JPH0848806A - 断熱性樹脂発泡体およびその製造方法 - Google Patents

断熱性樹脂発泡体およびその製造方法

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JPH0848806A
JPH0848806A JP18326894A JP18326894A JPH0848806A JP H0848806 A JPH0848806 A JP H0848806A JP 18326894 A JP18326894 A JP 18326894A JP 18326894 A JP18326894 A JP 18326894A JP H0848806 A JPH0848806 A JP H0848806A
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foam
heat insulating
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resin
foaming agent
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JP18326894A
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Masaaki Suzuki
正明 鈴木
Fumihiro Inagaki
文拓 稲垣
Taku Hashida
卓 橋田
Yoshio Kishimoto
良雄 岸本
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定フロン代替発泡剤を用い、オゾン層破壊
がなく、フォーム物性や断熱性が他の代替発泡剤を用い
たものよりも優れた断熱性樹脂発泡体を提供する。 【構成】 溶解度パラメ−タが8.5以上の環状エーテ
ル化合物と溶解度パラメ−タが6.5以下のフッ素化炭
素化合物との少なくとも2種を混合した混合発泡剤によ
り形成された独立気泡体からなる断熱性樹脂発泡体。環
状エーテル化合物がフランであり、かつフッ素化炭素化
合物がパーフルオロメチルモルフォリンであることが好
ましい。環状エーテル化合物とフッ素化炭素化合物との
混合比は、モル比で9対1から3対7の範囲がよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫、冷凍庫などの
保冷装置、保冷設備や、住宅関連の断熱部材等に用いら
れる断熱性樹脂発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、冷蔵庫、冷凍室などに用いられる
断熱体は、ウレタンフォーム、スチレンフォームなどに
よる樹脂発泡体が主であった。これらは、独立気泡体を
構成しているものが多く、気泡を形成する発泡剤として
発泡適性が良く熱伝導率の低いフロンガスが用いられ、
優れた断熱体が構成されてきた。しかし、トリクロロモ
ノフルオロメタン(CFC11)のような熱伝導率の低
い特定フロンを用いた断熱性発泡体は、オゾン層を破壊
する地球環境問題によってその使用が規制されるように
なったために、代替フロン発泡剤の検討が進められて
る。
【0003】代替フロン発泡剤としては、1,1−ジク
ロロ−1−フルオロエタン(HCFC141b)などの
指定フロンが使用されている(例えば、特開平5−22
2146号公報など)。この指定フロンについても、塩
素原子を含みオゾン破壊係数があるため、使用規制が予
定されている。したがって、オゾン破壊係数のない発泡
剤の開発が進められている。その中で、炭化水素化合物
も代替フロン発泡剤として検討され、シクロペンタンな
どが提案されている(例えば、特開平3−152160
号公報、特開平3−54231号公報など)。また、部
分的にフッ素化した炭化水素化合物や全フッ素化炭素化
合物なども提案されている(例えば、特開平5−247
251号公報、特開平5−287109号公報など)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記の炭化水素化合物
は、可燃性で爆発などの危険性があるとともに、熱伝導
