JPH084991B2 - Nc加工装置 - Google Patents

Nc加工装置

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JPH084991B2
JPH084991B2 JP63278335A JP27833588A JPH084991B2 JP H084991 B2 JPH084991 B2 JP H084991B2 JP 63278335 A JP63278335 A JP 63278335A JP 27833588 A JP27833588 A JP 27833588A JP H084991 B2 JPH084991 B2 JP H084991B2
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鉄男 中村
武雄 伊藤
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、NC加工装置に関し、特に異常加工が発生し
ても一部の加工処理を除き正常加工が行える範囲につい
ては加工処理を続行させ得るようにしたスキップ機能を
有するNC加工装置に関する。
(従来の技術及び発明が解決しようとする課題) NC加工装置は、各種の被加工体の加工に広く使用され
ている。
NC加工装置では、予め装置を作動させるに必要な情報
を打ち込んだ紙テープなどを作成し、これをリーダにか
けて数値情報を読み取らせ、数値制御により加工工具で
被加工体の自動的な切削加工を行わせる。上記テープ作
成作業などは人為的なミスを皆無にすることはできず、
このためかかるミスあるいはその他の要因で加工中に異
常加工が発生し、これが工具の刃の破損などを引き起こ
す原因となる場合がある。
そこで、次善の策として、異常加工が発生したときに
装置を停めて異常の原因を調べるようにすることが考え
られるが、この場合、装置は停められたままの状態にな
っており、その結果、全体として装置の稼働率は低下
し、効率が悪いものとなる。特に、無人運転される場合
においては、たとえ自動的に停止制御が行われるように
してあっても、停止後に作業者がその装置の停止を知る
までは停止したままの状態で放置されておかれることに
なるので、高価なNC加工装置をそのまま遊ばせてしまう
ことになる。
本発明は、上述のような点に鑑みてなされたもので、
加工工具等の破損などを防止しつつ装置の稼働率の向上
を図り得るようにしたNC加工装置を提供することを目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を達成するため、導電性の芯材の
表面を非導電性の被覆材で覆う被加工被覆部材に対し加
工工具で自動的に切削加工可能なNC加工装置において、
前記被加工被覆部材の被覆材を前記加工工具で切削加工
中に、前記被加工被覆部材の芯材と前記加工工具との接
触による導通を異常加工発生として検知する異常検知手
段と、前記異常検知手段が前記異常加工発生を検知する
と、前記加工工具による加工を一時的に停止させた後
に、前記加工工具による加工処理を予め設定された次の
工程までスキップさせるとともに、その次の工程におけ
る加工処理を再スタートさせる制御手段とが設けられて
いるものである。
(実施例) 以下、本発明の一実施例を図面に基いて説明する。
第1図は、本発明の一実施例に係る異常加工発生時の
スキップ機能を有する自動車のデザインモデルのNC加工
装置を用いたモデル製作プロセスのシステム概念図であ
る。
このシステムは、モデルの加工機としてNCフライス加
工機を用いたものであり、基本的には、NC工作機械を使
用して金属その他の材質の被加工物(被加工体)を加工
する場合と同様の作業でプログラミング、データ入力が
行われる。すなわち、車両のデザイン線図1等に基づい
て、ボディの形状、寸法、加工の順序などNC加工機を作
動させるに必要な情報を打ち込んだNCテープ2を作成
し、このNCテープ2を制御装置本体3のテープリーダ4
にかけて数値情報を読み取らせる。
NCテープ2の情報は、テープリーダ4からインターフ
ェース回路5を経由してコンピュータ6(パーソナルコ
ンピュータ等)に与えられ解読される。コンピュータ6
は所定の計算を行って結果をインターフェース回路5を
介してサーボユニット7に送出し、このサーボユニット
7からの指令によりNC加工機本体8のサーボモータが駆
動される。
NC加工機本体8による加工処理は、メインプログラム
