸をベンジルアルコー ルでエステル化するのに有用である。 エステル化又はエステル交換は、当分野でよく知られているエステル交換触媒 を用いることにより促進することができる。適当なエステル交換触媒には、非酸 化性強酸、第I族アルコキシド、及び第IV族Bアルコキシド、例えば、ジラウリ ン酸、ジ−ブチル錫、ナトリウムメトキシド、トルエンスルホン酸、チタン酸テ トラブチル、チタン酸テトライソプロピル、及びチタン酸テトラエチルが含まれ るが、チタン酸テトラアルキルが特に好ましい。チタネート触媒はヒュールス・ 同様に、アミド交換は、当分野でよく知られているアミド交換触媒を用いるこ とにより促進することができる。適当なアミド交換触媒には2−ヒドロキシピリ ジン及びナトリウムメトキシドが含まれ、2−ヒドロキシピリジンが特に好まし い。これらの触媒はアルドリッチ(Aldrich)から入手することができる。 〔反応押出し〕 本発明のエステル又はイミド組成物を製造するのに特に好ましい方法は反応押 出し(reactive extrusion)によるものである。この方法では本発明の組成物又 は好ましくは本発明の組成物のエチレン系成分を、重合体中間体とベンジル含有 化合物及び、任意にエステル交換及び(又は)アミド交換触媒、更に任意に遷移 金属塩と一緒に溶融混合することにより製造する。反応条件はエステル化、エス テル交換及び(又は)イミド化を促進するように選択する。エステル化及びエス テル交換は、エステル交換触媒を用いて行われるのが好ましい。得られる重合体 を、ペレット又はフイルムの如き便利な形に押出すことができる。反応押出し法 を更に詳細に下に記述する。 1.反応押出し器へ供給された重合体 ここではエチレン共重合体としても言及する、反応押出し器へ供給された重合 体は、ポリエチレン系主鎖及び懸垂エステル及び(又は)酸部分を有する。この 重合体は約0.3〜約1000g/10分(ASTM法No.D−882)の範 囲のメルトインデックスを有する。メルトインデックスは約0.5〜約100g /10分であるのが好ましく、約1〜約10g/10分であるのが一層好ましい 。 エチレン共重合体は、ポリエチレン系主鎖に懸垂したエステル及び(又は)酸 基即ちラジカルも含有する。エステル又は酸基を有する懸垂部分は、ポリエチレ ン系主鎖に対する側鎖即ち分岐鎖であるどのような基でもよく、エステル基、酸 基、又は酸無水物の如き酸と同等と考えられる基を含んだ基である。上記式(I )では、部分X及びYは懸垂部分である。 エステル上のヒドロカルビル基は、エステル交換条件でエステル交換化合物及 び任意的エステル交換触媒によりエステル交換することができるものである。エ ステル基は非置換ヒドロカルビル基を有するのが好ましい。本発明の目的から、 非置換ヒドロカルビル基にはC1〜C8アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、 一層好ましくはメチル基が含まれる。 エステル基は、ヘテロ原子又はヘテロ原子含有基で置換されるヒドロカルビル 基を有することができる。ヘテロ原子は炭素及び水素以外の元素である。未反応 エチレン共重合体上の置換ヒドロカルビル基の例は、メトキシエチル及びモノ− メトキシポリエチレングリコールである。 反応押出し器に供給されたエチレン共重合体は、エチレンの大部分を含む。典 型的には、エチレン共重合体には、その重合体中に存在する全てのコモノマーに 基づき、約83〜約99.7モル%のエチレンを含む。重合体は好ましくは約9 0.7〜98モル%、一層好ましくは93〜97モル%のエチレンを含む。 一つの好ましい態様として、反応押出し器へ供給される重合体はエチレンアル キルアクリレート共重合体である。ここで用いられる用語「エチレンアルキルア クリレート共重合体」には、エチレン−アルキルメタクリレート共重合体及びエ チレン−アルキルアクリレート−アルキルメタクリレート共重合体も含まれる。 エチレン−アルキルアクリレート共重合体及びその製造方法は当分野でよく知ら れている。特にエチレン−メチルアクリレート共重合体が好ましい。高融点エチ レン−アルキルアクリレート共重合体も有用な重合体中間体である。 別の好ましい態様として、反応押出し器中へ供給される重合体は、エチレン酢 酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、又は酸無水物の如き酸部分と 同等の懸垂基を有するエチレン共重合体である。 エチレン共重合体は、任意に、他のコモノマーで、重合体中に存在していても エステル交換反応を妨害しないものを含んでいてもよい。その任意的コモノマー はエステル交換化合物と反応してもよいが、もしその任意的コモノマーが存在し ていないならば別にエステル交換されるであろう重合体中のエステル部分の5% 未満が、その任意的コモノマーが存在するために化学量論的に過剰のエステル交 換化合物の存在下でエステル交換される場合には、本発明の目的にとって障害が 起きる。 エステル交換反応を妨害しない他のコモノマーを有するエチレン共重合体の一 つの例は、部分的に鹸化されたエチレンアルキルアクリレート共重合体である。 エチレンアルキルアクリレート共重合体のナトリウム、リチウム、又はカリウム アイオノマーは、1993年10月27日に出願された米国特許出願Seria l No.08/144,173明細書(これは参考のため全体的に ここに入れてある)に記載されている。約1〜約17モル%のメチルアクリレー ト及び約1〜約9モル%のナトリウムアクリレートを有するエチレン−メチルア クリレート−ナトリウムアクリレート共重合体が好ましい。別の例は、ELFア トケムの製品であるロターダーであり、それは、無水マレイン酸部分を含み、そ の不飽和炭素原子がポリエチレン系主鎖内の飽和炭素原子になったエチレンアル キルアクリレート共重合体である。別法として、無水マレイン酸をポリエチレン 系主鎖を有する重合体に、例えば遊離ラジカルグラフト化によりグラフトしても よい。これらの重合体を製造する方法は当分野でよく知られている。例えば、米 国特許第4,506,056号明細書(これは参考のため全体的にここに入れて ある)参照。 2.エステル交換化合物 用語「エステル交換化合物」には、第二の化合物をエステル化する化合物と同 様、第二化合物とエステル交換する化合物が含まれる。エステル交換化合物は、 その反応のために選択された特定のエチレン共重合体に対するエステル化又はエ ステル交換反応に関与する能力を有する化合物から選択される。エステル交換化 合物自体は、エステル交換のために選択されたエチレン共重合体ヘヒドロカルビ ル基を供給することができる重合体でもよい。このようにして、二つの重合体の 間でヒドロカルビル基を交換してもよく、或は二つの重合体が互いに架橋するよ うになってもよい。 エステル交換化合物の炭化水素基には、1−18個の炭素原子を有するアルキ ル基、6〜24個の炭素原子を有するアリール基又は置換アリール基、及び6〜 24個の炭素原子を有するアリールエーテル基又は置換アリールエーテル基が含 まれる。 例えば、エチレン共重合体がエチレンアルキルアクリレート共重合体又はエチ レンアクリル酸共重合体である場合、エステル交換化合物はアルコール、ジオー ル、ポリオール、及びエーテル−オール、エン−オール、ポリエチレングリコー ル、ヒドロキシル末端ポリカーボネート、又はヒドロキシル含有アスファルトで もよい。これらの共重合体に対しアルコールが好ましいエステル交換化合物であ る。接着剤及び酸素捕捉化合物を製造する場合、ベンジルアルコールが特に好ま しい。 エチレン共重合体がエチレン酢酸ビニル共重合体である場合、エステル交換化 合物は、C1〜C16酸、C1〜C12二酸及び三酸、例えばオレイン酸、ステアリン 酸、安息香酸及びクエン酸の如き有機酸でもよい。フェニル酢酸が特に好ましい 。しかし、エチレン酢酸ビニル共重合体のためのエステル交換化合物は、エチレ ン共重合体からカルボキシ基を捕捉してエチレンビニルアルコール共重合体を生 ずるアルコール又は他の化合物ではない。エステル交換後に、重合体がポリエチ レン系主鎖及び懸垂エステル部分を有すると言うことが本発明の本質的特徴であ る。 エステル交換化合物の量は、エステル交換化合物からのヒドロカルビル基が、 エチレン共重合体のエステル1モル当たり約0.05モル〜2モルになる量であ るのが典型的である。