JP4369223B2 - 熱交換器用エレメント - Google Patents
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Description
即ち、波の高さを高くするとその分だけ金属板をヘッダー部に対して大きな絞り加工をすることになり、その境目に亀裂が生じ易い。そのため、従来の波形伝熱部を有するエレメントは、波の高さを比較的低いものにせざるを得なかった。その結果、波形伝熱部の伝熱面積が比較的小さいものとなり、熱交換性能の向上を余り期待できなかった。
そこで本発明は、波の高さを充分高くしつつ、ヘッダー部との境に亀裂が生じることがないと共に、波形伝熱部の各部に均一に内部流体を流すことができる構造の簡単な熱交換器用エレメントを提供することを課題とする。
波形伝熱部(4) の各波がその波の稜線方向へ連続して、ヘッダー部(3) の全幅に延在し、
前記対向する一対の金属板の流路方向の両端部の平面方形の全面に各波の稜線が直線状の直波(14)に形成される直波部を有すると共に、その両直波部の間の前記波形伝熱部(4) は、その各波の稜線が蛇行状の曲波(13)に形成されて、前記直波(14)のピッチおよび振幅が曲波(13)のそれらに等しく且つ連続して形成され、
そのヘッダー部(3) は、前記直波部内で、そこに延在する各波が倒されて平坦に押し潰され、そこに金属板の板厚3枚分の重合部(5) を有し、
その重合部(5) は、その出入口(9) に近いほど長く各波が押し潰されて、そのヘッダー部(3) の横断面が広く形成され、その直波部の押し潰された直波と、潰されていない直波との境が傾面(19)に形成され、
前記ヘッダー部(3) の前記波の並列方向の端部位置に、前記熱交換媒体の出入口(9) が設けられた熱交換器用エレメントである。
前記直波(14)の各波の稜線を、平面視で出入口(9) の開口面とのなす角が鋭角となるようにまたは、その稜線と開口面とが平行になるようにすることができる(請求項2)。
また、ヘッダー部3の波の押し潰された重合部5は、その出入口に近いほど各波の押し潰し長さが長くなって、そのヘッダー部の横断面積が広く形成されているから、エレメントの波形伝熱部4の各部に均一に内部流体を流通させ、熱交換を促進することができる。逆にいうと、各横断面が均一の場合には、波形伝熱部4の各部に流通する流体は不均一に流通するが、本発明ではヘッダー部の各断面を変えて、各部の流量を均一にできる。しかも、部品点数を増加させることなくそれを実現できる。
エレメントの両側にヘッダー部3を形成したので、そのヘッダー部3の各波の稜線が直線であるから、その波を押し潰し易く、製造の容易なエレメントとなり得る。また、ヘッダー部3が両側に位置されているため、エレメント内の熱交換媒体の流れを単純化し、性能の良い熱交換器用エレメントを提供できる。
しかも、そのヘッダー部3は、直線波部の一部を押し潰したものであるため、その押し潰しの境を、無理なく変形することが可能である。それと共に、押し潰された直波14と、潰されていない直波14との境が傾面19に形成され、ヘッダー部の流体を、その傾斜面および潰されていない直波を介して曲波に円滑に導くことができる。
図1は本発明の熱交換器用エレメントの平面図であり、図2は図1のII部拡大斜視図であって一部を分解したもの、図3は図1の III− III矢視断面図であり、図4は図1のIV−IV矢視断面図、図5は図1のV−V矢視断面図、図6は図1のVI−VI矢視断面図である。また、図7は本エレメントの製造工程を示すものであり、(A)はその第1工程の平面図、(B)は同第1工程の斜視略図、(C)はその第2工程の斜視略図、(D)は(C)のD−D矢視略図である。
この熱交換器は図1及び図2に示す如く、一対の出入口9を除いて周縁が閉塞された一対の金属板1,金属板2からなり、その両側に直角三角形の一対のヘッダー部3が180 度回転対称に位置し、それらの間に波形伝熱部4を有する。なお、この波形伝熱部4は図1において、その平面が平面平行四辺形となり、その両側辺が傾斜する。
次に、エレメントの両側に位置するヘッダー部3を構成する平面直角三角形の範囲では、その直波14は、夫々の波形がその波の進行方向の一方側へ断面S字状に倒されて平坦に押し潰され、そこに金属板の板厚3枚分の重合部5が断続的に形成されている。
