JPH08501503A - 波形シート組立体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、複数の概略平行な波形接触シート（１２、１４）からなる組立体（１０）に関する。波形部（２２）はシート（１２、１４）に交互する頂部（２８、３０）を形成する。これら頂部（２８、３０）は傾斜壁にて連結される。各シート（１２、１４）の波形部（２２）は、実質的に平行とされ且つシート（１２、１４）の端縁に対し斜めの角度で配置される。隣接するシート（１２、１４）は、一つのシート（１２、１４）の波形部（２２）が頂部（２８、３０）の交差位置にて隣り合ったシート（１２、１４）の波形部（２２）を横切るように配向されている。各シート（１２、１４）は、隣り合ったシートの波形部の頂部が交差する少なくとも幾つかの位置に、概略平らとされる位置決めパッド（３６）を配置している。頂部（２８、３０）は、各位置決めパッド（３６）間に凹入部（４２）を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 波形シート組立体 発明の背景 本発明は、特定の構造体とされる波形シート組立体に関するものであり、更に 詳しく言えば、主として、熱伝達媒体或は接触体、大気汚染を低減するためのガ ス洗浄器、水或は廃水処理において使用される細流フィルタ用媒体、空気洗浄或 は空気除去装置に使用される媒体、及び他の表面媒体として使用される組立体に 関するものである。更に、本発明は、例えば海洋環境のためのモジュール型人工 リーフ（礁）システムのような組立体として使用するなど、他の用途にも使用可 能である。 組立体を形成する波形シート（波板）が概略垂直方向に配向された時には、本 発明の組立体は、蒸発熱交換器用のウエットデックフィル（wet deck fill）と して使用することができる。このようなウエットデックフィルは、例えば空調或 は他の工業プロセス用の冷却塔に使用することができる。数多くの従来の蒸発式 熱交換器においては、水が接触体で形成されたウエットデックフィルの上方に供 給される。一般に、このような接触体は、波形シート材形状とされている。水が フィルの上方から下方へと流れるとき、水の薄膜がフィル表面全体に形成される 。蒸発冷却効果をもたらすべく、このフィル上の水膜上をガス流、典型的には空 気が流動される。空気 流は、遠心ブロワー或はファンを使用することによって、上方より下方へと（平 行流）、水の通路を横切って（横断流）、或は水の流れに対向する方向に、即ち 、下方より上方へと（向流）流動される。本発明の組立体の構造によれば、典型 的な従来の接触体より広い表面積を提供することができ、それによって熱伝達を 促進することができる。加うるに、本発明の組立体は、従来の多くの接触体より 構造的一体性において優れている。 本発明は又、モジュール型人工リーフとして有用である。本発明の波形シート にて形成された組立体は、例えば海洋環境のような海水域の海底に関して所望通 りに配置される。例えば、この組立体は、概略水平方向に或は垂直方向に配置す ることができる。この組立体のシートは、ポリ塩化ビニルにて形成することがで きる。ポリ塩化ビニルは、より高度な形態の海洋生物のための食物連鎖の基礎を 確立するために必要とされる微生物を引き付ける。魚を引き付けるに当たっては 、組立体内の数多くの部屋及び開口部が有益である。研究の結果、魚は、大きな 部屋或は洞窟、それに開口が一つしかない部屋は避ける傾向にあることが分かっ た。本発明のシートにおける表面積の増大は、避難場所及び餌場のための表面積 を増大させることとなる。加うるに、本発明の組立体内に形成された数多くの部 屋及び複雑な通路は、魚及び他の海洋生物に対して自然界の魅力を提供する。 従来技術は、様々なタイプ、形状及び輪郭をした波形部（corrugation）を備 えた接触シートにて組み立てられている数 多くの種々の接触体を開示している。従来技術には、例えば、長手方向及び横方 向の波形部を備えた接触体が開示される。各シートを離隔するためにシートに対 し横方向に複数のＳ字状リブが配置される。