JPH0846785A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JPH0846785A
JPH0846785A JP6175415A JP17541594A JPH0846785A JP H0846785 A JPH0846785 A JP H0846785A JP 6175415 A JP6175415 A JP 6175415A JP 17541594 A JP17541594 A JP 17541594A JP H0846785 A JPH0846785 A JP H0846785A
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JP6175415A
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Inventor
Toyoji Horikawa
豊史 堀川
Tetsuya Taki
哲也 滝
Masako Nakanishi
雅子 仲西
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 画像処理装置は、多諧調画像データを誤差拡
散法により2値化するものであり、周辺画素の元の輝度
値と注目画素の元の輝度値との差が所定値よりも大きく
且つ周辺画素及び注目画素の輝度値が所定範囲内にある
場合であって、注目画素の元の輝度値を量子化した結果
と、誤差拡散後の注目画素の輝度値を量子化した結果と
が異なる場合に、再配置要求信号を出力する再配置要求
信号生成部7と、上記の再配置要求信号に基づいて、注
目画素の誤差拡散後の輝度値と、上記所定以上の差を有
する周辺画素の輝度値とを入れ換えて再配置する再配置
処理部16とを有している。 【効果】 写真領域と文字領域とが混在した画像に対し
ても、良好に多諧調から低諧調に変換が行なえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誤差拡散法により多諧
調データから生成される擬似中間調2値画像の処理を行
なう画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、擬似中間調処理として、ディ
ザ法や誤差拡散法等が広く知られている。
【0003】多諧調画像データを擬似中間調処理し、2
値(画素を出力するか、或いはしないかに対応)しか出
力できないプリンタなどの出力装置に適したデータに変
換する画像処理方法として、一般的に上記のディザ法が
用いられている。
【0004】ディザ法による処理は、入力画像データと
ディザマトリックスパターンとを比較し、その大小関係
から1画素の2値出力を決定するものである。したがっ
て、ディザマトリクスサイズ(一定面積)内で濃淡表現
を行なっているため、ディザマトリクスサイズを大きく
すると、諧調性は良くなるものの、解像度が低下してし
まう。一方、ディザマトリクスサイズを小さくすると、
解像度は良くなるものの、諧調性が低下してしまう。こ
のように、ディザ法は、解像度と諧調性とを両立し得な
いという不具合がある。
【0005】これに対して、解像度、諧調性ともに比較
的良く再現される擬似中間調処理として、上記の誤差拡
散法が用いられる。
【0006】誤差拡散法は、2値化処理の際に生じる濃
度誤差を保存しておいて、周辺画素の処理の際に用い、
諧調処理後の画像においても濃度の保存が行なえること
を特徴とする処理である。つまり、この方法によれば、
量子化の際の誤差を周辺画素に拡散することによって、
諧調性及び解像度に優れた処理が行なえる。
【0007】誤差拡散法によれば、注目画素の周囲画素
を2値化した時の入出力間の誤差を保存しておき、注目
画素を2値化する時にその誤差を反映し、入出力画像間
の平均輝度レベルを一致させることによって、モワレを
低減できる。しかしながら、入出力画像中に文字がある
と、画像入力装置のサンプル窓がある程度の広がりを持
つため、文字のエッジ部においては、白と黒の中間の値
が発生し得る。これに対して、誤差拡散方法を適用する
と、中間の値を白画素と黒画素の密度変調表現するた
め、エッジ付近で誤差伝播によりノッチノイズが生じる
ことになり、文字等の線画部分においては、文字がぼや
けたように再現され、画質の低下を招来していた。この
ノッチノイズの修正に関しては、例えば、特開昭62−
242473号公報(第1従来例)や、特開昭62−1
39472号公報(第2従来例)等に開示されている。
【0008】上記第1従来例は、1ライン遅延素子及び
1画素遅延素子からなる2値画像格納メモリと、ノッチ
ノイズの修正パターンが格納されたROM(Read Only
