JPH08500021A - 画像神経記録法及び拡散異方性画像処理 - Google Patents

画像神経記録法及び拡散異方性画像処理

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JPH08500021A JP5515934A JP51593493A JPH08500021A JP H08500021 A JPH08500021 A JP H08500021A JP 5515934 A JP5515934 A JP 5515934A JP 51593493 A JP51593493 A JP 51593493A JP H08500021 A JPH08500021 A JP H08500021A
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Abstract

(57)【要約】 改造された磁気共鳴撮像システム(14)を用いて、診断に有用な神経組織画像(即ちニューログラム)を発生する神経記録法システム(10)が開示される。一実施例では、前記神経記録法システムは、1つ以上の勾配を用いて選択的に神経組織を撮像し、前記組織内の拡散異方性を判別し、更に、脂肪の前記画像への影響を削除することにより、前記画像を強調する。前記神経記録法システムは、より広い医療システム(12)の一部であり、これには、補助データ収集システム(22)、診断システム(24)、治療システム(26)、外科手術システム(28)、及び訓練システム(30)が含まれる。これら種々のシステムは全て、前記神経記録法システムによって得られる神経網に関する情報を利用するように構成されている。このような情報はこれまで得ることができなかったものである。

Description

【発明の詳細な説明】発明の名称 画像神経記録法及び拡散異方性画像処理 本出願は、1992年3月9日出願の英国特許出願第9205058.2号の一部継続であ る、1992年3月13日出願の英国特許出願第9205541.7号の一部継続である、1992 年3月30日出願の英国特許出願第9207013.5号の一部継続である、1992年5月5 日に出願された英国特許出願第9209648.6号の一部継続である、1992年5月21日 出願の英国特許第9210810.9号の一部継続である、1992年7月31日出願の英国特 許出願第9216383.1号の一部継続である、1993年1月22日出願の先に出願された 英国特許出願第9301268.0号に基づくものであり、35U.S.C.119に従って、これら 出願日の恩恵をここに主張する。発明の分野 本発明は一般的に画像処理の分野に関し、さらに特定すれば神経組織及びその 他の拡散異方性構造(diffusion-ally anisotropic structures)の画像処理に 関するものである。発明の背景 これまで、脳、脊髄、及び脊椎管内の脊椎根の位置を突き止め、目視する多く の技術が開発されているが、末梢、自律 脳神経を目視するための方法で成功したものはなかった。これらの神経を総体的 にここでは末梢神経と呼ぶことにするが、これらは一般的に、骨、筋肉、リンパ 管、腱、靭帯、筋間中隔、脂肪組織の集合体、空気、流体空間、静脈、動脈、関 節、皮膚、粘膜、及びその他の組織を移動する。末梢神経は比較的サイズが小さ く、しかもそれらが隣接する他の組織も同様なサイズ及び形状であるため、これ らの位置を判定し識別することは困難である。 末梢神経の試験は、上腕集網、腰部集網、及び仙骨集網のような多くの神経構 造の複雑性によって、更に複雑となっている。これらの構造は神経束を含み、互 いに連結したり、分離したり、再連結したり、混合したり、分離して、入り組ん だ三次元パターンを形成するのである。このような集網(例えば肩における)内 の神経の小領域の圧迫または刺激が、ある離れた場所(例えば1本の指)におけ る痛み、痺れ、弱化、または麻痺の原因となり得る。外科医が直接検査のために 集網を露出させようとする時でさえも、解剖上の複雑性に圧倒され、診断に信頼 がおけず、手術が困難かつ危険となる可能性がある。 骨、欠陥、リンパ系、胃腸管、及び中枢神経系統の組織を含む種々の生理学的 構造の、特定した組織の画像を発生する ために、例えばX線を用いた放射線方法が開発されている。しかしながら、上述 の神経の特性のためもあって、これらの技術を末梢神経の診断に適した画像を発 生するために用いて成功したことはない。 典型的に、放射線画像における末梢神経の位置は、腱、血管または骨のような 、より顕著な非神経構造を参照することによって推察されている。例えば、対象 となる神経が通過している体の一領域のX線画像を生成することによって、非神 経構造を容易に識別できること場合が多い。次に、この領域内の末梢神経の位置 は、人体解剖学的構造についての標準的な参照情報から推察することができる。 しかしながら、個体によって神経の位置がそれぞれ異なる可能性があるので、こ の技術の価値は限られたものでしかない。 生理学的構造を撮像するために用いられた手法の内、特に興味深いのは磁気共 鳴画像(MRI)である。これを紹介すると、MRIは、種々の異なる磁気及び 放射線周波数(rf)の電磁場に組織を晒す必要がある。次に、検体の原子核( atomic nuclei)の場に対する応答を処理し、この検体の画像を生成する。 より具体的には、まず検体を偏向磁場に露出させる。この場が存在するため、 磁気モーメントを示す核(以後スピンと 呼ぶ)が、場に対して互いに整合しようとする。核は、ある角度周波数(以後ラ ーマ(Larmor)周波数と呼ぶ)をもって、偏向の場を進む。この強度は、磁場強 度と対象となる具体的な核の種の磁気回転係数との双方によって決まる。 スピンの磁気成分は、偏向の場に垂直な面では互いに打ち消しあうが、スピン は偏向の場の方向に正味磁気モーメント(net magnetic moment)を呈する。偏 向の場に垂直でラーマ周波数に近い周波数の励起の場を適用することによって、 正味磁気モーメントを傾けることができる。傾けられた磁気モーメントは、偏向 の場に垂直な面において、ラーマ周波数で回転する横断方向成分を含む。磁気モ ーメントを傾ける程度、従って正味横断方向磁気モーメントの強度は、励起の場 の強度及び持続期間によって異なる。 一旦励起の場が除去されると、外部環流コイルを用いて横断方向磁場モーメン トに関連する場を感知する。従って、この環流コイルは正弦波出力を生成し、そ の周波数はラーマ周波数であり、その振幅は横断方向磁気モーメントのそれに比 例する。励起の場を除去すると、正味磁気モーメントは偏向の場によって徐々に 元の方位に戻る。結果として、環流コイル出力の振幅は時間と共に対数的に低下 する。 この低下率に影響を及ぼす2つの要因が、スピン格子弛緩 係数(relaxation coefficient)T1及びスピン−スピン弛緩係数T2として知ら れている。スピン−スピン弛緩係数T2は、スピン間の相互作用が低下に及ぼす 影響を表わし、一方スピン格子弛緩係数T1は、スピンと固定成分との間の相互 作用が低下に及ぼす影響を表わす。このように、環流コイル出力が低下する比率 は、検体の組成に左右されると共にこれを示すことになる。 狭い周波数帯域を有する励起の場を用いることによって、核検体内の比較的狭 い帯域のみが励起される。結果として、横断方向成分、従って環流コイル出力は 、核の種の帯域を示す比較的狭い周波数帯域を表わす。一方、励起の場が広い周 波数帯域を有する場合、環流コイルの出力は、周波数のばらつきの大きい横断方 向の磁気成分に関連した成分を含むことがある。前記出力をフーリエ解析するこ とによって、異なる化学的または生物学的環境を示す可能性がある異なる周波数 を区別することができる。 上述の構成においては、特定のコイルの環流コイル出力に対する寄与は、検体 内のそれらの位置には依存しない。結果として、出力の周波数及び低下を用いて 、検体の成分を識別することができるが、この出力は検体内の成分の位置を示す ものではない。 このような検体の空間画像を生成するために、偏向の場に勾配が指定されてい る。偏向の場の方向は同一のままであるが、その強度は検体に対して配向される x、y及びz軸に沿って変化する。x軸に沿って線形に偏向の場の強度を変化さ せることによって、特定の核の種のラーマ周波数もx軸に沿った位置の関数とし て、線形に変化する。同様に、y軸及びz軸に沿って指定された磁場の勾配によ って、特定の種のラーマ周波数もこれらの軸に沿った位置の関数として線形に変 化する。 先に注記したように、環流コイルの出力のフーリエ解析を行なうことによって 、この出力の周波数成分を分離することができる。狭い帯域の励起の場を適用し て選択された核の種を励起させる場合、xyz座標系に対するスピンの位置は、 コイルの出力周波数のその種のラーマ周波数との間の差を評価することによって 判定することができる。従って、ある所与の時刻における周波数を分析して磁場 勾配に対するスピンの位置を判定すると共に、周波数の低下を分析して、特定点 における検体の組成を判定するMRIシステムを構成することができる。 MRIシステムの適正な動作のために必要な場の発生及び感知は、例えば1つ 以上の主偏向場コイル、偏向勾配場コイ ル、rf励起場コイル、及び環流場コイルの連続動作に応じて達成される。一般 的に励起の場を発生するため、及び環流場を感知するためには、同一コイル配列 が用いられる。例えば、米国特許第4,843,322号(グローバ)、米国特許第4,68, 501号(コノリー)、米国特許第4,901,020号(レイドバックら)に記載されてい るように、種々の異なるシーケンスが開発されており、MRIシステムの動作に ついて具体的な制作が行なわれている。 従来のMRIシステムの1つの応用は、血管記録法又は血管画像の生成におい てなされている。例えば、米国特許第4,516,582号 (レディングトン)、米国 特許第4,528,985号(マコブスキ)、米国特許第4,647,857号(テーバー)、米国 特許第4,714,081号(ダマリンら)、米国特許第4,777,957号(ウェーリら)、及 び米国特許第4,836,209号(ニシムラ)に記載されているように、種々の異なる パルス・シーケンス及び処理技術が、MRI血管記録法に用いるために開発され ている。 血管は、そこを通過する血液の脈動流によって、周囲の組織からは容易に区別 されることは認められよう。MRI血管記録法は、この顕著な特性を利用して、 種々の方法で血管の画像を発生させるものである。例えば、収縮期及び拡張期に 励起の場をパルス状に入力すると、血流の環流場に対する寄与は異なり、一方静 止組織及び骨の環流場に対する寄与は同一となる。一方を他方から減算すること によって、静止成分は打ち消され、血管からの寄与のみが残る。 しかしながら、末梢神経は血管のような流れによる識別ができないので、MR I血管記録システム及びパルス・シーケンスは、適正な末梢神経の画像を発生す るために用いることはできない。更に、組織及び骨の一般的な画像処理に用いら れる従来のMRIシステム及びパルス・シーケンスは、受け入れ可能な結果が得 られない。環流信号の信号対ノイズ(S/N)比が低く(例えば、1倍から1. 5倍程度)、しかも神経のサイズが小さい場合、撮像された神経の他の組織に対 する顕著性が全体的にあまりに乏しく、診断には無益となる。 神経組織の撮像においてMRIシステムの利用性向上に用いるために提案され た技法の1つに、薬品を用いて生成される画像における神経組織の周囲組織に対 するコントラストを強めるようにしたものがある。1992年3月15日に発行された PCT特許出願第PCT EP 91/01780号(フィラーら、WO92/ 04916 )に記載さ れているように、小麦胚凝集素または磁化デキストリン(dextrin- magnetite) のような2部分造影剤を注入し、その後対象の神経によって取り込まれ、搬送さ れ るようにする。この薬剤の最初の部分は神経の取り込みを促進し、薬剤の2番目 の部分は所望の「撮像可能」特性を有する。 この薬剤を筋肉に注入し、その筋肉を通る神経内の軸索原形質流(axoplasmic flow)を受けさせ、検体の後に分離された画像に神経を結び付ける。MRIが 用いられると、磁気的にアクティブな(例えばフェライト)成分を有するように 、前記薬剤の2番目の部分が選択される。しかしながら、高い核密度を有する薬 剤を用いると、X線またはコンピュータ解剖(CT)の検査時に、神経のコント ラストを増加させることができ、一方、放射線(例えば、ポジトロンの放射)要 素を用いて、ポジトロン射出トモグラフィ(PET)走査中の視覚性を高めるこ とができる。 神経撮像における造影剤の効果を例示するために、第1図乃至第5図を参照す る。この点について、第1図は、兎の上部前腕FAの横断面の図である。前腕は 三頭筋TM、尺骨神経(ulnar nerve)UN、上腕静脈BV、正中神経MN、放 射神経RN、上腕骨H、脳神経CV、及び二頭筋BMを含む。 第2A図及び第2B図は、フェライト造影剤を用い、従来のMRIシステムに よって6時間間隔で生成された、このような部分のスピン−エコーMR画像を示 す。より大きな構造 要素のいくつかは容易に識別されるが、目的物のあるものの位置は歪んで現れて いる。より具体的には、靭帯Lや二頭筋または三頭筋間の脂肪Fがそうであるよ うに、上腕骨髄は上腕骨Hに対してずれて現れる。加えて、更に小さい神経構造 は区別が困難である。 しかしながら、作り出された画像中で神経の確認を試みる為に幾つかの方法を 適用できる。例えば、第3図中に示されるように、若し、STIR MR Imag ing of the Orbit,151AM.J.ROENTGEN.1025-1030(1988)のアトラ ス等の記載によるタイプの短タウ反転復元(STIR)シーケンスを使用すると 、より重要な正中神経MNに隣接する明らかに神経構造でない曖昧なものが消え るように、上腕骨の骨髄が画像から消える。従って、第4図に与えられた正中神 経MNと尺骨神経とを含む領域の拡大画像に示されるように、正中神経MNが見 えるようになる。 同様に、第2A図及び第2B図の造影剤画像を拡大して、それぞれ第5A図及 び第5B図に示されるように、正中神経MNを含む領域をよりよく示しても、高 度に熟達した観察者には神経の区別は可能である。より具体的には、画像4A及 び4Bの発生の間の6時間の間、フェライト造影剤を移送させると、正中神経M Nに隣接する非神経構造に対するMNの 輝度が失われることになる。このように、この観察及びSTIRを基礎にした評 価から、正中神経MNを識別することができる。 造影剤の使用は、有望であるが、それには限度がある。例えば、医学では可能 な限り投与技術(invasive technologies)の使用を避ける傾向が増加している。 更に、一般的に、造影剤は1つの神経または神経群のみを撮像するために用いる ことができるものである。おそらく最も重要なのは、使用される造影剤は、典型 的に、撮像される神経の輝度を減少させることである。神経は現在のMRI画像 においてでさえ目視することが難しいので、先の第2図乃至第5図の説明によっ て示されるように、画像に対する造影剤の影響は解釈が困難なこともある。 他の用途では、造影剤を使わずにMRIを用いて脳の非末梢白質神経束(non-p eripheral white matter nerve tracts)のマッピングを行なっている。白質束は 、脳の灰質組織を貫通して延び、比較的高い異方性拡散を示す。より具体的には 、それらの物理的構造が与えられた場合(即ち、ミエリン鞘に囲まれた軸索経路 )、白質束に沿った水の移動性は比較的高いが、この束に垂直な水の移動性は低 い。周囲の灰質は、しかしながら、このような異方性は示さない。 この神経組織の特性を利用したMRIを基本とした白質神経束のマッピング技 術は、ドウエックらの、Myelit FiberOrientation Color Mapping, BOOK OF ABS TRACTS, SOCIETYOP MAGNETIC RESONANCE IN MEDICINE,p.919 (1991)に記載さ れている。基本的に、上述の場及び勾配に加えて、このプロセスは、撮像対象の 白質束に垂直及び平行に配向された一対の場勾配パルス(以後拡散勾配と呼ぶ) の使用を伴なう。パルス状勾配の効果は、総てのスピンからの受信信号の移送を 変化させることである。静止状スピンについては、2つの拡散勾配の効果が打ち 消される。これに対して、2つの拡散勾配間の時間において、ある空間位置から 別の位置に移動するスピンは、スピン磁化の周波数及び位相の変化を受け、受信 信号の減少という重大な影響を被る。信号の減少は、2つのパルス状系勾配間で 最大距離の拡散をしたスピンにおいて最大となる。 先に注記したように、束の異方性特性が与えられると、水分は束に沿って自由 に拡散するが、束に垂直な移動については制限される。従って、拡散勾配が束と 整合されると、拡散勾配が束と垂直に整合される時よりも信号の減少は大きくな る。この減少は周囲の灰質組織では示されないので、白質束を識別することがで きるのである。 モーズリーらによってAnisolropy in Diffusion WeightedMRI,19 MAGNETIC RESONANCE ON MEDICINE 321(1991)で示されたように、異方性拡散は、末梢神経 の認識された特性でもある。しかしながら、ドウエックらの技術は、未だ認識さ れていない多くの理由により、末梢神経を筋肉や他の組織から区別できない。第 1に、白質束の大きさ及び構造によって、得られる信号が画像処理にとっては十 分強いことが保証されるが、末梢神経は、それよりかなり小さく、区別が更に困 難である。第2に、白質束とは異なり、末梢神経は一般的に筋肉及び脂肪に囲ま れており、これらは両方ともドウエックらのシステムに神経を撮像する能力を減 殺する。 モーズリーらのAcute Effects of Exercise on Echo Planar T2及びDfffusi on Weighted MRI of Skeletal Musclein Volunteers,BOOK OF ABSTRACTS,SOCI ETY OF MAGNETICRESONANCE IN MEDICINE 108 (1991)によって認められているよ うに、入念に分析することにより、筋肉も、その繊維構造によって、拡散異方性 を示す。結果として、ドウエックらの簡単な異方性分析では末梢神経や筋肉を区 別することはできない。脂肪は等方性であるので神経と区別可能であるが、これ も末梢神経の画像処理を損なうものである。具体的には、脂肪の返答の神経の返 答に対する相対信号強度は非常に高く、 生成された画像内で末梢神経が区別できなくしてしまう。 ここまでの意見から認められるように、造影剤に頼ることなく、単一の末梢神 経または神経系統全体を高速に而も何も投与せずに撮像する方法を開発すること が望まれている。発生される画像は十分詳しく且つ高精度であり、個々の末梢神 経の位置及び状態が評価できなければならない。更に、画像の情報内容を高め、 神経障害や乱調を診断し、処置や治療の管理を通知及び制御するように神経画像 (ニューログラム)を処理するシステムを提供することも望まれている。発明の概要 本開示は、個々の患者の神経及び神経叢の三次元画像を発生することができる 非常に注目すべき新しい方法に関する。 画像は磁気共鳴スキャナによって無投与で而も高速に得ることができる。本発明 の或る実施例は、骨、脂肪、皮膚、筋肉、血液、及び接続組織を含む体内の他の 総ての構造を消去し、神経ツリーのみが残って見えるように、これらの画像を取 り込む。所与の撮像された領域を通過する複数の神経を同時に観察することがで き、他の造影剤技術によって単一の神経のみを撮像する場合に起こる、神経識別 の曖昧さを低減することができる。 本発明は、空間座標での信号強度のデータ集合を収集する 方法の発見に基づいており、このデータ集合は、生きている啼乳類の二次元断面 における、或いは三次元データ獲得空間における、神経の位置を記載するもので ある。磁気共鳴撮像装置を制御または動作させることができる多数のパルス・シ ーケンスが存在し、それらの各々が好適な画像最適化を達成する。しかしながら 、以前は、神経の相対的信号強度を高め、体内または腰部断面の他の総ての組織 よりも明るくすることができる、単純な(単一)または複雑な(二重または多重 )パルス・シーケンスはなかった。驚くべきことに、本発明者らは、複雑なパル ス・シーケンスを組み合わせる幾つかの新たな方法があることを発見した。シー ケンスの単純な成分が神経の信号対ノイズ比を低下させるか、或いは神経の他組 織に対する信号強度を低下させても、複雑なシーケンスを完全に組み合わせるこ とによって、実際神経信号が他の組織よりも強くなるのである。このように、神 経の画像における顕著性が向上する。 このように、本発明の第1の態様は、神経造影剤の使用を必要とせずに、対象 の神経組織を選択的に撮像する方法を提供することであり、この方法は、対象の 一部、即ち検査対象を磁気共鳴撮像の場に露出させて、磁気共鳴を検出し、前記 検出された共鳴から神経組織の画像を生成させることから成 り、前記画像内で対象となる神経、根、または神経束を、周囲の構造から目で見 て区別できるようにする。 本発明の第2の態様は、対象の神経組織を選択的に撮像する方法を提供するこ とであり、この方法は、水分拡散の異方性または神経組織の他の特別な性質を判 別するように構成された磁気共鳴撮像の場に、検査対象の一部を露出させ、磁気 共鳴を検出して前記共鳴に応じた電気信号を発生させ、前記電気信号から神経組 織の画像を生成させることから成る。 また、本発明は神経造影剤の使用を必要とせず、対象の神経組織を選択的に撮 像する装置も提供する。