JPH0848962A - 一液型接着剤およびそれを用いた積層体 - Google Patents

一液型接着剤およびそれを用いた積層体

Info

Publication number
JPH0848962A
JPH0848962A JP6288194A JP28819494A JPH0848962A JP H0848962 A JPH0848962 A JP H0848962A JP 6288194 A JP6288194 A JP 6288194A JP 28819494 A JP28819494 A JP 28819494A JP H0848962 A JPH0848962 A JP H0848962A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
weight
adhesive
parts
polyol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6288194A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Nomura
茂 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP6288194A priority Critical patent/JPH0848962A/ja
Publication of JPH0848962A publication Critical patent/JPH0848962A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間にわたって粘度がほとんど上昇せず、
初期タック、接着力および耐熱性に優れた一液型接着剤
を提供すること;および良好な外観を有する積層体を提
供すること。 【構成】 10,000を越え1,000,000以下
の数平均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウレタ
ン樹脂、ポリイソシアネート、乾燥剤、および、500
〜10,000の数平均分子量を有するポリオール、あ
るいは、クマロンインデン樹脂もしくはロジンエステル
樹脂が、溶剤に溶解もしくは分散された、一液型接着
剤。このポリイソシアネートのイソシアネート基当量
は、上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂のOH基
当量と上記ポリオールのOH基当量との合計数よりも多
い。クマロンインデン樹脂とロジンエステル樹脂との含
有量の合計は、上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹
脂100重量部に対して、10重量部〜200重量部で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック板、木製
板などの各種基材と化粧シートとを接着するのに有用な
ポリウレタン系の一液型接着剤に関する。本発明はま
た、一液型接着剤を用いて接着した積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧シートと各種基材との接着には、接
着力が良好であり、耐熱性も優れているという点から、
ポリウレタン系接着剤が多く用いられている。例えば、
特開平5−320614号および特願平4−45479
号には、プラスチック、木材、金属などを接着するため
に、ポリウレタン樹脂を主剤として用い、そしてポリイ
ソシアネートを硬化剤として用いて、これらを混合して
使用する二液型のウレタン接着剤が記載されている。
【0003】しかし、上記接着剤は二液型であるために
計量および混合が必要で、操作性が悪く、時には計量ミ
スによる接着不良を生じることもある。さらに上記二液
型接着剤は、ポリエステルポリオールを主成分とする主
剤とポリイソシアネートを主成分とする硬化剤とを混合
して約10時間程度放置すると、ゲル化が起こり粘度が
上昇して塗工できなくなる。これは、溶剤中に含まれる
水分がイソシアネートと反応する為に硬化してしまうた
めであると考えられている。溶剤中の水分を取り除くに
は、溶剤を蒸留したりして精製する方法が一般には知ら
れているが、これらの物理的な方法では装置が大がかり
になり、かつエネルギーコストも必要以上にかかりすぎ
るため得策ではない。あらかじめ脱水された純粋な溶剤
を用いることも考えられるが、費用がかかる。
【0004】上記操作性の改善および計量ミスによる接
着不良を防ぐために、一液型の接着剤が望まれている
が、一般に一液型ウレタン接着剤を調製する場合、接着
剤に含有される水分の管理または除去に多大の努力を要
する。例えば、フィラーなどの無機材料を用いる場合に
は、この無機材料に吸着されている水を取り除くため、
予め該フィラーを80℃以上の温度に数時間加熱しなけ
ればならない。一液型接着剤が、常温で液体のポリエー
テル(例えば、ポリプロピレングリコール)を主成分と
し、かつ可塑剤のような高沸点成分が含有されている場
合には、加熱減圧などの方法で脱水することも可能であ
る。しかし、このような加熱減圧による脱水方法は、有
機溶剤を含む接着剤から水分を除去するには不適当であ
る。一般に多くの工業的に用いられる溶剤は、水よりも
沸点が低いか、もしくは水の沸点に近い溶剤が殆どであ
るため、有機溶剤が除去されてしまうためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するものであり、その目的は、長期間にわ
たって粘度がほとんど上昇せず、ロールコーターやナイ
フコーターなどで容易に塗工が可能であり、接着力に優
れたポリウレタン系の一液型接着剤を提供することにあ
る。本発明の目的はまた、一液型接着剤を用いて得られ
る、良好な外観を有する積層体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記のように、一液型ウ
レタン接着剤においては、その系内に存在する水分が問
題となるので、発明者らはまず、溶剤を乾燥することに
着目した。工業的には、有機溶剤に、無水硫酸マグネシ
ウム、塩化カルシウムなどの乾燥剤を加えて脱水するこ
とは、一般的な脱水方法として公知である。しかし、こ
のような乾燥剤を含む溶剤を用いた接着剤では、該乾燥
剤に吸着された形で水が存在するため、このような溶剤
にポリイソシアネートを加えると1カ月から6カ月とい
う長期間には、該水と該イソシアネートとが反応して増
粘したりゲル化したりすると考えられていた。しかし、
驚くべきことには、本発明者は、乾燥剤を用いて脱水し
た溶剤に数平均分子量が100,000のポリエステル
ポリオールとポリイソシアネートとを溶解した接着剤
が、6カ月以上もその粘度などの性状が変化しないこと
を見い出した。しかし、このような一液型接着剤は、初
期タックおよび初期接着力が殆どない。接着剤の初期タ
ックおよび初期接着力を向上するために、二液型ウレタ