Memory)とから構成される文字整形回路を有している。
2値画像格納メモリからは注目画素、及びその周囲画素
に係る2値画像信号が取り出され、この2値画像信号が
ROMに入力されると、ノッチノイズの修正パターンに
基づいて、文字周辺部における黒画素に対してのみ、不
要な突出しを削ったり、或いはへこみを埋める等の整形
処理が行なわれ、画質が改善される。
【0009】上記第2従来例によれば、文字の周辺部に
おいては、白または黒の画素が連続することが多いの
で、白および黒のラン長によって誤差拡散方法における
誤差の帰還率を制御することによって、誤差の拡散係数
を変化させている。つまり、文字の周辺では帰還率を小
さくし、固定スレッショルドによる2値化に近づけるこ
とによって、ノッチの発生を抑えることが可能となる。
【0010】他に、誤差拡散法を用いた擬似中間調2値
画像の画質改善について開示した例として、例えば、特
開平3−21166号公報(第3従来例)を挙げ、以下
に説明する。
【0011】第3従来例によれば、誤差拡散法により多
諧調の入力データAを処理して2値画素データaが作成
される。次にAに隣接する画素の多諧調の入力データB
を同じように誤差拡散処理して2値画素データbが作成
される。ここで、2値画素データa、bが同じである場
合は、A’=a、B’=bとして処理が終わるが、aと
bが異なる場合は、処理前の入力多諧調データであるA
とBの値の大小関係を比較し、その差が一定しきい値以
上あり、なおかつ、A>Bであるにもかかわらずa<b
であったり、反対にA<Bであるにもかかわらずa>b
である場合には、2値画素データa、bの画素位置が入
れ換えられ(A’=b、B’=a)、これにより、高品
質の2値画像データが得られる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術は、以下の問題点を有している。
【0013】即ち、上記の第1、2従来例に係る技術に
よれば、文字領域ではノッチノイズが低減されるが、写
真領域では諧調再現性が損なわれる。
【0014】又、第3従来例に係る技術によれば、隣合
う2つの画素において、処理前の入力画素データに基づ
いて、これら隣合う2つの画素位置が入れ換えられる。
隣合う2つの画素位置の入れ換えが行なわれるだけで
は、文字領域では殆ど入れ換え処理は行なわれなくな
る。文字の線幅が1ドットの場合、入れ換え処理が行な
われる可能性はあるが、これによる大きな効果は得られ
ない。したがって、周辺画素であっても離れた位置にあ
る画素と注目画素との間では、入れ換え処理は行なわれ
ないので、画質が悪くなってしまう。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
課題を解決するために、多諧調画像データを誤差拡散法
により2値化する画像処理装置において、以下の手段を
備えたことを特徴としている。
【0016】即ち、上記発明は、周辺画素の元の輝度値
と注目画素の元の輝度値との差が所定値よりも大きく且
つ周辺画素及び注目画素の輝度値が所定範囲内にある場
合であって、注目画素の元の輝度値を量子化した結果
と、誤差拡散後の注目画素の輝度値を量子化した結果と
が異なる場合に再配置要求信号を出力する再配置要求手
段と、上記の再配置要求信号に基づいて、注目画素の誤
差拡散後の輝度値と、上記所定以上の差を有する周辺画
素の輝度値とを入れ換えて再配置する再配置手段とを備
えている。
【0017】請求項2の発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項1の構成において、上記再配置要求手段
が、周辺画素の元の輝度値と注目画素の元の輝度値との
差が所定値よりも大きいか否かを周辺画素の元の輝度値
と注目画素の元の輝度値との差が所定値よりも大きいか
否かを判断すると共に、周辺画素及び注目画素の輝度値
が所定範囲内にあるか否かを判断するコンパレータと、
注目画素の輝度値を量子化した結果と誤差拡散後の注目
画素の輝度値を量子化した結果との排他的論理和を演算
する排他的論理和演算回路と、上記コンパレータの出力
と、上記排他的論理和演算回路の出力との論理積演算を
行なう論理積演算回路とを備え、上記再配置要求信号が
該論理積演算回路から出力されることを特徴としてい
る。
【0018】請求項3の発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項1の構成において、上記再配置手段が、周
辺画素のうち、注目画素からの位置が遠いものから順に
優先順位を設け、この優先順位に基づいて再配置を行な
うことを特徴としている。