この装置は、検査対象の一部を磁気共鳴場に露出させる 部材、磁気共鳴を検出し、前記共鳴に応じた電気信号を生成させる部材、及び前 記電気信号から神経組織の画像を生成させ、前記画像内の対象となる神経、根、 または神経束が、周囲の構造から目で見て区別できるようにする部材から成る。 本発明は、また、対象の神経組織を撮像する装置としての表現を見出した。前 記装置は、水分拡散の異方性を判別できるように構成された磁気共鳴場に検査対 象の一部を露出させる部材、磁気共鳴を検出し前記共鳴に応じて電気信号を発生 させる部材、及び前記電気信号から対象となる神経組織の選択画像を生成させる 部材から成る。図面の簡単な説明 本発明の先の態様及び付随する利点は、添付図面に従って記載された以下の詳 細な説明を参照することによって、よりよく理解されるにつれて、一層容易に認 められよう。 第1図は、種々の神経及び非神経構造を示す、兎の前腕上部の断面図である。 第2A図及び第2B図は、前腕にフェライト造影剤が注入された後に、MRI システムを用いて離れた2時点において生成された、第1図に描いた種類の兎の 前腕上部の画像である。 第3図は、短トー反転復元(STIR)スピン−エコー・シーケンスを採用し、MR Iシステムを用いて生成された、兎の前腕上部の他の画像である。 第4図は、対象となる末梢神経に関連した、第3図の画像の一部の拡大図であ る。 第5A図及び第5B図は、それぞれ対象となる末梢神経に関連する、第2A図 及び第2B図の画像の一部の拡大図である。 第6図は、本発明に従って構成された神経記録法システムのブロック図であり 、当該神経記録法システムに情報を与えると共に、例えば神経診断、治療、外科 手術及び訓練を実施 するために設計された複数の他のシステムに結合されたものを示す。 第7図は、第6図の神経記録法システムの動作の機能図である。 第8図は、第6図の神経記録法システムに含まれる種々の構成物の例示である 。 第9図及び第10図は、第8図の神経記録法システムを用いてニューログラム を生成する一方法を示すフローチャートである。 第IIA図乃至第IIF図は、第6図の神経記録法システムから診断に適した 画像を生成させる際に用いて好適なパルス・シーケンスを示す。 第12図は、脂肪削除を用いた神経記録法システムの実施例によって生成され た兎の前腕上部の別の画像である。 第13A図及び第13B図は、撮像される神経の異方性軸にそれぞれ垂直及び 水平な勾配を用いた、神経記録法システムの実施例によって生成された、兎の前 腕上部の更に別の画像である。 第14A図及び第14B図は、それぞれ、0,3,5及び7ガウス/センチメ ートルの勾配を用いて生成された兎の前腕上部の画像である。 第15A図乃至第15C図は、ゼロ、垂直、及び水平勾配を用いて神経記録法 システムによって生成可能な画像であり、一方、第15D図は第15B図及び第 15C図の画像に基づいた画像であり、ここでは減算ニューログラムと呼ぶこと にする。 第16図は、第8図の神経記録法システムを用いて生成された脳のベクトル長 画像である。 第17図は、第8図の神経記録法システムを用いて撮影した脳のアークタン画 像である。 第18A図乃至第18D図は、第8図の神経記録法システムを用いて生成し、 生成された画像上のTE列の影響を示す兎の前腕の画像である。 第19図は、本発明の神経記録法及び医療システムに用いられた当て木(splin t)を示す。 第20図、第21図、及び第22図は、第8図の神経記録法システムを用いて 生成された人間の脳神経の画像を示し、第20図及び第21図は、神経束を撮像 する(2つの断面スケールで)システムの能力を示し、第22図は神経の軸方向 投影を示す。 第23図は、脊椎の断面図であり、1つの神経記録法用途に示される構造の種 類を示すものである。 第24図は、第8図の神経記録法システムに用いるための、本発明に従って構 成された外科システムの概略図である。好適実施例の詳細な説明 ここで第6図を参照すると、神経記録法システム10が、より広い医学システ ム12の一構成物として示されている。従来技術の構成とは異なり、システム1 0は、造影剤を用いることなく、個々の末梢神経または神経ツリー全体のパター ンを示す精度の高い画像を、高速且つ無投与で発生する。本システムは、被検査 標本の神経断面図を示すこのような画像(以後ニューログラムと呼ぶ)を二次元 または三次元で表示可能とする。画像は、選択的に標本内の他の全構造を削除す ることができ、或いは参考として神経に関連する他の構造の肉体的関係を示すこ ともできる。1.医療システムの概要 第6図に示すように、医療システム12に含まれる神経記録法システム10は 、4つの基本構成物、MRIシステム14、処理システム16、入力システム1 8、及び出力/表示システム20を備えている。好適な構成では、MRIシステ ム14は、被検査患者の画像データを収集するのに用いられるために改造された 従来のMRIシステムである。処理システム16は、入力システム18を介して 供給された操作者の 入力に応答して、MRIシステム14を制御し、その出力を処理して、得られた ニューログラムをシステム20に表示する。以下に、より詳細に記載するが、シ ステム16は種々の異なる画像処理プロトコルを単一で或いは組み合わせて用い ており、生成された画像が、これまでには達成されなかった画質であることを補 償する。 医療システム12は、システム10によって生成される画像情報を補足したり 、種々の目的のためにその情報を用いる多数の構成物を含む。例えば、補助デー タ収集システム22は、患者の撮像された領域における血管や骨のような非神経 構造についての画像情報を収集するために設けられている。この情報は、次にシ ステム10によって生成されたニューログラム内のそれら構造の表現を消去させ たり或いは強化させるために用いることができる。システム12に含まれている 診断システム24は、システム10によって生成された画像を分析するために用 いられる。システム10によって高解像度かつ高精度のニューログラムが生成さ れると、システム24は神経通過情報を分析し、例えば、神経の圧迫、怪我、腫 瘍などに関連する不連続部分を検出するようにプログラムすることができる。シ ステム24は、不連続点の位置を示す出力を発生し、医学的に評価された異常に 関連付けられた画像 情報データベースを参照することによって、撮像された不連続点の性質及び程度 の指示を出す。これらの出力は診断に用いることができ、或いはシステム10に フィードバックとして供給し、患者の検査対象領域(ROI)の精度を上げるこ ともできる。 医療システム12は、治療システム26及び外科手術システム28を含むこと もできる。システム26及び28は、システム10からの患者の神経構造につい ての情報を用い、所望の治療または外科手術の適正な管理の補佐を行うものであ る。例えば、この情報を用いて損傷された神経部位にロボット・スタイラスを案 内して処置を行なったり、或いは、患者の末梢神経を損なうことなく非神経構造 の手術を行なうことができる。システム26及び28は、外科医の制御とは独立 に動作することもでき、また単に外科医に実行中の手術と患者の神経構造との間 の関係に関するリアルタイムのフィードバックを与えることもできる。 訓練及び開発システム30は、種々の異なる目的のために医療システム12に 含まれている。例えば、訓練システム30を用いて、種々の神経の解剖学的構造 を、それらの非神経構造との位置的関係と共に示すことができる。この情報は、 従来技術の非常に限られた能力に対して、大きな教育的価値 を有するもので、直接検査を含む詳細な解剖学的情報を提供する。訓練システム 30は、神経記録法システム10の有効性を分析すると共に、パルス・シーケン スやその他のシステム10の動作パラメータを制御するために用いられるフィー ドバックを与えるように設計することもできる。 最後の構成物として、医療システム12は、システム12の他の構成物内の個 別処理システムに加えて、或いはそれに代わって、ホスト処理システム32を含 む。第6図には別個に示されていないが、システム32は入出力回路によってシ ステム12の残りの部分に結合されている中央処理部(CPU)を含んでいる。 CPU及びシステム12の種々の構成物の動作を制御するため、及びシステム1 2によって収集された画像やその他のデータを記憶するためにメモリが設けられ ている。システム12の種々の構成物が1つのソフトウエア・セットに従って対 話式で動作させるような場合、別個のホスト処理システム32を用いることは特 に望ましい。2.神経記録法システム 次に神経記録法システム10の詳細な説明に移る。システム10のより重要な 動作上の構造の幾つかが、第7図に大まかに描かれている。後により詳細に記載 するが、システム10は、1つ以上のこれら構造を用いて従来のMRIの画像処 理能力を十分に高め、診断上及び治療上有用な情報を得るように構成されている 。 図示のように、システム10の動作は、データ収集34、画像処理及び分析、 画像表示38、及び制御40の大まかなステップに分けることができる。データ 収集プロセス34は、例えばスピン−エコー画像処理42を含み、これが1つ以 上の以下のプロトコル、脂肪削除44、拡散重み付け46、及び「長T2」処理 48、ならびに磁化移転(magnetization transfer)を含む他のプロトコルによっ て補足される。これらのプロトコルの各々は、末梢神経の画質を十分高め、これ まで得られなかったMRIニューログラムを提供するものである。 プロセス34によって収集されたデータは、二次元及び三次元の画像発生50 を含む画像処理及び分析36を受ける。画像発生50は、生成された画像上の例 えば血管や患者の動きの影響を低減する作用を行なう、更に種々雑多の削除機構 52によって改良される。画像減算機構54を採用して画像から総ての非神経成 分を除去することもできる。a.神経記録法システムの構成 先に神経記録法システム10の動作的側面を簡単にまとめたので、その構成及 び動作についてここで詳細に検討する。 一実施例では、MRIシステム14は、SIGNA(ソフ卜ウエア・リリース5 .2)という商標でGE MedicalSystemsから販売されている種類の撮像部I を含む。 この点について、第8図に示すように、撮像すべき患者の領域Rを、MRIシ ステムの撮像部Iの空隙B内に配置する。後に詳細に記載するが、撮像部に対す る領域Rの位置を当て木58によって安定させてもよい。当て木58は動きのア ーチファクトを制限し、二次的参照フレームに基準マーカを発生し、システムの 境界効果を被る可能性を低減させる。これを用いなければ、皮膚と空気との間の 境界付近で、脂肪削除が大きく低下する。 MRIシステム14は、領域Rを所望の偏向の場に露出させるための偏向場コ イル60を含む。偏向場は、例えば1.5テスラの強度を有し、z軸に沿って配 向されている。 同調したrf励起コイル62も、検査対象の領域R上の空隙B内に配置される 。コイル62にはパルス状rf入力が供給され、以下に説明するような方法で、 領域Rにおいて核スピンの励起のための場を発生する。また、コイル62は、ス ピンによって発生される返答またはエコーの場を検出するためのものでもあるが 、別個の送受信コイルを代わりに用いてもよい。 励起コイル62は、例えば、ソレノイドまたは表面コイルであり、撮像すべき 領域(例えば、患者の腕、脚、肩、胸、骨盤、頭部、首または背中)上に密接す るような構成及び寸法とされている。好適実施例では、しかしながら、位相アレ イ・コイル・システムを用いて、返答の信号対ノイズ比を高め、これによってシ ステム14の空間解像度を改善すると共に、こうしなければ余りに弱すぎて有用 な画像を形成できなかった信号から情報を引き出せるようにしている。例えば、 1−2ミリ程度の厚さを有する末梢神経を鋭く分解する場合、各アレイは横方向 及び縦方向に対に配列した、即ち線形に対をなすアレイ状に配列した、4−6個 の別個のコイル7を含む。 3対の勾配コイル64及び66も撮像部の空隙B内に配置されている。これら のコイルは、各x,y及びz軸に沿って、サンプル領域R上の偏向場上の、約1 ガウス/センチメートルの位置勾配に重なり合っている。しかしながら、簡単化 のために、z勾配コイル64及び66のみが第8図に示されている。 好適な構成では、同一のコイル対64及び66を用いて所望の軸に沿った拡散 勾配、及び必須の位置的勾配を生成する。また、1つ以上の別個の拡散勾配コイ ル対68及び70を撮 像部の空隙Bに設けてもよい。別個のコイル対68及び70が可動台(track)上 に取り付けられる場合、実質的に如何なる所望の拡散勾配配向でも得ることがで きる。拡散勾配は、位置的勾配に比べて、比較的強く、例えば10ガウス/セン チメートル以上の範囲である。 コンピュータ72及びフロントエンド回路74が、処理システム16、入力シ ステム18を形成し、フロントエンド回路74は第6図に示す神経記録法システ ム14の処理システム16、入力システム18、及び出力表示システム20を形 成する。コンピュータ72及び回路74は協同してMRIシステム14の動作を 制御し且つ同期させると共に、獲得したデータの処理及び表示を行なう。 コンピュータ72は、例えば、486プロセッサ、VGAモニタ及びキーボー ドを備えたIMB互換型パーソナル・コンピュータである。回路74に含まれる インターフェース・バス76が、コンピュータ72を回路74の他の構成物に結 合する。 回路74に含まれる勾配パルス発生器78は、全体的に矩形型の出力パルスを 生成し、偏向場に所望の勾配を形成する。発生器78の出力は、x−、y−及び z−軸勾配場増幅器80に供給されるが、第8図にはz−軸の増幅器80しか示 さ れていない。好ましくは、別個のコイル68及び70を用いて拡散勾配を形成す るが、その場合、発生器78の出力は別個の増幅器82を経てそれらのコイルに 供給されなければならない。 回路74は、更にrfパルス発生器84も含み、励起場の形成に用いられるr f信号パルスを生成する。好適な構成では、パルス発生器は、プロトンMRIに 用いるのに適したrf出力を生成するが、19フッ素、13炭素、31燐、デューテリ ウム、または23ナトリウムのような、他のMRIが可能な核に特定した周波数を 用いることもできる。発生器84の出力は、デュプレクサ88によって選択的に 励起コイル62に供給される前に、高出力rf増幅器86によって増幅される。 デュプレクサ88も、励起コイル62によって受信された低レベルのMR返答を 、前置増幅器90に選択的に向けるように制御される。 ミキサ92は、増幅されたMR返答をデジタル的に制御されたrf発振器94 からの信号と混合することによって、前置増幅器90の高周波数出力を低周波数 信号に変換する。発振器94は、発生器84にも入力を供給する。ミキサ92か らのアナログ出力は、最終的にアナログ/デジタル変換器98によってデジタル 形状に変換される前に、ローパスフィル タ96に入力される。コンピュータ72は、スピンの印加された場に対する応答 を表わす、結果的に得られたデジタル信号を処理し、所望のニューログラムを発 生する。b.神経記録法システムの動作 神経記録法システム10の基本構造を見直したので、ここでは所望の二または 三次元ニューログラムを発生するための動作について考える。このために、第9 図及び第10図はニューログラムの生成において、システム10によって行なわ れる全体的な一連のステップを示す。これらのニューログラムは神経が非常に顕 著に現れる。今後の議論のために、これは神経と背景画像との間のコントラスト (例えば輝度または色)を参照することによって理解されよう。以下に記載する 方法を用いることにより、脳を含む体の実質的に如何なる領域のニューログラム 例えば、脳神経系(CNS)のニューログラムでも生成させることができる。 ブロック100に示されるように、本システムの動作は、まずシステムのある 動作パラメータを決定するために初期化される。この点について、操作者は起動 時に発生される質問に応答してコンピュータ72を通じて所望のパラメータを入 力する。システムの動作の殆んどがコンピュータ72のメモリに常駐するソフト ウエアによって制御されるので、デフォ ルト初期化パラメータにアクセスすることも可能である。 初期化すべき特定のパラメータは、ユーザの裁量によって変化するが、その例 として、発生すべき画像の種類(即ち、二次元断面または三次元投影図)、視野 (FOV)、各撮像されるスライスの厚さ、パルス繰り返し率(IR)、位相エ ンコーディング・ステップ数、拡散異方性の既知の軸の存在、及び用いる拡散勾 配の強度及び方位が含まれる。例えば、操作者は、二次元画像、4cm×4cm のFOV、1.5秒のTR、及び256位相エンコード・ステップを選択するこ とができる。異方性軸の識別については、以下に論じる。 一旦初期化が完了すれば、第7図に関連して論じたデータ収集処理34に対応 する一連のステップが実行される。このプロセスは、一般的に、フロント・エン ド回路74に関連して用いられるパルス・シーケンスの制御に関する。以下によ り詳細に説明するが、パルス・シーケンスの異なる集合及びパルス・シーケンス の組み合わせを発生し、小さな末梢神経を、隣接する類似形状及び位置の構造か ら、大まかに区別する。或る既存の列を組み合わせて新しい集合として新たな状 況に用いたり、ニューログラム処理のための最適化された構造を組み込むための 新しい列を設計することが含まれる。例示として、適正なパルス・シーケンスの 一例の図を第11A 図乃至第11F図に示す。i.脂肪の削除 第9図のブロック102に示されるように、画像発生プロセスにおいて実行さ れる第1の選択ステップは、脂肪の削除である。脂肪は骨及び組織のMRI画像 におけける既知の妨害源を表わすが、神経MR信号は背景成分には関係なく撮像 には不適当であると広く考えられていたため、これまで有効な神経撮像に対する 妨害とは認識されていなかった。脂肪削除の値は、本発明の開発中に、撮像シス テムのスペクトロスコピー(spectroscopy)部分用に設計された主磁場磁石を偶然 用いることによって発見された。 この点について、MRスペクトロスコピーでは、比較的強い磁場を用いて、同 一核の異なる化学的種から発生する信号間の周波数間の分離を増大させて、これ によってこれらの成分がより簡単に区別できるようにしている。MRIはサンプ ルに周波数分散(場勾配を加えることによって形成する)も用いて、スピンを位 置決めすると共に、画像を作成する。脂肪及び水からの信号は周波数が僅かに異 なっており、画像では互いにずれて現れる。 脂肪/水のずれは、低磁場診療用MR Iシステムが用いられる時は、比較的 小さい。偶然、非常に強いスペクトロスコ ピー場磁石が、初期の神経撮像の試みにおいて用いられ、生成された画像では脂 肪のずれがより大きいものとなった。輝度の高い脂肪信号を神経からずらせるこ とにより、神経をより目立たせて観察できることになった。この改良が認識され 、実際には、システム14に脂肪削除を含ませることによって、効果的な神経撮 像を達成することができたという現実に至った。 明らかに、脂肪削除は、神経記録法用の従来のMRIシステムの使用を、幾つ かの方法で促進するものである。第1に、余分な成分を除去すれば、撮像された 構造の中で区別するものの数が減少する。第2に、脂肪が削除された画像では、 末梢神経が比較的高い輝度で現れ、削除された脂肪によって低い輝度となった他 の空間に対して非常に目立つことになる。以下により詳細に記載するが、脂肪削 除は拡散異方性及び磁化転移効果の見かけ上の度合いも相乗的にに増大させる。 ある適当な脂肪削除技術は、化学的シフト選択(CHESS)パルス・シーケ ンスの使用を伴なう。これは、例えば、ハースら.のNMR Chemical Shift Selec tive lmaging, 30PHYS.MED.BIOL.341-344. (1985) に記載されている。 第IIA図に示すように、CHESSは、狭帯域rfパルス・シーケンスA、 B及びCを励起コイル62に印加し、撮 像される患者の領域R内の脂肪分子の核スピンを選択的に励起させることを伴な う。一例として、−3dB、600ヘルツの帯域を有する3ミリ秒のガウス型パ ルスを用いることができる。一連の勾配パルスa、 b及びcのシーケンスを次 に3組の勾配コイル64及び66に印加し、励起されたスピンの位相を外す(dep hase)。これによって脂肪信号の最終画像に対する影響を最少に抑える。直交す る勾配コイル対に印加される勾配パルスa、b及びcは、例えば、それぞれx, y及びz軸に沿って、3ミリ秒の間5ガウス/センチメートルの勾配を生成す る。 第12図は、MRIシステム14によって生成されたニューログラム上での脂 肪削除の効果を示す。第12図に得られた画像は兎の前腕であって、先に述べた 第1図乃至第5図の画像に対応するものである。画像の暗い部分は、画像の輝度 が高い所を表す。第12図に示すように、尺骨神経UN及び正中神経MNは容易 に識別される。 脂肪削除にCHESSを用いる代わりとして、選択的水刺激(water stimulati on)によって所望の削除を行なってもよい。他の適した代替案には、例えば、デ ィクソンらのSimple Proton Spectroscopic lmaging, 153 RADIOLOGY 189-194 ( 1984)に記載されているディクソンの技術、及びlmpr oved Fat Suppression in STIR MR lntaging: Selecting lnversion Time throu gh Speclral Display, 178 RADIOLOGY885-887 (1991) に記載されたSTIR( 短トー反転復元)が含まれる。 