JPH0847660A - パネルの焼付処理装置 - Google Patents

パネルの焼付処理装置

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JPH0847660A
JPH0847660A JP6204197A JP20419794A JPH0847660A JP H0847660 A JPH0847660 A JP H0847660A JP 6204197 A JP6204197 A JP 6204197A JP 20419794 A JP20419794 A JP 20419794A JP H0847660 A JPH0847660 A JP H0847660A
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JP
Japan
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panel
jig
shaped
support frame
baking
Prior art date
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Application number
JP6204197A
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English (en)
Inventor
Toshio Matsuoka
敏雄 松岡
Kazuaki Goto
和明 後藤
Masayuki Tomiyama
正之 富山
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Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼付処理時の高温下の熱歪を可及的に少なく
し、製品価値の向上及び製品歩留まりの向上を図る。 【構成】 被処理パネルとしての切板パネル5の上部側
面に、この切板パネル5に対して横方向に相対移動可能
な治具10を取付ける。矩形状の支持枠1の上部のスプ
ラインビーム2から垂下される吊持部材4を、切板パネ
ル5の垂直線に沿う上方位置に突出する治具10の係止
孔10aに係止する。これにより、切板パネル5を垂直
線上で吊持することができ、高温下で焼付処理する際の
膨脹力による曲げモーメントの発生を防止でき、熱歪に
よる凹部の発生を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はパネルの焼付処理装置
に関するもので、更に詳細には、例えばカーテンウォー
ル等の外装材に使用されるアルミニウム合金製のパネル
の焼付処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、外装材に使用されるアルミニウ
ム合金製のパネルは、耐蝕性をもたせるために、フッ素
樹脂等の樹脂塗料を塗布した後、加熱して焼付処理を施
している。すなわち、平板状あるいは平板状基体の周辺
に折曲縁を有する箱状のアルミニウム合金製のパネル素
材を硝酸あるいはアルカリ等で脱脂した後、水酸化ナト
リウムを用いてエッチング処理し、次いで中和した後、
フッ素樹脂塗料を下塗りし、そして、フッ素樹脂塗料を
中塗りした後、加熱炉等の加熱室内に搬入して約232
℃〜242℃の高温下で焼付けを行い、再びフッ素樹脂
塗料を上塗りした後、上記と同様に、加熱室内に搬入し
て焼付けを行う。また、必要に応じて同様のフッ素樹脂
の塗布処理と焼付けを繰り返す。このようにして、焼付
処理が施されたパネルは、最後に、クリアー剤が塗布さ
れて艶出しのための焼付けが行われて製品化される。
【0003】上記のような処理工程を経て製品化される
パネルを焼付処理する場合、従来では、図9ないし図1
2に示すように、矩形状の支持枠1内に被処理パネル
5,6の上部を吊持すると共に、下部を弾性力を付与し
て張設した状態で支持して加熱室内に搬入し、焼付処理
後、加熱室から取出している。
【0004】すなわち、平板状の被処理パネル5を処理
室内に搬入して焼付処理する場合には、図9及び図10
