JPH0843661A - 光伝送チューブの窓材の突出長さ調節方法及び光伝送チューブ - Google Patents

光伝送チューブの窓材の突出長さ調節方法及び光伝送チューブ

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JPH0843661A
JPH0843661A JP6197474A JP19747494A JPH0843661A JP H0843661 A JPH0843661 A JP H0843661A JP 6197474 A JP6197474 A JP 6197474A JP 19747494 A JP19747494 A JP 19747494A JP H0843661 A JPH0843661 A JP H0843661A
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clad
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optical transmission
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JP6197474A
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Inventor
Masato Sugimachi
正登 杉町
Atsushi Hotta
篤 堀田
Minoru Ishiharada
石原田  稔
Itsuo Tanuma
逸夫 田沼
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】光源からの光が光伝送チューブの窓材から吸収
される際の口金部の温度上昇による熱劣化及び口金部の
周辺部材の劣化を防止できる光伝送チューブの窓材の突
出長さ調節方法及びその調節方法により調節された窓
材、又はロッドを備えた光伝送チューブを提供する。 【構成】透明コア1と、これより屈折率の低いクラッド
2と、該クラッド2の少なくとも一端部に嵌挿された透
明の光入射用窓材3と、この窓材3とクラッド2とを締
結固定する口金部4とを具備する光伝送チューブBの窓
材3の口金部4からの突出長さを下記式(1)を満たす
ように光伝送チューブAの窓材3の口金部4からの突出
長さを調節。 [但し、式中Lは窓材3の突出長さ、Dは窓材3の直
径、n1及びn2はそれぞれ窓材3及び窓材3の突出部分
外部(クラッド2)の屈折率]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光伝送チューブのクラ
ッドの一端部に光の入射用窓材を嵌挿して口金部で固定
する際に、窓材が口金部から突出する長さを調節する方
法及びその調節方法により口金部からの突出長さが調節
された窓材、又は光伝送機能を有するロッドを備えた光
伝送チューブに関し、更に詳述すると、特に、光源から
の光が光伝送チューブの上記窓材から吸収される際の口
金部の温度上昇による熱劣化及び口金部の周辺部材の劣
化を防止することができる光伝送チューブの窓材の突出
長さ調節方法及びその調節方法により調節された窓材、
又はロッドを備えた光伝送チューブに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
光伝送チューブのコア材として液状体、流動状体又は可
撓性固体が種々開発されており、特にコア材として液状
又は流動状のものを用いる場合には、光伝送チューブの
両端部に窓材を形成する必要がある。この窓材は、クラ
ッドの端部内側に嵌挿され、クラッドに周設された口金
部により締結固定されており、クラッド、窓材及び口金
部の各外側端部は通常一致している。そして、光が入射
される側に形成される窓材としては、透明なものが使用
され、光源からの入射光は、窓材の外側端部で屈折して
窓材内を通り、窓材と透明コアとの境界面で屈折して伝
送され、更にコア材とコア材より屈折率の低いクラッド
材との境界面で全反射を繰り返しながら伝送される。
【0003】ここで、光伝送チューブへの光入射方法と
して、光源の集光スポットに光伝送チューブの端面を置
いて光伝送チューブへ光を入射させることが行われてい
るが、この場合、端部の温度が極端に上がり、口金部の
締結が緩くなったり、口金部の熱劣化に関する不安が生
じる。また、場合によっては、光伝送チューブの端部が
燃焼する程に口金部の温度が上がってしまう可能性もあ
る。更に、光源が紫外線を含んでいる場合には、口金部