好適実施例では、脂肪削除は拡散重み付けや長T2処理のような他の技術と組 み合わせたが、脂肪削除それ自体でも従来のMRI処理を十分強化し、医療上有 用なニューログラムを発生することができる。同様に、以下により詳細に記載す るが、システム10によって用いられている他の技術を用い、脂肪削除を使用せ ずに適切なニューログラムを発生することもできる。ii.スピン−エコー・シーケンス(拡散重み付け不使用) 第11図に描かれた例示的なパルス・シーケンスの任意の導入部分について論 じたので、神経記録法システムの動作の次の段階を検討する。 この点について、第11A図に示されたrf励起パルスDをコイル62に印加 し、スピンの正味磁石モーメントを偏向場に対して90度勾配させ、横断面に入 れる。すると、スピンの位相が外れるにつれて、得られた最大横断方向磁化がゼ ロに低下する。返答即ちエコー時間(TE)の半分の遅れの後、パルスDの2倍 の強度を有する第2パルスEを、コイル 62に印加する。このパルスは、スピンを更に180度回転させ、スピンが再度 同相となると、スピン−エコーを形成させる。スピン−エコーは更にTE/2の 遅れの後、最大振幅をもつようになる。従って、励起パルスDと再合焦パルスE との影響の結合に応答して、スピン−エコー信号Fは時刻TEにおいてコイル6 2に発生する。これらのステップは、第9図のブロック104、106及び10 8に描かれている。 同時に、直交コイル対64及び66によって撮像勾配が生成され、通常の方法 でエコー信号Fをエンコードし、ブロック110に示すように、MR画像を構成 させる。z軸に沿って配向されたサンプルを用いて、第11C図に示す「スラィ ス選択」パルスd,d’及びeをZ軸コイル対64及び66に印加し、対象とな るスライスのz軸を励起し、かつ再合焦する。第11D図に示す「読み取り勾配 パルスf及びf’を、例えば、x軸コイル対64及び66に印加し、フーリエ変 換すべき所望の出力を得る。第11E図に示す「位相エンコーディング」パルス g及びg’をy軸コイル対64及び66に印加し、受信すべきエコー数(例えば 256)を制御する。このシーケンスは連続的なスライスや、患者の領域から画 像を発生する。 操作者が(ブロック100において)神経記録法システム 10によって特定の画像の発生のために拡散重み付けを必要としないことを示す と、第11A図乃至第11E図に示すパルスが実質的にスピン−エコー・シーケ ンス全体を規定することは理解されよう。拡散重み付けを用いるとしても、好適 実施例では初期画像は、改善のための脂肪削除のみを用いて発生され、その結果 、特定のスライスに対するスピン−エコー・シーケンスの最初の実行中(ブロッ ク104−110)、拡散重み付けは用いられない。 先の神経記録法システム10の実施例ではスピン−エコー画像処理を用いたが 、他の技術を用いることもできる。適切な代替技術には、例えば、刺激エコー撮 像(stimulated echoimaging)及び勾配呼び出しエコー撮像(gradient-recalledec ho imaging)、例えばエコー平面撮像(EPI)が含まれる。このような代替技 術は、パリックのMAGNETIC RESONANCIMAGING TECHNIQUES (1992)に記載されてい る。iii. エコー処理 第11図に描いた連続画像処理では、一連のエコー一信号Fを得て、二次元画 像を作成した。例えば、ブロック112において、第9図では256のエコーと 256の異なる位相エンコード勾配振幅とを用いて、256×256画素の画像 を構成した。このデータ集合は、次にブロック114でゼロを 充填することによって拡大し、1024×1024マトリクスのデータを生成す る。結果として、最終画像の見かけ上の解像度が高くなり、画像がより明確とな る。 次に拡大データ集合を、2Dガウス・フィルタを用いてブロック116におい て処理する。このフィルタは、画像内の高周波成分を減衰することによって画像 を平滑化し、対象領域全体の相対的平均画素輝度を変えずに、微細部分の非線形 性(delineation)を明確にする。ブロック118において、二次元マトリクスの データに二次元フーリエ変換を行ない、記憶すべき画像を生成する。望ましけれ ば、画像をコンピュータ・モニタに表示してもよいが、好適な構成では、この画 像は選択された強調画像を発生するために行なわれる、より広範な分析に用いら れる一構成物に過ぎない。 一旦初期画像が発生されると、第10図に示すようにその画像の分析が始まる 。ブロック122において、当該画像内の1つ以上の対象領域(ROI)を識別 することができる。各ROIは、単一の画素またはボクセル(voxel)、或いはよ り広い領域のこともある。ROIの選択は、例えば、キーボードまたはマウスを 用いて、表示画面上のROIに亘ってカーソルを動かすことにより、手動で行な うことができる。また、ROIの選択は、全画素の連続的選択、または例えば診 断システム26からの特定領域に関する外部入力によって、自動的に実行するこ ともできる。 次に、各ROI内の平均画像または画素の輝度を、ブロック124で計算する 。この平均画像輝度Sは、次の式で表すことができる。 S = A0[exp(-TE/T2)][exp(-bD)] (1) ここでA0 は特定画素の絶対信号強度、bは勾配係数であり、次の式に従って 決められる。 b=γ2(Gi 2)(δ2) (Δ−δ/3) (2) ここで、rは磁気回転比、Giは偏向場強度、δは拡散重み付け勾配パルスの長 さ、及びΔは拡散重み付け勾配パルス間の間隔である。拡散重み付けが用いられ る前の最初の繰り返しでは、式(1)の最終項は、従って1である。 式(1)及び(2)の表現を利用するために、先のデータ獲得プロセスを、エ コー時間の異なる値について繰り返す。一方、以下に詳細に記載するが、拡散重 み付けを用いる場合、データ獲得プロセスは、異なる勾配強度(勾配強度及び/ または期間を調節することにより制御する)または勾配方位について繰り返す。 例えば、30、60、90及び110ミリ秒のTENまたはON 3、5及び7 ガウス/センチメ一トルの勾配強度を用いることができる。TEの特定の値に対 する、 同一横断スライスのこれら多重画像の特定画素に対する画像輝度S(または、拡 散重み付けを用いる場合はb)が得られ、対数関係の線形回帰分析がブロック1 26で実行される。 最後に、ブロック128において、見かけ上のT2 弛緩時間(relaxation time )の値(または拡散重み付けが用いられる場合は、見かけ上の拡散係数D)が、 特定のROIについて計算される。これらの計算は、画像内の種々のROIの定 量的評価を与え、医療システム12の他の構成物による以降の画像処理に用いら れる。iv.拡散重み付けに対する勾配方位 好適な構成では、初期脂肪削除画像が収集されそのROIの特徴付けが行なわ れた後に、拡散重み付けの分析を開始し、神経及びその他の組織によって示され る拡散異方性を評価することによって発生されるニューログラムを、更に改善す る。この分析の最初の要点は、用いる拡散勾配の選択である。 紹介のために述べると、現好適実施例では、この分析は、パルス化された磁場 勾配を2方向以上で偏向場に印加し、末梢神経が強調された、或いは削除された 画像を生成する。これは、選択された特定のパルス状勾配軸から得られる「拡散 重み付け」によって左右される。次に、以下により詳細に記載する方法で、強調 画像から削除画像を差し引くことによっ て、水の拡散異方性の判別を行ない、末梢神経のみを描いた画像を生成する。 より具体的には、磁場勾配を互いに実質的に直交する方向に印加する。例えば 、撮像される特定点における末梢神経の軸に略垂直及び水平な勾配を用いて、平 行勾配画像を、垂直勾配画像から差し引いて、所望の「神経のみ」の画像を生成 することができる。 神経の軸は通常操作者には知られており、そのMRIシステム14の基準フレ ームとの関係が、初期ブロック100において示され、所望の直交する拡散重み 付け勾配の方向を容易に判定することができることが、認められよう。一方、末 梢神経の軸が判らない場合、または異なる軸を有する多くの神経が撮像される場 合、神経記録法システム10は、実質的にあらゆる軸に整合する、神経を撮像す るのに適した勾配配向システムを用いなければならない。例えば、以下により詳 細に記載するが、全三次元ベクトル分析を用いて、拡散係数を特徴付け、拡散重 み付け勾配の固定配列に基づく構造を、ニューログラムに与えることができる。 上腕または手首のような解剖的分析領域において、対象位置において神経の軸 に垂直な単一の拡散勾配のみを加えることによって、ニューログラムを分離させ 適当に強調すること も可能である。結果として、ニューログラムを生成するために減算を行なう必要 がなくなる。脂肪を削除し、直交方向に拡散重み付けした画像は、直接処理する ことができ、或いは、しきい値処理を施し、非神経組織または撮像位置における 移動と異なる軸または方向を有する神経と関連する強度が低い信号を除去するこ とができる。 より速く効率的なデータ収集及び処理のために、偏向場における拡散勾配の設 定は、目下問題となっている撮像に応用する先の筋書き(scenario)の特定の1つ に応じるべきことは認められよう。ブロック100で与えられた入力に応じて、 (a)既知の方位の1つの勾配のみが要求されること、(b)既知の方位の2つ の直交する勾配が要求されること、または(c)方位が判らない2つ以上の勾配 が要求されることを、システムは知らされている。 第10図のブロック130に示すように、画像分析の完了時に、システムは、 例えば、スピン−エコー処理または高速スピン−エコー処理によって、後続する データ獲得の間に、総ての所望の拡散勾配が偏向場に印加されたかを考慮する。 初期の脂肪削除処理では拡散勾配を用いなかったので、初期状態では答えは否で あり、処理はブロック132に進む。 ここで、コンピュータは、拡散異方性の軸が既知であるこ とを操作者が初期状態で示したかを判定する。当該軸が既知であれば、ブロック 134に示すように、垂直な拡散勾配を用いる。次に、ブロック136に示すよ うに、一連の拡散重み付けしたスピン−エコーを行ない(以下に詳細に記載する 方法で拡散勾配を含ませることによって変更する)、ブロック124−128に おいて画像の数量化が生じてDまたはT2,を計算する前に、ブロック102− 122に従って画像を発生する。操作者が初期化において、現在問題となってい る特定の撮像に直交拡散勾配が要求されていることを指示したならば、この処理 を、平行拡散勾配について、ブロック138及び140で繰り返す。 ブロック132において行なわれた質問で、拡散異方性が未知であると判定さ れたなら、処理はブロック142に進む。 ここで、初期拡散勾配を任意に選択し、続いて異方性軸が未知の場合操作者が用 いるために、一連の代わりの勾配を選択する。 ブロック144において、初期拡散勾配を用いて、スピン−エコー・シーケン スを実行し(以下に詳細に記載する方法で、拡散勾配を含ませることによって変 更する)、ブロック124−128において画像データの量子化が行なわれる前 に、ブロック102−122に従って、画像を発生する。次 に、ブロック146において、試験を実施して、所望の数の異なる拡散勾配(例 えば、x,y及びZ軸に沿った3つの勾配)が用いられたかどうかを判断する。 用いられていなければ、ブロック148において次の拡散勾配を選択し、ブロッ ク144に示されているように、スピン−エコー・シーケンス、撮像及び処理動 作を実行する。このプロセスは、所望数の別の拡散勾配が用いられるまで、繰り 返される。 局所勾配コイルによって与えられるもの以外に勾配が軸に沿って望まれる場合 、勾配コイルを追加してもよいことは認められよう。このために、拡散勾配コイ ルは、撮像部の空隙内の磁気的に互換性のある可調整トラック(track)上に取り 付けられ、実質的に連続する方位範囲に亘って、勾配の再配置及び印加を可能と することもできる。同様に、撮像すべき領域を、1組の固定勾配コイルに対して 移動可能に支持し、勾配方向に所望の多様性を導入することもできる。他の選択 肢として、複数の異なる勾配コイルを用い、種々の組み合わせで作動させて、所 望の勾配変更を行なうこともできる。また、限られた数の勾配方向から得られる 結果を、ベクトル分析を用いて処理し、直接得られるもの以外の勾配によって得 られる結果を予測することができる。これについて以下に詳細に記載する。v.拡散重み付けのためのスピン−エコー・シーケンス 先に簡単に注記したように、用いられた異なる拡散勾配の各々について、スピ ン−エコー・シーケンスを繰り返し、次に画像デー夕の発生及びそのデータの処 理を行ない、例えば、弛緩時間T2 または拡散係数Dを量子化する。好適な構成 では、拡散勾配の使用は、スピン−エコー・シーケンスに多くの面で影響がある 。 第11F図に示すように、所望の勾配コイル対に印加される2つのパルスh及 びh’を用いて、偏向場において特定の拡散勾配を決定する。50ミリ秒のエコ ー時間(TE)に対して、各パルスの期間(δ)は例えば10ミリ秒であり、そ れらの分離(Δ)は20ミリ秒である。拡散勾配が存在すると、エコー信号F、 従って最終的に生成された画像内の画素またはボクセルの輝度は、撮像領域R内 の水分子の空間拡散に感応するようになる。 この点について、先に示したように、拡散異方性のある神経に実質的に垂直に 配向された拡散勾配を用いて、ニューログラムが強調され、全体的に撮像された 種々の機構を最も高い輝度で示す。この現象を第13A図に示す。これは第1図 に与えられた図に対応する兎の前腕の画像である。尺骨神経UN及び正中神経M Nが双方とも相対的に暗く(輝度が高い) 、容易に見ることができる。これとは別に、拡散異方性のある神経に実質的に平 行に配向された拡散勾配を用いて、第13B図に示すように、ニュ−ログラムを 削除し、全体的に他の撮像された構造よりも低い輝度で示す。これらの画像は、 以後に詳細に記載する減算プロセスによって組み合わせ、神経が他の全構造から 隔離された画像を生成することができる。 第11図に示したスピン−エコー・シーケンスは、撮像用勾配と拡散重み付け 勾配との間のクロス−ターム(cross-terms)の効果を低減するための、従来のシ ーケンスの変更版である。より具体的には、第11D図に示す読み取り勾配再位 相合わせパルスfを、第11C図に示すスライス選択励起パルスdの後ろの代わ りに、第11A図におけるエコ−Fの獲得の直前に配置する。しかしながら、こ の変更の結果として、おそらく第11C図に示すスライス選択パルスd,d’及 びeの不完全性によって形成される望ましくないエコーによる、拡散重み付けさ れていない画像にアーチファクトが現われることがあった。この問題を克服する ために、パルス・シーケンスに第2の変更を行なった。具体的には、位相エンコ ード勾配を2つの部分g及びg′に分割し、2つまたは4つの(S/Nによる) 遷移(transients)を、位相を循環させながら獲得した。結果として、残っている クロス−タームの影響 は、拡散重み付け係数に対して3パーセント未満となる。 拡散重み付け勾配によって得られる画像の強調を利用するためには、脂肪の削 除は必要ではないが、好適な構成では、拡散重み付けされたスピン−エコー・シ ーケンスの開始の前に、第11A図及び第11B図に示す脂肪削除シーケンスを 採用している。以後により詳細に記載するが、これらの技術の組み合わせによっ て、一般的に、何れかの技術で個別に得られるものを越える画質が得られる。 拡散重み付けされたパルス・エコー・シーケンスを用いて生成されたエコ−F を、第9図及び第10図のブロック112乃至128に関連して前述したように 処理する。拡散重み付けを用いた場合、ブロック128における拡散係数Dの計 算は異なる勾配の強度について収集されたデータの分析に基づくことが好ましい 。例えば、計算は、0、3、5及び7ガウス/センチメートルの勾配に基づいて 行なうことができ、その結果、それぞれ第14A図乃至第14D図に表されるよ うな画像データが生成される。脂肪、骨髄、皮膚及び血管は通常勾配が低い場合 でも見えないが、筋肉及び鍵は勾配が高いと欠落する。先に示唆したように、強 度ではなく勾配期間を延長することによって、徐々に勾配を強くすることができ る。代わりに、繰り返しデータ収集プロセスを、異なる勾配 方向を用いて行なってもよい。vi.画像選択/生成 ブロック130で一旦、コンピュータ72が、総ての所望ロック150におい て異なる勾配方位を用いて各ROIについて計算された種々の拡散係数Dを計算 し、最大及び最小値を識別する。これらの係数は、その点における、各画素また はボクセルに関連する、拡散異方性の度合いの測定値を与え、異方性の方向は勾 配方位によって示される。(a)減算神経記録法 好適な構成では、ブロック152に示すように、特定のROIに対する拡散係 数の最大及び最小値に関連する画像を減算プロセスで用いる。勾配が神経軸に対 して垂直に近い程、より大きな係数に関連する画像が生成されて、神経画像を強 調し、一方この軸に対して平行に近い程、より小さな係数に関連する画像が生成 され、選択的に神経信号を消し去る。これら2枚の最終手前の画像を次に数学的 に(または写真的或いは光学的に)互いに減算し、減算ニューログラムを生成す る。 例示として、第15A図は、拡散重み付けをせずに生成し た画像を示す。次に、第15B図及び第15C図は、それぞれ平行及び垂直勾配 を用いて生成した画像を示す。最後に、第15C図の画像を第15B図のそれか ら減算した時に生成される減算ニューログラムを第15D図に示す。 この「理想的な」ニューログラムは、減算血管撮影法(血管のみを示す画像) にいくらか類似しているが、血管ではなく神経を顕著に浮き立たせるものである 。このような画像は、所与の撮像面または空間における神経の識別を確認する際 、及び神経の損傷や神経の圧縮を突き止める際に有用である。或る解剖学的分析 領域における全血管パターンを示す血管撮影法という公知技術の存在にも拘わら ず、そして神経撮像技術の問題に適用可能であったMRI技術の存在にも拘わら ず、更には、特に神経を分離して見せる大きな必要性にも拘わらず、このような ニューログラムを作成する方法が従前は全くなかった。 画像減算が望ましい構成では用いられたが、必須のものではない。例えば、公 知の異方性の応用では、減算は不要であり、しきい値分析が好ましいこともある 。また、望ましければ、減算プロセスを更に補強することができる。例えば、減 算プロセスの出力を、脂肪削除し、T2で重み付けしたスピン−エコー・シーケ ンス(例えば、前述のCHESS技術を 用いて)からの信号情報で除算することができる。 減算プロセスの使用によって考慮すべき実際上の問題として、画像登録(image registration)がある。非神経組織が、減算処理を受ける両画像に同様に含まれ ている場合、この非神経成分は、得られる画像では打ち消されることを理解され よう。一方、非神経組織の見かけ上の位置にずれやその他の不一致が、例えば対 象の動きによって、画像に入り込んだ場合、打ち消しは起こらず、得られた画像 における神経の識別が、実際より困難となる。 一実施例では、減算プロセスの開始に先だって、受け入れ可能な画像登録を評 価する。より具体的には、1つの画像内の画素の輝度を二番目の画像の対応する 画素の輝度と比較する。神経組織の画素は、それら拡散係数によって評価され、 それらの拡散異方性が高いことによって、対象から外される。残りの非神経画素 が、受け入れ可能な画像登録を示すある範囲内に互いに納まらなければ、減算は 禁止される。(b)ベクトル処理及び三次元画像の発生 この時点まででは、生成された出力は一般的に単一の二次元画像か、または一 連の二次元画像で、これらを関連付けて三次元画像を形成することができるもの であった。以下に詳細に記載するが、三次元画像発生の簡単な構成では、システ ム14によって生成された二次元ニューログラムの高いS/N比によって、撮像 された神経断面図を識別し、互いに連携して神経構造の三次元投影図を形成する ことができる。 しかしながら、関連する神経パターン及び要求される空間解像度によっては、 この簡素化した手法は、三次元投影図に望ましくない不連続性をもたらし得るこ とは認められよう。より洗練された処理方式では、各二次元画像における神経の 異方性方向についての情報を用いて、更に三次元画像の投影図の精度を高めてい る。異方性方向に関する情報が得られるか否かは(availability)、先に述べた拡 散重み付け分析において用いられる勾配に対する最適な方向を決定し、2次元画 像を生成するのに有用である。 この点について、撮像される末梢神経の異方性軸は、時として操作者に判って おり、操作者はブロック100においてこの方向に関する情報を入力し、撮像に 最良の拡散勾配を選択することができる。しかしながら、より一般的には、神経 及びCNS神経束は比較的複雑な経路を進み、神経または束の拡散異方性係数が 最大となる方向は、神経または束が曲線を描く、即ち曲がるにつれて、徐々に一 方の面から他方に移っていく。結果として、1つまたは2つの任意に配向された 標準勾配では、所望の画像を得るには不適当な場合がある。 神経方向の変化を監視するには、撮像部の空隙内で、固定した1組の勾配コイ ルに対して患者を移動させるか、或いは非磁気駆動システムを有するトラック上 に取り付けられた可動型拡散系差コイルを用いれば可能であり、対象領域に印加 される拡散勾配の方位を調節可能に制御することができる。別の勾配整合を用い て、所与の画素について得られた、または同じ勾配整合を用いて連続画素に対し て得られたDpl/Dpr の比の変化を監視することによって、神経方向の変化を 予測し、適切な勾配方向を選択することができる。