に示すように、上辺に搬送用のスプラインビーム2を有
する矩形状の支持枠1の上部すなわちスプラインビーム
2の下端に設けられた取付孔2aに係止されて垂下され
る吊持部材4を、被処理パネル5の上部側面に取付けら
れたアングル材7の上片7aに固定し、被処理パネル5
の下部側辺に植設された取付ボルト8と支持枠1の下部
ビーム3との間にコイルスプリング9を掛け渡して被処
理パネル5を支持している。
【0005】また、箱形の被処理パネル6を処理室内に
搬入して焼付処理する場合には、図11及び図12に示
すように、上記と同様に支持枠1の上部スプラインビー
ム2から垂下される吊持部材4を箱形パネル6の上部の
折曲縁6bに係止し、箱形パネル6の下部の折曲縁6b
から下方側に向って折曲された下部取付片6cと支持枠
1の下部ビーム3との間にコイルスプリング9を掛け渡
して、箱形パネル6を支持している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
この種の装置においては、吊持部材4の上部支点すなわ
ち上部スプラインビーム2の取付孔2aと吊持部材4と
の係止点S1と、下部支点すなわち吊持部材4とアング
ル材7との係止点S2又は吊持部材4と箱形パネル6の
折曲縁6bとの係止点S3との間に、垂直線上でずれT
1,T2が生じるため、加熱室内で高温度雰囲気下で加熱
処理される際の膨脹力によって、ずれT1,T2の分曲げ
モーメントが発生し、被処理パネル5,6の基部表面に
熱歪による凹部が生じるという問題があった(図10
(b)及び図12(b)参照)。この熱歪による凹部の
発生は各工程の焼付けによって生じるため、複数の焼付
処理を行うとパネルの表面の凹部が激しくなり、カーテ
ンウォール等の外装材として使用する場合、著しく製品
価値が損なわれ、製品歩留まりの低下をきたすという問
題があった。この問題を解決するために、予め被処理パ
ネルに外向きの緩やかな凸部を設けることが考えられる
が、このようにしても、焼付処理を複数回行うと、パネ
ル表面に凹凸部が生じてしまい、同様に製品価値が損わ
れると共に、製品歩留まりの低下をきたす虞れがある。
【0007】この発明は上記事情に鑑みなされたもの
で、焼付処理時の高温下の熱歪を可及的に少なくし、製
品価値の向上及び製品歩留まりの向上を図れるようにし
たパネルの加熱装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の第1のパネルの焼付処理装置は、平板状の
被処理パネルの上部を支持枠の上部にて吊持すると共
に、下部を支持枠の下部にて支持して加熱室内に搬入
し、加熱室内にて高温下で焼付処理を行うパネルの焼付
処理装置を前提とし、上記被処理パネルの上部側面に、
この被処理パネルに対して横方向に相対移動可能な治具
を取付け、上記支持枠の上部から垂下される吊持部材に
よって上記被処理パネルの垂直線に沿う上方位置におい
て上記治具を係止することを特徴とするものである(請
求項1)。
【0009】この発明の第2のパネルの焼付処理装置
は、上記第1のパネルの焼付処理装置と同様に、平板状
基体の周辺に折曲縁を有する箱状のパネルの上部を支持
枠の上部にて吊持すると共に、下部を支持枠の下部にて
支持して、加熱室内に搬入し、加熱室内にて高温下で焼
付処理を行うパネルの焼付処理装置を前提とし、上記被
処理パネルの上部側面に、上記平板状基体と折曲縁の折
曲部を支持する支持部と、平板状基体の垂直線に沿う上
方に位置する係止部とを有する治具を配設し、上記支持
枠の上部から垂下される吊持部材によって上記治具の係
止部を係止することを特徴とするものである(請求項
2)。
【0010】また、この発明の第3のパネルの焼付処理
装置は、平板状基体の周辺に折曲縁を有する箱状のパネ
ルの上部を支持枠の上部にて吊持すると共に、下部を支
持枠の下部にて支持して、加熱室内に搬入し、加熱室内
にて高温下で焼付処理を行うパネルの焼付処理装置を前
提とし、上記被処理パネルの内側面に、上記平板状基体
と折曲縁との折曲部を支持する支持部と、平板状基体の
垂直線に沿う上方に位置する係止部と、平板状基体の内
側面を外方側に押圧する押圧部とを有する治具を配設
し、上記支持枠の上部から垂下される吊持部材によって
