JPH085016Y2 - 生体修復用チタニウム系基材研磨用のワイヤーブラシ - Google Patents
生体修復用チタニウム系基材研磨用のワイヤーブラシInfo
- Publication number
- JPH085016Y2 JPH085016Y2 JP1990404744U JP40474490U JPH085016Y2 JP H085016 Y2 JPH085016 Y2 JP H085016Y2 JP 1990404744 U JP1990404744 U JP 1990404744U JP 40474490 U JP40474490 U JP 40474490U JP H085016 Y2 JPH085016 Y2 JP H085016Y2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wire brush
- titanium
- brush
- base material
- polishing
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- Expired - Lifetime
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- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
- Prostheses (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の技術分野】本考案は、生体修復用チタニウム
系基材の成型品を研磨する際に使用されるワイヤーブラ
シの改良に関する。
系基材の成型品を研磨する際に使用されるワイヤーブラ
シの改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】生体にて使用される修復材、例えば、人
工関節、人工骨、骨接合部材、歯科用の人工歯根、義歯
床などの硬質材料には、高純度チタニウムやチタニウム
合金が利用されている。これらの生体修復用基材は、生
体親和性に優れていると共に、生体為害性がなく、相当
の機械的強度を有しており、また、耐食性、耐磨耗性、
軽量性に優れている必要があるが、この用途には、チタ
ニウム系材料が適している。
工関節、人工骨、骨接合部材、歯科用の人工歯根、義歯
床などの硬質材料には、高純度チタニウムやチタニウム
合金が利用されている。これらの生体修復用基材は、生
体親和性に優れていると共に、生体為害性がなく、相当
の機械的強度を有しており、また、耐食性、耐磨耗性、
軽量性に優れている必要があるが、この用途には、チタ
ニウム系材料が適している。
【０００３】高純度チタニウムやチタニウム合金の基材
は、製造に際して、用途によっては単純な形状のもの
は、真空アーク再溶解法により、インゴットを溶製し、
このインゴットを熱間鍛造し、概ね所定の形状にして
後、冷間で切削研磨を行い、仕上げ工程に移る。また、
複雑な形状のものは、真空中水冷ルツボ中でアーク溶解
をして、所定形状が賦形された鋳型中に鋳造し、えられ
たチタン鋳物を加工修正して、製品とする。いずれの場
合も、研磨工程では、表面の研磨のために、バフ研磨
や、ワイヤーブラシによる研磨を行うのが普通である。
は、製造に際して、用途によっては単純な形状のもの
は、真空アーク再溶解法により、インゴットを溶製し、
このインゴットを熱間鍛造し、概ね所定の形状にして
後、冷間で切削研磨を行い、仕上げ工程に移る。また、
複雑な形状のものは、真空中水冷ルツボ中でアーク溶解
をして、所定形状が賦形された鋳型中に鋳造し、えられ
たチタン鋳物を加工修正して、製品とする。いずれの場
合も、研磨工程では、表面の研磨のために、バフ研磨
や、ワイヤーブラシによる研磨を行うのが普通である。
【０００４】従来のブラシは、黄銅製もしくはステンレ
ス綱製の線条の束を回転体の周側に多数放射状に植設し
て成るものいあり、このブラシをマイクロモーターハン
ドピースなどで回転させて、ブラシ周縁部の多数の線条
が被研磨物の表面を摺接して、鋳物の鋳張りや粗加工の
線条痕、突出凹凸傷を削除し平滑化し、さらに鏡面仕上
げを行うものである。
ス綱製の線条の束を回転体の周側に多数放射状に植設し
て成るものいあり、このブラシをマイクロモーターハン
ドピースなどで回転させて、ブラシ周縁部の多数の線条
が被研磨物の表面を摺接して、鋳物の鋳張りや粗加工の
線条痕、突出凹凸傷を削除し平滑化し、さらに鏡面仕上
げを行うものである。
【０００５】
【考案が解決しようとする課題】ワイヤーブラシは、当
