JPH0842361A - ガスタービンを運転する方法及びガスタービン制御システム - Google Patents

ガスタービンを運転する方法及びガスタービン制御システム

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JPH0842361A
JPH0842361A JP7095757A JP9575795A JPH0842361A JP H0842361 A JPH0842361 A JP H0842361A JP 7095757 A JP7095757 A JP 7095757A JP 9575795 A JP9575795 A JP 9575795A JP H0842361 A JPH0842361 A JP H0842361A
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    • F02C9/00Controlling gas-turbine plants; Controlling fuel supply in air- breathing jet-propulsion plants
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    • F02C9/28Regulating systems responsive to plant or ambient parameters, e.g. temperature, pressure, rotor speed
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05DINDEXING SCHEME FOR ASPECTS RELATING TO NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, GAS-TURBINES OR JET-PROPULSION PLANTS
    • F05D2270/00Control
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 望ましくない放出物及び音圧振動を低減させ
ることのできるガスタービンを運転する方法を提供す
る。 【構成】 本発明に係るガスタービン50を運転する方
法は、燃料空気比を選択された範囲内に維持するように
タービン50への燃料供給信号及び空気供給信号の変調
を協調させる工程を含んでいる。この協調させる工程
は、タービン速度誤差信号に従ってタービン燃料供給制
御信号を生成する工程と、予備タービン排気温度誤差信
号を速度誤差信号に従って修正することにより協調した
タービン排気温度誤差信号を発生する工程と、協調した
タービン排気温度誤差信号からタービン空気供給制御信
号を生成する工程とを含んでいる。協調したタービン排
気温度誤差信号を用いて、タービン燃料供給信号とター
ビン空気供給信号との協調をとり、こうしてガスタービ
ン50に供給される可燃混合物の燃料空気比を選択され
た範囲内に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般的にはガスタービ
ンに関し、特に、負荷が変化する状態の間にガスタービ
ンからの窒素酸化物(NOx)、未燃焼炭化水素及び一
酸化炭素(CO)等の望ましくない放出物(エミッショ
ン)を低減させるようにタービンを運転する方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、発電機に連結されたガスタービン
が発電用途に用いられている。ガスタービンは迅速に始
動し、運転時の負荷に相応しい速度までもっていくこと
ができるので、このようなユニットは通常、グリッド・
ピーク負荷(即ち、一定なグリッド・ベース負荷を超え
る電力要求スパイク)に対処するために用いるのに、蒸
気タービン・システムよりも有効であると考えられてい
る。そのため、ガスタービンは通常、変動負荷環境で使
用され、このような場合、ガスタービンは電力需要の頻
繁な増減に応答しなければならない。
【0003】ガスタービンにおける燃焼過程からの望ま
しくない放出物を低減させるために、ガスタービンの運
転を最適化することが望ましい。例えば、ガスタービン
の燃焼過程の結果として、窒素酸化物(NOx)、未燃
