JPH08501060A - ヘルペスウィルス感染症の治療 - Google Patents

ヘルペスウィルス感染症の治療

Info

Publication number
JPH08501060A
JPH08501060A JP5518785A JP51878593A JPH08501060A JP H08501060 A JPH08501060 A JP H08501060A JP 5518785 A JP5518785 A JP 5518785A JP 51878593 A JP51878593 A JP 51878593A JP H08501060 A JPH08501060 A JP H08501060A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arg
compound
pharmaceutical composition
oligopeptide
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5518785A
Other languages
English (en)
Inventor
トゥイスト,マイケル
ダヴリュ. バーネット,リチャード
− スミス,マーティン サムナー
エス. レイド,ロールネ
Original Assignee
アレリックス バイオファーマスーティカルス インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アレリックス バイオファーマスーティカルス インコーポレーテッド filed Critical アレリックス バイオファーマスーティカルス インコーポレーテッド
Publication of JPH08501060A publication Critical patent/JPH08501060A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/04Peptides having up to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • A61K38/08Peptides having 5 to 11 amino acids
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/06Linear peptides containing only normal peptide links having 5 to 11 amino acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • A61P31/22Antivirals for DNA viruses for herpes viruses
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K7/00Peptides having 5 to 20 amino acids in a fully defined sequence; Derivatives thereof
    • C07K7/04Linear peptides containing only normal peptide links
    • C07K7/08Linear peptides containing only normal peptide links having 12 to 20 amino acids
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗ヘルペスウィルス活性を有するオリゴペプチド化合物に関する。本化合物は式R1−(A)y−[X]−(B)z−R2[式中Xは実質的にD−型塩基性アミノ酸からなり、正味の正荷電を有する、R1はN末端保護基であり、R2はC末端保護基でありA、Bは抗ヘルペス活性を保持できる1つ以上のアミノ酸を表す。]で表され、インビトロ、インビボで抗ヘルペスウイルス活性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】 ヘルペスウイルス感染症の治療発明の分野 本発明は抗ウイルス化合物に関する。より詳細には、本発明は、ヘルペスウイ ルスの感染の治療のためぺプチドをベースとした抗ウイルス剤を使用することに 関する。発明の背景 ヘルペスウイルスは、ライフサイクル、宿主範囲、ポリペプチド組成、ゲノム 構造などの多くの基準により分類されるヒトの病原体の1科をなす。ヘルペスウ イルス科は、以下の3つの亜科に分けられる。α−ヘルペス科は単純ヘルペスウ イルス(HSV)(その1型は口唇ヘルペスを引き起こし、2型は性器ヘルペス を起こす)、シュードラビスウイルス(pseudorabies virus)、ウマ流産ウイルス 及び感染性ウシリノトラケイティス(bovine rhinotracheitis)ウイルスを包含す る。β−ヘルペスウイルス科は、ヒト及びネズミのサイトメガロウイルス(CM V)を包含する。γ−ヘルペスウイルス亜科は、感染性単核症の原因となるEB ウイルス(Epstein-Barr virus)(EBV)を包含する。更にヘルペスウイルス科 には、水痘の原因となる帯状ヘルペスウイルス(Varicella Zoster virus)(VZ V)及び最近発見されたヒトのウイルスHHV−6とHHV−7が含まれる。 最近のヘルペス治療の総説には、「抗ウイルス薬:薬力学、副作用及び治療的 使用」(M.C.Nahata,J.Pharm.Technol.,1987,3:100)がある。最近の抗ヘルペス剤 には、アシクロビル、及び構造的に関連しているヌクレオシドアナログがある。 米国特許第4,845,195号においてColonno等はペンタペプチドの Val-Val-Asn-Asp-Leu及び種々のアナログの抗ヘルペス活性について記載してい る(米国特許第4,837,304号も参照のこと)。 ヘルペスウイルスの治療は顕著に進歩しているが、効果的で安全なヘルペス感 染症の治療薬の必要性は依然として存在する。 本発明の全体的な目的は、哺啼乳類において有用なヘルペス感染症の治療法を 提供することである。 更に特定すると本発明の目的は単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus) (HSV)感染の治療に有用な方法を提供することである。 本発明の別の目的はヘルペスウイルスの感染症の治療に有用な医薬組成物を提 供することである。 本発明のもう一つの目的は、ヘルペスウイルスの複製を阻害するのに有用な化 合物を提供することである。 発明の概要 性質として実質的に塩基性である、即ち実質的に正の正味荷電を有するオリゴ ペプチドはヘルペスウイルスの複製の阻害剤として特に効果的であることが見い だされた。更にこのようなペプチドの抗へルペス活性は、その構成アミノ酸が血 清中でより安定なD型アミノ酸であっても活性がそれほど低下しないことが見い だされた。 本発明の第1の発明は、ヘルペスウイルスの複製を阻害できる以下の式で表さ れる化合物及びその医薬的に許容される塩を提供するものである。 