【0019】請求項4の発明は、上記課題を解決するた
めに、請求項1、2、又は3の構成において、周辺画素
ごとに輝度値の誤差に係る重みを付し、これらの加重和
を注目画素の輝度値の誤差とするエッジ強調手段が更に
設けられたことを特徴としている。
【0020】
【作用】請求項1及び2の構成によれば、再配置手段
が、再配置要求手段から再配置要求信号を受けると、注
目画素の誤差拡散後の輝度値と、上記所定以上の差を有
する周辺画素の輝度値とを入れ換えて再配置が行なわれ
る。この場合、注目画素の元の輝度値を量子化した結果
と、誤差拡散後の注目画素の輝度値を量子化した結果と
が異なる場合であっても、周辺画素の元の輝度値と注目
画素の元の輝度値との差が所定値よりも大きく且つ周辺
画素及び注目画素の輝度値が所定範囲内にある場合でな
いと、再配置要求信号が再配置要求手段から出力されな
い。したがって、写真領域のように、輝度値の変化が緩
慢な場合でも、誤って、再配置されることがなくなる。
【0021】請求項3の構成によれば、請求項1の作用
に加えて、周辺画素のうち、注目画素からの位置が遠い
ものから順に、再配置手段によって再配置を行なわれる
ので、文字領域で問題になる誤差拡散特有の黒領域での
白点ノイズを確実に除去できる。加えて、隣接画素との
間で上記再配置を行なうと、白または黒の何れか一方に
偏った塊が生じやすくなるが、上記優先順位に基づいて
再配置を行なうことによって、該塊の少ない良好な画像
が得られる。
【0022】請求項4の構成によれば、請求項1、2、
又は3の作用に加えて、エッジ部での変化が強調され、
再配置条件に適合する画素が増加するので、ノッチノイ
ズに対して修正を施すことが可能となると共に、誤差拡
散特有の文字領域における白点ノイズを減少させること
が可能となり、結果的に文字のコントラストを著しく向
上できる。
【0023】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図6に
基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0024】本実施例に係る画像処理装置は、図1に示
すように、多諧調画像データであるディジタルデータ
(例えば、輝度値が8ビットで表される)が入力される
画像入力部1と、画像入力部1の出力と後述する誤差蓄
積部4との加算を行なう加算器2と、加算器2の出力を
所定閾値(例えば128)で2値に量子化する量子化部
3と、量子化部3の出力に対して1ラインディレイを行
なう1ライン遅延部5と、画像入力部1の出力を上記所
定閾値で2値に量子化する量子化部6とを備え、上記の
誤差蓄積部4は、1ライン遅延部5の出力と上記量子化
部3の出力とに基づいて誤差蓄積を行なうようになって
いる。
【0025】上記の画像処理装置は、更に、量子化部3
の出力と量子化部6の出力とに基づいて、注目画素と周
辺画素との輝度値とを入れ換えるための再配置要求信号
を出力する再配置要求信号生成部7(再配置要求手段)
と、量子化部3の出力である量子化後の輝度値を入力す
ると共に、再配置要求信号生成部7からの再配置要求信
号とを入力し、注目画素と周辺画素との輝度値とを入れ
換える処理を行なう再配置処理部16(再配置手段)と
を備えた構成を有している。
【0026】上記の再配置要求信号生成部7は、図3に
示すように、周辺画素の元の輝度値と注目画素の元の輝
度値とをそれぞれ入力し、これら2つの元の輝度値との
間に所定値以上の差があるか否かを判断すると共に、周
辺画素及び注目画素の輝度値が所定範囲内にあるか否か
を判断するコンパレータ21と、注目画素の元の輝度値
と注目画素の誤差拡散後の輝度値とを入力し、これらに
対して排他的論理和演算を行なう排他的論理和演算回路
22と、コンパレータ21の出力と排他的論理和演算回
路22の出力とを入力し、これらに対して論理積演算を
行なって再配置要求信号として出力する論理積演算回路
23とを備えた構成を有している。
【0027】コンパレータ21において周辺画素及び注
目画素の輝度値が所定範囲内にあるか否かは、該輝度値
が低輝度値(輝度値を8ビットで表した場合に20に相
当)より大きく且つ高輝度値(輝度値を8ビットで表し
た場合に240に相当)より小さいか否かに基づいて判
断される。
【0028】つまり、注目画素の元の輝度値を単に所定
閾値128で量子化した場合に2値で“0”となると共
に、誤差が蓄積された誤差拡散後の注目画素の輝度値を
量子化すると2値で“1”となってしまう場合、又はそ
の逆の場合であって、周辺画素及び注目画素の輝度値が
所定範囲内(8ビット換算で20〜240の範囲)にあ
る場合に、再配置要求信号“1”が論理積演算回路23
