JPH0850433A - トナー定着済用紙の繰り返し使用防止方法、繰り返し使用方法及び再生利用方法 - Google Patents

トナー定着済用紙の繰り返し使用防止方法、繰り返し使用方法及び再生利用方法

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JPH0850433A
JPH0850433A JP6206043A JP20604394A JPH0850433A JP H0850433 A JPH0850433 A JP H0850433A JP 6206043 A JP6206043 A JP 6206043A JP 20604394 A JP20604394 A JP 20604394A JP H0850433 A JPH0850433 A JP H0850433A
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JP
Japan
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toner
paper
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water
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JP6206043A
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English (en)
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Shinichi Kuramoto
信一 倉本
Tomomi Suzuki
智美 鈴木
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー定着物からトナーを除去して用紙を再
使用しようとしても、そのトナーが完全に除去できない
ようにして用紙の繰り返し使用の母子を図る。 【構成】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によって
熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナー定
着済用紙を情報保持体として利用した後に、画像が形成
されたトナー定着済用紙を、水、界面活性剤を含む水溶
液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤と水
溶性ポリマーとを含む水溶液とからなる群から選ばれた
少なくとも1種の水あるいは水溶液で膨潤させた後、該
トナー定着済用紙上のトナーを加熱するとともに、該ト
ナーと該トナー定着済用紙表面との付着力よりも大きな
付着力を有するトナー剥離部材を該トナー画像面に付着
させて、該トナー定着済用紙の表面からトナーの大半を
剥離し一部を残留させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナー定着済用紙の繰
り返し使用方法及び繰り返し使用防止方法、更には再生
利用方法に関し、詳しくは、複写機、ファクシミリ、プ
リンター等の画像形成装置によってトナーを用いて画像
が形成される転写紙(トナー定着済用紙)から、該トナ
ーを除去することにより、トナー定着済用紙を再利用す
るためのトナー定着済用紙の繰り返し使用方法、、再生
利用方法、および、トナー除去を図っても意図的な新た
な画像形成が容易に判るようにした用紙の繰り返し使用
防止方法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、自然保護とくに森林資源の保護、お
よび都市部におけるゴミの削減のため、使用済みの紙類
の再利用、再生利用が見直されつつある。その一環とし
て、企業のオフィス内で生じる不要になった記録済の複
写用紙、プリンター用紙、ファクシミリ用紙など(この
明細書ではこれらを総称して「トナー定着済用紙」と称
している)の再利用について検討されている。しかしな
がらその一方で、トナー定着済用紙には一般に企業秘密
とされているものも多く、そのため、トナー定着済用紙
を該企業外部で回収し、再生利用することは実際には極
めて困難であり、しかも印字部分は容易に消去すること
ができないため、焼却したり破砕して廃棄処分せざるを
えず、このようなトナー定着済用紙の再利用などは事実
上ほぼ不可能であると考えられていた。
【0003】そこで従来、トナー定着済用紙からトナー
を除去するための方法やその装置として種々のものが知
られている。たとえば溶剤を使用するものとして、特開
平1−101576号公報には、トナーが付着された用
紙をトナー樹脂の可溶性溶剤中に浸漬させて超音波振動
を印加し、溶剤に溶解したトナーを紙面より遊離させる
トナー除去方法が開示されている。また、特開平4−3
00395号公報には、廃紙の印字部分に溶剤を浸漬、
噴霧あるいは塗布等による方法で付着させてトナーを溶
解し、溶解したトナーを洗浄、エアー吸引、吸着剤接
触、機械剥離あるいは静電気吸着等による方法で除去す
るトナー除去方法が開示されている。
【0004】一方、溶剤を使用しないものとして、たと
えば特開平2−255195号公報には、離型剤を塗布
した用紙に熱溶融性トナーを用いて電子写真方式あるい
は熱転写方式で現像・定着し、これにトナー剥離体を重
ねた状態で加熱ローラと圧力ローラとの間を通し、冷え
てからトナー剥離体を剥すことにより、トナー像を該ト
ナー剥離体の方に付着させて除去するトナー除去方法が
開示されている。特開平4−64472号公報には、少
なくとも、表面に熱溶融性樹脂を有するエンドレスシー
トと、これを支えて回転させる熱ローラおよび冷却ロー
ラと、表面に離型処理をした紙(イレーザブルペーパ
ー)を軟化あるいは溶融した熱溶融性樹脂に押しつける
圧力ローラと、これらを連動して動かせる駆動部とから
なるイレーザが開示されている。また、特開平4−82
983号公報には、互いに圧接して回転し圧接箇所に紙
を通過させる2本の平行に設けられたローラと、該2本
のローラの少なくとも一方を加熱するヒーターと、該圧
接箇所を通過した紙を前記ローラから分離する掻取具
と、前記ローラに付着したトナーを前記ローラから除去
する剥離装置とを備えたトナー除去装置が開示されてい
る。
【0005】しかしながら、前者の溶剤を使用してトナ
ー除去する方法や装置によった場合には、紙繊維を変質
してしまい、再生紙の製造が困難になるか、再生紙の紙
