JPH08503182A - 医療用容器のポート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 熱可塑性の容器壁（22）に、該壁（22）にスリットを入れ、該スリット（24）を通して熱可塑性チューブ（26）を挿入し、該チューブ内に心棒（34）を配置し、穴を規定する向かい合わせにしたダイ（30、32）を該シート（22）及びチューブ（26）を覆って配置し、そして該チューブ（26）及びシート（22）を融合させるために該熱可塑性樹脂を誘電加熱することによって、ポート（20）が形成される。好ましくは、ダイ（30、32）によって規定された該穴は、チューブ（26）のそれよりも僅かに小さく、そして該スリット（24）を覆って材料の肥厚部分（40）を形成するものである拡大した中央領域を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 医療用容器のポート 本発明は、医療用製品容器のようなハウジングのための改良されたポートに関 する。より具体的には、本発明は、例えば血液バッグ若しくは液体フィルターハ ウジング等の可撓性容器の壁面パネルに対して接線方向に配向されたポート及び これを形成するための方法に関する。 発明の背景 血液バッグ又はフィルターを含んだ血液濾過ハウジングのような医療用製品容 器の形成においては、容器の周縁シールに開口を形成するの一般的である。その ような開口は、そのような容器の周縁中にヒートシールされた、予め形成された チューブの形であってよい。そのような開口の一例は、1993年2月10日に発行さ れた欧州特許第526678号に示されており、それは周縁でシールされた２つの半分 部分より形成されたそのような容器の該シール中に成形されたポートを示してい る。代わりとしては、ポートは壁面パネル内に成形されており該パネルの平面に 対して90゜の角度に配向されている。 例えば慣用のマルチ血液バッグ閉鎖系形態の文脈において濾過によって白血球 を除去するための濾過システムの例が、Wisdomの米国特許第4,596,657号及び第4 ,767,541号並びにCarmen等の米国特許第4,810,378号及び4,855,063号に記述され ている。これらの配列においては、インラインの白血球濾過装置が使用されてい る。他のそのようなシステムが、Stewartの米国特許第4,997,577号に記述 されている。これらの濾過システムにおいては、白血球は赤血球が移し替え容器 へと移送される際に除去される。フィルターとして使用される材料の一例は、He agle等の米国特許第5,190,657号に提示されている。 そのような白血球フィルターを含む種々の目的のために使用されるプラスチッ ク容器のための改良された開口ポートに対する需要がある。容器の可撓性の壁中 に接線方向に形成されることのできるある形の液圧抵抗性の出口に対する特別の 需要が存在する。 発明の要約 例えば血液その他の体液又は医薬品を含む医療製品のための、液体材料のため の可撓性バッグのような容器の壁を貫通する改良された開口を提供することが本 発明の主目的である。 本発明の重要な具体的適用に従って、血液から白血球を除去するために用いら れるもののような血液濾過ハウジング内への開口が提供される。重要な一面は、 そのようなハウジングに、濾過機能に用い得るフィルター材料表面積を最大にす るような開口を提供することである。本発明によれば、開口が該ハウジングの側 面パネルに備えられ、それによってフィルター材料が該ハウジングの周縁まで延 びることが許容される。関連した一面に従って、ポートをフィルターハウジング の周縁シールに通す必要が取り除かれる。後者の面は、フィルターの周縁自体を フィルターハウジングの周縁内にシールすることを望む場合には、特に重要であ る。 本発明の更なる面に従って、容器の壁中にシールされた開口ポートを提供する ための方法が提供される。本発明の尚も更なる一面は、容器のパネル（このパネ ルは次いで周縁におけるシールによって 他のパネルと組み合わせて囲い込まれた容器構造を形成することができる）を通 る開口を提供することである。 本発明の尚も別の一面に従い、容器パネルに、該パネルの表面に対して接線方 向に又はほぼ平行に整列されたポートを備えることができる。 本発明の好ましい方法に従い、プラスチックのチューブが、誘電加熱によって 流動可能状態にまで軟化させることのできる材料で形成されたプラスチックのシ ートに形成されたスリット内に挿入される。該チューブ及びシート次いで、誘電 加熱によって軟化された該プラスチック材料に形状を付与する接触ダイを用いて 一体にシールされる。 本発明に従って、それらの隣接表面に形成された穴を備えた一対の向かい合わ せにしたダイが、シートにあるスリット内に置かれたプラスチックのチューブを 覆って配置される。該ダイ（導電性の材料で形成されている）は、該穴が該チュ ーブの両側に係合するように配置される。本発明の好ましい一具体例に従えば、 該穴には、該スリットを直接覆うように位置するアンダーカット又は拡大した中 央通路若しくは溝が備えられている。該穴は好ましくは、該スリット内に挿入さ れた該チューブの外径に対して幾分小さい寸法にしてある。