これとは別に、3つの面に配 向された勾配コイルを同時に種々の組み合わせで動作させ、異なる方位の勾配の 無限の多様性の効果を得ることができる。 神経方向の変化を追跡する試みのーつの利点は、平行及び垂直勾配情報を収集 し、上述の形式の減算ニューログラムの生成に使用可能なことである。しかしな がら、所与の画素に対する最適な勾配方向が、繰り返し調節された勾配を用いて 発生された画像からのフィードバックを用いて決定される場合には、処理速度を 著しく損なう可能性がある。 多くの場合、公知の神経分析では、前もって特定の軸の方位を用いることがで きる。初期の撮像情報は、神経経路の全体を記述する。その後、「情報を得て」 近似を行なうことに よって、各スライスの方位を最適化することができる。これは、神経画像の輝度 の高い同一性を保証する際に、或いは神経経路に沿った異方性の係数を測定する 際に有用となり得る。 機械的な複雑性を減少させ処理速度を高めた好適な代替案として、個々の勾配 軸との整合度合いとは独立して、拡散異方性を観察する技術が開発された。この プロセスは、3本の標準直交軸に沿って、または多数の固定軸からの情報を用い て得られた異方性測定からの情報を組み合わせることが含まれる。例えば、好適 実施例では、ベクトル分析を用いて、上述の3つの直交方向に拡散重み付けした 画像から補間画像及び方向に関する情報を生成している。 この点について、画像情報は、例えば、x,y及びz直交方向におけるゼロ拡 散勾配B0及び拡散勾配Bx,By,Bzを用いて、4つの「多数スライス」から収 集される。生成すべき画像の各画素に対して、4つの拡散勾配画像内の対応する 画素に関する情報を結合し、いずれかの方向における神経繊維に沿った水分子の 移動を表わす、拡散ベクトルを生成する。このベクトルは、当該画素の画像輝度 を表わす大きさと、当該画素に関連する「有効な」拡散勾配を表わす方向とを有 する。 より具体的には、新たな画像における所与の画素の画像輝 度Snは、次のベクトル式を用いて計算される。 Sn=べクトル長=[(Sx 2+SY 2+Sz 2) /S0 21/2 (3) ここで、SX、SY及びSzは、Bx,BY及びBz勾配によって生成された画像内の 対応する画素の画像輝度である。S0はB0勾配によって生成された画像内の対応 する画素の画像輝度であり、式(3)に含まれ、得られる画像輝度Snを正規化 する。この画素画像に関連する有効な勾配の方向は、θxy'θxz 及びθyzを含 み、次のように計算される。 θXY=Bx及びBy間の拡散ベクトル角度=arctan (SY/Sx) (4) θXZ=BX及びBz間の拡散ベクトル角度=arctan (SX/SZ) (5) θYZ=BY及びBZ間の拡散ベクトル角度=arctan (Sy/Sz) (6) 式(3)、(4)、(5)及び(6)において計算したパラメータを用いて、種 々の異なる方法で画像を発生することができる。例えば、画素の輝度を、「ベク トル長」画像として表示することができる。画像の輝度がSnの大きさと姿勢に 比例する、CNS画像のベクトル長の一例として、第16図に示されている。 第16図の画像は、重さ2−2.5kgの猿(macaca fasciculans)の脳のスキヤ ンであり、General ElecricCSI II 撮像装置/スペクトロメータ(2テ スラ、活性遮蔽勾配(actively shielded gradients)を装備)上で拡散撮像(ス ピン−エコー)を用いて行なわれたものである。獲得パラメータは、TR=10 00ms、TE=80ms、拡散勾配=5ガウス/cm、拡散勾配期間=20ms、 拡散勾配分離=40msである。厚さ4mmのスライス4枚を撮像した。T2重み付 け画像を用いて、再生可能に拡散画像を選択した。 ベクトル長画像の使用に代わって、アークタン(arctan)画像を使用することが できる。これらの画像は、式(4)、(5)または(6)の1つの角度出力に直 接比例する画素の輝度を決定することによって得られる。アークタン画像の一例 を第17図に示す。このCNSニューログラムの例に示すように、選択された対 象の神経束を選択的に追跡し、他の神経束から分離し目立たせることができる。 第16図及び第17図に示した形式のCNS画像における障害を評価するため に用いる時、ベクトル長画像は水分拡散変化により敏感である。この場合3つの 直交画像が同様に変化し、ベクトル角画像は2つの直交方向間の異方性の変化に 感応する。ミエリンの基礎蛋白質によって誘発される実験的アレルギー性脳脊髄 炎(experimental allergic encephalomyelitis)によって起こるCNS障害を、 拡散異方性からその開始(departure)によって示す。これは、特定のベクトル角 画像において強調されたベクトル長の短縮及び画像輝度の変化として現れる(第 16図及び第17図との関係は明らかでない)。 例えば、バッサーらのFiber orientation Mapping in anAnisolroptc Medeum wlth NMR Diffision Spectroscopy SMRIBOOK OF ABSTRSACT 1221 (1992)に記載 されているように、ベクトル分析の他の形式を応用することもできる。同様に、 例えば、バッサーらのDiagonal and off Diagonal Components of the Self-Dif fusion Tensor:Their Relation to anEstimation from the NMR Spin-Echo Sign al SMRM BOOK OFABSTRACTS 1222 (1992)に記載されているように、種々のランク の張筋を用いた張筋分析を用いて、MR拡散異方性データの座標を処理または変 換することができる。磁気、熱的、及び構造的異方性データの評価に用いるのに 適した他の処理技術も開発されている。 従来技術のシステムとは異なり、システム14によって生成されるニューログ ラムの非神経成分は比較的低い輝度で示 されるか、或は実際画像から総て消去するので、コンピュータ72は分析すべき 構造における神経の位置を容易に識別し、二次元画像平面間または三次元獲得空 間において、神経の経路を正確に辿ることができる。例えば、所与の画像面にお ける神経の位置の検出は、画素の輝度を或るしきい値レベルと比較することによ って行なうことができる。そして、所望の空間に対するこれら二次元分析の結果 を連携または投影することによって、次に三次元画像を形成することができる。 代替案として、先に得られたベクトル情報を用いて、神経または束がその神経 経路に沿って移動する際に、神経または神経束の最大異方性の方向における連続 した変化を追跡することができる。この点について、神経に関連する各ボクセル に対する最大異方性の方向を判定し、サロナーらのApplication of a Connected -Voxel Algorithm to MR AngiographicData,l JOURNAL OF MAGNETIC RESONANCE IMAGING 324-430(1992)に記載されている形式のボクセル接続ルーチンを用いて 、最大異方性を有するボクセルを連結する。得られた神経または神経束のプロッ トは、空間周波数を高め、1つの画像面から次への不連続性を減少させる。 上述の二次元撮像シーケンスに代わるものとして、フラームらのRapid Three- Dimensional MR lmaging Using the FLA SH Technique,10 JOURNAL OF COMPUTER ASSISTED TOMOGRAPHY 363-368 (1986)に 記載された形式の「三次元」撮像シーケンスを用いて、データ獲得を実行するこ ともできる。このシーケンスの出力を、次に三次元フーリエ変換を用いて処理し 、撮像された空間における核からの返答を抽出する。所与のボクセルに対するD を計算し、例えば減算血管撮影図を発生するために用いらる、処理の結果は、実 質的に上述のものと同一である。 三次元の神経構造を投影するために用いられたルーチンには無関係に、構造の 既知の特性を参照することによって投影を実施するようにも、システム10をプ ログラム可能である。より具体的には、一旦所与の神経が所与の二次元画像内で 識別されたなら、「エキスパート」システム10は、支脈の発生を予測し、たと え未知の位置においてでも、この構造内で併合することができる。次に、この情 報を用いて発生された投影のもっともらしさを試験し、必要であれば改良を加え る。vii.脂肪削除及び拡散重み付けを組合わせた結果 先に注記したように、筋肉と神経の双方は拡散異方性を呈する。神経成分の比 較的信号強度が低いものに関しては、拡散分析は、診療に有益なニューログラム を提供することは期待できなかった。しかしながら、脂肪削除と拡散重み付けと を組合わせて用いることは、所望の神経画像の強調をもたらすのに非常に効果的 であることが判った。 例示として、7G/mの勾配強度及び50msのエコー時間に対して、神経に垂 直及び水平に配向されたパルス状勾配を有する信号強度間の相違に基づき、17 のニューログラム信号強度(Sn)と、7の筋肉画像信号強度(Sm)とを計算し た。同様に、2.43の神経対筋肉コントラスト・パラメータRを、比Sn/Smと して計算した。同様に、神経及び筋肉に対して垂直(Dpr)及び平行(Dpl)な 拡散勾配に対する見かけ上の拡散係数の比較は、次の通りである。 これらの結果は、拡散異方性分析を行なった時、神経成分が筋肉成分よりも遥 かに大きな相対強度変化を表わすことを示す。 拡散重み付けと組み合わせて用いた時の、脂肪削除の期待 しなかったが明白な相乗作用の利点は、神経信号の異方性が実際増加し、脂肪成 分が除去された時、画像の神経成分の顕著性が約250パーセント増大した。神 経の顕著性の増大と脂肪の妨害の現象とが組み合わされて、神経撮像の効果が大 幅に高くなる。 完全には理解されないだろうが、脂肪削除と拡散重み付けとの間の相乗効果の 関係を説明しておく。第1に、脂肪削除は神経のみかけ上の拡散異方性を増大さ せ、神経組織の方向において拡散重み付け勾配の利用を促進する。一例として、 以下の表に示すように、脂肪及び「短いT2」の水分を除去した信号を用いて得 た検査データでは、残りの画像信号の強度は、異方的に拡散する水分に大きく影 響される。 脂肪削除の相乗効果の役割は、磁化転移効果の表現として も見ることができる。より具体的には、脂肪削除シーケンスの飽和パルスによる 、例えば、神経周囲のミエリン脂質上のプロトンの放射によって、飽和パルスが 脂質と密接に関連のある水分子に転移し、非常に効率的な転移が可能となる。以 後、これら分子は、異方的に拡散する移動水プール(mobilewater pool)に交換す ることができる。vii.長TE/TR/T2処理 上述の拡散勾配の使用に代わって、対象領域によっては、比較的長いTE(エ コー時間)またはTR (繰り返し時間)を用いたスピン−エコー脂肪削除技術 を用いて、神経画像の分離を適当に強調し、T2重み付け画像を得ることができ る。この点について、脂肪削除の後、エコーFに残っている支配的な成分を筋肉 から戻す。抹消神経のT2は、筋肉のT2の約2倍であることが、本発明者によっ て既に測定されているので、比較的長いTEまたはTRをスピン・エコー・シー ケンスに用いることによって、筋肉の返答を応答することができる。 この構造を採用した神経記録法システム14の基本動作は、TEの初期化され た値が大きくなっていることを除いて、第9図及び第10図に示すものと同一で ある。この点について、操作者は、所望の画像が筋肉の存在によって分裂せられ る可 能性があるか(例えば、患者の腰部の神経撮像)、または可能性がないか(例え ば、CNS撮像)を、最初に考慮することを要求されることがある。筋肉の妨害 があり得るのであれば、50乃至100ミリ秒の間のT2、またはそれより長い ものを、ブロック100で初期設定する。選択する特定のTEまたはTRは、所 望のT2重み付けの度合いによって左右される。また、システム14は、TE処 理と拡散重み付けとを用いて別個に収集されたデータを比較し、どれが最良の結 果を与えるか評価するように、プログラムすることができる。 長いTEを用いた撮像によって得られる結果の例を、第18A図乃至第18D 図に、それぞれTEが30、40、60、100ミリ秒に等しい場合について示 す。4.7テスラの場強度で生成された第18D図に示す兎の前腕の画像では、 神経は画像内の他の何れの構造よりも明るくなっている。神経の顕著性を増大さ せる度合いは、10倍程度であり、画像をニューログラムの構成に明らかに使用 可能とするものである。顕著性が約1.1よりも低い場合も有用なことがあるこ とは、認められよう。 長いTE処理の使用は、以前実現不可能であると思われていた。この点につい て、モーズリーらのAnisotropy in Diffusion-Weighted MRI,19 MAGNETIC RESON ANCE IN MEDICINE 321,325(1991)に記載されているように、神経は、比較的短いT2時間を示すと信 じられていた。しかしながら、驚くべきことに、測定を行って、筋肉のT2は約 27ミリ秒であったのに対し、抹消神経のT2は約55ミリ秒であり、これら2 種類の組織に2倍の差があった。ix.ニューログラム撮像の追加強調 (a)血管の削除 上述の脂肪削除及び筋肉削除技術に加えて、血管削除を用いてシステム14に よって発生された画像のニューログラムの選択性を改善することができる。ゆっ くりと動く血管の明るさのため、これがなければ有用なシーケンスにおいて、血 管の削除は、長いシーケンス神経記録法とともに用いれば、特に価値がある。 種々の代替手法を用いて所望の血管削除を達成することができる。例えば、第 1の実施例では、位相コントラストまたはタイムオブフライト(time-of-flight) 情報を用いて、血管を個別に撮像し、流れを基にしたMR血管撮影図を生成する 。血管撮影図は、別のプログラム命令の下で、MRIシステム14を用いて、或 は以下に述べる補助データ収集システム22によって、生成することができる。 次に、この血管撮影図をニューログラムから差し引き、血管のコントラストが完 全 に削除されたニューログラムが得られる。 画像の減算の説明に関連して先に述べたように、或る画像から除去すべき情報 が、減算される画像において同じ輝度及び位置で、同一に表現されていない時、 登録問題が発生する。血管撮影パルス−エコー・シーケンス(または以下に記載 する他の技術)を用いて得られた血管画像情報と、上述の神経パルス−エコー・ シーケンスを用いて得られたニューログラム情報とでは、2つの画像において血 管の輝度に幾らかの相違が予想される。この状況において登録エラーを回避する 1つの方法は、血管撮影図を、対応するニューログラムに正規化することである (即ち、血管撮影図上で識別された血管の画素において、比較測定に基づき血管 撮影図の輝度を等価する)。 血管削除に用いられる第2の技術は、短いTEを用いて、血管が比較的明るく 、そして神経が比較的暗く表わされる第1の画像を生成することである。この画 像を、次に、長いTEを用いて得られ、明るい神経と暗い血管とを表わす第2の 画像から差し引く。 第3の血管削除技術は、静脈の「黒い血液」造影剤を血管に投与することを含 む。この造影剤は、ディスプロシウム−DOTA・ポリリジン、または酸化鉄の タイプの造影剤を含 む、「ブラッド・プール」のものが好ましい(が絶対に必要ではない)。血管は 、こうすることにより、薬品によって消去されるので、所望の血管を削除したニ ューログラムを生成するために、減算ステップを行なう必要性はなくなる。 最後に、注意深く調節した水削除技術を用いて、血管及び脳脊椎流体(CSF )の、システム14によって生成されたニューログラムに対する影響を制限する ことができる。このような技術の1つが、例えば、バイデーらのComparison ofF LAIR Pulse Sequences with Heavily T2 weighted SEsequence in MR Imaging of the Brain, 185 RADIOLOGY SUPP.151 (1992)に記載された、流体減衰反転回 復(FLAIR)である。(b)動きの削除 例えば、拡散重み付けを用いた上述の画像処理技術のあるものは、撮像する領 域の動きの悪影響を受けることがある。この曖昧で過った内容の生成画像への混 入(即ち、運動アーチファクト)を制限するために、幾つかの異なるハードウエ ア及びソフトウエアの構造に、神経記録法システム14を用いることができる。 第18図に示すように、画像情報の獲得は、当て木156によって固定された 、被検査患者の領域に対して、選択的に 行なうことができる。当て木156は、プラスチックまたはその他の非鉄磁性材 料で作られた堅い基台158を含む。基台158は、被検査領域に対して基準と なる固定フレームを与えるために設けられており、撮像部Iの空隙内に、随意に 固定されるように設計されている。以下に更に詳細に記載するが、一旦神経記録 法システム10が当該領域を撮像したなら、基台158によって設けられた基準 フレームによって、外科手術システム28のような他のシステムが、撮像された 神経と既知の関係で、その基準フレームの中で動作することができる。以下に述 べる非固定システムは、当て木内の皮膚表面に塗布する基準マーカを用いる。 堅固なフレーム160は、プラスチックまたはその他の非鉄磁性材料で作られ 、基台158に取り付けられて、当て木156に対して構造的支持となる。1つ 以上の基準マーカ162、例えば、水を充填したビーズまたは直線的マーカ帯を 、フレーム160及び/または基台158上に設けて、発生された画像から判定 する。好適な構成では、各マーカ162は当て木156の長さに亘っているので 、発生される各断面画像において目視可能である。マーカまたは帯162の少な くとも一方を、画像面のX、y及びz軸に、ゼロでない角度で整合し、画像内の その特定位置は、当て木に対する基準位置 となることを保証する。 薄膜プラスチックで作られ、含水ジェル、シリコン、発泡材、または塩化コバ ルトを注入した水のような、従順な物質166で充填されたスリーブ164を、 フレーム160の周囲に形成し、ストラップ168を備えて、当て木を患者に装 着する際に用いる。図示のように、フレーム160とスリーブ164とは、多数 の開口領域170を含み、被検査領域の選択部分に、例えば、外科手術システム 28によってアクセスすることができる。また、基台158は、2つのスリーブ と共に用いることもできる。第1のこのようなスリーブは、撮像のために、皮膚 に完全かつ連続的に密着するためのものであり、第2のスリーブは腕を固定する が、外科手術用器具によるアクセスを全体的に可能にする。 ポンプ172が設けられており、加圧された貯蔵器174からスリーブ164 に流体を導入可能とし、スリーブを患者の皮膚に対して押圧し、被検査領域を固 定する。解放バルブ176が、スリーブ164内の流体を貯蔵器174に還流さ せ、スリーブ164内の圧力を弱める。 運動アーチファクトを低減することに加え、当て木156は幾つかの他の機能 も行なう。まず、先に示唆したように、当て木156は、基準フレームを設け、 これを医療システム 12の他の構成物が使用して、撮像された神経網に適正に関連した動作が、確実 に行なわれるようにすることができる。第2に、当て木156はシステム12に よる治療または外科手術の実行を首尾よく管理できるように、被検査領域を固定 することが要求される場合がある。 当て木156の第3の機能は、エッジ効果の低減であり、これがなければ脂肪 削除を用いる場合に、エッジ効果が起こる可能性がある。この点について、被検 査領域の表面(即ち、患者の皮膚)は、撮像される物質の性質を帯びて、急激な 遷移を起こす。この組織と空気との界面に起因する場の非均一性は、患者の表面 の脂肪組織内の脂肪信号が、神経を取り囲む深層にある脂肪に対して、周波数の 拡散及び/またはずれを生じる原因となる。しかしながら、脂肪削除の所望の効 果は、神経組織に隣接する下部組織からの信号が撮像されないようにすることで ある。薄く可撓性のあるポリエチレンまたはその他のプラスチックをスリーブ1 64に採用し、物質166に常磁的にドープされた水を採用することによって、 被検査領域の表面に入り込むこれらのエッジ効果を、神経組織に対して、1.5 乃至5程度に低減する。 加えて、当て木を特別に設計し、連続撮像の間特定の身体領域を移動させて、 手足の連続的な歩進的再配置を導入する ことができる。この移動は油圧システムによって外部から制御し、光ファイバに よるフィードバックを用いて再配置を評価することもできる。このようにして、 一連の制御された位置における手足の一連の画像を収集することができる。後に これらを組み合わせて、肱の尺骨に関して、動きの間に神経に加わる応力及び衝 突の力学的視点を与えることができる。 運動アーチファクトは、神経記録法システム10を制御するために用いられる ソフトウエアによっても、対処可能である。この点について、MRIに対して適 当なエコー振幅を確保するために、1つのパルス・シーケンスによって発生され る正味磁気モーメントは、典型的に、次のパルス・シーケンスが開始される前に 、その平衡値附近に戻ることができなければならない。この要素は、撮像に典型 的に必要なパルス・シーケンスの全数と組み合わせて、典型的に、比較的長い時 間期間(例えば、1乃至20分程度、またはそれ以上)に亘って、データ収集を 行なわせる。データ収集プロセス中に、患者が大きく動く可能性は、データ収集 に必要な時間に直接比例することを理解されるであろう。 