質に悪影響を及ぼすようになる。また、後者の溶剤を使
用することなくトナーを除去する方法や装置によった場
合には、表面に紙繊維が露出している通常の用紙に熱溶
融性のトナー画像が形成されているものからそのトナー
を除去しようとすると、トナーが用紙表面の繊維に強固
に固着されているので、トナー除去の際にトナーと共に
表面の紙繊維を剥ぎ取って紙質を損傷してしまう。特に
トナーの除去性を高めるために、上記トナー剥離体、エ
ンドレスシートあるいはローラ上のトナー定着済用紙に
熱や圧力を加える場合、種々の条件によっては、逆にト
ナーと用紙との間の定着性を高めてしまってトナー除去
を困難にすることもあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる実状に鑑み、本
発明者らは先にトナー定着済用紙に不安定化剤としての
水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水
溶液、及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液
よりなる群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水
溶液(以下「処理液」と称する)を保持させるととも
に、剥離部材を介在させ、トナーを該剥離部材に加熱接
着もしくは加圧接着してトナー定着済用紙から剥離する
トナー除去方法を提案した(例えば、特願平4−255
916号参照)。これによれば、用紙の紙質を比較的損
傷することなく、トナーのみを除去することができる。
ところが、この方法を実施するとトナー定着済用紙から
トナーを除去することはできるが、例えば捺印されたと
きの印鑑文字や、他の筆記具で用紙に書かれたものの中
にはその他の筆記具で用いた文字等が残存するものがあ
る。このため、残存した押印を利用し書類を偽造するこ
とが時として可能になることがある。従って、本発明の
目的は用紙にトナー画像が形成された(トナー定着済用
紙となった)後、それがもはや不要になった場合に、ト
ナー除去しても新たなトナー記録物を得るには適さない
ものとし、このトナー定着済用紙をやむなく廃棄や焼却
するか、或いは不都合なく再生利用するのに好適なもの
にする方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、用紙の
繊維質の表面に加熱及び加圧によって熱軟化性トナーを
定着させて画像を形成し、該トナー定着済用紙を情報保
持体として利用した後に、画像が形成されたトナー定着
済用紙を処理液で膨潤させた後、該トナー定着済用紙上
のトナーを加熱するとともに、該トナーと該トナー定着
済用紙表面との付着力よりも大きな付着力を有するトナ
ー剥離部材を該トナー画像面に付着させて、該トナー定
着済用紙の表面からトナーの大半を剥離し一部を残留さ
せることを特徴とするトナー定着済用紙の繰り返し使用
防止方法である。
【0008】本発明においては、前記第1の発明にお
けるトナーとして粘弾性(tanδ)の最大値が3以上
のものを用いることができる。本発明においては、前
記第1の発明におけるトナーとして流出開始温度が10
0℃以下のものを用いることができる。本発明において
は、前記第1の発明におけるトナーとして水溶性又は
界面活性剤を含む水溶液に可溶な有色材料を含有するも
のを用いることができる。本発明においては、前記第
1の発明におけるトナーとして水中で煮沸した後の濾液
の透過率が90%以下のものを用いることができる。
【0009】本発明の第2は、用紙の繊維質の表面に加
熱及び加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を
形成し、該トナー定着済用紙を情報保持体として利用し
た後に、その定着画像を有するトナー定着済用紙をさら
に加熱・加圧してトナーとトナー定着済用紙の繊維との
間の密着力を高めることによって、少なくとも該トナー
定着済用紙に該トナーの一部が残留させることを特徴と
するトナー定着済用紙の繰り返し使用防止方法である。
【0010】本発明の第3は、用紙の繊維質の表面に加
熱及び加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を
形成し、該トナー定着済用紙を情報保持体として利用し
た後に、その定着画像を有するトナー定着済用紙を該ト
ナーが溶解もしくは膨潤する溶剤蒸気に接触させてトナ
ーとトナー定着済用紙の繊維との間の密着力を高めるこ
とによって、少なくとも該トナー定着済用紙に該トナー
の一部が残留させることを特徴とするトナー定着済用紙
の繰り返し使用防止方法である。
【0011】本発明の第4は、用紙の繊維質の表面に加
熱及び加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を
形成し、該トナー定着済用紙を情報保持体として利用し
た後に、画像が形成されたトナー定着済用紙を、水、界
面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、
及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液からな
る群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液で
膨潤させた後、該トナー定着済用紙上のトナーを加熱す
るとともに、該トナーと該トナー定着済用紙表面との付
着力によりも大きな付着力を有するトナー剥離部材を該
トナー画像面に付着させて、該トナー定着済用紙の表面
からトナーを剥離した際、トナー定着済用紙の表層が剥
離してトナーの残留しない面が表われ、これに新たな画
像形成を行なうことができることを特徴とするトナー定
着済用紙の繰り返し使用方法である。
【0012】本発明においては、前記第4の発明にお
ける表層を剥離され未使用の用紙の表面に熱可塑性樹脂
を少なくとも含有する層とすることができる。本発明に
おいては、前記第4の発明における未使用の用紙の表
面に水溶性の層を設けることができる。
【0013】本発明の第5は、用紙の繊維質の表面に加
熱及び加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を
形成し、該トナー定着済用紙を情報保持体として利用し
た後に、画像が形成されたトナー定着済用紙を、水、界
面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、