率がフロン類と比べて高い。このため、これを発泡剤と
して用いると、フロン類を用いたものに比べて断熱性が
やや劣る発泡体しか得られないという課題がある。ま
た、断熱性が比較的良く、難燃性のある、部分的にフッ
素化した炭化水素化合物や全フッ素化炭素化合物など
は、樹脂原料との相溶性が悪く良質なフォ−ムを作りに
くいなどの課題がある。また、これらの化合物を補助剤
として多量の水や他の発泡剤、あるいは添加剤と混合し
て使用する方法なども行われているが、フォ−ム物性や
断熱性を向上する課題が以前として残っている。本発明
は、オゾン層破壊がなく、しかもフォ−ム物性や断熱性
が従来のフロン代替発泡剤を用いたものより優れた断熱
性樹脂発泡体を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の断熱性樹脂発泡
体は、溶解度パラメ−タが8.5以上の環状エーテル化
合物と、溶解度パラメ−タが6.5以下のフッ素化炭素
化合物との少なくとも2種を混合した混合発泡剤により
形成された独立気泡体からなる。ここで、前記環状エー
テル化合物がフランであり、かつフッ素化炭素化合物が
パーフルオロメチルモルフォリンであるのが好ましい。
また、環状エーテル化合物とフッ素化炭素化合物との混
合割合は、モル比で9対1から3対7の範囲が適してい
る。断熱性樹脂発泡体を構成する独立気泡体において
は、その気泡内混合ガス成分の少なくとも30モル%が
フッ素炭素化合物であることが好ましい。さらに、独立
気泡体が、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂および
塩化ビニリデン樹脂よりなる群から選ばれた1種である
ことが好ましい。
【0006】
【作用】本発明の樹脂発泡体は、上記のように、溶解度
パラメ−タが8.5以上の環状エーテル化合物と、溶解
度パラメ−タが6.5以下のフッ素化炭素化合物との少
なくとも2種を混合した混合発泡剤により発泡させて形
成される。ここに、溶解度パラメ−タとは、溶媒と高分
子などとの相溶性を表す指標であり、両者の溶解度パラ
メ−タが互いに近い値ほど相溶性が高く、溶解しやすい
ことを示す。すなわち、本発明は、発泡剤と樹脂原料と
の相溶性に着目し、高い断熱性が得られる発泡剤の探索
を行った結果、樹脂原料と非常に相溶性のよい発泡剤と
樹脂原料と非常に相溶性の悪い発泡剤とを組み合わせる
ことによって、断熱性樹脂発泡体の断熱性が向上するハ
イブリッド効果が得られることを見いだしたことに基ず
くものである。
【0007】一般に、発泡剤は従来、樹脂原料と適度に
相溶性のよいものが使用され、溶解度パラメ−タとして
は7.0から9.0の範囲のものが用いられてきた。た
とえば、従来用いられている樹脂発泡体の発泡剤トリク
ロロモノフルオロメタン(CFC11)は、溶解度パラ
メ−タが7.6で樹脂原料と良好な相溶性を示し容易に
樹脂の発泡体を形成することができるとともに、ガスの
熱伝導率が低いため優れた断熱性発泡体を作製すること
ができた。また、CFC11の代替発泡剤としての、
1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC14
1b)は溶解度パラメ−タが7.2であり、シクロペン
タンは溶解度パラメ−タが8.7であり、どちらも樹脂
原料との相溶性がよいために、良好に断熱性発泡体を作
製することができる。しかし、その断熱性は、最終的に
ガス状で独立気泡内に存在する発泡剤の熱伝導率によっ
て決定されるため、より性能を向上させるための方法が
望まれている。
【0008】また、樹脂原料と発泡剤との相溶性の悪い
場合には、フッ素化炭素化合物などは、概して溶解度パ
ラメ−タが低いため、樹脂原料との相溶性が悪いため、
発泡剤が原料と溶解せずにエマルジョンとなり、溶液粘
度が高くなって発泡しにくくなる。従って、作製された
発泡体は、かさ密度が高く、独立気泡率が低くなるため
に、断熱性の優れた発泡体の作製が難しかった。そのた
め、たとえば溶解度パラメ−タが約5.7のパ−フルオ
ロヘキサンでは、エマルジョンを安定にする乳化剤や、
適度に相溶性のよい発泡剤に少量混合するなどの用いら
れ方をしている。さらに逆に、溶解度パラメ−タが8.