該基材表面をワイヤーの線条が摺接して塑性変形するも
のであるが、同時に、当該線条自体が塑性変形を受け、
その表面が磨耗して剥離する。当該線条の表面から剥離
した微細破片の一部は当該基材の表面に刺着あるいは粘
着して固着することになる。従来の上記ブラシが黄銅ま
たはステンレス鋼で制作されたものであるので、高純度
チタニウム製またはチタニウム合金製の当該生体修復用
基材をブラシ研磨すれば、その基材には、黄銅またはス
テンレス鋼の微細粉末が固着しあるいは侵入し、このよ
うな基材を生体内に埋没して使用すると、長期の使用に
より、ごく微量ながら、当該チタニウム基材の表面から
はＣｕ、Ｚｎ、Ｃｒ、Ｎｉなどの重金属成分が生体中に
溶出し、生体に対して毒性を示し、また、これら微細片
が付着したチタン系基材の耐食性が劣化し、総じて為害
性を現す。本来為害性が全くない点で優れた生体用材料
である金属チタニウム製またはチタニウム合金製基材に
ついて、ワイヤーブラシによる研磨工程で、その長所が
損なわれるのは妥当ではない。また、黄銅製またはステ
ンレス鋼製の従来のワイヤーブラシは、当該チタニウム
系基材の高速研磨に使用すれば、焼き付きを生じ易くな
るものであった。
該基材表面をワイヤーの線条が摺接して塑性変形するも
のであるが、同時に、当該線条自体が塑性変形を受け、
その表面が磨耗して剥離する。当該線条の表面から剥離
した微細破片の一部は当該基材の表面に刺着あるいは粘
着して固着することになる。従来の上記ブラシが黄銅ま
たはステンレス鋼で制作されたものであるので、高純度
チタニウム製またはチタニウム合金製の当該生体修復用
基材をブラシ研磨すれば、その基材には、黄銅またはス
テンレス鋼の微細粉末が固着しあるいは侵入し、このよ
うな基材を生体内に埋没して使用すると、長期の使用に
より、ごく微量ながら、当該チタニウム基材の表面から
はＣｕ、Ｚｎ、Ｃｒ、Ｎｉなどの重金属成分が生体中に
溶出し、生体に対して毒性を示し、また、これら微細片
が付着したチタン系基材の耐食性が劣化し、総じて為害
性を現す。本来為害性が全くない点で優れた生体用材料
である金属チタニウム製またはチタニウム合金製基材に
ついて、ワイヤーブラシによる研磨工程で、その長所が
損なわれるのは妥当ではない。また、黄銅製またはステ
ンレス鋼製の従来のワイヤーブラシは、当該チタニウム
系基材の高速研磨に使用すれば、焼き付きを生じ易くな
るものであった。
【０００６】本考案は、上記の知見によりなされたもの
であって、被研磨物であるチタニウム系基材の耐食性を
何ら害せず、為害性を発現することなく、優れた研磨性
能を有するワイヤーブラシを提供せんとするものであ
る。
であって、被研磨物であるチタニウム系基材の耐食性を
何ら害せず、為害性を発現することなく、優れた研磨性
能を有するワイヤーブラシを提供せんとするものであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段及びその作用】本考案のワ
イヤーブラシは、金属チタニウムもしくはチタニウム合
金で製作された生体修復用基材をブラシ研磨するための
ものであって、ブラシの植設部材に植立した線条が金属
チタニウムの線条であることを特徴とするものである。
イヤーブラシは、金属チタニウムもしくはチタニウム合
金で製作された生体修復用基材をブラシ研磨するための
ものであって、ブラシの植設部材に植立した線条が金属
チタニウムの線条であることを特徴とするものである。
【０００８】ワイヤーブラシの線条は金属チタニウムに
より成形されているから、仮に、研磨の過程でブラシ線
条の微細片が被研磨物の当該生体修復用基材に固着した
としても、当該基材と微細片とは、同じく、チタニウム
であり、電気化学的にも同イオン化電位にあり、腐食の
ための基材金属と固着金属との間の分極は全く生せず、
従って、当該基材は、当該微細片の固着によっても、為
害性、耐食性に影響がない。また、金属チタニウム製ワ
イヤーブラシは、当該チタニウム系基材の高速研磨をし
ても、焼き付を生ずることがない。
より成形されているから、仮に、研磨の過程でブラシ線
条の微細片が被研磨物の当該生体修復用基材に固着した
としても、当該基材と微細片とは、同じく、チタニウム
であり、電気化学的にも同イオン化電位にあり、腐食の
ための基材金属と固着金属との間の分極は全く生せず、
従って、当該基材は、当該微細片の固着によっても、為
害性、耐食性に影響がない。また、金属チタニウム製ワ
イヤーブラシは、当該チタニウム系基材の高速研磨をし
ても、焼き付を生ずることがない。
【０００９】