及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液からな
る群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液で
膨潤させた後、該トナー定着済用紙上のトナーを加熱す
るとともに、該トナーと該トナー定着済用紙表面との付
着力によりも大きな付着力を有するトナー剥離部材を該
トナー画像面に付着させて、該トナー定着済用紙の表面
からトナーを剥離した際、その用紙が溶解し、溶解液を
再生紙原料として使用することを特徴とするトナー定着
済用紙の繰り返し使用防止方法兼トナー定着済用紙の再
生利用方法である。
【0014】本発明の第6は、用紙の繊維質の表面に加
熱及び加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を
形成し、該トナー定着済用紙を情報保持体として利用し
た後に、画像が形成されたトナー定着済用紙を、水、界
面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、
及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを含む水溶液からな
る群から選ばれた少なくとも1種の水あるいは水溶液で
膨潤させた後、該トナー定着済用紙上のトナーを加熱す
るとともに、該トナーと該トナー定着済用紙表面との付
着力によりも大きな付着力を有するトナー剥離部材を該
トナー画像面に付着させて、該トナー定着済用紙の表面
からトナーを剥離した際、トナー定着済用紙の水溶性着
色剤による地模様が流れ出すことを特徴とするトナー定
着済用紙の繰り返し使用防止方法である。
【0015】本発明をさらに詳しく説明すると下記のよ
うになる。第1の発明は画像形成に使用されるトナーの
特性を特定することにより画像情報を意図的に完全消去
させないことによって、後からの文書のコピーを判読し
にくく或いは文書の偽造の防止をもするものである。
【0016】前記は第1の発明に示す方法の一つの具
体的なトナー特性を示すものである。すなわち、好適な
粘弾性を有するトナーを用いると画像形成後定着時に用
紙の繊維間にトナーが入り込み、トナーと繊維との間の
密着力が強まる。そのため、紙繊維内にトナーが残存し
情報の完全消去を妨げることにより偽造を防止するもの
である。この目的を達成するためにトナーの粘弾性(t
anδ)が3以上(好ましくは3〜5の範囲)であるこ
とが望ましい。ここで、本発明における粘弾性(tan
δ)はレオメトリックス ダイナミック スペクトロメー
ター RDS-7700型(REOMETRICS INC.製)を用い測定し
た。測定条件は角周波数(ω)を100(rad./sec)に固
定、歪率を自動にした。また、温度は100℃から200℃ま
で上昇させ5℃おきに粘弾性を測定し最大値を求めた。
【0017】前記は第1の発明に示す方法の一つの具
体的なトナー特性を示すものである。すなわち、好適な
溶融特性を有するトナーを用いると画像形成後定着時に
用紙の繊維間にトナーが入り込み、トナーと繊維との間
の密着力が強まる。そのため、紙繊維内にトナーが残存
し情報の完全消去を妨げることにより偽造を防止するも
のである。この目的を達成するためにトナーの流出開始
温度が100℃以下であることが望ましい。ここでの
「流出開始温度」は島津製作所製フローテスターCFT
−500Cを用い、昇温法でサンプルが流出域温度に到
達する変極点をもって設定した。ここで、測定条件はダ
イ穴径0.5mm、ダイ長さ1mm、加重10kg、昇温速度3℃/m
inで行った。
【0018】前記は第1の発明に示す方法の一つの具
体的なトナー構成を示すものである。すなわち、トナー
中にが水溶性もしくは界面活性剤を含む水溶液に可溶な
有色材料を含有することにより、画像が形成されたトナ
ー定着済用紙を処理液で膨潤させた時、用紙に直接画像
が形成されトナーの熱可塑性材料を完全に除去しても、
トナーの一部の成分によって画像情報を保持することに
より後から行われる印字の発見を容易にし、また、偽造
の防止を行うものである。
【0019】前記は第1の発明に示すトナーの特性で
示したものである。ここで、トナーを水中で煮沸した後
の濾液の透過率が90%以下とすることによって、トナ
ーの熱可塑性材料を完全に除去しても、トナーの一部の
成分によって画像情報を保持することが可能となる。こ
こで、熱水への溶解性は以下の手順で評価した。100
ccビーカー中にトナー0.5gと水50ccとを入
れ、さらに少量の界面活性剤を用い十分に分散した後、
15分間煮沸し濾過する。濾液を光路長10mmの石英
セルにいれ、ポイック濃度計(日本精密光学社製)で透
過率を測定した。
【0020】ここで、前記及びに示されるトナー
は、メチルバイオレット、メチレンブルー、クリスタル
バイオレット、オーラミンO、ローダミン、マラカイト
グリーン、フクシンNB等の塩基性染料、コンゴーレッ
ド、ブリリアントファストイエロー、ベンゾブラウン、
クリソフェニン、ブリリアントベンゾグリーン、ブリリ
アントオレンジ等の直接染料、ファストブルー、ウォー
ターブルー、キノリンイエロー、アシッドバイオレット
等の酸性染料の水溶性染料を、溶融混練時に混合した
り、トナー作成後染料溶液に浸漬して作成することがで
きる。また、一般にトナーに極性制御剤として使用され
る含クロムアゾ染料等極性制御剤の中にも水や界面活性
剤溶液に溶解するものがある。そのような極性制御剤を
使用すれば、特にその他の着色材料を含有させなくても
目的を達成することができる。
【0021】本発明の第2は画像形成時もしくはその後
にトナー像と用紙を強く密着させることによって、トナ
ーの一部もしくは全部を用紙に残存させ画像情報を完全
消去させないことによって、文書の偽造を防止するもの
である。
【0022】本発明の第3は第2の発明の一つの具体的
な手段を示すものである。すなわち、画像を形成後さら
にトナー定着済用紙を加熱及び加圧する工程を有するこ
とにより、用紙の繊維間にトナーが入り込み、トナーと
繊維との間の密着力が強まる。そのため、紙繊維内にト
ナーが残存し情報の完全消去を妨げることにより偽造を
防止することができる。さらに、具体的手段として、"
RICOH TP FUSER 1"等、フューザーやフィ
ニッシャーを使用することによって偽造防止が可能とな
る。
【0023】本発明の第4は第2の発明の一つの具体的
な手段を示すものである。すなわち、画像を形成後さら