上記治具の係止部を係止することを特徴とするものであ
る(請求項3)。
【0011】また、この発明の第4のパネルの焼付処理
装置は、請求項1又は2記載のパネルの焼付処理装置に
おいて、上記治具から横方向に突設される上側取付部
と、上記被処理パネルの下部支持部から横方向に突設さ
れる下側取付部との間に、長さ調整可能な張力調整手段
を配設してなることを特徴とするものである(請求項
4)。
【0012】
【作用】上記のように構成されるこの発明のパネルの焼
付処理装置によれば、平板状の被処理パネルの上部側面
に、この被処理パネルに対して横方向に相対移動可能な
治具を取付け、支持枠の上部から垂下される吊持部材に
よって被処理パネルの垂直線に沿う上方位置において治
具を係止することにより、高温下で焼付処理する際の膨
脹力による曲げモーメントの発生を防止することがで
き、熱歪による凹部の発生を防止することができる(請
求項1)。
【0013】また、平板状基体の周辺に折曲縁を有する
箱状の被処理パネルの上部側面に、平板状基体と折曲縁
の折曲部を支持する支持部と、平板状基体の垂直線に沿
う上方に位置する係止部とを有する治具を配設し、支持
枠の上部から垂下される吊持部材によって治具の係止部
を係止することにより、高温下で焼付処理する際の膨脹
力による曲げモーメントの発生を防止することができ、
熱歪による凹部の発生を防止することができる(請求項
2)。
【0014】また、平板状基体の周辺に折曲縁を有する
箱状の被処理パネルの内側面に、平板状基体と折曲縁と
の折曲部を支持する支持部と、平板状基体の垂直線に沿
う上方に位置する係止部と、平板状基体の内側面を外方
側に押圧する円弧状押圧部とを有する治具を配設し、支
持枠の上部から垂下される吊持部材によって治具の係止
部を係止することにより、高温下で焼付処理する際の膨
脹力による曲げモーメントの発生を防止することができ
ると共に、熱歪による凹部の発生を防止することがで
き、かつ積極的に平板状基体を外側に凸状(例えば緩い
円弧状)に突出させることができる(請求項3)。
【0015】また、請求項1又は2記載のパネルの焼付
処理装置において、治具から横方向に突設される上側取
付部と、上記被処理パネルの下部支持部から横方向に突
設される下側取付部との間に、長さ調整可能な張力調整
手段を配設することにより、積極的に平板状パネル又は
平板状基体を外側に凸状(例えば緩い円弧状)に突出さ
せることができる(請求項4)。
【0016】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。ここでは、従来のパネルの焼付処理
装置と同じ部分には同一符号を付して説明する。
【0017】◎第一実施例 図1はこの発明のパネルの焼付処理装置に使用される被
処理パネルの支持状態の第一実施例の要部斜視図、図2
は被処理パネルの支持状態の断面図及びその要部側面図
である。
【0018】第一実施例は、例えばJIS3003H2
4のアルミニウム合金製の平板状の被処理パネル5(以
下に切板パネルという)を矩形状の支持枠1内に平板状
の治具10,11を介して支持して図示しない加熱室内
に搬入させるようにした場合である。なお、治具10,
11は切板パネル5と同じ材質のアルミニウム合金製部
材にて形成されている。
【0019】すなわち、上記切板パネル5の上部側面及
び下部側面に、適宜間隔をおいて上部係止ボルト12及
び下部係止ボルト13を溶接等によって植設し、コ字状
に形成される平板状の上部治具10及び下部治具11の
両側部に横方向に延びる長孔14を設け、これら長孔1
4を係止ボルト12,13に嵌挿して固定ナット15に
よって取付けて治具10,11を横方向に相対移動可能
に取付ける(図2(b)参照)。この場合、切板パネル
5の上部及び下部の2箇所にそれぞれ上部治具10と下
部治具11を切板パネル5と相対移動可能に取付ける。
そして、上部治具10の突出側に設けられた係止孔10
aに、上部スプラインビーム2の下端部に設けられた取
付孔2aに係止されて垂下される吊持部材4を係止させ
て切板パネル5を吊持する。また、下部治具11の突出
部に設けられた下部係止孔11aと支持枠1の下部ビー
