【発明の詳細な説明】
農業化学品のマイクロカプセル配合物
発明の背景
本発明は水中油型乳液の形成のための乳化剤としてビニルピロリドンのランダ
ム コ−もしくはター−ポリマーを含むマイクロカプセル配合物の製造を目的と
する新規な組成物及び方法を含む。
米国特許第4,208,833号は高濃度マイクロカプセル化配合物のための
有用な乳化剤としてのリグノスルホネートの利用を記載している。しかし水で希
釈するとマイクロカプセルは沈降し、噴霧タンクの底及び噴霧管に不可逆的に詰
まる。対照的に、新規な種類の乳化剤を含む本発明のマイクロカプセルは、水で
希釈すると容易に再懸濁する。
発明の概略
本発明は水性液体中に懸濁された高濃度マイクロカプセル化有害生物防除剤を
含む組成物からなり、該マイクロカプセル化有害生物防除剤はポリマー材料の封
入壁内に活性有害生物防除剤の液体、融解固体又は非反応性水−非混和性溶媒中
の溶液を含み、ここで
(a)該活性有害生物防除剤は組成物の1リットル当たり約480〜約700
グラムの範囲の濃度で存在し;
(b)ポリマー材料の該封入壁は、活性有害生物防除剤に可溶性の2官能基性
又は多官能基性反応物である第1殻壁成分と、水溶性であり且つ2官能基性又は
多官能基性反応物である第2殻壁成分の反応生成物であり且つ該第1及び第2殻
壁成分の濃度は封入するべき活性成分の重量
に対してそれぞれ約3.5重量%〜約21.0重量%及び約1.5重量%〜約9
.0重量%であり;
(c)該水性液体は
(i)封入されるべき該活性成分の重量に対して約0.5重量%〜約15
重量%の、ビニルピロリドンの水溶性ランダム コ−もしくはター−ポリマーで
ある乳化剤、及び
(ii)場合により組成物全体の重量に基づいて約0.01%〜約30%
の配合添加剤
を含む水である。
本発明はまた、水中のマイクロカプセル化有害生物防除剤の粒子の高濃度組成
物の製造法からなり、ここで有害生物防除剤は実質的に粒子が凝集することなく
プラスチック殻にカプセル封入されており、該方法は
(a)二酸及びポリ酸クロリド、ジクロロホルメート、ポリクロロホルメート
、ジスルホニル及びポリスルホニルクロリド、ジイソシアナート、ポリイソシア
ナート及びそれらの混合物から成る群より選ばれる水−非混和性モノマーAなら
びに活性有害生物防除成分を該活性成分の液体、融解固体又は非反応性水−非混
和性溶媒中の溶液の形態で混合して活性成分中のモノマーの溶液を形成せしめ;
(b)ビニルピロリドンの水溶性ランダム コ−もしくはター−ポリマーであ
る乳化剤を含む水中にモノマー及び活性成分の溶液を分散させて1〜100ミク
ロンの寸法範囲の液滴を有する油中水型乳液を形成せしめ;
(c)ジアミン又はポリアミン、ジオール又はポリオールから成る群より選ば
れる水溶性モノマーBを(b)の乳液に加え、モノマーBを界
面重縮合によりモノマーAと反応させて有害生物防除成分の回りに殻を形成せし
めるか;あるいはまたモノマーAがジイソシアナート、ポリイソシアナート又は
それらの混合物である時、場合により(a)からの溶液中に触媒を含み、(b)
の乳液を加熱してモノマーAをアミン基に加水分解し、それにより加水分解によ
り生成したアミン基が残留イソシアナートモノマーと反応させてポリウレアの殻
壁を生成せしめ;
(d)場合により配合添加剤を加え;
(e)場合により乾燥し、続いて固体残留物を顆粒化して流動性固体組成物を
形成する
ことを含む。
発明の詳細な説明
本発明は水−非混和性有害生物防除成分を含む小もしくは微小カプセルを含む
組成物及びカプセルの製造法を含む。界面重縮合と呼ばれる方法により第1モノ
マー殻壁成分(モノマーA)を水−非混和性有害生物防除剤又はその溶液に溶解
する。得られる溶液をポリビニルピロリドン(PVP)のコ−ポリマーもしくは
ター−ポリマーから選ばれる乳化ポリマーを含む水に分散して水中油型(O/W
)乳液を形成する。その後第2モノマー殻壁成分(モノマーB、通常別の水相液
体に溶解)を水中油型乳液に加え、それにより第2殻壁成分が第1殻壁成分と反
応し、油/水界面において水−非混和性材料の回りに重縮合物殻壁が形成される
。マイクロカプセルを懸濁している水の体積より大きな体積の有害生物防除剤成
分をマイクロカプセル内に含む高濃度懸濁液が界面重縮合により製造される。
いくつかの場合に第2殻壁形成成分は不必要である。その場マイクロ
カプセル封入(in situ microencapsulation)と呼ばれる方法により、イソシアナ
ートモノマーを水−非混和性有害生物防除成分に溶解し、ビニルピロリドンのコ
−ポリマーもしくはター−ポリマーから選ばれる乳化剤ポリマーを含む水中に溶
液を分散する。加水分解により生成されるアミン基が残留イソシアナートモノマ
ーと反応し、ポリウレアの殻壁を生成する。イソシアナートの加水分解を加速す
る触媒を活性成分溶液中のモノマーに含むことができる。これらは当該技術分野
において周知である。1つのそのような触媒はジブチル錫ジラウレートである。
やはり加水分解を加速するために熱が加えられる。一般に触媒が用いられる場合
、加水分解を1時間で行うために20〜60℃の温度が十分である。しかし触媒
を用いない場合、58〜75℃の温度は加水分解に数時間、例えば12時間を必
要とする。
マイクロカプセル封入は液体有害生物防除剤の高濃度固体配合物を製造するた
めに特に有用である。マイクロカプセル封入を用いない場合、非カプセル封入液
体を最初に不活性担体上に吸収させ、乾燥粉末を形成しなければならず、それを
顆粒化して乾燥固体水−分散性配合物とすることができる。液体の吸収のために
大量の不活性担体が必要であり、非カプセル封入液体の固体乾燥配合物は必然的
に希薄である。マイクロカプセル封入を用いない場合、乾燥固体配合物における
非カプセル封入液体の最大量は約40%である。対照的にマイクロカプセルは少
なくとも90%の液体を含み、配合して70%以上の液体有害生物防除剤を含む
ことができる乾燥固体配合物とすることができる。
一度カプセル封入されると、液体又は他の形態の農業用製品(例えば融解性固
体)は、破壊、圧潰、融解、溶解又は他の方法でカプセル外皮
を除去する手段もしくは道具によりそれが放出されるまで、あるいは拡散による
放出が適した条件下で行われるまで保存される。マイクロカプセル封入は有害生
物防除剤の急性の毒性を減少させ、生物学的効率を向上させ、地下水への浸出を
減少させることができ、同一の配合物内で不適合性の有害生物防除剤を互いに隔
離することができる。
これらの利点にもかかわらず、初期の方法は希薄な組成物を製造するものであ
るので、マイクロカプセル封入は広く用いられてはいない。油相の分散に用いら
れるコロイド安定剤は連続水相が分散油相より大きな体積の場合のみに有効であ
る。高濃度マイクロカプセル封入にコロイド安定剤を用いるとマイクロカプセル
凝集体が形成される。
我々はある種の乳化剤、ビニルピロリドンのランダムコ−ポリマー及びター−
ポリマーを、油及び水相内の反応性モノマーの間の界面重縮合反応を用いたマイ
クロカプセル封入の方法において、あるいは油相に含まれるイソシアナートモノ
マーを用いたその場マイクロカプセル封入の方法において有利に用いることがで
きることを見いだした。水中に希釈した後、これらの方法により製造された沈降
マイクロカプセルは容易に再懸濁し、凝集しない。本発明は高濃度の水−非混和
性農業用製品のカプセル封入に有効であり、マイクロカプセルの高濃度懸濁液、
あるいは得られる固体マイクロカプセルの乾燥及び顆粒化により製造される乾燥
分散性配合物を与える新規なカプセル封入法を提供する。
本発明の重要な特徴は、十分に安定な水中油型乳液が形成され、濃厚量の農業
用製品が水−非混和性相に存在し、従ってそれがカプセル封入されるための特別
な種類の乳化剤の利用である。一般に全水性組成物の1リットル当たりに480
グラム以上の農業用製品又は農業用製品溶液
がある。乾燥固体配合物は70%以上の液体水−非混和性材料を乾燥水−分散性
形態で含む。