ン接着剤の場合には、通常、テルペン樹脂、フェノール
樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン
樹脂などの粘着付与樹脂が配合される。しかし、上記一
液型接着剤に、二液型接着剤と同様の粘着付与樹脂を同
部数添加しても、二液型接着剤で得られる粘着付与効果
は発現せず、かつ長期間の保存によりゲル化が生じる。
なぜならば、上記のような公知の粘着付与樹脂は、活性
水素を多量に含有しており、イソシアネートと反応し増
粘し、ゲル化を生じるからである。発明者らは、このよ
うな欠点を解決すべく、一液型接着剤の成分についてさ
らに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明の第1の一液型接着剤は、10,0
00を越え1,000,000以下の数平均分子量を有
する熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂、500〜1
0,000の数平均分子量を有するポリオール、ポリイ
ソシアネート、および乾燥剤が、溶剤に溶解もしくは分
散されている。このポリイソシアネートのイソシアネー
ト基当量は、上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
のOH基当量と該ポリオールのOH基当量との合計数よ
りも多く、そのことにより上記目的が達成される。
【0008】好ましい実施態様においては、上記ポリオ
ールの含有量は、前記熱可塑性ポリエステル系ウレタン
樹脂100重量部に対して、30重量部〜500重量部
である。
【0009】好ましい実施態様においては、上記ポリイ
ソシアネートの含有量は、上記熱可塑性ポリエステル系
ウレタン樹脂と上記ポリオールとの合計100重量部に
対して、5〜100重量部である。
【0010】本発明の第2の一液型接着剤は、10,0
00を越え1,000,000以下の数平均分子量を有
する熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリイソシ
アネート、乾燥剤、および、クマロンインデン樹脂また
はロジンエステル樹脂の少なくともどちらか一方が、溶
剤に溶解もしくは分散されている。このポリイソシアネ
ートのイソシアネート基当量は、上記熱可塑性ポリエス
テル系ウレタン樹脂のOH基当量と該ポリオールのOH
基当量との合計数よりも多く、かつ、クマロンインデン
樹脂とロジンエステル樹脂との合計量は、上記熱可塑性
ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、1
0重量部〜200重量部の割合で含有される。
【0011】本発明の積層体は、化粧シートと、プラス
チック板または木製板とを、上記一液型接着剤で接着し
て得られる。
【0012】以下に、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
系ウレタン樹脂は、ベースポリマーとして作用する。こ
の熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂は、二塩基酸と
ジオールとの縮合反応によって得られるポリエステルポ
リオールと、化学量論的にほぼ当量のジイソシアネート
とを、反応させて得られ、分子鎖中にウレタン結合を有
する。
【0014】上記二塩基酸としては、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、パラフタル酸、オルトフタル
酸、コハク酸などが挙げられる。
【0015】上記ジオールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどが
挙げられる。
【0016】上記二塩基酸および上記ジオールを、従来
の方法により縮合させることにより、ポリエステルポリ
オールが得られ得る。
【0017】上記ポリエステルポリオールの数平均分子
量は、特に限定されないが、好ましくは500から1
0,000の範囲である。この範囲の数平均分子量を有
するポリエステルポリオールを用いることにより、得ら
れる接着剤の被着体への濡れ性が良好となる。
【0018】上記ジイソシアネートの例として代表的な
ものは、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、
イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、キシリデンジイソシアネート、水添化キシリ
デンジイソシアネートなどである。
【0019】本発明で用いられる熱可塑性ポリエステル
系ウレタン樹脂は、通常、上記で得られたポリエステル
ポリオールと化学量論的にほぼ当量の上記ジイソシアネ
ートとを公知の方法で反応させることにより、得られ得
る。このような熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
は、上記のいずれの二塩基酸、ジオールおよびジイソシ
アネートの組み合わせでも得られ得、例えば、アジピン
酸と1,4−ブタンジオールとの縮合物をトリレンジイ
ソシアネートと反応させたもの、もしくはアジピン酸と
1,6−ヘキサンジオールとの縮合物を4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート(MDI)と反応させた
ものが好適である。
【0020】上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂
の数平均分子量は、10,000を越え1,000,0
00以下である。この数平均分子量が10,000以下
の場合には、クリープ性(耐熱クリープおよび初期クリ
ープ)が不足し、1,000,000を越える場合に
は、粘度が高くなりすぎて通常に行われる方法では、塗
布が困難となる。
【0021】本発明の第1の一液型接着剤は、上記熱可
塑性ポリエステル系ウレタン樹脂に加えて、数平均分子
量500〜10,000のポリオールおよび後述のポリ
イソシアネートを構成成分として有する。このポリオー
ルは、該接着剤において、後述のポリイソシアネートと
反応してプレポリマーとなることにより、適切な接着性
を発揮し、その結果、粘着付与樹脂の機能を有するよう
になる(以下、このポリオールを粘着付与性ポリオール
という)。本発明において粘着付与樹脂とは、ベースポ
リマーと混合したときにタックや粘着力を発現させる樹
脂をいう。
【0022】上記粘着付与性ポリオールとしては、例え
ば、アジピン酸、セバチン酸、イタコン酸、無水マレイ
ン酸、テレフタル酸、オルトフタル酸などのジカルボン
酸と、エチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、
ジエチレングリコールなどの多価アルコールとを縮合す
ることにより得られるポリエステルポリオールが挙げら