に従って実行されると共に、後述の如く異常加工の発生
時には、別に設けたサブプログラムの起動等によるスキ
ップ処理が実行される。
NC加工機本体8は、その概略構造を第1図に示すよう
に、門型型式のものであって、現寸大のモデル形成体
(被加工物)9をセットできる大型のものが用いられて
いる。NC加工機本体8のカッタ10は、上記サーボユニッ
ト7からの動作指令に基づいてその位置、回転速度等が
制御され、これによりモデル形成体9に対して指令通り
の切削加工が行われる。
現寸大のモデル形成体9は、第2図に示すように、バ
ックアップ材(内部フレーム)としての鉄骨9aと、表面
層を形成する被覆材とから構成されており、本実施例で
は、被覆材としてカッタ10により切削可能でかつ非導電
性を有する樹脂9b(表面絶縁樹脂)が使用されている。
カッタ10により切削加工されるべきモデル形成体9は、
下記のようにして予め製作され、用意される。
まず、デザイン線図1などで設定されたボディの形
状、寸法値に従って、或る程度までの形が出るように、
鉄骨9aを篭型に組んでボディの概略形状を呈する基体を
作る。この鉄骨9aから成る基体を製作する際には、次に
その外側に樹脂9bを張り付けるときの盛り厚を考慮して
加工予定のボディ表面よりやや小さめにこの篭型基体を
作るようにする。かかる基体の製作後、第2図に示す如
く、その上に樹脂9bを所定の厚さ(例えば30mm〜40mm)
で設けて表面被覆層を形成する。
このようにして得られた張り子状のモデル形成体9が
第1図に示すようにNC加工機本体8の定位置にセットさ
れる。
NC加工機8の切削加工部11は、異常加工発生の感知手
法として、例えば通電タイプのものを用いるときは、第
3図に示すような構成とされ、一方、セット部12は第4
図に示すような構成とされ、また、モデル形成体9の鉄
骨9aは後述する停止装置に電気的に接続される。
第3図に示すように、上記モデル形成体9表面の樹脂
9bを切削加工する切削加工部11は、図示の例では、自動
工具交換装置(ATC装置)を備えた構造のものとされて
いる。切削加工部11は、加工工具としてのカッタ10と、
このカッタ10を装着、保持するチャック13と、このチャ
ック13をガイドするアーム14とを有している。上記カッ
タ10とチャック13とは、一体的に回転駆動されるもので
あって、これらは第1図に示した制御装置本体3のサー
ボユニット7からの動作指令に従って作動するモータを
含む駆動部によりその回転速度、位置などが制御され
る。
上記回転駆動されるチャック13は、カッタ10を保持す
ると共に、カッタ10と電気的に導通しており、更にこの
チャック13の回転面13aに当接して電気的に接触する導
通検出部16が設けられている。本実施例では、導通検出
部16は、前記カッタ10による加工中に異常が発生した場
合にこれを検知してカッタ10による加工を一時停止させ
るための通電タイプのセンサ系の一部を成しており、上
記アーム14を利用して構成されている。すなわち、金属
製のアーム14の一方の先端部には、チャック13の回転面
13aに向かって延出する筒状部16aが形成され、その基端
側にストッパー16bが設けられると共に、先端側には金
属製のボール16cが回転可能に装着されている。このボ
ール16cは、筒状部16a内部に介装されたスプリング16d
によって付勢され、上記チャック13の回転面13aに常時
圧接せしめられている。
このように、上記アーム14は導通アームとして構成さ
れており、機械本体を介してアースに接続されているの
で、前記カッタ10は、回転状態においても、チャック1
3、ボール16cを介してアース電位となっている。
一方、カッタ10により切削加工が施されるモデル形成
体9は、第4図に示すように、定盤17上に形成した絶縁
のための絶縁層18、例えば樹脂を介してNC加工機本体8
にセットされる。従って、モデル形成体9は、金属の鉄
骨9aで基体を構成していても、この基体はNC加工機本体
8の定盤17とは絶縁されている。
このようにアースから浮かされてセットされたモデル
形成体9の鉄骨9aには、第3図に示すように、適宜個所
においてリード線19が接続され、このリード線19が停止
装置20の端子20aに接続されている。停止装置20は、異
常加工発生時には一旦カッタ10を停止させるよう制御す
る一時停止機構として機能するものであり、例えば、図
示の如く、リレー回路21を有し、このリレー回路21のコ
イル21aが、第3図の場合には、上記端子20aと動作電源