本発明のマイクロカプセルは染料、インク、化学試薬、薬物、風味料、有害生
物防除剤、生物学的試薬、植物成長調節剤などを含むことができる。殻壁モノマ
ーを溶解でき、モノマーと非反応性のいずれの液体、油、融解性固体又は溶媒溶
解性材料もカプセル封入することができる。
本発明の好ましい実施態様の実行の場合、カプセル封入されるべき材料は水−
非混和性農業化学品である。上記で示した通り、農業化学成分は第1殻壁モノマ
ー成分が非反応性であるすべての液体、油又は融解性固体である。さらに水−非
混和性農業化学品は非反応性水−非混和性溶媒中の農業化学品の溶液を含むこと
ができる。
有害生物防除成分は、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌・殺カビ剤、殺線虫剤
、殺バクテリア剤、生物学的有害生物抑制剤、除草剤緩和剤及び植物成長調節剤
から成る群より選ばれる。適した農業化学品の例には:除草剤、例えばアセトク
ロル、アシフルオルフェン、アラクロル、アスラム、アトラジン、ベンスルフロ
ンメチル、ベンタゾン、ブロモキシニル、ブタクロル、ヒドロキシベンゾニトリ
ル、クロラムベン、クロリムロンエチル、クロロクスロン、クロルスルフロン、
クロロツルロン、クロマゾン、シアナジン、ダゾメット、デスメジファン、ジカ
ンバ、ジクロルベニル、ジクロルプロプ、ジフェナミド、ジプロペツリン、ジウ
ロン、チアメツロン、フェナク、フルオメツロン、フルリドン、フォメサフェン
、グリフォセート、イマザメタベンズ、イマザクイン、イマゼタピル、イオキシ
ニル、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、カルブチレート、トリアレ
ート、ジアレート、トリフルラリン、リヌロ
ン、レナシル、MCPA、MCPB、メフルイジド、メタベンズチアウロン、メ
タゾール、メトラクロル、メトリブジン、メツルフロンメチル、モヌロン、ナプ
タラム、ネブロン、ニトラリン、ノルフルラゾン、オリザリン、ペルフルイドン
、フェンメジファム、プロメツリン、プロナミド、プロパジン、ピラゾン、リム
スルフロン、シヅロン、シマジン、スルフォメツロンメチル、テブチウロン、テ
ルバシル、テルブチラジン、テルブチリン、トリクロピル、2,4−D、2,4
−DB、トリアスルフロン、トリベヌロンメチル、プリミスルフロン、ピラゾス
ルフロンエチル、N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]
カルボニル]−3−(エチルスルホニル)−2−ピリジンスルホンアミド、ニコ
スルフロン、2’−t−ブチル−2−クロロ−N−メトキシメチル−6’−メチ
ルアセトアニリド、α−クロロ−N−(2−メトキシ−6ーメチルフェニル)−
N−(1−メチルエトキシメチル)アセトアミド、α−クロロ−N−(エトキシ
メチル)−N−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトア
ミド、α−クロロ−N−メチル−N−[2−メチル−6−(3−メチルブトキシ
)フェニル]アセトアミド、α−クロロ−N−メチル−N−((2−メチル−6
−プロポキシフェニル)アセトアミド、N−(2−ブトキシ−6−メチルフェニ
ル)−α−クロロ−N−メチルーアセトアミド、(2,4−ジクロロフェノキシ
)酢酸イソブチル、1−(1−シクロヘキセン−1−イル)−3−(2−フルオ
ロフェニル)−1−メチルウレア及びエタンメツルフロン;殺菌・殺カビ剤、例
えばカルベンダジン、チウラム、ドジン、クロロネブ、シモキサニル、カプタン
、フォルペット、チオファネートーメチル、チアベンダゾール、クロロタロニル
、ジクロラン、カプタフォル、イプロジ
オン、ビンクロゾリン、カスガマイシン、チアジメノール、フルトリアフォル、
フルシラゾール、ヘキサコナゾール及びフェナリモル;殺バクテリア剤、例えば
オキシテトラサイクリン二水和物;殺ダニ剤、例えばヘキサチゾックス、オキシ
チオキノックス、ジエノクロル及びシヘキサチン;殺虫剤、例えばカルボフラン
、カルビル、チオジカルブ、デルタメツリン、メチル及びエチルパラチオン、ピ
リツリン、ペルメツリン、フェンバレレート及びテトラクロルビンフォス;なら
びに除草剤緩和剤、例えば5−チアゾールカルボン酸が含まれる。
カプセル封入されるべき材料は1種の有害生物防除剤のみから成る必要はなく
、2種又はそれ以上の農業化学品の組み合わせであることができる。例えばその
ような組み合わせは除草剤と他の活性な除草剤、あるいは除草剤と殺虫剤である
ことができる。除草剤などの活性成分及びある特別な性質を得るための添加剤又
は不活性材料などの非−有害生物防除成分を含む、カプセル封入されるべき水−
非混和性材料も含まれる。
水−非混和性農業用製品は、液体の形態の場合、第1殻壁成分のための溶媒と
して作用することができ、あるいは特に農業用製品が固体の場合、メチレンクロ
リド、アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの水−非混和性有機溶媒
を用いることができる。追加の有機溶媒を用いずに液体農業用製品を用いること
により、最終的カプセル封入生成物において濃厚量の活性成分が可能になる。水
−非混和性農業用製品及び第1殻壁成分は、予備混合状態で水相に同時に加えら
れる。すなわち水−非混和性材料及び第1殻壁成分を、水中油型乳液の形成のた
めに水相に添加し、乳化する前に予備混合して均一な有機液相を得る。
水−非混和性相中に最初に存在する水−非混和性農業用製品の濃度は、
全水性組成物の1リットル当たり少なくとも約480グラムの水−非混和性農業
用製品を与えるのに十分でなければならない。実際には、当該技術分野における
熟練者により認識される通り、極端に高濃度の水−非混和性農業用製品の使用は
、望ましくない程濃厚なマイクロカプセルの懸濁液を生ずる。一般に水−非混和
性農業用製品の濃度は全水性組成物の1リットル当たり約480グラム〜約70
0グラムの範囲である。好ましい範囲は全水性組成物の1リットル当たり約48
0グラム〜約600グラムである。
重縮合物の殻壁はポリウレア、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタン又はそれらの混合物であることができる。
以下は本発明のカプセル封入法を適用できる重縮合反応の特別な場合である。水
相中のジアミン又はポリアミンは有機相液体中の二酸又はポリ酸クロリドと反応
し、ポリアミドから成るカプセル壁を与える。水性液体中のジアミン又はポリア
ミンは有機液体中のジクロロホルメート又はポリクロロホルメートと縮合し、ポ
リウレタンカプセル外皮を形成する。水性液体中のジアミン又はポリアミンは有
機液体中のジスルホニル又はポリスルホニルクロリドと反応してポリスルホンア
ミドカプセル外皮を与える。水性相液体中のジアミン又はポリアミン及び有機相
液体中のジイソシアナート又はポリイソシアナートは反応してポリウレア外皮を
形成する。水性液体中のジオール又はポリオール及び有機相液体中の二酸又はポ
リ酸クロリドを用い、ポリエステル殻壁が製造される。有機液体中でビスクロロ
ホルメート又はポリクロロホルメートを用いると、カプセル外皮はポリカーボネ
ートである。
カプセル封入の界面重縮合法において有用なやりかたで反応し、重縮
合物を形成する他の補足的中間体があるのみでなく、中間体の種々の混合物、す
なわち殻壁成分の混合物を水性及び有機相のいずれか又は両方で用いることがで
きることがさらにわかるであろう。例えば水性液体中のジオールとジアミンの混
合物及び有機液体中の酸クロリドはポリエステル/ポリアミド縮合コポリマーを
得るのに有用である。水性液体中のジアミン又はポリアミン、及び有機液体中の
二酸又はポリ酸クロリドとジイソシアナート又はポリイソシアナートの混合物も
ポリアミド/ポリウレア外皮を与える。
有機相のためのモノマー成分として適した2官能基性酸−誘導殻壁成分の例は
セバコイルクロリド、エチレンビスクロロホルメート、ホスゲン、テレフタロイ