ム3との間にコイルスプリング9を掛け渡して、切板パ
ネル5の下部を下部ビーム3側へ引張って切板パネル5
の横振れを防止した状態で支持する。
【0020】上記のようにして切板パネル5の上部2箇
所に上部治具10を取付けると共に、切板パネル5の下
部2箇所に下部治具11を取付けることにより、切板パ
ネル5を支持枠1内に弾性力を付与した状態で支持する
ことができる。この状態で、図示しない加熱室内に搬入
して、例えば実体温度232℃〜242℃の高温度で加
熱処理すると、切板パネル5は加熱によって膨脹する
が、切板パネル5の上部支持点と吊持部材4の上部スプ
ラインビーム2の取付孔2aの支点とが垂直線上にある
ため、切板パネル5には曲げモーメントは発生せず、熱
歪によって切板パネル5に凹部が発生することがない。
なお、横方向の膨脹は、長孔14と係止ボルト12,1
3とが遊嵌状態にあるため、吸収することができる。し
たがって、切板パネル5を繰返して加熱処理しても、表
面が内側に向って凹状となる変形の発生がなく、製品価
値を損う虞れがない。
【0021】◎第二実施例 図3はこの発明のパネルの焼付処理装置に使用される被
処理パネルの支持状態の第二実施例の要部斜視図、図4
は被処理パネルの支持状態の断面図である。
【0022】第二実施例は切板パネル5の表面を積極的
に外側に向けて凸状に形成するようにした場合である。
すなわち、上記第一実施例で使用される平板状の上部治
具10と下部治具11にかえて横断面ハット形の上部治
具20と下部治具21を用い、これら上部治具20と下
部治具21からそれぞれ横方向に突設された上側取付部
20aと下側取付部21aとの間に、長さ調整可能な張
力調整手段例えばターンバックル22を配設して、ター
ンバックル22を張設して切板パネル5の表面を外側に
向けて緩やかな凸状に形成するようにした場合である。
【0023】なお、上部治具20の上部には係止孔20
cが設けられており、この係止孔20cに、上記第一実
施例と同様に、上部スプラインビーム2から垂下される
吊持部材4が係止される。また、上部治具20の下側フ
ランジ部20bと、下部治具21の上側フランジ部21
bにはそれぞれ横方向に延びる長孔23が設けられてお
り、この長孔23には切板パネル5に植設される係止ボ
ルト12,13が遊嵌されている。なお、第二実施例に
おいて、その他の部分は上記第一実施例と同じであるの
で、同一部分には同一符号を付して、その説明は省略す
る。
【0024】◎第三実施例 図5はこの発明のパネルの焼付処理装置に使用される被
処理パネルの支持状態の第三実施例の要部斜視図、図6
は被処理パネルの支持状態の断面図である。
【0025】第三実施例は、平板状基体6aの周辺に折
曲縁6bを有する上記第一実施例と同様のアルミニウム
合金製の箱形のパネル6(以下に箱形パネルという)を
矩形状の支持枠1内にコ字状の上部治具30及び下部治
具31を介して支持して図示しない加熱室内に搬入させ
るようにした場合である。
【0026】すなわち、コ字状の上部治具30に、平板
状基体6aの上部側面と折曲縁6bの折曲部6dを摺動
可能に支持する支持部32と、平板状基体6aの垂直線
に沿う上方に位置する係止部33とを設け、支持枠1の
上部スプラインビーム2の取付孔2aに係止されて垂下
される吊持部材4を上部治具30の係止部33に設けら
れた係止孔33aに係止して吊持するようにした場合で
ある。
【0027】一方、下部治具31は、中間部に外向きの
フランジ部31aが設けられており、このフランジ部3
1bが箱形パネル6の下部の折曲縁6bから下方側に向
って折曲された下部取付片6cに重ね合わされ、クラン
プ34によって固定されている。そして、下部治具31
の下部側の係止部33と支持枠1の下部ビーム3との間
に上記実施例と同様にコイルスプリング9が掛け渡され
ている。
【0028】なお、上記上部治具30と下部治具31
は、箱形パネル6と同じ材質のアルミニウム合金製部材
に形成され、箱形パネル6の上下の左右2箇所ずつ配設
されており、各上部治具30と下部治具31の垂直部3
0a,31aには補強片30c,31cが直角に折曲さ
れて、治具30,31の強度が維持されている。また、
