JPH0845353A - 導電性を備えたポリマー組成物及びその製造方法 - Google Patents

導電性を備えたポリマー組成物及びその製造方法

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JPH0845353A
JPH0845353A JP6176322A JP17632294A JPH0845353A JP H0845353 A JPH0845353 A JP H0845353A JP 6176322 A JP6176322 A JP 6176322A JP 17632294 A JP17632294 A JP 17632294A JP H0845353 A JPH0845353 A JP H0845353A
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武 楊
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KANSAI SHIN GIJUTSU KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、導電性、耐久性、透明性等の諸性
能に優れたポリマー組成物を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明のポリマー組成物は、有機ポリマーを
含有する溶液に導電性前駆体を溶解、乾燥後、導電体に
転換させてなる導電性を備えたポリマー組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性を備えたポリマ
ー組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】導電性材料は、電磁場シールド材、静電防
止材、発熱体、エネルギー変換素子、透明電極等の各種
の用途に広く使用されている。これらの用途に用いられ
る導電体としては、今日まで金属や炭素等の導電性微粒
子、酸化インジウムや酸化錫等の薄膜、有機導電性ポリ
マー等が知られている。
【0003】導電性微粒子は、これを有機ポリマーマト
リックスに分散させてから成型し、導電性微粒子同士の
物理的接触により導電体となる。このため電気的性質
は、導電性粒子の配合割合、形状、成型条件等に左右さ
れると共に、機械的な変形及び粒子表面の酸化等により
導電性が低下するという問題点を有している。またこの
従来の導電性微粒子では、透明電極等の透明性が要求さ
れる分野への応用が不可能であった。
【0004】酸化インジウムや酸化錫等の薄膜は透明導
電体として一般的に使用されている。しかしながら、良
質の透明導電膜を得るためには、真空設備を必要とする
CVD法やスパッタ法を使用する必要があり、このため
膜の生産コストが高くなり、大面積化が困難になる。ま
たこれら薄膜は基盤温度が高いため、有機高分子基盤上
での成膜が困難であるという欠点を有している。
【0005】有機導電性ポリマーは、骨格が有機成分で
あるために、耐久性、導電性等の各種性能が充分ではな
く、問題点が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】本発明の目的は、上
記欠点のない導電性を備えたポリマー組成物及びその製
造方法を提供することにある。
【0007】
【問題点を解決するための手段】即ち、本発明によれ
ば、有機ポリマーを含有する溶液に導電性前駆体を溶
解、乾燥後、導電体に転換させてなる導電性を備えたポ
リマー組成物、及び有機ポリマーを含有する溶液に導電
性前駆体を溶解させた後、乾燥させ、次いで導電体に転
換させることを特徴とする導電性を備えたポリマー組成
物の製造方法が提供される。
【0008】本発明において、導電性前駆体としては、
乾燥後の有機ポリマー中に均一に溶解し得るものである
限り従来公知のものを広く使用できる。換言すれば、本
発明の導電性前駆体は、有機ポリマーを含有する溶液に
可溶であり且つ乾燥後有機ポリマー中に数百分子以下の
分子集合体として存在するもの、好ましくは有機ポリマ
ーを含有する溶液に可溶であり且つ乾燥後有機ポリマー
中に分子又は数十分子以下の分子集合体として存在する
ものである。
【0009】このような導電性前駆体としては、導電体
に転換させることができる遷移金属の無機塩又は錯体化
合物である限り特に限定されるものではなく、従来公知
のものを広く使用できる。
【0010】ここで遷移金属としては、例えば銅、イン
ジウム、錫、亜鉛、チタン、カドミウム、スカンジウ
ム、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ッケル、ガリウム、ストロンチウム、イットリウム、ジ
ルコニウム、モリブテン、テクネチウム、ルテニウム、
オジウム、パラジウム、銀、アンチモン、ハフニウム、
タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリ
ジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛、ビスマス、ラ
ンタノイド、アクチノイド等を挙げることができる。こ
れら遷移金属の中でも銅が好ましい。
【0011】上記遷移金属の無機塩は、遷移金属の陽イ