にトナー定着済用紙をトナーが溶解もしくは膨潤する溶
剤蒸気に接触させる工程を有することにより用紙の繊維
間にトナーが入り込み、トナーと繊維との間の密着力が
強まる。そのため、紙繊維内にトナーが残存し情報の完
全消去を妨げることにより偽造を防止することができ
る。本発明に使用される溶剤として、塩化メチレン、塩
化エチル、1,1−ジクロロエタン等のハロゲン溶剤、
ベンゼン、トルエン等の芳香族溶剤、アセトン、メチル
エチルケトン等のケトン溶剤、THF、エチルエーテル
等のエーテル系溶剤等があげられる。
【0024】前記の発明は、用紙の表面にあらかじ
め、トナーと同時にトナー定着済用紙本体から脱離する
層を設けることにより、押印された画像等の偽造の対象
となる情報も含め全てを消去することによって、文書の
偽造を防止するものである。
【0025】前記の発明は、あらかじめ表面に熱可塑
性樹脂を少なくとも含有する層が構成されている用紙表
面上に画像を形成することにより、加熱したトナー層と
剥離部材に付着させトナーを剥離する工程で、トナー定
着済用紙表面にある熱可塑性樹脂を少なくとも含有する
層も剥離させることにより、押印された画像等の偽造の
対象となる情報も含め全てを消去し、文書の偽造を防止
するものである。ここで、用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、たとえばポリスチレン、クロロポリスチレン、ポ
リ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共
重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、ス
チレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共
重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合
体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン
−アクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタク
リル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、
スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メ
タクリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロ
ルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂
(スチレンまたはスチレン置換体を含む単一重合体また
は共重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル
共重合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ア
イオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポ
リビニルブチラール等の熱溶融性樹脂や天然または合成
ワックス等のワックス類が挙げられる。これらは単独ま
たは混合して使用される。これらの樹脂は溶剤に溶解さ
せ当初から用紙表面に塗工してもよいし、これらの樹脂
を含有する白色や黄色等の淡色のトナーを用い複写機等
で表面に熱可塑性の層を形成してもよい。
【0026】本発明の第5は、あらかじめ表面に水溶性
の層が構成されている用紙表面上に画像を形成すること
により、トナー定着済用紙を処理液に膨潤させる工程
で、用紙表面にある水溶性の層を剥離させることによ
り、押印された画像等の偽造の対象となる情報も含め全
てを消去し、文書の偽造を防止するものであり、必要に
応じて用紙の溶解液を再生紙原料として使用するもので
ある。ここで、水溶性の層は例えば以下に示す水溶性樹
脂を用紙表面に塗工することによって得ることができ
る。具体的なポリマーとして、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアク
リルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド、ポリビニルピロリドン、イシブチレンー無水マ
レイン酸共重合体等をあげることができる。また、ビス
コース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデ
ヒドデンプン等の半合成ポリマーやマンナン、アルギン
酸ナトリウム等の天然ポリマーも使用できる。
【0027】また、水溶性の用紙に画像を形成すること
により、トナー定着済用紙を処理液に膨潤させる工程
で、トナー定着済用紙を溶解させることにより、押印さ
れた画像等の偽造の対象となる情報も含め全てを消去
し、文書の偽造を防止するものであるとともに、用紙の
溶解液を再生紙の製造に利用するものである。水溶性の
用紙としては、例えば三島製紙社からディゾルボ30M
DP180WA、ディゾルボ60MDP180WA、デ
ィゾルボ120MDP180WA、ディゾルボAK、デ
ィゾルボWAP、ディゾルボWAL、ディゾルボWA
X、ディゾルボCD−2等が商品化されている。
【0028】本発明の第6は、水溶性着色剤で地模様が
形成された用紙に画像を形成することにより、トナー定
着済用紙を処理液に膨潤させる工程で、地模様が流れだ
し、押印された画像等の偽造の対象となる情報も含め全
体の画像の判読を困難にすることにより、文書の偽造を
防止するものである。
【0029】本発明において最も有効なものは、用紙の
繊維質の表面に加熱及び加圧によって熱軟化性トナーを
定着させて画像を形成し、このトナー定着済用紙を情報
保持体として利用した後に、画像が形成されたトナー定
着済用紙を処理液で膨潤させた後、そのトナー定着済用
紙上のトナーを加熱するとともに、該トナーに対して、
該トナー定着済用紙表面との付着力によりも大きな付着
力を有するトナー剥離部材に該トナーを付着させて、そ
のトナー定着済用紙の表面からトナーを剥離し、その用
紙を画像形成に再利用する用紙の繰り返し使用方法にお
いて、書類の偽造を防止するものである。そこで、まず
PPC用紙の再生方法について概説する。
【0030】このトナー定着済用紙の再生方法ではトナ
ー像が形成された紙を処理液で湿潤させ、これにより、
用紙とトナーとの接着力を弱める。この処理液は前述し