第三実施例において、その他の部分は上記第一実施例と
同じであるので、同一部分には同一符号を付して、その
説明は省略する。
【0029】上記のように構成される第三実施例におい
て、箱形パネル6の上部2箇所に上部治具30を取付け
ると共に、箱形パネル6の下部2箇所に下部治具31を
取付けることにより、箱形パネル6を支持枠1内に弾性
力を付与した状態で支持することができる。この状態
で、図示しない加熱室内に搬入して、例えば232℃〜
242℃の高温度雰囲気で加熱処理すると、箱形パネル
6は加熱によって膨脹するが、箱形パネル6の支持部3
2の支持点と吊持部材4の上部スプラインビーム2の取
付孔2aの支点とが垂直線上にあるため、パネルには曲
げモーメントは発生せず、熱歪によって箱形パネル6に
凹部が発生することがない。なお、横方向の膨脹は、上
部治具の支持部32と箱形パネル6の折曲縁6bの折曲
部6dとが摺動可能に当接されるため、吸収することが
できる。したがって、箱形パネル6を繰返して加熱処理
しても、表面に凹部が発生することがなく、製品価値を
損う虞れがない。
【0030】◎第四実施例 図7はこの発明のパネルの焼付処理装置に使用される被
処理パネルの支持状態の第四実施例の要部斜視図、図8
は被処理パネルの支持状態の断面図である。
【0031】第四実施例は、箱形パネル6の平板状基体
6aの外側に積極的に緩やかな凸部を設けるようにした
場合である すなわち、箱形パネル6の内側面の左右2箇所に、箱形
パネル6の平板状基体6aと折曲縁6bとの折曲部6d
を支持する支持部41と、平板状基体6aの垂直線に沿
う上方に位置する係止部42と、平板状基体6aの内側
面を外方側に押圧する例えば曲率の大きな円弧状の押圧
部43とを有する治具40を配設し、支持枠1の上部ス
プラインビーム2の取付孔2aに係止されて垂下される
吊持部材4を治具40の係止部42に設けられた係止孔
42aに係止して吊持するようにした場合である。
【0032】一方、上記治具40の下部側部には、外向
きのフランジ部40aが設けられており、このフランジ
部40aが箱形パネル6の下部の折曲縁6bから下方側
に向って折曲された下部取付片6cに重ね合わされ、ク
ランプ34によって固定されている。そして、治具40
の下部側の係止部42と支持枠1の下部ビーム3との間
に上記実施例と同様にコイルスプリング9が掛け渡され
ている。
【0033】なお、上記治具40の押圧部43、係止部
42及び治具40の下部係止部44の背部には補強片4
0bが直角に折曲されて、治具40の強度が維持される
と共に、押圧部43には複数の透孔43aが設けられて
治具40の軽量化が図られている。なお、治具40は箱
形パネル6と同じ材質のアルミニウム合金製部材にて形
成されている。特に、この第四実施例のように箱形パネ
ル6の平板状基体6aの内面に線状に接触する治具40
を箱形パネル6と同質のアルミニウム合金製部材にて形
成することにより、同一の熱膨張係数を有するので、焼
付処理により箱形パネル6と治具40との間に熱膨張の
違いによる悪影響を受けることがない。
【0034】なお、第四実施例において、その他の部分
は上記第一実施例と同じであるので、同一部分には同一
符号を付して、その説明は省略する。
【0035】上記のように構成される第四実施例におい
て、箱形パネル6の左右2箇所に治具40を取付けるこ
とにより、箱形パネル6を支持枠1内に弾性力を付与し
た状態で支持することができる。そして、この状態で、
図示しない加熱室内に搬入して、例えば実体温度232
℃〜242℃の高温度で加熱処理すると、箱形パネル6
は加熱によって膨脹するが、箱形パネル6の支持部41
の支持点と吊持部材4の上部スプラインビーム2の取付
孔2aの支点とが垂直線上にあるため、箱形パネルには
曲げモーメントは発生せず、熱歪によって箱形パネル6
に凹部が発生することがなく、円弧状の押圧部43によ
って箱形パネル6の平板状基体6aが外側へ押圧され
て、外側に向って緩やかな凸部を形成することができ
る。
【0036】なお、横方向の膨脹は、治具40の支持部
41と箱形パネル6の折曲縁6bの折曲部6dとが摺動
可能に当接されるため、吸収することができる。したが
