JPH08502U - 着脱自在な防錆具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目 的】メッキ、コーティング、犠牲陽極の固着、合
金化などの方法を用いて錆止をするのが不都合な物品に
おいて、着脱自在な器具を用いて、これを錆止めする方
法の考案 【構 成】イオン化活性の高い金属３に、繋着物である
磁石４や、クリップ５や、懸架物７を合体させておい
て、防錆器具２をつくった。着けた場合、イオン化活性
の高い金属３が、犠牲陽極を固着したと同じ働きをする
ので、防錆する事ができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は着脱自在な防錆器具の考案に関する。

【０００２】

【従来の技術】

防錆技術は古くよりよく研究されており、理論的にも良く解明されて来ている 。 一は、防錆したい物品を被膜で覆う事で空気や水から遮断する方法であり、二 は業界に於いて犠牲陽極と称するイオン化活性の高い金属を防錆したい物品に固 着し、腐蝕環境下で犠牲陽極が先に腐蝕する間、防錆したい物品は腐蝕から守ら れると言う原理を利用するものであり、その三は、直流の電荷を印加してやる方 法であり、四はニッケルやクロム等を鋼に加えて錆びにくい合金化する方法であ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

鋼は優れた素材であり、鋼性、靭性に優れ、加工性もよい。 豊富で、価格も安い。 致命的な欠陥は錆び易いことである。 鋼を使用する限り、防錆対策は欠かせないが器具に因っては、防錆対策が出来 ないことがある。 例えば庖丁を例にとると、庖丁は説い刃先が命であり、切味を持続せる為には 、適宜刃先を研磨しなければならない。空気や水を遮断する被膜による方法は、 研磨すると被膜が破壊され、研磨した部分は露出するので、この部分から錆び始 める。 錆びにくく合金化した鋼は、切味の持続性が悪い。直流電圧を印加するには、電 気的な付属器具や電源が要る為面倒である。 犠性電極を固着する方法では、防錆したい部位が刃先きとなるので機能上、これ を固着すると、使い勝手が悪くなる。 庖丁を例として述べたが、これと同様の事はあらゆる刃物について言える。ナイ フ、なた、鍬、スコップ、あらゆる農機具、大工道具、工業用の切削道具等枚挙 に暇が無い。 使用時は、剥きだしの鋼の儘でありながら非使用時には、剥きだしの鋼の儘、防 錆状態にすることが出来ればが理想的である。電源等を使用せず、小さく、着脱 が簡単な防錆器具があればこれが実現出来て便利である

【０００４】

【課題を解決する為の手段】

図により説明すると、第一図は、後述、実施例（１）に於いて試作した本考案防 錆器具の一で、図中４は磁石、３はイオン化活性の高い金属であるである。磁石 （４）とイオン化活性の高い金属（３）を一体化したものが防錆器具（２）であ る。 使い方は、第（２）図で示す様に、庖丁（１）の刃面にイオン化活性の高い金属 （３）が庖丁（１）に密着する様に磁着（第（４）図参照）してやる。非使用時 には、この様にして保管しておくと防錆できる。 この器具の特徴は、庖丁が濡れていても、同時にイオン化活性の高い金属 が濡 れていれば、防錆出来ることである。

【０００５】

【作 用】

繋着物である磁石（２）、クリップ（５）、懸架台（７）等に於いて防錆したい 物品に、イオン化活性の高い金属（３）が直接触れるに作製し、防錆したい物品 の非使用時には本考案の防錆器具を繋着すると、弱い電流が流れて防錆すること ができる。

【０００６】

【実施例１】 第一図、第二図（４）に示す様な円盤状で、直径約３０粍の磁石に同大の亜鉛板 を、イオン化活性の高い金属として用い、両者を糊着した。この簡単な小さい物 が、本考案の防錆器具（２）の一例である。用い方は、例えば（第３図）に示す 様に、庖丁（１）の刃に磁着してやる。（第４図）は（第３図）Ｂ−Ｂ′の端面 図で、磁着する時には、イオン化活性の高い金属が、庖丁の刃面即ち防錆したい 物品の表面に密着する様に気をつける。 防錆器具（２）を庖丁（１）に磁着したまま、水道水で濡らし、これを食器乾燥 器中にて、１５分間、乾燥させた。庖丁（１）は、鋼製の、請び易いものを用い た。乾燥後、取出して調べて見ると、庖丁（１）の刃面は、乾燥前に比してやや 曇りを帯びてはいたが、目視し得る程の赤錆びは見られなかった。対象として防 錆器貝（２）を取付けないで乾燥させた同種の庖丁は、表面積約３０％に亙って 赤錆が発生していた。

【実施例２】

【第５図】は、クリップ５の刃部（６）先端にイオン化活性の高い金属（３）を （第５図）に示す如く取りつけた。このクリップで庖丁の刃部を挟み、水道水で 濡らした後、（実施例１）同様に食器乾燥器中にて１５分間乾燥させた。乾燥後 調べて見ると、庖丁の刃面は投入前に比べて全面に亙ってやや曇りが見られたも のの、目視し得る程の赤錆びは発生していなかった。対象として、このクリップ を付けずに乾燥させたものは、刃面の約３０％に亙って赤錆びが発生していた。

【実施例３】

【第７図】はＶ字型の溝（Ｂ）を有する庖丁の懸架台（７）を製し、Ｖ字溝（ ８）にはイオン化活性の高い金属（３）をＶ字面に貼りつけた。よく磨いた庖丁 （１）を（第７図）示す如く刃面を下に向けてＶ字溝にいれて置いた。庖丁（１ ）と、Ｖ字溝に水をかけて濡らし、第（７図）に示す状態のまま、これを食器乾 燥器に投入し１５分間乾燥させた。乾燥後調べて見ると、庖丁の刃面全体に亙っ て、やや曇りが見られたものの、目視し得る程の赤錆びは発生していなかった。 対象として投入した庖丁は表面約３０％に亙って赤錆びが発生していた。

【０００８】

【効 果】

１００％の錆び防止は不可能とは言うものの、この簡単な器具が、もたらす効 用は意外に大きい。高価な希少金属を投入して製造するステンレス鋼を敢えて使 う必要の無い物品は鋼製に戻す事が出来る。 セラミックにしても同様である。公害をもたらし易い鍍金や、種々のコーティン グの必要もなくなる。 寿命の尽きた物品は野外に放置しても、錆びて土に帰り、公害とはなりにくい。 物品を錆びから守ので、寿命は長くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例（１）の斜視図である。

【図２】は第１図 Ａ−Ａ′線の瑞面図である。

【図３】は、実施例１の防錆器具を、庖丁１に装着した
状態の正面図。

【図４】は、第３図Ｂ−Ｂ′線の端面図）

【図５】は本考案実施例２における防錆器具の斜視図。

【図６】は第５図Ｃ−Ｃ′線の斜視図。

【図７】は、本考案実施例３の斜視図。

【図８】は、第７図Ｄ−Ｄ′線の瑞面図。 図中１は庖丁、２は本考案実施例１における防錆器具。
３は、イオン化活性の高い金属、４は磁石、５はクリッ
プ、６は、クリップの刃部、７は本考案実施例３の懸架
台、８はＶ字溝を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 防錆したい物品に適宜着脱する事で防錆することが出来
   る防錆具