の周辺部材、即ち口金部に存在する部材、例えばクラッ
ド、窓材及び接着剤等が紫外線により劣化するという問
題も生じる。
【0004】しかしながら、光伝送チューブの透明材料
で構成されている部分は、光の吸収による発熱が非常に
少ないはずであり、上記現象が起こるという原因は不明
であった。
【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
口金部の温度上昇による熱劣化及び口金部の周辺部材の
光劣化を防止することができる光伝送チューブの窓材の
突出長さ調節方法及びその調節方法により調節された窓
材、又は突出した窓材と同様の効果を有するロッドを備
えた光伝送チューブを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を行った結果、上記の現象
は、口金部を構成する金属部分に原因があり、通常、口
金部に光が当たる場合は反射成分が多いとされるが、光
の一部は口金部に吸収されて口金部の温度上昇等を生じ
ることを見い出した。従って、集光部に口金部のような
光の吸収部がないことが望ましい状態であり、窓材を口
金部より突出させれば良いわけであるが、その突出長さ
が短すぎると、結局は口金部に強い光が当たることにな
っていまう。そのため、実際に集光部と口金部とを離隔
するとしても、どの程度集光部から離れた位置に口金部
を設置する必要があるのかを知るためには、どのように
して口金部に光が当たるのかという点について明確にす
る必要がある。
【0007】そこで、本発明者は、更に鋭意検討を行っ
た結果、光伝送チューブの端部に集光され、チューブ内
に入射される光の中には、窓材(又はチューブ端部)に
入射されてもチューブ内を伝送されずに途中で出射され
てしまう角度成分をもったものがあり、この出射光の一
部が口金部に吸収されることにより、口金部の温度上昇
が引き起こされることを見い出した。
【0008】即ち、チューブ内の光伝送に関与しないチ
ューブの入射端部の光の影響をなくすために口金部を後
退させるに当たり、Snellの法則を利用して光入射
端部における入射光の屈折又は反射について解析するこ
とにより、上記チューブ内を伝送されない入射光を窓材
の突出部分から全て出射されるように窓材の突出長さを
調節し、これにより口金部の発熱等を抑制することがで
きることを知見し、本発明をなすに至った。
【0009】即ち、本発明は、透明コアと、このコアよ
り屈折率の低いクラッドと、該クラッドの少なくとも一
端部に嵌挿された透明の光入射用窓材と、この窓材と上
記クラッドとを締結固定する口金部とを具備する光伝送
チューブの上記窓材の口金部からの突出長さを下記式
(1)を満たすように調節することを特徴とする光伝送
チューブの窓材の突出長さ調節方法及び下記式(1)に
より口金部からの突出長さが調節された窓材、又は口金
部より突出した窓材と同様の作用効果を有するロッドを
備えたことを特徴とする光伝送チューブを提供するもの
である。
【0010】
【数3】 [但し、式中Lは窓材の突出長さ、Dは窓材の直径、n
1及びn2はそれぞれ窓材及び窓材の突出部分外部の屈折
率である。]
【0011】以下、本発明を更に詳しく説明すると、本
発明の窓材の突出長さの調節方法に利用される上記式
(1)は、下記構成を有する光伝送チューブの窓材にお
ける光の挙動をSnellの法則を利用して解析するこ
とにより導き出されたものである。
【0012】図1に本発明の一例に係る光伝送チューブ
Aの一部分を示す。この光伝送チューブAは、透明なコ
ア1と、このコア1より屈折率の低い管状のクラッド2
と、クラッド2の一端部に嵌挿された透明の光入射用窓
材3と、クラッド2の一端部に周設されてクラッド2と
窓材3とを締結固定する口金部4とからなり、シングル
コアタイプに構成されたものである。窓材3は、クラッ
ド2の一端部に一部が嵌挿されており、他の部分は突出
している。そして、口金部4は、窓材3の嵌挿部をクラ
ッド2の外周面より締結するようにクラッド2に周設さ
れている。
【0013】なお、図1に示した光伝送チューブAの場
合は、クラッド2及び口金部4の外側端部が一致してお
り、窓材3の突出部分の外周面には何も周設されていな
いが、後述するように、口金部4から突出した窓材3の
外周面にクラッド2、又は窓材3より低い屈折率を有す
る周囲部材を周設すると、より好適である。
【0014】この光伝送チューブAにおいては、上記窓
材3の一端面から光が窓材3と空気との界面で屈折して