ルクロリド、アジポイルクロリド、アゼラオイルクロリド(アゼライン酸クロリ
ド)、ドデカン二酸クロリド、ダイマー酸クロリド及び1,3−ベンゼンスルホ
ニルジクロリドである。この性質の多官能基性化合物はトリメソイルクロリド、
1,2,4,5−ベンゼン四酸クロリド、1,3,5−ベンゼントリスルホニル
クロリド、トリマー酸クロリド、クエン酸クロリド及び1,3,5−ベンゼント
リスクロロホルメートを例とする。有機相において同様に有用なモノマー類には
ジイソシアナート及びポリイソシアナート、例えばトルエンジイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニルイソシアナート及びポリ
メチレンポリフェニルイソシアナートが含まれる。
水相でモノマーとして用いるのに適したジオールの例はビスフェノールA[2
,2−ビス−(p,p’−ジヒドロキシジフェニル)プロパン]、ヒドロキノン
、レゾルシノール、カテコール及び種々のグリコール類、例えばエチレングリコ
ール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ド
デカンジオール、1,4−ブタンジオールなどである。この性質の多官能基性ア
ルコール、例えばトリオール及びポリオールはピロガロール(1,2,3−ベゼ
ントリオール)、フロログルシノール二水和物、ペンタエリトリトール、トリメ
チロールプロパン、1,4,9,10−テトラヒドロキシアントラセン、3,4
−ジヒドロキシアントラノール、ジレゾルシノール及びテトラヒドロキシキノン
を例とする。
通常それ自体水溶性として、又は水溶性塩の形態で選ばれる、水相でモノマー
として用いるのに適したジアミン及びポリアミンはエチレンジアミン、フェニレ
ンジアミン、トルエンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン及びピペラジンである。多官能基性反応物として有効なアミンは例えば1,3
,5−ベンゼントリアミントリヒドロクロリド、2,4,6−トリアミノトルエ
ントリヒドロクロリド、ポリエチレンイミン、1,3,6−トリアミノナフタレ
ン、3,4,5−トリアミノ−1,2,4−トリアゾール、メラミン及び1,4
,5,8−テトラアミノアントラキノンである。2より多いが3より少ないアミ
ン官能基を有し、殻壁にある程度の架橋を与えることができるアミンは
種類
[式中、Rは水素又はCH3 と等しく、mは1〜5であり、nは1〜5である]
のポリアルキレンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタミン、ペンタエチレ
ンヘキサミンなどである。
界面重縮合において、方法で用いられる第1殻壁成分及び第2殻壁成分の量は
、製造されるパーセント殻壁含有率を決定する。一般に反応中
には水−非混和性材料に対して約3.5%〜約21.0%の第1殻壁成分及び約
1.5%〜約9.0%の第2殻壁成分が存在する。化学量論的量又は過剰量の第
2殻壁成分を用いることができる。得られるカプセルの殻壁含有率はカプセル封
入されるべき活性成分の重量に基づいて約5%〜約30%、好ましくは8〜20
%で変化し、より特定的には10重量%である。
その場マイクロカプセル封入に適したイソシアナートモノマーの代表的例は以
下である:1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレン
ジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス
(フェニルイソシアナート)、2,4−トルイレンジイソシアナート、トルイレ
ンジイソシアナート(60%2,4−異性体、40%2,6−異性体)、2,6
−トルイレンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレン
ジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニルイソシアナー
ト)、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、2,
2’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、ト
ルイレンジイソシアナートの80%2,4−及び20%2,6−異性体、ポリメ
チレンポリフェニルイソシアナート(PAPIR )及びそれらの混合物。
その場マイクロカプセル封入法で用いられる有機ポリイソシアナートの量は、
そこで形成されるカプセルの殻壁含有率を決定する。好ましい範囲はカプセル封
入されるべき活性成分の重量に対して約5.0%〜約30.0%である。最も好
ましいのはカプセル封入されるべき活性成分の重量に対して約10%である。
乳化剤が意味するものは、ビニルピロリドンが下記に記載の性質を有するコポ
リマー又はターポリマーを与えるのに十分な量で存在するビニルピロリドンのコ
ポリマー又はターポリマーである。本発明の乳化剤はビニルピロリドンと重合し
て本明細書に記載の反応条件下で安定な水中油型乳液を形成することができる水
溶性コポリマー及びターポリマーを与えるいずれの非−芳香族水溶性モノマーを
も含むコポリマー又はターポリマーである。ポリマーの組み合わせ全体を水溶性
とするのに十分なビニルピロリドンを含むいずれのポリマーの組み合わせも本発
明の乳化剤として有用であることが予想される。これは、水溶性で本条件下で安
定な水中油型乳液を与えることができるコポリマー及びターポリマーを生ずる、
ビニルピロリドンと組み合わされた何個かの異なるポリマーを含むビニルピロリ
ドンのコポリマー、ターポリマーを含む。好ましいコポリマーには1)酢酸ビニ
ル、2)ジメチルアミノメチルメタクリレート及び3)第4級化(quarte
rnerized)ジメチルアミノエチルメタクリレートと共重合したVPが含
まれる。コポリマー中のVPの重量%は20〜95%、好ましくは50〜85%
である。好ましいターポリマーにはカプロラクタム及びジメチルアミノメタクリ
レートと共重合したVPが含まれる。ターポリマー中のVPの重量%は10〜8
0%、好ましくは15〜50%である。特定の商業的に入手可能なVPコポリマ
ーはAgrimerR DA−10、AgrimerR DA−1、AgrimerR
DAQ−300、AgrimerR DAQ−2000及びAgrimerR V
A−6である。AgrimerR DAVCは本発明の実行において用いるにも有
効なターポリマーの代表的例である。これらのポリマーはInternatio
nal Specialty P
roducts,1361 Alps Road,Wayne,New Jer
sey,07470により製造されている。これらのポリマーの製造は米国特許
第4,520,179号;米国特許第4,520,180号;米国特許第4,5
54,311号;米国特許第4,554,312号;米国特許第3,691,1
25号及び米国特許第4,521,404号に記載されている。
系において最も受容できることが見いだされた乳化剤濃度の範囲は、カプセル
封入されるべき活性成分の重量に基づいて約0.5%〜約15%、好ましくは2
%〜6%で変化する。
本発明のマイクロカプセルは水性液体からの分離などの追加の処理を必要とせ
ず、直接使用することができる。水性懸濁液はカプセル封入される水−非混和性
材料に依存する多くの用途に適している。例えば除草剤を含むマイクロカプセル
の水性懸濁液を液体肥料、殺虫剤などと組み合わせ、農業的用途に簡単に適用す
ることができる水溶液を形成することができる。
多くの場合カプセル封入された水−非混和性材料を含む水性懸濁液をびん詰め
又はカン詰めするのが最も簡単であり、その場合マイクロカプセルの水溶液に配
合成分を加えるのが望ましい。密度均衡剤(density balancin
g agent)、増粘剤、殺生物剤、界面活性剤、分散剤、塩、凍結防止剤な