組立体内の各要素の移動を低減する か又は防止するために、各Ｓ字状リブの内部アングルには小さなカップ状凹入部 が設けられており、最も近接した長手方向波形部の細長谷部のより小さな凹入部 内に収容する。このカップには各シートを一緒に接合するために接着剤を充填す ることができる。 従来技術は、それぞれ、曲線からなる領域と、角張った輪郭を有した領域とを 交互に備えた気液（気体と液体）接触装置のためのフィルシートを開示している 。これら領域は、曲線からなる輪郭を有した領域と角張った輪郭を有した領域と を連結する中間領域によって相互に連結される。このシートは、その波形部の頂 部に沿って或る間隔にてスペーサ装置を有している。このスペーサ装置は、偏平 部とボス部とを備え、隣接するシートを離隔し且つ固定する。 従来技術は、波形シートにて作製された横断流気液接触体を開示している。隣 り合ったシートは、反対方向に或る角度で斜行する主要な波形部を有する。この 折曲げ部即ち背部は、例えば緩やかな湾曲線からなる形状の如き輪郭とし得る。 垂直端縁部に近接して設けられたスロットにより表面張力を低減する。各シート は、各々のシートに接着された離隔用リボンによって一緒に固定される。 従来技術には又、角錐或は円錐の切頭形状とされる、凹部 及び突起部を備えた接触体シートが開示される。 従来技術は又、加湿器のための波形金属シート接触体を開示する。この接触体 の主要な波形部はそれぞれ、波形部の長手に沿って複数の小さな、一般に横方向 に配向された隆起部或は溝部を有している。又、従来技術には、同様の形状の接 触体ではあるが、シートの至る所に数多くの開口部を設け、この開口部の回りの 液体の下方への流れを偏向して、シートの表面に液体をより均一に分配せんとし ている接触体を開示している。 従来技術には、複数の、平行に且つ大体垂直に配置された波形接触シートを備 えた気液接触体が開示される。波形部は、シートにて交互する頂部を形成する。 波形部は、水平に対して或る角度にて配置されている。これら波形部は実質的に 平行とされ、隣り合ったシートは、一つのシートの波形部が、隣接するシートの 波形部をその頂部の交差位置にて横断するように配向されている。凹んだ形状と される位置決めパッドが各シートの波形部の頂部に配置されており、隣り合った シートの交差部の少なくとも約８０％が当接用凹入位置決めパッド対を有する。 凹入位置決めパッドは、接触体内での各シートの整列を容易なものとし、且つ、 構造的剛性を増大させるが、このようなパッドの使用によって隣り合ったシート 間の空間を減らし、それによって、シート間の空気流を減少させることとなる。 従来技術は、すぐ上で記述した接触体と同様の、複数の、平行に且つ概略垂直 に配置された波形接触シートを備えた気 液接触体を開示する。しかしながら、この接触体は、凹んだ位置決めパッドの代 わりに、隣接するシートの波形部の頂部が交差する位置に形成された位置決めパ ッドを備えている。各位置決めパッドは、波形部に対して概略横方向に配列され た対をなす突起バーを含む。各対をなすバー間の距離は、隣接するシートの当接 用位置決めパッドの概略横方向寸法に一致している。加うるに、各波形部の頂部 及び底部は、波形部の主要部分に対して或る角度にて形成される。波形部の各頂 部及び底部は、水平に対して垂直な軸線を有する。この垂直な頂部及び底部は、 従来の典型的な接触体より、より均一な積み重ね高さを可能とし、且つ構造的剛 性を増大させる。 しかしながら、構造的一体性において優れ、空気流動面積及び液体流動面積が 従来の典型的なシート組立体より増大されているシート組立体が本発明によって 提供されるが、斯かるシート組立体は、簡単に整列されるのが好ましい。 発明の要約 本発明によれば、従来技術の上記諸問題点は、概略平行に配列された複数の波 形シートからなる組立体によって軽減或は除去される。この組立体にて、波形部 はシートにて交互する頂部を形成し、この頂部は傾斜した壁にて連結される。各 シートの波形部は実質的に平行とされ且つシートの端縁に対して斜めの角度にて 配置されている。隣り合ったシートは、一つのシートの波形部が隣接するシート の波形部及び各頂部の交差位置を横切るように配向される。各シートには概略平 らな位置決めパッドが、隣り合ったシートの波形部の頂部の交差位置の少なくと も幾つかの位置に配置されており、そして、頂部は、各位置決めパッド間に凹入 部を有する。 