れ、これらは単独で、もしくは混合して用いられ得る。
【0023】好ましくは、アジピン酸と1,4−ブタン
ジオール、オルトフタル酸と1,4−ブタンジオール、
オルトフタル酸とエチレングリコール、オルトフタル酸
とエチレングリコールとジエチレングリコール、オルト
フタル酸とエチレングリコールと1,4−ブタンジオー
ルとから得られるポリエステルポリオールである。
【0024】粘着付与性ポリオールの別のタイプとして
は、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコール、ポリブタジエンポリオール、水添化ポリ
ブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、
ポリエチオエーテルポリオール、ポリアクリル酸エステ
ルポリオールなどが挙げられる。
【0025】上記粘着付与性ポリオールの数平均分子量
は、上記のように、500〜10,000であり、50
0未満および10,000を越える場合は、いずれも粘
着性が不足する。
【0026】この粘着付与性ポリオールは、熱可塑性ポ
リエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、30
重量部〜500重量部の割合で接着剤中に含有されるこ
とが好ましい。粘着付与性ポリオールの含有量が30重
量部未満の場合には、得られる接着剤は粘着性が発現し
ないおそれがあり、500重量部を越える場合には、得
られる接着剤の耐熱性が不足するおそれがある。
【0027】なお、この粘着付与性ポリオールは、上記
熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂の縮合前のポリエ
ステルポリオールと同じであってもよい。
【0028】本発明の第2の一液型接着剤は、上記熱可
塑性ポリエステル系ウレタン樹脂に加えて、クマロンイ
ンデン樹脂もしくはロジンエステル樹脂の少なくともど
ちらか一方および後述のポリイソシアネートを構成成分
として有する。
【0029】上記クマロンインデン樹脂は、粘着付与樹
脂として作用し、その軟化点は、通常、40℃〜200
℃が好ましく、60℃〜160℃がさらに好ましい。上
記ロジンエステル樹脂もまた、粘着付与樹脂として作用
し、その軟化点は、通常、60℃〜150℃が好まし
い。
【0030】この配合されるクマロンインデン樹脂とロ
ジンエステル樹脂との合計量は、熱可塑性ポリエステル
系ウレタン樹脂100重量部に対して、10重量部〜2
00重量部の割合で接着剤中に含有され、30重量部〜
150重量部の割合で接着剤中に含有されることが好ま
しい。クマロンインデン樹脂とロジンエステル樹脂との
合計量の含有量が10重量部未満の場合には、得られる
接着剤は粘着性が発現せず、初期クリープが低下し、2
00重量部を越える場合には、得られる接着剤の耐熱ク
リープが不足する。
【0031】本発明に用いられるポリイソシアネートと
しては、分子中に2個以上のイソシアネート基を含有す
る有機ポリイソシアネートが挙げられる。
【0032】このような有機ポリイソシアネートとして
は、例えば、脂肪族または芳香族のジイソシアネート
類、トリイソシアネート類などが挙げられる。
【0033】上記脂肪族ジイソシアネート類としては、
1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリ
メチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシア
ネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジ
イソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイ
ソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−
ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシア
ネートなどが挙げられる。
【0034】上記芳香族ジイソシアネートとしては、
2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイ
レンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネート、1,5−ナフテンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタ
ンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタン
ジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネ
ート、1,3−フェニレンジイソシアネートなどが挙げ
られる。
【0035】上記トリイソシアネート類としては、トリ
フェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウ
ンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネー
ト−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,
6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプ
タントリイソシアネート、リジンエステルトリイソシア
ネートなどが挙げられる。
【0036】これらのポリイソシアネートは、単独で用
いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
【0037】本発明の一液型接着剤においては、このポ
リイソシアネートは、該ポリイソシアネートのイソシア
ネート基当量が、上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン
樹脂のOH基当量と上記ポリオールのOH基当量との合
計数よりも多くなるように配合される。該イソシアネー
ト基当量が該OH基当量の合計数以下の場合には、得ら
れる接着剤の耐熱クリープ性が不足する。
【0038】上記ポリイソシアネートは、上記熱可塑性
ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対し、0.
1重量部〜100重量部の割合で接着剤中に含有される
ことが好ましい。ポリイソシアネートの含有量が、0.
1重量部未満の場合には得られる接着剤の硬化が不充分
となり耐熱クリープが発現しないおそれがあり、100
重量部を越える場合には接着剤の硬化に時間がかかりす
ぎ、所定の時間内に硬化しないおそれがある。
【0039】上記ポリイソシアネートはまた、第1の一
液型接着剤の場合には、上記熱可塑性ポリエステル系ウ
レタン樹脂と上記粘着付与性ポリオールとの合計量10
0重量部に対して、そして第2の一液型接着剤の場合に