5以上になり樹脂原料との相溶性が非常に良くなる場合
には、作製された発泡体のかさ密度が小さくなって発泡
性は良くなる。しかし、一般に樹脂組成物の溶解度パラ
メ−タが約8.5以上であるため、発泡体の樹脂成分と
の相溶性も良くなるために、発泡体の独立気泡中におい
てガスで存在していた発泡剤が樹脂中に吸収され、気泡
の中が減圧化されて発泡体が収縮して形状を維持できな
くなるなどの問題を生じる。
【0009】そこで本発明者らは、樹脂原料と非常に相
溶性のよい発泡剤と樹脂原料と非常に相溶性の悪い発泡
剤とを混合することによって、ハイブリッド効果が得ら
れると推察して探索を続けた結果、溶解度パラメ−タが
8.5以上の環状エーテル化合物と溶解度パラメ−タが
6.5以下のフッ素化炭素化合物との少なくとも2種を
混合した混合発泡剤において、ハイブリッド効果による
優れた断熱性の向上が得られることを見いだしたもので
ある。特に、環状エーテル化合物がフランであり、かつ
フッ素化炭素化合物がパーフルオロメチルモルフォリン
であるときに、顕著な熱伝導率の低下と、かさ密度や独
立気泡率などの発泡体の諸物性の最適な値が得られる。
【0010】このハイブリッド効果については、次のよ
うに考えられる。すなわち、樹脂原料とフッ素化炭素化
合物は相溶性が悪いために、エマルジョンを形成し原料
粘度が上昇して諸物性の悪い発泡体が形成される。しか
し、これに相溶性の非常に良い環状エーテル化合物が加
わるために、エマルジョン濃度が変化するとともに原料
粘度が低下して適度な値となり、良好な物性値の独立気
泡体の断熱性発泡体が形成される。さらに、形成された
発泡体の断熱性については、樹脂との相溶性の高い環状
エーテル化合物は樹脂に吸収されやすく、それによって
独立気泡内のガス成分が環状エーテル化合物よりガスの
熱伝導率の低いフッ素化炭素化合物で多く満たされるた
めに、混合発泡剤による発泡体の熱伝導率がそれぞれ単
独の発泡剤を用いた場合よりも低くなり断熱性が向上す
る。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の好ましい断熱性樹脂発泡体
についてさらに詳しく説明する。図1は樹脂発泡体を冷
蔵庫箱体に適用した例を示し、図2はその発泡体を模式
的に示す。これらの図において、1は外箱、2は内箱、
3は樹脂発泡体を示す。発泡体3は、独立気泡4を有す
る独立気泡体であり、溶解度パラメ−タが8.5以上の
環状エーテル化合物3と溶解度パラメ−タが6.5以下
のフッ素化炭素化合物4との少なくとも2種を混合した
混合発泡剤により形成されているため、独立気泡4中に
は少なくとも環状エーテル化合物とフッ素化炭素化合物
がガス状態で存在している。本発明の断熱性樹脂発泡体
は、実際に使用される場合には、図のように形状を与え
る容器に入れて用いられることが多い。混合発泡剤の環
状エーテル化合物がフラン(溶解度パラメ−タ9.4)
であり、かつフッ素化炭素化合物がパーフルオロメチル
モルフォリン(溶解度パラメ−タ約5)である場合に、
優れた特性の断熱性樹脂発泡体が得られる。ここで、独
立気泡体とは、発泡体を構成する気泡が連続気泡より独
立気泡の割合が多いものであり、エアーピクノメータ法
で独立気泡率50%以上のものを言い、好ましくは独立
気泡率80%以上のものがよい。
【0012】さらに、混合発泡剤の環状エーテル化合物
と、フッ素化炭素化合物との混合割合は、モル比で9対
1から3対7の範囲が適している。この範囲よりも環状
エーテル化合物の量が多いと、断熱性がよくならず、作
製後の収縮が大きく良好な発泡体が得られない。また、
この範囲よりも環状エーテル化合物の量が少ないと、や
はり断熱性がよくならず、発泡体のかさ密度が高く、独
立気泡率が低くなる。また、断熱性樹脂発泡体の独立気
泡内の混合ガス成分の少なくとも30モル%がフッ素化
炭素化合物であることが好ましい。この状態にあるとき
に、比較的ガス熱伝導率の低いフッ素化炭素化合物の効
果が出て、断熱性が向上する。さらに、フッ素化炭素化
合物は難燃性の化合物であるために、断熱性樹脂発泡体
の燃焼性が低下する。そのため、引火性のある環状エ−
テル化合物を用いているが、安全性は環状エ−テル化合
物単独の場合よりも向上する。
【0013】溶解度パラメ−タ8.5以上の環状エ−テ
ル化合物としては、フラン(9.4)、テトラヒドロフ
ラン(9.1)、1,4−ジオキサン(10)、1,3
−ジオキソラン(9.3)、プロピレンオキシド(9.