図面の簡単な説明 上記本発明の要約及び次に説明する好ましい実施態様の詳しい説明は、添付図 面を参照すればより良く理解されるであろう。本発明を説明するために、現在好 ましいとされる実施態様が図面に例示される。しかしながら、本発明は、記載さ れる特定の構成及び手段に限定されるものではない。図面にて、 図１は、本発明の組立体の第１の実施態様の部分正面図であり、第１シートは 、次の隣接するシートを示すために一部破断されている。 図２は、図１の線２−２に沿ってとった組立体の第１の実施態様の部分横断面 図である。 図３は、図１の線３−３に沿ってとった組立体の第１の実施態様の部分横断面 図である。 図４は、図３と同様であって概略図３と対応した、本発明の組立体の他の実施 態様の部分横断面図である。 図５は、図２に概略対応した組立体の第１の実施態様の部分横断面図であるが 、第２及び第３シート間の空間を示す。 図６は、従来の組立体の部分横断面図であり、図５に示す組立体の図に概略対 応している。 図７は、従来の他の組立体の部分横断面図であり、図５に 示す組立体の図に概略対応している。 好ましい実施態様の説明 以下の説明にて用いる用語は便宜上使用するものであって、限定するためのも のではない。「水平」及び「垂直」という用語は、地球を基準とした方向を意味 する。この用語は、上述の語句、その派生語及び類似の意味を持った語句をも含 むものである。 各図面にて、同じ参照番号は同じ部材を示す。図面を参照すると、図１〜図３ には、全体として参照番号１０で示される、本発明に従った組立体の一部の一実 施態様が示される。図１は、この組立体１０の正面図で、第１シート１２を示す 。第１シート１２は一部破断されており、この第１シートの下に位置した第２シ ート１４を図示している。図２には、便宜上、追加の第３シート１６が図示され る。組立体１０は、特定の目的に応じて必要とされる所望の枚数のシートを有す ることができる。 本発明の組立体１０を詳細に説明するために、組立体１０は、その一例として 、当業者には周知の典型的な蒸発熱交換器における気液（気体・液体）接触体と して使用される場合について説明する。熱交換器の他の構成要素についての説明 は、本発明を理解する上では必要ではないと考えるので、熱交換器についてのこ れ以上の説明は省略する。 組立体１０は、蒸発熱交換器に使用するために、好ましくは、各シートが大略 垂直方向となるように配向される。組立 体１０が、例えばモジュール型の人工リーフのような他の目的に使用されるとき には、この組立体１０は所望の任意の方向に配向することができる。好ましくは 、組立体１０は、人工リーフとして使用されるときにも同様に大略垂直方向に配 向されるが、組立体は大略水平方向に配向することも可能である。組立体１０の 配向は、人工リーフとして使用される場合には、このリーフが設置される水域の 海底地形のようなファクターに依存する。 本発明の組立体１０は、種々の材料にて形成される複数枚のシートにて作製さ れる。本発明のシートを形成するのに、例えば、可塑化或は無可塑のポリ塩化ビ ニル、ポリスチレンレン、他の種々のエンジニアリング熱可塑性プラスチック及 びこれら材料のアロイなどのような熱可塑性プラスチック材料が使用可能である 。更に、本発明のシートを形成するのに、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム、銅の ような金属、アスベスト或はセルロースのような材料、及び、熱可塑性樹脂或は 同等物が含浸された繊維セルロース系材料のような複合材料を使用し得る。現在 、本発明のシートを形成するのには、ポリ塩化ビニルのような合成重合体を使用 するのが好ましい。 本発明に従って使用される他の樹脂及びエンジニアリングレジンの例としては 、アセタール、ナイロン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン（ＡＢＳ） 、スチレン−アクリロニトリル（ＳＡＮ）、ポリフェニレンオキシド、ポリカー ボネイト、ポリエーテルスルホン、ポリアリルスルホン、ポ リエチレン、ポリスチレン、テレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリプロピ レン、ポリシリコーン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイオノマー、ポリエポ キシ、ポリハロゲン化ビニリデンなどがある。