どの配合添加剤を加えて懸濁液の安定性及び適用の容易さを増すことができる。
配合添加剤をマイクロカプセルの水性懸濁液に加える場合、そのような成分は懸
濁液の約0.01〜約30重量%の濃度で加えるのが好ましい。
例えば完成マイクロカプセルの水溶液を他の有害生物防除剤と組み合
わせる時、完成マイクロカプセル配合物のpHを調節することが望ましい場合、
酸性度又はアルカリ性度の調節のための従来の試薬を用いることができる。例え
ば適した物質は塩酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び重炭酸ナトリウム
である。
かくして有害生物防除組成物はマイクロカプセル封入反応の後に生ずる懸濁液
を含む液体の形態であることができる。別の場合、有害生物防除組成物は、マイ
クロカプセル封入の後に生ずる懸濁液を乾燥し、次いで周知の方法を用いて顆粒
化して乾燥マイクロカプセル封入顆粒組成物を与えることによる固体の形態であ
ることができる。
本発明の方法を実行する場合、温度は有害生物防除剤を純で用いる場合はその
融点、又は有害生物防除剤溶液を用いる場合は非反応性溶媒の融点より高く保持
しなければならない。温度は又、水−非混和性モノマーが加水分解又は他の分解
をする温度より低く保たねばならない。例えば溶媒を用いずに固体除草剤をカプ
セル封入することが望まれている場合、除草剤をその融解状態まで加熱すること
が必要である。例えばアラクロル除草剤は39.5〜41.5℃で融解し、従っ
て方法の温度は約41.5℃より高く保持しなければならない。
水相における水−非混和性液滴の分散を確立するために用いられる撹拌は、適
した高い剪断を与えることができるいずれの手段によっても供給することができ
る。すなわちブレンダー、ホモジナイザーなどのいずれの可変剪断混合装置も、
所望の撹拌を与えるために用いることができる。
マイクロカプセルの特定の寸法は直径が約1ミクロンから最高約100ミクロ
ンの範囲である。好ましい範囲は約1〜約50ミクロンである。
約1〜約10ミクロンが最適直径範囲である。
本発明を、例示であり、全く制限ではない以下の実施例によりさらに説明する
。他に指示がなければ続く界面重縮合実施例は以下の通りに行った:第1殻壁成
分をそこに溶解して含む水−非混和性材料を乳化剤を含む水中に乳化し、高剪断
を用いて乳液を形成した。通常の追加量の水相液体に溶解した第2殻壁成分を、
その後乳液に加え、短時間の後に剪断速度を減少させた。剪断は種々の時間継続
し、その後必要なら塩又は懸濁助剤を加えて懸濁液を安定化した。次いで配合物
をびん詰めした。
その場マイクロカプセル封入の場合、イソシアナートモノマーを水−非混和性
相に触媒と共に溶解した。乳液を形成し、比較的遅い剪断を続け、温度を上げて
殻壁形成反応を加速した。殻壁成分はアミン加水分解産物及び残留イソシアナー
トの反応により形成する。
実施例1
この実施例はマイクロカプセル封入のために高温でアセトアニリド除草剤を乳
化するためのAgrimerR DAQ−300(ビニルピロリドン/第4級化ジ
メチルアミノエチルメタクリレート コ−ポリマー分子量300,000)の利
用を示す。
13.9グラムのPAPIR 2027(Dow ChemicalCompa
nyによるPAPIシリーズからのポリメチレンポリフェニルイソシアナート)
を含む200グラムの工業用アラクロル(93.8%)を、10グラムのAgr
imerR DAQ−300を含む152.38グラムの水中に乳化した。すべて
の材料を50℃に保持した。Waringブレンダーを用い、高剪断で運転して
乳液を形成した。1分後、乳液に13.9グラムの43.37%ヘキサメチレン
ジアミンを加え、
剪断を撹拌剪断に低下させた。5分間撹拌した後、32.8グラムの塩化ナトリ
ウム及び22グラムの1% KelzanR 、キサンタンゴム増粘剤を加えた。
撹拌を15分間続け、配合物をびん詰めした。顕微鏡により直径が1〜40ミク
ロンの離散した球状のマイクロカプセルが観察された。配合物は、54℃におけ
る加速老化を通じて、及び−4℃〜十54℃の数回の週間温度サイクルの後安定
であった。
実施例2
この実施例は乳化剤としてAgrimerR DA−10(ビニルピロリドン/
ジメチルアミノエチルメタクリレート コ−ポリマー)を用いた高温におけるア
ラクロルのマイクロカプセル封入を示す。
13.9グラムのPAPIR 2027を含む200グラムの工業用アラクロル
(93.8%)を、6グラムのAgrimerR DA−10を含む152.38
グラムの水中に乳化した。すべての材料を50℃に保持した。Waringブレ
ンダーを用い、高剪断で運転して乳液を形成した。1分後、乳液に13.9グラ
ムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加え、剪断を撹拌剪断に低下させた
。5分間撹拌した後、328グラムの塩化ナトリウム及び22グラムの1% K
elzanR 、キサンタンゴム増粘剤を加えた。撹拌を15分間続け、配合物を
びん詰めした。顕微鏡により直径が1〜50ミクロンの離散した球状のマイクロ
カプセルが観察された。配合物は、54℃における加速老化を通じて、及び−4
℃〜+54℃の数回の週間温度サイクルの後安定であった。
実施例3
この実施例は乳化剤としてAgrimerR DAQ−200(ビニルピロリド
ン/第4級化ジメチルアミノエチルメタクリレート コ−ポリ
マー分子量2,000,000)を用いた高温におけるアラクロルのマイクロカ
プセル封入を示す。
13.9グラムのPAPIR 2027を含む200グラムの工業用アラクロル
(93.8%)を、4グラムのAgrimerR DAQ−200を含む150.
38グラムの水中に乳化した。すべての材料を50℃に保持した。Waring
ブレンダーを用い、高剪断で運転して乳液を形成した。1分後、乳液に13.9
グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加え、剪断を撹拌剪断に低下さ
せた。5分間撹拌した後、32.8グラムの塩化ナトリウム及び22グラムの1
% KelzanR 、キサンタンゴム増粘剤を加えた。撹拌を15分間続け、配
合物をびん詰めした。顕微鏡により直径が1〜25ミクロンの離散した球状のマ
イクロカプセルが観察された。配合物は、54℃における加速老化を通じて、及
び−4℃〜+54℃の数回の週間温度サイクルの後安定であった。
実施例4
この実施例は乳化剤としてAgrimerR DAVC(ビニルピロリドン/ビ
ニルカプロラクタム/ジメチルアミノエチルメタクリレートター−ポリマー)を
用いた高温におけるアラクロルのマイクロカプセル封入を示す。
13.9グラムのPAPIR 2007を含む200グラムの工業用アラクロル
(93.8%)を、8グラムのAgrimerR DAVCを含む160.38グ
ラムの水中に乳化した。すべての材料を50℃に保持した。Waringブレン
ダーを用い、高剪断で運転して乳液を形成した。1分後、乳液に13.9グラム
の43.37%ヘキサメチレンジア
ミンを加え、剪断を撹拌剪断に低下させた。5分間撹拌した後、22グラムの1
% KelzanR、キサンタンゴム増粘剤を加えた。撹拌を15分間続け、配
合物をびん詰めした。顕微鏡により直径が1〜15ミクロンの離散した球状のマ
イクロカプセルが観察された。配合物は、54℃における加速老化を通じて、及
び−4℃〜+54℃の数回の週間温度サイクルの後安定であった。
比較実施例A
この比較実施例はReaxR 88B(リグノスルホネート乳化剤)を用いた高
温におけるアラクロルのマイクロカプセル封入を示す。
13.9グラムのPAPIR 2027を含む200グラムの工業用アラクロル
(93.8%)を、4グラムのReaxR 88Bを含む150.38グラムの水
中に乳化した。すべての材料を50℃に保持した。Waringブレンダーを用
い、高剪断で運転して乳液を形成した。1分後、乳液に13.9グラムの43.