オンと陰イオンからなるものである。ここで陰イオンと
しては、例えばF- 、Cl- 、Br- 、I- 、CN-
の二成分酸の酸根、SO4 -2、NO3 - 、ClO4 -
PO4 -3等のオキソ酸の酸根等が挙げられる。本発明で
用いられる上記遷移金属の無機塩は、上記陽イオンと陰
イオンの各一種類からなる単塩、二種類以上からなる複
塩及び三重塩のいずれであってもよい。これらの中でも
上記遷移金属のハロゲン化物、特に塩化物及び臭化物は
導電体に転換された後、高導電性を示す傾向があるので
好ましい。
【0012】上記遷移金属の錯体化合物は、遷移金属の
陽イオンと配位子からなるものである。配位子として
は、例えばアセチルアセトナト基、アセタト基、アリー
ル基、2,2′−ビピリジン、ベンジル基、1,5−シ
クロオクタジエン、シクロオクタテトラエン、シクロペ
ンタジエニル基、シクロヘキシル基、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシド、トリフェニルホ
スフィン等が挙げられる。
【0013】本発明において、導電性前駆体としては、
上記遷移金属の無機塩及び錯体化合物の一種類を単独で
使用してもよいし、二種類以上を併用してもよい。例え
ば塩化第二銅と塩化第二錫とを併用することにより導電
性が向上し、塩化第二銅と塩化亜鉛とを併用することに
より透明性が改善される。
【0014】本発明を実施するに際しては、上記導電性
前駆体を有機ポリマーを含む溶液に溶解させた後、これ
を乾燥させて成型体にする。
【0015】本発明において、有機ポリマーは、上記導
電性前駆体と配位、静電、水素結合、化学結合等の相互
作用を有する有機ポリマーである。
【0016】このような有機ポリマーとしては、上記導
電性前駆体を溶解する能力を有するものである限り特に
限定されるものではないが、ヒドロキシ基、カルボキシ
ル基、アミノ基、スルホン酸基、アミド基、リン酸基、
エーテル基等の置換基を有し、且つ導電性前駆体を溶解
させ得る溶媒に可溶の有機ポリマーが好ましい。
【0017】斯かる有機ポリマーとしては、具体的には
ゼラチン、コラーゲンタンパク、カゼイン、寒天、カラ
ギーナン、ファーセレラン、タマリンドガム、ペクチ
ン、天然ガム等の天然水溶性ポリマー、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸フタル
酸セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カ
ルボキシメチルエチルセルロース等のセルロース系水溶
性ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコー
ル、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、
ポリオキサゾリン、ポリアクリルアミド、ポリN,N−
ジメチルアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリプロピ
ルアミン、ポリメタクリル酸、ポリN−ビニルホルムア
ミド、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリアクリロニト
リル、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
ポリフッ化ビニリデン等の合成水溶性ポリマーを例示で
きる。これらの中でも、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、
エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、ポリN,N−ジメチルアクリルアミド等が好適で
ある。
【0018】本発明では、上記有機ポリマーを一種類単
独で使用してもよいし、又は二種類以上を混合して使用
してもよい。また上記有機ポリマーを構成する各モノマ
ーのブロック、交互、ランダム及びグラフト共重合体の
いずれであってもよい。具体的にはビニルアルコールと
アクリルアミドとの共重合体、塩化ビニルデンとアクリ
ロニトリルとの共重合体等である。
【0019】有機ポリマーを含有する溶液を構成する溶
媒としては、有機溶媒、水又はこれらの混合物のいずれ
を用いてもよいが、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等
のエステル系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレン等の
芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン
等のエーテル系溶媒、水等を好ましく使用できる。これ
らの溶媒は一種類単独で又は二種類以上を混合して使用
され得る。
【0020】上記導電性前駆体を水溶性有機ポリマーを
含有する溶液に溶解させるに当り、導電性前駆体と有機
ポリマーの重量比は特に限定されないが、好ましくは導
電性前駆体/有機ポリマーの重量比=1/50〜5/
1、更に好ましくは導電性前駆体/有機ポリマーの重量
比=1/10〜2/1とするのがよい。
【0021】上記有機ポリマー溶液の濃度は特に限定さ
れないが、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは
1〜15重量%である。
【0022】本発明において、引続き行なわれる乾燥
は、自然乾燥であってもよいし、加熱乾燥であってもよ
い。加熱乾燥の場合は、乾燥温度は通常30〜300
℃、好ましくは40〜150℃がよい。乾燥時間は溶媒
が除去できる時間である限り特に限定されるものではな
いが、好ましくは1分〜60分程度でよい。
【0023】本発明では、次いで乾燥処理後、成型体中
の導電性前駆体を導電体に転換させて、導電性を備えた
ポリマー組成物とする。導電性前駆体から導電体への転
換は、例えば前記で得られた導電性前駆体を含む成型体
に硫黄化合物を接触させればよい。
【0024】硫黄化合物としては、S-2イオンを含む化
合物である限り特に限定されるものではないが、硫化水
素、金属硫化物、硫化四級アンモニウム塩等を好ましく
例示できる。
【0025】上記成型体に硫黄化合物を接触させるに当
っては、気相及び液相のいずれで接触させてもよい。
【0026】例えば、気相の場合は、硫化水素等の硫黄
化合物を含有する不活性ガスで充満した容器に上記成型
体を入れて接触させればよい。不活性ガスとしては、硫
化水素と化学反応するものでない限り特に限定されない
が、好ましくは空気、窒素、ヘリウム、アルゴン等を例
示できる。不活性ガス中の硫黄化合物の濃度は通常1〜
100重量%、好ましくは5〜60重量%でよい。また
接触時間は通常数秒〜数時間、好ましくは1分〜60分
間程度である。接触時の温度は特に限定されないが、好
ましくは室温付近である。
【0027】また、液相の場合は、上記硫黄化合物の溶
液に上記成型体を入れて接触させる。ここで用いられる
溶媒としても、上記と同様、有機溶媒、水又はこれらの
混合物のいずれを用いてもよいが、メタノール、エタノ
ール、プロパノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、トルエン、ベンゼ
ン、キシレン等の芳香族系溶媒、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、水等を好ましく
使用できる。これらの溶媒は一種類単独で又は二種類以
上を混合して使用され得る。硫黄化合物の濃度は通常
0.5〜60重量%、好ましくは1〜40重量%であ
る。接触時間は数秒〜数時間、好ましくは数分〜数十分
間である。接触時の温度は特に限定されないが、好まし
くは室温付近である。
【0028】上記本発明の方法は、膜状導電体の製造に
好適である。製膜方法は特に限定されないが、例えば、
ディッピング法、スピンコート法、スプレー法、塗布
法、印刷法等である。膜の厚さには特に制限されない
が、好ましくは1nm〜100μm、更に好ましくは1
00nm〜10μmである。
【0029】また本発明の方法は本発明は膜状導電体の
他、粒子状導電体、線状導電体等の製造にも適用でき
る。
【0030】本発明の方法においては、上記導電性前駆
体と有機ポリマーの溶液を用いるだけで導電性膜を製造
できるが、これをハードコート液、塗料、ペンキ等の表
面処理剤と混合して使用しても導電性膜を製造できる。
具体的には、有機ポリマーを含有する溶液に導電性前駆
体を溶解させ、これをハードコート液等と混合した後、
乾燥させ、次いで導電体に転換させるか、有機ポリマー
及びハードコート液等を含有する溶液に導電性前駆体を
溶解させた後、乾燥させ、次いで導電体に転換させるこ
とにより、所望の導電性膜を製造できる。
【0031】ハードコート液、塗料、ペンキ等の表面処
理剤としては特に制限されないが、例えば、ハードコー
ト液の場合はシリコン、チタン、アルミニウム、ジルコ
ニウム等のアルコキサイド、塩化物から調製したもので
よい。導電性前駆体とハードコート液中の固形分の重量
比は特に限定されないが、好ましくは導電性前駆体/ハ
ードコート液中の固形分の重量比=1/10〜50/
1、更に好ましくは1/5〜25/1である。
【0032】ハードコート液としては、上記導電性前駆
体を含有する有機ポリマー溶液と相溶性がある限り特に
限定されるものではないが、有機金属化合物から調製し
たゾルが好ましい。
【0033】有機金属化合物に含まれる金属は、炭化水
素基と加水分解性有機基とを有する限り特に制限され
ず、3価以上の金属であればよい。このような金属に
は、例えば、遷移金属、希土類金属、周期表III〜V
属の金属等が挙げられる。これらの金属を含む有機金属
化合物は、一種又は二種以上混合して使用できる。好ま
しい金属は、周期表IIIb族又はIV族に属する金属
である場合が多い。周期表IIIb族に属する金属に
は、例えば、Al等が含まれ、周期表IV族に属する金
属には、例えば、IVa族に属するTi、Zr等、IV
b族に属するSi等が含まれる。これらの金属のうち、
Al、Si及びTiが好ましい。
【0034】有機金属化合物が有する炭化水素基として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、プチル、ペンチル、ヘキシル等のアルキル基;シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等のシク
ロアルキル基;フェニル、ナフチル等のアリール基;ベ
ンジル、2−フェニルエチル等のアラルキル基等が挙げ