R1−(A)y−[X」−(B)z−R2 [式中、R1はHあるいはN末端保護基であり; R2はOHあるいはC末端保護基である; Xはn個のアミノ酸からなり、n、n−1、n−2から選択される正味の 正荷電を有するポリペプチド、ここでnは6−12の整数である; yは0または1であり; zは0または1である; A及びBは独立に全体として抗ヘルペス性を保つように選択された1またはそれ 以上のアミノ酸残基を表す] 本発明の態様の1つによれば、上の式におけるXは、少なくとも1つのD−ア ミノ酸、より好ましくは基本的に複数のD−アミノ酸からなるものである。本発 明の好ましい化合物は、9個のD−アルギニン残基からなりN末端、C末端の両 端に保護基を有するものである。 本発明の第2の発明は、本発明の抗ヘルペス化合物の有効量と生理的に許容さ れる担体とからなる医薬組成物を提供するものである。本発明の態様として、医 薬組成物は局所または全身投与に適した形で提供される。 本発明の第3の発明は、ヘルペスウイルスに感染した患者の治療方法を提供す るものである。この治療法は患者に本発明の抗ヘルペス化合物の有効量を投与す ることからなる。本発明の実施態様において、抗ヘルペス化合物はヒトのヘルペ スウイルス感染を治療するため、あるいは獣医学的目的、特に家畜を治療するた めに投与される。 本発明は以下、図面を参照しながらより詳細に説明される。図面の簡単な説明 図1及び図2は代表的な化合物の組織分布を示すものである。図1は静脈(i.v .)投与後、図2は皮下(s.c.)投与後のものである。 図3はin vivoにおける代表的な一化合物の抗ヘルペス効果を示すものである 。発明の詳細な説明と好ましい実施態様 本発明は、ヘルペスウイルス感染を治療するのに用いる、抗ヘルペス活性を有 するオリゴヌクレオチドをベースとした化合物を提供する。オリゴヌクレオチド という用語はポリペプチドという用語と同義に用いられ、6個から約100個ま たはそれ以上のα−アミノ酸残基がアミド結合で連結された化合物を指す。上述 したように、ヘルペスウイルスという用語はヘルペスウイルス科の種々のウイル スを包含するものであって、ここでは特に断らないかぎりひとまとめにHSV− IやHSV−2のような型をすべて含めた単純ヘルペスウイルス属、帯状ヘルペ スウイルス、及びEB−ウイルスを指す。「抗ヘルペス」という用語はその化合 物がヘルペスウイルス科の少なくとも1種のウイルス複製を阻害できる能力を指 す。この複製阻害は当業界で通常用いられ完成度の高いプラーク減少アッセイな どの細胞培養アッセイで決定される。例えば、プラーク減少アッセイでは、ある 化合物の抗ヘルペス性はウイルス感染後にその化合物で処理した細胞のプラーク 数の減少度を、ウイルス感染のみで薬剤処理しない対照と比較することによって 示される。 本発明の1つにおいて、下記式の抗ヘルペス性オリゴヌクレオチドベースの化 合物の1群が提供される。 R1−(A)y−[X」−(B)z−R2 [式中、R1はHあるいはN末端保護基であり; R2はOHあるいはC末端保護基である; Xはn個のアミノ酸からなり、n、n−1、n−2から選択される正味の 正荷電を有するポリペプチド、ここでnは6−12の整数である; yは0または1であり; zは0または1である; A及びBはそれぞれ1から30またはそれ以上の独立に選択されたアミノ 酸を表し、これらのアミノ酸は化合物の抗へルペス性を保つように選択される。 実施態様の1つは、式(Ia)で表される本発明の化合物の一群に属する。 R1−[X]−R2 (Ia) 式中R1、R2、Xは上に述べたとおりである。好ましいのは、式(Ia)の化 合物でR1とR2の少なくとも1つが保護基であるものである。 特に好ましい化合物群は式(Ib)で表されるものである。 Np−[X]−Cp (Ib) 式中Xは上に定義した通りであり、NpはN末端の保護基を表し、CpはC末端 の保護基を表す。N末端保護基という用語は窒素原子に付加され、オリゴペプチ ドのアミノ末端を望ましくない生化学的な攻撃から保護するのに役立つラジカル を指す。C末端保護基とは末端カルボキシ基の酸素または炭素原子を介してオリ ゴペプチドのC末端に付加され、オリゴペプチドのカルボキシ末端を望ましくな い生化学的な攻撃から保護するのに役立つラジカルを指す。 本発明の化合物は上記式I、Ia、IbにおいてXとして表されたコアオリゴ ペプチドを含んでいる。オリゴペプチドXは、例えばアミド結合でつながった6 から12個のアミノ酸からなる。Xは7個から11個のアミノ酸からなることが 望ましく、好ましくは8個から10個のアミノ酸からなる。オリゴペプチドXの 構成アミノ酸はオリゴペプチドに正の正味荷電を与えるように選択されるが、こ の正荷電はオリゴペプチドXに組み込まれたアミノ酸の数をnとした場合に、n 、n−1、n−2のいずれかから選択される。言い換えると、Xは全部が正荷電 のアミノ酸から構成される(正味の正荷電がnである場合)、あるいはほとんど 全部が正荷電のアミノ酸からなる(この場合正荷電がn−1またはn−2の場合 )オリゴペプチドである。正味荷電という用語は全体としてのオリゴペプチドX 上の荷電を指し、オリゴペプチドX中に存在する正荷電のアミノ酸の数を足し合 わせ、その合計からオリゴペプチド中に存在する正に荷電していないアミノ酸の 数を差し引いて簡単に算出したものである。例えばただ一つのアミノ酸を除いて 正に荷電したアミノ酸からなるオリゴペプチドXは、その一つのアミノ酸が中性 荷電を有する場合正味の正荷電がn−1となり、そのアミノ酸が負荷電を有する 場 合、正味荷電はn−2となる。正荷電を有するアミノ酸中に中性荷電を有するア ミノ酸が2個存在する場合もn−2という荷電になる。正味の正荷電を計算する 際の正荷電を有するとは、アミノ酸が、中性pH水溶液中でカチオン性である側 鎖、β炭素鎖であってもよいが通常はα炭素側鎖、を有することを指す。負荷電 を有するとは、アミノ酸が、中性pH水溶液中でアニオン性である側鎖、β炭素 鎖であってもよいが通常はα炭素側鎖、を有することを指す。中性荷電を有する とは、アミノ酸が、中性pH水溶液中で荷電のない側鎖(例えぱアラニン)また は正/負荷電両方を示す側鎖(たとえばグルタミン)を有することを指す。好ま しい化合物はオリゴペプチド上の正味の正荷電がnまたはn−1であるものであ る。 ここでアミノ酸という用語とα−アミノ酸という用語は互換性を持って用いら れており、天然及び合成のD−またはL型のアミノ酸を指す。特に断らない限り 、アミノ酸は天然にあるL−アミノ酸である。特に断らない限りここに含まれる のは、(1)中性荷電を有するアミノ酸;グリシン、アラニン、バリン、ノルバ リン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、プロリンの様な脂肪族α−側鎖 を有するアミノ酸、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファンのような芳香 族α側鎖を有するアミノ酸、(2)負荷電を有するアミノ酸:アスパラギン酸の ような酸性α側鎖を有するアミノ酸、セリン、ホモセリン、ヒドロキシノルバリ ン、ヒドヒドロキシプロリン、スレオニンのようなヒドロキシ基を含む側鎖を有 するアミノ酸、システイン、メチオニンのようなSを含むα−側鎖を有するアミ ノ酸、グルタミン、アスパラギンのようなアミド基を含む側鎖を有するアミノ酸 、(3)正荷電を有するアミノ酸:リシン、アルギニン、ヒスチジン、オルニチ ンなどの塩基性α−側鎖を有するアミノ酸(ここでは塩基性アミノ酸ということ もある) 本発明の好ましいアスペクトでは、Xは少なくとも1つのD−型のアミノ酸を 含む。