2)等が適している。ここで、()内の値は溶解度パラ
メ−タを示す。また、溶解度パラメ−タのデータはない
が、スモールの推定式によって溶解度パラメ−タが8.
5以上と見積もられる環状エーテル化合物として、オキ
セタン、3,3−ジメチルオキセタン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、ピラン、2−メチルジオキソラン、
2,5−ジメチルフランなども効果が得られる。溶解度
パラメ−タが6.5以下のフッ素化炭素化合物として
は、パ−フルオロヘキサン(5.7)、パーフルオロヘ
プタン(5.8)、パ−フルオロメチシクロヘキサン
(6)、パ−フルオロメチルモルフォリン(5)、パー
フルオロペンタン(5.6)等が適している。ここで、
()内の値は溶解度パラメ−タを示す。また、溶解度パ
ラメ−タのデータはないが、スモールの推定式によって
溶解度パラメ−タが6.5以下と見積もられるフッ素化
炭素化合物としては、パ−フルオロシクロペンタン、パ
−フルオロシクロヘキサン、パ−フルオロ−2−ブチル
テトラヒドロフラン等も効果が得られる。
【0014】本発明の独立気泡体の材質としては、フェ
ノール樹脂、ナイロン樹脂、オレフィン系樹脂など様々
な樹脂が適用できるが、特に、ポリウレタン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂において優れたハイ
ブリッド効果が得られる。これらの樹脂の溶解度パラメ
−タは、樹脂の原料成分や組成等の違いによって異なる
が、ポリウレタン樹脂で約10、ポリスチレン樹脂で
8.5から10、塩化ビニリデン樹脂で約12である。
【0015】ポリウレタン樹脂は、樹脂原料としてポリ
オール組成物、ウレタン反応触媒、整泡剤および発泡剤
を主に混合したプレミックスと、イソシアネート組成物
とが用いられる。これらの2液をミキシングして、ポリ
オールの水酸基とイソシアネ−トとの反応によってウレ
タン結合が主に形成される際の反応熱によって発泡剤が
発泡して、断熱性発泡体を形成するものである。プレミ
ックスには必要に応じて、酸化防止剤、難燃化剤、充填
剤、架橋剤などが添加される。ポリオール組成物として
は、一般に少なくとも2個の反応性水素原子を含む高分
子量の化合物が用いられ、水酸基価200から600m
gKOH/gのポリエーテルポリオールやポリエステル
ポリオールが好ましく用いられる。また、イソシアネ−
ト組成物としては、少なくとも2個のイソシアネ−ト基
を含む化合物であり、トリレンジイソシアネ−ト、粗製
ジフェニルメタンジイソシアネート、または、これらを
ベースにしたイソシアネート混合物や有機ポリイソシア
ネ−ト樹脂等で、アミン等量100から300のものが
一般に用いられる。
【0016】また、整泡剤としては、有機シリコ−ン系
界面活性剤、脂肪酸金属塩、脂肪族スルホン酸金属塩、
パラフィン油等があるが、有機シリコーン系界面活性剤
が好ましく用いられる。また、ウレタン反応触媒として
は、有機錫系化合物、有機鉛系化合物、高塩基性アミン
系触媒等が用いられるが、アミン系触媒が好ましく用い
られる。ポリスチレン樹脂、塩化ビニリデン樹脂では、
発泡剤は樹脂の原料ペレットにあらかじめ混合含浸され
ており、そのペレットを断熱体容器の中に充填し、その
後に加熱して発泡剤を気化し発泡させて断熱性発泡体が
得られる。やはり、添加剤として、酸化防止剤、難燃化
剤、充填剤、架橋剤などが必要に応じて混合されて使用
される。
【0017】さらに、本発明の断熱性樹脂発泡体では、
前記の混合発泡剤に水を含んでも良好な断熱性を得るこ
とができる。ポリウレタン樹脂の場合には、水がイソシ
アネートと反応し、二酸化炭素を発生して尿素結合の樹