られる。これらの炭化水素基のうち、アルキル基(例え
ば、炭素数1〜4の低級アルキル基、特にメチル基、エ
チル基、プロピル基等)及びアリール基(例えば、フェ
ニル基)が好ましい。これらの炭化水素基は、塩素、臭
素等のハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、
メルカプト基、アルキルチオ基、カルボキシル基、アル
コキシカルボニル基、アミノ基等の置換基を有していて
もよい。
【0035】有機金属化合物が有する加水分解性有機基
には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ
プロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ等のアルコキシ基等が含まれる。こ
れらの加水分解性有機基のうち、アルコキシ基(例え
ば、炭素数1〜4の低級アルコキシ基、特にメトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基等)が好ましい。前記有
機金属化合物は、加水分解重合性を確保するため、少な
くとも2つの加水分解性有機基を有しているのがよい。
【0036】好ましい有機金属化合物には、下記式
(I)で表される化合物が含まれる。
【0037】 (R1 m M(OR2 x-m (I) (式中、R1 は置換基を有していてもよいアルキル基、
置換基を有していてもよいシクロアルキル基、置換基を
有していてもよいアリール基又は置換基を有していても
よいアラルキル基を示し、R2 は低級アルキル基を示
し、R1 及びR2 はmによって異なっていてもよい。M
は3価以上の金属を示す。Xは金属Mの価数を示し、m
は0、1又は2を示し、x−m≧2である。) 特に好ましい有機金属化合物には、下記式(II)で表
される有機ケイ素化合物が含まれる。
【0038】 (R1'n Si(OR2 4-n (I) (式中、R1'は置換基を有していてもよいアルキル基又
は置換基を有していてもよいアリール基を示し、R2
低級アルキル基を示し、R1'及びR2 はnによって異な
っていてもよい。nは0、1又は2を示す。)有機金属
化合物のうち、Alを含む化合物としては、例えば、エ
チルジエトキシアルミネート等が挙げられ、前記式(I
I)で表される有機ケイ素化合物としては、例えば、テ
トラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピ
ルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラ
ン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメト
キシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプ
ロポキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェ
ニルジエトキシシラン等が挙げられる。好ましい有機ケ
イ素化合物は、炭素数1〜4程度のアルキル基又はアリ
ール基を1又は2個有すると共に、炭素数1〜3程度の
アルコキシ基を2又は3個有する化合物、具体的には、
メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ジエチルジエトキシシラン、ジメチルジエトキシ
シラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ
トキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニ
ルジエトキシシラン等である。
【0039】これらの有機金属化合物は加水分解等によ
り部分的に縮合していてもよい。有機金属化合物は、同
種又は異種のものが一種又は二種以上使用できる。
【0040】尚、前記有機金属化合物には、組成物の硬
さ、柔軟性等を調整するため、必要に応じて、n=3の
モノアルコキシシランを添加してもよい。また、前記有
機金属化合物には、Vb族の化合物、例えば、メチルホ
スホナスジメチルエステル、エチルホスホナスジメチル
エステル、トリクロロメチルホスホナスジエチルエステ
ル、メチルホスホナスジエチルエステル、メチルホスホ
ニックジメチルエステル、フェニルホスホニックジメチ
ルエステル等のリン系化合物を添加してもよい。更に、
前記有機金属化合物には、少なくとも1つの加水分解性
有機基を有するアルカリ金属化合物やアルカリ土類金属
化合物を必要に応じて添加してもよい。アルカリ土類金
属化合物は、炭化水素基と加水分解性有機基との双方を
有していてもよい。
【0041】有機金属化合物は、そのままゾル調製に供
してもよいが、有機溶媒との混合液として使用し重合さ
せる場合が多い。有機溶媒としては、有機金属化合物の
種類に応じて、重合反応に不活性な適当な良溶媒、例え
ば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロ
パノール、ブタノール等のアルコール類;ジエチルエー
テル、ジオキサン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフ
ラン等のエーテル類;含窒素化合物(例えば、N−メチ