37%ヘキサメチレンジアミンを加え、剪断を撹拌剪断に低下させた。5分間撹
拌した後、32.8グラムの塩化ナトリウム及び22グラムの1% Kelza
nR 、キサンタンゴム増粘剤を加えた。撹拌を15分間続け、配合物をびん詰め
した。顕微鏡により直径が1〜20ミクロンの離散した球状のマイクロカプセル
が観察された。配合物は、54℃における加速老化を通じて、及び−4℃〜+5
4℃の数回の週間温度サイクルの後安定であった。
実施例1〜4及び比較実施例Aにおいて製造した希釈配合物からの沈降固体の
再懸濁性を以下の通りに試験した:NesslerR 管中の95グラムの水道水
中に5グラムの配合物を加えた。NesslerR 管を数回逆転させ、振って配
合物を十分に懸濁し、次いで室温で3日間撹
乱せずに放置した。次いでNessler管をゆっくり逆転させ、沈降マイクロ
カプセルの再懸濁に要する逆転の回数を記録した。データを表1に示す。
比較実施例B
この比較実施例はAgrimerR ST(ビニルピロリドン/スチレンコポリ
マー)を用いて高温でアラクロルをマイクロカプセル封入する試みを示す。
13.9グラムのPAPIR 2027を含む200グラムの工業用アラクロル
(93.8%)を、10グラムのAgrimerR STを含む152.38グラ
ムの水中に乳化した。すべての材料を50℃に保持した。Waringブレンダ
ーを用い、乳液を形成し、ヘキサメチレンジアミンを操作した。ジアミンを添加
すると即時の固化が起こった。有用なマイクロカプセルは得られなかった。
実施例5
この実施例はAgrimerR DA−10を用いた液体シネオール除草剤、シ
ンメチリンのマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのシンメチリン
を1.6グラムのAgrimerR DA−10を含む62.61グラムの水中に
乳化した。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。剪
断の1分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加
えた。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。直径が
1〜50ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された
。時間を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
比較実施例C
この実施例はAgrimerR ST(ビニルピロリドン/スチレンコポリマー
)を用いて液体シネオール除草剤、シンメチリンをマイクロカプセル封入する試
みを示す。
1.6グラムのAgrimerR DA−10の代わりに1.6グラムのAgr
imerR STを用いる以外は実施例5を記載の通り正確に繰り返した。乳液は
十分に形成されたが、ジアミンを乳液に加えると乳液はペースト状の材料となっ
た。顕微鏡により、マイクロカプセルは形成されたが高度に凝集したと思われ、
組成物全体は離散したマイクロカプセルの有用な懸濁液でなかった。
実施例6
この実施例はAgrimerR VA−6(重量により60%のピロリドン及び
40%の酢酸塩を有するビニルピロリドン/酢酸ビニル ラン
ダム コポリマー)を用いた液体シネオール除草剤、シンメチリンのマイクロカ
プセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのシンメチリン
を1.6グラムのAgrimerR VA−6を含む62.61グラムの水中に乳
化した。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。剪断
の1分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加え
た。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。直径が1
〜15ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。
時間を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例7
この実施例はAgrimerR DAQ−2000を用いた液体シネオール除草
剤、シンメチリンのマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのシンメチリン
を1.6グラムのAgrimerR DAQ−2000を含む62.61グラムの
水中に乳化した。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成し
た。剪断の1分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミ
ンを加えた。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。
直径が1〜50ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察
された。時間を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例8
この実施例はAgrimerR DAVCを用いた液体シネオール除草剤、シン
メチリンのマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのシンメチリン
を4グラムのAgrimerR DAVCを含む60.21グラムの水中に乳化し
た。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。剪断の1
分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加えた。
さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。直径が1〜1
0ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。時間
を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
以下の実施例X及びYは、有害生物防除成分の不在下で行うが、種々の溶媒に
おける本発明の利点を例示する。
実施例X
この実施例はAgrimerR DA−10を乳化剤として用いた高濃度有機溶
媒、クロロホルムのマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む90.00グラムのクロロホルム
を4グラムのAgrimerR DA−10を含む60.21グラムの水中に乳化
した。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。剪断の
1分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加えた
。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。直径が1〜
5ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。時間
を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例Y
この実施例はAgrimerR DA−10を乳化剤として用いた低濃度有機溶
媒、トルエンのマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのトルエンを4
グラムのAgrimerR DA−10を含む60.21グラムの水中に乳化した
。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。剪断の1分
後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミンを加えた。さ
らに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物をびん詰めした。直径が1〜20
ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。時間を
経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例9
この実施例はAgrimerR DA−10を乳化剤として用いた有機溶媒中の
殺菌・殺カビ剤溶液のマイクロカプセル封入を示す。
5.56グラムのPAPIR 2027を含む80.00グラムのキシレン中の
フルシラゾール(50%)を4グラムのAgrimerRDA−10を含む60
.21グラムの水中に乳化した。Waringブレンダーを用いて高剪断におい
て乳液を形成した。剪断の1分後、乳液に5.56グラムの43.37%ヘキサ
メチレンジアミンを加えた。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した後、配合物を
びん詰めした。直径が1〜10ミクロンの離散した個別のマイクロカプセルが顕
微鏡により観察された。時間を経ても配合物は流動性であり、容易に再懸濁した
。
実施例10
この実施例はAgrimerR DAQ−2000を乳化剤として用い、ポリエ
ステル殻壁を製造する液体シネオール除草剤、シンメチリンのマイクロカプセル
封入を示す。
17.77グラムのセバコイルクロリドを含む80.00グラムのシ
ンメチリンを4グラムのAgrimerRDAQ−2000を含む60.21グ
ラムの水中に乳化した。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を
形成した。1分の剪断の後、6.33グラムの1,6−ヘキサンジオール、1.
71グラムの1,3,5−ベンゼントリオール及び12.00グラムの50%N
aOH水溶液を含む溶液を乳液に加えた。さらに15分間ゆっくり剪断撹拌した
後、配合物をびん詰めした。直径が1〜50ミクロンの離散した個別のマイクロ
カプセル及びいくらかの不定形のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。
配合物は時間を経ても流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例11
この実施例はAgrimerRDA−10を乳化剤として用いた、その場マイ
クロカプセル封入による液体シネオール除草剤、シンメチリンのマイクロカプセ
ル封入を示す。
15グラムのPAPIR 2027、15グラムのトルエンジイソシアナート及
び0.1グラムのジブチル錫ジラウレート触媒を含む200グラムのシンメチリ
ンを6グラムのAgrimerTMDA−10を含む154グラムの水中に乳化し
た。Waringブレンダーを用いて高剪断において5分間乳液を形成した。温
度を50℃に上げ、ゆっくりした剪断を1時間続けた。直径が1〜7ミクロンの
離散した個別のマイクロカプセルが顕微鏡により観察された。配合物は時間を経
ても流動性であり、容易に再懸濁した。
実施例12
この実施例はAgrimerRDA−10を乳化剤として用い、混合ポリウレ
ア/ポリアミド殻壁を製造する液体シネオール除草剤、シンメ
チリンのマイクロカプセル封入を示す。
2.8グラムのPAPIR2027、1.4グラムのセバコイルクロリド及び
1.2グラムのトリメソイルクロリドを含む80.00グラムのシンメチリンを
4グラムのAgrimerRDA−10を含む60.21グラムの水中に乳化し
た。Waringブレンダーを用いて高剪断において乳液を形成した。1分の剪
断の後、7グラムの43.37%ヘキサメチレンジアミン及び2.5グラムの5
0%NaOH水溶液を含む溶液を乳液に加えた。さらに15分間ゆっくり剪断撹
拌した後、配合物をびん詰めした。直径が1〜10ミクロンの離散した個別のマ
イクロカプセルが顕微鏡により観察された。配合物は時間を経ても流動性であり
、容易に再懸濁した。
【手続補正書】特許法第184条の8
【提出日】1994年9月28日
【補正内容】
明細書
農業化学品のマイクロカプセル配合物
発明の背景
本発明は水中油型乳液の形成のための乳化剤としてビニルピロリドンのランダ
ム コ−もしくはター−ポリマーを含むマイクロカプセル配合物の製造を目的と
する新規な組成物及び方法を含む。
米国特許第4,208,833号は高濃度マイクロカプセル化配合物のための
有用な乳化剤としてのリグノスルホネートの利用を記載している。しかし水で希
釈するとマイクロカプセルは沈降し、噴霧タンクの底及び噴霧管に不可逆的に詰
まる。対照的に、新規な種類の乳化剤を含む本発明のマイクロカプセルは、水で
希釈すると容易に再懸濁する。
発明の概略
本発明は水性液体中に懸濁された高濃度マィクロカプセル化活性有害生物防除
剤を含む組成物からなり、該マイクロカプセル化有害生物防除剤はポリマー材料
の封入壁内に活性有害生物防除剤の液体、融解固体又は非反応性水−非混和性溶
媒中の溶液を含み、ここで
(a)該活性有害生物防除剤は組成物の1リットル当たり約480〜約700
グラムの範囲の濃度で存在し;
(b)ポリマー材料の該封入壁は、活性有害生物防除剤に可溶性の2官能基性
又は多官能基性反応物である第1殻壁成分と、水溶性であり且つ2官能基性又は
多官能基性反応物である第2殻壁成分の反応生成物であり、該第1及び第2殻壁
成分の濃度は封入するべき活性成分の重量に
対してそれぞれ約3.5重量%〜約21.0重量%及び約1.5重量%〜約9.