たように、水、界面活性剤を含む水溶液、水溶性ポリマ
ーを含む水溶液、及び界面活性剤と水溶性ポリマーとを
含む水溶液とからなる群から選ばれた少なくとも1種の
水あるいは水溶液である。上記界面活性剤は、用紙とト
ナーとの界面部への水の浸透を促進するものである。例
えば、陰イオン系(カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸
エステル、リン酸エステル、ホスホン酸塩等)、陽イオ
ン系(脂肪族4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、イ
ミダゾリウム塩、ポリエチレンポリアミン塩、ベンザル
コニウム塩等)、両性系(アミノ酸、ベタイン等)、ノ
ニオン系(アミノアルコール、多価アルコール、多価ア
ルコールのエステル等)の通常の界面活性剤やフッ素系
界面活性剤を用いることができる。
【0031】上記水溶性ポリマーは、トナー定着済用紙
の繊維の中に入り込んで後述する剥離用部材表面に接着
しにくいトナーを効率的に除去するために、トナー定着
済用紙の繊維の目の中に入り込んでいるトナーと剥離用
部材表面との間のバインダーとして作用するものであ
る。具体的なポリマーとして、ポリビニルアルコール、
ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアク
リルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオ
キシド、ポリビニルピロリドン、イシブチレンー無水マ
レイン酸共重合体等をあげることができる。また、ビス
コース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデ
ヒドデンプン等の半合成ポリマーや、デンプン、マンナ
ン、アルギン酸ナトリウム、ニカワ、ふのり、アラビア
ゴム、トラガントゴム等の天然ポリマーも使用できる。
【0032】この紙の再生方法では、上記処理液で膨潤
した用紙上のトナーを加熱するとともに該トナーに対し
て、該用紙表面との付着力よりも大きな付着力を有する
トナー剥離用部材に該トナーを付着させて、用紙の表面
から剥離させる。この際の加圧はトナーが軟化するも溶
融しない程度に行うことが望ましい。また上記剥離用部
材としては、表面がトナーと同一または類似のトナー成
分樹脂や接着剤の成分樹脂等からなるものや、アルミ
系、銅系、ニッケル系、鉄系等の金属材料からなるもの
も用いることもできる。
【0033】上記接着剤の成分樹脂としては、にかわ、
ゼラチン、アルブミン、カゼイン等のタンパク質系接着
剤、デンプン系、セルロース系、複合多糖類系(アラビ
アゴム、トラガントゴム等)等の炭水化物系接着剤、酢
酸ビニルの重合体および共重合体、アクリル系、エチレ
ン共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン
等の熱可塑性接着剤、ポリクロロプレン系、ニトリルゴ
ム系、再生ゴム系、SBR系、天然ゴム系等のゴム接着
剤、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤、酸化チタンを
分散させたポリエチレンテレフタレート(PET)等を
用いることができる。
【0034】図1は、上記紙の再生方法を実施する再生
装置例の概略構成図である。図1において、この紙の再
生装置は、トナー像が形成された紙10が一枚づつ給送
され、この送られてきた紙10に処理液を供給する液供
給ユニット30と、液が供給された紙10からトナーを
除去するトナー除去ユニット40と、トナーが除去され
た紙10を乾燥させる乾燥ユニット60と、乾燥ユニッ
ト60から排出される紙10を受ける紙受けユニット7
0とを備えている。ここでは、紙10を一枚ずつ分離給
送する給紙ユニットは省略されている。
【0035】本明細書中には、トナーについて言及した
発明があるが、前述した特性や構成材料以外は通常のト
ナー(着色剤及び結着用樹脂を主成分とする)と同様の
材料・製法を用いて作成することができる。本発明にお
けるトナーに用いられる結着用樹脂の具体例としては、
たとえばポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α
−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合
体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合
体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン
−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、
スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−ア
クリル酸フェニル共重合体等)、スチレン−メタクリル
酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタク
リル酸フェニル共重合体等)、スチレン−α−クロルア
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル
−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(ス
チレンまたはスチレン置換体を含む単一重合体または共
重合体)、塩化ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル共重
合体、ロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオ
ノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン
−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリビ
ニルブチラール等の熱溶融性樹脂や天然または合成ワッ
クス等のワックス類が挙げられる。これらは単独または
混合して使用される。
【0036】本発明におけるトナー中には離型剤を含有
させてもよい。 離型剤としては、たとえば低分子量ポ
リエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブ
デン等の低分子量ポリオレフィン、たとえばマレイン酸