処理されたデータの収集を制御するソフトウエアを最適化して、運動アーチフ ァクトの感度に影響を与える遅れの少なくとも或るものを低減させるようにする 。上述の構成では、 多数の異なる画像からの情報を用いて、選択的に最終画像を生成することもでき る。例えば、減算ニューログラムは、典型的に、直交拡散勾配を用いて得られた 2つの画像からの情報を用いて、画素毎に(またはボクセル毎に)発生される。 一連の画像をインターリーブして所与の画素についてのデータを各拡散勾配に対 して収集し、それから他の画素についてのデータを収集することにより、減算プ ロセスが運動アーチファクトに影響される可能性を低減する。同様に、多数の画 像を異なる勾配強度で収集し、所与の画素またはボクセルについて拡散係数Dを 計算する場合、勾配選択プロセスの一部として、総ての勾配強度に対するある画 素におけるデータを収集し、それから他の画素についてのデータを収集すること によって、計算が運動アーチファクトに影響される可能性を低減することができ る。このように、第9図及び第10図に描いた比較的単純なデータ収集プロセス ではあるが、好適な構成では、次に進む前に所与の面について収集を総て完全に 繰り返すのではなく、各獲得における幾つかの面のデータを収集することによっ て、データ収集をインターリーブする。 所望の動き削除を得るために用いられる他の技術は、或る周期的な動きの源を 予想することに基づくものであり、これは、例えば、補助データ収集システム2 2によって監視する ことができる。例えば、被検査患者の領域によっては、患者の心拍及び呼吸は或 る動きを発生し、それが当て木156によって削除される。システム22から得 られるこれら源の周期性に関する情報を用いて、コンピュータ72は、一連のデ ータ収集を調節し、励起及びエコー・パルスが、当該源によって発せられた動き に関連した一貫性のある時点で生じるようにすることができる。 MRIにおいて呼吸運動アーチファクトを低減するための1つの技術が、アメ リカ合衆国特許第4,930,508号(シモニら)に開示されている。一方、神経記録 法システム10は、二酸化炭素出力の質量スペクトロメータによる監視、胸板の 動きの光ファイバによる観察、または自動音響分析を用いた長管聴診器による音 響監視を含む種々の技術と共に用いることができる。(c)小束識別及び神経の強調 神経記録法システム10の他の特徴は、個々の神経小束を撮像できる能力であ る。例えば、整相アレイ・コイル62またはその他の高解像度MRIシステムを 、長いTEシーケンスと共に用いると、個々の神経小束が、神経内及び小束間の 抹消及び神経弓突起(epineural)組織よりもかなり明るく現われ、神経は多数の 小束構造として現われる。 一例として、神経移植を行なった患者の神経内の小束を表わした神経画像を、 第20図、第21図及び第22図に示す。これらの画像は、1.5テスラのMR Iシステム(GE Medical Systemsより販売されているSigna Syste 5.2 s oftware release)を、標準1ガウス/cmの勾配及び上述の形式の整相アレイR Fコイル・システムと共に用いて得たものである。TRが5000ms、TEが1 02ms、及び8エコー・シーケンスの「高速」スピン−エコー・シーケンスを用 い、脂肪削除及び血管削除のための空間RFパルスを行なった。 2回のフーリエ変換を用いて、2系統の軸方向連続画像を生成した。一方の連 続画像は、断面の厚さ5ミリ、512×512マトリクス、1ミリ間隔、及び1 ネック(励起の数)の24枚で構成されている。第2の連続画像は、軸方向の断 面の厚さ3ミリ、256×256マトリクス、0ミリ間隔、及び2ネックの41 枚で構成されている。視野は18cmで、獲得時間は両方の連続画像について10 .6分であった。 第2の連続画像は、各部分における座骨神経周囲の直径約2cmの楕円形対象領 域を(手動で)選択することによって、後処理を施した。この対象領域は、更に 複雑な上述の分析血管削除機構の使用を必要とせずに、血管を消去するために選 択されたものである。 投影画像は、GE Medical Systemsによって供給されているSystem 5.1( IVI)の一部として入手可能な、最大輝度投影(MIP)アルゴリズムを用い ることによって、得ることができた。得られたニューログラムは、座骨神経の脛 骨構成物と外科的に配置した腓腹(sural)神経移植との間の界面を示す。第19 図及び第20図で徐々に拡大して神経を示し、第22図で移植を含む神経の軸方 向投影を示す。付加的な恩恵として、この撮像プロトコルは、小束間の神経内の 組織からの信号を弱め、神経の個々の小束(f)の輪郭を目立たせることができ る。 神経記録法システム10の小束を撮像する能力は、幾つかの理由から重要なも のである。第1に、小束の撮像によって、病気の痕跡のために神経の内部組織を 観察及び分析することが可能になるので、ニューログラムの診断に対する有用性 が高まる。この観察及び分析は、以下に更に詳細に記載する診断システム24の 動作の一部として、操作者によってまたは自動的に、しかも視覚的に行なえるこ とは、認められよう。 第2に、この特有の内部組織を用いれば、特定の神経の顕著性又は信号強度が 識別し得る程高くない時でも、撮像プロセスにおいて神経の選択性や強調を加え ることができる。よ り具体的には、血管、リンパ管、リンパ節、及び脂肪組織の集合体は、多くの場 合、断面画像中では、神経と同様の形状、位置及び輝度となる。しかしながら、 これらの組織の内、神経のような内部小束構造を呈するものはない。 一例として、小束の識別及び神経の確認を使用して、以下のように、曖昧な画 像において神経を他の構造から区別することができる。まず、しきい値プロセス を用いて、神経を表わす可能性のある、画像の比較的明るい領域を識別する。こ れらの領域の境界を決定して、各領域に関連する画素の輝度を評価し、それら領 域の平均画像輝度を計算する。 ある領域内の所与の画素の輝度が、平均輝度より低い所定量より大きければ、 その画素に関連する構造は、小束の可能性がある。しかしながら、小束構造を表 わすこのような画素群の所定の複数のシーケンスの1つ以上が識別された時にの み、積極的な小束の識別を行なう。例えば、互いに隣接しこの基準を満足しない 画素によって少なくとも一方側が接している、少なくとも3つのこのような画素 の集合が見つからなければならない。 この分析の結果を用いて、例えば、血管やリンパ管に関連する領域から、神経 に関連する明るい領域を区別することができる。小束識別パラメータを満足しな い領域の画像の輝度 を次に0に調整し、これら曖昧な構造を効果的に画像から除去してもよい。また 、神経放射線技師または他の専門家がこの情報を用いて、神経記録法システムが 投影ニュ−ログラムを描写できるような対象空間を選択することもできる。(d)種々の神経強調技術 上述の神経記録法システム10の種々の実施の具体例及び特徴を変更して、他 の手法を神経識別及び強調に組み込むことが可能である。 例えば、磁化転移パルス・シーケンスを用いて、脂肪削除の処理をした後に、 神経撮像を強化することができる。磁化転移は、化学的にシフトしたプロトンを 、「共鳴しない(offresonance)」パルスで励起することを含む。短いT2の等方 的に拡散する水区分(T2isotropically diffusing water compartment)内のこ れらプロトンは、長いT2の等方的に拡散する区分に変化する。こうする際に、 それらは高い強度の磁化信号を共に搬送し、周囲の神経組織に磁化の転移を誘発 し、画像におけるその顕著性を高める。神経は、ミエリン鞘内の共鳴しない比較 的安定したプロトンと、軸索原形質水(axoplasmic water)の共鳴する可動プロト ンとの間の効率的な交換を示すことができる。一方、筋肉は、大きな共鳴しない プロトンのプールでは、比肩し得る程度には、交換を示さ ない。磁化転移パルス・シーケンスは、脂肪削除に似た刺激方法を用いてこの神 経と筋肉との間の感度の差を利用し、相乗的に同時に2つの方法で画像の神経記 録法感度を改善するように設計されたものである。 代わりに他のパルス・シーケンスを用いることもできる。例えば、パッツらの The application of Steady-State FreePrecission to the Study of Very Slow Fluid Flow, 3MAG.RES.MED.140-145 (1986)に記載されているように、定常状態 自由精度(steady-state free precision) (SSFP)を用いることができる 。しかしながら、脂肪削除を達成するには、SSFPを変更して撮像プロトコル に含まれるようにする。同様に、ミュジェらのThree Dimensional Magnetizatio n Prepared Rapid Gradient-Echo Imaging (3D MP RAGE),15.MAG.RES.MED.152-1 57 (1990)に記載されているように、T2のコントラストを改善するように変更す れば、磁化された迅速勾配エコー(magnetization prepared rapidgradient echo )(MP−RAGE)シーケンスを用いることができる。加えて、神経の選択性 は、プロトン高速交換率またはT1弛緩率を用いることによって、達成すること ができる。 ニューログラムを発生するための更に別の技術に、神経繊 維流体(endoneurial fluid)の遅い凝集性の流れに感応するように、シーケンス を最適化して用いるものがある。これらのシーケンスは、流れの末端側に近いた めに、そして本来濯流を拡散と区別するために開発された技術を用いて監視する ことができる遅い流速のために、唯一の信号を発生することができる。このよう な技術には、例えば、エーマンらのFlowArtifact Reduction in MRI: A Review of the Roles of Gradient Moment Nulling and Spatial Pre-saturation, 14MA G.RES.MED.293-307 (1990)、及びモランの A Flow Velocity Zeumatographic Int erface for NMR Imaging, IMAG.RES.IM.197-203 (1982)に記載されているような 、勾配モーメントの零化(gradient moment nulling)による速度補償が含まれる 。3.医療システムの構成と動作 先に注記したように、神経記録法システム10は、より広い医療システム12 の一構成物である。システム12の残りの構成物については、次の章でより詳し く記載する。これらの構成物は、例えばホスト処理システム32またはシステム 12の個々の構成物の処理システムによって実行されるソフトウエア命令に従っ て、神経記録法システム10に情報を与えると共に、そこからの情報を処理し、 末梢神経の撮像以外 の種々の機能を達成するものである。(a)補助データ収集システム 補助データ収集システム22は、種々の異なる形式のどれを取ることもできる 。例えば、先に示唆したように、システム22は、システム10によって生成さ れた画像内にある構造に関する補足情報を収集するように設計することもできる 。 このようなシステムの例には、神経除去(denervation)または筋肉の機能損失に よる高筋肉信号の領域を示すために、血管撮影またはSTIRシーケンスにおい て用いるのに適した従来のパルス−エコー・シーケンスを用いた二次的MRIシ ステム、骨及び/または組織の画像データを発生する際に用いるのに適したX線 撮像システム、軸索的に搬送された薬剤の進展を示すためのPETスキャニング ・システム、または造影剤リンパ管データを収集するためのCTシステムが含ま れる。また、CT及びMRIを用いて見ることができる基準マーカ(例えば、水 内のヨード造影剤)で当て木(splint)に形成し、システム10及び22からの情 報を統合することができる。 補足情報を用いて、画像内の構造に関する内容を圧縮し、神経選択性をさらに 大きくすることができる。例えば、血管撮影図を用いて、ニューログラムから血 管に関する内容を除 去したり、色を基準に神経と血管とを区別することができる。また、非神経構造 は既に全体的に存在しないので、追加情報を用いて、血管などの特定の構造を、 ニューログラムに明確に付け加えてもよい。神経構造を評価するために見るMR 画像に構造を加えることは、神経返答成分の信号内容が貧弱であったため、従来 技術のシステムでは事実上考えられなかったことは認められよう。 データ収集システム22の別の形式を用いて、神経記録法システム10の動作 を制御する際に用いる、患者に関する情報を収集し、その出力を変更しないよう にしてもよい。このようなシステムの例には、患者の心拍や呼吸に対してシステ ム10のデータ収集連続処理のタイミングを合せるのに用いる、従来の心拍及び 呼吸モニタが含まれる。 関心のあるデータ収集システム22の最後の形式は、神経網についての補足情 報を収集するために設計されたものである。例えば、システム22は、神経移動 速度(nerve conduction velociy) (NCV)を示し、このNCVの変化が生じ た大体の場所や磁気刺激へのNCVの応答を含む、出力を生成するように構成す ることもできる。呼び出された電位電極または磁気SQUID検出器からの情報 を収集して、多入力表示のために統合することもできる。b.診断システム 診断システム24は、神経記録法システム10によって発生されるニューログ ラムやその他の情報(DやT2等)を処理し、担当の外科医に、例えば、神経異 常の診断を与えるために選択される。また、システム24は、診断を行なったり 、手術の必要性または成功の可能性を評価する際に外科医を補佐することもでき る。一実施例では、単に外科医の診断を確認したり、質問するためのみに、シス テム20を用いることもできる。 一例として、問題となっている神経の混乱が共通に生じているが診断が難しい 領域の1つに、脊椎管(spinal canal)がある。第23図の椎骨の断面図に示すよ うに、対象領域は、比較的高い生理学的複雑性を呈している。図示の構造は、椎 間板ヘルニア(HD)、圧縮された左脊椎根(LSR)、棘突起(SP)、線維 輪(AF)、髄核(NP)、自律神経節(AG)、前根(LVR)、前根(VR A)、横突起(TP)、背側枝(DRA)、背側根神経節(DRG)、小関節面 (F)、背側根(DRO)、硬膜外脂肪(EF)、馬尾内根(RCE)、硬膜包 (DS)、及び髄液(CF)を含む。 この図で、最も興味深い2つの構造が、左脊髄根(LSR)と左前根(LVR )であり、これらは双方とも椎間板ヘルニ ア(HD)からの圧迫の危険性がある。双方の神経は、硬膜外脂肪(EF)を通 過しているが、骨に囲まれており、X線を基にした技術によって、観察すること ができる。双方の神経は、また、椎間板(HD)の強水信号(strong water sign al)、硬膜包(DS)内の髄液(CF)、及びその他の膨張した組織(一般的に 用いられる磁気共鳴技術では画像の解像度及び画質を低下させることがよくある )に隣接している。 診断対象の左脊髄根(LSR)及び左前根(LVR)は、その近くにある多く の解剖学的構造に較べて小さい。また、これらの根は互いにほぼ垂直である。こ の撮像に共通する問題は、神経記録法システム10を用い、脂肪削除を採用し、 次に左脊髄根(LSR)または左前根(LVR)のいずれかを強調するようにパ ルス状拡散勾配を配向し、各々が所与の画像内で明確に見えるようにすることに よって、対処することができる。いずれかの根が圧迫されているなら、その画像 は物理的な歪、または圧迫による圧痕を示すことになり、それ自体が構造上の変 化、または圧迫の両側間の信号強度の変化として現われる。 選択性及びシステム10によって生成されたニューログラムの解像度のために 、外科医がそれらを評価して、存在するいかなる神経の異常を診断できることは 認められよう。加え て、システム10によって生成された画像を診断システム24で分析して、例え ば、圧迫または炎症の証拠を検出したり、適切な診断を行なうことも可能である 。 システム24の動作は、部分的に、評価すべき条件によって異なる。一実施例 では、操作者は、最初にシステム24に含まれる陰極線管(CRT)表示装置上 に発生される二または三次元画像を見て、カーソルを用いて評価すべき特定の撮 像された神経を識別する。また、操作者は検出すべき特定のタイプの異常を入力 することもできる。 次に、システム24は、しきい値プロセスを用いて、使用可能な二次元画像の 各々において、撮像された神経の境界を決定する。これらの境界を、次に画像毎 に比較して、対象である特定の異常に関連する形状の不連続または変化を見つけ 出す。例えば、事故によって損傷した神経にこの分析を用いると、その神経は、 そうでなければ現われることが予想されるある画像から、完全に消失することが ある。システム24は、このような領域も容易に識別することができ、外科医に その異常に関する正確な位置情報を与えることができる。 同様に、外科医は、あまり現われない神経の境界または強度の変化に関する状 態に関心があるかもしれない。システム24は、隣接する神経領域の平均輝度、 ならびに隣接領域の 大きさ及び形状を示す出力を、画像毎に容易に発生することができる。次に、こ の情報を用いて、圧迫のような異常を検出することができる。 1つの構成では、カーソルを用いて、CRT上(例えば、「通常の」神経断面 図に関連する)の対象となる基準境界を初期化し、システム24が用いるように することができる。次に、システム24は、後続の画像における実際の神経の境 界を、基準境界と比較して、神経圧迫の位置を突き止め、その量を検出する。こ の異常の数量化によって、外科医は神経の回復度を監視し、提供する治療の有効 性を評価することができる。 システム24によって用いることができる他の手法は、損傷を受けた神経によ って示される、T2のみかけ上の増加に基づくものである。より具体的には、初 期状態の「長T2」分析または画像の拡散重み付けを行って、総ての神経構造を 撮像することができる。次に、T2を約100ミリ秒に延長して、損傷している 神経のみを撮像する。 例えば骨折や関節の損傷の手動評価に用いるための別の手法には、脂肪成分が 選択的に表示されており残りの組織が削除されている画像の分析を伴うものがあ る。この手法は、皮膚、脂肪の集合、及び骨髄の存在により骨(多くの場所にお いて)の表示を強調する。このような画像を収集して、神経を表示するのに用い る以外の色を割り当てると、同じ三次元構造において2つの画像が透き通って見 える。結果として、外科医は、神経と骨との間の物理的関係に関する有用な情報 を得ることができる。この情報は、骨折及び関節の損傷を評価及び処置する際に 最も重要なものである。 用途によっては、造影剤を用いて、対象となる異常を相乗的に強調することも できる。また、神経は画像内では明るく現われ分離されるので、神経内医薬造影 剤を投与することによって、神経の1つを選択的に消去するほうが分りやすいこ ともある。 神経記録法システム10の出力を分析することに加えて、診断システム24は 、システム10にフィードバックを与えて、用いるパルス・シーケンス及び生成 される情報の種類を制御することもできる。例えば、神経圧迫、切開、破傷、ま たは繊維症の部位が撮像されている場合、神経繊維液流及び軸索原形質液におけ る変化が、T2を基にしたまたは他の神経記録法動作を用いる時、信号強度の増 加を監視することによって、容易に検出される。 ここでは詳細には記載しないが、種々の異なる診断への応用が考えられる。そ れには次のものが含まれる。 1.患者の末梢、脳、自律神経及び神経集網詳細構造の表示。 2.患者の脊髄根詳細構造、特に、頚部、胸部及び腰部脊髄根及び神経の表示 。これらは孔(foramina)において脂肪を通過し、ここを通って脊髄根からぬけ出 す。 3.根が多量の硬膜外脂肪を通過する腰部管(lumbar canal)内の、患者の脊椎 根の詳細構造の表示。 4.三又神経痛(第5神経)、半側顔面痙撃またはベルの麻痺(Bell' s palsy ) (第7神経)、重要な高血圧(第10神経)またはその他の脳神経症侯群の 原因となり得る、血管または他の構造による圧迫に対する患者の脳神経の検査。 5.方向、位置またはその他の拡散特性の異常な変化が、神経離断、脱髄疾患 、神経症、多くの硬化症、末梢神経障害及び挫傷、有害なプロセスによって起こ された場合の、患者の神経、集網、根の圧迫または損傷の表示、及び神経の再成 長の監視。 6.異常に関連する皮質脊椎路(cortico-spinal motor tracts)または他の機 能的白質長路(functional white matterlong tracts)の位置を知ることが有用な 場合、脊椎内の腫瘍または他の塊状物の位置の判定。 7.眼窩周囲の脂肪またはその角膜への経路上の脂肪を通 る場合の、視神経の詳細構造、脳の伸長の表示。 8.放射線技師、外科医または専門医の研究のため、そして特に、運動性帯(m otor strip)または言語に関連する領域のような「能弁な皮質(eloquent cortex) 」の領域の位置の識別のために有用な画像を与えるための、脳内の束の追跡。こ の方法は、視床または内部きょう膜の適切な領域の空間的識別を含み、そして皮 質表面上の対象領域への束の投影、または皮質表面上の他の領域とそれらの関連 を参照することによる、対象領域の識別が続く。例えば、言語皮質投影路(speec h cortex projection tracts)は、言語生成に関連があることがわかっている領 域から、怪我または傷が適正な神経機能を疎外している可能性のある他の領域へ (またはこれを通過して)続くことができる。 