JPH08503403A - 多数回使用のための吸入器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は個別の投与分の粉末薬剤を担持する細長いキャリヤ（２）と一緒に用いるようになっている粉末薬剤の多数回投与用吸入器に関する。細長いキャリヤは前記投与分の薬剤を収容する等間隔のくぼみまたは空所（５）を備えたキャリヤ本体（３）と、個別の投与分の薬剤を覆って密封する剥離可能なカバー・ストリップ（４）とからなる。吸入器は、さらに、ハウジング（１）と、空気入口（６）と、粉末分与ステーション（７）と、空気出口（８）とを包含し、前記の入口（６）、出口（８）および分与ステーション（７）が吸入用の空気導管（37）によって相互に接続してある。吸入器は、さらにまた、細長いキャリヤ（２）を移動させて分与ステーション（７）内に個別に一回分の薬剤を連続的に置く変位手段（15）を包含する。この変位手段（15）が剥離可能なストリップ（４）に作用するように配置してあり、それによって、細長いキャリヤ（２）を分与ステーション（７）に移動させ、各個別の投与分の薬剤を露出させるようになっており、別体の割り出し手段（20）を設けてキャリヤ（２）の動きを感知あるいは測定し、必要に応じて、その動きを阻止して一回分の薬剤を収容する各空所（５）が変位手段（15）の作動時に分与ステーション（７）に正しく位置決めされ、保持されるようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】 多数回使用のための吸入器 発明の技術分野 本発明は、個別の投与量の粉末薬剤を担持する細長いキャリヤと一緒に用いる ようになっている粉末薬剤の多数回投与用吸入器であって、細長いキャリヤがキ ャリヤ本体と、個別の投与量を覆って密封する剥離可能なカバー・ストリップと からなり、吸入器はハウジングと、空気入口と、粉末分与ステーションと、空気 出口とを包含し、前記の入口、出口および分与ステーションが吸入用の空気導管 によって相互に接続しており、さらにまた、吸入器は細長いキャリヤを移動させ て分与ステーション内に個別に一回分の薬剤を連続的に置く変位手段と、分与ス テーションに関連してキャリヤ本体から剥離可能なカバー・ストリップを分離す る手段とを包含する多数回使用吸入器に関する。 発明の背景 上記の一般的な種類の吸入器は、粉末薬剤を分与ステーションに送り込む粉末 薬剤の貯蔵部に多数回分の薬剤を収容している標準の多数回粉末薬剤吸入器に比 べて、いくつかの利点を有する。 薬剤の個々の投与分をカバー・ストリップと細長いキャリヤの間にきっちり封 入密閉することができるので、薬剤を簡単かつ効果的に湿気から保護することが できる。この場合、投与量カウンターが示すぎりぎりまで確実に薬剤を利用でき るように多めに充填しなければならない貯蔵部がないので、薬剤の利用効率は高 い。投与回数は連続した細長いキャリヤをいろいろな長さに切断することによっ て簡単に変えることができる。既に使用したかまたは残っている投 与分の数を示す簡単な計数装置を配置するのは容易である。キャリヤを使いきっ たという事実（これは容易にわかる）によってだけですべての薬剤を使いきった ことを簡単に知ることができる。本装置は、薬剤を、たとえば湿気に曝す危険な しに安全に患者が再充填することが容易なので、何回か再使用して装置の単価を 引き下げるようにも設計できる。 細長いキャリヤを使用することのさらなる利点は、各投与分に番号を振る、す なわち、数字を各投与分に割り当て、ハウジングの開口部を通して数字を引き続 いて見ることができるようにすることによって計数装置を完全に省略することが できるということにある。投与分に降順で番号を振り、最も大きい数字を最初の 投与分に割り当てるようにすると好ましい。こうすると、計数機構を必要とする ことなく残りの投与回数分を簡単に表示することができる。 上述し、請求の範囲第１項の前文部分に記載したようなこの種の吸入器は、た とえば、GB-A-2 242 134に開示されている。