エステル交換化合物の量は、エステル部分が希望する程度 のエステル交換を受けるのに必要な化学量論的量であるか、又はそれを少し超え ているのが好ましい。エステル交換化合物は通常液体であり、その場合には溶媒 は不必要であるが、ヘキサデカノールの如き或るエステル交換化合物は固体であ る。固体化合物は、その化合物が溶融物中で均一に混合される限り、そのまま押 出し器へ供給するか、又は適当な溶媒中に入れて押出し器へ供給してもよい。押 出し器へ供給される液体の量は、液体を捕捉するための下流での処理は不必要に なるように最小にするのが好ましい。 エステル交換化合物のヒドロカルビル基は、ヒドロカルビル基であるか、ヘテ ロ原子又はヘテロ原子含有ラジカルで置換されたヒドロカルビル基でもよい。ヘ テロ原子は炭素及び水素以外の元素である。 本方法を酸素捕捉用組成物を製造するのに用いた場合、ヘテロ原子又はヘテロ 原子含有基の如き電子供与基は、一般に組成物の酸素捕捉能力を改良する。ヘテ ロ原子又はヘテロ原子含有基が存在する場合、それらはヘテロ原子又はヘテロ原 子含有基と懸垂基との間に存在する部分がないように、エステル交換化合物のヒ ドロカルビル基に直接結合しているのが好ましい。好ましい酸素捕捉用組成物の 一つは、エチレン−ベンジルエステル共重合体である。この場合、ヘテロ原子含 有基は、三つの可能な方法のいずれかでベンジル基に結合させることができる。 ヘテロ原子含有基はベンジル部分のメチル基に結合していてもよい。それは、メ チレン基の水素原子の一つの所で置換されていてもよく、その場合、メチレン基 は主鎖又は主鎖に結合した部分、又は他のヘテロ原子含有部分に直接結合してい る。或は、ヘテロ原子含有基はフェニル基の水素原子の一つの代わりに置換され ていてもよい。ヘテロ原子含有基の例には、アミン、エーテル、スルフィド及び ケトン基が含まれ、好ましい基はエステル及びアミドである。アリール及びアリ ールエーテル基を同じやり方でメチレン及びフェニルラジカルに置換し、置換後 、アリール及びアリールエーテル基が合計6〜24個の炭素原子を有するという 限定に従わせることができる。好ましくは、ベンジル基に置換される基は、1〜 6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基 、1〜6個の炭素原子を有するアミン基、6〜15個の炭素原子を有するアリー ル基又は置換アリール基、6〜15個の炭素原子を有するアリールエーテル基又 は置換アリールエーテル基、及び1〜6個の炭素原子を有する酸のエステル及び アミド基からなる群から選択される。一層大きな酸素捕捉速度を与える好ましい 基は、ベンジル部分のメチレン基に結合した、又はフェニル部分のオルト及び( 又は)パラ位置に結合したアルキル、アルコキシ、及びアミン基である。 3.エステル交換法 エチレン共重合体は反応押出し器中でエステル交換する。この方法では、ポリ エチレン系主鎖及び懸垂エステル部分を有する重合体の溶融物をエステル交換化 合物、及び任意にエステル交換触媒及び(又は)酸素捕捉促進遷移金属塩と反応 押出し器中で混合する。反応条件はエステル交換を促進するように選択する。エ ステル交換はエステル交換触媒を用いて行われるのが好ましい。得られる重合体 は、ペレット又はフイルムの如き都合のよい形に押出すことができ、化学線に露 出してもよい。 固体エチレン共重合体(例えば、エチレンーメチルアクリレート共重合体ペレ ット)を、重合体を溶融するのに充分な温度及び混合時間で反応押出し器中に導 入し、それをエステル交換化合物及び任意に反応押出し器中に導入された触媒及 び遷移金属塩と混合することにより形成するのが好ましい。溶融物は反応押出し 器以外の所で形成し、反応押出し器中へ供給してもよい。溶融混合に適切な温度 は、重合体の溶融温度及び重合体が劣化し始める温度によって確定される温度範 囲内にある。典型的には、その温度は180〜250℃である。重合体、エステ ル交換化合物、及び任意的触媒及び遷移金属塩を混合するのに必要な長さの時間 である混合時間は、エステル交換化合物と重合体との良好な混合及びかなりの反 応を与えるように選択される。混合時間は、反応押出し器中、5秒から2分であ るのが典型的である。 エステル交換化合物と溶融物との良好な接触を確実に与えるのに必要な量を超 えた溶媒は殆ど又は全く用いない。アルコール及び有機酸は典型的には反応条件 で液体であるので、これらのエステル交換化合物のための溶媒は不必要である。 エステル交換反応は重合体溶媒を用いなくても進行させることができる。なぜな ら、重合体溶媒物及び押出し器により与えられる強力な混合により重合体とエス テル交換化合物との間の充分な接触が得られるからである。 エチレン共重合体の反応の程度は、エステル交換化合物の添加量に基づくのが 好ましい。エステル交換化合物が重合体と完全に反応するのが好ましいので、過 剰のエステル交換化合物は更に別の処理工程で捕捉する必要はない。 エステル化又はエステル交換は、上で述べたエステル交換触媒を用いて促進す ることができる。 反応押出し器は二軸スクリュー噛合わせ反応押出し器であるのが好ましい。練 り用ブロック及びライトハンド・エレメント(right-hand element)によって与 えられるような均一で強力な混合が特に好ましい。これに関して1993年10 月27日に出願された米国特許出願Serial No.08/144,173 明細書参照。 反応押出し器は、一つ以上の反応押出し器又は他の処理装置と直列にして用い てもよい。一つの反応押出し器を用いる場合、それは、反応領域及び液化領域の 少なくとも二つの領域に分けるのが典型的である。反応領域の圧力は本質的に大 気圧であるのが典型的である。反応領域は重合体に対する熱及び押出し器の作用 により僅かな加圧下にあってもよい。液化領域は、エステル交換された重合体か ら揮発性物質を捕捉し易くするために真空になっているのが典型的である。 本方法を酸素捕捉用重合体の製造に用いる場合、エステル交換反応中に酸素捕 捉促用進遷移金属塩を重合体に添加してもよい。別法として、遷移金属塩は、例 えば、エステル交換されたエチレン共重合体のペレットを遷移金属塩で被覆し、 そのペレットを押出し器中で溶融混合し、それによってその溶融混合物中に酸素 捕捉に接触作用を及ぼす有効な量の遷移金属塩を配合することにより重合体化合 物中へ混入することができる。遷移金属塩を組成物中に配合する方法は、酸素捕 捉剤として組成物を用いる前に組成物全体に遷移金属塩が分散している限り、特 に限定する必要はない。遷移金属塩は、エステル交換前、その途中、又はその後 で組成物中に配合することができる。 本発明の酸素捕捉用組成物に用いるのに好ましい重合体は、エチレンベンジル アクリレート又はエチレンベンジルアクリルアミド重合体を形するように、ベン ジルアルコール又はベンジルアミンと反応させたエチレンアルキルアクリレート 共重合体からなる。これらの重合体は、典型的には、上で述べたようなエステル 交換又はアミド交換により製造することができる。特に好ましい重合体中間体は エチレンメチルアクリレート共重合体である。40重量%のメチルアクリレート を有するエチレン−メチルアクリレート共重合体から形成された本発明の組成物 は、酸素捕捉性部分を約0.33〜約17.85モル%有することができる。2 4重量%のメチルアクリレートを有するエチレンメチルアクリレート共重合体は 、約0.33〜約9.33モル%の酸素捕捉性部分を有する。反応したエチレン メチルアクリレート共重合体は、好ましくは約1−10モル%、一層好ましくは 約2〜6モル%、更に一層好ましくは約2〜3モル%の酸素捕捉性部分を有する 。部分的エステル交換又はアミド交換を行わせ、それによって幾らかの未反応ア ルキルアクリレート部分を残し、重合体の性質を特定の用途に適合することがで きるようにすることが望ましいことが屡々ある。反応した重合体の物理的性質は 、未反応アルキルアクリレート共重合体の物理的性質と同様である。その結果、 エチレンベンジルアクリレート又はエチレンメチルアクリレートベンジルアクリ レート三元重合体を形成するためにエチレンーメチルアクリレート共重合体を用 いた本発明の組成物は、光学的に透明であり、エチレン−メチルアクリレート共 重合体と同様な処理特性を有する。エチレンメチルアクリレートベンジルアクリ レート三元重合体(夫々約76.6/14.4/9重量%)を形成するように部 分 的にエステル交換し、ネオデカン酸コバルトの形で約1000ppmのコバルト を含有するエチレンーメチルアクリレート共重合体は、本発明の特に好ましい組 成物である。 