は、上記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂と上記ク
マロンインデン樹脂とロジンエステル樹脂との合計10
0重量部に対して、5〜100重量部の割合で含有され
ることが望ましい。
【0040】上記配合部数の範囲内で上記ポリイソシア
ネートの添加量を、ウレタン樹脂と、ポリオールと、粘
着付与樹脂と、溶剤との合計量の3〜10重量%とする
ことが、さらに好ましい。
【0041】本発明に用いられる乾燥剤としては、公知
の乾燥剤が用いられ得、例えば、無水硫酸マグネシウ
ム、無水硫酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウ
ム、塩化マグネシウム、ゼオライトなどが挙げられる。
これらの乾燥剤は、後述の溶剤100重量部に対して、
0.1〜30重量部の範囲で含有されることが好まし
い。0.1重量部より少ないと溶剤中に含まれる水分を
充分に取り除けないおそれがある。30重量部を越える
場合には、必要以上に配合されることとなり、接着性を
低下させるおそれがある。
【0042】本発明に用いられる溶剤としては、例え
ば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、トル
エン、キシレン、ジクロルメタン、1,1,1−トリク
ロルエタンなどが挙げられこれらは単独もしくは2種以
上を混合して用いられ得る。
【0043】上記溶剤の含有量は、上記熱可塑性ポリエ
ステル系ウレタン樹脂、粘着付与性ポリオール、また
は、クマロンインデン樹脂もしくはロジンエステル樹脂
の少なくとも一方、および、ポリイソシアネートの合計
量100重量部に対して、50〜2,000重量部が望
ましい。溶剤の含有量が50重量部未満の場合には、得
られる接着剤の粘度が高くなるため、塗布が困難となる
おそれがあり、2,000重量部を越える場合には、樹
脂成分の濃度が低いため塗布したときに十分な厚みの塗
膜が得られない。さらに、必要以上の溶剤が存在するた
め、乾燥工程を長く取らなければならないなどの問題が
生じるおそれがある。
【0044】本発明の接着剤には、得られる接着剤の長
期保存性が劣らない程度の量で、さらに上記クマロンイ
ンデン樹脂およびロジンエステル樹脂以外の粘着付与樹
脂を加えることも可能である。これらの粘着付与樹脂と
しては、一般に公知のものが用いられ得、例えば、ロジ
ンやダンマルのような天然樹脂、変性ロジン、ロジンお
よび変性ロジン誘導体、ポリテルペン系樹脂、テルペン
変性体、脂肪族炭化水素樹脂、シクロペンタジエン樹
脂、芳香族系石油樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェ
ノール−アセチレン樹脂、スチレン系樹脂およびその誘
導体、キシレン樹脂およびその誘導体、ビニルトルエン
−α−メチルスチレン共重合体、C5、C9系の石油系樹
脂、アセトフェノンホルムアルデヒド樹脂などが挙げら
れる。粘着付与樹脂としては、活性水素を有していない
化合物が好ましい。
【0045】上記粘着付与樹脂の含有量は、上記熱可塑
性ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、
100重量部以下であることが好ましく、10重量部〜
100重量部の範囲であることがさらに好ましい。10
0重量部を越える場合には、得られる接着剤の耐熱クリ
ープ性が不足するおそれがある。
【0046】さらに、本発明の接着剤には、必要に応じ
て、無機充填剤、着色剤、安定剤、触媒などの添加剤を
加えることもできる。
【0047】本発明の接着剤は、通常、上記熱可塑性ポ
リエステル系ウレタン樹脂、粘着付与性ポリオール、ま
たは、クマロンインデン樹脂もしくはロジンエステル樹
脂の少なくとも一方、ポリイソシアネート、乾燥剤、お
よび必要に応じて粘着付与樹脂ならびに各種添加剤を、
上記溶剤に溶解もしくは分散させることにより得られ得
る。
【0048】こうして得られる本発明の一液型ポリウレ
タン接着剤は、接着強度に優れ初期接着力、耐熱性など
に優れる。
【0049】本発明の一液型接着剤は、例えば、化粧シ
ートと、プラスチック板または木製板との接着に用いら
れる。
【0050】上記化粧シートとしては、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビ
ニルアルコール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹
脂、塩素化ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂からなる
無地または文字や模様が印刷されたシート、木材のつき
板シート、各種合成樹脂を含浸させたつき板シート、ア
ルミ箔などの金属箔、紙、布などが挙げられる。
【0051】上記化粧シートと、プラスチック板または
木製板との接着方法としては、例えば、上記化粧シート
の裏面に本発明の一液型接着剤を塗布し乾燥させ、これ
をプラスチック板または木製板にローラなどを用いて圧
着する方法が挙げられる。
【0052】
【作用】本発明の第1の一液型接着剤には、所定の数平
均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹
脂、粘着付与性ポリオール、およびポリイソシアネート
を乾燥溶剤中に有する。このポリイソシアネートは乾燥
溶剤中において、粘着付与性ポリオールと反応し、さら
に、熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂が有するOH
基の一部とも反応して、プレポリマーを形成すると考え
られる。このようなプレポリマーを溶剤中に有する本発
明の接着剤は、適度の粘度および初期接着力を有する。
このプレポリマーは、比較的安定に存在するため、接着
剤を長期間保存しても粘度はほとんど上昇せず、ゲル化
も起こらない。
【0053】本発明の第2の一液型接着剤には、所定の
数平均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウレタン
樹脂、クマロンインデン樹脂もしくはロジンエステル樹
脂の少なくとも一方、およびポリイソシアネートを乾燥
溶剤中に有する。クマロンインデン樹脂およびロジンエ
ステル樹脂は、粘着付与樹脂として機能し、ウレタン樹
脂との相溶性も良好である。この樹脂は、活性水素を少
量しか有していないため、貯蔵中にポリイソシアネート
と反応してゲル化することがない。
【0054】従来より、接着剤に粘着性を付与するため
に、テルペンフェノール樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹
脂などの粘着付与樹脂が用いられてきた。従来公知の粘
着付与樹脂としては、例えば、「接着粘着の事典」(朝
倉書店、山口章三郎監修、125〜127頁)に記載さ
