JPH0843388A - 被検組織に含まれる未知抗原を確認すること及び被検血清中に含まれる未知抗体を確認することを目的とするマ−カ− - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は被検組織に含まれる未知抗原を確認
すること及び被検血清中に含まれる未知抗体を確認する
ことを目的とする。 【構成】 単体である抗原を浸透させてあるろ紙を貼付
した陽性プレパラ−トを１枚、被検組織を貼付した組織
プレパラ−トを２枚用意する。陽性プレパラ−トに貼付
されている抗原に対する抗体を陽性プレパラ−トに滴下
し抗原抗体反応に基づく発色反応を確認する。同一の抗
体を組織プレパラ−トのうちの１枚に滴下し着色反応の
有無・態様により陽性プレパラ−トと同一の抗原の有無
を確認する。又、単体の抗原を貼付した陽性プレパラ−
トにヒト血清を滴下して抗原抗体反応を惹起せしめ発色
反応によりヒト血清に含まれる未知抗体を確認する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は被検組織に含まれる抗原
を確認するマ−カ−及び被検血清に含まれる抗体を確認
するマ−カ−に関する。

【０００２】

【従来の技術】

１、 請求項１に関する従来の技術 従来、被検組織に含まれる抗原を確認する装置としては
以下のようなものがあった。

【０００３】即ち、複数の抗原を含む可能性のある組織
を貼付した陽性プレパラ−トに、抗体を滴下し、抗原抗
体反応による発色反応を惹起せしめる。

【０００４】被検組織を貼付したプレパラ−トすなわち
組織プレパラ−トに抗体を滴下して、発色反応が起こる
かどうかを確認する。

【０００５】両者の同一性によって該被検組織に含まれ
る抗原を確認するというものである。 ２、 請求項２に関する従来の技術 従来、被検血清に含まれる抗体を確認する装置としては
以下のようなものがあった。

【０００６】即ち、複数の抗体を含む可能性のあるヒト
血清と単体の抗原を溶液中に混在せしめる。該溶液中に
おける抗原抗体反応による沈降反応の有無によって被検
血清中に含まれる抗体を確認するというものである。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】

１、 請求項１に関するもの 従来の装置では陽性プレパラ−トに貼付した組織に複数
の抗原が含まれている可能性があるため、Ａという抗原
に対する抗体を滴下するとＡ抗原のみならず他の抗原に
擬反応を起こしてしまうことがあり、被検組織に含まれ
る抗原を確定することが難しかった。

【０００８】又、各術者が陽性プレパラ−トをつくって
いるため、各施設、各術者間の抗原検出にバラツキが生
じて結果が統一できないという難点もあった。

【０００９】更に、現在ある陽性プレパラ−トは組織そ
のものを塗布しているため無限に同一のものを提供でき
ないという難点もある。

【００１０】本発明は、陽性プレパラ−トにおける擬
反応を起こさせず被検組織における抗原を確定するこ
と、各施設、各術者間の抗原検出のバラツキをなくす
こと、常に一定の陽性プレパラ−トを提供することを
目的としている。

【００１１】２、 請求項２に関するもの 従来の方法では溶液も沈降反応による凝集物も乳白色を
帯びており、目で確認しずらいという難点があった。

【００１２】本発明は、抗原抗体反応を明確に確認でき
る方法を提供することを目的としている。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

１、 請求項１に関するもの 上記目的を達成するために、本発明では陽性プレパラ−
トに組織ではなく、単体（一種類）の抗原を浸透させた
ろ紙を貼付したものである。

【００１４】２、 請求項２に関するもの 上記目的を達成するために、本発明では溶液中ではなく
プレパラ−ト上で抗原抗体反応による発色反応を惹起せ
しめるものである。

【００１５】

【作用】

１、 請求項１に関する作用 （１） 陽性プレパラ−ト上に一種類のみの抗原が存在
するため、擬反応を起こさず、被検組織に含まれる抗原
を精度高く確認できる。以下、詳述する。

【００１６】まずＡ抗原を浸透させてある陽性プレパラ
−トに、Ａ抗原に対する抗体を滴下し、抗原抗体反応に
よる発色反応を起こさせる。

【００１７】次に被検組織を貼付した組織プレパラ−ト
２枚のうちの１枚にＡ抗原に対する抗体を滴下し、残り
の１枚に対してＡ抗原に対して陰性の抗体を滴下して抗
原抗体反応による発色反応が起こるかを確認する。