別の好ましい態様として、本発明の酸素捕捉用組成物は、エチレンアルキルア クリレート共重合体、又はエチレンメチルメタクリレート共重合体と、式(VIII) : のベンジルアミン又はアルコールと反応させることにより製造された重合体を使 用している。式(VIII)では、xはNH2又はOHであり、Rは、水素、フェニ ル、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、1−16個の炭素原子を有する アルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアミン基、6〜24個の炭素原子を 有するアリール基又は置換アリール基、6〜24個の炭素原子を有するアリール エーテル基又は置換アリールエーテル基、及び1−16個の炭素原子を有する酸 のエステル及びアミド基からなる群から独立に選択される。XはNH2又はOH であるのが好ましく、Rはメチル又はメトキシであるのが好ましく、Hであるの が一層好ましい。アミンはベンジルアミンであるのが好ましく、アルコールはベ ンジルアルコールであるのが好ましい。ベンジルアルコールとベンジルアミンと の混合物を用いることもできる。 種々の因子の中で、これらの重合体は有機コバルト塩の如き遷移金属塩と一緒 にした時、驚く程良好な酸素捕捉剤になることが見出されている。更に、これら の重合体の酸素捕捉能力及び他の物理的性質は、共重合体反応物中のアルキルア クリレートの量及び反応で用いられるベンジルアミン又はアルコールの量を選択 することにより容易に変えることができる。 ベンジルアルコールが反応物である場合、特に有用な組成物は式(IX): のベンジル構造体を1〜10モル%、好ましくは2〜6モル%含有する。 これらの重合体も接着剤又は電気絶縁体として有用である。 好ましい重合体はポリ(エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレー ト)三元重合体、及びポリ(エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリル アミド)三元重合体である。 酸素捕捉性部分として主にベンジルエステル基を有する酸素捕捉用組成物は、 特に食品用途に有用であると思われる。酸素がその重合体と反応する時、重合体 主鎖から遊離する酸化生成物は安息香酸であり、それは或る量では食物に添加す ることがFDAで認可されている。 アルキルアクリレート部分を有する重合体は、当分野でよく知られた方法によ り部分的に又は完全に鹸化してアイオノマーを製造することができる。そのよう な方法の一つは1994年4月5日に出願された米国特許出願Serial N o.08/144,173明細書(これは参考のため全体的にここに入れてある )に記載されている。 任意に本発明の組成物及び方法は、酸素捕捉促進遷移金属を含有する重合体を 化学線に露出し、もしあるとすれば、酸素捕捉開始前の誘導期間を減少させるこ とができる。米国特許第5,211,875号明細書(これは参考のため全体的 にここに入れてある)には、酸化可能有機化合物及び遷移金属触媒を含むフイル ムを化学線に露出することにより酸素捕捉を開始させる方法が記載されている。 化学線が存在しないと誘導期間が長くなるが、化学線に照射すると誘導期間が短 くなるか又は存在しなくなる本発明の組成物は特に好ましい。化学線によって活 性化される組成物は、窒素雰囲気中で包装又はその中に保つような特別な調整又 は保存条件を必要とすることなく保存することができる。それらは化学線で活性 化すると酸素を捕捉する大きな能力を維持する。このように酸素捕捉は、希望し た時に活性化することができる。 用いられる輻射線は化学線、例えば、約200〜750nmの波長を有し、好 ましくは約200〜400nmの波長を有する紫外線又は可視光線である。この 方法を用いた場合、本発明の組成物1g当たり少なくとも0.01ジュールに組 成物を照射するのが好ましい。典型的な照射量は0.1−100ジュール/gの 範囲にある。他の輻射源には、ガンマー線、X線及びコロナ放電の如きイオン化 輻射線が含まれる。照射時間は、存在する光開始剤の量及び種類、照射すべき層 の厚さ、存在する酸化防止剤の量、輻射線源の波長及び強度を含めた幾つかの因 子に依存するが、それらに限定されるものではない。本発明の好ましい組成物は 光開始剤を必要としない。 〔本発明の組成物及び反応押出し法の生成物の使用〕 本発明の反応押出し法によって製造された重合体は、射出成形、ブロー成形、 被覆、接着剤、及び包装及び保護フイルムの如き多くの用途で有用である。例え ば、エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート共重合体は、電気絶 縁体又は接着剤として有用であり、特にその重合体が1モル%より多く、好まし くは2モル%より多いベンジルアクリレートを含む場合にそうである。 本発明の酸素捕捉用組成物は多くのやり方で用いられる。それらは、繊維と接 触する酸素を捕捉するために高表面積繊維の形に処理することができる。それら 組成物は、酸素を吸収する小さな粒子として分散させることができ、或は金属箔 、重合体フイルム、金属化フイルム、又はボール紙の如き材料の上に被覆して、 或る態様では酸素捕捉性及び(又は)接着性を与えるようにすることもできる。 それら組成物は、単層又は多層の固い肉厚のプラスチック容器(典型的には8〜 100ミルの厚さ)の如き物品の製造、又は単層又は多層可撓性フイルムの製造 にも有用である。本発明の組成物の幾つかは、よく知られた手段を用いてフイル ムに容易に形成することができる。これらのフイルムは単独で又は他のフイルム 又は材料と組合せて用いることができる。 本発明の組成物は更に、プラスチック包装用物品でフイルム層を形成するのに 典型的に用いられている熱可塑性重合体の如き一種類以上の重合体と組合せても よい。或る包装用物品の製造では、よく知られた熱硬化性材料も重合体希釈剤と して用いることができる。 本発明の組成物と希釈剤との組合せの選択は、希望する性質に依存する。希釈 剤として用いることができる重合体には、ポリエチレン、低密度又は非常に低い 密度のポリエチレン、超低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプ ロピレン、ポリ塩化ビニル、及びエチレン酢酸ビニル、エチレンアルキルアクリ レート又はメタクリレート、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸、及びエチ レン−アクリル酸又はメタクリル酸アイオノマーの如きエチレン共重合体が含ま れるが、それらに限定されるものではない。固い包装用途では、ポリスチレンが 用いられ、飲料容器の如き固い物品ではポリエチレンテレフタレート(PET) が屡々用いられる。米国特許第5,021,515号明細書参照。異なった希釈 剤の混合物を用いてもよい。しかし、上で示した如く重合体希釈剤の選択は製造 すべき物品及び最終用途に大きく依存する。そのような選択因子は当分野でよく 知られている。 熱可塑性の如き希釈剤重合体を用いるならば、それは、本発明の組成物とその 相溶性に従って更に選択すべきである。或る場合には、透明性、清浄性、酸素捕 捉剤としての効果性、障壁性、物品の機械的性質及び(又は)生地が、本発明の 組成物と非相溶性である重合体を含む混合物により悪影響を受けることがある。 エチレン−メチルアクリレート共重合体を変性してエチレンベンジルアクリレ ート共重合体を形成する本発明の組成物の特別な利点の一つは、そのエチレンベ ンジルアクリレート共重合体の性質がエチレン−メチルアクリレート共重合体及 びポリエチレンの性質に実質的に似ていることである。これによって本発明の組 成物を、ポリエチレン及びエチレン−メチルアクリレート共重合体が用いられる 広い範囲の用途で含有させることができる。 本発明の組成物と相溶性のある重合体との混合物は、それら重合体を約50℃ 〜250℃の範囲の温度で一緒に乾式混合又は溶融混合することにより製造する ことができる。別の混合方法には溶媒を用いて、次にそれを蒸発することが含ま れる。