って、箱形パネル6を繰返して加熱処理しても、表面に
凹部が発生することがなく、逆に緩やかな凸部を形成す
ることができるので、製品価値を損う虞れがない。
【0037】次に、上記実施例のパネルの支持構造のも
のと、従来のパネルの焼付処理装置に使用されるパネル
の支持構造のものとを、実際に加熱処理した場合の比較
実験について説明する。
【0038】★実験例1 フッ素樹脂を塗布した以下の条件の第一実施例の切板パ
ネル5を用いて、240℃(パネルの実体温度)の温度
下で焼付けを行った。
【0039】条件 材質:アルミニウム合金(JIS 3003H24) 寸法:3000mm×1000mm 厚さ:3mm 上記実験の結果、切板パネル5の表面が外側に向って約
2mm凸状となり、カーテンウォール用として最適の形
状を呈することが判った。
【0040】★実験例2 フッ素樹脂を塗布した以下の条件の第三実施例の箱形パ
ネル6を用いて、240℃(パネルの実体温度)の温度
下で焼付けを行った。
【0041】条件 材質:アルミニウム合金(JIS 3003H24) 寸法:3000mm×1000mm 折曲縁の長さ:20mm 厚さ:3mm 上記実験の結果、箱形パネル6の表面が外側に向って約
2〜3mm凸状となり、カーテンウォール用として最適
の形状を呈することが判った。
【0042】★比較例1 フッ素樹脂を塗布した以下の条件の図9及び図10に示
す切板パネル5を用いて、240℃(パネルの実体温
度)の温度下で焼付けを行った。
【0043】条件 材質:アルミニウム合金(JIS 3003H24) 寸法:3000mm×1000mm 厚さ:3mm 吊持部のずれ(T1):30mm 上記実験の結果、切板パネル5の表面が内側に向って約
2〜3mm凹状となり、カーテンウォール用として不適
当であることが判った。
【0044】★比較例2 フッ素樹脂を塗布した以下の条件の図11及び図12に
示す箱形パネル6を用いて、240℃(パネルの実体温
度)の温度下で焼付けを行った。
【0045】条件 材質:アルミニウム合金(JIS 3003H24) 寸法:3000mm×1000mm 折曲縁の長さ(ずれT2):20mm 厚さ:3mm 上記実験の結果、箱形パネル6の表面が内側に向って約
5〜6mm凹状となり、カーテンウォール用として不適
当であることが判った。
【0046】上記実験例1及び実験例2の結果、切板パ
ネル5及び箱形パネル6の厚さを薄くしても、熱歪によ
って内側に向って凹状となる変形が生じることがなく、
また、パネル5,6の材質をかえてJIS A1100
−H14のものを用いて同様の実験を行った結果、厚さ
2mmのものにおいても、同様に内側に向って凹状とな
る変形は見られなかった。
【0047】なお、上記第二実施例及び第四実施例のも
のにおいては、確実に切板パネル5あるいは箱形パネル
6の平板状基体6aを外側に向けて凸状にすることがで
きるので、カーテンウォール用のパネルとして十分使用
することができることは勿論である。
【0048】なお、上記第二実施例では、切板パネル5
を例として説明したが、箱形パネル6の場合においても
同様にターンバックル22を用いて平板状基体6aを外
側に凸状に形成することもできる。
【0049】
【発明の効果】以上に説明したようにこの発明のパネル
の焼付処理装置によれば、上記のように構成されている
ので、高温下で加熱処理する際の膨脹力による曲げモー
メントの発生を防止することができ、熱歪による凹部等
の変形の発生を防止することができる。したがって、パ
ネルの製品価値を向上することができると共に、製品歩
留まりの向上を図ることができるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のパネルの焼付処理装置に使用される
被処理パネルの支持状態の第一実施例の要部斜視図であ
る。
【図2】図1の断面図及びその要部側面図である。
【図3】被処理パネルの支持状態の第二実施例の要部斜
視図である。
【図4】第二実施例の被処理パネルの支持状態の断面図
である。
【図5】被処理パネルの支持状態の第三実施例の要部斜
視図である。
【図6】第三実施例の被処理パネルの支持状態の断面図
である。
【図7】被処理パネルの支持状態の第四実施例の要部斜