焼炭化水素及び一酸化炭素(CO)等の放出物が発生す
る。このような望ましくない放出物を、タービンの反応
区域の温度を制御することによって最小限に抑えること
ができる。この温度は、一方で、タービンの燃焼室に供
給される可燃混合物の燃料空気比(FAR(fuel-air r
atio))と密接に関連している。従って、最適な燃料空
気比(FAR)を維持することで、タービンからの望ま
しくない放出物が最小限に抑えられる。更に、最適な燃
料空気比(FAR)を維持することは、ガスタービンの
燃焼システムの運転適性を最適にすることにも有利であ
る。
【0004】現在のガスタービン制御システムは、分散
制御の戦略をとっているのが典型的である。即ち、ター
ビンへの燃料供給及びタービンへの空気供給を、タービ
ン性能の異なるパラメータの測定値を参照することによ
り制御する。このような分散制御システムでは、燃料制
御ループと空気制御ループとでの応答時間が異なること
になり、その結果、過渡負荷状態の間に燃料空気比(F
AR)が変動することになり、又、望ましくない放出物
及び内部燃焼音が増加する。
【0005】例えば、典型的なガスタービン・コントロ
ーラでは、タービンへの燃料供給を主として、タービン
パワー出力をそのタービンで駆動される発電機への電気
負荷要求と合致させることを追求するフィードバック・
ループを介して制御する。このフィードバックは、典型
的にはタービン速度を介してのものであり、速度誤差信
号(即ち、測定されたタービン速度の基準(又は設定
点)値からの変動)を処理して、タービンへの燃料供給
を適切に増減させる。このようなシステムにおけるター
ビンへの空気供給は典型的には、圧縮機空気流の幾何形
状(これは、実際のタービン排気温度と、排気温度に関
する基準値との誤差に基づいて制御される。)によって
決定される。圧縮機入口案内ベーンを、最適な排気温度
を得るのに必要なだけタービンへの空気流を増減するよ
うに位置調節する。従って、タービンにかかる負荷の変
化の結果として、タービンへの燃料流れの調節の応答の
方が、空気流れの調節の応答よりも速くなり、この状態
は、燃料流れ変化の効果がタービンの排気温度の変化と
して現れるまで変わらない。
【0006】定常状態運転(負荷要求の変化なし)にお
いてでさえ、制御システムのノイズ(例えば、感知ター
ビン速度の変動若しくは排気温度の変動)又はグリッド
周波数変動の結果として、制御システムは燃料流れと空
気流れとを頻繁に変化させるおそれがある。通常用いら
れているガスタービン制御システムにおいて、燃料供給
制御と空気供給制御との間の遅れ(即ち、現在の制御シ
ステムでは燃料が空気に先行する。)から生じる燃料空
気比(FAR)の変動を少なくする努力はほとんどがう
まくいっていない。例えば、空気流れループの利得を増
加させるか、燃料ループの利得を減少させるか、又は両
方を行うことにより、上述の遅れを少なくしようとする
と、制御システムは通常、振動の大きな、不安定領域に
近い応答領域に入る。
【0007】従って、本発明の目的は、定常状態又は過
渡運転中にガスタービンの望ましくない放出物を最小限
に抑えるガスタービンの制御方法及び装置を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、特にタービン負荷の過
渡状態の間に、タービンに供給される可燃混合物に実質
的に一定の燃料空気比を維持するガスタービンの制御方
法及び装置を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、ガスタービン燃料供
給(即ち、燃料流れ)制御信号と、空気供給(即ち、空
気流れ)制御信号とを、これらの信号を一層緊密に関連
させてタービン燃料空気比を所望の範囲内に維持するよ
うに協調させ、こうして望ましくない放出物を低減させ
ると共に、タービン燃焼器の運転可能範囲及び使用寿命
を増加することによりタービン性能及び運転適性を改良
する。
【0009】
【発明の概要】本発明によれば、燃焼過程における窒素
酸化物(NOx)及び一酸化炭素(CO)等の望ましく
ない放出物を低減させると共に音圧振動を低減させるよ
うにガスタービンを運転する方法が、タービンに供給さ
れる燃料空気可燃混合物の燃料空気比(FAR)を約
0.007〜0.035の選択された範囲内に維持する