酸素捕捉用組成物からフイルム層又は物品を形成する場合、押出し又は共 押出し、溶媒注型、射出成形、延伸ブロー成形、配向、加熱成形、押出し被覆、 被覆及び硬化、積層、又はそれらの組合せが混合の後に続くのが典型的であろう 。 遷移金属塩、ベンジル基を含む懸垂部分を有するポリエチレン系主鎖を有する 重合体、任意的重合体希釈剤及び添加剤の量は、製造すべき物品及びその最終的 用途によって変化する。これらの量は希望の酸素捕捉能力、希望する捕捉速度、 酸素捕捉剤の誘導期間、及び選択された特定の材料にも依存する。 本発明の組成物は、それら組成物が有効な酸素捕捉剤になる前に種々の誘導期 間を有する。例えば、本質的にエチレンベンジルアクリレート共重合体を用いて 酸素を捕捉するためには、組成物は紫外線にそれを照射するなどして誘導期間を 短くするか、又は誘導期間を経過させなければならない。しかし、各フェニル基 に置換した一つ以上のメトキシ基を有するエチレンベンジルアクリレート共重合 体からなる組成物は、化学線に照射しなくても誘導期間が非常に短く、従って、 その組成物は殆ど直ちに酸素を捕捉するのに有効である。従って、与えられた用 途に対して選択される特定の組成物は、一つには酸素を捕捉する前にその組成物 を貯蔵すべき時間に依存する。例29及び第1図参照。 本発明の組成物からなる層は幾つかの形態にすることができる。それらは「配 向した」又は「熱収縮性」フイルムを含めたストック(stock)フイルムの形に なっていてもよく、それらは最終的には袋等に加工することができ、或は延伸包 装フイルムの形にしてもよい。それらの層は包装内部に入れるシート挿入物の形 になっていてもよい。飲料容器、加熱成形皿又はカップの如き固い物品では、そ の層は容器の壁内にあってもよい。更に、その層は容器の蓋又はキャップに置か れた又はその内部に配置された裏打の形になっていてもよい。層は上で述べた物 品のどれに対しても被覆又は積層することもできる。 本発明の組成物にエチレンベンジルアクリレート共重合体を用いた場合、その 組成物は多層構造体中の結合層として付加的に有用になるものにするのに充分な 結合強度を有することができる。従って、本発明の組成物を多層フイルムに結合 するために別の結合層は不必要である。更に、エチレンベンジルアクリレート共 重合体を用いた組成物は、本発明の組成物から製造された層が熱封着層として更 に機能を果たすのに充分な熱粘着性を有することができる。 多層物品では、本発明の組成物からなる酸素捕捉層を、「酸素障壁」、即ち室 温、即ち約25℃で大気圧で(per atmosphere pressure)1日当たり100c c・ミル/m2に等しいか又はそれより小さい酸素透過速度を有する材料層の如 き層と共に含有させてもよいが、それらに限定されるものではない。典型的な酸 素 障壁は、ポリ(エチレンビニルアルコール)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化 ビニル、ポリ(二塩化ビニリデン)、ポリエチレンテレフタレート、シリカ、及 びポリアミドからなる。金属箔層を用いることもできる。 付加的層も酸素に対し透過性の一つ以上の層を含んでいてもよい。一つの好ま しい態様として、特に食品のための可撓性包装のためには、それらの層は包装の 外側から始まってその包装の最も内側の層まで順番に(i)機械的強度を与え、 湿分障壁として働く構造層(例えば、高密度ポリエチレン)、(ii)酸素障壁層 、(iii)本発明の組成物からなる層、任意に(iv)EVAの如き機能性層、を 有する。(ii)の酸素障壁性を調節することは、酸素が捕捉用成分(iii)中へ 入る速度を制限し、それによって捕捉能力の消耗速度を制限することにより包装 の捕捉寿命を調節する手段を与える。多層組成物中の機能性層は、その機能性層 自体の外に隣接した層が果たすことのできない機能を果たすように付加された層 である。機能性層は、本発明の組成物内に含まれた化合物が包装体内部へ移動す るのを止めるか、又は遅くする障壁を与えてもよい。これらの移動化合物には、 添加剤又は酸素捕捉の副生成物が含まれる。機能性層は多層フイルムの熱封着性 、透明性、及び(又は)ブロッキング防止性を改良してもよい。機能性層の酸素 透過性を調節することも、捕捉用成分(iii)の組成とは独立に全構造体につい ての酸素捕捉速度に対する上限を設定する手段を与える。このことは包装体を密 封する前に空気の存在中で扱うフイルムの寿命を長くする目的に役立つ。 多層物品は共押出し、被覆及び(又は)積層を用いて製造することができる。 酸素障壁及び酸素透過性層の外に、他の層を一つのフイルムに結合する働きをす る結合層及び全フイルムを他の表面に対し接着性にする接着剤層の如き更に別の 層を、上で列挙したいずれかの層に隣接させてもよい。結合層又は接着剤層に適 切な組成物には、無水マレイン酸官能化ポリオレフィンの如き当分野でよく知ら れたものが含まれる。 本発明の酸素捕捉能力を決定するために、酸素捕捉速度を、その物品によって 密封容器から或る量の酸素がなくなるまでの経過時間を測定することにより計算 することができる。例えば、捕捉用成分を含むフイルムを或る酸素を含む雰囲気 、例えば典型的には、20.9体積%の酸素を含む空気の入った気密な密封容器 中 に入れる。次に或る時間後その容器中の雰囲気の試料を取り出して残留酸素の% を決定する。 活性酸素障壁を製造する時、捕捉速度は25℃及び1気圧の空気中で1日当た り本発明の組成物1g当たり酸素0.1cc位の低いものにすることができる。 しかし、本発明の好ましい組成物は1cc/g/日の酸素に等しいか又はそれよ り大きい速度を有し、従って、それらを包装内部から酸素を捕捉するのに適した ものにするのみならず、活性酸素障壁用に適したものにする。多くの組成物がO2 5.0cc/g/日に等しいか又はそれより大きい一層好ましい速度を持つよう にすることさえできる。 一般に活性酸素障壁として用いるのに適したフイルム層は、25℃1気圧の空 気中で測定して、酸素1cc/m2/ミル/日位の低い捕捉速度を持つことができ る。好ましくは本発明の層は酸素10cc/m2/ミル/日より大きな捕捉速度 を持つことができ、一層好ましくは同じ条件で酸素約25cc/m2/ミル/日 に等しいか又はそれより大きい酸素捕捉速度を有し、従ってそれを活性酸素障壁 用に適したものにすると同様、包装内部から酸素を包装するのに適したものにす る。本発明の組成物及び層の捕捉速度は、温度及び雰囲気条件の変化と共に変化 する。室温、周囲の湿度、1気圧での速度を測定する。なぜなら、それらは本発 明が多くの用途で曝される条件を最もよく表しているからである。 活性酸素障壁用の用途では、酸素障壁及び酸素捕捉活性の組合せが1気圧25 ℃で約1.0cm3・ミル/m2/日より小さな全酸素透過速度を生ずるのが好ま しい。許容可能な酸素捕捉の別の定義は、実際の包装体を試験することにより得 られる。実際に使用した時、必要な捕捉速度はその包装の内部雰囲気、包装体の 内容物及びそれが保存される温度に大きく依存する。実際に使用した時、酸素捕 捉物品又は包装体の捕捉速度は、約4週間未満で0.1%未満の内部酸素量を生 ずるのに充分であるべきであることが見出されている。 本発明により製造された包装用物品では、捕捉速度は主にその物品中の本発明 の組成物の量及び性質に依存し、第二に捕捉用成分中に存在する他の添加物(例 えば、希釈剤重合体、酸化防止剤等)の量及び性質に依存し、その他包装体を製 造する全方法、例えば、表面積/体積比に依存する。 本発明を用いた物品の酸素捕捉能力は、その物品が捕捉剤として役に立たなく なるまでに消費した酸素の量を決定することにより測定することができる。包装 体の捕捉能力は、上述したように、主に物品中に存在する捕捉性部分の量及び性 質に依存する。 実際に用いた場合、物品に必要な酸素捕捉能力は夫々の用途の次の三つの因子 に大きく依存するであろう: 1. 包装体中に最初から存在する酸素の量、 2. 捕捉能力を持たない包装体中に入る酸素の速度、及び 3. 包装体に希望される寿命。 組成物の捕捉能力は酸素1cc/g位の低いものでよいが、少なくとも酸素1 0cc/gであるのが好ましく、少なくとも酸素50cc/gであるのが一層好 ましい。そのような組成物を層状にした時、その層は、好ましくは厚さ1ミル当 たり少なくとも酸素250cc/m2、一層好ましくは厚さ1ミル当たり少なく とも酸素500cc/m2の酸素能力を有する。 