【実施例】本考案の実施例を、次に示す。
【００１０】図１は、チタニウム金属の多数の線条１で
形成されたカップ状のワイヤーブラシの斜視図を示す。
当該線条１は、０．１７％Ｏと０．０３２％Ｎを含有し
た径０．３５ｍｍの冷間引抜き加工Ｔｉ線であり、中空
裁戴円錐体の植設部材２は、エポキシ樹脂で成型された
ものであり、当該多数のチタニウム線条１が約３０ｍｍ
の長さに切り揃えられて、その端部が当該植設部材２の
底面周縁に密植されてブラシを形成している。当該植設
部材２の裁頭部には、図示していないが、モータの回転
軸の先端を接続固定するための嵌合孔もしくは螺合孔が
設けられて、当該回転軸を回転させることにより、ワイ
ヤーブラシを回転させることができる。
形成されたカップ状のワイヤーブラシの斜視図を示す。
当該線条１は、０．１７％Ｏと０．０３２％Ｎを含有し
た径０．３５ｍｍの冷間引抜き加工Ｔｉ線であり、中空
裁戴円錐体の植設部材２は、エポキシ樹脂で成型された
ものであり、当該多数のチタニウム線条１が約３０ｍｍ
の長さに切り揃えられて、その端部が当該植設部材２の
底面周縁に密植されてブラシを形成している。当該植設
部材２の裁頭部には、図示していないが、モータの回転
軸の先端を接続固定するための嵌合孔もしくは螺合孔が
設けられて、当該回転軸を回転させることにより、ワイ
ヤーブラシを回転させることができる。
【００１１】図２と図３は、ホイール状ブラシの実施例
であるが、図２は、円盤状の植設部材２の外周部に、実
施例１と同様のチタニウム線条１を多数密植して形成し
たものであり、図２は、同様の多数のチタニウム線条１
を束に区分して、植設部材２の外周部に、植設したもの
であり、図２のものと異なる点は、当該線条の束相互に
空間を設けていることである。これらホイール状ブラシ
の当該植設部材２の円盤中心には、回転軸２２が固定さ
れており、研磨に際しては、マイクロモータハンドピー
スの回転部チャックに当該回転軸２２の先端部を挿入し
嵌合すれば、モータの回転により、当該ホイール状ブラ
シを回転させることができる。
であるが、図２は、円盤状の植設部材２の外周部に、実
施例１と同様のチタニウム線条１を多数密植して形成し
たものであり、図２は、同様の多数のチタニウム線条１
を束に区分して、植設部材２の外周部に、植設したもの
であり、図２のものと異なる点は、当該線条の束相互に
空間を設けていることである。これらホイール状ブラシ
の当該植設部材２の円盤中心には、回転軸２２が固定さ
れており、研磨に際しては、マイクロモータハンドピー
スの回転部チャックに当該回転軸２２の先端部を挿入し
嵌合すれば、モータの回転により、当該ホイール状ブラ
シを回転させることができる。
【００１２】図４は、スパイラル状のワイヤーブラシの
実施例であって、円柱状の植設部材２に、チタニウム線
条１を６列に区分して、各列が当該円柱に対して螺旋状
になるように、植設したものである。
実施例であって、円柱状の植設部材２に、チタニウム線
条１を６列に区分して、各列が当該円柱に対して螺旋状
になるように、植設したものである。
【００１３】図５は、棒状の植設部材２に、チタニウム
線条１を６列に区分して、各列が当該棒の長手方向に対
して平行に植設したワイヤーブラシの実施例を示した。
線条１を６列に区分して、各列が当該棒の長手方向に対
して平行に植設したワイヤーブラシの実施例を示した。
【００１４】図６は、手動用平ワイヤーブラシの実施例
であって、木質の柄２１と一体を成す平板状の植設部材
２に、チタニウム線条１の束を林立させたものである。
であって、木質の柄２１と一体を成す平板状の植設部材
２に、チタニウム線条１の束を林立させたものである。
【００１５】図７は、図１に示したカップ状のワイヤー
ブラシの当該植設部材２の裁頭部に回転軸２２の一端を
固定して形成したカップ状のワイヤーブラシの実施例で
ある。
ブラシの当該植設部材２の裁頭部に回転軸２２の一端を
固定して形成したカップ状のワイヤーブラシの実施例で
ある。
【００１６】以上の実施例においては、ワイヤーブラシ
には、図１に示した実施例において使用した組成のＴｉ
線が使用されたが、本考案のワイヤーブラシには、金属
チタニウム線条に、一般として、高純度Ｔｉ線のほか、
Ｏ（酸素）とＮ（窒素）とにより固溶強化された工業用
Ｔｉ線などが使用できる。
には、図１に示した実施例において使用した組成のＴｉ
線が使用されたが、本考案のワイヤーブラシには、金属
チタニウム線条に、一般として、高純度Ｔｉ線のほか、
Ｏ（酸素）とＮ（窒素）とにより固溶強化された工業用
Ｔｉ線などが使用できる。
【００１７】