ルピロリドン、アセトニトリル等のニトリル類、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類
等);ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;及び
これらの混合溶媒等が使用される場合が多い。
【0042】有機金属化合物の加水分解重合は、酸触媒
の存在下で行なってもよい。酸触媒としては、例えば、
無機酸(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等);有機
酸(例えば、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオ
ロ酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸、メタンスルホン
酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のス
ルホン酸等)が例示される。前記触媒は、予め重合系に
存在させていてもよく、滴下等の方法により重合系に添
加してもよい。尚、触媒を用いない場合、例えば、50
〜150℃程度に加熱することにより、有機金属化合物
は容易にゲル化する。
【0043】重合反応は、有機金属化合物の加水分解性
に応じて、例えば、撹拌下、0〜150℃、好ましくは
室温〜120℃程度で行なうことができる。重合反応に
おいては、ゾルを熟成させることによりゲルを生成させ
てもよい。反応は、反応温度により異なるが、例えば、
1〜240時間程度で終了する。尚、重合反応は、不活
性ガスの存在下で行なってもよく、減圧下で行なっても
よい。また、加水分解重合に伴なって生成するアルコー
ルを除去しながら、重合してゾルを調製してもよい。
【0044】ゾル溶液中の固形分の量は特に限定されな
いが、好ましくは1〜10重量%である。
【0045】また本発明では、上記で調製されるゾルと
市販の有機又は無機ハードコート液とを混合して使用す
ることもできる。
【0046】本発明で製造される導電体の導電成分は金
属硫化物と推定できるが、X線回折の結果から導電体に
結晶のピークが認められず無定形であることが判明して
いる。このため、本発明で製造される導電性膜は、透明
で、表面抵抗は104 Ω/□〜101 Ω/□又はそれ以
下のオーダーである。本発明における「透明」とは、5
00nmの光に対しての通過率が90〜50%であるこ
とを意味する。また表面抵抗はJIS K6911に準
拠して測定したものである。
【0047】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明をより一層明ら
かにする。
【0048】実施例1 塩化銅2g及びヒドロキシプロピルセルロース5gをメ
タノール100mlに溶解して、コーティング溶液を調
製した。これを15cm/分の引き上げ速度でディッピ
ング法を用いてガラス基盤上に膜を形成させた。次い
で、これを室温で5〜15分間自然乾燥した後、膜を室
温で数分間硫化水素ガスに晒すことによって透明な導電
性膜を得た。得られた導電性膜の物理的性質を表1にま
とめて示す。
【0049】
【表1】
【0050】実施例2 塩化銅2g及びポリアクリルアミド5gを蒸留水70m
lとメタノール30mlの混合溶媒に溶解して、コーテ
ィング溶液を調製した。これを15cm/分の引き上げ
速度でディッピング法を用いてガラス基盤上に膜を形成
させた。次いで、これを室温で5〜15分間自然乾燥し
た後、膜を室温で数分間硫化水素ガスに晒すことによっ
て透明な導電性膜を得た。得られた導電性膜の物理的性
質を表2にまとめて示す。
【0051】
【表2】
【0052】実施例3 塩化銅2g、塩化亜鉛1g及びヒドロキシプロピルセル
ロース5gをメタノール100mlに溶解して、コーテ
ィング溶液を調製した。これを15cm/分の引き上げ
速度でディッピング法を用いてガラス基盤上に膜を形成
させた。次いで、これを室温で5〜15分間自然乾燥し
た後、膜を室温で数分間硫化水素ガスに晒すことによっ
て透明な導電性膜を得た。得られた導電性膜の物理的性
質を表3にまとめて示す。
【0053】
【表3】
【0054】実施例4 塩化銅2g及びヒドロキシプロピルセルロース5gをメ
タノール60mlに溶解して、コーティング溶液を調製
した。これを25cm/分の引き上げ速度でディッピン
グ法を用いてガラス基盤上に膜を形成させた。次いで、
これを室温で10〜25分間自然乾燥した後、膜を室温
で数分間硫化水素ガスに晒すことによって透明な導電性
膜を得た。得られた導電性膜の物理的性質を表4にまと
めて示す。
【0055】
【表4】
【0056】実施例5 テトラエトキシシラン10gにメタノール1.5g、蒸
留水2.1g及び35%塩酸0.1gを添加し、攪拌し
ながら室温で30分間反応させてシリカゾルを調製し
た。これにメタノール100mlに溶解した塩化銅2g
及びヒドロキシプロピルセルロース5gの溶液を加えて
コーティング溶液を調製した。これを15cm/分の引
き上げ速度でディッピング法を用いてガラス基盤上に膜
を形成させた。次いで、これを室温で5〜15分間自然
乾燥した後、膜を室温で数分間硫化水素ガスに晒すこと
によって透明な導電性膜を得た。得られた導電性膜の物