からマスクロジック27(図4参照)に送られる。これ
により、蓄積された誤差のために、量子化結果が異な
り、その結果、大きな誤差が生じたか否かが確実に検出
できる。
【0029】したがって、入力画像における写真領域の
ように、注目画素と周辺画素との輝度値の差は小さい
が、周辺画素および注目画素自身の輝度値が共に小さい
(8ビット換算で20以下)、或いは共に大きい(8ビ
ット換算で240以上)場合等には、蓄積誤差が大きく
なり、再配置対象(注目誤差の輝度値と入れ換えられる
周辺画素)となってしまう場合がある。この不具合を回
避するために、本実施例によれば、周辺画素の元の輝度
値と注目画素の元の輝度値との差が所定値よりも大きく
且つ周辺画素及び注目画素の輝度値が所定範囲内にある
場合、即ち、上記コンパレータ21及び排他的論理和演
算回路22の出力が共に“1”の場合だけ、再配置要求
信号が論理積演算回路23を介してマスクロジック27
に送られるようになっている。
【0030】上記の再配置処理部16は、図1に示すよ
うに、画素に対応した画素レジスタ9乃至15と、1ラ
イン遅延部8とから構成されており、画素レジスタ9・
10、1ライン遅延部8、および画素レジスタ11〜1
5はこの順にディジーチェーン接続されており、1ライ
ン遅延部8は画素レジスタ10の出力を1ライン遅延さ
せて画素レジスタ11に送るようになっている。
【0031】上記画素レジスタ9〜15、及び注目画素
レジスタ20は、図2に示すように、該当する画素(正
方形の枠で囲まれた部分に相当)ごとにそれぞれ対応し
ていると共に、図4に示すように、誤差拡散後の画素の
入れ換えのための一時バッファの機能と、入れ換えのた
めのロジックを備えている。
【0032】画素レジスタ9は、図4に示すように、量
子化部3の出力である量子化後の輝度値と、対応画素が
再配置対象であるか否かを示す情報とを有する入れ換え
ロジック25と、入れ換えロジック25の出力を受け、
それを保持し、次の画素レジスタ10に量子化後の輝度
値に係るデータを送るFF(フリップフロップ)26
と、再配置要求信号生成部7からの再配置要求信号を入
力し、入れ換えロジック25に対して入れ換え処理を行
なうか否かを制御すると共に、注目画素に対する再配置
要求信号として出力し且つFF(フリップフロップ)2
8を介して周辺画素に対する再配置要求信号として出力
するマスクロジック27とから構成され、画素レジスタ
9は基準クロックに基づいて動作するようになってい
る。
【0033】マスクロジック27は、ディジーチェーン
接続された再配置要求信号を次段の画素レジスタに送る
場合、入れ換え処理が終了したら再配置要求を無効にす
るためのロジックを有している。つまり、再配置要求信
号はディジーチェーン接続されているので、再配置要求
が行なわれ、何れかの画素との間で再配置処理が終了し
たら、該再配置要求は他の画素レジスタに対しては行な
われず、したがって、他の画素との間で再配置処理は行
なわれなくなる。
【0034】上記画素レジスタ9は、対応画素の輝度
値、及び再配置要求信号が、入れ換えロジック25、及
びマスクロジック27にそれぞれラッチされるようにな
っている。注目画素の再配置要求信号がアクティブの場
合、再配置要求信号がアクティブの周辺画素との間での
み、輝度値が互いに入れ換えられる。これにより、画像
における文字領域のように、ノッチノイズが多発する領
域では、ノッチノイズが改善されてメリハリのある画像
が得られる。
【0035】換言すれば、注目画素の再配置要求信号が
アクティブであっても、再配置要求信号がアクティブで
ない周辺画素との間では、輝度値の入れ換え処理は行な
われない。したがって、写真領域のように滑らかに輝度
変化する領域では周辺に再配置すべき画素が存在しない
ので、輝度値の再配置は画素間で行なわれない。
【0036】なお、上述の説明においては、画素レジス
タ9を例に挙げているが、画素レジスタ9〜15は同じ
構成を有しているので、画素レジスタ10〜15の説明
は省略している。
【0037】上記構成によれば、画像入力部1を介して
輝度値に係る多諧調のディジタルデータが入力される
と、誤差蓄積されて量子化された輝度値と、単に量子化
された輝度値とが、それぞれ量子化部3と量子化部6と
から再配置要求信号生成部7に入力される。再配置要求
信号生成部7では、蓄積された誤差のために、量子化結
果が異なり、その結果、大きな誤差が生じ、注目画素及
び周辺画素の輝度値が所定範囲内にある場合に、再配置
要求信号“1”が画素レジスタ9に送られる。画素レジ
スタ9では、量子化後の輝度値が次段の画素レジスタ1
0に送られると共に、入力された再配置要求信号に基づ