当業者には理解されるように、特 定の材料の選択は、用途の諸条件によって決定される。例えば、人工リーフとし て使用する場合は、リーフ食物連鎖の基礎を形成する微生物を引き付けるために ポリ塩化ビニルにて形成するのが好ましい。 本発明の組立体１０の各シートは、シートを作製する材料に適した任意の従来 技術によって製造することができる。例えば、シートは、圧力成形、真空成形、 モールディング、ホットスタンピングなどの従来技術によって熱的に成形するこ とができる。 図１に最も良く図示されるように、各シート１２、１４はフロント面１８を有 する。このフロント面１８とは図面上勝手に付けた名称であるが、図１にて見え る面である。又、各シートは、図２に最も良く図示されるが、リア面２０を有す る。このリア面は図１に示されたシートの反対側の面である。各シートは又、上 端２１及び下端２３を有し、同じく、対向した右側端２５及び左側端（図示せず ）を有する。 本発明の接触シートは、好ましくは、後述するように、互に接触状態にある実 質的に同じ複数枚のシートにて組立てられる。図１に最も良く図示されるように 、各シートは、その幅及び高さの全体に亙って波形加工が行なわれ、実質的に平 行な複数の波形部２２が形成される。各波形部２２の高さＨ ’は、所望に応じて種々に変更されるが、一般に約６．５ｍｍ〜約６１．０ｍｍ の範囲とされる。 各波形部２２の主要部分は、水平に対してある角度を持っており、液体と気体 が組立体１０を通って有効に流れ、又、各シート上或は各シート間における気体 と液体の有効な接触を可能とする。各波形部２２は、組立体１０の使用目的に応 じてシートの大半或は全てを任意の所定の角度で形成することができるが、好ま しい角度は、水平に対して約１５゜から約６０゜とされ、現在のところ、最も好 ましい角度は、水平に対して約６０゜とされる。 一般に、各シートは互に実質的に同じものとされるのが好ましい。又、組立体 １０の各シートは、それぞれ隣接するシートに対して１８０゜の角度で配向する のが好ましい。 図１に最も良く図示されるように、現在好ましいとされる本発明の実施態様に おいては、波形部２２は、その上部分２４及び底部分２６を除いて、シートの高 さ方向全体に亙ってある角度にて形成される。波形部２２の上部分２４及び底部 分２６は、それぞれ端縁２１及び２３を備え、これら端縁は水平に対して概略平 行とされる。上部分及び底部分を対応の波形部２２に対して概略水平となるよう に配向することによって、組立体１０の水平積み重ね強度及び構造的一体性が増 大する。波形部の上部分２４及び波形部の底部分２６が、水平に対して平行とな る端縁部を有することは、少なくとも、組立体１０が交流式蒸発熱交換器におい てウエットデックフィルとして使用されたときには、本発明の製造及び構造上の 性能にとって好ましいことである。 各波形部２２は、図２に最も良く図示されるように、頂部２８と谷部３０を有 する。頂部２８と谷部３０は、主として組立体１０における各シートのより確実 な配向及び整列を可能とするために、図示されるように、平らにするのが好まし いが、本質的なものではない。隣り合った頂部２８と谷部３０とは傾斜した壁に て連結される。従って、例えば、図２を参照すると、シート１２の頂部２８に関 して言えば、波形部２２の左側には頂部２８を谷部３０に連結している傾斜壁３ ２を有する。同じ波形部２２の右側では、傾斜壁３４が頂部２８を谷部３０に連 結している。頂部２８に対する「頂部」という名称、及び谷部３０に対する「谷 部」という名称は、見る人の参照位置に依存するので、包括的用語としての「頂 部」は、頂部２８か或は谷部３０のいずれかを示すものとして使用する。このよ うな包括的用語を用いる理由は、一つのシートの頂部は、そのシートが垂直軸線 の回りに１８０゜回転されると、谷部となり、そして組立体１０の一部となるか らである。