理的性質を表5にまとめて示す。
【0057】
【表5】
【0058】実施例6 テトラエトキシシラン10gにメタノール1.5g、蒸
留水2.1g及び35%塩酸0.1gを添加し、攪拌し
ながら室温で30分間反応させてシリカゾルを調製し
た。これにメタノール100mlに溶解した塩化銅2g
及びヒドロキシプロピルセルロース5gの溶液を加えて
コーティング溶液を調製した。これを15cm/分の引
き上げ速度でディッピング法を用いてガラス基盤上に膜
を形成させた。次いで、これを100℃で15〜20分
間加熱乾燥した後、膜を室温で数分間硫化ナトリウムで
飽和したメタノール溶液に浸すことによって透明な導電
性膜を得た。得られた導電性膜の物理的性質を表6にま
とめて示す。
【0059】
【表6】
【0060】比較例 1〜0.5ミクロンに粉砕した市販の硫化銅2gを、ヒ
ドロキシプロピルセルロース5gを溶解したメタノール
100mlの溶液に懸濁して、コーティング剤を調製し
た。これを15cm/分の引き上げ速度でディッピング
法を用いてガラス基盤上に膜を形成させた。次いで、こ
れを室温で15〜20分間自然乾燥することによって不
透明な膜を得た。得られた導電性膜の物理的性質を表7
にまとめて示す。
【0061】
【表7】
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、導電性、耐久性、透明
性等の諸性能に優れたポリマー組成物を製造し得る。こ
のポリマー組成物は、必要に応じて膜状導電体、粒子状
導電体、線状導電体等の各種形状のものに成形され得
る。
【0063】また本発明の方法を実施するに当っては、
真空設備を必要とするCVD法やスパッタ法に適用する
ことなく本発明のポリマー組成物が製造されるので、所
望のポリマー組成物が低コストで得られると共に、大面
積の導電性膜等の製造も可能になる。
【0064】更に本発明では、ポリマー組成物中に無定
形で連続的な導電相が形成されているので、導電性等の
電気的性質の信頼性は極めて高いものである。
【0065】従って、本発明の導電性を備えたポリマー
組成物は、透明性、高耐久性、高導電性を要求される各
種分野で応用が期待できる。例えばコンピューター、テ
レビ等のCRTの帯電防止膜;電子部品のEMI対策の
透明膜;低コスト透明電極材料;省エネの熱線防止ガラ
ス(窓ガラス、車のガラス);調光ガラスの透明電極;
電波吸収、反射ガラス、EL素子(キャリア発生、輸
送、発光層を一体化する);OPC材料;エネルギー変
換素子等に使用され得る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 5/18

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリマーを含有する溶液に導電性前
    駆体を溶解、乾燥後、導電体に転換させてなる導電性を
    備えたポリマー組成物。
  2. 【請求項2】 有機ポリマー及びハードコート液を含有
    する溶液に導電性前駆体を溶解、乾燥後、導電体に転換
    させてなる導電性を備えたポリマー組成物。
  3. 【請求項3】 導電性前駆体が銅の無機塩又は錯体化合
    物である請求項1又は請求項2に記載のポリマー組成
    物。
  4. 【請求項4】 導電性前駆体が塩化銅又は臭化銅である
    請求項1又は請求項2に記載のポリマー組成物。
  5. 【請求項5】 ポリマー組成物が膜状である請求項1〜
    請求項4に記載のポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 導電体が透明である請求項1〜請求項5
    に記載のポリマー組成物。
  7. 【請求項7】 有機ポリマーを含有する溶液に導電性前
    駆体を溶解させた後、乾燥させ、次いで導電体に転換さ
    せることを特徴とする導電性を備えたポリマー組成物の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 有機ポリマー及びハードコート液を含有
    する溶液に導電性前駆体を溶解させた後、乾燥させ、次
    いで導電体に転換させることを特徴とする導電性を備え
    たポリマー組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】 有機ポリマーを含有する溶液に導電性前
    駆体を溶解させ、次いで、これをハードコート液と混合
    した後、乾燥させ、更に導電体に転換させることを特徴
    とする導電性を備えたポリマー組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】 導電性前駆体を導電体に転換させるに
    当り、硫黄化合物を使用する請求項7〜請求項9に記載
    のポリマー組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009224343A (ja) * 2009-07-08 2009-10-01 Sumitomo Chemical Co Ltd 非水電解液二次電池用セパレータ

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