オリゴペプチドXは、例えぱ交互に並ぶL−型とD−型のアミノ酸から構 成される。もっともこのましいのはほとんどがD−型アミノ酸からなるオリゴペ プチドである。 本発明の特定の態様においては、上記式I、Ia、Ibにおけるオリゴペプチ ドXは下記i)およびii)群から選択される配列を有する。 i)6から11の塩基性アミノ酸と、塩基性以外のアミノ酸1個から構成される オリゴペプチドであって、各塩基性アミノ酸は独立にアルギニン、リシン、ヒス チジンおよびオルニチンからなる群から選択され、非塩基性アミノ酸はグルタミ ン、セリン、ヒスチジン、アスパラギン及びホモグルタミンからなる群から選択 されるもの。特に好適なオリゴペプチドは塩基性アミノ酸がアルギニンとリシン からなる群から独立に選択され、非塩基性アミノ酸がグルタミンである。 ii)ほとんどが7−12個の塩基性アミノ酸から構成されるオリゴペプチドで あって、各塩基性アミノ酸はアルギニン及びリシンから独立に選択されるもの。 本発明の特定の態様では、Xは以下からなる群から選択されるオリゴペプチド を表す。 i)下記順序に並んだアミノ酸からなるオリゴペプチド: Arg−Y2−Y3−Arg−Arg−Y4−Arg−Arg−Arg ここでY2、Y3、Y4はそれぞれ塩基性アミノ酸であり、Y2、Y3、Y4 の少なくとも1つはアルギニンである。 ii)6−11個のアルギニンと1個のグルタミンとからなるオリゴペプチド。 iii)7−12個のアルギニンからなるオリゴペプチドホモポリマー。 本発明の好ましい態様では、上記式I、Ia、IbにおけるXは好ましくはほ とんどがD−型アミノ酸からなるオリゴペプチドを表し、下記から選択されるア ミノ酸配列を有する。 本発明の特に好ましい化合物は、 式I、Ia、Ibのオリゴペプチドであっ て、式中のXが、8個、9個または10個のD−アルギニンがアミド結合でつな がったD−アルギニンホモポリマーであるか、少なくとも1個のD−Gln残基 と7、8、あるいは9個のD−Arg残基とからなるものである。現在のところ 最も好ましい化合物は上記式I、Ia、IbのXがほとんどD−アミノ酸からな り下記から選択される配列を有するものである。 すでに述べたように、本発明の化合物は、以下の式(Ib)であるものが望ま しい。 Np−[X]−Cp(Ib) [式中、Xは上で定義したオリゴペプチドであり、NpはN末端保護基であり、 Cpはカルボキシ末端保護基である。ペプチドの末端を望ましくない化学的攻撃 から保護できる基であるならば何でも用いることができる。ペプチド合成におい て従来業界で用いられているカルボキシ末端保護基及びN末端保護基が本発明の 化合物に組み込むのに最も望ましいものてある。有用なN末端保護基としては、 例えば、式R−C(O)−で表される低級アルカノイル基(Rは直鎖あるいは分 岐の炭素数1−5の低級アルキル)がある。好ましいN末端保護基は、アセチル 、 CH3C(O)−である。アミノ官能基を欠いたアミノ酸アナログもN末端保護 基として有用である。 好ましいC末端保護基も同様にペプチド合成業界で従来から用いられるもので ある。カルボキシ末端保護の方法としては、カルボキシ基の炭素原子を介して、 たとえばケトンやアミドを形成する、またはカルボキシ基の酸素原子を介してエ ステルを形成して保護基を組み込んでもよい。従って有用なカルボキシ末端保護 基としては、例えばエステルを形成するアルキル基、中でもメチル、エチル、プ ロピルのような低級アルキル基や、アミドを形成する1級アミン(−NH2)、 メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチル アミノなどのモノアルキルアミノ及びジアルキルアミノ等のアミノ官能基がある 。C末端保護はC末端アミノ酸としてアグマチンのような脱カルボキシ化したア ミノ酸アナログを組み込んでもよい。いうまでもなく必要があれば、もっと複雑 な構造のN−及びC末端保護基を組み込んでもよい。 本発明で特に好ましい式(Ib)の化合物は、アセチル−[D−(Arg)9 ]−NH2;アセチル−(D−Arg)3−(D−Gln)−(D−Arg)5− NH2;及びアセチル−[D−(Arg−Lys−Lys−Arg−Arg−G ln−Arg−Arg−Arg)]−NH2である。 オリゴペプチドのN−末端、C−末端のどちらかに別のアミノ酸を結合させて も、後述のアッセイで測定されるオリゴペプチドの抗へルペス活性は必ずしも損 なわれるものでないことは認識されよう。従って、本発明は更にここに述べたオ リゴペプチドを組み込んで以下の一般式をなす抗ヘルペスポリペプチドをも包含 する。 R1−(A)y−[X]−(B)z−R2 (I) [式中、y及びzのうち少なくとも1つは1であり、A及びBは独立に1つまた はそれ以上のアミド結合したアミノ酸であり、R1、R2及びXは上に定義した とおりである。望ましくは、R1はN末端保護基Npを表わし、R2はカルボキ シ末端保護基Cpを表す。ここでNp及びCpはすでに定義した通りである。] 特に意図される式(I)の化合物は、オリゴペプチドXがC末端及び/または N末端において他のオリゴペプチドユニットに隣接している抗ヘルペス化合物で ある。オリゴペプチドXの繰り返し単位はアミド結合で直接連結されてもよく、 1から10個のアミノ酸からなるペプチドリンカーを介してもよい。 本発明の化合物は、標準的な確立されたペプチド固相合成法(SPPS)を用 いて容易に製造することができる。ペプチド固相合成法の一般的な説明は、例え ば、J.M Stewert & J.D.Young著「固相ぺプチド合成」第2版(1984)(Pier ce Chemical Company,Rockford, Illinois)、M.Bodansky & A.Bodansky著「ペプ チド合成の実際」(1984)(Springer-Verlag,New York)、Applied B iosystems 430A ユーザーマニュアル(1987)(ABI Inc., F oster City, California)にある。 一般に、適当に保護されたアミノ酸をそのカルボキシ基(−COOH)を介し て誘導休化した不溶性のポリマー支持体(架橋ポリスチレンまたはポリアミド樹 脂)に結合させる。「適当に保護された」とはアミノ酸のαアミノ基(α−NH2) 及び側鎖の官能基(もしあれば)に保護基がついていることをさす。合成は、 ついでα−NH2保護基を除去し、活性アミノ酸を自由になったα−NH2に一個 連結することにより、段階的循環的に進行する。次に来るアミノ酸の−COOH 基の活性化は、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)またはジイソ プロピルカルボジイミド(DIC)の様なカルボジイミドとする、あるいは対称 の酸無水物を形成する、またはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ペ ンタフルオロフェニル、パラ−ニトロフェニルまたはN−ヒドロキシスクシンイ ミドエステルのような「活性エステル」を形成することによって直接行うことが できる。