いて、注目画素の再配置要求信号と周辺画素の再配置要
求信号とがそれぞれ生成され、画素レジスタ10に送ら
れる。
【0038】上記動作は、画素レジスタ9〜15に対し
て同様に行われる。そして、注目画素の再配置要求信号
がアクティブの場合、再配置要求信号がアクティブの周
辺画素との間でのみ、輝度値が互いに入れ換えられて再
配置が完了する。
【0039】以上のように、上記実施例によれば、注目
画素で発生した輝度値の誤差と、その周辺の画素で発生
した輝度値の誤差とに基づいて、注目画素付近で輝度値
の誤差が最も小さくなるように、輝度値の誤差の蓄積が
大きい周辺画素と注目画素の輝度値とが入れ換えられ
る。
【0040】つまり、画像における文字領域のようにノ
ッチノイズが多発する領域ではノッチノイズが改善され
てメリハリのある画像として出力される一方、写真領域
のように滑らかに輝度変化する領域では周辺に再配置す
る画素が存在しないので、輝度値の再配置は画素間で行
なわれなくなる。したがって、写真領域と文字領域とが
混在した画像に対しても、像域分離手段等の特別の手段
を用いることなく、良好な諧調変換が行なえる。
【0041】ここで、図5を参照しながら、本発明の他
の実施例を以下に説明する。なお、上記実施例と同一の
機能を有する部材には同一の参照番号を付記し、詳細な
説明を省略する。
【0042】上記実施例においては、注目画素との輝度
値入れ換え処理(再配置処理)が画素レジスタ9から順
に画素レジスタ15まで行われたが、本実施例の画像処
理装置は、図5に示すように、再配置処理の優先順位が
予め決められている。つまり、本実施例においては、再
配置要求信号は、画素レジスタ15、画素レジスタ1
1、画素レジスタ10、画素レジスタ14、画素レジス
タ12、画素レジスタ13、画素レジスタ9の順にディ
ジーチェーン接続されている。再配置処理が、このディ
ジーチェーン(優先順位)に基づいて行われる。
【0043】つまり、再配置処理は、図6から明らかな
ように、注目画素レジスタ20からの距離が遠いものか
ら順に行われるようになっている。これにより、文字領
域で問題になる誤差拡散特有の黒領域での白点ノイズを
確実に除去できる。加えて、隣接画素との間で上記再配
置を行なうと、白または黒の何れか一方に偏った塊が生
じやすくなるが、上記優先順位に基づいて再配置を行な
うことによって、該塊の少ない良好な画像が得られる。
【0044】本実施例について、図6(a)〜(c)に
基づいて説明すると、以下のとおりである。
【0045】今、画素レジスタ9〜15が、図6(a)
に示すような輝度分布(各画素の上段の数値は画素の元
の輝度値を示し、下段の数値は誤差拡散による誤差量を
示す)を有しているとする。ただし、注目画素レジスタ
20以外の画素における輝度値の誤差量は、その1ライ
ン前の輝度値に基づくものであり、仮に設定された値で
ある。
【0046】ここで、注目画素レジスタ20は、本来、
140という輝度値を有していると仮定すると、単に閾
値128で2値に量子化した場合、結果は“1”とな
る。周辺画素14、13、12、及び9からの輝度値の
誤差量の伝播の重みをそれぞれ1/8、1/4、1/
8、及び1/2とし、周辺画素14、13、12、及び
9の誤差量を(−40)、(−35)、(+56)、及
び(−38)とすると、注目画素に加算される誤差量
は、〔 1/8・(-40) + 1/4・(-35) + 1/8・(56)+ 1/2
・(-38) 〕より求め、最終的には、(−26)となり、
誤差が反映された後の注目画素レジスタ20の輝度値は
114となる。この輝度値114を閾値128で2値に
量子化すると、“0”となり、量子化に伴い注目画素レ
ジスタ20で生じる誤差が大きくなる。
【0047】そこで、本実施例によれば、量子化におい
て注目画素とは逆の結果になる周辺画素、即ち、誤差量
を加算する前の輝度値を量子化すると“0”となるが、
誤差量を加算すると“1”になる周辺画素が存在するか
否かを検出し、存在すれば(図6(a)の場合には、画
素レジスタ12(100<128、且つ(100+5
6)>128を満足するので)が該当する)、その画素
の輝度値と注目画素の輝度値とを入れ換える(図6
(b)(c)に示すように、画素レジスタ20に対応す
る画素を黒から白に変化させると共に、画素レジスタ1
2に対応する画素を白から黒に変化させる)という再配
置を行なうようになっている。
【0048】以上のように、本実施例によれば、画像に
おいて、文字領域では輝度値の変化が激しいために、輝
度値の誤差の影響がノッチノイズ(図6(b)の画素レ
ジスタ12に対応する白の画素)などの画質劣化を引き
起こすが、本実施例によれば、上記ノッチノイズは修正