窓材3内に入射し、更に窓材3とコア1との界面で屈折
してコア1内に入射する。そして、コア1の屈折率より
も低い屈折率を有するクラッド材2を用いることにより
両者の界面で光の反射が起こり、この反射の繰り返しに
より一端より入射した光を図示しない他端まで伝えるよ
うになっている。
【0015】コア材としては、液状のものとして、ポリ
エチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、グリ
セリン等のポリオール類、ポリオールエステル類、ポリ
オールエーテル類、クロロエチレンホスフェート、ジク
ロロプロピルホスフェート等のリン酸エステル類、流動
パラフィン、フッ素油、シリコーンオイル、ポリイソブ
チレン、ポリシロキサン変性ポリエーテル、無機塩の水
溶液、ポリマーを適当な溶媒で希釈したポリマー溶液等
が使用され、これらの材料は、単独又は2種以上をブレ
ンドして用いることもできる。また、コア材は、粘性液
体状のものに限らず、固体状或いはゲル状のものを用い
ることもできる。例えばプラスチック、サーモエラスト
マー等の固体状物、エポキシ樹脂、液状シリコン、ポリ
ウレタン、アクリルモノマー、液状ポリブタジエン等の
硬化性液状物をクラッド2に充填し、硬化させたゲル状
のものであってもよい。
【0016】また、クラッド2は中空管状に形成され、
その材料としては、プラスチックやエラストマーなどの
ように可撓性を有し、チューブ状に成形可能で、屈折率
の低い材料を用いることが好ましい。その具体例として
はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、AB
S、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、
ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレン−ポリビニルアルコール共重合体、
フッ素樹脂、シリコン樹脂、天然ゴム、ポリイソプレン
ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエン共重
合体、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレ
ンゴム、アクリルゴム、EPDM、アクリロニトリル−
ブタジエン共重合体、フッ素ゴム、シリコーンゴムなど
が挙げられる。この中でも屈折率が低いシリコーン系ポ
リマーやフッ素系ポリマーが特に好ましく、具体的には
ポリジメチルシロキサンポリマー、ポリメチルフェニル
シロキサンポリマー、フルオロシリコーンポリマー等の
シリコーン系ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン
共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロア
ルコキシエチレン共重合体(PFE)、ポリクロルトリ
フルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−
エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオ
ライド、ポリビニルフルオライド、フッ化ビニリデン−
三フッ化塩化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−六
フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−六フッ
化プロピレン−四フッ化エチレン三元共重合体、四フッ
化エチレンプロピレンゴム、フッ素系熱可塑性エラスト
マーなどが挙げられる。これらの材料は単独又は2種以
上をブレンドして用いることもでき、単管又は多重管と
して用いることもできる。更に、コア液に接する内面の
みをコーティング又は二重押出しなどの方法により平滑
処理などの処理を行うこともできる。
【0017】光伝送チューブAの一端又は両端に形成さ
れる透明な窓材3としては、石英ガラス、パイレックス
ガラス、多成分ガラス、サファイヤ、水晶などの無機ガ
ラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ア
クリロニトリル・スチレン共重合樹脂、スチレン・ブタ
ジエン共重合体、アクリロニトリル・EPDM・スチレ
ン三元共重合体、スチレン・メチルメタクリレート共重
合体、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチ
ルペンテン、アリルジグリコールカーボネート樹脂、ス
ピラン樹脂、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリアリレート、ポリサルホン、
ポリアリルサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエー
テルイミド、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ジアリルフタレート、フッ素樹脂、ポリエステルカ
ーボネート、シリコン樹脂などの有機ガラスやプラスチ
ック透明材料を挙げることができる。この中でも石英ガ
ラス、パイレックスガラス、多成分ガラス等の無機ガラ
スは透明性のみならず、耐熱性にも優れ、また化学的に
も安定であるため、その内側端面で接触するコア1や、
その外側端面で接触するガスや水分とも化学的に反応せ
ず、長期的に優れた性能をもたらすことができる。この
窓材3は、特にコア1が液状又はゲル状の場合に特に必
要とされるものであるが、コア1が固体状の場合でも配
設される。なお、光入射側の窓材3、即ち、本発明の調
節方法により突出長さが調節される窓材3は透明である
ことが必要であるが、他端側は光の出射を必要としない
ときは不透明に形成し得る。この場合、他端側の窓材の
端面に光反射性を付与することが望ましい。
【0018】なお、光入射用窓材3の屈折率は、コア1
の屈折率とほぼ等しいものを用いることが望ましい。ま
た、光入射用窓材3の外側端面には、伝送しようとする
光波長範囲に対する反射防止膜を設けることが好まし
い。更に、入射光に紫外線又は赤外線が含まれる場合に
は、紫外線によるコア1の劣化を防いだり、赤外線によ
る温度上昇を防止するために、必要に応じて紫外線及び
/又は赤外線カット膜を光入射用窓材3の両端面の少な
くとも一方に設けることができる。窓材3自体が紫外線
及び/又は赤外線吸収性を有するものを用いても良い。
【0019】クラッド2と窓材3とを締結固定する口金
部4の材料としては、SUS、アルミニウム、銅、真ち
ゅう等の銅合金、スチール、チタン、ニッケル等の金属
を挙げることができ、また、締結方法としては、熱収縮
処理、接着処理、ホースバンド締結、ワイヤー素線によ
る巻き上げ、形状記憶合金による固定、スリーブ、0−
リング、パッキン等を介しての締め付け等の機械的な締
結を必要に応じて実施する。中でも、上記材料でなる金
属スリーブでクラッド2の外周面を被覆、嵌合させて、
該スリーブを圧縮変形させる加締め方法が好適である。
【0020】また、必要に応じ、上記クラッド2の外周
には、保護の目的で適宜な被覆材を被覆することができ
る。被覆材としてはプラスチック、エラストマー、金
属、ガラス、無機材料の中から選定することができる。
具体的には、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリスチレン、フッ素樹脂、ブ
チルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリウレタン、塩酸ゴム、天然ゴム、ポリ
イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴ
ム、アクリルゴム、EPDM、フッ素ゴム等の高分子材
料をコーティング、押し出し成形、或いはテープ状材料
の巻き付け、熱収縮処理などによりクラッド2に被覆す
ることができる。
【0021】更に、SUS、アルミ、銅、鉄などの金属
材料、或いは上記の高分子材料をパイプ状、蛇腹状、螺
旋状に成形したものの中に、コア1を充填したクラッド
2を挿入しても良い。更には金属材料をクラッド2外周
へ鍍金、蒸着、スパッタなどによりめっきすることによ
って金属膜で被覆することもできる。
【0022】これらの被覆材は単体あるいは他の材料と
の複合体として用いることもできる。なお、上記の被覆
材は光伝送チューブの保護だけでなく、遮光あるいは所
用部分だけを発光させる目的で設けることもできる。例
えば上記被覆材の所用部分に穴を開けたり、透明にする
とその部分から光が外に漏れ多数のスポット状あるいは
ライン状の発光体をすることができる。
【0023】そして、上記口金部4と被覆材とを一体と
して装着することも可能である。
【0024】なお、本発明の光伝送チューブAは、特に
制限されるものではないが、通常クラッド2内径を2〜
50mm程度として形成することができる。また、コア
1、クラッド2及び窓材3としては、各屈折率が1.4