適当な側鎖保護基とは、通常合成中に使用される試薬、溶媒、実験条件 のすべてに対して安定であり、しかも最終的ペプチド標品を損なわない条件下で 取り除くことができるものである。 好ましいペプチド固相合成の2つの方法はBOC法とFMOC法である。これ らはそれぞれがアミノ酸のα−NH2基を保護するためにtert−ブチルオキシカ ルボニル、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基を用いるところからそう 呼ばれる。 より確立されているBOC法においては、酸に感受性のBOC基が利用されて トリフルオロ酢酸(TFA)を用いてこれを除去する。好ましいアミノ酸側鎖保 護基(その例は後出の表1参照)は弱酸(例えばTFA)中では比較的安定であ る。大部分はフッ化水素酸(HFA)あるいはトリフルオロメタンスルホン酸 (TFMSA)の様な非常に強い酸により開裂する。2、3の側鎖保護基、例え ばHis(Dnp)やMet(O)などは別個の脱保護工程、たとえば前者には チオフェノールまたはアンモノリシス、後者にはメルカプトピリジンまたはメル カプトエタノール処理が必要となることがある。合成後、ぺプチドは通常樹脂か ら切り離されると同時にHF処理により低温(e.g.0℃)で脱保護される。 より最近開発されたFMOC法は塩基に感受性のFMOC基をピペリジンのよ うな穏和な有機性塩基を用いて除去するので、TFAの様な穏和な酸に感受性の 側鎖保護基も用いることができる(表2参照)。HMP(パラヒドロキシメチル フェノキシメチルポリスチレン)樹脂のような酸感受性エーテル樹脂を固相支持 体として用い、TFA中での同時の開裂/脱保護を可能にする。 適切に保護され及び/または活性化済みのD−及びL−アミノ酸、誘導休化さ れ及び/または充填済みの樹脂、BOCまたはFMOCペプチド合成に必要な補 助的試薬全部がいくつかの業者から市販されている。更に最適化されプログラム 化されたBOC及び/またはFMOC合成サイクルを登載した全自動ペプチドシ ンセサイザーが数多く市販されている。 N−および/またはC−保護基の組み込みも、固相ペプチド合成法でよく用い られるプロトコルを用いて行うことができる。たとえばC−末端保護基を組み込 むには、ペプチドを樹脂から開裂させるとペプチドに目的のC−末端保護基が付 加されるような化学修飾がされた担体樹脂を固相として用いて目的とするペプチ ドの合成を行うのが代表的である。C−末端が1級アミノ保護基をを有するペプ チドを製造するには、例えば、p−メチルベンズヒドリルアミン(MNHA)樹 脂を用いて合成を行うと、ペプチド合成終了後にフッ化水素酸で処理することに よって目的のC−末端がアミノ化されたペプチドが得られる。同様に、C−末端 にN−メチルアミン保護基を付加するには、N−メチルアミノエチルで誘導体化 したDVB樹脂を用いるとHF処理でN−メチルアミノ化されたC−末端を有す るペプチドが開裂されてくる。C−末端をエステル化により保護することも従来 法をもちいてできるが、そのためには樹脂から側鎖が保護されたペプチドを遊離 させ、ついで望ましいアルコールと反応させてエステル基を形成するのに適した 樹脂/保護基の組み合わせを使用することになる。メトキシアルコキシベンジル アルコールあるいは相当するリンカーで誘導体化したDVB樹脂と組み合わせた FMOC保護基はこの目的のために用いることができ、担体からの開裂は、ジク ロロメタン中のTFAで行なうことができる。DCC等で適当に活性化したカル ボキシ基は希望のアルコールを加えてエステル化することができ、次いで脱保護 し、エステル化されたペプチドを単離する。 N−末端保護基の付加は、合成されたペプチドがまだ樹脂についている段階で 適当な無水物とニトリルで処理することにより行うことができる。例えばN−末 端にアセチルを保護基として付けるには、樹脂に結合した状態のペプチドを20 %酢酸無水物を含むアセトニトリル液で処理する。次いでN−末端が保護された ペプチドを樹脂から切り出し、脱保護してから単離する。 望みのペプチド配列が合成され、樹脂から切り離され、完全に脱保護されたの ち、選択されたアミノ酸配列を持つ単一のオリゴペプチドを回収するために精製 を行う。精製は標準的な方法であれば何を用いてもよい。アルキル化シリカカラ ム、例えばC4、C8、C18−シリカを用いる逆相高速液体クロマトグラフィを用 いてもよい。このようなカラムによる分画は一般に直線的濃度勾配を用いて行う 。例えばアセトニトリルのような有機溶媒を、0.1%程度の少量のTFAを含 む水性緩衝液中で0−50%増加させるなどである。あるいは、イオン交換クロ マトグラフィを用いてペプチドをその荷電特性にもとずいて分離することもでき る。カラム分画をとり、望みの/必要な純度のペプチドを含む分画をプールする 。ついで通常、開裂に用いた酸(例TFA)を医薬的に許容される酸(酢酸、塩 酸、リン酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸など)に置換して、ペプチドの水溶 性塩とする処理を行う。精製後、更にオリゴペプチドを分析して、その化学的正 確さと純度を確実なものにすることが望ましい。それにはアミノ酸分析を行うの が最も便利である。アミノ酸組成を分析するには、精製されたオリゴペプチドの サンプルを塩酸のような水溶性酸中で完全に加水分解し、できたアミノ酸混合物 をWa ters Pico-TaqのようなHPLC、あるいはBeckmann 6300アミノ酸アナライザー のような自動分析機を用いて分離同定する。正確さを更に確実に決定するにはペ プチドの全配列を解析することである。ペプチドを順次分解しアミノ酸の直線的 順序を決めるタンパク質シークエネーターが数種市販されており、この目的のた めに用いることができる。高分解能マススペクトル法を用いて正確な分子量に関 する情報を得ることもできる。 ヒトを治療するのに用いるためには、本発明のオリゴペプチド化合物の純度が 医薬グレードであることが望ましい。これはオリゴペプチド標品がHPLCで単 一ピークとして移動し、均一で正確なアミノ酸組成と配列を示し、その他医薬品 の品質を管理する各種国家機関が設定した基準に合うオリゴペプチド製品を指す 。獣医学分野で本発明の化合物や組成物を用いる場合には、厳しい純度基準は必 要ないことは理解されよう。 本発明はまた、医薬的に許容される担体と本発明の抗ヘルペス化合物の有効量と からなる抗ヘルペス性組成物を提供する。ここで「有効量」という用語は標的ウ イルスの複製を減少させることができる化合物の量を指す。この様な減少は治療 の前後に患者から採取された血清サンプル中のウイルスタイターをアッセイする と最もよくわかる。 ヘルペスウイルスに感染した人を治療するためには、医薬グレードの純度の化 合物を医薬的に許容される担体と一緒にして投与に適した組成物とする。製薬業 界で従来から使用されている担体、特にぺプチド性薬品に使用される希釈剤、賦 形剤などの担休ならば何を使用してもよい。