脂を生成し、架橋する。この二酸化炭素は発泡に寄与す
るために、その量によって発泡状態や発泡体の物性を制
御することができる。水の量としては、ポリオール10
0重量部に対して、3重量部以下が好ましい。これ以上
の量になると、発生する二酸化炭素の量が増えて、独立
気泡中のガス成分の中での二酸化炭素の比率が増えるた
めに、熱伝導率が高くなり、発泡体の断熱性が低下して
しまう。ポリスチレン樹脂や塩化ビニリデン樹脂の場合
には、発泡剤を含浸した樹脂原料ペレットを発泡する際
に、スチ−ムによる加熱発泡が用いられ、その際にスチ
−ムの蒸気圧によって発泡剤による発泡を助けることに
なる。
【0018】[実施例1]水酸基価449mgKOH/
gのポリエーテルポリオール100重量部、シリコーン
系整泡剤3重量部およびアミン系触媒2重量部の混合液
に、フラン10.8重量部とパ−フルオロメチルモルフ
ォリン25.5重量部との混合発泡剤(モル比65対3
5)、さらに水1重量部を加えて十分に混合した。次に
この混合液に、アミン当量134の粗製ジフェニルメタ
ンジイソシアネート系イソシアネート138重量部を撹
拌速度3000rpmで5秒間混合した後、容器中に注
入し、発泡反応させて独立気泡体のポリウレタン発泡体
を得た。容器ごと45℃でキュアしたのち、発泡体の物
性評価のためサイズが約20cm×20cm×2cmの
長方形に切りだして評価を行った結果を表1に示す。 [比較例]混合発泡剤の代わりに炭化水素化合物のシク
ロペンタンを用いたほかは、実施例1と同じ仕様で発泡
体を作製した。この発泡体の物性も併せて表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】発泡体のかさ密度はほぼ同じであり、平均
温度24℃における熱伝導率は、フラン/パ−フルオロ
メチルモルフォリン混合発泡剤を用いた実施例1のもの
は、0.0015kcal/mhK低い値が得られた。
この値は、断熱性能で約8%も高い値であり、もう1つ
の代替候補発泡剤で優れた断熱性能を示すHCFC14
1bを用いたものに近い値である。ただし、HCFC1
41bはオゾン層破壊の可能性があり、使用禁止が予定
されている。また、この発泡体を構成する独立気泡中の
ガスの可燃性は、爆発限界でフラン/パ−フルオロメチ
ルモルフォリンが3.5から10vol%であり、シク
ロペンタンが1.4から8vol%である。すなわち、
これらのガスが放出されたときの爆発の危険性は爆発下
限界の比較で行われ、爆発下限界の値が大きいほど爆発
しにくいことを示し、混合発泡剤の方が濃度で2倍以上
安全である。
【0021】[実施例2]実施例1と同じ原料および組
成比で、フラン/パ−フルオロメチルモルフォリン混合
発泡剤の混合比を変えてポリウレタン発泡体を作製し、
その熱伝導率およびかさ密度を測定した結果を図3に示
す。熱伝導率はモル比で9対1から3対7の範囲、すな
わち図中のパ−フルオロメチルモルフォリンのモル分率
で0.1から0.7の範囲で、シクロペンタンよりも低
い熱伝導率を示し、優れた断熱性能が得られる。比較の
ため、同条件で作製したシクロペンタンとHCFC14
1bによる発泡体の熱伝導率を併せて示す。なお、この
際の気泡中のガス成分としては、ガスクロマトグラフィ
の分析で30モル%以上のパ−フルオロメチルモルフォ
リンの組成であることが分かった。この図3のようなハ
イブリッド効果は、ガス混合によるガス成分自体の熱伝
導率のハイブリッド効果ではなく、図4に示すかさ密度
の測定結果や他の独立気泡率などの結果から、発泡状態
が発泡剤の混合によって影響され、生じたものであるこ
とが分かった。
【0022】[実施例3]ポリスチレン樹脂に、発泡剤