エチルエステル、マレイン酸ブチルエステル、ステアリ
ン酸メチルエステル、ステアリン酸ブチルエステル、パ
ルミチン酸セチルエステル、モンタン酸エチレングリコ
ールエステル等の脂肪酸エステルまたはそのケン化物、
たとえば天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラ
フィン等のパラフィンワックス、たとえばステアリン酸
アミド、オレイン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウ
リル酸アミド、ベヘニン酸アミド、メチレンビスステア
リアミド、エチレンビスステアロアミド等のアミド系ワ
ックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、
ライスワックス、木ろう、ホホバ油などの植物系ワック
ス類、ミツロウ、ラノリン、鯨ロウ等の動物系ワックス
類、モンタンワックス、オゾケライトなどの鉱物系ワッ
クス類、硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリン酸、脂肪
酸アミド、フェノール脂肪酸エステルなどの油脂系ワッ
クス類などが挙げられる。
【0037】また、本発明におけるトナーには、上記成
分の他に必要に応じてトナーの熱特性、電気特性、物理
特性などを調整する目的で各種の可塑剤(フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジオクチルなど)、抵抗調整剤(酸化ス
ズ、酸化鉛、酸化アンチモンなど)等の助剤を添加する
ことも可能である。
【0038】また、本発明におけるトナーには必要によ
り、たとえば紫外線吸収剤、帯電制御剤、可塑剤、着色
顔料などの添加剤を適量配合してもよい。また、本発明
におけるトナーには、必要に応じて、上記のトナー用樹
脂及び着色剤以外の添加剤を混合してもよい。該添加剤
としては、例えばコロイダルシリカ、酸化チタン、酸化
アルミニウム等の流動付与部剤(流動化剤)がある。該
流動化剤は一次粒子の粒径が0.1μmより小さく、表面を
シランカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化処理
したものが好ましい。
【0039】本発明におけるトナーは、たとえば結着用
樹脂と着色剤や極性制御剤、離型剤およびその他の添加
剤を混合し、溶融混練後、冷却した後、たとえばハンマ
ーミル、カッターミルなどで粗粉砕した後、たとえばジ
ェットミルなどで微粉砕し、分級を行いトナー粒子を得
ることができる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。ここでの部は重量部を意味する。
【0041】実施例1 スチレン−n−ブチルメタアクリレート共重合体(共重合比7/3) 90部 (Mn=26000、Mw/Mn=2.0、Tg=70℃) カーボンブラック 10部 4級アンモニウム塩(ボントロンP51、オリエント化学社製) 2部 ポリプロピレンワックス(サンワックス660P、三洋化成社製) 2部 からなる混合物をミキサーで混合後2本ロールミルで溶
融混練した。混練物を圧延冷却後粉砕分級を行い平均粒
径11μmの粒子を得た。得られたトナー粒子の粘弾性
(tanδ)を測定したところ、170℃で最大値を示
しその値は6.6であった。流出開始温度は98℃であ
った。また、トナーの水煮沸後の濾液透過率は96%で
あった。得られたトナーをシリコンコートキャリアと混
合し2成分現像剤を作成した。この現像剤を用い、リコ
ー社製PPC複写機FT4525で画像を形成した。得
られた複写物を図1に示すトナー剥離装置に通紙しトナ
ーを剥離したところ紙上にトナー像が残存した。
【0042】実施例2 スチレン−n−ブチルメタアクリレート共重合体(共重合比93/7)90部 (Mn=38000、Mw/Mn=2.3、Tg=65℃) カーボンブラック 10部 4級アンモニウム塩(TP302、保土ヶ谷化学社製) 2部 ポリプロピレンワックス(サンワックス660P、三洋化成社製) 2部 からなる混合物を実施例1と同様な手順でトナーを作成
した。得られたトナー粒子の粘弾性(tanδ)を測定
したところ、温度に対して単純増加傾向で最大値は20
0℃で4.1で、流出開始温度は132℃であった。ま
た、トナーの水煮沸後の濾液透過率は96%であった。
得られたトナーをシリコンコートキャリアと混合し2成
分現像剤を作成した。この現像剤を用い、リコー社製P
PC複写機FT4525で画像を形成した。得られた複
写物を図1に示すトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離
したところ、紙上にトナーが形成された画像に沿って残
存し、消去前の情報は十分に読み取れた。
【0043】実施例3 スチレン−n−ブチルアクリレート共重合体(共重合比80/20) 90部 (Mn=12500、Mw/Mn=26、Tg=54℃) カーボンブラック 10部 含クロムアゾ染料(ボントロンS34、オリエント化学社製) 2部 ポリプロピレンワックス(サンワックス660P、三洋化成社製) 2部 からなる混合物を実施例1と同様な手順でトナーを作成
した。得られたトナー粒子の粘弾性(tanδ)を測定
したところ、温度に対して比較的平坦で最大値は140
℃で2.8で、流出開始温度は98℃であった。また、
トナーの水煮沸後の濾液透過率は96%であった。得ら
れたトナーをシリコンコートキャリアと混合し2成分現
像剤を作成した。この現像剤を用い、リコー社製デジタ
ルPPC複写機イマジオMF530で画像を形成した。
得られた複写物を図1に示すトナー剥離装置に通紙しト
ナーを剥離したところ、紙上にトナーが形成された画像
に沿って残存し、かつトナーが除去された部分にも紫色
の染料像があり、消去前の情報は十分に読み取れた。
【0044】実施例4 スチレン−n−ブチルメタアクリレート共重合体(共重合比77/23) (Mn=2500、Mw/Mn=2.1、Tg=61℃) 90部 カーボンブラック 10部 含クロムアゾ染料(ボントロンS34、オリエント化学社製) 2部 からなる混合物を実施例1と同様な手順でトナーを作成
した。得られたトナー粒子の粘弾性(tanδ)を測定
したところ、温度に対してほとんど差がなくで最大値は
1.5で、また流出開始温度は114℃であった。得ら
れたトナーの水煮沸後の濾液透過率は42%であった。
このトナーをシリコンコートキャリアと混合し2成分現
像剤を作成した。この現像剤を用い、リコー製デジタル