製剤一般に関しては、「レミントン の薬品化学」第17版(Mack Publishing Company,Easton,Penn., 1985)を参照。 発明の1態様では、本化合物は皮下または静脈内注射による投与用に調剤され、 従って無菌で発熱物質を含まず、場合によっては緩衝され等張にした水溶液とし て提供される。本化合物は蒸留水、より好ましくは食塩水または5%デキストロ ース溶液に溶かした形で投与される。ここで好ましいとされる化合物は本質的に 水溶性である。必要ならばヨウ化または塩化セチルトリメチルアンモニウムブロ ミドなどの溶解性増強剤を加えて本発明のこれらの化合物の溶解性を増強するこ ともできる。マニトール、スクロース、ラクトースのような分散保護剤(lyoprot ectant)、酢酸塩、クエン酸塩、リン酸塩などのバッファーシステムも調剤 中に含めることができる。血清アルブミンのような増量剤を含んでもよい。 あるいは本発明の化合物は注射以外の経路で投与するように調剤してもよい。 クリーム、ローション、軟膏などの局所用組成物も使用できるし、吸入用エアロ ゾルも使用できる。標準的製薬慣行にしたがって調剤された錠剤、カプセルなど の経口投与用剤型も用いることができる。クリーム、ローション、軟膏の処方は ウイルスによる皮膚損傷に適用するのに特に有用である。適当なトリグリセリド 基剤やゲルがクリームや軟膏の製造に使用でき、これまでどおり界面活性剤や殺 菌剤を入れてもよい。 本発明はまた、ヘルペスウイルスに感染したヒトを含む哺乳動物の治療方法を 提供する。その治療方法とは哺乳動物に本発明の抗ヘルペス化合物の有効量を含 む医薬組成物を投与することからなる。発明の1態様によれば、この方法はヒト の患者を治療するのに用いられる。発明の特定の態様によれば患者は単純ヘルペ スウイルス、中でもHSV−1に感染したと診断されたものである。本発明の別 の態様では、哺乳動物はウシ、ブタ、ヒツジ、その他の家畜でヘルペスウイルス に感染したものである。ふさわしい治療方法とは、望みの箇所、感染した組織や 、局所的皮膚表面に、ヘルペスウイルスの増殖をコントロールできる量の本化合 物を保持することである。治療に適した正確な用量は、適切にコントロールした 試行により容易に決定することができる。ヘルペスウイルスに感染した患者の有 効な治療法が、体重1kg当たり0.01mgから約10mg、例えば0.1m g/kgから約5mg/kgの範囲の用量を全身投与することを含むことは予測 できる。しかしながら有効な用量が投与経路や投与の頻度により変わることは理 解されよう。例えば、感染箇所に限定されてとどまる局所調剤は、投与頻度が少 なくて済む。適切な局所用調剤は抗へルペス化合物を約0.1−50mg/ml 、たとえば約1−10mg/ml含んでいることが期待される。実施例 1 以下に示したシリーズ1のオリゴベプチドを固相ペプチド合成法を用いて、従 来のプロトコールに従って合成した。特に、合成は固相支持体としてクロロメチ ルーポリスチレン、Bocを含むプロトコール及び保護基を使用してべックマン 990合成機により行い、以下の化合物を製造した。 以下に示したシリーズ2のオリゴペプチドもBOC化学により合成し、従来手 法を使用して精製し、以下の化合物の酢酸塩を製造した。 L−Arg ノナマ−の合成及び評価も行った。ノナ−L−アルギニン(L− Arg)9はBOC固相合成法により合成した。合成はべックマン990合成機 及び固相支持体としてのクロロメチルボリスチレン樹脂を使用しアメリカンペプ チド カンパニー (The American Peptide Company)により行った。 t−ブチルオキシカルボニル基(BOC)は合成の間L−アルギニンのa−N H2官能基の保護に使用した。グアニジノ官能基はパラートルエンスルホニル基 (Tos)で保護した。カップリングは過剰のBOC−L−Arg(Tos)の ヒドロキシベンゾトリアゾール(HoBt)活性エステルを使用して行った。各 々のサイクル後のBOC保護基の除去はTFAの使用が効果的であった。最終ペ プチド(L−Arg)9をポリマー樹脂から離し、Tos保護基は標準HF処理 を経て除去した。HF除去後、ペプチド及び樹脂混合物をジエチルエーテルで洗 浄し、酢酸水溶液により抽出した。 粗製ペプチドを凍結乾燥し、次いでC18シリカカラムのRP−HPLCにより 、0.1% THF中のアセトニトリルを2〜40%の勾配で使用して、分別し た。画分を集め、分析RP−HPLCによりチェックした。主要生成物を95% 以上含有する画分を合わせた。高分解能マススペクトルは予想したL−(Arg )9である生成物を示した。実施例 2 多数のD−アミノ酸含有化合物も解析のために合成した。以下にその概要を示 す。 4A)D-(Arg-Lys-Lys-Arg-Arg-Gln-Arg-Arg-Arg) 4Aに示すD−ペプチドと命名したものはFMOC固相合成法及び自動合成機 、例えばアプライドバイオシステム(Applied Biosystems)4 3 O Aにより容易に 製造される。D−アミノ酸のα−アミノ基は塩基性不安定なフルオレニルメチル オキシカルボニル基(FMOC)で保護される。リジン及びアルギニン側鎖は酸 性不安定な保護基、例えばBOCメトキシトリメチルベンゼンスルホニル(Mt R)を経てそれぞれ保護される。C末端FMOC−D−Arg(Mtr)残基は 、対称無水物を経て、適当に誘導されたポリスチレン樹脂、例えば HMP−ポ リスチレン、にダブルカップルさせる。FMOC基の除去は20%ピベリジン中 で行う。ぺプチド−樹脂へのアミノ酸残基の付加はそれらの活性H0Btエステ ルを経るのが効果的である。最終ペプチドの開裂及び脱保護はTFAの処理によ り行う。粗製ペプチドはRP−あるいはイオン交換HPLCにより精製する。精 製し た生成物は標準アミノ酸分析及び/またはマススペクトル及び/またはシークエ ンス解析により特徴づけられる。 4C)アセチル−[D-Arg]9-NH2 化合物4Cと示した表題化合物は固相支持体としてのp−メチルベンズヒドリ ルアミン(MBHA)を使用して合成し、得られるペプチドのC−末端を保護し たアミンとして得た。合成はアミノ官能基をt−BOC基で保護したD−アルギ ニン残基を使用して進行させ、グアニジノ官能基はTos基で保護した。カップ リングサイクル及び脱保護はL−Arg ノナマ−で記載した方法を行った。カ ップリングサイクル完了時に、樹脂に結合したペプチドをアセトニトリル中の2 0%無水酢酸で処理し、そのN末端にアセチル保護基を導入した。樹脂からのペ ブチドの遊離及びTos基の除去は、C−末端アミデート化した表題化合物を生 成する、フッ化水素酸で処理することにより行った。フッ化水素酸除去後、樹脂 /ペプチド混合物をジエチルエーテルで洗浄し、酢酸水溶液で抽出した。この粗 製ペプチドを凍結乾燥し、次いでL−Arg ノナマ−で記載した様にRP−H PLC分別により精製した。高分解能マススペクトルは所望の化合物である生成 物を示した。 アミデート化したC−末端及びアセチル化したN−末端を導入するために、化 合物4Cの合成で記載した合成プロトコールを使用して、以下の本質的にD−ア ミノ酸からなるオリゴペプチドをさらに合成し、HIV阻害アッセイでの試験の ために精製した。 