することが可能である(図6(c)の画素レジスタ12
に対応する画素が白から黒に変化した)。加えて、ノッ
チノイズが生じた画素を強制的に白または黒に変化させ
ることによって修正を施すのではなく、注目画素と周辺
画素との間で輝度値を入れ換えることによって修正を施
しているので、単位面積当たりの輝度の変化がなく、よ
り忠実に原画像を量子化できる。
【0049】本発明の更に他の実施例について以下に説
明する。
【0050】本実施例の画像処理装置は、上述の2つの
実施例において、4近傍の画素レジスタ14、13、1
2、及び9の輝度値に1/2を乗算し、注目画素レジス
タ20の輝度値の3倍を加算する機能を有する、図示し
ない鮮鋭化フィルタ(エッジ強調手段)を更に設けた構
成を有している。
【0051】上記構成によれば、注目画素レジスタ20
の輝度値をB20とし、4近傍の画素レジスタ14、1
3、12、及び9の輝度値をそれぞれB14、B13
12、及びB9 とすると、鮮鋭化フィルタの出力Aは、 A=3×B20+(B14+B13+B12+B9 )×1/2で
表される。
【0052】以上のように、鮮鋭化フィルタを設けるこ
とによって、エッジ部での変化が強調され、図3のコン
パレータ21の出力が“0”になり、再配置要求信号が
出力されなくなることを回避できる。この結果、再配置
条件に適合する画素が増加するので、ノッチノイズに対
して修正を施すことが可能となると共に、誤差拡散特有
の、文字領域における白点ノイズを減少させることが可
能となり、結果的に文字のコントラストを向上できる。
【0053】
【発明の効果】請求項1の発明は、以上のように、周辺
画素の元の輝度値と注目画素の元の輝度値との差が所定
値よりも大きく且つ周辺画素及び注目画素の輝度値が所
定範囲内にある場合であって、注目画素の元の輝度値を
量子化した結果と、誤差拡散後の注目画素の輝度値を量
子化した結果とが異なる場合に再配置要求信号を出力す
る再配置要求手段と、上記の再配置要求信号に基づい
て、注目画素の誤差拡散後の輝度値と、上記所定以上の
差を有する周辺画素の輝度値とを入れ換えて再配置する
再配置手段とを備えた構成である。
【0054】それゆえ、注目画素と、隣接していない離
れた周辺画素との間で、輝度値の直接的入れ換えが可能
となるので、画質が著しく向上する。加えて、写真領域
のように輝度値の変化が緩慢な場合でも、誤って再配置
が行なわれることが回避できる。したがって、写真領域
と文字領域とが混在した画像に対しても、像域分離手段
等の特別な手段を用いることなく、良好に多諧調から低
諧調に変換が行なえるという効果を併せて奏する。
【0055】請求項2の発明は、以上のように、請求項
1の構成において、上記再配置要求手段が、周辺画素の
元の輝度値と注目画素の元の輝度値との差が所定値より
も大きいか否かを判断すると共に、周辺画素及び注目画
素の輝度値が所定範囲内にあるか否かを判断するコンパ
レータと、注目画素の輝度値を量子化した結果と誤差拡
散後の注目画素の輝度値を量子化した結果との排他的論
理和を演算する排他的論理和演算回路と、上記コンパレ
ータの出力と、上記排他的論理和演算回路の出力との論
理積演算を行なう論理積演算回路とを備え、上記再配置
要求信号が該論理積演算回路から出力される構成であ
る。
【0056】それゆえ、請求項1の効果と同様に、写真
領域のように輝度値の変化が緩慢な場合でも、誤って再
配置が行なわれることが回避できる。したがって、写真
領域と文字領域とが混在した画像に対しても、像域分離
手段等の特別な手段を用いることなく、良好に多諧調か
ら低諧調に変換が行なえるという効果を奏する。
【0057】請求項3の発明は、以上のように、請求項
1の構成において、上記再配置手段が、周辺画素のう
ち、注目画素からの位置が遠いものから順に優先順位を
設け、この優先順位に基づいて再配置を行なう構成であ
る。
【0058】それゆえ、請求項1の効果に加えて、写真
領域では諧調性良く再現され、文字領域では誤差拡散に
より生じるノッチノイズを文字領域で問題になる誤差拡
散特有の黒領域での白点ノイズを確実に除去できる。加
えて、隣接画素との間で上記再配置を行なうと、白また
は黒の何れか一方に偏った塊が生じやすくなるが、上記
優先順位に基づいて再配置を行なうことによって、該塊
の少ない良好な画像が得られるという効果を併せて奏す
る。
【0059】請求項4の発明は、以上のように、請求項
1、2、又は3の構成において、周辺画素ごとに輝度値
の誤差に係る重みを付し、これらの加重和を注目画素の
輝度値の誤差とするエッジ強調手段が更に設けられた構
成である。
【0060】それゆえ、請求項1、2、又は3の効果に