PPC複写機MF530で画像を形成した。得られた複
写物を図1に示すトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離
したところ紙上に紫色の染料像が観察され、消去前の情
報は十分に読み取れた。
【0045】実施例5 スチレン−n−ブチルメタアクリレート共重合体(共重合比77/23) (Mn=2500、Mw/Mn=2.1、Tg=61℃) 90部 カーボンブラック 10部 4級アンモニウム塩(TP302、保土ヶ谷化学社製) 2部 ポリプロピレンワックス(サンワックス660P、三洋化成社製) 2部 コンゴーレッド(和光純薬工業社製) 2部 からなる混合物を実施例1と同様な手順でトナーを作成
した。得られたトナー粒子の粘弾性(tanδ)を測定
したところ、温度に対してほとんど差がなくで最大値は
1.6で、また流出開始温度は112℃であった。得ら
れたトナーの水煮沸後の濾液透過率は28%であった。
このトナーをシリコンコートキャリアと混合し2成分現
像剤を作成した。この現像剤を用い、リコー社製PPC
複写機FT4525で画像を形成した。得られた複写物
を図1に示すトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離した
ところ紙上に赤色の染料像が観察され、消去前の情報は
十分に読み取れた。
【0046】実施例6 リコー製PPC複写機FT4525で、市販のリコー社
製タイプ4800トナーとタイプ4800現像剤を用い
画像を形成した。ここで用いたトナーの粘弾性はほとん
ど温度に対し一定で1.5で流出開始温度は134℃で
あった。また、水煮沸後の濾液透過率は98%であっ
た。得られた画像をリコーフューザーシートタイプ1に
はさみリコーフューザータイプ1に通紙した。この複写
物を図1に示すトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離し
たところ、紙上に明瞭なトナー像が残存した。
【0047】実施例7 実施例6と同様にリコー社製PPC複写機FT4525
で画像を形成した。得られた画像を塩化メチレン蒸気に
約1分間さらし、その後図1に示すトナー剥離装置に通
紙しトナーを剥離したところ、紙上に明瞭なトナー像が
残存した。
【0048】実施例8 リコー社製デジタルカラー複写機プリテール550を用
い、全面アンダーカラーで黄色像を形成、さらにその上
に実施例6と同様にリコー社製PPC複写機FT452
5で画像を形成、同時に朱肉を用い押印した。これを、
トナー剥離装置に通紙しトナーを剥離したところ、PP
C複写機で形成された画像のみならず、朱肉で押印され
た印も剥離された。
【0049】実施例9 アクリル樹脂(三菱レイヨン社製BR82)の5%トル
エン溶液を通常のPPC用紙に塗工し表面に熱可塑性樹
脂層を形成した。さらに、その上に実施例6と同様にリ
コー社製PPC複写機FT4525で画像を形成し、同
時に朱肉を用い押印した。これを、トナー剥離装置に通
紙しトナーを剥離したところ、PPC複写機で形成され
た画像のみならず、朱肉で押印された印も剥離された。
【0050】実施例10 ポリビニルピロリドン(Mn=15000))の5%水
溶液を通常のPPC用紙に塗工し表面に水溶性樹脂層を
形成した。さらに、その上に実施例6と同様にリコー社
製PPC複写機FT4525で画像を形成、同時に朱肉
を用い押印した。これを、トナー剥離装置に通紙しトナ
ーを剥離したところ、PPC複写機で形成された画像の
みならず、朱肉で押印された印も剥離された。
【0051】実施例11 ディゾルボWAL(三島製紙社製)を通常のPPC用紙
にシーラーで接着し表面に水溶性層を形成した。さら
に、その上に実施例6と同様にリコー社製PPC複写機
FT4525で画像を形成し、同時に朱肉を用い押印し
た。これをトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離したと
ころ、PPC複写機で形成された画像のみならず、朱肉
で押印された印も剥離された。
【0052】実施例12 ディゾルボ60MDP180WA(三島製紙社製)に実
施例6と同様にリコー社製PPC複写機FT4525で
画像を形成し、同時に朱肉を用い押印した。これをトナ
ー剥離装置に通紙しトナーを剥離したところ、紙がばら
ばらとなった。
【0053】実施例13 ポリビニルピロリドン(Mn=15000)の5%水溶
液100部にカーボンブラック1部を混合しインクミル
で12時間分散した。これをを通常のPPC用紙にスク
リーン印刷し表面に罫線状の地模様を形成した。さら
に、その上に実施例6と同様にリコー社製PPC複写機
FT4525で画像を形成し、同時に朱肉を用い押印し
た。これをトナー剥離装置に通紙しトナーを剥離したと
ころ、PPC複写機で形成された画像は剥離したが、紙
全体に地模様が流れ、書類として判読困難なものとなっ
た。
【0054】
【発明の効果】請求項1を実施することにより、像保持
体の繊維質の表面に加熱及び加圧によって熱軟化性トナ
ーを定着させて画像を形成し、該像保持体を情報保持媒
体として利用した後に、該トナーを像保持体から除去し
て、該像保持体を画像形成に再利用する像保持体の繰り
返し使用方法において、特殊な機器や転写紙を用いず、
トナーを画像に沿って若干残存させて情報を残すことに
よって、書類の偽造を防止することができた。特に前記
においてはトナーを一部転写紙に残存させることに
より、また前記においては薄く転写紙上に染料像を
形成することにより書類の偽造を防止することができ
た。また、請求項2〜4及び5を実施することにより、
像保持体の繊維質の表面に加熱及び加圧によって熱軟化
性トナーを定着させて画像を形成し、該像保持体を情報
保持媒体として利用した後に、該トナーを像保持体から
除去して、該像保持体を画像形成に再利用する像保持体
の繰り返し使用方法において、特殊なトナーや転写紙を
用いず、偽造防止を施したい書類を強固に定着させて、
トナーを画像に沿って若干残存させて情報を残すことに
よって、書類の偽造を防止することができた。また、像
保持体の繊維質の表面に加熱及び加圧によって熱軟化性
トナーを定着させて画像を形成し、該像保持体を情報保
持媒体として利用した後に、該トナーを像保持体から除
去して、該像保持体を画像形成に再利用する像保持体の
繰り返し使用方法において、トナー像除去時に転写紙全
体の表面も剥離することによって、例えば押印部を残し
書類からトナー像を除き、残した押印を利用した書類を