9.聴覚神経腫を通過する第7神経の通路のような神経について、これらが低 拡散異方性の腫瘍を通過する場合を追跡し、外科医が腫瘍内またはこれに隣接す る神経の位置を知り、その腫瘍の手術中神経を避ける能力を持たせることができ る。 10.頭部の怪我において起こるような、散在性軸索損傷(diffuse axonal in jury)の評価のために、拡散異方性撮像を応用する。 11.骨折及び脱臼、または異常の詳細構造領域内の神経 路を知ることによって、外科医の計画、管理及び固定に有益であるような脱臼/ 骨折の評価。c.治療システム 先に注記したように、治療システム26も用いて、神経記録法システム10ま たは医療システム12の他の構成物からの情報を処理し、患者の治療をよりよく 管理できるようにする。例えば、システム26は、神経記録法システム19から のフィードバックを用い、その動作を規制する薬品配達システム、または電流刺 激システムである。このように、神経記録法データを用いて刺激または記録電極 を配置し、より正確な神経伝導速度(NCV)または誘発電位検査を行うことが できる。治療のためには、路(tract )情報は、移植組織の配置、または視床内に 震えを起こし得る異常活動の領域の病巣のための、補助を行なうことができる。d.外科手術システム 外科手術システム28は、システム10からの神経記録法情報を用いて、行う 可能性のある種々の外科手術のいずれかに影響を与える。得られた情報を用いて 、手術中に神経を避けたり、必要な神経手術を位置及び性質を確認することがで きる。外科手術システム28の動作は、システム10からのフィードバックに応 答して自動的に制御されるか、或は外科 医が自分で与えられた情報を見直し、それを基に手動で制御することもできる。 一実施例では、手術を行なう患者の領域は、上述の当て木上156に配置され る。当て木(splint)156の開放領域170は、手術の実行中、当て木156が 外科手術システム28を妨害しないことを保証するように設計され、かつ配置さ れなければならない。そして、当て木156を当てて、神経記録法システム10 から画像データを収集する。先に注記したように、神経記録法システム10の処 理システム16は、三次元の数値座標を設け、当て木の基台158及び基準マー カ162を参照して、神経のそれらの経路に沿った位置を記述する。 実行する手術の性質によって、補助データ収集システム22からの出力も必要 なことがある。例えば、システム28を用いて撮像された領域内の骨に手術をす る場合、システム22は骨の脂肪選択画像を発生することを要求されることがあ る。また、患者をCTスキャナに搬送し、骨の画像を用意することもある。MR Iの当て木156は、この付加情報が収集される間装着されるが、二次画像から 位置情報を引き出すため、そして発生された2つの画像間で必要な登録を行なう ために、マーカの追加(例えば、CT X線のためのチョー クまたはヨード溶液)が必要とされる。 画像情報は、第24図に示す、外科手術システムプロセッサ178のメモリに 記憶される。以下により詳細に記載するが、好適な構成では、プロセッサ178 は、ある座標系で行われる外科手術の案内を行なうようにプログラムされ、この 座標系は画像座標系を参照する。当て木156の基台158は、外科手術システ ム28に含まれるプラットフォーム180に固着され、画像において用いられる 座標系とシステム28によって用いられる座標系との間に固定関係を与える。次 に、この座標システムは三次元空間のコンピュータ・モデルを用いて、プロセッ サ178によって連係される。マーカの正確な位置決めを確保するための手順に おいて、確認用X線を用いることも便利である。 交連手術用アーム(articulated surgical arm)182が、プラットフォーム1 80に結合される。これはその自由端にスタイラス184(例えば焦点が合った レーザービーム又はドリルのような外科的器材)を有する。アーム182は、い ずれの選択点にも、または、プロセッサ178からの出力に応答して手術環境に 関連して規定されるいずれかの選択された経路に沿ってでも、電気的または空気 的に移動することができる。従って、アーム182の位置は、プロセッサ178 によって印加される制御出力によって追跡することができる。別個の座標を基に した、またはレーザを基にしたシステムも、所望であれば、用いることができる ことは、認められよう。 好適実施例では、外科手術過程中、撮像される神経網及びその他の網は、シス テム表示装置186上に写し出される。外科医は、手術中、解剖学的構造に対す るスタイラスの位置を目で追いながら、例えばジョイスティック、電子グローブ 、またはその他の入力装置188によって、スタイラス184を導く。この視覚 的フィードバックは、単にスタイラスの以前に収集した画像に対する既知の位置 関係に基づくものでよい。 代わって、リアル・タイムに得られた画像フィードバック・データを用いて、 視覚的確認を得ることも可能である。例えば、ウオーシントンらのThe Clinical Applications of Echo Planar lmaging in Neuroradiology, 32 NEURORADIOLOG Y 367-370(1990) に記載されている、エコー・プレーナ撮像のような、高速M RIデータ収集連続処理を用いれば、高速に画像を更新することができる。得ら れた画像を表示する時、外科医は適切な名称を与えられた非磁気的プローブが体 内に進入するのが、リアル・タイムで観察することができる。もっと遅い画像収 集プロセスを用いる場合、前記プローブま たは装置は、一連の画像が取り込まれるに連れて、段階的に進んでいく。いずれ の場合でも、神経記録法画像は、不透明で硬い身体構造内側の敏感な神経組織の 明確な映像を、X線透視画像と全く同じであるが、神経路に関する情報も合せて 、外科医に与えることができる。 外科手術中外科医がシステム28の動作を制御しなければならないのに代わっ て、コンピュータによって導かれる定位固定または信頼システムを用いてもよい 。この点について、外科医は、スタイラスの経路及び行われる手術に対して適切 な動作を含む、行なわれる手術の性質を識別する入力を、プロセッサ178に与 える。これらのステップは、非係合状態のアーム182を用いて行なうことがで き、手術の手順を確認する前に、外科医が手術のシミュレーションを行なったり 、画像上でスタイラスの経路を目視することができる。一旦確認されれば、プロ セッサ178に命令を与え、実際の外科手術の間所望の経路にアーム182を自 動的に導くことができる。 外科手術システム28を使用すれば、現在用いられている「神経については盲 目の」外科手術システムに対して、多くの重要な利点を得ることができる。例え ば、神経を容易に撮像できるので、外科医はいかなる神経状態でもよりよく評価 することができ、処置を施したり、手術の計画を変更することも可能である。加 えて、神経に対するスタイラス182の位置を容易に撮像することができ、手術 が行なわれる前に確認できるので、スタイラスが偶然神経路に進入してしまうと いうような事故が回避される。 上述の実施例では当て木156を用いてニューログラムと外科手術システム2 8との基準フレーム間の連係を得るようにしたが、必ずしもこうしなくてもよい 。例えば、特に運動アーチファクトの可能性が比較的少ない場合、基準マーカを 直接身体に(例えば、顔面の感覚及び運動神経に関係する時には頭部または顔面 、また腰部神経根に関係する時には、腸骨稜及び腰椎輔突起に隣接して)貼り付 けることもできる。 このような基準マーカを用いたコンピュータ誘導式外科手術システム28を使 用することは、脳、胸部、及び腰椎の手術では特に重要なことと信じられている 。この点について、システム28は、例えば、解放すべき対症的圧迫が実際は腰 部4/5根であるのに、不注意で腰部3/4根に対して減圧してしまった場合の ように、「良い」手術ではあるが、悪いレベルで行なうという問題をなくすこと になろう。脊椎に対する作用については、元の画像を、システム28によって感 知されるように、患者の背中にテープで止めた基準マーカ帯 及び独立してマークした基準マーカ帯を共に収集し、手術中スタイラス182の 位置付けを行なうことができる。 外科手術システム28の種々の構成物は種々の方法で変更可能なことは認めら れよう。例えば、スタイラス182は、神経の作用を検出するように構成された 、電界の表面検出器または神経作用の磁気検出器を含んでいてもよい。このよう な装置の例には、体性感覚誘発電位(somatosensory evokedpotential)または磁 気脳造影システムが含まれる。結果として、スタイラス182の実施例によって 提供される神経検出によって、確認すべきニューログラムを参照して決定された 神経に関して、スタイラスを位置付けることが可能となる。 特に重要な神経手術システム28の応用の1つに、首の手術がある。このタイ プの外科手術には、例えば、内部頚動脈からストロークを生じるプラークを除去 する頚動脈内膜切除、頚根圧迫を和らげるための前部頚部椎間板切除、または首 の癌手術が含まれる。このような外科手術で最も複雑なものの1つが、反回神経 の破砕または離断であり、おそらく一方または双方の声帯の永久的麻痺という結 果になる。最適なのは、予備ニューログラムを用いて、反回神経の経路を表示し 、外科医がそれを最も効果的に避けるか、少なくとも手術中それを識別し保護で きるようにすることである。 ニューログラムによる誘導は、経皮針による障害の生体組織検査、または組織 を除去するのに用いられる超音波または他の機械的装置のような、より洗練され た経皮システムの配置のために用いることもできる。一例として、このような手 術には、椎間板切除術、レーザ/断面システムの導入、第5脳神経の神経節溶解 のような手順に用いられるRF病巣装置の配置、深部組織に配された薬品の管理 、ジアテルミー、寒冷療法、またはその他の物理的または機械的技術が含まれる 。また、ニューログラムによる誘導は、硬内視鏡の硬い組織を通過する経路を制 御するため、または方向付け可能な可撓性内視鏡の経路を制御するために用いる こともできる。 外科手術システム28の更に別の重要な用途は、脳内の定位手術を誘導するた めのCNSニューログラムの使用にある。現在、T1またはT2MRIによって目 視可能な組織構造を用いて、定位手術を誘導している。一方、CNSニューログ ラムは、対象となる特定の路の接続または関係に関する情報を与える。これらの 路は他の路内を通るので、これらは従来の組織に基づく画像によっては区別でき ないのである。e.訓練及び開発システム 訓練及び開発システム30は、神経記録法システム10から収集した情報を処 理するように設計された種々の形状のあ らゆるものを採用することができる。一実施例では、ニューログラムを複数の患 者から収集し、外科医やその他の人々が参考にするための、通常及び異常な神経 路の解剖学的地図を生成する。ある患者から得た画像を、前記地図における医学 的に知られている割合と比較し、ある条件で外科手術を受けるように設定された 患者の神経経路の異常を素速く識別することができる。結果として、外科医は自 身の技術を改変し、手術の分野で起こり得る神経への損傷の危険性を低減するこ とができる。同様に、個々の患者の皮膚や皮膚神経のニューログラム地図を用い て、外科医の切開の計画を助けることができる。慣例的な外科の切開中に皮膚神 経を過って離断し、皮膚の下の組織に達してしまうというような、よく見られる 事故を回避することもできる。 他の実施例では、訓練及び開発システム30は、神経記録法システム10によ って用いられるプログラミングの有効性を評価するように設計することができ、 更にシステム10にフィードバックを与え、その動作を規制すると共に、発生さ れるニューログラムの質を高めることができる。より具体的には、一旦神経を明 確に識別可能なシーケンスを採用したなら、他のシーケンスを用いて、それらの 結果を確認された方法と比較することができる。結果として、技術の収集がもた らされ、各シーケンスが最良の性能を発揮する条件と共に、それを神経記録法シ ステムにプログラムすることができる。 他の訓練及び開発システム30の代替案を用いて、神経圧迫の診断を補助する ために設計された、神経間薬物造影剤を評価することもできる。より具体的には 、このような訓練及び開発システム30を用いて、異なる造影剤を用いて生成さ れた画像のコントラストを数量化し、既知の神経異常を画像化する。結果として 、システム30は、特定の神経撮像の問題に最良の結果を与える造影剤を識別す ることができる。 訓練及び開発システム30の更に他の実施例では、ニューログラムからの情報 を、種々の製品の設計に用いることを可能にする。例えば、システム10によっ て生成されたニューログラムは、人間工学的家具、高比重空気(high gravityair )または空間工芸座席(space craft seats)、特別製ボディ・スーツ、ブーツ、及 び様々の種類の電子的または電気的医療機器の設計者にとって、非常に有効な情 報を提供する。これらは、神経の位置をあらかじめ性格に突き止めることができ て、最良に使用できるものである。システム30は、システム10からの神経経 路に関する情報を、このような機器の設計に関連のある計算プロセスに組み込み 、製品の性能を高めることができる。 一例として、椅子の人間工学的設計では、システム30は、当該椅子によって 得られる主要な支えが神経路と一致しないことを、関係する顧客に保証するよう に、プログラムされる。これは、座る人の神経網を、椅子の数学的モデルに重ね 合わせ、主要支持点を識別し、神経から所定の距離内にある支持点総てに対して 、画面上でフラグ(flag)を発生することによって、行なうことができる。結果と して、この椅子の設計は神経の圧迫を回避するように操作することができる。 他の応用では、システム30を用いて、電子的人工器官を制御することができ る。より具体的には、システム10からの情報を用いて、例えば、切断された神 経に隣接して電子的検出器を配置し、人工器官によって置き換えられた肢部に関 連する神経の活動を検出することができる。この検出された神経の活動を用いて 、人工器官を制御する。4.非神経撮像への応用 原則として、他の目的物または対象が上述の神経特性に対応する特性を示すの であれば、上述のMRI技術を用いて、当該目的物または対象の選択的撮像を行 なうことができる。例えば、いずれかの部分において拡散異方性を呈する目的物 は、拡散重み付けを用いて撮像することができる。このように、医学では、例え ば、心臓血管もこのようにして撮像する ことができ、更にこの技術を用いて、拡散異方性を呈するのであれば、例えば、 ロック・ストラータ(rock strata)や植物(plants)を検査することもできる。5.結論 神経の明確な画像を作成する適切な方法がなかったことは、専門医、外科医、 運動トレーナ、痛み処置の専門家には大きな障害であった。以前でも神経を周囲 の構造から区別することが時として可能ではあったが、神経を他の全構造から区 別するシステム10の特有の能力は、素晴らしい進歩を表わすものである。シス テム10の感度によって、最も小さい神経でも精度高く識別し、連係させて神経 網の三次元投影図を形成することができる。造影剤を必要とすることなく、神経 記録法情報を素速く収集することができる。 本発明の好適実施例を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲を逸脱するこ となく、種々の変更が可能であることは認められよう。
【手続補正書】特許法第184条の8 【提出日】1994年3月4日 【補正内容】 特許請求の範囲(34条補正) 排他的所有権または特権を主張する本発明の実施の具体例を次のように規定す る。 1.啼乳類の組織の形状及び位置を判定するために磁気共鳴を利用する方法で あって、 (a)対象となる生体領域を磁気偏向場に露出させるステップであって、前記 生体領域は非神経組織と神経とを含み、前記神経は末梢神経、番号3ないし12 の脳神経の1っ、または自律神経から成り、 (b)前記生体領域を、電磁励起の場に露出させるステップ、 (c)前記生体領域の前記偏向及び励起の場に対する共鳴応答を表わす出力を 生成するステップ、 (d)ステップ(a)、(b)及び(c)の動作を制御し、生成された出力に おいて、末梢神経、番号3ないし12の脳神経の1つ、または自律神経から成り 、前記対象となる生体領域内で生きている、前記神経の選択性を高めるステップ 、及び (e)前記出力を処理して、前記神経の形状及び位置を記述するデータセット を発生させ、前記データセットは前記生 体領域内において前記神経を前記非神経組織から区別し、神経造影剤を使用する ことなく、前記生体内の非神経領域よりも少なくとも1.1倍である、神経の顕 著性を与えるステップ、から成ることを特徴とする前記方法。 2.前記データセットは、前記生体領域において前記神経を非神経組織から区 別し、前記データセットが、神経を非神経組織の少なくとも5倍の輝度で記述す るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.前記生体を偏向の場に露出させるステップは、前記生体領域を、少なくと も1つの拡散重み付けされた勾配を含む偏向の場に露出させるステップを含むこ とを特徴とする請求項1に記載の方法。 4.前記少なくとも1つの拡散重み付けされた勾配は、前記神経に実質的に平 行な第1の勾配と、前記神経に実質的に垂直な第2の勾配とを含み、前記出力を 生成するステップは、前記第1の勾配を用いた時の第1出力と、前記第2の勾配 を用いた時の第2の出力とを生成するステップを含み、更に、前記出力を処理す るステップは、前記第2の出力から前記第1の出力を減算するステップを含むこ とを特徴とする請求項3に記載の方法。 5.前記減算ステップは、更に、前記第1の出力と前記第 2の出力との間の登録を判断するステップを含むことを特徴とする請求項4に記 載の方法。 6.前記方法は、登録のしきい値レベルが前記第1及び第2出力の間に示され ないならば、前記減算ステップを禁止するステップを含むことを特徴とする請求 項5に記載の方法。 7.前記非神経組織は脂肪を含み、前記生体領域を前記第1及び第2の勾配に 露出させる前に、前記生体領域を、電磁場に露出させ、前記脂肪の前記第1及び 第2の出力に対する寄与を削除することを特徴とする請求項4に記載の方法。 8.前記少なくとも1つの拡散重み付けされた勾配は、所定配列の勾配を含み 、前記出力を生成するステップは、各勾配に関連する別個の出力を生成するステ ップを含み、前記出力を処理するステップは、前記別個の出力をベクトル処理し 、前記神経によって示される異方性拡散を表わすデータを発生し、前記異方性拡 散を表わすデータを処理して、前記神経の形状及び位置を記述する前記データセ ットを発生させることを特徴とする請求項3に記載の方法。 9.前記非神経組織は脂肪を含み、前記生体領域を励起の場に露出させるステ ップ及び前記出力を生成するステップは、前記脂肪の出力に対する寄与を削除す るように、前記生体領域内の脂肪を励起することを含むことを特徴とする請求項 1 に記載の方法。 10.前記脂肪の寄与は、化学的シフト選択シーケンスを用いることによって 削除することを特徴とする請求項9に記載の方法。 11.前記処理ステップは、更に、末梢神経内に見出される束、番号3から1 2の脳神経、及び自律神経を表わす情報に対して、前記出力を分析するステップ を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。 12.前記処理ステップは、更に、前記束を表わす情報に対して出力を分析す るステップの結果を用いて、束でない組織を前記データセットから削除すること を含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。 13.前記処理ステップは、更に、末梢神経内に見出される束、番号3ないし 12の脳神経、及び自律神経を表わす情報に対して、前記出力を分析するステッ プを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 14.前記処理ステップは、更に、束を表わす情報に対して出力を分析するス テップの結果を用いて、前記データセットから、束でない組織を削除することを 含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。 15.前記ステップ(d)を用いて、末梢神経、番号3な いし12の脳神経、及び自律神経の特徴的なスピン−スピン緩和係数を利用し、 これらの神経の前記スピン−スピン緩和係数は、他の周囲の組織のそれより大幅 に大きいことを特徴とする請求項1に記載の方法。 16.前記生体領域を励起場に露出させるステップ及び出力を生成せしめるス テップは、60ミリ秒より長いエコー時間によって分離され、前記生体領域にお ける前記神経の非神経組織からの区別を強化することを特徴とする請求項15に 記載の方法。 17.前記非神経組織は筋肉を含み、前記末梢神経、番号3ないし12の脳神 経、及び自律神経の特徴的なスピン−スピン緩和係数を利用することによって、 前記ステップ(d)によって削除されることを特徴とする請求項16に記載の方 法。 18.前記生体領域を励起場に露出させるステップは、1秒より長い繰り返し 時間の後に繰り返され、前記生体領域において、末梢神経、脳神経、または自律 神経の、非神経組織からの区別を強化することを特徴とする請求項16に記載の 方法。 19.前記非神経組織は脂肪を含み、前記ステップ(c)の前に、前記出力内 の脂肪の寄与を削除する電磁場に、前記 生体領域を露出させることを特徴とする請求項16に記載の方法。 