他の因子も酸素捕捉に影響を与えることがあり、組成物を選択する時に考慮す べきである。これらの因子には温度、相対湿度、及び包装体中の雰囲気が含まれ るが、それらに限定されるものではない。 実施例で例示したように、本発明の或る具体例ではそれらが酸素捕捉を示す前 に「誘導期間」を通過する。この誘導期間は組成物を輻射線に露出することによ り実質的に短くすることができることが見出されている。酸素捕捉剤で酸素捕捉 を開始させるとは、ここでは酸素捕捉の誘導期間が著しく短くなるか又はなくな るように捕捉を促進するものとして定義する。誘導期間は、捕捉用組成物が有用 な捕捉性を示すようになる前の期間である。更に、酸素捕捉の開始は、輻射線が 存在しない場合の不確定の誘導期間を有する組成物にも適用することができる。 酸素捕捉が開始される正確な仕方は知られていないが、特定の理論に拘束され るものではないが、酸素捕捉剤を輻射線に曝すと次のことの一つ以上が起きるも のと考えられる: a. もし酸化防止剤(一種又は多種)が存在するならば、それらが実質的に 枯渇して、酸化を進行させる; b. 遷移金属触媒が、その金属の酸化状態又はリガンドの形状が変化するこ とによって活性化し、それによってその捕捉効力を増大する;又は c. もし酸化防止剤(一種又は多種)が存在するか残留するならば、それら の防止効果にも拘わらず系中に存在する遊離ラジカル及び(又は)過酸化物物質 の実質的な増加。 酸素捕捉層又は物品を用いた場合、輻射線への露出はその層又は物品を製造す る間又は製造した後に行うことができる。得られた層又は物品を酸素に敏感な製 品を包装するのに用いたい場合、露出は包装前、包装中、又は包装後に行うこと ができる。照射の均一性を最もよくするために、層又は物品が平らなシートの時 に露出を行うのがよい。 遷移金属塩及びエチレンベンジルアクリレートを含む本発明の組成物は、食品 製品を包装するのに実質的な利点を与える。食物を入れるための物品又はラップ は、その組成物から作ることができ、組成物の酸素捕捉能力をその物品又はフイ ルムを化学線に照射することにより開始させ、食品を本発明の組成物内に包む前 又は包んだ後でもその誘導期間を短くすることができる。これによって最も新鮮 な香りを有する食品を供給することができる。また、食品を包装する時に酸素捕 捉性を開始させることにより、最も長い寿命を与えることができる。なぜなら、 物品又はフイルムの全酸素除去能力を食品から酸素を排除し続けるのに利用する ことができるからである。 組成物及び方法を次の実施例により例示するが、それらは何等本発明を限定す るものではない。 例1 エチレン−ベンジルアクリルアミド共重合体Aのオートクレーブ合成 40重量%のメチルアクリレート(MA)及び60重量%のエチレンを含有し 、8g/10分のメルトインデックス(MI)を有するエチレン−メチルアクリ レート共重合体100重量部を、300ccのオートクレーブに100部のベン ジルアミンと共に導入した。その混合物を窒素中で240℃に5時間撹拌し続け ながら加熱した。得られた重合体を液体窒素中で粉砕し、ヘキサンで洗浄し、次 にメタノールで洗浄した。真空中で乾燥した後、107部の重合体Aが得られた 。 赤外線分光分析及び窒素分析は、メチルエステルが定量的にベンジルアミドへ転 化したことを示していた。カスタム・レジン社(Custom Resin,Inc.)から得ら れたナイロン−6を95部、重合体A5部及び例12で与える比率のネオデカン 酸コバルトと一緒に、ハーケ・システム(Haake System)90レオミクス(Rheo mix)TW−100円錐状二軸スクリュー押出し器(今後「ハーケ90」と呼ぶ )中で210℃で混合した。例27の方法によりフイルムを製造した。 例2 エチレン−3−メトキシベンジル−アクリルアミド共重合体Bの溶液合成 100重量部のエチレン−メチルアクリレート共重合体(MA40重量%)を 180℃で150部のデカリン中に溶解し、54部の3−メトキシベンジルアミ ンを24部の2−ピリドンと共に添加し、その溶液を184℃で12時間還流し た。冷却後、重合体溶液をメタノール中で沈殿させ、真空炉中で乾燥して重合体 Bを与えた。赤外線分析はエステルが定量的にアミドヘ転化したことを示してい た。カスタム・レジン社から得られたナイロン−6との混合物を、5部の共重合 体B及び95部のナイロン−6をハーケ90二軸スクリュー押出し器へ210℃ で供給物することにより調製した。例27の方法によりフイルムを形成した。 例3エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元重合体Cの溶液合成 100重量部のエチレン−メチルアクリレート共重合体(MA20重量%)を 、150部のデカリン中で50部のベンジルアルコール及び0.5部のチタン酸 テトラエチル、エステル交換触媒と共に溶解した。混合物を184℃で3時間還 流し、例2に記載するように処理した。NMR分析は、メチルエステルが88% ベンジルエステルへ転化したことを示していた。 例4エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元重合体Dの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチルの代わりに0.5部のジ ラウリン酸ジ−ブチル錫を用いた。重合体Dを分離し、7時間の反応でメチルエ ステルからベンジルエステルへの72%の転化率が得られた。 例5エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元重合体Eの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチルの代わりに0.5部のナ トリウムメトキシドを用いた。重合体Eを分離し、10時間の反応で、メチルエ ステルからベンジルエステルへの64%の転化率が得られた。 例6エチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元重合体Fの溶液合成 例3の手順を繰り返した。但しチタン酸テトラエチルの代わりに0.5部のト ルエンスルホン酸を用いた。重合体Fを分離し、15時間の反応で、メチルエス テルからベンジルエステルへの43%の転化率が得られた。 反応押出し 例7〜11を反応押出しにより製造した。これらの例ではウェルナー・プライ デレル(Werner Pfleiderer)ZSK−30二軸スクリュー押出し器を用いた。 エチレン−メチルアクリレート共重合体を押出し器に供給し、溶融し、反応物( 一種又は多種)(例えば、ベンジルアルコール)及び触媒(一種又は多種)を押 出し器の続く反応領域中に添加した。次の例ではエチレン−メチルアクリレート 共重合体を用いたが、ここに記載する方法はエチレン−メチルアクリレート共重 合体だけを用いた場合に限定されるものではない。 押出し器の二つの通気口(vent port)によりメチルエステルからベンジル又 はベンジリックエステルへの大きな添加率が得られ、それらは唯一つの通気口し か持たないスクリュー中で屡々起きる溢流を減少させた。反応物(一種又は多種 )及び触媒(一種又は多種)を添加した点より下流の第一通気口を大気圧中に開 いて反応副生成物(これらの例ではメタノール)を逃がした。副生成物は僅かな 真空中で除去してもよい。第一のものより下流にある第二通気口は真空にし、残 留反応物(例えば、ベンジルアルコール)を除去したが、それらは通常副生成物 よりも高い沸点を有するものである。もし望むならば、下流に付加的な通気口を 用いることができる。 押出し器中の温度は、重合体を劣化することなく、主に溶融重合体、反応物( 一種又は多種)及び触媒(一種又は多種)の均一な混合物を与えるように選択し た。しかし、温度は、副生成物と反応物(副生成物が反応物よりも低い沸点を 有する場合)の間の蒸気圧に最も大きな差を生ずるように選択した。通常、温度 は反応物の沸点か、又はそれより僅かに低いであろう。 上記例の幾つかでは、エチレン−メチルアクリレート共重合体及びベンジルア ルコールは、ベンジルアルコールの沸点である約205℃で反応させた。第一の 通気口圧力は約760mmHgであり、第二通気口圧力は約25mmHgであっ た。この方法は共重合体、反応物、及び触媒の均一な混合物を与え、ベンジルア ルコールとメタノールとの蒸気圧に最大の差を与えた。