偽造を防止することができた。更にまた、請求項5を実
施することにより、像保持体の繊維質の表面に加熱及び
加圧によって熱軟化性トナーを定着させて画像を形成
し、該像保持体を情報保持媒体として利用した後に、該
トナーを像保持体から除去して、該像保持体を画像形成
に再利用する像保持体の繰り返し使用方法において、ト
ナー除去時に書類を溶解することによって、書類を偽造
を防止することができまた、溶解液を再生紙原料として
利用することができた。また、請求項6を実施すること
により、像保持体の繊維質の表面に加熱及び加圧によっ
て熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該像保持
体を情報保持媒体として利用した後に、該トナーを像保
持体から除去して、該像保持体を画像形成に再利用する
像保持体の繰り返し使用方法において、トナー除去時に
水溶性の地模様が消えたり、水溶性の地模様によって書
類全体が汚れることによって、正規の書類と区別でき偽
造を防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙の再生装置の概略図。
【符号の説明】
10 紙(トナー像が形成された紙) 30 液供給ユニット 31 処理液 32 液容器 33 塗布ローラ 40 トナー除去ユニット 44 オフセットベルト 45,46 加熱ローラ 45a、46a、61a 加熱ランプ 47 ベルトクリーニング装置 60 乾燥ユニット 63 搬送ベルト 70 紙受けユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、画像が
    形成されたトナー定着済用紙を、水、界面活性剤を含む
    水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤
    と水溶性ポリマーとを含む水溶液とからなる群から選ば
    れた少なくとも1種の水あるいは水溶液で膨潤させた
    後、該トナー定着済用紙上のトナーを加熱するととも
    に、該トナーと該トナー定着済用紙表面との付着力より
    も大きな付着力を有するトナー剥離部材を該トナー画像
    面に付着させて、該トナー定着済用紙の表面からトナー
    の大半を剥離し一部を残留させることを特徴とするトナ
    ー定着済用紙の繰り返し使用防止方法。
  2. 【請求項2】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、その定
    着画像を有するトナー定着済用紙をさらに加熱・加圧し
    てトナーとトナー定着済用紙の繊維との間の密着力を高
    めることによって、少なくとも該トナー定着済用紙に該
    トナーの一部が残留させることを特徴とするトナー定着
    済用紙の繰り返し使用防止方法。
  3. 【請求項3】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、その定
    着画像を有するトナー定着済用紙を該トナーが溶解もし
    くは膨潤する溶剤蒸気に接触させてトナーとトナー定着
    済用紙の繊維との間の密着力を高めることによって、少
    なくとも該トナー定着済用紙に該トナーの一部が残留さ
    せることを特徴とするトナー定着済用紙の繰り返し使用
    防止方法。
  4. 【請求項4】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、画像が
    形成されたトナー定着済用紙を、水、界面活性剤を含む
    水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤
    と水溶性ポリマーとを含む水溶液からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の水あるいは水溶液で膨潤させた後、
    該トナー定着済用紙上のトナーを加熱するとともに、該
    トナーと該トナー定着済用紙表面との付着力によりも大
    きな付着力を有するトナー剥離部材を該トナー画像面に
    付着させて、該トナー定着済用紙の表面からトナーを剥
    離した際、トナー定着済用紙の表層が剥離してトナーの
    残留しない面が表われ、これに新たな画像形成を行なう
    ことができることを特徴とするトナー定着済用紙の繰り
    返し使用方法。
  5. 【請求項5】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、画像が
    形成されたトナー定着済用紙を、水、界面活性剤を含む
    水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤
    と水溶性ポリマーとを含む水溶液からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の水あるいは水溶液で膨潤させた後、
    該トナー定着済用紙上のトナーを加熱するとともに、該
    トナーと該トナー定着済用紙表面との付着力によりも大
    きな付着力を有するトナー剥離部材を該トナー画像面に
    付着させて、該トナー定着済用紙の表面からトナーを剥
    離した際、その用紙が溶解し、溶解液を再生紙原料とし
    て使用するトナー定着済用紙の再生利用方法。
  6. 【請求項6】 用紙の繊維質の表面に加熱及び加圧によ
    って熱軟化性トナーを定着させて画像を形成し、該トナ
    ー定着済用紙を情報保持体として利用した後に、画像が
    形成されたトナー定着済用紙を、水、界面活性剤を含む
    水溶液、水溶性ポリマーを含む水溶液、及び界面活性剤
    と水溶性ポリマーとを含む水溶液からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の水あるいは水溶液で膨潤させた後、
    該トナー定着済用紙上のトナーを加熱するとともに、該
    トナーと該トナー定着済用紙表面との付着力によりも大
    きな付着力を有するトナー剥離部材を該トナー画像面に
    付着させて、該トナー定着済用紙の表面からトナーを剥
    離した際、トナー定着済用紙の水溶性着色剤による地模
    様が流れ出すことを特徴とするトナー定着済用紙の繰り
    返し使用防止方法。
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