加えて、エッジ部での変化が強調され、再配置条件に適
合する画素が増加するので、ノッチノイズに対して修正
を施すことが可能となると共に、誤差拡散特有の文字領
域における白点ノイズを減少させることが可能となり、
結果的に文字のコントラストを著しく向上できるという
効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例を示すブロック図である。
【図2】画素と画素レジスタとの対応を示す説明図であ
る。
【図3】再配置要求信号生成部の構成例を示す回路図で
ある。
【図4】画素レジスタの構成例を示すブロック図であ
る。
【図5】再配置処理を優先順位に基づいて行なう、本発
明の他の構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の再配置処理の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像入力部 2 加算器 3 量子化部 4 誤差蓄積部 5 1ライン遅延部 6 量子化部 7 再配置要求信号生成部(再配置要求手段) 8 1ライン遅延部 9 画素レジスタ 16 再配置処理部(再配置手段) 21 コンパレータ 22 排他的論理和演算回路 23 論理積演算回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/40 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多諧調画像データを誤差拡散法により2値
    化する画像処理装置であって、 周辺画素の元の輝度値と注目画素の元の輝度値との差が
    所定値よりも大きく且つ周辺画素及び注目画素の輝度値
    が所定範囲内にある場合であって、注目画素の元の輝度
    値を量子化した結果と、誤差拡散後の注目画素の輝度値
    を量子化した結果とが異なる場合に再配置要求信号を出
    力する再配置要求手段と、 上記の再配置要求信号に基づいて、注目画素の誤差拡散
    後の輝度値と、上記所定以上の差を有する周辺画素の輝
    度値とを入れ換えて再配置する再配置手段とを備えたこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記再配置要求手段は、 周辺画素の元の輝度値と注目画素の元の輝度値との差が
    所定値よりも大きいか否かを判断すると共に、周辺画素
    及び注目画素の輝度値が所定範囲内にあるか否かを判断
    するコンパレータと、 注目画素の輝度値を量子化した結果と誤差拡散後の注目
    画素の輝度値を量子化した結果との排他的論理和を演算
    する排他的論理和演算回路と、 上記コンパレータの出力と、上記排他的論理和演算回路
    の出力との論理積演算を行なう論理積演算回路とを備
    え、上記再配置要求信号が該論理積演算回路から出力さ
    れることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】上記再配置手段は、周辺画素のうち、注目
    画素からの位置が遠いものから順に優先順位を設け、こ
    の優先順位に基づいて再配置を行なうことを特徴とする
    請求項1記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】周辺画素ごとに輝度値の誤差に係る重みを
    付し、これらの加重和を注目画素の輝度値の誤差とする
    エッジ強調手段が更に設けられたことを特徴とする請求
    項1、2、又は3記載の画像処理装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0788087A1 (en) * 1996-01-26 1997-08-06 Texas Instruments Incorporated Method and system for reducing artifacts caused by quantization errors in digital display systems

Cited By (3)

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US6052491A (en) * 1996-01-26 2000-04-18 Texas Instruments Incorporated Non-monotonic contour diffusion and algorithm
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