該導電性のダイと該 チューブ内に挿入された心棒とを介して高周波エネルギーが該プラスチック材料 に伝達されると、該プラスチック材料は軟化され又は溶融されて、向かい合わせ にしたダイの形状に一致するように流される。前記中央溝は、その中へとチュー ブの軟化したプラスチック材料の流れが起こる通路を提供する。こうして、該ス リットを覆う位置に補強隆起又は肥厚部が備えられる 。該好ましい方法に従えば、加熱の間に該チューブ内に挿入されている心棒は、 該開口ポートの形状と完全性を維持する。 本発明の代わりの一具体例においては、該チューブのほぼ直径の大きさの中央 溝を有する向かい合わせにしたダイを使用することができる。代わりの具体例に おいては、相当な液体圧に耐えることのできる完全に漏れのないシールを保証す るための補強を提供する又は十分なプラスチック材料を備えるために、プラスチ ック材料のパッチが該スリットの領域を覆って配置される。 本発明の更なる利点及び面は、以下の詳細な記述及び添付の図面より明らかと なろう。 図面の簡単な記述 図１は、本発明を組み込んだ血液フィルターの透視図であり、 図２は、図１のフィルターアセンブリーの壁中のポート中心を通ってとった断 片的断面図であり、 図３は、本発明に従って開口を製造する最初のステップを示す、シート材料の 断片図であり、 図４は、図３に示されたシート材料を通る開口の製造の更なるステップを示す 断片図であり、 図５は、本発明の好ましい一具体例に従って完成されたポート開口を示す断片 図であり、 図６は、本発明に従う開口の製造における、加熱前の構成要素を示す中央断面 図であり、 図７は、加熱ステップの間の図６に示された構成要素の断面図であり、 図８は、図７の線８−８に沿ってとった断面図であり、 図９は、本発明の更なる一具体例に従って開口を形成する際に用いられる装置 及び材料のアセンブリーを示す断面図であり、 図１０は、成形操作に際した図９に示された材料の断面図であり、 図１１は、図10に従って形成された開口の最上部からとった透視図であり、そ して 図１２は、チューブを取り付けた図11のポートを示す中央断面図である。 図面の詳細な記述 図面を一層具体的に参照して、図１には、本発明の適用の図解の目的で用いら れているものであって限定のためのものでない血液フィルターアセンブリー10が 見られる。本発明の非常の多くの他の適用が当業者に明らかであろう。フィルタ ーアセンブリー10は、外側ハウジング12及び（例えば全血からの白血球の）濾過 のための囲い込まれたフィルター材料14を含む。ハウジング12の外周16は、囲い を形成するためにヒートシールされている。所望により、該フィルター材料14は それ自身、該囲いのシールされた外周内へと部分的にヒートシールされることが できる。可撓性のプラスチック又はゴム製のチューブ18及び19をポート20に慣用 の手段によって取り付けることができる。ハウジング12は、好ましくは、熱及び 圧によって周縁において一体に融合された２枚の熱可塑性材料よりなるシート22 及び23から形成されている。 本発明のポートを形成する方法は、図３〜８に詳細に示されている。図３に見 られるように、高周波エネルギーの適用によって軟化させられる熱可塑性材料の シートが準備される。シート22は、形成 される容器の形状に依存して円形、正方形又は楕円形のような如何なる所望の形 状であってもよい。シート22の周縁から離れた位置において、シート22にスリッ ト24が形成される。スリット24は、熱可塑性材料よりなるチューブ26の外径を丁 度受け入れる長さに形成される。 図６〜８に見られるように、一対の向かい合わせにしたダイ30及び32が、スリ ット24及びチューブ26の両側に配置されている。チューブ26の内径と等しい外径 を有する心棒34が、図６及び７に見られるようにチューブ26内に挿入される。ダ イ30及び32には、一緒になって円形の穴を形成する整列された凹面の窪み36及び 38が備えられている。窪み36及び38には、それぞれ中央溝37及び39が形成されて いる。シート22、ダイ30及び32、チューブ26及び心棒34は、すべて図７に示され ている配置へと一つに纏められる。ダイ30及び32を互いに正しく離しておくため に、好ましくは止めが備えられている。次いで、チューブ26及びシート22の熱可 塑性材料を軟化させるために、ダイ30及び32並びに心棒34を介して高周波エネル ギーが供給される。ダイ30及び32は、比較的冷えたままであり、該軟化した材料 の金型として働く。チューブ26からの材料は、示されているように、溝37及び39 内へと流入して、チューブ26とシート22のスリット24との間の接合を補強するの に役立つ材料の拡大部又は隆起40を形成する。僅かに厚みの減じた凹み42が、完 成したポート20を取り囲んでシート22に形成される。得られたポート開口20は、 こうして、その潜在的に最も弱い点において補強されており、そして実質的な圧 力に耐える能力がある。短い冷却時間の後、該熱可塑性材料は十分に硬化し、ダ イ30及び32並びに心棒34を抜き取ることができる。 図９〜12に示されている代わりの具体例においては、それぞれ凹面の窪み54及 び56を有するダイ50及び52が利用されている。この具体例においては、耐圧シー ルを提供するために十分な量の熱可塑性材料を保証するため、熱可塑性材料のパ ッチ58が使用されている。図12に見られる得られたシールは、厚くなった中央部 を有しない。