この手順は、副生成物、 メタノール、及び過剰の反応物、ベンジルアルコールの両方を除去するのに一つ の通気口を用いた方法よりも、メチルエステルからベンジルエステルへの向上し た転化率を与える。 例7 反応押出しによるエチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元 重合体Gの製造 エチレン−メチルアクリレート共重合体(MA40重量%、8g/10分のM I)を、ウェルナープライデレルZSK−30二軸スクリュー押出し器中へ3k g/時間の供給速度で約205〜210℃のバレル温度で供給した。ベンジルア ルコール及びチタン酸テトラエチルを第一混合領域中へ、夫々1.5kg/時及 び15g/時の速度で供給した。得られた重合体をペレット化し、NMR分析は 、メチルエステルからベンジルエステルへの転化率が29%であり、検出可能な 量の遊離ベンジルアルコールはないことを示していた。得られる三元重合体Gの メルトインデックスは190℃で7.75g/10分であり、その組成はエチレ ン54重量%、メチルアクリレート26重量%、及びベンジルアクリレート20 重量%であった。重合体の組成はNMR分析に基づいて計算した。 例8 反応押出しによるエチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元 重合体Hの製造 例7の手順を繰り返した。但しMA24重量%及びMIが2g/10分である エチレン−メチルアクリレート共重合体を用い、ベンジルアルコール及びチタン 触媒の供給速度を夫々1.8kg/時及び18g/時にした。生成物、重合体H は、2.19のMIを有し、NMR分析によるメチルエステルからベンジルエス テルへの転化率は51%であった。重合体Hのエチレン/メチルアクリレート/ ベンジルアクリレートの重量比は69/10/21であった。 例9 フェニル環に部分的3−メチル置換を有するエチレン−メチルアクリレート− ベンジルアクリレート三元重合体H−Meの製造 重合体H−Meを製造するのに例8の手順に従った。但し例8のベンジルアル コールの代わりに99重量%のベンジルアルコール及び1重量%の3−メチルベ ンジルアルコールの溶液を用いた。NMR分析に基づき、メチルエステル基の4 8%がベンジルエステル基、又は3−メチルベンジルエステル基に転化した。エ チレン/メチルアクリレート/ベンジルアクリレートの重量比は69/11/2 0であった。 例10 フェニル環に部分的3−メトキシ置換を有するエチレン−メチルアクリレート −ベンジルアクリレート三元重合体H−OMeの製造 重合体H−OMeを製造するのに例9の手順に従った。但し例9の3−メチル ベンジルアルコールの代わりに3−メトキシベンジルアルコールで置き換えた。 メチルエステル基の45%がベンジルエステル基、又は3−メトキシベンジルエ ステル基に転化した。エチレン/メチルアクリレート/ベンジルアクリレートの 重量比は重合体H−OMeでは69/12/19であった。 例11 反応押出しによるエチレン−メチルアクリレート−ベンジルアクリレート三元 重合体Iの製造 例7の手順を繰り返した。但しMA20%、MIが6g/10分であるエチレ ン−メチルアクリレート共重合体を供給重合体として用いた。生成物重合体Iは 、6.25g/10分のメルトインデックスを有し、NMR分析に基づくメチル エステル基からベンジルエステル基の転化率は39%であった。エチレン/メチ ルアクリレート/ベンジルアクリレートの重量比は75/11/14であった。 例12 コバルト塩と重合体Aとの混合 1000部の重合体Aペレットを、20部のヘキサン中で8.3部のネオデカ ン酸コバルト(1部のコバルトを含有する)と回転混合した。ヘキサンを真空に より除去し、コバルト被覆樹脂をペレット状に押出し、次に例27の方法により フイルムにした。 例13 コバルト塩と重合体Bの混合 重合体Aの代わりに重合体Bを用いて例12の方法を繰り返した。 例14 コバルト塩と重合体Cの混合 重合体Aの代わりに重合体Cを用いて例12の方法を繰り返した。この重合体 から製造されたフイルムは次の性質を持っていた:抗張力1243psi;伸び 726%;及び融点86℃。 抗張力、伸び、ヤング率、及び1%セカント(secant)の分析はASTM法N o.D−882により行なった。 例15 コバルト塩と重合体Dの混合 重合体Aの代わりに重合体Dを用いて例12の方法を繰り返した。 例16 コバルト塩と重合体Eの混合 重合体Aの代わりに重合体Eを用いて例12の方法を繰り返した。 例17 コバルト塩と重合体Fの混合 重合体Aの代わりに重合体Fを用いて例12の方法を繰り返した。 例18 コバルト塩と重合体Gの混合 重合体Aの代わりに重合体Gを用いて例12の方法を繰り返した。 例19 コバルト塩と重合体Hとを混合して重合体H−1000を形成する 重合体Aの代わりに重合体Hを用いて例12の方法を繰り返した。 例20 コバルト塩と重合体Hとを混合して重合体H−250を形成する 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバルトの代わりに、5部 のヘキサン中に入れた2.1部のネオデカン酸コバルト(0.25部のコバルト を含有する)を用いて、例19の方法を繰り返した。 例21 コバルト塩と重合体Hとを混合して重合体H−500を形成する 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバルトの代わりに、10 部のヘキサン中に入れた4.2部のネオデカン酸コバルト(0.50部のコバル トを含有する)を用いて、例19の方法を繰り返した。 例22 コバルト塩と重合体Hとを混合して重合体H−2000を形成する 20部のヘキサンに入れた8.3部のネオデカン酸コバルトの代わりに、40 部のヘキサン中に入れた16.6部のネオデカン酸コバルト(2.0部のコバル トを含有する)を用いて、例19の方法を繰り返した。 例23 コバルト塩と重合体H−Meの混合 重合体Aの代わりに重合体H−Meを用いて例12の方法を繰り返した。 例24 コバルト塩と重合体H−OMeとの混合 重合体Aの代わりに重合体H−OMeを用いて例12の方法を繰り返した。 例25 コバルト塩と重合体Iとの混合 重合体Aの代わりに重合体Iを用いて例12の方法を繰り返した。 例26 共重合体へのコバルト塩の溶融混合 重合体AからIを夫々約180℃でZSK−30二軸スクリュー押出し器で溶 融処理した。重合体供給速度は10kg/時に維持し、一方ネオデカン酸コバル トを第一混合領域中に83g/時の速度で導入した。約1000ppmのCoを 含有する生成物をペレット化し、後のフイルム処理のために保存した。 例27 ランドキャッスル押出し器による重合体フイルムの製造 ランドキャッスル・マイクロトルーダー(Randcastle Microtruder)を用いて コバルトを含む重合体の約5ミル圧の単層フイルムを押出した。型温度、供給ブ ロック、アダプターは420゜Fに設定し、供給器の回転速度は143rpmに 設定した。全てのフイルムは柔らかくて可撓性であり、良好な透明性を有するこ とが観察された。 例28 酸素捕捉のUV開始 酸素捕捉の研究を行う前に幾つかのフイルムを照射した。これらのフイルムは 15ワットUVランプ〔UVP社により製造されたブラク・レイ(Blak-Ray)ラ ンプ、型XX−15S〕の下で5インチの距離で5分間UV線に露出した。 UV照射の効果は、例えば例19の重合体H−1000について明確に見られ た。照射したフイルムは遥かに一層迅速に酸素を捕捉した。 例29 UV照射を用いない酸素捕捉 例19、23及び24からの各重合体のフイルム2gを別々の1リットル容量 の瓶中に密封し、モコン(Mocon)710酸素分析器を用いて酸素の枯渇を検出 した。 第1図に示した結果は、これらの試料がフェニル環に置換した基により、UV 照射がなくても種々の速度で酸素を捕捉することを示している。 例30 酸素捕捉速度及び能力の研究 25℃及び55℃での酸素除去速度及び能力を、特定化したように、20.9 %又は2%の酸素を含む密封瓶中に重合体フイルム試料を入れ、ガスクロマトグ ラフ及び(又は)モコン710酸素分析器により酸素枯渇を検出することにより 測定した。 22cc及び250ccの容量の瓶に対し約5gの重合体フイルムを用いた。 1リットル容量の瓶に対し約2gの重合体フイルムを用いた。