【考案の効果】本考案の生体修復用チタニウム系基材研
磨用のワイヤーブラシを実施すれば次のような効果を奏
する事ができる。即ち、ワイヤーブラシの素材は当該基
材の素材と同じく、金属チタニウム製であるから、当該
基材は、当該ワイヤーブラシにより研磨されたものであ
っても、生体内に埋没されて長期に体液中にあって、溶
出するような物質は皆無であって、又、耐食性を害され
ず、為害性を生ずることがなく、また高速研磨時におい
ても焼き付くおそれがなく、従って、安心して生体修復
用チタニウム系基材を当該ワイヤーブラシによって、研
磨することができる。
磨用のワイヤーブラシを実施すれば次のような効果を奏
する事ができる。即ち、ワイヤーブラシの素材は当該基
材の素材と同じく、金属チタニウム製であるから、当該
基材は、当該ワイヤーブラシにより研磨されたものであ
っても、生体内に埋没されて長期に体液中にあって、溶
出するような物質は皆無であって、又、耐食性を害され
ず、為害性を生ずることがなく、また高速研磨時におい
ても焼き付くおそれがなく、従って、安心して生体修復
用チタニウム系基材を当該ワイヤーブラシによって、研
磨することができる。
【図１】カップ状のワイヤーブラシの斜視図。
【図２】ホイール状のワイヤーブラシの斜視図。
【図３】ホイール状のワイヤーブラシの斜視図。
【図４】スパイラル型のワイヤーブラシの斜視図。
【図５】パラレル状のワイヤーブラシの斜視図。
【図６】手動用平ワイヤーブラシの斜視図。
【図７】カップ状のワイヤーブラシの斜視図。
１ ブラシ線条 ２ 植設部材 ２２ 回転軸
Claims (1)
- 【請求項１】生体修復用チタニウム系基材を研磨するワ
イヤーブラシにおいて、当該ワイヤーブラシが多数の金
属チタニウムの線条をブラシの植設部材に植立して成る
ことを特徴とする生体修復用チタニウム系基材研磨用の
ワイヤーブラシ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1990404744U JPH085016Y2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 生体修復用チタニウム系基材研磨用のワイヤーブラシ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1990404744U JPH085016Y2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 生体修復用チタニウム系基材研磨用のワイヤーブラシ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0492770U JPH0492770U (ja) | 1992-08-12 |
| JPH085016Y2 true JPH085016Y2 (ja) | 1996-02-14 |
Family
ID=31882300
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1990404744U Expired - Lifetime JPH085016Y2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 生体修復用チタニウム系基材研磨用のワイヤーブラシ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH085016Y2 (ja) |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6234513A (ja) * | 1985-08-09 | 1987-02-14 | 丸菱工業株式会社 | フツトレスト付き椅子 |
| JPS6321920A (ja) * | 1986-07-10 | 1988-01-29 | Teijin Ltd | 無機細片混合全芳香族ポリアミド扁平糸とその製造方法 |
| JPH04197307A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-16 | Shiken:Kk | 洗浄用ブラシ |
-
1990
- 1990-12-25 JP JP1990404744U patent/JPH085016Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0492770U (ja) | 1992-08-12 |
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