(例えばAC8Vの交流電源)の一方の電源端子22aとの間
に挿入されており、他方の電源端子22bは停止装置20の
端子20bを通してアースに接続されている。
上記リレー回路21のノーマルクローズ接点21bは、停
止装置20の端子20c,20dを通した駆動機構15の電源路中
に挿入されている。駆動機構15は、例えば、DCサーボモ
ータ、位置検出器等から成り、端子23a,23bからメイン
スイッチ等を介して電源に接続されている。上記駆動機
構15は、サーボユニット7からの動作指令に従って作動
する駆動部の一部であり、該駆動機構15への電源供給の
遮断は、カッタ10によるモデル形成体9に対する加工処
理(メインプログラムに基づく動作指令に従った加工処
理)については、これを一時的に停止させるも、異常発
生時に一旦元の原点位置や工具交換位置へ戻すなどする
場合における非加工状態でのカッタ10の送り(従って切
削加工部11の駆動)に関しては別系統の駆動機構により
なされるので、異常処理時での上述のカッタ動作は前記
駆動機構15への電源遮断状態でも可能である。すなわ
ち、リレー回路20の上記ノーマルクローズ接点21bは、
コイル21aが非励磁状態のときは閉成しているので上記
駆動機構15への電源供給を可能とし、コイル21aが通電
によって励磁されると、その電源路を開成し、これによ
って加工処理のためのカッタ作動系のモータをオフし運
転を停止させることができる。
また、本実施例では、このNC停止装置は、自動兼手動
の停止装置であり、NC加工機運転中、異常時に作業者が
居た場合には作業者が手動で操作することのできる非常
停止ボタン24を備えている。非常停止ボタン24は、NC加
工機の操作盤面上に配置されており、そのボタン操作に
よって非常停止スイッチ24aを開成させれば、手動でNC
加工機を非常停止させることができるようになってい
る。
従って、上記構成のNCモデル加工装置は、手動による
非常停止(一時停止を含む)と自動一時停止の両方を行
えるものである。
次に、本発明に従うNCモデル加工装置によるモデルの
製作、並びにカッタ10と鉄骨9aとの接触時、すなわち異
常加工発生時の自動一時停止及びスキップ処理につい
て、第5図以下をも参照して説明する。
なお、第5図は正常加工時及び異常加工時の態様を示
すものであり、また、第6図は異常加工発生時のスキッ
プ処理を説明するための機能図、第7図はそのスキップ
機能のための処理手順の一例を示す図である。
まず、モデルの製作に当っては、既述したように、予
め準備した第2図のようなモデル形成体9をNC加工機本
体8の定盤17上の絶縁層18の上にセットし、NC切削の際
の基準位置決めなどの所定の作業を行う。しかして、プ
ログラミングされたNCテープ2に基づいた自動切削加工
を開始させる。
切削加工中は、メインプログラムに基づき、カッタ10
は数値制御により指令に応じた加工を実行し、第5図
(A)に示すように、モデル形成体9の樹脂9bを切削
し、指示に従った通りのボディ形状表面9cを削り出して
いく。切削加工が正常に行われていくとき、すなわち正
常加工時には、導通検出部16、チャック13を通してアー
スに電気的に接続されている回転中のカッタ10は、同図
(A)に示す如く、モデル形成体9の金属の鉄骨9aとは
接触せず、また、切削加工される表面の樹脂9bは非導通
材であり、更に、第4図に示すようにモデル形成体9全
体は定盤17から絶縁されているから、AC8Vが印加された
リレー回路21のコイル21aには電流は流れず、コイル21a
は非励磁状態にある。このため、ノーマイクローズ接点
21bは、閉成状態を維持し、駆動機構15への電源供給は
このノーマルクローズ接点21bによって断たれることは
ない。従って、上述のカッタ10による切削は、通常の通
り進行される。
これに対し、もし、第5図(B)に示すように、カッ
タ10がモデル形成体9の樹脂9bを深く削り過ぎて鉄骨9a
に当るような異常加工の場合には、本実施例ではカッタ
10と鉄骨9aとの接触によってかかる異常加工を感知し、
その接触時に、NC加工機の一時停止が行われ、更には、
第6図、第7図に示すようなプロセスによって加工処理
のスキップ、その後の再スタートが自動的に行われ、一
時停止によるカッタ作動系のモータオフによってカッタ
10の大きな損傷などが未然に防止され、また、加工処理
のスキップ及びそれに引き続く再スタート処理によっ
て、高価なNC加工装置を停めたままで遊ばせてしまうこ
とを防ぐことができる。