20.前記ステップ(d)によって、前記生体領域を励起の場に露出させるス テップ(b)に、前記生体領域において非異方性拡散水から前記神経内の異方性 拡散水への磁化転移を誘発させ、より簡単に神経を非神経組織から区別すること を特徴とする請求項1に記載の方法。 21.前記非神経組織は脂肪を含み、前記ステップ(c)の前に、前記生体領 域を、前記出力における脂肪の寄与を削除する電磁場に露出させることを特徴と する請求項20に記載の方法。 22.前記生体領域は血管を含むこともでき、前記ステップ(d)は、前記デ ータセットから、血管を削除することを特徴とする請求項1に記載の方法。 23.前記ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返して、神経の影響が強 調された第1の出力と、血管の影響が強調された第2の出力とを生成し、前記出 力を処理するステップ(e)は、前記第1及び第2の出力を処理して、前記デー タセットから血管を削除するステップを含むことを特徴とする請求項22に記載 の方法。 24.前記生体領域内の非神経組織が血管と髄液とを含む 場合、前記ステップ(d)は前記データセットから血管と髄液とを削除すること を特徴とする請求項1に記載の方法。 25.前記ステップ(d)は、前記データセット上の前記生体領域の動きの影 響を削除することを特徴とする請求項1に記載の方法。 26.前記方法は、更に、前記生体領域を当て木にて固定し、前記データセッ トにおける運動アーチファクトを減少させるステップを含むことを特徴とする請 求項1に記載の方法。 27.前記生体領域は、複数の末梢神経、番号3ないし12の脳神経、または 自律神経を含み、前記方法は更に、前記複数の末梢神経、番号3ないし12の脳 神経、または自律神経の選択されたものに、造影剤を投与し、前記選択された1 つの神経を前記データセットから削除するステップを含むことを特徴とする請求 項1に記載の方法。 28.前記ステップ(a)ないし(c)は、前記生体領域を、読み取り勾配再 位相パルス及びスライス選択励起パルスに露出させるステップを含み、前記読み 取り勾配再位相パルスは、前記スライス選択励起パルスの発生の直後に代わって 、前記出力が生成される直前に発生され、前記データセット内の望ましくないク ロス−タームの表示を減少させることを特徴とする請求項1に記載の方法。 29.前記ステップ(a)ないし(c)は、更に、前記生体領域を二部分位相 エンコーディング勾配に露出せしめ、前記データセットにおける望ましくないク ロス−タームの表示を更に減少させるステップを含むことを特徴とする請求項2 8に記載の方法。 30.前記データセット内の前記神経の輝度は、前記生体領域内の非神経組織 のそれより、少なくとも10倍であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 31.前記方法は、更に、前記データセットを処理して、前記神経の形状及び 位置を表示する画像を発生させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記 載の方法。 32.構造の形状及び位置を判定するために磁気共鳴を利用する方法であって 、 (a)拡散重み付けされた所定の配列の勾配を含む磁気偏向の場に、拡散異方 性を示す選択された構造と、拡散異方性を示さない他の構造とを含む領域を露出 させるステップ、 (b)前記領域を電磁励起の場に露出させるステップ、 (c)前記拡散重み付けされた勾配の各々について、前記励起の場と当該拡散 重み付けされた勾配を含む偏向の場に対する、前記領域の共鳴応答を示す出力を 生成させるステップ、 (d)前記出力をベクトル処理して、前記拡散重み付けさ れた勾配の前記選択された構造の方位に関する整合には無関係に、前記領域内の 前記選択された構造によって示される異方性拡散を表わすデータを発生させるス テップ、 (e)前記異方性拡散を表わすデータを処理し、前記領域内の前記選択された 構造の形状及び位置を記述するデータセットを発生させ、前記データセットは、 前記選択された構造を、拡散異方性を示さない前記領域内の他の構造から区別す るステップ、 から成ることを特徴とする前記方法。 33.前記選択された構造は、哺乳類の神経組織であり、前記他の構造は哺乳 類の非神経組織であることを特徴とする請求項32に記載方法。 34.前記異方性拡散を表わすデータを処理する前記ステップは、 前記異方性拡散を表わすデータを分析して、前記神経組織によって示される異 方性拡散の有効な方向を判定し、拡散重み付け勾配に対する最適な方位を決定す るステップ、 前記領域を、前記有効な方向に対して実質的に平行及び実質的に垂直な2つの 拡散重み付けされた付加勾配に、それぞれ露出させるステップ、 前記2つの拡散重み付けされた付加勾配に対する前記領域 の共鳴応答をそれぞれ示す2つの付加出力を生成せしめるステップ、及び 前記2つの付加出力間の差を計算し、前記神経組織の形状及び位置を記述する 前記データセットを発生させるステップ、を含むことを特徴とする請求項33に 記載の方法。 35.前記神経組織の形状及び位置を記述する前記データセットは、前記神経 組織の選択された断面の形状及び位置を記述するものであり、前記データセット を発生させるために用いられた前記ステップを繰り返して、前記神経組織の異な る断面を記述する付加データセットを発生させ、更に、前記神経組織の断片の三 次元形状及び位置を記述する更なるデータセットを、 異方性拡散を表わすデー夕を分析して、前記データセットと、前記神経組織の 断面の形状及び位置を記述する前記付加データセットとをどのように関連付ける かを決定すること、及び 異方性拡散を表わすデータを分析する前記ステップの結果を基に、前記データ セットと前記付加データセットとを組み合わせて、前記神経組織の断片の三次元 形状及び位置を記述する前記更なるデータセットを発生させ、これによって湾曲 した神経組織の三次元形状及び位置を記述可能とすること、 を含むステップによって発生させることを特徴とする請求項33に記載の方法。 36.前記異方性拡散を表わすデータを分析するステップは、前記の選択され 且つ異なる断面の各々において、前記神経組織によって示される異方性拡散の有 効な方向を判定することを含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。 37.前記所定配列の勾配は、第1、第2及び第3の直交勾配を含み、前記異 方性拡散を表わすデータは、前記神経組織によって示される異方性拡散を表わす 有効ベクトルの記述を含むことを特徴とする請求項33に記載の方法。 38.前記神経組織の形状及び位置を記述する前記データセットは、前記有効 ベクトルの長さに基づくことを特徴とする請求項37に記載の方法。 39.前記領域を磁気偏向の場に露出させるステップは、拡散重み付けされた 勾配を含まないゼロ拡散勾配偏向の場に、前記領域を露出させるステップを含み 、前記出力を生成させるステップは、前記ゼロ拡散勾配偏向の場に対する前記領 域の共鳴応答を示すゼロ拡散勾配出力を生成させるステップを含み、前記有効ベ クトルの長さは、前記ゼロ拡散勾配出力の大きさによって正規化されることを特 徴とする請求項38に記載の方法。 40.前記神経組織の形状及び位置を記述する前記データセットは、前記有効 ベクトルの方向を部分的に記述する角度に基づくことを特徴とする請求項37に 記載の方法。 41.前記異方性拡散を表わすデータを処理する前記ステップは、 前記神経組織によって示される異方性拡散を表わす前記有効ベクトルの方向に 実質的に平行及び実質的に垂直な、2つの拡散重み付けされた付加勾配に、前記 領域をそれぞれ露出させるステップ、 前記2つの付加拡散重み付けされた勾配に対する前記領域の共鳴応答をそれぞ れ示す2つの付加出力を生成させるステップ、及び 前記2つの付加出力間の差を計算し、前記神経組織の形状及び位置を記述する 前記データセットを発生させるステップ、を含むことを特徴とする請求項37に 記載の方法。 42.前記データセットは前記神経組織の選択された断面の形状及び位置を記 述するものであり、前記データセットを発生するために用いられた前記ステップ を繰り返して、前記神経組織の異なる断面を記述する付加データセットを発生さ せ、更に、前記神経組織の断片の三次元形状及び位置を記述する更なるデータセ ットを、 異方性拡散を表わすデータを分析して、前記データセットと、前記神経組織の 断面の形状及び位置を記述する前記付加データセットとをどのように関連付ける かを決定すること、及び 異方性拡散を表わすデータを分析する前記ステップの結果を基に、前記データ セットと前記付加データセットとを組み合わせて、前記神経組織の断片の三次元 形状及び位置を記述する前記更なるデータセットを発生させ、これによって湾曲 した神経組織の三次元形状及び位置を記述可能とすること、を含むステップによ って発生することを特徴とする請求項37に記載の方法。 43.前記異方性拡散を表わすデータを分析するステップは、前記断面の各々 において、前記神経組織によって表わされる異方性拡散を表わす有効ベクトルの 方向を分析するステップを含むことを特徴とする請求項42に記載の方法。 44.前記異方性拡散を表わすデータを分析するステップは、 前記異方性拡散を表わすデータを分析して、前記神経組織によって示される異 方性拡散の有効な方向を判定し、拡散重み付け勾配に対する最適な方位を決定す るステップ、 前記領域を、前記有効な方向に対して実質的に平行及び実 質的に垂直な2つの拡散重み付けされた付加勾配に、それぞれ露出させるステッ プ、 前記2つの拡散重み付けされた付加勾配に対する前記領域の共鳴応答をそれぞ れ示す2つの付加出力を生成させるステップ、及び 前記2つの付加出力間の差を計算し、前記神経組織の形状及び位置を記述する 前記データセットを発生するステップ、を含むことを特徴とする請求項32に記 載の方法。 45.前記神経組織の形状及び位置を記述する前記データセットは、前記神経 組織の選択された断面の形状及び位置を記述するものであり、前記データセット を発生するために用いられた前記ステップを繰り返して、前記神経組織の異なる 断面を記述する付加データセットを発生し、更に、前記神経組織の断片の三次元 形状及び位置を記述する更なるデータセットを、 異方性拡散を表わすデータを分析して、前記データセットと、前記神経組織の 断面の形状及び位置を記述する前記付加データセットとをどのように関連付ける かを決定すること、及び 異方性拡散を表わすデータを分析する前記ステップの結果を基に、前記データ セットと前記付加データセットとを組み 合わせて、前記神経組織の断片の三次元形状及び位置を記述する前記更なるデー タセットを発生させ、これによって湾曲した神経組織の三次元形状及び位置を記 述可能とすること、を含むステップによって発生することを特徴とする請求項3 2に記載の方法。 46.前記勾配の所定配列は、第1、第2及び第3の直交勾配を含み、前記異 方性拡散を表わすデータは、前記神経組織によって示される異方性拡散を表わす 有効ベクトルの記述を含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。 47.ある構造によって示される拡散異方性を表わすデータを判定するために 、磁気共鳴を利用する方法であって、 (a)拡散異方性を示さない前記領域内の構造の電磁応答性を削除する電磁場 の削除シーケンスに、ある領域を露出させ、拡散異方性を示す前記領域内の構造 の見かけ上の拡散異方性を増大させるステップ、 (b)前記領域を、拡散重み付けされた所定配列の磁気勾配に露出させるステ ップであって、前記拡散重み付けされた所定配列の磁気勾配を、 i)特定の方向における拡散異方性を示す領域内の選択された構造を強調し、 ii)前記特定の方向とは異なる方向において、拡散異 方性を示す前記領域内の他の構造を削除する、ように選択するステップ、 (c)前記拡散重み付けされた勾配の各々について、当該拡散重み付けされた 勾配に対する前記領域の共鳴応答を示す出力を生成させるステップ、及び (d)前記出力を処理して、前記選択された構造の拡散異方性を表わすデータ を発生させるステップ、 から成ることを特徴とする方法。 48.前記選択された構造の拡散異方性を表わすデータを処理して、前記選択 された構造の形状及び位置を記述するデータセットを生成させることを特徴とす る請求項47に記載の方法。 49.前記選択された拡散異方性構造は、生体内の生きている神経組織である ことを特徴とする請求項48に記載の方法。 50.前記選択された拡散異方性構造は、末梢神経、番号3ないし12の脳神 経の1つ、または末梢神経であり、それは生きていることを特徴とする請求項4 8に記載の方法。 51.哺乳類の組織の形状及び位置を判定する磁気共鳴装置であって、 (a)非神経組織と神経とを含み、前記神経は末梢神経、 番号3ないし12の脳神経の1つ、または自律神経である、対象となる生体領域 を磁気偏向場に露出させる偏向場源と、 (b)前記対象を電磁励起場に露出させる励起及び出力構成部(62)と、 (c)前記偏向場源と前記励起及び出力構成部の動作を制御するシーケンス制 御部(74)であって、前記偏向場及び励起場が協同して、前記生体領域内に共 鳴応答を誘発し、末梢神経、番号3ないし12の脳神経の1つ、または自律神経 から成り、生体内に在り且つ生きている前記神経の選択性を高め、前記励起及び 出力構成部(62)が、前記シーケンス制御部(74)によって決定される時刻 に、前記生体領域の共鳴応答を示す出力を生成させるように制御する、前記シー ケンス制御部と、 (d)前記出力を処理して、前記神経の形状及び位置を記述するデータセット を生成させ、前記データセットは、前記生体領域内の非神経組織から神経を区別 し、神経造影剤の使用を必要とせずに、前記神経の顕著性を前記非神経組織のそ れより少なくとも1.1倍とする、プロセッサ(72)と、から成ることを特徴 とする前記装置。 52.前記励起及び出力構成部(62)は、整相コイル・システムを含むこと を特徴とする請求項51に記載の装置。 53.前記装置は、更に、前記生体領域を実質的に固定する当て木(156) を含むことを特徴とする請求項51に記載の装置。 54.前記当て木(156)は、前記当て木(156)の位置と前記対象領域 とを関係付ける、少なくとも1つのマーカを含むことを特徴とする請求項53に 記載の装置。 55.前記当て木(156)は、前記神経の形状及び位置を記述する前記デー タセットに影響し得る、エッジ効果を減少させるように構成されていることを特 徴とする請求項54に記載の装置。 56.前記装置は、非神経組織に関する情報を収集するように構成された補助 データ収集システム(22)と結合可能であり、前記情報は前記プロセッサ(7 2)によって用いられて、前記神経の形状及び位置を記述するデータセットが、 前記生体領域内の非神経組織を区別する度合いを高めることを特徴とする請求項 51に記載の装置。 57.前記装置は、前記データセットを分析して、対象となる神経状態を検出 するように構成された診断システム (24)に結合可能であることを特徴とす る請求項51に記載の装置。 58.前記装置は治療システム(26)に結合可能である ことを特徴とする請求項51に記載の装置。 59.前記装置は、外科手術システム(28)に結合可能であることを特徴と する請求項51に記載の装置。 60.前記装置は、開発システム(30)に結合可能であることを特徴とする 請求項51に記載の装置。 61.前記装置は、更に、前記データセットに基づいて神経の画像を表示する 出力装置(72)を含むことを特徴とする請求項51に記載の装置。 62.ある構造の形状及び位置を決定する磁気共鳴装置であって、 (a)拡散重み付けされた所定配列の勾配を含む磁気偏向場に、拡散異方性を 示す選択された構造と拡散異方性を示さない他の構造とを含む、ある領域を露出 させる偏向場源と、 (b) i)前記領域を電磁励起の場に露出させ、 ii)前記拡散重み付けされた勾配の各々に対して、前記励起の場と当該拡 散重み付けされた勾配を含む偏向の場とに対する前記領域の共鳴応答を示す出力 を生成させる、励起及び出力構成部(62)と、 (c) i)前記出力をベクトル処理し、前記拡散重み付けさ れた勾配の前記選択された構造の方位に関する整合には無関係に、前記領域内の 選択された構造によって示される異方性拡散を表わすデータを発生させ、 ii)前記異方性拡散を表わすデータを処理して、前記領域内の選択された 構造の形状及び位置を記述するデータセットを発生させ、前記データセットは拡 散異方性を示さない前記領域内の他の構造から、前記選択された構造を区別する ようにした、プロセッサ(72)と、 から成ることを特徴とする前記装置。 63.前記選択された構造は、哺乳類の神経組織であり、前記他の構造は前記 哺乳類の非神経組織であることを特徴とする請求項62に記載の装置。 64.前記プロセッサ(72)は、前記異方性拡散を表わす前記データを分析 して、前記神経組織によって示される異方性拡散の有効な方向を判定することに より、拡散重み付けされた勾配に対して、最適な方位を判定し、 前記偏向場源は、前記有効な方向に実質的に平行及び実質的に垂直な2つの拡 散重み付けされた付加勾配に、前記領域をそれぞれ露出させ、 前記励起及び出力構成部(62)は、前記2つの拡散重み付けされた付加勾配 それぞれに対する前記領域の共鳴応答を 示す2つの付加出力を生成させ、 前記プロセッサ(72)は、前記2つの付加出力間の差を決定し、前記神経組 織の形状及び位置を記述する前記データセットを発生させる、 ことを特徴とする請求項63に記載の装置。 65.前記神経組織の形状及び位置を記述する前記データセットは、前記神経 組織の選択された断面の形状及び位置を記述するものであり、前記プロセッサ( 72)は、 異方性拡散を表わすデータを分析して、前記データセットと、前記神経組織の 断面の形状及び位置を記述する前記付加データセットとをどのように関連付ける かを決定し、 異方性拡散を表わすデータを分析する前記ステップの結果を基に、前記データ セットと前記付加データセットとを組み合わせて、前記神経組織の断片の三次元 形状及び位置を記述する前記更なるデータセットを発生させ、これによって湾曲 した神経組織の三次元形状及び位置を記述可能とすること、によって前記神経組 織の断片の三次元形状及び位置を記述する更なるデータセットを計算することを 特徴とする請求項63に記載の装置。 66.前記勾配の所定配列は、第1、第2及び第3の直交する勾配を含み、前 記異方性拡散を表わすデータは、前記神 経組織によって示される異方性拡散を表わす有効ベクトルの記述を含むことを特 徴とする請求項63に記載の装置。 67.前記プロセッサ(72)は、前記異方性拡散を表わす前記データを分析 して、前記選択された構造によって示される異方性拡散の有効な方向を判定する ことにより、拡散重み付けされた勾配に対して、最適な方位を判定し、 前記偏向場源は、前記有効な方向に実質的に平行及び実質的に垂直な2つの拡 散重み付けされた付加勾配に、前記領域をそれぞれ露出させ、 前記励起及び出力構成部(62)は、前記2つの拡散重み付けされた付加勾配 それぞれに対する前記領域の共鳴応答を示す2つの付加出力を生成させ、 前記プロセッサ(72)は、前記2つの付加出力間の差を決定し、前記選択さ れた構造の形状及び位置を記述する前記データセットを発生させる、 ことを特徴とする請求項62に記載の装置。 68.前記選択された構造の形状及び位置を記述する前記データセットは、前 記選択された構造の選択された断面の形状及び位置を記述するものであり、前記 装置は、前記選択された構造の異なる断面を記述する付加データセットを発生さ せ、前記プロセッサ(72)は、前記選択された構造の断片 の三次元形状及び位置を記述する更なるデータセットを、 異方性拡散を表わすデータを分析して、前記データセットと、前記選択された 構造の断面の形状及び位置を記述する前記付加データセットとをどのように関連 付けるかを決定し、 異方性拡散を表わすデータを分析する前記ステップの結果を基に、前記データ セットと前記付加データセットとを組み合わせて、前記の選択された構造の断片 の三次元形状及び位置を記述する前記の更なるデータセットを発生させ、これに よって湾曲した神経組織の三次元形状及び位置を記述可能とすること、 によって決定することを特徴とする請求項62に記載の装置。 69.前記勾配の所定配列は、第1、第2及び第3の直交する勾配を含み、前 記異方性拡散を表わすデータは、前記選択された領域によって示される異方性拡 散を表わす有効ベクトルの記述を含むことを特徴とする請求項62に記載の装置 。 70.ある構造によって示される拡散異方性を表わすデータを判定する磁気共 鳴装置であって、 (a)拡散異方性を示さない前記領域内の構造の電磁応答性を削除する、電磁 場の削除シーケンスに、ある領域を露出させ、拡散異方性を示す前記領域内の構 造の見かけ上の拡散異方性を増大させる励起及び出力構成部(62)、 (b)前記領域を、 i)特定の方向における拡散異方性を示す領域内の選択された構造を強調 し、 ii)前記特定の方向とは異なる方向において、拡散異方性を示す領域内の 他の構造を削除する、 ように選択された、拡散重み付けされた磁気傾斜の所定配列に露出させる偏向場 源であって、前記励起及び出力構成部 (62)は、更に、前記拡散重み付けさ れた勾配の各々について、当該拡散重み付けされた勾配に対する前記領域の共鳴 応答を示す出力を生成させ、 (c)前記出力を処理して、前記選択された構造の拡散異方性を表わすデータ を発生するプロセッサ(72)、 とから成ることを特徴とする前記装置。 71.前記プロセッサ(72)は、前記選択された構造の拡散異方性を表わす 前記データを処理して、前記選択された構造の形状及び位置を記述するデータセ ットを生成することを特徴とする請求項70に記載の装置。 72.前記選択された拡散異方性構造は、神経組織であり、それは生きている ことを特徴とする請求項71に記載の装置。 73.前記選択された拡散異方性構造は、末梢神経、番号3ないし12の脳神 経、または自律神経であり、それは生き ていることを特徴とする請求項71に記載の装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 9216383.1 (32)優先日 1992年7月31日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9301268.0 (32)優先日 1993年1月22日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,SN,TD, TG),AT,AU,BB,BG,BR,CA,CH, CZ,DE,DK,ES,FI,GB,HU,JP,K P,KR,LK,LU,MG,MN,MW,NL,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SK, UA (72)発明者 フイラー,アーロン ジー. アメリカ合衆国,98109 ワシントン州, シアトル,ゲイラー ストリート ナンバ ー 236 620 (72)発明者 ハウ,フランクリン エイ. イギリス国,エスダブリュ 17 オーアー ルイー ロンドン,ツーティング,クラン マー テラス(番地なし) (72)発明者 ツルダ,ジェイ エス. アメリカ合衆国,98040 ワシントン州, マーサーアイランド,84ス アベニュー エス.イー.6120 (72)発明者 リチャーズ,トッド エル. アメリカ合衆国,98155 ワシントン州, シアトル,60ス アベニュー エヌ.イ ー.18211