〜1.6、1.3〜1.5及び1.4〜2であるものを
使用することが好ましい。
【0025】上記の構成でなる光伝送チューブAにおい
て、窓材3の屈折率をn1、窓材3の突出部分外部の屈
折率をn2とし、図1に示すように窓材3における開口
角をθ0、窓材3とその外部との界面における臨界角を
θcとし、窓材3の直径をD、口金部4からの突出長さ
をLとする。
【0026】ここで、開口角θ0は、空気の屈折率を1
としたときにSnellの法則により下記式(3)で決
まる角度である。
【0027】
【数4】 一方、臨界角θcは下記式(4)で与えられる。
【0028】
【数5】
【0029】このとき、θ0より小さい入射角で入った
光はすべて全反射することによって伝送され、θ0より
大きい入射角で入った光は窓材3とその外部周囲との界
面において全反射されることなく、大部分が外部に出て
しまう。
【0030】そして、図1(a)に示すように、窓材3
の中心部のほぼ1点に集光される場合、窓材3の中心点
から開口角θ0で入射した光が1回目に反射する位置ま
での窓材3の一端部からの長さをxとすると、下記式
(5)となり、突出長さLがxより大きいと、チューブ
A内を伝送されない入射光は、窓材3の突出部分から出
射する。従って、突出長さLを下記式(1)を満たすよ
うに調節すると、口金部4の温度上昇等を防止すること
ができる。
【0031】
【数6】
【0032】なお、一般の光源は、厳密には、点光源と
は言えないため、上記のように1点に集光することは難
しく、集光点は、ある程度の広がりを有するスポット状
になる。そのため、図1(b)に示すように、窓材3の
あらゆる点から様々な角度で光が入射すると考えた場
合、開口角θ0で入射した光の窓材3の一端部から1回
目に反射する位置までの最大値をyとすると、下記式
(6)が成立する。従って、突出長さLを下記式(7)
とすると、より効果的である。特に、集光スポット径と
コア径が同等であったり、コア径が小さい場合に効果的
である。
【0033】
【数7】
【0034】突出長さLは、上記式(1)を満たす限
り、特に制限されるものではないが、光伝送チューブの
端部の取り扱い、光源設計の便宜等を考えると、突出長
さLの値は、上記x(コア径によっては上記y)の5倍
以下、好ましくは3倍以下とすることが望ましい。
【0035】
【数8】
【0036】しかし、この場合であっても、窓材3がク
ラッド2により被覆された部分における臨界角θc’に
ついては、 cosθc’=n2’/n1(但し、ここでn2’はクラッ
ド2の屈折率) となる。クラッドの屈折率は1より大きいので cosθc<cosθc’ である。従って、窓材3は、突出部分における臨界角θ
cよりもクラッド2で被覆された部分における臨界角
θc’の方が小さくなる。そのため、窓材3の突出部分
を伝送された光の中で、クラッド2で被覆された部分か
ら出射する成分が存在し、その出射成分がクラッド2に
周設された口金部4の温度上昇等を生じせしめる場合も
ある。
【0037】上記のような臨界角の差異による口金部4
の温度上昇をなくすためには、前述したように、口金部
4から突出した窓材3の外周面に窓材3より低い屈折率
を有する周囲部材、特にクラッド2と同程度の屈折率を
有する周囲部材を窓材3の突出部分に周設すると好適で
あり、窓材3とクラッド2との外側端部を一致させ、こ
れらの口金部4からの突出長さを調節するとより好適で
ある。このようにすることで、光伝送チューブAの持つ
伝播モードのみが選択されるように、上記突出部分で全
反射条件をコントロールすることができる。
【0038】また、本発明の目的を達成するためには、
口金部4とクラッド2と窓材3との外側端部が一致した
光伝送チューブの場合、光伝送機能を有する透明ロッド
を窓材3の外側端面に対向させて配設することも有用で
ある。このとき、ロッドの長さ、つまり口金部からのロ
ッドの突出長さ(L’)は、上述した式(1)と同様に
して導かれた下記式(2)を満たすものである。
【0039】
【数9】
【0040】なお、式中D’はロッドの直径、n3及び
4はそれぞれロッド及びロッド外部の屈折率である。
【0041】このロッドは、上述した窓材の突出部分と
同様の効果を得るために設けられるものであり、窓材の
材料として上述したものを材料とすると好適である。ま
た、ロッドの直径は、窓材の直径と同じである必要はな
いが、同径である方が伝送効率が高くなるので望まし
く、更に、窓材の突出部分と同様にロッドより低い屈折
率を有する外周部を周設すると、より好適である。この