【００１８】もし組織プレパラ−トのうちのＡ抗原に対
する抗体を滴下したものにつき、陽性プレパラ−ト上に
おけるのと同様の発色反応が起こり、且つ、陰性の抗体
を滴下した組織プレパラ−トに陽性プレパラ−トにおけ
る発色反応と同様の反応が起こらなければ、被検組織に
抗原Ａが存在することが確認できる。

【００１９】尚、Ａ抗原に対して陰性の抗体を滴下した
組織プレパラ−トは、Ａ抗原に対する抗体を滴下した組
織プレパラ−トにおいて他の抗原に擬反応を起こしたの
ではないことを確かめるために必要となるものである。

【００２０】（２） 単体の抗原を貼付することで、各
施設、各術者間のバラツキをなくすことができる。

【００２１】（３） 組織ではなく抗原そのものを貼付
するので、常に一定の陽性プレパラ−トを継続的に提供
できる。

【００２２】２、 請求項２に関するもの 陽性プレパラ−ト上で抗原抗体反応による発色反応を惹
起せしめるため明確な形で抗原抗体反応を確認できる。

【００２３】即ち、単体の抗原を貼付した陽性プレパラ
−トに被検血清を滴下し、抗原抗体反応を惹起せしめ
る。更にその上に抗ヒトイムノグロブリンウサギ抗体ビ
オチン標識を滴下し、次に標識酵素溶液で着色させ確認
する。

【００２４】

【実施例】

１、 請求項１に関する実施例 抗原は自然界に広く分布しているが、生体に侵入する場
合は一般に感染という。かかる感染の有無を調べるため
に本願発明を適用することもできる。

【００２５】例えば、ヘルペス抗原に感染しているかど
うかを調べるために、ヒトの臓器から組織をとりだし、
組織プレパラ−トを２枚作る。

【００２６】ヘルペス抗原を貼付した陽性プレパラ−ト
を１枚作る。

【００２７】そして、以上３枚のプレパラ−トにヘルペ
ス抗原に対する抗体を滴下してヘルペス抗原の有無を調
べ感染の有無を調べるのである。

【００２８】２、 請求項２に関する実施例 ヘルペス抗原に感染しているかどうかを調べるためにヒ
トの血清を取り出しヘルペス抗原を貼付した陽性プレパ
ラ−トに滴下する。

【００２９】該プレパラ−ト上での発色反応の有無によ
りヘルペス抗体の有無を調べるのである。

【００３０】

【発明の効果】

１、 請求項１に関する発明の効果 本発明の効果としては以下のようなことが挙げられる。

【００３１】 抗体に対する抗原は必ずあるからすべ
ての陽性プレパラ−トがつくれる。

【００３２】 同一陽性プレパラ−トを使用すること
で、各施設、各術者間のバラツキがなくなる。

【００３３】 単一抗原なので抗原を特定することが
容易である。

【００３４】 陽性プレパラ−トは、常に一定のもの
を継続的に提供できる。

【００３５】２、 請求項２に関する発明の効果 従来は抗原抗体反応が遊離下で起こっていたため反応が
起こっているかどうか確認しづらかった。

【００３６】本発明は抗原をプレパラ−ト上に固定して
いるため抗原抗体反応の有無を一目瞭然に確認できる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】組織を貼付した陽性プレパラ−ト１枚と、
   被検組織を貼付してあるプレパラ−ト（以下組織プレパ
   ラ−トという）２枚に抗体を滴下して抗原抗体反応によ
   る発色反応（免疫組織化学染色）を惹起せしめ、当該発
   色反応の同一性を確認することによって被検組織に含ま
   れる抗原を確認するという方法において、単体（一種
   類）の抗原を陽性プレパラ−トに貼付することを特徴と
   する被検組織に含まれる未知抗原を確認するマ−カ−。
2. 【請求項２】単体の抗原を貼付した陽性プレパラ−トに
   ヒト血清を滴下して抗原抗体反応を惹起せしめ発色反応
   によりヒト血清に含まれる未知抗体を確認するマ−カ
   −。