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 排他的所有権または特権を主張する本発明の実施の具体例を次のように規定す る。 1.神経造影剤を用いることなく、対象領域における末梢神経を選択的に撮像 する装置であって、 前記領域を磁気共鳴の場に露出させる場部材と、 前記領域の前記磁気共鳴の場に対する応答を示す出力を生成させる出力部材と 、 前記出力から、前記領域内の末梢神経を含みかつ区別する画像を生成させる画 像処理部材と、 から成る装置。 2.前記領域は末梢神経に隣接する非神経組織を含み、前記画像処理部材は、 更に、非神経組織も含むが、末梢神経の画像の顕著性が少なくとも非神経組織の あるものより、少なくとも1.1 倍である画像を生成せしめる請求項1に記載の装 置。 3.前記場部材は、神経の水拡散異方性を判別するように調整された場に前記 領域を露出させる請求項1に記載の装置。 4.異方性を判別するように調整された前記場は、第1及び第2の実質的に直 交する勾配を有し、前記出力部材は、前 記第1の勾配に関連する第1の出力と、前記第2の勾配に関連する第2の出力と を生成せしめる請求項3に記載の装置。 5.前記画像処理部材は、前記第2の出力から前記第1の出力を減算して、前 記画像を生成せしめる請求項4に記載の装置。 6.前記領域は末梢神経に隣接する脂肪を含み、該脂肪は、前記磁場に対して 応答し、前記場部材と前記出力部材とは協同して、前記出力に対する脂肪のいか なる応答の寄与をも削除するように設計されている請求項1に記載の装置。 7.前記出力部材は、前記領域の前記磁場に対する比較的遅い応答を示す出力 を生成せしめることによって、末梢神経を判別するように設計されている請求項 1に記載の装置。 8.前記領域は、磁場に応答する脂肪とその他の非神経組織とを含み、前記場 部材と前記出力部材とは協同して、前記出力に対する脂肪のいかなる応答の寄与 をも削除するように設計されており、前記場部材は更に、前記領域を第1及び第 2の拡散重み付けされた勾配に露出させるように調整されており、前記出力部材 は、前記第1の勾配に関連する第1出力と前記第2の勾配に関連する第2出力と を生成させ、前記画像処理部材は、前記第2出力から前記第1出力を減算して、 末梢神経の顕著性が、少なくともいくつかの脂肪及びその他 の非神経組織よりも、少なくとも10倍高い画像を生成せしめる請求項1に記載 の装置。 9.非神経組織を含む対象領域における神経組織の画像を発生せしめる神経記 録法システムであって、 前記領域を偏向の場に露出させるのに用いられるよう構成された偏向場源と、 前記対象を励起の場に露出させるのに用いられるよう構成された励起及び出力 構成部と、 前記偏向場源と前記励起及び出力構成部との動作を制御するシーケンス制御部 であって、前記偏向の場と励起の場とが協同して、前記領域において共鳴応答を 誘導するようにし、前記励起及び出力構成部のコイルが、前記シーケンス制御部 によって決められた時刻に前記領域の共鳴応答を示す初期出力を生成せしめるよ うに構成されている、前記シーケンス制御部と、 前記初期出力を処理し、前記領域における神経組織を表わす画像出力を生成せ しめるプロセッサと、 前記画像出力に基づいて、前記神経組織を区別可能な画像を表示する出力装置 と、 から成るシステム。 10.前記出力装置は、前記領域内の非神経組織も表示可 能であり、前記神経組織の画像の顕著性は、少なくともいくつかの非神経組織の それより、少なくとも1.1 倍である請求項9に記載のシステム。 11.前記偏向場源、前記励起及び出力構成部、及び前記シーケンス制御部は 協同して、前記初期出力によって前記プロセッサが明確に神経組織と非神経組織 とを区別できるように、設計されている請求項9に記載のシステム。 12.前記偏向場源と前記シーケンス制御部とは協同して、前記偏向の場にお いて少なくとも1つの拡散重み付けされた勾配を発生させる請求項9に記載のシ ステム。 13.前記偏向場源と前記シーケンス制御部とは協同して、前記偏向の場にお いて第1及び第2の拡散重み付けされた勾配を発生させ、前記第1の勾配は前記 神経組織に対して実質的に平行に発生させ、前記第2の勾配は前記神経組織に対 して実質的に垂直に発生させるものであり、前記シーケンス制御部は前記第1の 勾配に関連する第1の出力と前記第2の勾配に関連する第2の出力とを生成せし めるように調整されており、前記プロセッサは前記第2の出力から前記第1の出 力を減算して、前記画像出力を生成せしめる請求項12に記載のシステム。 14.前記偏向場源と前記シーケンス制御部とは、協同し て、前記偏向の場において所定配列の拡散重み付けされた勾配を発生させ、前記 シーケンス制御部は前記各勾配に関連する別個の初期出力を生成させ、前記プロ セッサは前記別個の初期出力をベクトル処理して前記画像出力を生成せしめるよ うに調整されている請求項12に記載のシステム。 15.前記非神経組織は脂肪を含み、前記シーケンス制御部は、前記脂肪の画 像出力に対する共鳴応答の寄与を削除するように、前記励起場が前記脂肪を励起 させる請求項9に記載のシステム。 16.前記シーケンス制御部は、化学的シフト選択シーケンスを用いる前記励 起及び出力構成部を制御する請求項15に記載のシステム。 17.前記神経組織はスピン−スピン弛緩係数を有し、前記シーケンス制御器 は、前記初期出力に、比較的長いスピン−スピン弛緩係数を示す神経組織の共鳴 応答を選択的に含ませるようにした請求項9に記載のシステム。 18.前記領域の前記励起の場への露出及び前記初期出力の生成は、エコー時 間によって分離されており、前記シーケンス制御部は、前記エコー時間が60ミ リ秒より長いことを保証するように構成されている請求項17に記載のシステム 。 19.前記領域の前記励起の場への露出は、繰り返し時間の後に繰り返され、 前記シーケンス制御部は前記繰り返し時間が1秒より長いことを保証するように 構成されている請求項17に記載のシステム。 20.前記偏向場源と前記シーケンス制御部とは協同して、前記偏向の場にお いて少なくとも1つの拡散重み付け用パルス状勾配を発生し、前記非神経組織は 脂肪を含み、前記シーケンス制御部は、前記脂肪の画像出力に対する共鳴応答の 寄与を削除するように、前記励起場に前記脂肪を励起させるように構成され、前 記神経組織の画像の顕著性が、前記脂肪の共鳴応答の寄与が削除されなかった場 合よりも高い請求項9に記載のシステム。 21.前記シーケンス制御部は、前記神経組織の表示を強調するように構成さ れている請求項9に記載のシステム。 22.前記シーケンス制御部は、前記領域の共鳴応答において磁気転移を誘発 する励起の場に、前記領域を露出させ、神経組織を少なくともいくつかの非神経 組織からより簡単に区別するようにした請求項21に記載のシステム。 23.前記励起及び出力構成部は、整相アレイ・コイル・システムを備えてい る請求項9に記載のシステム。 24.前記励起及び出力構成部は、前記励起の場を生成す るために用いられる励起コイルと、前記初期出力を生成するために用いられる出 力コイルとを備えている請求項9に記載のシステム。 25.前記非神経組織は、血管及び髄液を含み、前記プロセッサは、前記血管 及び髄液の前記画像出力に対する影響を削除するように調整可能である請求項9 に記載のシステム。 26.前記シーケンス制御部は、前記励起及び出力構成部が、神経組織及び血 管の共鳴応答がそれぞれ強調される、神経初期出力と血管初期出力とを交互に生 成するように用いられるようにし、前記プロセッサは、前記血管初期出力と前記 神経初期出力とを処理して、血管画像が削除された前記画像出力を生成するよう に構成されている請求項22に記載のシステム。 27.更に、血管出力を生成する血管撮像システムを備え、前記プロセッサは 、前記血管出力と前記初期出力とを処理し、血管の画像が削除された前記画像出 力を生成するように構成されている請求項25に記載のシステム。 28.更に、前記領域を実質的に固定する当て木を備えている請求項9に記載 のシステム。 29.前記当て木は、前記当て木の位置を前記表示画像に関連付けるための少 なくとも1つのマーカを含む請求項28 に記載のシステム。 30.前記当て木は、表示画面に現われ得るエッジ効果を減少させるように構 成されている請求項28に記載のシステム。 31.前記シーケンス制御部は、前記初期出力に対する動きの影響を減少させ るように構成されている請求項9に記載のシステム。 32.前記プロセッサは、更に、前記画像出力を処理して、前記画像出力に表 わされている神経組織における束の存在を検出する請求項9に記載のシステム。 33.前記プロセッサは、更に、束の存在が検出されなければ、前記画像出力 を削除する請求項32に記載のシステム。 34.前記表示は神経組織の三次元表示である請求項9に記載のシステム。 35.神経造影剤を用いることなく、神経組織または非神経組織を含む対象領 域を選択的に撮像する方法であって、 前記領域を磁場に露出させるステップ、 前記領域の磁場に対する共鳴応答を示す出力を生成させるステップ、及び 前記出力から、神経組織が識別可能な前記領域の画像を生成させるステップ、 から成る方法。 36.前記画像は診断に有用である請求項35に記載の方法。 37.前記領域は非神経組織を含み、前記領域の画像は、非神経組織よりも少 なくとも10倍強く神経組織を描写する請求項35に記載の方法。 38.前記露出及び出力生成ステップは協同して、神経の拡散異方性を利用し 、神経組織の共鳴応答の強調に関連する第1の出力と、神経組織の共鳴応答の削 除に関連する第2の出力とを生成させる請求項35に記載の方法。 39.前記領域は非神経組織も含み、前記画像生成ステップは、前記第1及び 第2の出力を処理して、非神経組織が実質的に削除された画像を生成させる請求 項38に記載の方法。 40.前記領域は脂肪も含み、前記露出及び出力生成ステップは協同して、い かなる脂肪の出力への寄与をも削除するように設計されている請求項35に記載 の方法。 41.前記露出及び出力生成ステップは、更に協同して、神経組織の拡散異方 性を利用するように設計されており、前記の生成した領域の画像は、神経組織を 少なくとも1.2 倍脂肪よりも目立つように描写する請求項40に記載の方法。 42.非神経組織を含む対象領域内の神経組織の画像を発 生させる方法であって、 (a)前記領域を偏向の場に露出させるステップ、 (b)前記領域を励起の場に露出させるステップ、 (c)前記偏向及び励起の場に対する前記領域の共鳴応答を示す出力を生成さ せるステップ、 (d)ステップ(a)、(b)及び(c)の動作を制御して、生成する出力の 神経選択性を強調するステップ、及び (e)前記出力を処理し、神経組織の画像を表示するステップ、 から成る方法。 43.前記領域は非神経組織も含み、前記神経組織の画像の輝度は、非神経組 織のそれよりも少なくとも1.1 倍高い請求項42に記載の方法。 44.ステップ(d)は、適当な神経選択性を与え、コンピュータが神経組織 を識別できるようにする請求項42に記載の方法。 45.前記領域を偏向の場に露出させるステップは、前記領域を、少なくとも 1つの拡散重み付けされた勾配を含む偏向の場に露出させるステップを含む請求 項42に記載の方法。 46.前記少なくとも1つの拡散重み付けされた勾配は、前記神経組織に対し て実質的に平行な第1の勾配と、前記神 経組織に対して実質的に垂直な第2の勾配とを含み、前記出力を生成せしめるス テップは、前記第1の勾配が用いられた時の第1の出力と、前記第2の勾配が用 いられた時の第2の出力とを生成せしめるステップを含み、前記出力を処理する ステップは、前記第2出力から前記第1出力を減算するステップを含む請求項4 5に記載の方法。 47.前記減算ステップは、更に、前記第1の出力と前記第2の出力との間の 登録を評価するステップを含む請求項 46に記載の方法。 48.更に、登録のしきい値レベルが前記第1及び第2出力の間になければ、 前記減算ステップを禁止するステップを含む請求項47に記載の方法。 49.前記少なくとも1つの拡散重み付けされた勾配は、所定配列の勾配を含 み、前記出力を生成せしめるステップは、各勾配に関連する別個の出力を生成せ しめるステップを含み、更に、前記出力を処理するステップは、前記別個の出力 をベクトル処理して、画像を表示するステップを含む請求項45に記載の方法。 50.前記非神経組織は脂肪を含み、前記領域を励起の場に露出させるステッ プ及び出力を生成せしめるステップは、前記脂肪の出力に対する寄与を削除する ように、前記領域内 の全脂肪を励起させることを含む請求項42に記載の方法。 51.前記ステップ(d)を用いて、神経組織の比較的長いスピン−スピン弛 緩係数を利用する請求項42に記載の方法。 52.前記領域を励起の場に露出させるステップ及び出力を生成せしめるステ ップは、60ミリ秒より長いエコー時間だけ分離され、表示画像における神経組 織の外観を強調する請求項51に記載の方法。 53.前記非神経組織は筋肉を含み、これはステップ(d)によって削除され る請求項51に記載の方法。 54.ステップ(d)は、前記領域を励起の場に露出させるステップに、前記 領域の共鳴応答において磁化転移を誘発させることによって、更に簡単に神経組 織を少なくともいくつかの非神経組織から区別できるようにする請求項42に記 載の方法。 55.前記領域は血管を含み、ステップ(d)は表示画像において血管の表示 を削除するように設計されている請求項42に記載の方法。 56.ステップ(a)、(b)及び(c)を繰り返して、神経の寄与が強調さ れる第1の出力と、血管の寄与が強調される第2の出力とを生成させ、前記出力 を処理するステップ は、前記第1及び第2の出力を処理して、血管が削除された画像を表示させるス テップを含む請求項55に記載の方法。 57.ステップ(d)は、前記表示画像上の、前記領域の動きの影響を削除す るように設計されている請求項42に記載の方法。 58.更に、前記領域を当て木に固定し、表示画像内の運動アーチファクトを 減少させる請求項42に記載の方法。 59.前記処理ステップは、更に、前記神経組織の束を表わす情報に対して、 前記出力を分析するステップを含む請求項42に記載の方法。 60.前記処理ステップは、更に、束を表わす情報を含む出力に関連する画像 だけを表示することを含む請求項42に記載の方法。 61.前記生成された画像は、前記領域の断面に関連する二次元表示である請 求項42に記載の方法。 62.前記生成された表示は、前記領域の空間に関連する三次元表示である請 求項42に記載の方法。 63.前記神経組織は、複数の末梢神経を含み、更に、前記末梢神経の1つに 造影剤を投与し、発生される画像から選択的に神経を除去するステップを含む請 求項42に記載の方法。 64.前記ステップ(a)乃至(c)は、出力が生成される前に、読み取り 勾配 再同相(リフェイズ)パルスの使用を含む請求項42に記載の方法。 65.前記ステップ(a)乃至(c)は、更に、2部分位相エンコーディング 勾配の使用を含む請求項64に記載の方法。 66.神経組織を含む対象領域についての情報を抽出する方法であって、 (a)前記領域を偏向の場に露出させるステップ、 (b)前記領域を励起の場に露出させるステップ、 (c)前記領域の前記偏向及び励起の場に対する共鳴応答を表わす出力を生成 せしめるステップ、 (d)ステップ(a)、(b)及び(c)を、前記偏向の場内の2つ以上の勾 配に対して繰り返すステップ、 (e)各繰り返しに対する出力を処理し、関連する特定の勾配に対して示され た神経の異方性の表現を判定するステップ、 から成る方法。 67.前記神経の異方性の表現、それに関連する勾配の方向、及び前記出力を 処理して、前記領域内の神経組織を強調した表示を生成せしめる請求項66に記 載の方法。 68.磁気共鳴撮像システムを用いて、診断に有用な神経組織の画像を生成せ しめる方法であって、 前記システムの動作を調整し、少なくとも1つの拡散勾配を用い、更に、前記 勾配を用いて収集された情報を基に、前記神経組織の水拡散異方性を判別するス テップ、 前記システムの動作を調整し、脂肪削除シーケンスを用いて、前記磁気撮像シ ステムの動作に対する脂肪の影響を除去するステップ、 から成る方法。 69.補助データ収集システムに対話的に結合可能な、請求項1に記載の装置 を含む医療システム。 70.前記補助データ収集システムは、前記領域内の非神経構造に関する情報 を収集するように構成されており、前記情報は前記撮像手段によって用いられ、 前記画像に非神経構造を追加する請求項69に記載の医療システム。 71.更に、異なる色を前記画像内の神経及び非神経組織に割り当てる処理手 段を備えている請求項70に記載の医療システム。 72.前記補助データ収集システムは、前記領域内の非神経構造に関する情報 を収集するように構成されており、前記情報は前記撮像手段によって用いられ、 前記画像内の非神経 の表示を除去する請求項69に記載の医療システム。 73.診断システムに対話的に結合可能な、請求項1に記載の装置を含む医療 システム。 74.前記診断システムは、画像出力を分析して、対象となる神経状態を検出 するように構成されている請求項73に記載の医療システム。 75.前記診断システムは、前記領域に関する、対象となる神経状態の位置を 突き止めるように構成されている請求項 74に記載の医療システム。 76.前記診断システムは、神経の異常の進展及び回帰の監視が可能である請 求項75に記載の医療システム。 77.治療システムに対話的に結合可能な、請求項1に記載の装置を含む医療 システム。 78.外科手術システムに対話的に結合可能な、請求項1に記載の装置を含む 医療システム。 79.前記画像を用いて、前記外科手術システムを導く請求項78に記載の医 療システム。 80.前記外科手術システムは、 可制御手術用アームと、 前記アームに結合され、前記領域に外科手術を行うスタイラスと、 前記表示画面に含まれる神経組織の位置を、外科手術システムの座標頸に関連 付けると共に、前記手術用アーム及びスタイラスを制御して、前記表示内の神経 組織に対して所望の手術を行うプロセッサと、 を含むことを特徴とする請求項78に記載の医療システム。 81.前記外科手術システムは、更に、 前記領域を固定し、前記表示の基準フレームと前記医療システムの座標系との 間の連係を設ける当て木、 を備えている請求項80に記載の医療システム。 82.前記外科手術システムのスタイラスは、更に、該スタイラスが神経に隣 接していることを示す出力を生成する神経隣接センサを備えている請求項80に 記載の医療システム。 83.開発システムと対話的に結合可能な、請求項1に記載の装置を含む医療 システム。 84.前記開発システムを用いて、前記対象内の神経路に関する基準情報を生 成する請求項82に記載の医療システム。 85.前記開発システムを用いて、神経内造影剤の有効性を評価する請求項8 2に記載の医療システム。 86.前記開発システムを用いて、ニューログラムの発生に用いられる特定の パルス−エコー・シーケンスの適性を評価する請求項82に記載の医療システム 。 87.前記開発システムを用いて、製品設計の、当該製品に関連する対象の神 経網に関する有効性を評価する請求項82に記載の医療システム。 88.ある領域において、拡散異方性を呈する構造を撮像する方法であって、 磁気撮像システムを用いて、前記領域に関連する出力を発生せしめるステップ 、及び 前記撮像システムの動作を変更して、複数の拡散に感応する勾配の各々に対す る別個の出力を生成せしめるステップ、 前記出力を処理し、前記構造の拡散性を特定した、強調画像を生成せしめるス テップ、 から成る方法。
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