まず、異常加工の発生で表面絶縁樹脂である樹脂9bを
カッタ10で突き破り内部フレームである鉄骨9aに接触し
た場合の一時停止は、第3図のものでは、機構的には次
のようにしてなされる。
すなわち、カッタ10が鉄骨9aに触れれば、電源端子22
a−リレー回路21のコイル21a−リード線19−モデル形成
体9の鉄骨9a−カッタ10−チャック13−導通検出部16を
有する導通アーム−アースから成る閉回路が形成され、
コイル21aへの通電によって、ノーマルクローズ接点21b
が開成し、駆動機構15への電源供給が遮断される。この
結果、カッタ10の作動が停止し、カッタ10の刃の折れな
どの事態に至るのを防ぐことができる。
本実施例では、カッタ10と一体的に回転するカッタ装
着部であるチャック13からカッタ10との導通をとるよう
にしているため、上記の運転停止はカッタ10の回転中で
あっても、すなわち加工処理中であっても確実に行え
る。
一般に、この種のNC加工機では、装着された加工工具
は、駆動系を介して機本体側と接触しているので、本発
明者らは、第3図に示したような導通検出部16を特別に
付加することなく、加工工具と第4図のように絶縁状態
でセットしたモデル形成体の金属製バックアップ材との
接触時の停止を第3図に示した回路構成で行わせること
を試み、実験した。この実験では、NC加工機が加工工具
を回転駆動していない回転停止状態のときには、両者の
接触によるスイッチ動作が得られ、コイル21aへの通電
が可能であったが、加工工具の回転状態では、加工工具
が金属製バックアップ材と接触しても、導通がなく、停
止装置20は作動しない結果が得られた。
これは、加工工具の回転駆動系には、グリス等が使用
されており、加工工具回転により例えば芯軸グリス被膜
のための回転中の加工工具自体と機本体との電気的接続
が断たれ、絶縁状態となり、機本体のアースから浮いて
しまうなどが原因であり、従って、単に、機本体を直接
通電路として利用する方法では、加工工具回転中の停止
は不安定なものとなる。
これに対して、第3図のように導通検出部16を設けた
構成によれば、回転しているカッタ10との間でも常に導
通をとることができるため、カッタ10が鉄骨9aに接触す
れば、既述の如く、確実に停止装置20を作動させ、運転
を停止させることができる。実験によれば、本実施例装
置では、カッタ回転が4000rpm以上の場合において、カ
ッタ10が鉄骨9aに当ったとき、カッタ10はその接触位置
からZ方向(第5図(B))に2/100mm移動した時点で
停止した。このように、本実施例の場合は、カッタ回転
状態で運転停止の信頼性を高めることができる。
また、本実施例では、導通検出部16としてボール16c
を用いる構成としているので、高速回転するカッタ部と
の導通をとる上で、導通検出部16の摩耗等の問題も少な
く、長期に亘り安定した使用が可能である。加えて、導
通検出部16はアーム14の一部を利用して設けるようにし
てあるので、ATC装置付のNC加工機でも容易に導通検出
部を取付けることができ、導通検出部がATC装置の組み
込みの上で障害となることも避けられる。
前述のように、カッタ10と鉄骨9aとの接触時の一時停
止が行えるので、カッタ10の損傷などが防止できる他、
特に、自動車のデザインモデルのNC加工装置に適用した
場合には、更に、下記するような面でも効果的である。
一般に、自動車などの製品開発段階においては、企
画、デザイン、設計等の過程の一環としてモデルの製作
を行う場合が多い。その中でも、特に自動車は、そのス
タイルが商品評価の大きな要素となる代表的なものであ
り、デザインの良否が商品性を大きく左右する。
このため、車両デザインにおいては、デザイン工程で
全体の車体形状がデザインされた場合、デザイナーのイ
メージを実際に三次元立体に具現化し、車体のスタイリ
ングや空力を視認、確認するなどするものとして、更に
は、製作されたそのモデル形状に基づいて、再度デザイ
ンや設計の修正、変更を行うためのものとして、デザイ
ンモデルが製作される。
この車両用デザインモデルの製作に、機械化を導入
し、自動加工機、特に数値制御(NC)による加工機を利
用したモデル加工装置を使用する場合、モデル加工装置
では、芯材を篭型に組んだ基体上に被覆材を形成した張
り子状のものをモデル形成体として準備し、そのモデル
形成体を加工装置にセットし、モデル形成体表面の被覆
材を加工機の加工工具により切削加工して自動的にボデ
ィ形状を削り出していくことになる(このような加工装