実施例 3: HSV複製の阻害 選択した化合物を細胞外(in vitro)及び細胞培養手法のために、まず水中の1 0mMストックとして処方した。次いで、このストックを特定のアッセイに使用 する緩衝液、あるいは細胞培養培地中で希釈する。動物試験のためにはペプチド をりん酸緩衝生理食塩水中で希釈する。 化合物のHSVの複製に対する阻害効果を決定するために以下の手法を使用し た。まず、24穴細胞培養プレート中のベロ細胞(Vero cell)(アフリカン グ リーン モンキーに由来する連続継代培養セルライン)の集密単層を特定な濃度 のペプチドで25時間処理した。これはストックペプチド溶液を単層を覆うため に使用した成長培地、すなわちダルベッコMEM(DMEM)中の10%ウシ胎 児血清及び10μg/mlゲンタマイシン含有成長培地、中に希釈することによ り達成された。 ペプチド前処理後、単層を、log10希釈濃度が10-1〜10-6の範囲である ウイルス(HSV−1 F)0.1mlで重層させた。次いでウイルスを37℃ 1時間吸着さぜた。余分なウイルス接種物を取り除き、単層を2%FBS、10 μg/mlゲンタマイシン及び特定な濃度のペプチドを含有するDMEMで覆っ た。次に、プラークが良く形成されていると判断されるまで2〜3日間ウイルス を複製させ、次いで単層を固定し、1%ホルムアルデヒド、70%エタノール中 の1%クリスタルバイオレットの溶液で染色した。最終的に、プラーク(単一可 視ビリオンをそれぞれ表す)をカウントし、顕微鏡下でチェックした。 IC50により表した、種々のペプチドを使用して行ったプラーク減少アッセイ の結果を以下に表として示す。 結果は、2〜50μM濃度でのオリゴペプチドの細胞取り込みがヘルペスウイ ルスの複製を有意に減少させることを示している。試験した濃度での宿主細胞の 複製の阻害は明らかでなかった。別の実験において、100μM濃度のペプチド 4C(保護したD−アルギニン ノナマー)は、500μMではいくらかの減少 を示したが、細胞複製に対しては有意な有害効果を有していないことが判明した 。このことは4Cは治療的、無毒な用量で処方及び使用できることを示している 。 代表的な処方剤は、中性りん酸緩衝液(pH6.5〜7.5)に溶解させた選 択した化合物1.70mgからなり、10ml溶液中の17mgの化合物(1. 7mg/ml)を含有するよう滅菌したバイアル中に詰め込むことからなる。実施例 4: ぺプチドの組織内分布 代表的化合物、N−α−[14C−アセチル]−ノナ−D−アルギニン 酢酸ア ミド(化合物4Cの放射標識化したもの)の分布及び局在は、以下の静注及び皮 下注射による投与により決定した。10ml PBS中の26μgの14Cラベル 化化合物の溶液0.25mlを10匹のマウスの尾血管に静注し、また同量を1 0匹のマウスの腹部に皮下注射した。夫々のグループの1匹を図1及び2に示し た時間で殺し、そこに示した臓器の重量を計測し、シンチレーションカウンター 用に均質に消化させた。カウントを測りその量を計算に使用して各々の臓器内の 薬物濃度を測定した。ロガリズムスケールでプロットした結果を図1(i.v.)及び 図2(s.c.)に示す。i.v.及びs.c.注人の両者とも薬物の組織への急速な分布をも たらすことが理解されるであろう。最高で、最も持続したレベルは肝臓、続いて 腎臓及び牌臓において達成されている。 53μg用量のラベル化化合物の単回皮下投与から得られるマウスにおける血 中レベルも評価した。血中レベル約1μg/mlに近いピークは注人後5分で到 達されることを示していた。ピークレベルは約20分持続した。40分及び2時 間では血中レベルはピーク値の約80%にまで減少した。引き続く血中レベルの 急速な減少は、4時間ではピークの約10%となり、更に、8時間及び24時間 では検出の限界値にまで血中レベルは減少した。明かに、化合物4Cは急速に血 流に到達する。ピーク値に近いレベルは20〜120分間持続し、続いて薬剤は 血中から急速に消失した。実施例 5: 細胞内( in vivo)効果 4Cで示した代表的なペプチドの効果を以下のin vivoで評価した。図3に示 した用量で、PBS中のペプチド4Cをマウスの3本のフットパッドに1週間注 入し前処理を行った。前処理後、左フットパッドにIM NaClの約5μLを 注入し炎症を起させた。約6時間後、同じフットパッドをすり傷をつけ、HSV −IF株(2X103 pfu/ml)を1滴、炎症を起させたフットパッド上 に滴下沈着させた。実験終了まで毎週3回ペプチド4Cによる処理を続けた。そ の結果を図3に示し、特に、5及び50μg/マウスの用量で抗ヘルペス効果を 明瞭に示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AU,BB,BG,BR,CA,FI, HU,JP,KP,KR,LK,MG,MN,MW,N O,PL,RO,RU,SD,US (72)発明者 バーネット,リチャード ダヴリュ. カナダ国,エル4テー 3ピー5,オンタ リオ ミッシソウガ,ブリストール ロー ド イースト 45,ユニット 22 (72)発明者 サムナー − スミス,マーティン カナダ国,エル0ピー 1エー0,オンタ リオ,ボルトン,ホワイトヘッド クレッ セント 332 (72)発明者 レイド,ロールネ エス. カナダ国,エム6ジー 2ティー1,オン タリオ トロント,ユークリッド アヴェ ニュー 479エー 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 製薬的に許容出来る担体及び、ヘルペスウイルス感染を治療するのに有効な 量で式: R1−(A)y−[X]−(B)z−R2 (ここで、 R1はHまたはN−末端保護基、 R2はOHまたはC−末端保護基、 Xは`n´アミノ酸からなりn≧2の正味正電荷を有する抗ヘルベス性オリゴペ プチドを表わすが、ここでnは6乃至12の整数である。 yは0または1であり、 Zは0または1であり、そして A及びBはそれぞれ独立に、オリゴベプチドXの抗ヘルペス活性を保有する独立 に選択されたアミノ酸1乃至20を表わす。) の化合物を含んで成る、ヘルペスウイルス感染を治療するのに有用な薬学組成物 。 2. 該化合物が、y及びZが共に0であるものである、請求項1記載の薬学組成 物。 3. 該化合物が、R1がN−末端保護基でありR2がC−末端保護基である、請 求項2記載の薬学組成物。 4. 該化合物が、Xが少なくとも一つのD−アミノ酸を含んで成るオリゴペプチ ドを表わしているものである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薬学組成 物。 5. 該化合物が、XがD−アミノ酸から成るオリゴペブチドを表わしているもの である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の薬学組成物。 6. 該化合物が、Xが(i)塩基性アミノ酸7乃至9と塩基性アミノ酸以外の一 つのアミノ酸から成るオリゴペプチド、及び(ii)塩基性アミノ酸8乃至10 から本質的に成るオリゴペプチドから構成される群の中から選択されるオリゴペ プチドであるものである、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の薬学組成物。 