ポートを取り囲んでいる部分60は、向かい合わせにしたダイ50及び 52によって規定されてシート22の厚みが僅かに減っているところである凹みを表 す。 前記の方法の一つによってシート22にこうしてポートが形成された後、完成し た容器を形成するために、次いで該シートを周縁において接着することができる 。チューブ18及び19は、例えば接着のような如何なる既知の方法で適用してもよ い。 説明の目的で血液フィルターの形成が示されているが、本発明は、例えば血液 バッグ静脈内溶液容器等の医療製品のための他の容器の形成にも等しく適用でき る。 シート22がポリ塩化ビニルで形成されていることが好ましい。ポリ塩化ビニル は、誘電ヒートシールに感受性のあるその性質の故に選択される。そのような材 料は、種々の可塑剤の添加によって変性させることができ、そして慣用の滅菌方 法を用いて容易に滅菌することができる。使用できる他の材料の一例は、エチレ ンビニルアセテートである。 本発明の使用の好ましい一例においては、シート22は、0.015インチの厚みを 有するポリ塩化ビニルで形成されている。0.02インチの壁厚、0.228インチの外 径及び0.75インチの長さを有するポートチューブが使用されている。心棒34は、 好ましくは、チューブの内 径より0.003インチだけ小さく、該心棒の先端はチューブ26の末端を超えて0.30 インチだけ延びている。 高周波エネルギーは、最初にエネルギーを心棒34に供給しそして次いで向かい 合ったダイ30及び32に供給するものであるスイッチ機構を介して、誘電加熱ステ ップのために供給される。２つのダイが0.012インチだけ離されることを保証す るため、好ましくは、機械的止めが用いられる。これらのダイは誘電加熱によっ ては余り加熱されないことから、それらは短い冷却時間の後に抜き取ることがで きる。 本発明によれば、フィルムより約20〜70％厚い壁厚を有するチューブが通常好 ましい。これは、完成したポート開口継手にリブ40を形成するための十分な量の 熱可塑性材料が利用できることを保証する。スリット24がチューブの直径より大 きくなくそれによってシート22とチューブ26との間の隙間のない初期嵌合を保証 することもまた好ましい。開口ポート20を取り囲んでいるフィルムは、好ましく は、該フィルムの元の厚みの少なくとも80％ある。チューブ26の壁は、元の厚み の約60〜70％に薄くなっている。 従って、容器のポート開口は、容器の壁に対して全体として接線方向又は平行 であるように形成することができることが分かる。フィルターハウジング10の場 合には、フィルターハウジング内へ入る及びこれから出る液体流に悪影響を及ぼ すことなくその周縁までフィルター自体が延びていることから、フィルターの利 用可能表面積は最大となる。 当業者の能力内に入る本発明の他の修正を、添付の請求の範囲の真の範囲から 逸脱することなく行うことができる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 熱可塑性の容器壁中にポートを形成するための方法であって、 熱可塑性材料のシートを準備し、 該シートにその周縁から離れた位置においてスリットを形成し、 該スリットを通して、熱可塑性の材料よりなる中空のチューブを、該チュー ブの端が該シートの各々の側に位置するように挿入し、そして 該チューブが、該パネルを通り該シートの表面に対して接線方向に配向され た開口を規定するように、該チューブの周りにおいて該シートを融合させる ことを含む方法。 ２． 囲い込まれた容器を形成するために該パネルが、別のパネルの周縁に対し て、次いで周縁においてヒートシールされるものである、請求項１の方法。 ３． 該チューブの両側には金属製のダイをそして該チューブの穴の中には心棒 を配置し、そして該チューブ及び熱可塑性のシートを軟化させるためにそれらを 誘電加熱するため、それらにエネルギーを適用することによって該融合ステップ が実施されるものである、請求項１の方法。 ４． 該ダイが、該チューブの両側に係合するよう適合させた円筒状の穴を規定 する２個の半分部分を含んでおり、そして該穴内にその中央を横断する拡大部が 備えられており、そして加熱ステップの 間該拡大部が該スリットの両側に配置されそれによって融合した材料よりなる肥 厚部分が該スリットを覆って形成されるものである、請求項３の方法。 ５． 該穴が該チューブの外径より僅かに小さい直径を有するものである、請求 項４の方法。 ６． 該熱可塑性材料がそれに対して高周波を適用することによって誘電加熱さ れるものである、請求項１の方法。 ７． その周縁から離して設けられた開口を有する熱可塑性シートより形成され た壁を含む容器であって、該開口が該シートを通って延びそれに対して接線方向 に配向された中空の熱可塑性チューブの形態であり、該チューブが該シート中に 融合させてあり、そして熱可塑性材料の肥厚部分が該チューブと該シートとの接 合箇所に配置されているものである、容器。 ８． 該壁が医療用製品を収容するための可撓性バッグの側壁である、請求項７ の容器。 ９． 血液フィルターのためのハウジングを含み、該ハウジングがフィルター材 料を囲んで周縁においてシールされた２つの壁より形成されており、該壁の各々 に該周縁シールから離した位置において接線方向の開口が形成されているもので ある、請求項７の容器。