置を利用したモデル製作は、従前の人手(モデラー)に
よる製作に比し、効率化に優れ、デザイン工程の機械化
による期間短縮、省力化の必要性にも応えられる)。
ところが、例えば加工工具が上記モデル形成体上層の
被覆材を削り過ぎてその下側の芯材に当るような場合に
おいて、第2図乃至第5図で示したように、芯材として
金属が使用されているとき、工具の刃の損傷などを招
く。すなわち、既述したように、デザインモデルは、デ
ザイン線図等に描かれたデザイナーのイメージを実際の
立体で把握するものであるから、自動車の場合には、イ
メージをより正確に表現できるよう1/1スケール、すな
わち現寸大で製作するのが望ましく、かかる場合には、
形状の維持あるいは所定厚で盛り付けられる被覆材の支
持等の理由により、車両用モデル形成体では、芯材とし
てのバックアップ材には鉄骨9aが用いられるので、この
鉄骨9aと接触すると刃の破損などが生ずるところ上記一
時停止によれば、加工工具であるカッタ10が芯材である
鉄骨と接触したときには、これに応じて確実に加工処理
のための駆動を自動停止させることができ、加工工具の
破損、その他の関連部材の損傷を未然に防止することが
できるものである。
これに加えて、自動車のデザインモデルの製作のとき
は、平面、曲面など形状、寸法が複雑、多枝に亘るもの
であり、デザイン線図1などから得たこれらのボディ形
状等の情報を数値化し、これに基づいてNC加工機を作動
させるようにするので、NCテープ2作成のプログラミン
グ作業時等に例えば寸法、形状等についての入力処理等
にミスがあれば、カッタ10はその指令通りに駆動される
結果、かかるミスによっても、第5図(B)に示したよ
うなカッタ10と鉄骨9aとの接触が発生する。従って、上
記の自動停止がなされた場合、その時点でのプログラム
該当個所をチェックすれば、データ入力にミスがあった
かどうか等をも判断することができる。特に、かかるデ
ザイン工程のモデル製作で用いられるボディ形状データ
は、これをコンピュータ内にデータベースとして構築し
ておけば、自工程のみならず、他の工程、例えばその後
工程であるボディ構造の設計や加工等においても、ボデ
ィ形状データベースとして必要に応じ種々の形でデータ
を取り出し、利用することもできるものであるから、上
述のようにしてデータミスの発見が可能となることによ
り、データ修正にも役立たせることができる。
以上のようにして、機構的には上述の如く一時停止が
行われる一方、第7図のステップ701では、異常加工発
生の際のスキップ並びに再スタートを実行させるべく、
異常が発生したかどうかの判別を行っている。
かかる判断は、例えば、第3図のリード線19上の信号
レベルを常時監視しておくようにするなどして行うこと
ができ、端子20aの電位をデータとして取り込み、該電
位がアース電位に低下したことを示すデータが入力され
たとき、上記ステップ701では、異常発生とみる。
即ち、ステップ701の答が否定(No)の場合には、ス
テップ702以降へは進まず、肯定(Yes)の答えが得られ
たときに、ステップ702以下へ進む。
ステップ702では、プログラム上の一時停止処理のた
めの制御を実行する。
すなわち、異常停止したときにパーソナルコンピュー
タに信号を送る処理を実行するのであり、一時停止とい
う信号をパーソナルコンピュータに入力する。具体的に
は、第6図の場合には、信号を暗号化しており、一時停
止してから次の工程に進みなさいという予め定められた
約束の暗号信号を出し、また、そのときに、異常加工発
生までにおけるバッファのクリア命令を出し(ステップ
703)、バッファをクリア、すなわち空にする。
以上のようにして異常発生を判断されたならば、例え
ば、既述したようなプログラミング作業時の入力ミス、
樹脂9bの設定厚さ等の誤りなど、何らかの原因で正常加
工が行えない状態にあるとみて、一旦、メインプログラ
ムでの処理をそこで打ち切り、ステップ704以下に進ん
で、予め異常発生時のプログラム用としてパーソンルコ
ンピュータに組み込んでおいたサブプログラムに切換え
る。
以後、データの読み飛ばし処理等はサブプログラムに
従って実行されるため、正常加工時ならばメインプログ
ラムの下サーボユニット7からの動作指令に従って制御
される第3図の駆動機構15へのメインプログラムによる
動作指令入力は、禁止される。換言すれば、制御は一時
的にメインプログラムから離れるのであり、上記の禁止
が解かれるのは、後述の如く、再スタート要求が出され
る時点である。
すなわち、ステップ704へ進むと、ここではサブプロ
グラムを起動し、次の加工エリアまでデータを読み飛ば
す(ステップ705)。このように、一定の範囲でデータ
の読み飛ばし処理を行うのは、一時停止がなされた場
合、その時点及びそれ以後の一定範囲の加工プログラ
ム、データ部分については、異常加工を発生させる原因
があると判断し、そこは使用しないで正常加工できる部
分について加工処理を実行させるためである。
上記のデータ読み飛ばしにあたり、どの程度までこれ
を行うかは、適宜設定することができる(後述もする
が、第7図のスキップ処理は、ステップ708から前記ス
テップ701へ戻り、そこで再び異常発生ありと判断され
たときは、再度同様の動作が繰り返されるようになって
いることから、その読み飛ばす部分については適当なも
のを設定しておけばよい)。本例では、次のシーケンス
Noまで読み飛ばすサブプログラムを起動するようにして
次の加工エリアまでデータを読み飛ばし、これにより異
常発生部分の加工は飛ばして次の加工工程へ移行させる
ようにしている。
すなわち、ステップ705に続くステップ706では、次の
シーケンスNoが来たか否かを判別し、その答が工程(Ye
s)、すなわち次のシーケンスNoが得られたら、再スタ
ートの要求のため、スイッチオン(SW/ON)にする信号
出力を出す(ステップ707)。
しかして、一時停止を解除し、再スタートさせる(ス
テップ708)。
これは、具体的には、再スタートのためスイッチオン
にして(例えば、第3図の構成の場合には、第5図
(B)の状態からカッタ10を引き上げれば、リレー回路
21は消勢され、ノーマルクローズ接点21bは復帰す
る)、再スタート要求を出し、一旦、一時停止したカッ
タ10を元に戻して、次の加工プロセスまで移行させるよ
うにすることによって行うことができる。
この場合、例えば、カッタ10をスタート時点まで移送
してから次の加工処理のところへ戻すという手法をとる
ときは、ATC装置によるカッタ交換位置でのカッタ10の
交換を行うようにしてもよい。
すなわちATC装置付のものでは、予備カッタを用意し
ておくようにし、上記のように一旦、元に戻しカッタの
交換を自動的に行ってから次の加工処理の部分へ戻して
加工を再開させるようにしてもよい。このようにした場
合には、鉄骨9aと接触した場合において仮にカッタ10が
傷ついたとしても、その後の加工を傷ついたままのカッ
タで行わせてしまうことを防ぐことができ、万一、カッ
タが異常加工で損傷を受けたときでも、対応し得る。
しかして、ステップ708の処理が行われたならば、前
記ステップ701へ戻る一方、メインプログラムへ復帰
し、メインプログラムに基づき数値制御により指令に応
じた加工を実行して行くこととなる。
もし、再開後、再び異常加工が発生したときは、上記
動作を繰り返して、正常加工が行える範囲については加
工処理を続行させるようにする。
以上のようにして、異常発生により一時停止したらス
キップして次の加工プロセスへ自動的に進ませることが
できるので、モデル形成体9の金属製芯材である鉄骨9a
上の被加工被覆材としての樹脂9bを切削加工するカッタ
10が鉄骨9aに当たったときでも、カッタ10の折れや関連
部材の屈曲などを招くことがないと同時に、停めたまま
で高価な機械をそのまま遊ばせてしまうということもな
くすることができ、高効率でNC加工機を稼働させること
ができ、加工も効率よく行え、特に無人化工場において
大きな効果が得られる。
すなわち、車両用デザインモデルの製作に機械化を導
入し、特に、自動化の利点を活用し、昼夜を通してモデ
ルの加工製作を行うようなときには、一般の他の被加工
体の加工の場合と同様、装置は無人運転されるが、この
ような場合には、常時人が監視していないため、たと手
動による非常停止装置を備えていても、これによる運転
停止は行われず、被加工体が上述のようなバックアップ
材を備えている場合において、それと加工工具の当接が
発生してもそのまま運転が継続される結果、加工機の工
具の刃の折れやアームの屈曲などの事態にまで至るおそ
れは大きく、そのための修理の手間、時間がかかり、ま
た、製作コストも高くなるところ、上記構成に従えば、
導通検出部16を介した通電により加工工具と芯材との接
触時に加工工具による加工を自動的に一時停止させるの
で、そのような問題がない上、一旦停めた後も継続して
加工を続行させられるため稼働率の向上を図ることがで