れている樹脂が挙げられ、それには、天然樹脂、変性ロ
ジン、ポリテルペン樹脂などがある。これらの種々の粘
着付与樹脂を用いてベースポリマーであるウレタン樹脂
に粘着性を付与しようとすると、粘着付与樹脂は該ウレ
タン樹脂との相溶性に優れることが必要な条件である。
ウレタン樹脂は、その極性が高いため、粘着付与剤も極
性が高いことが必要であるため、粘着付与樹脂としては
活性水素を多量に有するタイプの樹脂、例えば、上記の
テルペンフェノール樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂な
どしか、粘着性を付与する効果がないと考えられてき
た。しかし、このような活性水素を多量に有するタイプ
の樹脂は、接着剤中で該活性水素とイソシアネートとの
反応が起こるため一液型接着剤に用いると貯蔵中にゲル
化し、粘着付与剤としては不適である。例えば、乾燥剤
を含む溶剤に数平均分子量100,000のポリエステ
ルポリオールとポリイソシアネートとを含む一液型接着
剤に初期タックおよび初期接着力を付与するために、上
記のような粘着付与樹脂を添加すると、接着剤中に存在
するイソシアネートが、粘着付与樹脂の有する活性水素
と反応する。その結果、粘着付与樹脂がもとの樹脂とは
異なる物質に変化し、ベースポリマーであるウレタン樹
脂との相溶性が失われ、粘着付与樹脂としての機能が失
われ、さらに長期保存によりゲル化が生じる。
【0055】本発明者は、活性水素の多少、ウレタン樹
脂との相溶性などを考慮したところ、クマロンインデン
樹脂およびロジンエステル樹脂が、活性水素を少量しか
有さず、ウレタン樹脂との相溶性も良好であることを見
い出し、これを粘着付与剤として用いることにより、本
発明の第2の一液型接着剤を完成した。
【0056】このように、本発明の接着剤は、上記所定
の組成を有し、かつ一般的に粘着性付与の目的で使用さ
れている活性水素を多量に有するタイプの粘着付与樹脂
を含有しない、もしくは、長期保存性に支障をきたさな
い程度の配合量しか含有しないため、上記のように適切
な初期タックおよび初期接着力を有し、かつ長期保存性
に優れる。
【0057】この一液型接着剤は、所望の部位、例え
ば、化粧シートなどに塗布されると、通常の環境下(例
えば、5〜40℃および相対湿度20〜90%)に置か
れることにより、被着体や空気中の水分を吸収し、プレ
ポリマーが、さらにポリイソシアネートや熱可塑性ポリ
エステル系ウレタン樹脂と反応して硬化する。
【0058】二液型接着剤の場合は、主剤と硬化剤を均
一に混合しなければならないが、この際泡の混入を避け
ることはできない。混入した泡は粘度が高いので簡単に
は消泡せず、塗布時に基材上の塗膜中に残る。そのため
外観不良の原因となる。接着剤を一液型とすることによ
り、混合することなく容器から直接取り出して塗布する
ことができるので、泡が発生することがない。従って、
このような一液型接着剤を、化粧シートと、プラスチッ
ク板または木製板との接着に用いることにより得られる
積層体は、良好な外観となる。
【0059】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。本
実施例および比較例における物性の評価方法を以下に示
す。
【0060】(1)常態接着力 常態接着力とは、室温(10〜30℃)で使用される常
態での接着力をいい、以下のように測定した。得られた
接着剤をバーコータを用いて、塩化ビニル製シートに厚
み100μmに塗布(塗布量は、塩化ビニル製シート1
2につき固形分量0.04g)後、40℃にて乾燥オ
ーブン中で30秒乾燥させた後、MDF(ミディアム
デンシティ ファイバー)ボード(幅50mm、長さ2
00mm、厚み6mm)にローラにて圧着し、試験片を
作成した。予め塩化ビニル製シートの一端部を剥離さ
せ、20℃、相対湿度60%の条件下で、1日、試験片
を保管した後、塩化ビニル製シートおよびMDFボード
の各一端部をチャックに固定し、20℃の条件下で、引
っ張り速度100(mm/分)にて、180度剥離試験
を行い、剥離力(kg/25mm)を測定した。この剥
離力(kg/25mm)により、常態接着力を評価し
た。
【0061】(2)耐熱クリープ接着力 常態接着力評価試験片と同様にして作成した塩化ビニル
製シートとMDFボードとを接着した試験片を、60℃
の条件下で、塩化ビニル製シート側に500gの荷重を
かけ、24時間後のずれ(mm)を測定した。この耐熱
クリープ(mm)により、耐熱性を評価した。
【0062】(3)粘度変化 B型粘度計を用いて、20℃における初期から6カ月ま
での接着剤の粘度変化を測定した(ロータ3または4、
回転数10rpm)。
【0063】(4)初期タック 常態接着力と同様にして作成して得られた、オーブン中
で乾燥した直後の試験片の塩化ビニルシートの一端を剥
離させ、20℃、相対湿度60%の条件下で100gの
荷重をかけ、1時間後の剥離長さを測定した。剥離長さ
は10mm以下であることが好ましく、さらに好ましく
は5mm以下である。
【0064】(実施例1)アジピン酸と1,4−ブタン
ジオールとトリレンジイソシアネートとからなる熱可塑
性ポリエステル系ウレタン樹脂ベースポリマー(商品
名:デスモコール400、バイエル製、数平均分子量:
100,000)100重量部に、粘着付与性ポリオー
ルとして、アジピン酸と1,4−ブタンジオールとから
なるポリオール(商品名:ニッポランN4010(N4
010)、日本ポリウレタン製、数平均分子量:200
0)80重量部を加え、さらに乾燥剤としてゼオライト
(商品名:ゼオラム、東洋ソーダ製)3重量部を加え、
ジクロルメタン550重量部に溶解および分散した後、
粗製のジフェニルメチルメタンジイソシアネートを30
重量部加え、混合して接着剤を得た。得られた接着剤を
20℃にて7日間保管した後、常態接着力、耐熱クリー
プ接着力、粘度変化および初期タックを上記方法により
測定した。用いた各成分の配合量(重量部)および得ら
れた結果を表1に示す。以下の実施例2〜9で用いた各
成分の配合量(重量部)および得られた結果もあわせて
表1に示す。
【0065】(実施例2)粘着付与性ポリオール(N4
010)の代わりに、イソフタル酸とアジピン酸と1,
4−ブタンジオールとからなるポリオール(商品名:ニ
ッポランN165(N165)、日本ポリウレタン製、
数平均分子量:2000)を用いたこと以外は、実施例
1と同様にして接着剤を得、実施例1と同様の方法で、
評価を行った。
【0066】(実施例3)粘着付与性ポリオール(N4
010)の代わりに、アジピン酸とエチレングリコール
とからなるポリオール(商品名:ニッポランN4040
(N4040)、日本ポリウレタン製、数平均分子量:
2000)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして
接着剤を得、実施例1と同様の方法で評価を行った。
【0067】(実施例4)粘着付与性ポリオール(N4