即ち、先ず、図7(A)及び(B)の如く、金属板をその全幅に渡って波形に曲折する。その金属板の両側部においては、前述の如く、波の稜線12が直線状に形成された直波14で、それらの中間においては稜線12がその平面方向に曲折する曲波13となる。夫々の高さ、即ち、振幅は同一であり、それらのピッチも同一である。曲波13と直波14とは連続する。このような曲波13及び直波14は、プレス機械により一体に形成することもできるが、順送りプレスによって一つずつ形成してもよい。その場合には、より振幅の大きな波を形成できる。波形伝熱部4およびヘッダー部3の各波の断面形状は矩形波であってもサインカーブ波であってもよい。
なお、図7の(A)は金属板の要部平面図であり、(B)はその斜視図である。
この例において、直波14は図8(A)の如く、各波の一方側の第1立ち上がり面6が角θ傾斜し、他方側の第2立ち上がり面7が垂直に予め形成される。次いで、前記範囲で直波14の振幅がなくなるように直波14の上下両側から押し潰し、中心線S上に図8(B)の如く押し潰した重合部5を形成する。第1立ち上がり面6のみが角θ傾斜していることにより、上下に押し潰すことで、簡単に図8(B)の如く押し潰し重合部5を形成できる。
また、重合部5の側端には傾面18を介してフランジ部8が形成される。そして上下一対の金属板1,2により、対向する重合部5間にヘッダー部3が形成されるものである。
なお、図1においてエレメントの上下両端(平面方向の両縁)は、図2の如く折り返されて折り返し縁16を形成するものである。その折り返し縁16には、波形は形成されていない。そして袋状の両端縁は、その平面の中央で図1の如く重ね合わされ、その重ね合わせ部が接合されて接合部17を構成する。なお、その接合部17の内面には対向する金属板の曲波が接触する。
このとき、各ヘッダー部3は平面三角形に形成され、その出入口9に近いほどその流路断面積が大きくなる。実験の結果、このようにヘッダー部3を形成することにより、波形伝熱部4の各部に内部流体が均一に流通することが分かった。これは、出入口9から流入する流体の運動エネルギーの影響と、各部における分流・合流により、出入口9から遠いほど流量が減少することによるものと思われる。
なお、このようなエレメントは多数積層され、各エレメント間に前記の高温の排気ガス等が流通する。そして被加熱流体は図示しないマニホールドを介し、夫々のエレメントの出入口9に導かれる。
2 金属板
3 ヘッダー部
4 波形伝熱部
5 重合部
6 第1立ち上がり面
7 第2立ち上がり面
8 フランジ部
9 出入口
12 稜線
13 曲波
14 直波
16 折り返し縁
17 接合部
18 傾面
19 傾面
Claims (2)
- 平面が方形の対向する一対の金属板の周縁が閉塞されて、内部に熱交換媒体の流通する偏平流路が形成されると共に、その偏平流路の両端部にヘッダー部(3) が設けられ、そのヘッダー部(3) 間に隣接して多数の並列された波形に曲折された波形伝熱部(4) を有する熱交換器用エレメントにおいて、
波形伝熱部(4) の各波がその波の稜線方向へ連続して、ヘッダー部(3) の全幅に延在し、
前記対向する一対の金属板の流路方向の両端部の平面方形の全面に各波の稜線が直線状の直波(14)に形成される直波部を有すると共に、その両直波部の間の前記波形伝熱部(4) は、その各波の稜線が蛇行状の曲波(13)に形成されて、前記直波(14)のピッチおよび振幅が曲波(13)のそれらに等しく且つ連続して形成され、
そのヘッダー部(3) は、前記直波部内で、そこに延在する各波が倒されて平坦に押し潰され、そこに金属板の板厚3枚分の重合部(5) を有し、
その重合部(5) は、その出入口(9) に近いほど長く各波が押し潰されて、そのヘッダー部(3) の横断面が広く形成され、その直波部の押し潰された直波と、潰されていない直波との境が傾面(19)に形成され、
前記ヘッダー部(3) の前記波の並列方向の端部位置に、前記熱交換媒体の出入口(9) が設けられた熱交換器用エレメント。 - 請求項1において、
前記直波(14)の各波の稜線は、平面視で出入口(9) の開口面とのなす角が鋭角となるようにまたは、その稜線と開口面とが平行に形成された熱交換器用エレメント。
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