き、従って特に無人運転の場合にその効果はより大きい
ものとなる。
なお、上記実施例では、導通検出部16をボール16cを
用いた構成とし、また、ATC装置が付加された場合の構
成例を示したが、これに限定されるものではなく、例え
ばボール16cに代えてカーボン等の導電部材をカッタ装
着部の回転面に当接させて導通をとるようにしてもよ
く、また、ATC装置を取付けない加工機の場合には、カ
ッタ装着部の近傍において機本体に導通検出部を取付け
て回転しているカッタとの導通をとるようにしてもよ
い。
また、異常発生の感知方法について、センサ系とし
て、上記実施例では、通電タイプのものを示したが、こ
れに限らず、振動による感知、マグネットによる感知、
音(アコースティック)による感知、負荷(電流)によ
る感知その他の検知手法によるものであってもよく、ま
た通電タイプのものであっても図示例の構成のものに限
定されない。
更に、上記実施例では、車両用デザインモデルのため
のモデル形成体を被加工体とする場合について説明した
が、本発明は、その他の被加工体を対象とするNC加工装
置に適用できるのは勿論であり、鉄工用の装置を含むNC
加工装置一般に広く適用可能である。
更にまた、本発明は、既述した通り、無人運転される
場合に特に大きな効果を発揮するが、作業者が居る場合
において運転される装置への適用を妨げるものでもな
い。
(発明の効果) 本発明によれば、導電性の芯材の表面を非導電性の被
覆材で覆う被加工被覆部材に対し加工工具で自動的に切
削加工可能なNC加工装置において、前記被加工被覆部材
の被覆材を前記加工工具で切削加工中に、前記被加工被
覆部材の芯材と前記加工工具との接触による導通を異常
加工発生として検知する異常検知手段と、前記異常検知
手段が前記異常加工発生を検知すると、前記加工工具に
よる加工を一時的に停止させた後に、前記加工工具によ
る加工処理を予め設定された次の工程までスキップさせ
るとともに、その次の工程における加工処理を再スター
トさせる制御手段とが設けられているものであるから、
異常加工発生時に、加工を一時的に停止させることによ
って、加工工具の破損などを未然に防止することができ
る。また、前記加工工具による加工処理を予め設定され
た次の工程までスキップさせるとともに、その次の工程
における加工処理を再スタートさせることによって、一
部の加工を除いて加工処理を再開することができ、NC加
工装置が停止状態で放置されることがなく、稼働率の向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のNC加工装置を用いたモデル
製作プロセスのシステム概念図、第2図は本発明を適用
し得る被加工体の一例としての自動車のデザインモデル
製作用のモデル形成体を示す斜視図、第3図はNC加工機
の切削加工部の具体例をも含めて示す停止制御回路系の
構成図、第4図はNC加工機のセット部の構成を示す要部
断面図、第5図(A)及び(B)は実施例装置の動作説
明に供する正常加工時及び異常加工時の一例を示す態様
図、第6図は異常加工発生時のスキップ処理を説明する
ための機能図、第7図は異常発生時のスキップ機能を説
明するための処理手順の一例を示す図である。 3……制御装置本体、8……NC加工機本体、9……モデ
ル形成体、9a……鉄骨、9b……樹脂、10……カッタ、13
……チャック、13a……回転面、15……駆動機構、16…
…導通検出部、16c……ボール、18……絶縁層、20……
停止装置、21……リレー回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性の芯材の表面を非導電性の被覆材で
    覆う被加工被覆部材に対し加工工具で自動的に切削加工
    可能なNC加工装置において、前記被加工被覆部材の被覆
    材を前記加工工具で切削加工中に、前記被加工被覆部材
    の芯材と前記加工工具との接触による導通を異常加工発
    生として検知する異常検知手段と、前記異常検知手段が
    前記異常加工発生を検知すると、前記加工工具による加
    工を一時的に停止させた後に、前記加工工具による加工
    処理を予め設定された次の工程までスキップさせるとと
    もに、その次の工程における加工処理を再スタートさせ
    る制御手段とが設けられていることを特徴とするNC加工
    装置。
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