この従来の装置は割り出し手段また は整合手段と協動して細長いキャリヤに設けたくぼみあるいは空所を利用して薬 剤を収容したくぼみを分与ステーションに正しく位置決めするように制御する。 一実施態様において、この装置はカバー・ストリップを巻き上げるスプールを備 える（割り出し手段はここではキャリヤを移動させるのに用いられるくぼみと係 合している）。しかしながら、カバー・ストリップを巻き上げるスプールの直径 が巻き上げたカバー・ストリップの量に応じて変わるので、その結果、カバー・ ストリップの巻き取り速度も変わり、一方、キャリヤの移動量は変わらない。こ れを補正するために、カバー・ストリップを巻き上げるスプールはかなり複雑な 摩擦カップリングを備え、巻き上げスプールが細長いキャリヤの移動に相関して 滑ることができるようにしている。 別の実施態様（示唆はされているが、詳しくは説明されていない）では、上記 の影響を補正するため細長いキャリヤのくぼみ間の距離を変化させるが、細長い キャリヤの製造・充填過程が複雑になる。さらに、たとえば、長い予め製造され たキャリヤ部分を異なった長さの部片に切断することによって投与薬剤の数を容 易に変えるというわけにはいかない。 いずれの場合でも、細長いキャリヤ（および特にくぼみ）は比較的硬くして割 り出し手段または整合手段と協動する作動手段としてくぼみを使用できるように しなければならない。これは用途によっては望ましくないこともある。割り出し 手段と組み合わせてくぼみを使用するということは、また、上述した硬さとは別 に、くぼみを割り出し手段あるいは整合手段を滑らないように最小限の寸法とし なければならないので、くぼみの寸法の制限ともなる。このことは薬剤も最小限 の寸法としなければならないことを意味する。 他の関連した従来の装置のいくつかが、たとえば、WO 90/13327、WO 90/13328 およびEP-A1-0 469 814に開示されている。 発明概念の簡単な説明 本発明の目的は、少ない投与量の非常によく効く薬剤を収容する小さい空所ま たはくぼみを有するキャリヤを使用することができ、また、吸入前または吸入中 にくぼみからの粉末薬剤の放出を容易にするために必要に応じて分与ステーショ ンである程度まで変形させるのに十分な可撓性を有する材料で作ることができる 上述した種類の吸入器を得ることにある。本発明のさらなる目的は、構造簡単で 安価に製造できる多数回投与用吸入器を提供することにある。 これは、請求の範囲第１項の特徴記載部分に記載したように、個別の投与薬剤 がキャリヤに沿って等距離に位置しており、剥離可能なカバー・ストリップに、 あるいは、キャリヤ本体に作用するように変位手段を配置し、細長いキャリヤを 分与ステーションに移動させると共に各個別の投与分の薬剤を分与ステーション で露出させるようにし、別個の割り出し手段を設けてキャリヤの動きを感知ある いは測定し、必要に応じて一回分の薬剤を収容する各くぼみが前記変位手段の作 動時に分与ステーションに正しく位置決めされ、保持されるのを確実にするため 、キャリヤの動きを阻止することによって達成できる。 本発明のさらなる好ましい実施例は請求の範囲の従属項に記載してある。 図面の簡単な説明 第１図は、吸入器の基本原理を示す好ましい実施例の概略図である。 第２図−第５図は、キャリヤの移動量を決定し、キャリヤを分与ステーション で正しい位置に保持する手段の基本原理を示す好ましい実施例の概略図である。 本発明の好ましい実施態様の詳細な説明 ここで、添付図面における正確な向きに関して以下に用いるすべての用語、た とえば、「上方」、「下方」、「時計方向」などが単に図の説明の便宜上のもの であり、発明の範囲を限定するものではないことは了解されたい。 第１図でわかるように、好ましい実施態様の吸入器はマウスピー ス９を有するハウジング１を包含する。空気入口６が空気導管37によって分与ス テーション７を経由して空気出口８に接続している。投与薬剤を担持する細長い キャリヤ２は、薬剤を収容するくぼみまたは空所５を備えた下方テープ３と、空 所を密閉する連続した剥離可能なカバー・ストリップ４とを包含する。