7. 該化合物が、XがD−アルギニン残基8乃至10から成るオリゴペプチド であるものである、請求項6の薬学組成物。 8. 該化合物がアセチルー[(D−Arg)9]−NH2、アセチルー(D−Ar g)3−(D−Gln)−(D−Arg)3−NH2、及びアセチル−[D−(A rg−Lys−Lys−Arg−Arg−Gln−Arg−AΓg−Arg)] −NH2から選択される、請求項1記載の薬学組成物。 9. 該化合物がアセチル−[(D−Arg)9]−NH2である、請求項8記載の ヘルペスウイルス複製を阻害するのに有用な薬学組成物。 10. 局所投与に好適な形態の、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のヘルペス ウイルス複製を阻害するのに有用な薬学組成物。 11. 該化合物がアセチル−[(D−Arg)9]−NH2である、請求項10記載 のヘルペスウイルス複製を阻害するのに有用な薬学組成物。 12. 注射に好適な形態の、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のヘルペスウイ ルス複製を阻害するのに有用な薬学組成物。 13. 該化合物がアセチル−[(D−Arg)9]−NH2である、請求項12記載 のヘルペスウイルス複製を阻害するのに有用な薬学組成物。 14. 先述の請求項のいずれかに規定されるような薬学組成物をヘルペスウイルス 感染を有する哺咄乳動物に投与する過程を含んで成る、ヘルペスウイルス感染を 有する咄乳動物を治療するための方法。 15. 該組成物がヘルペスウイルス−誘発された皮膚病変に局所的に投与される、 請求項14記載のヘルペスウイルス感染を有する哺咄乳動物を治療するための方 法。 16. 該組成物が化合物アセチル−[(D−Arg)9]−NH2を含んで成る、請 求項17記載のヘルペスウイルス感染を有する咄乳動物を治療するための方法。 17. 該組成物がヘルペスウイルス−誘発された皮膚病変に局所的に投与されそし て該組成物は化合物アセチル−[(D−Arg)9]−NH2を含んで成る、請求 項14記載のヘルペスウイルス感染を有する哺咄乳動物を治療するための方法。 18. 単純ヘルペスウイルス感染を有するヒトに生理学上許容できる担体及び化合 物アセチル−[(D−Arg)9]−NH2の抗ヘルペス量を含んで成る 組成物を投与する過程を含んで成る、単純ヘルペスウイルス感染を有するヒトを 治療する方法。 19. 該単純ヘルペスウイルス感染は1型単純ヘルペスウイルス感染である、請求 項18記載の方法。 20. ヘルペスウイルス感染の治療のための先述の請求項のいずれかに記載の組成 物の使用。
JP5518785A 1992-04-23 1993-04-21 ヘルペスウィルス感染症の治療 Pending JPH08501060A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US87239892A 1992-04-23 1992-04-23
US07/872,398 1992-04-23
PCT/CA1993/000166 WO1993021941A1 (en) 1992-04-23 1993-04-21 Treatment of herpesvirus infection

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08501060A true JPH08501060A (ja) 1996-02-06

Family

ID=25359492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5518785A Pending JPH08501060A (ja) 1992-04-23 1993-04-21 ヘルペスウィルス感染症の治療

Country Status (7)

Country Link
EP (1) EP0637247B1 (ja)
JP (1) JPH08501060A (ja)
AT (1) ATE169822T1 (ja)
AU (1) AU4037793A (ja)
CA (1) CA2134119A1 (ja)
DE (1) DE69320469D1 (ja)
WO (1) WO1993021941A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534684A (ja) * 2007-07-26 2010-11-11 ルバンス セラピュティックス インク. 抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5633230A (en) * 1990-10-24 1997-05-27 Allelix Biopharmaceuticals, Inc. Treatment of cytomegalovirus infection
WO1995011038A1 (en) * 1993-10-22 1995-04-27 Allelix Biopharmaceuticals Inc. Treatment of cytomegalovirus infection
DE19520792A1 (de) * 1995-06-07 1996-12-12 Bloch Wilhelm Dr Verwendung der Stickstoffmonoxidsynthese hemmenden Substanzen der Gruppe der L-Argininanaloge zur Herstellung eines Mittels zur Abschwellung entzündlich bzw. allergisch angeschwollener Nasenschleimhaut und der Hemmung entzündlich und allergisch bedingter Nasensekretion
GB2341390B (en) 1997-05-21 2000-11-08 Univ Leland Stanford Junior Composition and method for enhancing transport across biological membranes
EP1656945A1 (en) * 1999-06-05 2006-05-17 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Pharmaceutical composition comprising oligoarginine
US7229961B2 (en) 1999-08-24 2007-06-12 Cellgate, Inc. Compositions and methods for enhancing drug delivery across and into ocular tissues
US6669951B2 (en) 1999-08-24 2003-12-30 Cellgate, Inc. Compositions and methods for enhancing drug delivery across and into epithelial tissues