0重量%であり;
(c)該水性液体は
(i)封入されるべき該活性成分の重量に対して約0.5重量%〜約15
重量%の、ビニルピロリドンの水溶性ランダム コ−もしくはター−ポリマーで
ある乳化剤、及び
(ii)場合により組成物全体の重量に基づいて約0.01%〜約30%
の配合添加剤
を含む水である。
本発明はまた水中のマイクロカプセル化有害生物防除剤の粒子の高濃度組成物
の製造法からなり、ここで有害生物防除剤は実質的に粒子が凝集することなくプ
ラスチック殻にカプセル封入されており、該方法は
(a)二酸及びポリ酸クロリド、ジクロロホルメート、ポリクロロホルメート
、ジスルホニル及びポリスルホニルクロリド、ジイソシアナート、ポリイソシア
ナート及びそれらの混合物から成る群より選ばれる水−非混和性モノマーAなら
びに活性有害生物防除成分を該活性成分の液体、融解固体又は非反応性水−非混
和性溶媒中の溶液の形態で混合して活性成分中のモノマーの溶液を形成せしめ;
(b)ビニルピロリドンの水溶性ランダム コ−もしくはター−ポリマーであ
る乳化剤を含む水中にモノマー及び活性成分の溶液を分散させて1〜100ミク
ロンの寸法範囲の掖滴を有する水中油型乳液を形成せしめ;(c)ジアミン又は
ポリアミン、ジオール又はポリオールから成る群より選ばれる水溶性モノマーB
を(b)の乳液に加え、モノマーBを界面重縮合によりモノマーAと反応させて
有害生物防除成分の回り
に殻を形成せしめるか:あるいはまたモノマーAがジイソシアナート、ポリイソ
シアナート又はそれらの混合物である時、場合により(a)からの溶液中に触媒
を含み、(b)の乳液を加熱してモノマーAをアミン基に加水分解し、それによ
り加水分解により生成したアミン基が残留イソシアナートモノマーと反応させて
ポリウレアの殻壁を生成せしめ;
(d)場合により配合添加剤を加え;
(e)場合により乾燥し、続いて固体残留物を顆粒化して流動性固体組成物を
形成する
ことを含む。
発明の詳細な説明
本発明は水−非混和性活性有害生物防除剤を含む小もしくは微小カプセルを含
む組成物及びカプセルの製造法からなる。界面重縮合と呼ばれる方法により第1
モノマー殻壁成分(モノマーA)を水−非混和性活性有害生物防除剤又はその溶
液に溶解する。得られる溶液をポリビニルピロリドン(PVP)のコ−ポリマー
もしくはター−ポリマーから選ばれる乳化ポリマーを含む水に分散して水中油型
(O/W)乳液を形成せしめる。その後第2モノマー殻壁成分(モノマーB、通
常別の水相液体に溶解)を水中油型乳液に加え、それにより第2殻壁成分が第1
殻壁成分と反応し、油/水界面において水−非混和性有害生物防除剤の回りに重
縮合物殻壁が形成される。マイクロカプセルを懸濁している水の体積より大きな
体積の有害生物防除剤成分をマイクロカプセル内に含む高濃度懸濁液が界面重縮
合により製造される。
いくつかの場合に第2殻壁形成成分は不必要である。その場マイクロカプセル
封入(in situ microencapsulation)と呼ばれる方法により、イ
ソシアナートモノマーを水−非混和性活性有害生物防除成分に溶解し、ビニルピ
ロリドンのコ−ポリマーもしくはター−ポリマーから選ばれる乳化剤ポリマーを
含む水中に溶液を分散する。加水分解により生成するアミン基が残留イソシアナ
ートモノマーと反応し、ポリウレアの殻壁を生成する。イソシアナートの加水分
解を加速する触媒を活性成分溶液中のモノマーに含むことができる。これらは当
該技術分野において周知である。1つのそのような触媒はジブチル錫ジラウレー
トである。やはり加水分解を加速するために熱が加えられる。一般に触媒が用い
られる場合、加水分解を1時間で行うために20〜60℃の温度が十分である。
しかし触媒を用いない場合、58〜75℃の温度は加水分解に数時間、例えば1
2時間を必要とする。
マイクロカプセル化は液体有害生物防除剤の高濃度固体配合物を製造するため
に特に有用である。マイクロカプセル化を用いない場合、非カプセル化液体を最
初に不活性担体上に吸収させ、乾燥粉末を形成しなければならず、それを顆粒化
して乾燥固体水−分散性配合物とすることができる。液体の吸収のために大量の
不活性担体が必要であり、非カプセル化液体の固体乾燥配合物は必然的に希薄で
ある。マイクロカプセル化を用いない場合、乾燥固体配合物における非カプセル
化液体の最大量は約40%である。対照的にマイクロカプセルは少なくとも90
%の液体を含み、配合して70%以上の液体有害生物防除剤を含むことができる
乾燥固体配合物とすることができる。
一度カプセル化されると、液体又は他の形態の活性有害生物防除剤(例えば融
解性固体)は、破壊、圧潰、融解、溶解又は他の方法でカプセル外皮を除去する
手段もしくは道具によりそれか放出されるまで、あるい
は拡散による放出が適した条件下で行われるまで保存される。マイクロカプセル
化は有害生物防除剤の急性の毒性を減少させ、生物学的効率を向上させ、地下水
への浸出を減少させることができ、同一の配合物内で不適合性の有害生物防除剤
を互いに隔離することができる。
これらの利点にもかかわらず、初期の方法は希薄な組成物を製造するものであ
るので、マイクロカプセル化は広く用いられてはいない。油相の分散に用いられ
るコロイド安定剤は連続水相が分散油相より大きな体積の場合のみに有効である
。高濃度マイクロカプセル化にコロイド安定剤を用いるとマイクロカプセル凝集
体が形成される。
我々はある種の乳化剤、ビニルピロリドンのランダムコ−ポリマー及びター−
ポリマーを、油及び水相内の反応性モノマーの間の界面重縮合反応を用いたマイ
クロカプセル化の方法において、あるいは油相に含まれるイソシアナートモノマ
ーを用いたその場マイクロカプセル化の方法において有利に用いることができる
ことを見いだした。水中に希釈した後、これらの方法により製造された沈降マイ
クロカプセルは容易に再懸濁し、凝集しない。本発明は高濃度の水−非混和性農
業用製品のカプセル化に有効であり、マイクロカプセルの高濃度懸濁液、あるい
は得られる固体マイクロカプセルの乾燥及び顆粒化により製造される乾燥分散性
配合物を与える新規なカプセル化法を提供する。
本発明の重要な特徴は、十分に安定な水中油型乳液が形成され、濃厚量の活性
有害生物防除剤が水−非混和性相に存在し、従ってそれがカプセル化されるため
の特別な種類の乳化剤の利用である。一般に全水性組成物の1リットル当たりに
480グラム以上の活性有害生物防除剤又は活性生物防除剤溶液がある。乾燥固
体配合物は70%以上の液体水−非
混和性材料を乾燥水−分散性形態で含む。
本発明のマイクロカプセルは染料、インク、化学試薬、薬物、風味料、有害生
物防除剤、生物学的試薬、植物成長調節剤などを含むことができる。殻壁モノマ
ーを溶解でき、モノマーと非反応性のいずれの液体、油、融解性固体又は溶媒溶
解性材料もカプセル化することかできる。
本発明の好ましい実施態様の実行の場合、カプセル化されるべき材料は水−非
混和性活性有害生物防除剤である。上記で示した通り、活性有害生物防除剤は第
1殻壁モノマー成分が非反応性であるすべての液体、油又は融解性固体である。
さらに水−非混和性活性有害生物防除剤は非反応性水−非混和性溶媒中の活性有