剥離可能 なストリップ４は分与ステーション７のところで下方テープ３から剥れ、分与ス テーションに位置した任意の空所内の薬剤を露出させる。分与ステーション７は 空気導管37の狭窄部として形成してある。下方テープ３はこの狭窄部の壁の１つ となる。図面では、空所５を分与ステーション７の中央にどのようにして位置さ せるかがわかるであろう。 カバー・ストリップ４は、分与ステーション７の直前に位置したガイドローラ 18によって下方テープ３から離れるように案内され、ハウジング１の外に部分的 に突出する作動ホイール12に固定した第１巻き上げスプール15に巻き付けられる 。スプール15および作動ホイールは、ハウジング１内に支持された共通の軸17上 に回転自在に支持されている。作動ホイール12の周面には歯13が設けてある。こ れらの歯は、二重の機能を果たすことができる。すなわち、ホイールを手で動か したとき（ホイールの周縁がハウジングの外に突出している実施態様では）に把 持力を高めることと、第２−５図に関連して以下により詳しく説明する要領で二 重爪22と協動することである。 下方テープ３は分与ステーション７の後ろに位置した第２ガイドローラ19によ って第２巻き上げスプール11上に案内される。第２巻き上げスプール11は、べル ト36（たとえば、ゴムで作ることができる）を介して第１巻き上げスプール15に よって駆動される。このベ ルトは下方テープ３とカバー・ストリップ４の巻き取り速度の差を補正する安価 で簡単な摩擦カップリングとして作用することになる。すなわち、下方テープの 厚さとカバー・ストリップの厚さとがほぼ等しく、２つの巻き上げスプールが同 じ直径を持ち、キャリヤの空所からの影響がなんらない場合には、巻き取り速度 にはなんら大きな差が生じない。 ２つのガイドローラ18、19は、下方テープ３を分与ステーション７において正 しく方向付け、整合させるようにも作用する。分与ステーション７が空気導管37 内の狭窄部として設計してあるので、空気導管を通して吸入された空気は下方テ ープにある空所の口を横切って急速かつ乱流として移動することになる。こうし て、空所から粉末薬剤の投与分を吸い上げることになる。 空気流は空気導管37に沿ってマウスピース９まで粉末投与薬剤を移動させるこ とになる。空気導管37および／またはマウスピース９は粉末状の薬剤に生じる可 能性のある集塊を壊す集塊分解手段38を備える。衝撃を受けると、粉末集塊を有 する薬剤は呼吸範囲内のサイズ（10μmより小さく、好ましくは、５μｍよりも 小さい）の大量の微粒子を有する微細に分割された薬剤に破砕されることになる 。 集塊分解手段の形状、寸法は変わり得るが、好ましくは、EP-B-237 507に記載 されているようなデフレクタ装置の形であってもよいし、WO 92／04069に記載さ れているように平坦な密着面を包含してもよいし、集塊分解効果を与える他の任 意の適当な形態であってもよい。集塊分解手段は第１図に示すように空気導管37 および／またはマウスピース９に設けることができる。 新しいテープを吸入器に取り付けようとする場合には、カバー・ ストリップ４の自由端を巻き上げスプール17にしっかりと取り付け、下方テープ ３の自由端を巻き上げスプール11に取り付ける。 キャリヤ２は交換可能な第３のスプール10に巻いて保管し、そこから繰り出す ようになっている。 キャリヤ２は、さらに、その両方の長手方向縁に沿って設けると好ましい等間 隔の送り孔（図示せず）を備える。これらの送り孔は、ハウジング１内に回転可 能に軸支したスプロケット・ホイール20のスプロケット21と係合するようになっ ており、キャリヤ２が長手方向に変位したときにスプロケット・ホイール20がキ ャリヤ２と共に回転する。さらに、くぼみ25を備えたラチェット・ホイール23と くぼみ26を備えたはめば歯車24がスプロケット・ホイール20と同軸にかつしっか りと取り付けてあって一緒に回転するようになっている。はめば歯車24は、ハウ ジング（図示せず）にある孔を通して見ることのできるスケールを備えたはめば 歯車16の形をした計数装置を作動させるように作用し、以下により詳しく説明す る目的のためにカムとして付加的に作用する。 