外周部を構成する材料はクラッド材として上述したもの
が好適である。そして、口金部からのロッドの突出長さ
L’は、上記式(2)を満たすのは勿論であるが、更
に、上記式(2)の計算値の5倍以下、特に3倍以下と
することが望ましい。
【0042】また、ロッドの配設方法は、ロッドからの
光を窓材に伝送することができる限り、その手段は限定
されない。例えば、単に口金部とクラッドと窓材との外
側端部とロッドとを突き合わせても良いが、この場合
は、反射ロスが大きいので、突き合わせ両面に金属酸化
物等の透明セラミックスの多層膜を施した反射防止コー
ティングを行う。また、一般的な透明接着剤により窓材
の外側端面と接着する方法も好適である。更に、外周部
をクラッドの端部に接続させた後に窓材と屈折率が同程
度のシリコーングリース等を充填する方法等も挙げるこ
とができる。
【0043】なお、このロッドは、光伝送チューブと一
体的に取り付ける必要はなく、光源側に取り付けること
も可能である。
【0044】
【実施例】以下、本発明の実施例及び比較例を示して、
本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に
制限されるものではない。
【0045】[実施例1]図2は、本発明の実施例1に
係る光伝送チューブBの光入射側の一端部の断面図であ
る。
【0046】この光伝送チューブBは、透明なコア1
と、屈折率(n2)が1.34の四フッ化エチレン−六
フッ化プロピレン共重合体(FEP)からなる管状のク
ラッド2と、直径(D)が13mm、屈折率(n1)が
1.46の石英ガラスからなり、クラッド2の一端部に
嵌挿された窓材3と、クラッド2の一端部に周設されて
クラッド2と窓材3とを締結固定する口金部4とからな
る。窓材3は、クラッド2の一端部にその全部が嵌挿さ
れている。そして、窓材3及びクラッド材2の先端部は
下記式により突出長さ(L1)が調節されて口金部4か
ら突出している。
【0047】なお、このとき、窓材3は上記コア1に密
着するようにクラッド2内側に嵌挿されている。
【0048】
【数10】
【0049】即ち、本実施例の窓材3の突出長さは20
mmであり、D=13mmのときの上記数式の計算値で
ある15.2mmより30%長いものである。
【0050】上記光伝送チューブBの窓材3からの入射
光による口金部4の温度を測定したところ、温度上昇は
認められなかった。
【0051】[実施例2]実施例2に係る光伝送チュー
ブCは、図3に示すように、クラッド2の外側端部と口
金部4の外側端部が一致しており、窓材3の突出部分の
外部が空気層(屈折率1)であり、窓材3の突出長さ
(L2)が下記式により調節されたものである以外は実
施例1と同様の構成である。
【0052】
【数11】
【0053】即ち、本実施例の窓材3の突出長さは10
mmであり、上記数式の計算値である6.1mmより6
4%長いものである。
【0054】この光伝送チューブCの窓材3からの入射
光による口金部4の温度を測定したところ、約20℃の
温度上昇が認められた程度であり、有意に温度上昇の防
止がなされていた。
【0055】[実施例3]実施例3に係る光伝送チュー
ブEは、図4に示すように、口金部4、クラッド2及び
窓材3の外側端部が一致したものであり、光伝送機能を
有するロッド5を口金部4から突出するように窓材3の
外側端面に接続させた以外は実施例1と同様の構成であ
る。
【0056】ロッド5は窓材3と同径に形成した上記石
英ガラス(屈折率n3=1.46)であり、その外周面
には上記FEP(屈折率n4=1.34)からなる外周
部6が周設されている。そして、ロッド5は、屈折率
1.47のシリコーングリースをはさんで窓材3の外側
端面に接続されている。
【0057】このとき、ロッド5の長さ(口金部4から
の突出長さ)L1’は、下記式を満たすものである。
【0058】
【数12】
【0059】即ち、ロッド5の突出長さ)L1’は20
mmであり、上記数式の計算値である15.2mmより
30%長いものである。
【0060】この光伝送チューブEのロッド5からの入
射光による口金部4の温度を測定したところ、温度上昇
は認められず、口金部の温度上昇を有効に防止してい
た。
【0061】[比較例1]比較例1に係る光伝送チュー
ブFは、図5に示すように、窓材3の突出部分がない以
外は実施例1と同様の構成である。
【0062】この光伝送チューブFの窓材3からの入射
光による口金部4の温度を測定したところ、80〜12
0℃の温度上昇が認められた。