010)の代わりに、アジピン酸とエチレングリコール
とジエチレングリコールとからなるポリオール(商品
名:ニッポランN5018(N5018)、日本ポリウ
レタン製、数平均分子量:2000)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして接着剤を得、実施例1と同様
の方法で評価を行った。
【0068】(実施例5)粘着付与性ポリオール(N4
010)の代わりに、アジピン酸とエチレングリコール
と1,4−ブタンジオールとからなるポリオール(商品
名:ニッポランN4042(N4042)、日本ポリウ
レタン製、数平均分子量:2000)を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして接着剤を得、実施例1と同様
の方法で評価を行った。
【0069】(実施例6)さらに粘着付与樹脂としてキ
シレン樹脂(商品名:ニカノール100、日本瓦斯化学
製)30重量部を加えたこと以外は、実施例1と同様に
して接着剤を得、実施例1と同様の方法で評価を行っ
た。
【0070】(実施例7)さらに粘着付与樹脂としてア
セトフェノンホルムアルデヒド樹脂(商品名:ハロン8
0、本州化学製)20重量部を加えたこと以外は、実施
例1と同様にして接着剤を得、実施例1と同様の方法で
評価を行った。
【0071】(実施例8)乾燥剤として、ゼオライトの
代わりに、無水硫酸マグネシウム15重量部を用いたこ
と以外は、実施例1と同様にして接着剤を得、実施例1
と同様の方法で評価を行った。
【0072】(実施例9)ベースポリマーとして、デス
モコール400の代わりに、熱可塑性ポリエステル系ウ
レタン樹脂(商品名:バンデクスT−R02、大日本イ
ンキ製、数平均分子量:50,000)を用いたこと以
外は、実施例1と同様にして接着剤を得、実施例1と同
様の方法で評価を行った。
【0073】(比較例1)乾燥剤を用いなかったこと以
外は、実施例1と同様にして接着剤を得たが、1日後、
粘度が上昇し、常態接着力、耐熱クリープ接着力および
粘度変化の評価はできなかった。用いた各成分の配合量
(重量部)および得られた結果を表2に示す。以下の比
較例2で用いた各成分の配合量(重量部)および得られ
た結果もあわせて表2に示す。
【0074】(比較例2)粘着付与性ポリオール(N4
010)を用いずに、粘着付与樹脂としてキシレン樹脂
(商品名:ニカノール100、日本瓦斯化学製)30重
量部を加え、ジクロルメタンの量を400重量部とし、
ジフェニルメチルメタンジイソシアネートの量を26重
量部としたこと以外は、実施例1と同様にして接着剤を
得、実施例1と同様の方法で評価を行った。
【0075】
【表1】
【0076】
【表2】
【0077】表1および表2から明らかなように、実施
例1〜9で得られた本発明の一液型接着剤は、いずれも
長期間にわたって粘度がほとんど上昇せず、初期タッ
ク、接着力および耐熱性に優れている。乾燥剤を用いず
に作製した、比較例1で得られた接着剤は、1日後にゲ
ル化が起こり、接着剤として機能しなかった。粘着付与
性ポリオールを用いずに、粘着付与樹脂を用いた、比較
例2で得られた接着剤は、ゲル化は起こらなかったが、
粘度が上昇し、さらに、接着力および耐熱性にも劣るも
のであった。
【0078】(実施例10)アジピン酸と1,4−ブタ
ンジオールとトリレンジイソシアネートとからなる熱可
塑性ポリエステル系ウレタン樹脂ベースポリマー(商品
名:パンデクスT−5202、大日本インキ製、数平均
分子量:100,000)100重量部に、クマロンイ
ンデン樹脂(商品名:エスクロンG−90、軟化温度9
0℃、新日鐵化学製)40重量部を加え、さらに乾燥剤
としてゼオライト(商品名:ゼオラム、東洋ソーダ製)
3重量部を加え、ジクロルメタン550重量部に溶解お
よび分散した後、ジフェニルメチルメタンジイソシアネ
ートを30重量部加え、混合して接着剤を得た。得られ
た接着剤を20℃にて7日間保管した後、常態接着力、
耐熱クリープ接着力、粘度変化および初期タックを上記
方法により測定した。用いた各成分の配合量(重量部)
および得られた結果を表3に示す。以下の実施例11〜
16および比較例3〜4で用いた各成分の配合量(重量
部)および得られた結果もあわせて表3に示す。
【0079】(実施例11)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンN−100S(新日鐡化学製、軟化温
度100℃)を用いたこと以外は、実施例10と同様に
して接着剤を得、実施例10と同様の方法で、評価を行
った。
【0080】(実施例12)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンV−120(新日鐡化学製、軟化温度
120℃)を用いたこと以外は、実施例10と同様にし
て接着剤を得、実施例10と同様の方法で、評価を行っ
た。
【0081】(実施例13)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンN−100S(新日鐡化学製、軟化温
度100℃)25重量部を用い、ジクロルメタンの量を
390重量部とし、ジフェニルメチルメタンジイソシア
ネートの量を28重量部としたこと以外は実施例10と
同様にして接着剤を得、実施例10と同様の方法で評価
を行った。
【0082】(実施例14)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンN−100S(新日鐡化学製、軟化温
度100℃)60重量部を用い、ジクロルメタンの量を
570重量部とし、ジフェニルメチルメタンジイソシア
ネートの量を33重量部としたこと以外は実施例10と
同様にして接着剤を得、実施例10と同様の方法で評価
を行った。
【0083】(実施例15)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンN−100S(新日鐡化学製、軟化温
度100℃)80重量部を用い、ジクロルメタンの量を
610重量部とし、ジフェニルメチルメタンジイソシア
ネートの量を35重量部としたこと以外は実施例10と
同様にして接着剤を得、実施例10と同様の方法で評価
を行った。
【0084】(実施例16)エスクロンG−90の代わ
りに、エスクロンN−100S(新日鐡化学製、軟化温
度100℃)100重量部を用い、ジクロルメタンの量
を650重量部とし、ジフェニルメチルメタンジイソシ
アネートの量を38重量部としたこと以外は、実施例1
0と同様にして接着剤を得、実施例10と同様の方法
で、評価を行った。
【0085】(比較例3)エスクロンG−90の代わり
に、キシレン樹脂であるニカノール100(日本瓦斯化
学製)30重量部を用いたこと以外は、実施例10と同
様にして接着剤を得、実施例10と同様の方法で、評価
を行った。
【0086】(比較例4)エスクロンG−90の代わり
に、アセトフェノンホルムアルデヒド樹脂であるハロン