としてテトラヒドロフランとパ−フルオロメチルシクロ
ヘキサンをモル比5対5の割合で混合したものを含浸、
混入されている原料ペレットを用意し、これを断熱容器
のなかに封入した後に、スチ−ムを当てることによって
発泡させてポリスチレン発泡体を得た。この発泡体の断
熱性能は、発泡剤としてシクロペンタンを用いたものよ
り約5%向上した。
【0023】[実施例4]塩化ビニリデン樹脂に、発泡
剤としてフランとパ−フルオロペンタンをモル比6対4
の割合で混合したものを含浸、混入されている原料ペレ
ットを用意し、これを断熱容器のなかに封入した後に、
スチ−ムを当てることによって発泡させて塩化ビニリデ
ン樹脂の発泡体を得た。この発泡体の断熱性能は、発泡
剤としてシクロペンタンを用いたものより約7%向上し
た。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、オゾン層破壊がなく、
フォ−ム物性や断熱性が他の特定フロン代替発泡剤を用
いたものよりも優れている断熱性樹脂発泡体を得ること
ができる。また、本発明の断熱性樹脂発泡体は、気泡中
に難燃性のフッ素化炭素化合物を含むため、燃焼性が低
下し、安全性が高くなる特長がある。以上のように本発
明は、特定フロン代替発泡剤を用いて、環境への影響が
少なく、かつ性能を大きく低下させることのない優れた
断熱性樹脂発泡体を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱性樹脂発泡体を適用した冷蔵庫箱
体の要部の構成例を示す断面図である。
【図2】同発泡体の模式図である。
【図3】本発明の実施例2の断熱性発泡体の熱伝導率と
発泡剤のモル分率との関係を示す図である。
【図4】本発明の実施例2の断熱性発泡体のかさ密度と
発泡剤のモル分率との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 外箱 2 内箱 3 断熱性樹脂発泡体 4 独立気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 良雄 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶解度パラメ−タが8.5以上の環状エ
    ーテル化合物と溶解度パラメ−タが6.5以下のフッ素
    化炭素化合物との少なくとも2種を混合した混合発泡剤
    により形成された独立気泡体からなることを特徴とする
    断熱性発泡体。
  2. 【請求項2】 環状エーテル化合物がフランであり、か
    つフッ素化炭素化合物がパーフルオロメチルモルフォリ
    ンである請求項1記載の断熱性樹脂発泡体。
  3. 【請求項3】 環状エーテル化合物とフッ素化炭素化合
    物との混合比が、モル比で9対1から3対7の範囲であ
    る請求項1記載の断熱性樹脂発泡体。
  4. 【請求項4】 独立気泡体の気泡内混合ガス成分の少な
    くとも30モル%がフッ素化炭素化合物である請求項1
    記載の断熱性樹脂発泡体。
  5. 【請求項5】 溶解度パラメ−タが8.5以上の環状エ
    ーテル化合物と溶解度パラメ−タが6.5以下のフッ素
    化炭素化合物との少なくとも2種を混合した混合物を発
    泡剤として樹脂を発泡させるにより、独立気泡体からな
    る樹脂発泡体を形成することを特徴とする断熱性樹脂発
    泡体の製造方法。
JP18326894A 1994-08-04 1994-08-04 断熱性樹脂発泡体およびその製造方法 Pending JPH0848806A (ja)

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