ガスクロマトグラ フ(GC)又はモコン710酸素分析器により酸素の枯渇を検出した。次の表1 は、22cc、250cc、及びlリットルの瓶について記録された酸素捕捉活 性度を例示している。 注: 1.別に指示しない限り、酸素捕捉温度は25℃であった。 2.これらの実験で全ての瓶が、試料をその瓶の中に入れた時、20.9%の 酸素を含んでいた。 3.この実験のための酸素捕捉温度は55℃であった。 4.記載した時間は、試料を瓶の中に入れた後の酸素捕捉時間の長さである。 これらの欄の数字は瓶中に残留する酸素の%である。 例31 酸素捕捉能力の研究 例19の重合体(重合体H−1000)のフイルム1g当たりの全酸素吸収能 力を測定し、第2図に示す。また、酸素濃度を低くして(即ち、O22%で出発 して)最初の数日間で重合体H−1000が酸素を捕捉する能力を測定し、市販 の酸素捕捉剤、三菱ガス化学社から入手できるエージレスと比較した(第3図参 照)。これらの条件は食物包装中に窒素ガスで酸素を追い出す方法に類似してい る。第3図は重合体H−1000が低い濃度での酸素捕捉についてエージレスよ り優れていることを示している。なぜなら、重合体H−1000は、容器頂部空 間から0.02%の酸素を除き、全て捕捉したのに対し、エージレスは0.12 %の酸素を残していたからである。 例32 酸素捕捉速度及び能力に対するコバルト量の影響 重合体Hを用いた組成物のコバルト含有量を変化させて、酸素捕捉速度に対す るその影響を決定した。酸素捕捉速度及び能力を、例19から22の重合体のU V照射フイルムについて測定し、結果を第4図に示す。 例33 改良された障壁性 例25の重合体を市販酸素障壁エチレンビニルアルコール(EVOH)〔アメ リカのエバル社(Eval Co.)から入手できる等級エバルF−104〕及びバイネ ル(Bynel)388結合層(デュポンから入手できる)と一緒にランドキャッス ル・ミニトルーダーを用いて押出した。得られた3層構造体は、EVOH単独よ りも 酸素透過速度が4倍も減少していることを示していた。同様な結果は例19の重 合体H−1000を用いて作った3層構造体についても観察されている。第5図 参照。 比較例34 コバルトを含むエチレン−メチルアクリレート共重合体の酸素捕捉性能 MA24重量%及び2g/10分のMIを有するエチレン−メチルアクリレー ト共重合体〔シェブロンにより製造されているEMAC(登録商標名)共重合体 等級SP−2260〕を、例12で述べたように1000ppmのコバルトと混 合した。コバルト塩含有樹脂を例27に記載したようにフイルムに押出した。例 28に記載したように、UV照射を用い、又は用いずに、それらのフイルムを試 験した。どちらの場合でも酸素の捕捉は殆ど見られなかった。 例35 酸化生成物分析 重合体H−1000を、1000ccの容量を持つ瓶中に5gの試料を入れて 6日間酸化し、メタノールで抽出し、濃縮し、ガスクロマトグラフ、及び質量分 光分析を具えたガスクロマトグラフにより分析した。酸化生成物の95%以上が 安息香酸であった。 重合体H−1000の物理的性質を、6日間に亙って重合体H−1000の1 g当たり40.6ccの酸素を捕捉した後、及び捕捉する前に分析した。これら の結果を表2に要約する。 例36 エチレン−ブチルアクリレート−無水マレイン酸三元重合体からベンジルイミ ド含有三元重合体の合成 3%の無水マレイン酸を含むロタドール(Lotador)4700(Elfアトケ ムから入手できる)100部と、3−メトキシベンジルアミン10部とを50部 のデカリン中で150℃で3時間練り、次に真空中で185℃で2時間酸アミド を脱水した。生成物の形成は、赤外線分光分析により無水物帯からイミド帯への 転化により検出することができる。重合体溶液をメタノール中で析出し、次に濾 過し、一晩真空乾燥して、無水物からイミドへの部分的転化が行われた重合体生 成物を生成させた。上で述べたように、この重合体に1000ppmのコバルト を配合した。この重合体の薄いフイルムをランドキャッスル・ミクロトルーダー で押出した。 例37 エチレン−3−メチルフェニルアクリレートの合成 100部のEMAC共重合体SP−2260(シェブロン・ケミカル社から入 手できる)、16部のメターメチルフェノール、及び0.5部のチタン酸テトラ エチルをデカリン中で180℃で6時間還流した。重合体生成物をメタノール中 で析出させ、メチルエステル基の36%が3−メチルフェニルエステルラジカル へ転化した重合体を与えた。ネオデカン酸コバルトを例12の方法により添加し 、この場合エチレン−3−メチルフェニルアクリレートで重合体Aを置き換え、 例27の方法によりフイルムを作った。この組成物は酸素をゆっくり捕捉した。 比較例38 酸素捕捉剤としてのポリスチレン ヘキサン中に約20重量%のネオデカン酸コバルトを入れた溶液を、シェブロ ンEA3000等級のポリスチレン(ゴム変性はされていない)のペレット上に 、最終組成物中のコバルトが重量で約1000ppmになるのに充分な量で室温 で分散させた。回転真空蒸発器を用いて溶媒を除去した。例27の方法によりフ イルムを作った。酸素捕捉性能を例30の方法により決定し、表1に要約する。 この例は、エチレン系主鎖に懸垂したベンジル基が、フェニルの如きアリール基 よりも、両方の組成物とも重合体主鎖中に存在する第三水素原子を有するにも拘 わらず、酸素捕捉に遥かに一層有効であることを示している。 例39 ポリ(メチルメタクリレート−ベンジルメタクリレート) 350g(3.5モル)のポリメチルメタクリレート〔ローム・アンド・ハー ス社からのプレクシグラス(Plexiglass)VO44〕、378g(3.5モル) のベンジルアルコール、及び0.54g(0.1モル%)の酸化防止剤イルガノ ックス(Irganox)1076を180℃に加熱し、それらを550ccのデカリ ン中へ溶解した。13.86gのチタン酸テトライソプロピルを添加し、温度を 180〜190℃に14時間維持し、この時間の間に23mlのメタノール含有 留出物を収集し、反応を止めた。重合体をメタノール中で析出させ、次にヘキサ ンで洗浄した。真空炉中で55℃で一晩乾燥した後、404gの重合体を回収し 、そのDSC融点は93〜94℃であった。NMR分析は、22.6%のメチル エステルからベンジルエステルへの転化率を示していた。 この重合体を例12の方法によりネオデカン酸コバルトと混合し、例27の場 合と同様にフイルムを製造した。上で述べたようにそのフイルムをCV照射した 。このフイルムは25℃で約25日間で、重合体1g当たり約10ccの酸素を 捕捉した。 例40 ポリ(エチレン−酢酸ビニル−酢酸フェニル)の合成 3kg/時のエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル33%)及び0.5 重量%のイルガノックス1076を、225℃のバレル温度を有する反応押出し 器中に供給した。キシレン中に80%のフェニル酢酸及び0.2重量%のトルエ ンスルホン酸を含む溶液0.5kg/時を第一混合領域中に供給した。得られた 重合体をペレット化し、溶解し、メタノール中で析出し、真空中で乾燥した。こ の重合体を、例12に記載したように遷移金属塩と混合した。 例41 ジベンジル1,10−デカンカルボキシレートの合成 230gの1,10−デカンジカルボン酸、238gのベンジルアルコール、 及び0.5gのトルエンスルホンを200mlのトルエン中に溶解し、撹拌しな がら105℃へ持って行った。その混合物をこの温度で10時間維持し、2モル の水をゆっくり蒸留除去した。過剰のベンジルアルコール及びトルエンを真空に より除去した。収量は454gであった。構造をNMRで確認した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C08L 33/02 LHR 8619−4J 33/08 LHZ 8619−4J 33/26 LJV 8619−4J (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AT,AU,BB,BG,BR,BY, CA,CH,CN,CZ,DE,DK,ES,FI,G B,HU,JP,KE,KP,KR,KZ,LK,LV ,MG,MN,MW,NL,NO,NZ,PL,PT, RO,RU,SD,SE,SI,SK,TT,UA,U Z,VN (72)発明者 カレント,スチーブン ピー. アメリカ合衆国 94947 カリフォルニア 州ノバト,リッジビュー ハイツ 1207 (72)発明者 セアード,レスリー ピー. アメリカ合衆国 77042 テキサス州ヒュ ーストン,ナンバー 1003,ウエスト パ ーク 10050

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.遷移金属塩、及びエチレン系主鎖及びベンジル基を含む懸垂(pendant) 及び(又は)末端部分を有する成分からなる組成物であって、該組成物1g当た り少なくとも1ccの酸素を捕捉するのに有効な組成物。 2.ベンジル基に直接結合したヘテロ原子含有基を更に有する、請求項1に記 載の組成物。 3.ベンジル基が、水素、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、1〜1 6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアミン基、 1〜16個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミド基、6〜24個の炭素原 子を有するアリール基又は置換アリール基、及び6〜24個の炭素原子を有する アリールエーテル基又は置換アリールエーテル基からなる群から選択された少な くとも一つの基で置換されたベンジル基からなる、請求項2に記載の組成物。 4.ベンジル基が、水素、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個 の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアミン基、1〜 6個の炭素原子を有する酸のエステル及びアミド基、6〜15個の炭素原子を有 するアリール基又は置換アリール基、及び6〜15個の炭素原子を有するアリー ルエーテル基又は置換アリールエーテル基からなる群から選択された少なくとも 一つの基で置換されたフェニルを有するベンジル基からなる、請求項3に記載の 組成物。 5.ヘテロ原子含有基が、エステル、アミド、及びイミド基からなる群から選 択されている、請求項2に記載の組成物。 6.エステル、アミド、及びイミド基が直接エチレン系主鎖に結合している、 請求項5に記載の組成物。 7.エステル基が、そのエステル基の炭素原子を通して直接エチレン系主鎖に 結合している、請求項6に記載の組成物。 8.アミド基が、そのアミド基の炭素原子を通して直接エチレン系主鎖に結合 している、請求項6に記載の組成物。 9.ヘテロ原子含有基が、エステル及びアミド基からなる群から選択されてい る、請求項6に記載の組成物。 10.該成分が1,10−デカンジカルボン酸のジベンジルエステルからなる 請求項9に記載の組成物。 11.該成分が、エチレン系主鎖を有し、前記エチレン系主鎖に直接結合した 約1〜約17.9モル%のベンジルエステル、3−メトキシベンジルエステル、 3−メチルベンジルエステル、及び(又は)N−ベンジルアミド基を有する重合 体からなる、請求項9に記載の組成物。 12.遷移金属元素1モル当たり20〜200モルのベンジル基を含有する、 請求項11に記載の組成物。 13.遷移金属塩がネオデカン酸コバルト及び(又は)安息香酸コバルトから なる、請求項12に記載の組成物。 14.重合体が、ナトリウム、亜鉛、カリウム、又はアンモニウム対イオンを 含む、請求項11に記載の組成物。 15.重合体が、更にエチレン系主鎖及び懸垂カルボキシ基を有する、請求項 11に記載の組成物。 16.重合体が、更にエチレン系主鎖及び懸垂アルキルエステル基を有する、 請求項11に記載の組成物。 17.懸垂アルキルエステル基がメチルエステル基からなる、請求項16に記 載の組成物。 18.組成物が、約0.3〜約17.2モル%のメチルエステル基を含む、請 求項17に記載の組成物。 19.組成物が、約0.3〜約8.9モル%のメチルエステル基を含む、請求 項17に記載の組成物。 20.組成物が、遷移金属元素1モル当たり10〜2000モルのベンジル基 を含む、請求項2に記載の組成物。 21.組成物が、遷移金属元素1モル当たり20〜200モルのベンジル基を 含む、請求項2に記載の組成物。 22.遷移金属塩がコバルト塩からなる、請求項21に記載の組成物。 23.遷移金属塩がネオデカン酸コバルト及び(又は)安息香酸コバルトから なる、請求項21に記載の組成物。 24.遷移金属塩及びベンジル基が、共に酸素を捕捉するのに有効な量で存在 する、請求項1に記載の組成物。 25.組成物の酸素捕捉誘導期間が紫外線に露出することにより減少すること ができる、請求項24に記載の組成物。 26.組成物が光開始剤を含まない、請求項25に記載の組成物。 27.エチレンアルキルアクリレート共重合体とベンジルアミン(benzylicam ine)とを反応させることにより製造された重合体組成物。 28.エチレンアルキルアクリレート共重合体とベンジルアルコール(benzyl ic alcohol)とを反応させることにより製造され、然もベンジルエステル基とメ チルエステル基の両方を有する重合体組成物。 29.5モル%より多いベンジルエステル基を有する、請求項28に記載の組 成物。 30.エチレンアルキルアクリレート共重合体が、基準エチレンーアルキルア クリレート共重合体よりも少なくとも約6゜F高い融点温度を有し、前記基準共 重合体が多重領域オートクレーブ中で製造されたものであり、前記基準共重合体 を製造する時の反応領域中のアルキルアクリレート対エチレンの比が、前記多重 領域オートクレーブ反応器に供給される全エチレン対アルキルアクリレート比に ほぼ等しい、請求項28に記載の組成物。 31.請求項1に記載の組成物からなるフイルム。 32.請求項1に記載の組成物からなるフイルム又は物品中の層。 33.A) 酸素障壁層からなる第一層;及び B) 請求項24に記載の組成物からなる第二層、 を有する多層組成物。 34.更に機能性層からなる第三層を有する、請求項33に記載の組成物。 35.構造層からなる第三層を更に有する、請求項33に記載の組成物。 36.機能性層からなる第四層を更に有する、請求項35に記載の組成物。 37.請求項1に記載の組成物からなる堅い肉厚の組成物。 38.A) ポリエチレン系主鎖及び懸垂エステル部分を有する重合体の溶融 物を形成し、そして B) 前記溶融物をエステル交換化合物と反応押出し器中でエステル交 換条件下で接触させ、然も、前記重合体がエステル交換を受けるが、アルコーリ シスは受けず、エステル交換後の重合体がポリエチレン系主鎖及び懸垂エステル 部分を有する、 ことからなる方法。 39.溶融物とエステル交換触媒とを反応押出し器中で接触させることを更に 含む、請求項38に記載の方法。 40.反応が本質的に大気圧で行われる、請求項38に記載の方法。 41.エステル交換した重合体の酸素捕捉を促進するのに有効な量の遷移金属 塩を添加することを更に含む、請求項38に記載の方法。 42.遷移金属がコバルト金属塩からなる、請求項41に記載の方法。 43.エステル交換した重合体を化学線(actinic radiation)で照射するこ とを更に含む、請求項41に記載の方法。 44.重合体が、エチレンアルキルアクリレート共重合体又は無水マレイン酸 をグラフトしたエチレンアルキルアクリレート共重合体からなる、請求項38に 記載の方法。 45.重合体がエチレンメチルアクリレート共重合体からなる、請求項44に 記載の方法。 46.エステル交換化合物がベンジルアルコールからなる、請求項44に記載 の方法。 47.エステル交換化合物がベンジルアルコールからなる、請求項45に記載 の方法。 48.エステル交換した重合体の酸素捕捉を促進するのに有効な量の遷移金属 塩を添加することを更に含む、請求項47に記載の方法。 49.エステル交換した重合体を化学線で照射することを更に含む、請求項4 8に記載の方法。 50.エステル交換化合物が3−メチルベンジルアルコールからなる、請求項 44に記載の方法。 51.エステル交換化合物が3−メトキシベンジルアルコールからなる、請求 項44に記載の方法。 52.重合体がエチレン酢酸ビニル共重合体からなる、請求項38に記載の方 法。 53.エステル交換化合物がフェニル酢酸からなる、請求項52に記載の方法 。
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