80(本州化学製)80重量部を用いたこと以外は、実
施例10と同様にして接着剤を得、実施例10と同様の
方法で、評価を行った。
【0087】
【表3】
【0088】表3から明らかなように、実施例10〜1
6で得られた本発明の一液型接着剤は、いずれも長期間
にわたって粘度がほとんど上昇せず、初期タック、接着
力および耐熱性に優れている。クマロンインデン樹脂の
代わりにキシレン樹脂を用いた、比較例3で得られた接
着剤、およびクマロンインデン樹脂の代わりにケトン樹
脂を用いた、比較例4で得られた接着剤は、共に、1日
後にゲル化が起こり、接着剤として機能しなかった。
【0089】(実施例17)アジピン酸と1,4−ブタ
ンジオールとトリレンジイソシアネートとからなる熱可
塑性ポリエステル系ウレタン樹脂ベースポリマー(商品
名:デスモコール400、バイエル製、数平均分子量:
100,000)100重量部に、ロジンエステル樹脂
(商品名:スーパーエステルA−100、軟化温度10
0℃、荒川化学製)40重量部を加え、さらに乾燥剤と
してゼオライト(商品名:ゼオラム、東洋ソーダ製)3
重量部を加え、ジクロルメタン550重量部に溶解およ
び分散した後、ジフェニルメチルメタンジイソシアネー
トを30重量部加え、混合して接着剤を得た。得られた
接着剤を20℃にて7日間保管した後、常態接着力、耐
熱クリープ接着力、粘度変化および初期タックを上記方
法により測定した。用いた各成分の配合量(重量部)お
よび得られた結果を表4に示す。以下の実施例18〜2
3および比較例5で用いた各成分の配合量(重量部)お
よび得られた結果もあわせて表4に示す。
【0090】(実施例18)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−115(荒川化学
製、軟化点115℃)を用いたこと以外は、実施例17
と同様にして接着剤を得、実施例17と同様の方法で、
評価を行った。
【0091】(実施例19)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−125(荒川化学
製、軟化点125℃)を用いたこと以外は、実施例17
と同様にして接着剤を得、実施例17と同様の方法で、
評価を行った。
【0092】(実施例20)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−115(荒川化学
製、軟化点115℃)を用い、ジクロルメタンの量を3
90重量部とし、ジフェニルメチルメタンジイソシアネ
ートの量を28重量部としたこと以外は、実施例17と
同様にして接着剤を得、実施例17と同様の方法で評価
を行った。
【0093】(実施例21)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−115(荒川化学
製、軟化点115℃)60重量部を用い、ジクロルメタ
ンの量を570重量部とし、ジフェニルメチルメタンジ
イソシアネートの量を33重量部としたこと以外は、実
施例17と同様にして接着剤を得、実施例17と同様の
方法で、評価を行った。
【0094】(実施例22)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−115(荒川化学
製、軟化点115℃)80重量部を用い、ジクロルメタ
ンの量を610重量部とし、ジフェニルメチルメタンジ
イソシアネートの量を35重量部としたこと以外は、実
施例17と同様にして接着剤を得、実施例17と同様の
方法で、評価を行った。
【0095】(実施例23)スーパーエステルA−10
0の代わりに、スーパーエステルA−115(荒川化学
製、軟化点115℃)100重量部を用い、ジクロルメ
タンの量を650重量部とし、ジフェニルメチルメタン
ジイソシアネートの量を38重量部としたこと以外は、
実施例17と同様にして接着剤を得、実施例17と同様
の方法で、評価を行った。
【0096】(比較例5)スーパーエステルA−100
の代わりに、キシレン樹脂であるニカノール100(日
本瓦斯化学製)80重量部を用いたこと以外は、実施例
17と同様にして接着剤を得、実施例17と同様の方法
で、評価を行った。
【0097】
【表4】
【0098】表4から明らかなように、実施例17〜2
3で得られた本発明の一液型接着剤は、いずれも長期間
にわたって粘度がほとんど上昇せず、初期タック、接着
力および耐熱性に優れている。ロジンエステル樹脂の代
わりにキシレン樹脂を用いた、比較例5で得られた接着
剤は、共に、1日後にゲル化が起こり、接着剤として機
能しなかった。
【0099】
【発明の効果】上記のように、本発明の接着剤は、長期
間にわたって粘度がほとんど上昇せず、初期タック、接
着力および耐熱性に優れており、各種材料の接着、例え
ば、化粧シートと、プラスチック板、木製板などの基材
とを接着するのに有用である。本発明の接着剤を、化粧
シートと、プラスチック板または木製板との接着に用い
て得られる積層体は、良好な外観を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10,000を越え1,000,000
    以下の数平均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウ
    レタン樹脂、500〜10,000の数平均分子量を有
    するポリオール、ポリイソシアネート、および乾燥剤
    が、溶剤に溶解もしくは分散された、一液型接着剤であ
    って、 該ポリイソシアネートのイソシアネート基当量が、該熱
    可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂のOH基当量と該ポ
    リオールのOH基当量との合計数よりも多いことを特徴
    とする一液型接着剤。
  2. 【請求項2】 前記ポリオールの含有量が、前記熱可塑
    性ポリエステル系ウレタン樹脂100重量部に対して、
    30重量部〜500重量部である、請求項1に記載の一
    液型接着剤。
  3. 【請求項3】 前記ポリイソシアネートの含有量が、前
    記熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂と前記ポリオー
    ルとの合計100重量部に対して、5〜100重量部で
    ある、請求項1に記載の一液型接着剤。
  4. 【請求項4】 10,000を越え1,000,000
    以下の数平均分子量を有する熱可塑性ポリエステル系ウ
    レタン樹脂、ポリイソシアネート、乾燥剤、および、ク
    マロンインデン樹脂またはロジンエステル樹脂の少なく
    ともどちらか一方が、溶剤に溶解もしくは分散された、
    一液型接着剤であって、 該ポリイソシアネートのイソシアネート基当量が、該熱
    可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂のOH基当量と該ポ