視図である。
【図8】第四実施例の被処理パネルの支持状態の断面図
である。
【図9】従来の被処理パネルの支持状態の要部斜視図で
ある。
【図10】図9の被処理パネルの支持状態の処理前及び
処理後の断面図である。
【図11】従来の被処理パネルの別の支持状態の要部斜
視図である。
【図12】図11の被処理パネルの支持状態の処理前及
び処理後の断面図である。
【符号の説明】
1 支持枠 2 上部スプラインビーム 4 吊持部材 5 切板パネル(被処理パネル) 6 箱形パネル(被処理パネル) 6a 平板状基体 6b 折曲縁 6d 折曲部 10 上部治具 10a 係止孔 12 上部係止ボルト 14 長孔 20 上部治具 20a 上側取付部 20c 係止孔 21 下部治具 21a 下側取付部 22 ターンバックル(張力調整手段) 23 長孔 30 上部治具 31 下部治具 32 支持部 33 係止部 33a 係止孔 40 治具 41 支持部 42 係止部 42a 係止孔 43 押圧部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の被処理パネルの上部を支持枠の
    上部にて吊持すると共に、下部を支持枠の下部にて支持
    して加熱室内に搬入し、加熱室内にて高温下で焼付処理
    を行うパネルの焼付処理装置において、 上記被処理パネルの上部側面に、この被処理パネルに対
    して横方向に相対移動可能な治具を取付け、 上記支持枠の上部から垂下される吊持部材によって上記
    被処理パネルの垂直線に沿う上方位置において上記治具
    を係止することを特徴とするパネルの焼付処理装置。
  2. 【請求項2】 平板状基体の周辺に折曲縁を有する箱状
    のパネルの上部を支持枠の上部にて吊持すると共に、下
    部を支持枠の下部にて支持して、加熱室内に搬入し、加
    熱室内にて高温下で焼付処理を行うパネルの焼付処理装
    置において、 上記被処理パネルの上部側面に、上記平板状基体と折曲
    縁の折曲部を支持する支持部と、平板状基体の垂直線に
    沿う上方に位置する係止部とを有する治具を配設し、 上記支持枠の上部から垂下される吊持部材によって上記
    治具の係止部を係止することを特徴とするパネルの焼付
    処理装置。
  3. 【請求項3】 平板状基体の周辺に折曲縁を有する箱状
    のパネルの上部を支持枠の上部にて吊持すると共に、下
    部を支持枠の下部にて支持して、加熱室内に搬入し、加
    熱室内にて高温下で焼付処理を行うパネルの焼付処理装
    置において、 上記被処理パネルの内側面に、上記平板状基体と折曲縁
    との折曲部を支持する支持部と、平板状基体の垂直線に
    沿う上方に位置する係止部と、平板状基体の内側面を外
    方側に押圧する押圧部とを有する治具を配設し、 上記支持枠の上部から垂下される吊持部材によって上記
    治具の係止部を係止することを特徴とするパネルの焼付
    処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のパネルの焼付処理
    装置において、 上記治具から横方向に突設される上側取付部と、上記被
    処理パネルの下部支持部から横方向に突設される下側取
    付部との間に、長さ調整可能な張力調整手段を配設して
    なることを特徴とするパネルの焼付処理装置。
JP6204197A 1994-08-08 1994-08-08 パネルの焼付処理装置 Pending JPH0847660A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20140084215A (ko) * 2011-12-29 2014-07-04 중호우 천광 리서치 인스티튜트 오브 케미컬 인더스트리 컴퍼니 리미티드 내저온성 불소 탄성체 및 이의 제조방법
JP2015199590A (ja) * 2014-04-10 2015-11-12 トヨタ自動車株式会社 プレート吊り下げ具

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