第２−５図は割り出し手段の機能および特に第１図に示さないいくつかの部分 のディテールを示す。 これらの図は、したがって、キャリヤ２を、下方テープ３、くぼみ５、カバー ・ストリップ４、スプロケット21を有するスプロケット・ホイール20、ラチェッ ト・ホイール23、はめば歯車24、ガイドローラ18、二重爪22、歯13および巻き上 げスプール13を備えた作動ホイール12およびトリガ14と共に示している。 図面は、さらに、二重爪22がラチェット・ホイール23と協動する第１爪27と作 動ホイール12の歯13と協動する第２爪28とを備えてい る状態を示している。第１、第２の爪は互いに固着してある。二重爪22は軸30に 揺動可能に支持されており、トリガ14と協動する偏心肩部29を備えている。 割り出し手段は、さらに、第２爪28上の肩部34と協動する戻り止め32を備えて いる。肩部34は戻り止め32と係合する上下の面を有する。上面は戻り止め32の長 手方向部分とほぼ平行な向きとなっている。しかしながら、下面は上面に対して ほぼ直角の向きとなっている。 はめば歯車24と協動するカム従動子31が戻り止め32に固着してある。戻り止め および従動子は軸35上に回転可能に支持されている。戻り止めおよび従動子は反 時計方向にばね負荷されており、一方、二重爪は時計方向にばね負荷されている 。トリガ14はハウジング１から外方へトリガを片寄せるばね33によってばね負荷 されている。 第２図は、新しい投与分を収容する空所を分与ステーションに移動させる前の 割り出し手段の初期位置を示している。この位置において、トリガ14は肩部29上 に乗っている。爪28は歯13と係合しており、これによって、作動ホイール12が阻 止されている。爪27はラチェット・ホイール23と係合しており、それによって、 スプロケット・ホイール20が阻止されている。その結果、キャリヤ２が阻止され ている。最後に、戻り止め32が肩部34の上面に乗っており、それにより、カム従 動子をはめば歯車またはカム24から離脱した状態に保持している。 吸入器を使用しようとする場合、粉末薬剤の新しい投与分を収容する空所は、 通常、分与ステーションに移動させる。ホイール13、20を自由にし、また、キャ リヤのこの動きを許すために、トリガ14 を第３図に示すようにばね33の作用に抗して押し下げる。トリガは肩部29に作用 してそれを変位させ、二重爪22をばねの片寄せ力に抗して反時計方向に揺動させ る。これにより、第２爪28が作動ホイール12の歯13から離脱し、第１爪27がラチ ェット・ホイール23のくぼみ25から離脱する。戻り止め32はばね片寄せ力の影響 の下に肩部34の上面から離れるように摺動し、やや反時計方向に揺動し、その端 が肩部34の下面に乗り、二重爪22が時計方向に揺動するのを防ぎ、爪27、28の両 方をそれぞれのホイールから離脱した状態に保持する。戻り止め32の上記の動き の結果として、カム従動子31がはめば歯車あるいはカム歯車24のくぼみ26の１つ の中に揺動することになる。 ここで、ホイール24のくぼみ26は、爪27がくぼみ25と係合できたときにカム従 動子31がくぼみ26内へ揺動できるようにラチェット・ホイール23のくぼみ25に対 して方向付けてあることに注目されたい。作動ホイール12とスプロケット・ホイ ール20の両方が今や自由に回転することができる。 第４図は分与ステーション内へ新しい投与分の薬剤を移動させるため作動ホイ ールが回転したときに起きる状態を示している。 カバー・ストリップ４がスプール15にしっかりと取り付けてあるので、作動ホ イール12が回転すると、カバー・ストリップがスプール15に巻き付けられ、キャ リヤ２および下方テープ３を吸入器を通して前方に引っ張ることになる。しかし ながら、この前方移動は、スプロケット・ホイール23および巻き上げスプール15 が自由に回転できる限りでのみ可能である。スプール11がスプール15およびベル ト36を介して作動ホイール12によって駆動されるので、下方テープ３がスプール 11に巻き取られることになる。 カム従動子31ははめば歯車24（本実施例ではカムとして作用する）の歯の影響 をうけて時計方向に揺動する。これは戻り止め32を肩部34の下面から強制的に離 脱させて肩部の上面に滑らせることになり、こうして、二重爪22を自由にする。 戻り止め32が肩部34の上面に乗ると、カム従動子31がその当初の位置に戻り、は めば歯車あるいはカム歯車24から離脱することになる。 しかしながら、二重爪22は、爪27が２つの隣り合ったくぼみ25間でラチェット ・ホイールの外周面を摺動するので、それぞれのホイール12、23を揺り戻して阻 止することができない。こうして、爪27がラチェット・ホイール23の周面にある 次のくぼみ25と係合するまで、作動ホイールは回転することができる。 爪27がラチェット・ホイール23のくぼみ25と再び係合したとき、割り出し手段 の構成要素は、第５図でわかるように、トリガの作動前のその当初の状態に戻っ ている。 くぼみ25間の角度距離は、ラチェット・ホイール23のこの回転が２つの隣り合 ったくぼみあるいは空所間の距離に正確に一致するスプロケット・ホイール20の 角運動に対応するように選ぶ。こうすれば、新しい露出した投与分の粉末薬剤を 収容する空所が先に分与ステーション内に位置していた空所と、その空所に容れ られている投与分が既に使用されたかどうかに無関係に、確実に置き変わる（或 る投与分の薬剤が或る期間にわたって分与ステーション内に露出されたままであ るならば、新しい薬剤を使用する方が好ましい）。こうして、吸入器の吸入準備 が整う。 薬剤のすべての投与分が使い尽くされ、吸入器が空であることは、キャリヤ２ の端がスプロケット・ホイール20を離れてすぐに作動ホ イールが自由に回転するという事実によって明らかに示される。これは、キャリ ヤがスプロケット・ホイールを離れたときにスプロケット・ホイール20とラチェ ット・ホイール23が作動ホイールと共に回転することがないという事実による。 その結果、トリガ14の押し下げ後に割り出し手段が第３図に示す状態に留まるこ とになり、この状態では、カム従動子35が戻り止め32を肩部34の下面から離脱さ せず、また、爪28が作動ホイールから離脱したままなので、作動ホイールは自由 に回転できる。 カバー・ストリップ４は吸入器を通してキャリヤ２を引っ張るのに用いられ、 下方テープ３は薬剤の個々の投与分のためのシール可能な容器つまり空所を形成 するだけの役目をなすので、下方テープ３および空所の設計、寸法および材料の 選択を変えて空所から空気流内へ粉末薬剤を放出するのを最適化するようにする とよい。 たとえば、空所は薬剤の放出を容易にするように比較的浅く設計するとよい。 テープの厚さあるいは材料は、狭窄部で加速した空気流が空所の口部を通過する ときにこれらの口部で得られる負圧によって空所が変形あるいは撓むことができ るほどに空所の壁、特に、底壁が十分な可撓性を持つように選ぶとよい。この可 撓性によって、空所内の粉末をばらばらにし、空気流への粉末の放出を容易にす る。底壁の動きは空所から粉末を文字どおり噴射するに十分な強さであってもよ い。 また、狭窄部の部分で平らな表面あるいは肩部上に張力をかけて下方テープを 置くことによって空所を機械的に変形させ、テープをこの表面に沿って引っ張っ たときに分与ステーションにおいて空所の底を押し上げることも可能である。こ うすれば、粉末が空気流内 へ多少とも押し上げられることになる。 吸入器の可能な変形例 本吸入器は当然ながら添付の請求の範囲内で多くのやり方で変形できる。 図示の実施態様での割り出し手段はテープの送り孔と係合できるスプロケット ・ホイールを包含する。このスプロケット・ホイールは、図では、下方テープと カバー・ストリップの分離位置の前に位置している。しかしながら、スプロケッ ト・ホイールは分離位置の後ろで分与ステーションの後ろに位置していて下方テ ープのみとあるいはカバー・ストリップのみと係合するようにしてもよい。たと えば、これは吸入器の設計に関して有利である。しかしながら、いくつかの実施 態様では、キャリヤの前方移動の後にスプロケット・ホイールが阻止されたとき に引っ張り作用を受けてスプロケット・ホイールに抗して変形しないようにキャ リヤは比較的強くなければならない。このような変形により、分与ステーション において空所を正しく位置決めできなくなるからである。使用されるそれぞれの 材料に応じて、通常は、好ましい実施態様で図示した分離位置の前方にスプロケ ット・ホイールを設置するのが好ましいかも知れない。こうすれば、下方テープ とカバー・ストリップの強度を合わせて利用できる。 しかしながら、このような状況においては、スプロケット・ホイール20および カバー・ストリップ４用の巻き上げスプール15がキャリヤの間欠移動の終わりに 同時に錠止されるので、上述した好ましい実施態様においてキャリヤが変形する おそれはないことに注目されたい。 しかしながら、スプロケット・ホイールが各間欠移動の終わりで錠止されない 場合には、分与ステーションの前にスプロケット・ホイールあるいはキャリヤに 作用する摩擦ブレーキまたはそれと同等のものを設けて巻き上げスプールから細 長いキャリヤに伝わるいかなる力も打ち消し、このような力の作用の下に間欠移 動の終わった後にキャリヤが移動するのを防ぎ、空所を分与ステーションに正し く常に確実に位置させるようにするとよい。 もちろん、割り出しホイール、たとえば、スプロケット・ホイールがキャリヤ の各移動の終わりで錠止されることが必要というわけではない。原則的には、割 り出しホイールが巻き上げスプールを明確かつ確実に錠止する機構を作動させる だけで十分であろう。 また、割り出し手段としてキャリヤと係合する摩擦ローラまたはホイール（た とえば、刻み付きのものである）を使用することも可能である。このローラは好 ましくは摩擦面を有する第２ローラと協動しなければならない。これら２つのロ ーラの間にキャリヤが保持される。情況に応じて、これら２つのローラの一方あ るいは両方を所定回転角度毎に錠止し、薬剤の新規な投与分が分与ステーション に導入されたときにキャリヤの動きを阻止する助けとしてもよい。 細長いキャリヤは交換可能なカセットに入れた保管ロールに取り付け、その自 由端を同じカセット内に設置した巻き上げスプールに取り付けてもよい。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ， ＣＡ，ＣＨ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，Ｈ Ｕ，ＪＰ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＧ ，ＭＮ，ＭＷ，ＮＬ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ， ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＫ，ＵＡ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ 【要約の続き】 じて、その動きを阻止して一回分の薬剤を収容する各空 所（５）が変位手段（15）の作動時に分与ステーション （７）に正しく位置決めされ、保持されるようにしてあ る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．個別の投与量の粉末薬剤を担持する細長いキャリヤ（２）と一緒に用いるよ うになっている粉末薬剤の多数回投与用吸入器であって、細長いキャリヤがキャ リヤ本体（３）と、個別の投与量を覆って密封する剥離可能なカバー・ストリッ プ（４）とからなり、吸入器はハウジング（１）と、空気入口（６）と、粉末分 与ステーション（７）と、空気出口（８）とを包含し、前記の入口（６）、出口 （８）および分与ステーション（７）が吸入用の空気導管（37）によって相互に 接続してあり、さらにまた、吸入器は細長いキャリヤ（２）を移動させて分与ス テーション（７）内に個別に一回分の薬剤を連続的に置く変位手段（15）と、分 与ステーションと関連してキャリヤ本体から剥離可能なカバー・ストリップを分 離する手段とを包含する多数回使用吸入器において、個別の投与薬剤がキャリヤ に沿って等距離に位置しており、剥離可能なカバー・ストリップ（４）に、ある いは、キャリヤ本体（３）に作用するように変位手段（15）を配置し、このよう にして細長いキャリヤ（２）を分与ステーション（７）に移動させて個別投与分 の薬剤を分与ステーションで露出させるようにし、別体の割り出し手段（20）を 設けてキャリヤ（２）の動きを感知あるいは測定し、必要に応じて、その動きを 阻止して一回分の薬剤を収容する各空所（５）が変位手段（15）の作動時に分与 ステーション（７）に正しく位置決めされ、保持されるようにしたことを特徴と する吸入器。 ２．キャリヤ本体が薬剤を収容する等間隔のくぼみまたは空所（５）を備えてい ることを特徴とする、請求項１に記載の吸入器。 ３．割り出し手段がキャリヤ（２）と係合するホイール（20）を包含し、 このホイールが所定回転角度毎に回転しないように錠止されることを特徴とする 、請求項１または２に記載の吸入器。 ４．割り出し手段がキャリヤ（２）に係合するホイール（20）を包含し、このホ イールがその所定回転角度毎に変位手段（15）を錠止する錠止機構（22、28、29 ）を作動させることを特徴とする、請求項１または２に記載の吸入器。 ５．ホイール（20）がキャリヤ（２）にある送り孔に係合するスプロケット（21 ）を備えたスプロケット・ホイールであることを特徴とする、請求項３に記載の 吸入器。 ６．ホイール（20）がキャリヤ（２）と係合する高摩擦面を有するローラまたは ホイールであることを特徴とする、請求項３に記載の吸入器。 ７．変位手段が作動ホイール（12）によって回転させられ得る巻き上げスプール （15）の形をしていることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１つに記載の 吸入器。 ８．巻き上げスプール（15）が、好ましくは作動ホイール（12）と係合する第１ ラチェット機構（13、28）によって錠止され得、この作動ホイール（12）がホイ ール（20）の所定回転角度毎にホイール（20）によって作動させられ、また、ト リガ手段（14、33）によって離脱させられ得、さらに、所定の回転角度毎に作動 ホイールと再係合するようになっていることを特徴とする、請求項６に記載の吸 入器。 ９．ホイール（20）が第１ラチェット機構を作動させるカム・従動子機構（25、 31）を包含することを特徴とする、請求項７に記載の吸入器。 10．ホイール（20）の回転角度がこのホイールと係合する第２ラチェット機構（ 23、24、27）によって決まり、この第２ラチェット機構が、トリガ手段（14、33 ）によって離脱させられ得、所定回転角度毎にホイールと再係合することを特徴 とする、請求項１〜９のいずれか１つに記載の吸入器。 11．割り出しホイール（20）が連続した数字の列を有する計数ディスク（16）に 設けた歯と係合するはめば歯車（24）と組み合わせてあり、各数字がキャリヤ上 の投与薬剤の１つまたは所定のグループに対応しており、計数ディスクが前記キ ャリヤの各間欠移動と同期して間欠的に回転させられ、ハウジングが数字を連続 的に見ることのできる開口または窓をそなえていることを特徴とする、請求項３ 〜10のいずれか１つに記載の吸入器。 12．一連の数字が投与薬剤に連続的に割り当てられており、１つの数字が各投与 分の空所あるいは所定グループの空所に対応しており、数字がキャリヤ上にあり 、キャリヤの変位と同時にハウジングの窓または開口を通して連続的に見ること ができることを特徴とする、請求項１〜10のいずれか１つに記載の吸入器。 13．投与薬剤に降順に数字が振ってあり、すなわち、最も大きい数字が最初の投 与分の空所に割り当ててあることを特徴とする、請求項９に記載の吸入器。 14．吸入中に空気流が吸入されるマウスピース９を設けたことを特徴とする、請 求項１に記載の吸入器。 15．集塊分解手段38が空気導管および／またはマウスピース９に設けてあること を特徴とする、請求項１および14に記載の吸入器。 16．微細に粉砕した粉末薬剤の吸入のための請求項１記載の吸入器 の使用。 17．請求項１記載の吸入器を用いて微細に粉砕した粉末薬剤を分与する方法。