    リオールのOH基当量との合計数よりも多く、かつ、該
    クマロンインデン樹脂と該ロジンエステル樹脂との合計
    量が、該熱可塑性ポリエステル系ウレタン樹脂100重
    量部に対して、10重量部〜200重量部の割合で含有
    されることを特徴とする一液型接着剤。
  5. 【請求項5】 化粧シートと、プラスチック板または木
    製板とを、請求項1から4のいずれか1項に記載の一液
    型接着剤を用いて接着した、積層体。
JP6288194A 1994-06-02 1994-11-22 一液型接着剤およびそれを用いた積層体 Pending JPH0848962A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6288194A JPH0848962A (ja) 1994-06-02 1994-11-22 一液型接着剤およびそれを用いた積層体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-121127 1994-06-02
JP12112794 1994-06-02
JP6288194A JPH0848962A (ja) 1994-06-02 1994-11-22 一液型接着剤およびそれを用いた積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0848962A true JPH0848962A (ja) 1996-02-20

Family

ID=26458562

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6288194A Pending JPH0848962A (ja) 1994-06-02 1994-11-22 一液型接着剤およびそれを用いた積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0848962A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121528A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Toyo Polymer Co Ltd 1液型ウレタン系接着剤組成物
JP2016006277A (ja) * 2014-05-29 2016-01-14 アイカ工業株式会社 化粧材、化粧材の製造方法、及び壁面構造
CN107987775A (zh) * 2017-11-10 2018-05-04 重庆中科力泰高分子材料股份有限公司 一种单组分湿固化聚氨酯胶粘剂及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121528A (ja) * 2000-10-13 2002-04-26 Toyo Polymer Co Ltd 1液型ウレタン系接着剤組成物
JP2016006277A (ja) * 2014-05-29 2016-01-14 アイカ工業株式会社 化粧材、化粧材の製造方法、及び壁面構造
CN107987775A (zh) * 2017-11-10 2018-05-04 重庆中科力泰高分子材料股份有限公司 一种单组分湿固化聚氨酯胶粘剂及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6221978B1 (en) Moisture curable hot melt adhesive and method for bonding substrates using same
JP4872295B2 (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤
CN1269928C (zh) 具有改进原始强度的反应性热熔粘合剂组合物
JP3665907B2 (ja) 2液硬化型ラミネート用接着剤組成物およびラミネート方法
JPH03205473A (ja) ポリウレタン系接着剤
JP2009242557A (ja) 湿気硬化型ポリウレタンホットメルト接着剤、及びそれを用いた造作部材
JPH10140126A (ja) 接着剤組成物、それを用いた接着方法ならびに化粧シート被覆材料の製造方法
JP5460992B2 (ja) 反応性ホットメルト接着剤
JPH0848962A (ja) 一液型接着剤およびそれを用いた積層体
US4256615A (en) Adhesive consisting essentially of a ricinoleate urethane polyol and a chlorinated rubber
JP4279155B2 (ja) 湿分反応性ホットメルト接着剤
WO1981000718A1 (en) Heat activatable adhesive with improved temperature resistance
JP2010084109A (ja) 湿気硬化型反応性ホットメルト接着剤
JP2003261763A (ja) 水性エマルジョン組成物及びこれを含有する水性接着剤組成物又は水性塗料用プライマー組成物
JP2020059819A (ja) 反応性ホットメルト接着剤及び被着体の接着方法
JP2769103B2 (ja) ガス非透過性素材の貼合方法
JP2005075877A (ja) 湿気硬化型ホットメルト接着剤組成物
JP2003064333A (ja) 水性エマルジョン型接着剤組成物
JPH1192743A (ja) 水系接着剤組成物及びそれを用いた積層体
JP2619449B2 (ja) ポリウレタン接着剤組成物
JP2003313527A (ja) 水性エマルジョン型接着剤組成物
JPH0323584B2 (ja)
JPS58217576A (ja) ウレタン系粘着剤組成物
JPH08199149A (ja) ポリウレタン接着剤及びこの接着剤を使用する化粧シート被覆材料の製造方法
JPS6361350B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071222

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081222

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 9

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091222

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 10

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101222

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees