JPH0847413A - 鞄の曳行ハンドル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操作が容易でハンドルを適宜引き出し位置に
確実な固定ができ、ハンドル握持部が常に水平方向を保
つようになした鞄の曳行ハンドルを提供する。 【構成】 車輪を有した鞄本体に把手取付上具と下部に
把手取付下具とを固定し、両者の間には、一対の縦方向
の平行ガイド筒を取り付け、平行ガイド筒内には上端を
ハンドルで連結した一対の昇降筒の下部を、把手取付上
具の上方から差し込み量変更可能に挿入し、上記昇降筒
には、上下方向に数段の係止孔を対設し、把手取付上具
内には常時は左右両側方向に付勢されその外側部位に係
止孔内に係止される係止凸部を設けたスライダーを一対
収納し、各スライダーには両者の中央側に向かって順次
高くなる傾斜面部を設け、この両スライダーの上には、
両端に上記傾斜面部に乗る足片を有した操作片体を載置
してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車輪を有した鞄本体をハ
ンドルによって引いて持ち運ぶ（曳行する）ようになし
た所謂曳行式の鞄、さらに特定するなら、鞄本体が比較
的小さく該ハンドルを引き出し可能となした曳行式の鞄
の曳行ハンドルに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の曳行式の鞄は、鞄本体が
比較的小さいと、鞄本体に取り付けたハンドルを持って
曳行するにはハンドルの位置が低いので、この曳行ハン
ドルを抜き差し可能となして、常時は該曳行ハンドルを
収納しておき、曳行時にこれを引き出す様になしたもの
が実用されている。

【０００３】そして、この引き出し式の曳行ハンドル
は、最も長く引き出すとストッパーによってそれ以上曳
行ハンドルが引き出せないようになしたものが一般的
で、引き出し途中の所望位置で曳行ハンドルを固定する
ことは通常行われていない。すなわち、この種の引き出
し式の曳行ハンドルは、ハンドルの位置をある程度の高
さとなせば、使用者の身長差等は、鞄の曳行時に鞄本体
を傾斜させる角度を変更すれば対処できるので、この曳
行ハンドルの引き出し量は調整する必要はないとされて
いる。

【０００４】なお、一部では引き曳行ハンドルを所望引
き出し位置で固定することも提案されており、その固定
手段は、レバーで回転するカム体がその回転位置によっ
て曳行ハンドルの昇降筒に圧接して、該曳行ハンドルを
摩擦制動するようになしてある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかし、引き出し途中
の所望位置で曳行ハンドルを固定できない方式は、平坦
な場所での曳行にはさほど影響はないが、段差部を乗り
越えて曳行しようとする場合や、人込み中を曳行する場
合等は、やはり、使用者の最も使用しやすい曳行ハンド
ルの長さがあって、曳行ハンドルを所望引き出し位置で
固定するようになす要望が多く寄せられている。

【０００６】そして、上記したカム固定方式の従来の曳
行ハンドルは、固定が無段式で細かな調整ができると言
う利点を有するも、引き出し位置の固定が摩擦制動であ
るため係止が確実でなく、大きな外力が加わると係止が
外れたり、曳行ハンドルの引き出し量が代わることがあ
ると言う課題を有していた。

【０００７】また、このカム固定方式は、本発明のよう
に逆Ｕ字状の曳行ハンドルの場合は、その両足部にあた
る昇降筒を夫々摩擦制動する様に取り付けなくてはなら
ず、適宜敷き出し位置で固定を着脱するには二箇所を操
作することになるので操作が煩雑であると言う課題を有
し、さらには、カム固定に際して曳行ハンドルが傾いて
いると、そのまま固定されて曳行しずらくなると言う課
題が指摘されている。

【０００８】そこで本発明は上記課題を解決すべくなさ
れたもので、操作が容易でハンドルを適宜引き出し位置
に確実な固定ができ、ハンドル握持部が常に水平方向を
保つようになした鞄の曳行ハンドルを提供することを目
的としたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的に沿い、先述
特許請求の範囲を要旨とする本発明の構成は前述課題を
解決するために、底面１１に車輪１２を設けた鞄本体１
０の一面１３の上部に把手取付上具２０を下部に把手取
付下具３０を固定し、この把手取付上具２０と把手取付
下具３０との間には、一対の縦方向の平行ガイド筒４
０，４０を取り付け、上記平行ガイド筒４０，４０内に
は、上端をハンドル５１で連結した一対の昇降筒５０，
５０の下部を、把手取付上具２０の上方から差し込み量
変更可能に挿入し、上記昇降筒５０，５０の周面には、
その相対する内側部位に上下方向に数段の係止孔５２，
５２，５２・・・を対設し、上記把手取付上具２０内に
は、常時はスプリング６１により左右両側方向に付勢さ
れ その外側部位に上記係止孔５２内に係止される係止
凸部６２を設けたスライダー６３，６３を一対左右方向
に摺動可能に収納し、上記各スライダー６３には両者の
中央側に向かって順次高くなる傾斜面部６４を設け、こ
の両スライダー６３，６３の上には、両端に上記傾斜面
部６４に乗る足片６５，６５を有した操作片体６０を載
置し、この操作片体６０の上部突出部６０ａを把手取付
上具２０の上面より上方に貫出してなる技術的手段を講
じたものである。

【００１０】また「請求項２」の発明は、底面１１に車
輪１２を設けた鞄本体１０の一面１３の上部に把手取付
上具２０を、下部に把手取付下具３０を固定し、この把
手取付上具２０には鞄本体１０の一面１３より外方に突
出する横桟部２０ａを、把手取付下具３０には同じく鞄
本体１０の一面１３より外方に突出する筒受け部３０
ａ，３０ａを設け、この横桟部２０ａと筒受け部３０
ａ，３０ａとの間には、一対の縦方向の平行ガイド筒４
０，４０の上下両端を挿入して取り付け、上記平行ガイ
ド筒４０，４０内には、上端をハンドル５１で連結した
一対の昇降筒５０，５０の下部を、把手取付上具２０の
横桟部２０ａの上方から差し込み量変更可能に挿入し、
上記昇降筒５０，５０の周面には、その相対する内側部
位に上下方向に数段の係止孔５２，５２，５２・・・を
対設し、上記把手取付上具２０の横桟部２０ａは下方開
口箱状に構成し、この横桟部２０ａ内には、底蓋６６を
摺動ガイドとして常時はスプリング６１により左右両側
方向に付勢され、その外側部位に上記係止孔５２内に係
止される係止凸部６２を設けたスライダー６３，６３を
一対左右方向に摺動可能に収納し、上記各スライダー６
３には両者の中央側に向かって順次高くなる傾斜面部６
４を設け、この両スライダー６３，６３の上には、両端
に上記傾斜面部６４に乗る足片６５，６５を有した操作
片体６０を載置し、この操作片体６０の上部突出部６０
ａを把手取付上具２０の上面より上方に貫出してなる技
術的手段を講じたものである。

【００１１】

【作用】それ故、本発明鞄の曳行ハンドルは、曳行ハン
ドルを引き出す場合は、操作片体６０を指先で押し込
む。すると傾斜面部６４に乗る足片６５，６５が下降
し、スライダー６３，６３は傾斜面部６４，６４が押さ
れてスプリング６１の付勢力に抗して左右中央側に移動
する。したがって、該スライダー６３の係止凸部６２派
係止項５２内より引き抜かれ、この状体で昇降筒５０，
５０は引き出し（昇降）可能となるので、ハンドル５１
を所望位置近くまで引き出す。

【００１２】ハンドル５１を所望位置近くまで引き出し
たら、操作片体６０を離し、ハンドル５１をさらに引き
抜くか押し込む方向に移動、すなわちハンドル５１乃至
昇降筒５０，５０を昇降させる。ハンドル５１乃至昇降
筒５０，５０が昇降し、係止孔５２，５２の位置がスラ
イダー６３，６３の位置と一致すると、このスライダー
６３，６３はスプリング６１によって左右両側方向に付
勢されているので、その係止凸部６２が係止孔５２内に
係止されハンドル５１乃至昇降筒５０，５０の昇降が係
止される作用を呈する。

【００１３】なお、一度引き出したハンドル５１乃至昇
降筒５０，５０を収納する場合は、上記と略同じ操作を
行いながら、ハンドル５１乃至昇降筒５０，５０を押し
下げればよいものである。

【００１４】

【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面にしたがっ
て説明する。図中、１０が鞄本体である。この鞄本体１
０は各種の鞄を使用すればよいが、本実施例では大割り
式と称し本体部と蓋部とが二つ割り状にヒンジ連結さ
れ、把手１９，１９を有して手提げ鞄としても使用でき
るものを使用している。

【００１５】そして上記鞄本体１０の底面１１には車輪
１２を設けてある。この車輪１２は一対を底面１１の一
面１３側に寄った位置に取りつけ、該鞄本体１０は一面
１３を手前にして底面１１の他面側が上方に浮く様にし
て鞄本体１０を傾斜させ、この車輪１２，１２で床面上
等を転動させるようになしてある。

【００１６】そして、上記鞄本体１０の一面１３の上部
に把手取付上具２０を、下部に把手取付下具３０を固定
してある。この把手取付上具２０と把手取付下具３０と
は、図では必ずしも明らかでないが、断面略Ｌ字状とな
し、鞄本体１０の一面１３と底面１１との角部に、ま
た、鞄本体１０の一面１３と上面１５との角部に当接さ
れ、鋲着等の適宜手段で固定される。

【００１７】なお、図示例では上記把手取付下具３０は
車輪取付具をも兼ねており、この把手取付下具３０に前
記車輪１２，１２が取り付けてあるが、無論この車輪１
２，１２は直接鞄本体１０に取り付けても、別の車輪取
り付け具で取り付けてもよいものである。

【００１８】そして、上記把手取付上具２０と把手取付
下具３０との間には、一対の縦方向の平行ガイド筒４
０，４０を取り付けてある。すなわち、上記把手取付上
具２０には鞄本体１０の一面１３より外方に突出する横
桟部２０ａを、把手取付下具３０には同じく鞄本体１０
の一面１３より外方に突出する筒受け部３０ａ，３０ａ
を設け、この横桟部２０ａと筒受け部３０ａ，３０ａと
の間には、一対の縦方向の平行ガイド筒４０，４０の上
下両端を挿入して取り付けてある。

【００１９】上記平行ガイド筒４０，４０内には、上端
をハンドル５１で連結した一対の昇降筒５０，５０の下
部を、把手取付上具２０の上方から差し込み量変更可能
に挿入してある。すなわち、上記ハンドル５１は握持部
として使用するもので、このハンドル５１と一対の昇降
筒５０，５０とで逆Ｕ字状に構成して、この昇降筒５
０，５０の下部は把手取付上具２０の上方、正確には上
記横桟部２０ａの上方から平行ガイド筒４０，４０内に
遊挿してある。

【００２０】なお、図示はしていないが、この昇降筒５
０，５０の下端には拡径部で構成されたストッパーを設
け、昇降筒５０，５０を平行ガイド筒４０，４０内に挿
入した後、平行ガイド筒４０，４０の上部等に螺足等を
臨入させて、この昇降筒５０，５０は最上昇位置で上記
ストッパーが螺足等に衝突して平行ガイド筒４０，４０
より抜き取れないようになしておくのは無論である。

【００２１】そして、上記昇降筒５０，５０の周面に
は、その相対する内側部位に上下方向に数段の係止孔５
２，５２，５２・・・を対設してある。この係止孔５
２，５２，５２・・・の上下方向間隔は適宜に設定すれ
ばよいが、両昇降筒５０，５０の相対する係止孔５２，
５２は同じ高さにする必要性を有するものである。

【００２２】上記把手取付上具２０内には、常時はスプ
リング６１により左右両側方向に付勢されその外側部位
に上記係止孔５２内に係止される係止凸部６２を設けた
スライダー６３，６３を一対左右方向に摺動可能に収納
してある。

【００２３】上記スライダー６３，６３を収納するため
に、把手取付上具２０には下方が開口した箱状の横桟部
２０ａを鞄本体１０の一面１３より外方に突出するよう
に設け、この横桟部２０ａの底蓋６６がスライダー６
３，６３の摺動ガイドを兼ねるようになしてある。な
お、この底蓋６６はスプリング６１，６１の受け台も兼
ね、固定螺子６７，６７で横桟部２０ａに固定するよう
になしてある。

【００２４】上記スプリング６１，６１は底蓋６６の中
央にスプリング受６９を突設し、このスプリング受６９
と各スライダー６３との中央側面との間に夫々介装して
あるが、該スプリング受６９を省略して一本のスプリン
グを両スライダー６３，６３の間に介装するようになし
てもよい。

【００２５】そして、上記各スライダー６３には両者の
中央側に向かって順次高くなる傾斜面部６４を設け、こ
の両スライダー６３，６３の上には、両端に上記傾斜面
部６４に乗る足片６５，６５を有した操作片体６０を載
置し、この操作片体６０の上部突出部６０ａを把手取付
上具２０の上面より上方に貫出してなる。

【００２６】上記操作片体６０は両端下方に上記傾斜面
部６４に乗る足片６５，６５を突出し、正面逆Ｕ字状に
構成し、図示例では両足片６５，６５の下面は傾斜面部
６４に対向する逆方向傾斜面６８，６８となしてある
が、足片６５，６５の尖端が小さい場合はこの逆方向傾
斜面６７は省略してもよく、また逆方向傾斜面６７に代
えて足片６５の下端を球面となしてもよいものである。

【００２７】なお、上記両スライダー６３，６３には長
孔６３ａを夫々設けてあり、前記固定螺子６７，６７は
この長孔６３ａ，６３ａ内を遊挿しスライダー６３，６
３の摺動を阻害しないようになしてある。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記のごときであるので、操作
片体６０の上部突出部６０ａを押し下げるだけで昇降筒
５０，５０の係止を脱着でき、この昇降筒５０，５０を
係止する場合は該上部突出部６０ａの押し下げを離して
ハンドル５１乃至昇降筒５０，５０を昇降するのみでよ
いので操作性に優れた鞄の曳行ハンドルを提供できるも
のである。

【００２９】そして、このハンドル５１乃至昇降筒５
０，５０の係止は、係止凸部６２と係止孔５２との係合
であるので、係止が確実で不用意に外れたり係止位置が
ずれたりしない鞄の曳行ハンドルを提供できるものであ
る。

【００３０】さらに本発明は、ハンドル５１乃至昇降筒
５０，５０の係止は段状であるが、上記のように係止凸
部６２と係止孔５２との係合であるので係止位置は常に
決められた位置に係止され、ハンドル５１が傾斜して係
止されることはないので、ハンドル５１が傾いて曳行し
づらくなることのない鞄の曳行ハンドルを提供できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明鞄の曳行ハンドルを付した鞄の一実施例
背面図である。

【図２】要部一部断面正面図である。

【図３】要部平面図である。

【符号の説明】

１０ 鞄本体 １１ 底面 １２ 車輪 ２０ａ 横桟部 ２０ 把手取付上具 ３０ 把手取付下具 ３０ａ 筒受け部 ４０ 平行ガイド筒 ５０ 昇降筒 ５１ ハンドル ５２ 係止孔 ６０ 操作片体 ６０ａ 上部突出部 ６１ スプリング ６２ 係止凸部 ６３ スライダー ６４ 傾斜面部 ６５ 足片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底面１１に車輪１２を設けた鞄本体１０
   の一面１３の上部に把手取付上具２０を、下部に把手取
   付下具３０を固定し、 この把手取付上具２０と把手取付下具３０との間には、
   一対の縦方向の平行ガイド筒４０，４０を取り付け、 上記平行ガイド筒４０，４０内には、上端をハンドル５
   １で連結した一対の昇降筒５０，５０の下部を、把手取
   付上具２０の上方から差し込み量変更可能に挿入し、 上記昇降筒５０，５０の周面には、その相対する内側部
   位に上下方向に数段の係止孔５２，５２，５２・・・を
   対設し、 上記把手取付上具２０内には、常時はスプリング６１に
   より左右両側方向に付勢され、その外側部位に上記係止
   孔５２内に係止される係止凸部６２を設けたスライダー
   ６３，６３を一対左右方向に摺動可能に収納し、 上記各スライダー６３には両者の中央側に向かって順次
   高くなる傾斜面部６４を設け、この両スライダー６３，
   ６３の上には、両端に上記傾斜面部６４に乗る足片６
   ５，６５を有した操作片体６０を載置し、この操作片体
   ６０の上部突出部６０ａを把手取付上具２０の上面より
   上方に貫出してなる鞄の曳行ハンドル。
2. 【請求項２】 底面１１に車輪１２を設けた鞄本体１０
   の一面１３の上部に把手取付上具２０を、下部に把手取
   付下具３０を固定し、 この把手取付上具２０には鞄本体１０の一面１３より外
   方に突出する横桟部２０ａを、把手取付下具３０には同
   じく鞄本体１０の一面１３より外方に突出する筒受け部
   ３０ａ，３０ａを設け、この横桟部２０ａと筒受け部３
   ０ａ，３０ａとの間には、一対の縦方向の平行ガイド筒
   ４０，４０の上下両端を挿入して取り付け、 上記平行ガイド筒４０，４０内には、上端をハンドル５
   １で連結した一対の昇降筒５０，５０の下部を、把手取
   付上具２０の横桟部２０ａの上方から差し込み量変更可
   能に挿入し、 上記昇降筒５０，５０の周面には、その相対する内側部
   位に上下方向に数段の係止孔５２，５２，５２・・・を
   対設し、 上記把手取付上具２０の横桟部２０ａは下方開口箱状に
   構成し、この横桟部２０ａ内には、底蓋６６を摺動ガイ
   ドとして常時はスプリング６１により左右両側方向に付
   勢され、その外側部位に上記係止孔５２内に係止される
   係止凸部６２を設けたスライダー６３，６３を一対左右
   方向に摺動可能に収納し、 上記各スライダー６３には両者の中央側に向かって順次
   高くなる傾斜面部６４を設け、この両スライダー６３，
   ６３の上には、両端に上記傾斜面部６４に乗る足片６
   ５，６５を有した操作片体６０を載置し、この操作片体
   ６０の上部突出部６０ａを把手取付上具２０の上面より
   上方に貫出してなる鞄の曳行ハンドル。