【0063】
【発明の効果】本発明の光伝送チューブの窓材の口金部
からの突出長さの調節方法によれば、光源からの光が光
伝送チューブの端部から入射される際に、口金部の温度
上昇及びこれに伴う口金部の熱劣化と、口金部の周辺部
材の光劣化とを効果的に防止するように窓材の口金部か
らの突出長さが調節された光伝送チューブを得ることが
できる。また、光伝送機能を有するロッドが配設された
光伝送チューブによっても、同様の効果を得ることがで
きる。
【0064】そして、本発明は、例えば太陽集光、高出
力のランプ、紫外線ランプ等を光源とする光伝送チュー
ブに対して、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例に係る光伝送チューブの一部分の
断面図である。
【図2】実施例1の光伝送チューブの一部分を示す断面
図である。
【図3】実施例2の光伝送チューブの一部分を示す断面
図である。
【図4】実施例3の光伝送チューブの一部分を示す断面
図である。
【図5】比較例1の光伝送チューブの一部分を示す断面
図である。
【符号の説明】
A,B,C,E,F 光伝送チューブ 1 コア 2 クラッド 3 窓材 4 口金部 5 ロッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明コア(1)と、このコア(1)より
    屈折率の低いクラッド(2)と、該クラッド(2)の少
    なくとも一端部に嵌挿された透明の光入射用窓材(3)
    と、この窓材(3)と上記クラッド(2)とを締結固定
    する口金部(4)とを具備する光伝送チューブの上記窓
    材(3)の口金部(4)からの突出長さを下記式(1)
    を満たすように調節することを特徴とする光伝送チュー
    ブの窓材の突出長さ調節方法。 【数1】 [但し、式中Lは窓材の突出長さ、Dは窓材の直径、n
    1及びn2はそれぞれ窓材及び窓材の突出部分外部の屈折
    率である。]
  2. 【請求項2】 透明コア(1)と、このコア(1)より
    屈折率の低いクラッド(2)とを具備し、上記コア
    (1)の一端部から光が入射されると共に、この入射さ
    れた光が他端部に向けて伝送される光伝送チューブであ
    って、上記クラッド(2)の少なくとも光入射側の一端
    部に透明の光入射用窓材(3)が、口金部(4)により
    クラッド(2)と締結固定され、その口金部(4)から
    の突出長さが上記式(1)を満たすように調節されて嵌
    挿されたこと特徴とする光伝送チューブ。
  3. 【請求項3】 透明コア(1)と、このコア(1)より
    屈折率の低いクラッド(2)と、該クラッド(2)の少
    なくとも一端部に嵌挿された透明の光入射用窓材(3)
    と、この窓材(3)と上記クラッド(2)とを締結固定
    する口金部(4)とを具備し、上記窓材(3)から光が
    入射されると共に、この入射された光が他端部に向けて
    伝送される光伝送チューブであって、上記窓材(3)の
    外側端面に対向して透明ロッド(5)を上記口金部
    (4)からの突出長さが下記式(2)を満たすように配
    設したことを特徴とする光伝送チューブ。 【数2】 [但し、式中L’はロッドの突出長さ、D’はロッドの
    直径、n3及びn4はそれぞれロッド及びロッド外部の屈
    折率である。]
JP6197474A 1994-07-29 1994-07-29 光伝送チューブの窓材の突出長さ調節方法及び光伝送チューブ Pending JPH0843661A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6007210A (en) * 1995-09-12 1999-12-28 Denso Corporation Discharge lamp device having a light distribution compound lens

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6007210A (en) * 1995-09-12 1999-12-28 Denso Corporation Discharge lamp device having a light distribution compound lens

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