害生物防除剤の溶液を含むことができる。
活性有害生物防除剤は、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺菌・殺カビ剤、殺線虫
剤、殺バクテリア剤、生物学的有害生物抑制剤、除草剤緩和剤及び植物成長調節
剤から成る群より選ばれる。適した農業化学品の例には:除草剤、例えばアセト
クロル、アシフルオルフェン、アラクロル、アスラム、アトラジン、ベンスルフ
ロンメチル、ベンタゾン、ブロモキシニル、ブタクロル、ヒドロキシベンゾニト
リル、クロラムベン、クロリムロンエチル、クロロクスロン、クロルスルフロン
、クロロツルロン、クロマゾン、シアナジン、ダゾメット、デスメジファン、ジ
カンバ、ジクロルベニル、ジクロルプロプ、ジフェナミド・ジプロペツリン・ジ
ウロン、チアメツロン、フェナク、フルオメツロン、フルリドン、フォメサフェ
ン、グリフォセート、イマザメタベンズ、イマザクイン、イマゼタピル、イオキ
シニル、イソプロツロン、イソウロン、イソキサベン、カルブチレート、トリア
レート、ジアレート、トリフルラリン、リヌロ
ン、レナシル、MCPA、MCPB、メフルイジド、メタベンズチアウロン、メ
タゾール、メトラクロル、メトリブジン、メツルフロンメチル、モヌロン、ナプ
タラム、ネブロン、ニトラリン、ノルフルラゾン、オリザリン、ペルフルイドン
、フェンメジファム、プロメツリン、プロナミド、プロパジン、ピラゾン、リム
スルフロン、シヅロン、シマジン、スルフォメツロンメチル、テブチウロン、テ
ルバシル、テルブチラジン、テルブチリン、トリクロピル、2,4−D、2,4
−DB、トリアスルフロン、トリベヌロンメチル、プリミスルフロン、ピラゾス
ルフロンエチル、N−[[(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジニル)アミノ]
カルボニル]−3−(エチルスルホニル)−2−ピリジンスルホンアミド、ニコ
スルフロン、2’−t−ブチル−2−クロロ−N−メトキシメチル−6’−メチ
ルアセトアニリド、α−クロロ−N−(2−メトキシ−6−メチルフェニル)−
N−(1−メチルエトキシメチル)アセトアミド、α−クロロ−N−(エトキシ
メチル)−N−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセトア
ミド、α−クロロ−N−メチル−N−[2−メチル−6−(3−メチルブトキシ
)フェニル]アセトアミド、α−クロロ−N−メチル−N−((2−メチル−6
−プロポキシフェニル)アセトアミド、N−(2−ブトキシ−6−メチルフェニ
ル)−α−クロロ−N−メチルーアセトアミド、(2,4−ジクロロフェノキシ
)酢酸イソブチル、1−(1−シクロヘキセン−1−イル)−3−(2−フルオ
ロフェニル)−1−メチルウレア及びエタンメツルフロン;殺菌・殺カビ剤、例
えばカルベンダジン、チウラム、ドジン、クロロネブ、シモキサニル、カプタン
、フォルペット、チオファネート−メチル、チアベンダゾール、クロロタロニル
、ジクロラン、カプタフォル、イプロジ
オン、ビンクロゾリン、カスガマイシン、チアジメノール、フルトリアフォル、
フルシラゾール、ヘキサコナゾール及びフェナリモル:殺バクテリア剤、例えば
オキシテトラサイクリン二水和物;殺ダニ剤、例えばヘキサチゾックス、オキシ
チオキノックス、ジエノクロル及びシヘキサチン;殺虫剤、例えばカルボフラン
、カルビル、チオジカルブ、デルタメツリン、メチル及びエチルパラチオン、ピ
リツリン、ペルメツリン、フェンバレレート及びテトラクロルビンフォス;なら
びに除草剤緩和剤、例えば5−チアゾールカルボン酸が含まれる。
カプセル化されるべき材料は1種の活性有害生物防除剤のみから成る必要はな
く、2種又はそれ以上の活性有害生物防除剤の組み合わせであることができる。
例えばそのような組み合わせは除草剤と他の活性な除草剤、あるいは除草剤と殺
虫剤であることができる。除草剤などの活性成分及びある特別な性質を得るため
の添加剤又は不活性材料などの非−有害生物防除成分を含む、カプセル化される
べき水−非混和性材料も含まれる。
水−非混和性活性有害生物防除剤は、液体の形態の場合、第1殻壁成分のため
の溶媒として作用することができ、あるいは特に活性有害生物防除剤が固体の場
合、メチレンクロリド、アルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの水−
非混和性有機溶媒を用いることができる。追加の有機溶媒を用いずに液体活性有
害生物防除剤を用いることにより、最終的カプセル化生成物において濃厚量の活
性有害生物防除剤が可能になる。水−非混和性活性有害生物防除剤及び第1殻壁
成分は、予備混合状態で水相に同時に加えられる。すなわち水−非混和性材料及
び第1殻壁成分を、水中油型乳液の形成のために水相に添加し、乳化する前に予
備混合して均一な有機液相を得る。
水−非混和性相中に最初に存在する水−非混和性活性有害生物防除剤の濃度は
、全水性組成物の1リットル当たり少なくとも約480グラムの水−非混和性活
性有害生物防除剤を与えるのに十分でなければならない。実際には、当該技術分
野における熟練者により認識される通り、極端に高濃度の水−非混和性活性有害
生物防除剤の使用は、望ましくない程濃厚なマイクロカプセルの懸濁液を生ずる
。一般に水−非混和性活性有害生物防除剤の濃度は全水性組成物の1リットル当
たり約480グラム〜約700グラムの範囲である。好ましい範囲は全水性組成
物の1リットル当たり約480グラム〜約600グラムである。
重縮合物の殻壁はポリウレア、ポリアミド、ポリスルホンアミド、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリウレタン又はそれらの混合物であることができる。
以下は本発明のカプセル化法を適用できる重縮合反応の特別な場合である。
通常それ自体水溶性として、又は水溶性塩の形態で選ばれる、水相でモノマー
として用いるのに適したジアミン及びポリアミンはエチレンジアミン、フェニレ
ンジアミン、トルエンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン及びピペラジンである。多官能基性反応物として有効なアミンは例えば1,3
,5−ベンゼントリアミントリヒドロクロリド、2,4,6−トリアミノトルエ
ントリヒドロクロリド、ポリエチレンイミン、1,3,6−トリアミノナフタレ
ン、3,4,5−トリアミノ−1,2,4−トリアゾール、メラミン及び1,4
,5,8−テトラアミノアントラキノンである。2より多いが3より少ないアミ
ン官能基を有し、殻壁にある程度の架橋を与えることができるアミンは
種類
[式中、Rは水素又はCH3 と等しく、mは1〜5であり、nは1〜5である]
のポリアルキレンポリアミン、例えばテトラエチレンペンタミン、ペンタエチレ
ンヘキサミンなどである。
界面重縮合において、方法で用いられる第1殻壁成分及び第2殻壁成分の量は
、製造されるパーセント殻壁含有率を決定する。一般に反応中には水−非混和性
材料に対して約3.5%〜約21.0%の第1殻壁成分及び約1.5%〜約9.
0%の第2殻壁成分が存在する。化学量論的量又は過剰量の第2殻壁成分を用い
ることができる。得られるカプセルの殻壁含有率はカプセル封入されるべき活性
成分の重量に基づいて約5%〜約30%、好ましくは8〜20%で変化し、より
特定的には10重量%である。
その場マイクロカプセル化に適したイソシアナートモノマーの代表的例は以下で
ある:1−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレンジイ
ソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、4,4’−メチレンビス(フ
ェニルイソシアナート)、2,4−トルイレンジイソシアナート、トルイレンジ
イソシアナート(60%2,4−異性体、40%2,6−異性体)、2,6−ト
ルイレンジイソシアナート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイ
ソシアナート、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェニルイソシアナート)
、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、2,2’
,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアナート、トルイ
レンジイソシアナートの80%2,4−及び20%2,6−異性体、ポリメチレ
ンポリフェニルイソシアナート(PAPIR)及びそれらの混合物。
その場マイクロカプセル化法で用いられる有機ポリイソシアナートの量は、そ
こで形成されるカプセルの殻壁含有率を決定する。好ましい範囲はカプセル封入
されるべき活性有害生物防除成分の重量に対して約50%〜約30.0%である
。最も好ましいのはカプセル封入されるべき活性成分の重量に対して約10%で
ある。
乳化剤が意味するものは、ビニルピロリドンが下記に記載の性質を有するコポ
リマー又はターポリマーを与えるのに十分な量で存在するビニルピロリドンのコ
ポリマー又はターポリマーである。本発明の乳化剤はビニルピロリドンと重合し
て本明細書に記載の反応条件下で安定な水中油型乳液を形成することができる水
溶性コポリマー及びターポリマーを与えるいずれの非−芳香族水溶性モノマーを
も含むコポリマー又はター
ポリマーである。ポリマーの組み合わせ全体を水溶性とするのに十分なビニルピ
ロリドンを含むいずれのポリマーの組み合わせも本発明の乳化剤として有用であ
ることが予想される。これは、水溶性で本条件下で安定な水中油型乳液を与える
ことができるコポリマー及びターポリマーを生ずる、ビニルピロリドンと組み合
わされた何個かの異なるポリマーを含むビニルピロリドンのコポリマー、ターポ
リマーを含む。好ましいコポリマーには1)酢酸ビニル、2)ジメチルアミノメ
チルメタクリレート及び3)第4級化(quarternerized)ジメチ
ルアミノエチルメタクリレートと共重合したVPが含まれる。コポリマー中のV
Pの重量%は20〜95%、好ましくは50〜85%である。好ましいターポリ
マーにはカプロラクタム及びジメチルアミノメタクリレートと共重合したVPが
含まれる。ターポリマー中のVPの重量%は10〜80%、好ましくは15〜5
0%である。特定の商業的に入手可能なVPコポリマーはAgrimerRDA
−10、AgrimerRDA−1、AgrimerRDAQ−300、Agri
merRDAQ−2000及びAgrimerRVA−6である。AgrimerR
DAVCは本発明の実行において用いるにも有効なターポリマーの代表的例で
ある。これらのポリマーはInternational Specialty
Products,1361 Alps Road,Wayne,New Je
rsey,07470により製造されている。これらのポリマーの製造は米国特
許第4,520,179号;米国特許第4,520,180号;米国特許第4,
554,311号;米国特許第4,554,312号;米国特許第3,691,
125号及び米国特許第4,521,404号に記載されている。
系において最も受容できることが見いだされた乳化剤濃度の範囲は、カプセル
封入されるべき活性成分の重量に基づいて約0.5%〜約15%、好ましくは2
%〜6%で変化する。
本発明のマイクロカプセルは水性液体からの分離などの追加の処理を必要とせ
ず、直接使用することができる。水性懸濁液はカプセル封入される水−非混和性
材料に依存する多くの用途に適している。例えば除草剤を含むマイクロカプセル
の水性懸濁液を液体肥料、殺虫剤などと組み合わせ、農業的用途に簡単に適用す
ることができる水溶液を形成することができる。
多くの場合カプセル封入された水−非混和性材料を含む水性懸濁液をびん詰め
又はカン詰めするのが最も簡単であり、その場合マイクロカプセルの水溶液に配
合成分を加えるのが望ましい。密度均衡剤(density balancin
g agent)、増粘剤、殺生物剤、界面活性剤、分散剤、塩、凍結防止剤な
どの配合添加剤を加えて懸濁液の安定性及び適用の容易さを増すことができる。
請求の範囲
1. (a)二酸及びポリ酸クロリド、ジクロロホルメート、ポリクロロホルメ
ート、ジスルホニル及びポリスルホニルクロリド、ジイソシアナート、ポリイソ
シアナート及びそれらの混合物から成る群より選ばれる水−非混和性モノマーA
ならびに活性有害生物防除成分を該活性成分の液体、融解固体又は非反応性水−
非混和性溶剤中の溶液の形態で混合して封入されるべき活性成分中のモノマーの
溶液を形成せしめ;
(b)アルキル化ビニルピロリドンとのコポリマーを除くビニルピロリドンの
水溶性コーもしくはター−ポリマーである0.5〜15重量%の乳化剤を含む水
中にモノマー及び活性有害生物防除成分の溶液を分散させて1〜100ミクロン
の寸法範囲の液滴を有する水中油型乳液を形成せしめ;
(c)ジアミン又はポリアミン、ジオール又はポリオールから成る群より選ば
れる水溶性モノマーBを(b)の乳液に加え、モノマーBを界面重縮合によりモ
ノマーAと反応させて有害生物防除成分の回りに殻を形成せしめるか;あるいは
またモノマーAがジイソシアナート、ポリイソシアナート又はそれらの混合物で
あり、場合により(a)からの溶液中に触媒を含み、両方共活性成分の重量に基
づいてモノマーAの濃度が3.5重量%〜21重量%であり、モノマーBの濃度
が1.5重量%〜9重量%である時、(b)の乳液を加熱してモノマーAをアミ
ン基に加水分解し、それにより加水分解により生成したアミン基を残留イソシア
ナートモノマーと反応させてポリウレアの殻壁を生成せしめ;
(d)場合により配合添加剤を加え;
(e)場合により乾燥し、続いて固体残留物を顆粒化して流動性固体
組成物を形成する
ことを含む、有害生物防除剤が実質的に粒子が凝集することなくプラスチック殻
にカプセル封入されている、カプセル封入された活性有害生物防除剤の粒子の水
中における、組成物の1リットル当たり480〜700グラムの有害生物防除剤
の高濃度組成物の製造法。
2.界面重縮合とモノマーBを用いて達成する請求の範囲第1項に記載の方法
。
3.モノマーAがジイソシアナートポリイソシアナート又はそれらの混合物で
あり、モノマーAを触媒の存在下で加熱して加水分解し、アミンを形成せしめ、
それを残留イソシアナートモノマーと反応させる請求の範囲第1項に記載の方法
。
4.乳化剤の濃度がカプセル封入されるべき活性成分の重量に対して約2重量
%〜約6重量%である請求の範囲第2項に記載の方法。
5.マイクロカプセル化有害生物防除剤がポリマー材料の封入壁内に活性有害
生物防除剤の液体、融解固体又は非反応性水−非混和性溶剤中の溶液を含み、こ
こで
(a)該活性有害生物防除剤は組成物の1リットル当たり約480〜約700
グラムの範囲の濃度で存在し;
(b)ポリマー材料の該封入壁は、活性有害生物防除剤に可溶性の2官能基性
又は多官能基性反応物である第1殻壁成分と、水溶性であり且つ2官能基性又は
多官能基性反応物である第2殻壁成分の反応生成物であり、該第1及び第2殻壁
成分の濃度は封入されるべき活性成分の重量に対してそれぞれ約3.5重量%〜
約21.0重量%及び約1.5重量%〜約9.0重量%であり;
(c)該水性液体は
(i)封入されるべき該活性成分の重量に対して約0.5重量%〜約15
重量%の、アルキル化ビニルピロリドンとのコポリマーを除くビニルピロリドン
の水溶性コーもしくはター−ポリマーである乳化剤、及び
(ii)場合により組成物全体の重量に基づいて約0.01%〜約30%
の配合添加剤
を含む水である
水性液体中に懸濁した直径が1〜100ミクロンの高濃度マイクロカプセル化活
性有害生物防除粒子を含む組成物。
6.活性有害生物防除剤の濃度が水溶液の1リットル当たり480グラム〜6
00グラムである請求の範囲第5項に記載の組成物。
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フロントページの続き
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AU,BB,BG,BR,BY,CA,
CZ,FI,HU,JP,KP,KR,KZ,LK,L
V,MG,MN,MW,NO,NZ,PL,RO,RU
,SD,SK,UA,US,UZ,VN