それにも拘らず、各シートのフロント面１８とは、例えフロント面１ ８が見る人から離れるようにシートを回転した場合であっても、見る人に対面す るものとして図１に図示されている面であると解される。 シートは、製造プラントにて或は組立体が使用される現場にて組立てられる。 組立体１０を作るのに使用されるシートは、実質的に同じものであるので、各シ ート１２、１４、１６を説明する必要はない。又、各シートは同じであるので、 一つのシート、例えばシート１６のフロント面１８が次の隣接するシート、例え ばシート１２のリア面２０と接触状態とされたとき、これらシートは互に重なり 合う。しかしながら、使用に際しては、組立体１０を形成するために、残りのシ ートは全て、好ましくは垂直軸線の回りに１８０゜回転され、隣り合ったシート において、フロント面とフロント面及びリア面とリア面の配向状態とされる。 図２に最も良く図示されるように、組立体１０の隣り合ったシートは、一つの シートの、例えばシート１２のリア面２０が、次の隣接するシートの、例えばシ ート１４のリア面２０と接触するように配置される。前記シート、例えばシート １４の最初のフロント面１８は、反対側の、次の隣接するシート、例えばシート １６のフロント面１８と接触する。換言すれば、各シートは、フロント面とフロ ント面及びリア面とリア面の配向状態とされるので、隣り合ったシート１２と１ ４の最初の谷部３０は互に接触し、同じく、隣り合ったシート１４と１６の最初 の頂部２８も互に接触する。 組立てた状態では、シートの大半或は全部に沿って或る傾斜角度で延在する波 形部２２の大部分が、隣接するシートの波形部２２を或る傾斜角度で横切り、そ の頂部が互に接触している。例えば、図１にて、第１シート１２の波形部２２は 、シート１２の上方右側から下方左側へと斜め下方向に延在する。次の隣接する シート、例えば、第２シート１４は、シート１４の上方左側から下方右側へと斜 め下方向に延在する波形部２２を有する。このような交互模様は、組立体１０形 成する対をなす各シート対毎に繰り返される。 例示された、現在好ましいと考えられる実施態様において、隣り合ったシート の波形部の偏平頂部は、位置決めパッド３６の領域にて互に接触する。この位置 決めパッド３６は、隣接するシートの波形部２２の頂部が交差する少なくとも幾 つかの位置に形成されている。好ましくは、位置決めパッド３６は隣接するシー トの頂部の各交差位置に形成される。概略平らとされる位置決めパッド３６は、 隣接するシート間の接触面積を増大し、組立体１０を形成する各シートの整列を 容易とする。 図１に示すように、位置決めパッド３６は、一般に波形部２２の頂部の幅に亙 って延在する。しかしながら、位置決めパッド３６の長さ「Ｌ」は、組立体１０ の意図する使用態様に依存して種々に変更される。 同様に、図１に示すように、位置決めパッド３６は、好ましくは、互に離間し 、突起した一対の横バー３８を有する。各バー３８は、各位置決めパッド３６の 対向した横端縁部４０に近接している。対をなす各バー３８は、各対をなすバー 間の距離が隣接するシートの当接位置決めパッド３６の概略横方向寸法「Ｔ」に 合致するように互に離間配置される。各対をなすバー３８は、好ましくは、平行 とされ、且つ、隣接するシートの波形部と交差することによって形成される鈍角 「Ｂ」に等しい波形部２２の傾斜角度に対して、鈍角「Ｃ」にて配置される。図 １に示すように、角度Ｂは約１２０゜であるが、当業者には、各シートの波形部 ２２が配向されるこ の角度Ｂは所望に応じて変更されることが、理解されるであろう。バー３８は又 、波形部２２の交差によって形成される鋭角「Ｅ」に等しい鋭角「Ｄ」にて配置 される。現在好ましとされるのは、角度Ｅは、角度Ｂの補角であって、約６０゜ である。隣り合ったシートの波形部が互に垂直方向に配向された時には、平らな 位置決めパッド３６は正方形或は矩形とされるであろう。隣り合ったシートの波 形部がその他の任意の角度に配向されたときは、平らな位置決めパッドは菱形を 形成するであろう。 図２に示すように、バー３８は、好ましくは、対をなすバーの間に、隣り合っ たシートからの結合用位置決めパッドを保持するに十分な高さＨを有する。この バーの高さＨは、好ましくは、約１ｍｍから約４ｍｍとされる。例えば、約３５ ｍｍの高さを有したシートにおいては、このバーの高さＨは約２ｍｍとすること ができる。好ましくは、このようなシートにおいては、各バー３８の幅Ｗ（図１ に図示）は約３ｍｍとされる。しかしながら、このバーの幅Ｗはシートの使用目 的により変更し得る。 位置決めパッド３６の的確な形状及び寸法は、数多くのファクター、例えば波 形部の断面形状及び隣接シートの波形部が互に交差する相対角度Ｂなどによって 決定される。 頂部は、各位置決めパッド３６の間に凹入部４２を有する。好ましくは、各凹 入部４２は、波形部２２の高さＨ’の約５０％より少ない程度にまで凹入される 。より好ましくは、凹入部４２は波形部２２の高さＨ’の約１５％〜約２５％に て凹入される。 前記凹入部４２は、図２及び図５に最も良く図示するように、対面する両凹入 部４２間に空間４３が形成されることによって正味の流動面積の増大をもたらす 。 従来の接触体は、平行且つ概略垂直に配置された複数の接触シートにて組立て られ、複数の平行な波形部を有し、接触シートに交互に配置された頂部を形成し ており、又、波形部は水平に対してある角度にて配置され、しかも隣接するシー トの波形部は互に交差するように配向されているが、幾つかの不利益を有してい る。図６は、凹んだ位置決めパッド３６’を有した典型的な従来の気液接触体１ ０’を示す。この従来の接触体１０’の空間４３’によって示される貫流領域は 、図５に最も良く図示される本発明の組立体１０の空間４３によって示される貫 流領域より相当小さくなっている。 図７は、位置決めパッド３６”を備えた他の典型的な従来の接触体１０”を示 す。各位置決めパッド３６”は、概略波形部に対して横断して配置された対をな す突起バー３８”を有する。この接触体１０”の貫流面積４３”も又、本発明の 組立体１０の貫流面積より小さい。 凹入部４２は、このような凹入部を有さない従来のシートに比べるとより大き な構造的一体性をシートに与える。凹入部４２は、各波形部２２の偏平頂部と隣 接傾斜壁３２、３４の間の接合部における曲げ及び撓みに対する抵抗を増大し、 それによって組立体１０の構造的一体性を高める。流動面積が正味増大すること によって、組立体１０を貫流する液体及 び気体の流量が増大し、且つ組立体を貫流する液体又は気体の圧力低下を低減す る。凹入部４２は、組立体を貫流する流れの乱れを増やし、気体と液体の混合を 高め、従って、蒸発熱交換器のウエットデックフィルとして使用した場合に、こ のような組立体の熱的性能を増大させると、考えられる。 図１〜図３の第１の実施態様における凹入部４２は、好ましくは、波形部２２ の長手方向に対して概略弧状に形成されている。この実施態様における凹入部が 概略弧状とされることは、図３に最も良く図示される。このように弧状形状とす ることにより、同じシートの隣り合った位置決めパッド３６の隣り合った対の隣 り合った位置決めパッド端縁４０を平面或は直線の端縁で連結した場合より強度 が増大する。これは、弧状とされる形状或は端縁は曲げに対する抵抗があり、そ の結果、平面或は直線の端縁とした場合のようなヒンジ機能が起こりにくいとい う理由からである。 概略弧状とされる凹入部４４は、好ましくは約Ｈ’〜約３Ｈ’、より好ましく は約２Ｈ’の曲率半径を有する。凹入部４２及び位置決めパッド３６を含む頂部 に沿った位置決めパッド３６の長さＬに対する、波形部２２の軸線に沿った凹入 部４２の長さの比は、好ましくは、約１：１から約３：１とされる。一例として 、波形部２２の高さＨ’は６．５ｍｍであり、位置決めパッド３６の長さＬに対 する凹入部４２の長さの比は約１：１である。他の例によると、波形部２２の高 さＨ’は６１．０ｍｍであり、位置決めパッド３６の長さＬに対する凹入部４２ の長さの比は約３：１である。 図４に最も良く図示されるように、他の実施態様によると凹入部４４を有する 。この各波形部２２の凹入部４４は、凹んだ平面壁４８を傾斜端壁４６にて隣接 する波形部２２の位置決めパッド３６に連結して構成される。図４の実施態様は 、平面とされる凹入壁４８を備えた凹入部４４を有しているが、平面或は直線の 端縁にて隣り合った位置決めパッド３６の隣接する端縁４０を連結し、隣り合っ た位置決めパッド間に凹入部を有さないシートに比べると、構造的一体性はなお 増大されている。これは、凹んだ平面壁４８が、位置決めパッド３６の平面に比 べれば、傾斜端壁４６のために、好ましくは平行とされる他の異なる平面位置に 位置しているからである。 各シートは、適当な任意の手段にて、例えば溶着、超音波接着、高周波接着、 接着剤による接着、熱溶接、又は溶剤接着などによって互に接合される。所望に 応じて、各シートは、互に接合する代わりに機械的に結合することもできる。現 在好ましいと思われる接合形態は、隣接するシートの互に接触している部分が交 差する各位置決めパッド３６位置にて密着接合されるように、溶剤接着が良い。 本発明の組立体は、例えば接触体用のウエットデックフィルとかモジュール型 人工リーフとか、更には、上述した他のタイプの表面媒体など、幅広く種々の用 途にて使用可能である。位置決めパッドにより、組立体の個々のシートは容易に 整列される。凹入部は、流動面積を増大し、このような組立体にて形成された接 触体の熱的性能を高め、又、より多くの 縦溝を形成する必要もなく水中生物のための貫流領域を増大せしめる。凹入部は 又、組立体の構造的一体性を増大し、これは又、波形部が圧潰しにくくなるとい う理由から、組立体を貫流する流量を増大させる。 本発明の概念を離脱することなく上記各実施態様を変更し得ることが、当業者 には理解されるであろう。従って、本発明は、上記実施態様に限定されるもので はなく、添付請求の範囲にて規定される本発明の精神及び範囲内にある変更態様 をも含むものであることを理解されたい。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．複数の概略平行な波形シートからなる組立体であって、波形部は前記シート に交互する頂部を形成し、これら頂部は傾斜した壁にて連結され、各シートの前 記波形部は、実質的に平行とされ且つ前記シートの端縁に対し斜めの角度で配置 され、隣り合ったシートは、一つのシートの波形部が各頂部の交差位置にて隣り のシートの波形部を横切るように配向されており、前記各シートは、隣り合った シートの波形部の頂部が交差する少なくとも幾つかの位置に位置した概略平らと される位置決めパッドを有しており、そして、前記各頂部は、各位置決めパッド 間に凹入部を有することを特徴とする組立体。 ２．前記位置決めパッドは、隣り合ったシートの頂部の各交差位置に形成される 請求項１の組立体。 ３．前記組立体を構成する複数のシートは、各シートの当接用位置決めパッド間 にて接着剤にて接合することにより一緒に結合される請求項２の組立体。 ４．前記組立体を構成する複数のシートは、各シートの当接用位置決めパッド間 にて熱溶接することにより一緒に結合される請求項２の組立体。 ５．更に、離間し且つ突起した対をなすバーを有し、各バーは各位置決めパッド の対向する端縁に近接しており、これらのバーは波形部に対して概略横断する方 向にあり、又、各対をなすバーは、各対をなすバー間の距離が隣り合ったシート の当接位置決めパッドの概略横方向寸法に対応するように、各対内にて互に離隔 していることを特徴とする請求項１の組立体。 ６．各対を構成するバーは、平行とされ且つ隣り合ったシートの波形部の交差に て形成される角度に等しい波形部傾斜角度に対してある角度で配置される請求項 ５の組立体。 ７．各凹入部は、波形部の高さの約５０％以下の程度にまで凹入される請求項１ の組立体。 ８．前記凹入部は、波形部の高さの約１５％から約２５％で凹入される請求項７ の組立体。 ９．前記凹入部は、波形部の長手方向に対して概略弧状とされる請求項１の組立 体。 １０．各波形部は高さＨ’を有し、そして、前記概略弧状とされる凹入部は約Ｈ ’から約３Ｈ’の曲率半径を有する請求項９の組立体。 １１．各波形部は高さＨ’を有し、そして曲率半径は約２Ｈ’とされる請求項１ ０の組立体。 １２．各波形部の凹入部は、凹入した平面壁を、波形部の隣接する位置決めパッ ドに連結する傾斜した端壁を有する請求項１の組立体。 １３．凹入部及び位置決めパッドを含む頂部に沿った位置決めパッドに対する凹 入部の長さの比は、約１：１から約３：１である請求項１の組立体。 １４．位置決めパッドに対する凹入部の長さの比は、約１．３：１である請求項 １３の組立体。