US6730293B1 (en) 1999-08-24 2004-05-04 Cellgate, Inc. Compositions and methods for treating inflammatory diseases of the skin
US6593292B1 (en) 1999-08-24 2003-07-15 Cellgate, Inc. Compositions and methods for enhancing drug delivery across and into epithelial tissues
US7033991B2 (en) * 2001-07-16 2006-04-25 Board Of Supervisors Of Louisiana State University And Agriculture And Mechanical College Inhibiting furin with polybasic peptides
ES2444299B1 (es) 2012-08-23 2014-12-12 Nutrición Técnica Deportiva, S.L. Uso de un hidrolizado de caseina como agente antiherpético

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU3756789A (en) * 1988-06-16 1990-01-12 St. Louis University Antagonists of viral transactivating proteins
DE69123754T2 (de) * 1990-10-24 1997-04-03 Allelix Biopharma Peptidische hemmer der hiv-replikation

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010534684A (ja) * 2007-07-26 2010-11-11 ルバンス セラピュティックス インク. 抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法
JP2014076993A (ja) * 2007-07-26 2014-05-01 Revance Therapeutics Inc 抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法
JP2019006791A (ja) * 2007-07-26 2019-01-17 ルバンス セラピュティックス インク.Revance Therapeutics,Inc. 抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法
JP2020169190A (ja) * 2007-07-26 2020-10-15 ルバンス セラピュティックス インク.Revance Therapeutics,Inc. 抗菌ペプチド、組成物及びその使用方法

Also Published As

Publication number Publication date
ATE169822T1 (de) 1998-09-15
WO1993021941A1 (en) 1993-11-11
EP0637247B1 (en) 1998-08-19
AU4037793A (en) 1993-11-29
EP0637247A1 (en) 1995-02-08
CA2134119A1 (en) 1993-11-11
DE69320469D1 (de) 1998-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU660947B2 (en) Peptide-based inhibitors of HIV replication
KR100248033B1 (ko) 사이토킨 억제제
JP2810240B2 (ja) サイトカイン調節剤およびサイトカインレベルの変化に関連する病状および状態における使用方法
US5646120A (en) Peptide-based inhibitors of HIV replication
US4795740A (en) Antiviral peptides and means for treating herpes infections
US5633230A (en) Treatment of cytomegalovirus infection
JPH08501060A (ja) ヘルペスウィルス感染症の治療
US5441936A (en) Antiviral peptides
CN108472329B (zh) 多肽刺激免疫系统的用途
JPH09511500A (ja) N−置換化グリシンを含むブラジキニン拮抗薬ペプチド
US5831001A (en) Treatment of herpesvirus infection
WO1992014751A1 (en) Peptides for treatment
CA2152373C (en) Treatment of cytomegalovirus infection
US11993631B2 (en) Process for manufacturing peptide
US20090234096A1 (en) Influenza inhibiting compositions and methods
CN102174084A (zh) 胸腺素α1活性片段环肽类似物及其聚乙二醇化衍生物
US20240082348A1 (en) Composition of bl-8040
US5066783A (en) Antiviral peptides and means for treating herpes infections
JP2877908B2 (ja) 抗ヘルペスペンタペプチド類
CA1340911C (en) Antiherpes cyclic peptides
KONOPINSKA et al. Synthesis and biological investigations of new tuftsin analogs with elongated peptide chain
RU2004100273A (ru) Ингибирующий активность аггреканазы пептидный аналог тромбоспондина с гидроксамовой кислотой
Horvat et al. Synthesis and bioactivity studies of 1‐adamantanamine derivatives of peptides
WO1996038480A1 (en) Anti-inflammatory thrombospondin-derived peptides
CA3004805A1 (en) Labyrinthopeptins as anti-viral agents