ようにタービンへの燃料供給信号及び空気供給信号のそ
れぞれの変調を協調させる工程を含んでいる。この燃料
空気比値(ポンド/秒での燃料流れ対ポンド/秒での空
気流れの比)の範囲は、全速力、無負荷状態でのFAR
と、ベース負荷状態(タービンに全負荷)でのFARと
をそれぞれほぼ反映するものである。
【0010】好適な実施例では、燃料空気比(FAR)
を選択された範囲内に維持するように燃料供給信号及び
空気供給信号の変調を協調させる工程は、実際のタービ
ン速度を基準値と比較することにより速度誤差信号を発
生する工程と、実際のタービン排気温度を基準温度と比
較することにより予備タービン排気温度誤差信号を発生
する工程と、この速度誤差信号に従ってタービン燃料供
給(又は燃料流れ)制御信号を生成する工程と、前述の
予備タービン排気温度誤差信号をタービン速度誤差信号
に従って修正することにより、協調したタービン排気温
度誤差信号を発生する工程と、この協調したタービン排
気温度誤差信号に従ってタービン空気供給(又は空気流
れ)信号を生成する工程とを含んでいる。協調したター
ビン排気温度誤差信号を用いて、前述のタービン燃料供
給信号とタービン空気供給信号との間の協調をとり、こ
うしてガスタービンに供給される可燃混合物の燃料空気
比(FAR)を所望の選択された範囲内に維持する。例
えばガスタービンの常用負荷での運転状態全体にわたっ
ての過渡状態の間、実質的に一定の燃料空気比(FA
R)を維持する。
【0011】前述の協調したタービン排気温度誤差信号
を発生する工程は、前述の速度誤差信号を処理して温度
誤差修正信号を発生する工程を含んでいる。温度誤差信
号は典型的には、温度誤差の度数として表されるので、
温度誤差信号を予備タービン排気温度誤差信号に加算す
ると、協調したタービン排気温度誤差信号が得られる。
【0012】燃料供給信号は典型的には、アクチュエー
タに送られて、タービン燃料供給システムにおける燃料
ストローク基準信号を調節し、又、空気供給制御信号は
アクチュエータに送られて、タービンの入口案内ベーン
の角度を調節する。放出物の少ない(low emission)ガ
スタービン制御システムは、タービン制御ユニットを含
んでおり、このタービン制御ユニットは、複数のタービ
ン運転パラメータ信号を受け取るようにガスタービンに
接続されていると共に、選択された対応する調節機能制
御信号をガスタービンに与えるようにガスタービンに更
に接続されている。タービン制御ユニットは、タービン
の燃焼室に入る可燃混合物の燃料空気比FARが定常状
態及び過渡状態の運転中に、選択された範囲内に維持さ
れるように、タービン燃料供給及びタービン空気供給の
変調を協調させる手段を含んでいる。この燃料及び空気
供給の制御を協調させる手段は、それぞれの信号がター
ビンに送られる前に、タービン燃料供給制御信号に従っ
てタービン空気供給制御信号を修正する手段を含んでい
る。
【0013】タービン燃料供給及びタービン空気供給の
制御を協調させる手段は、燃料供給コントローラと、空
気供給コントローラとを有しているタービン制御処理ユ
ニットを含んでいる。燃料供給コントローラは、タービ
ン速度誤差信号を発生する第1の処理手段に接続されて
おり、空気供給コントローラは、予備タービン排気温度
誤差信号を発生する第2の処理手段に接続されている。
タービン制御処理ユニットは更に、燃料供給コントロー
ラ及び空気供給コントローラにそれぞれ接続されている
クロス・チャンネル・コントローラを含んでいる。クロ
ス・チャンネル・コントローラは、タービン速度誤差信
号を選択された伝達関数に従って処理して温度誤差修正
信号を発生する手段を含んでいる。空気供給コントロー
ラは更に、予備温度誤差信号を温度誤差修正信号で修正
して協調したタービン排気温度誤差信号を発生する手
段、例えば上述の2つの信号を加算する加算回路を含ん
でいる。
【0014】
【実施例】本発明の新規と考えられる特徴は、特許請求
の範囲に記載した通りである。本発明の構成及び動作方
法をその目的及び効果と共に更に明瞭にするために、以
下に図面を参照しながら、本発明を具体的に説明する。
図1は本発明による低放出物ガスタービン制御システム
のブロック図である。
【0015】図1に示すように、低放出物ガスタービン
制御システム100は、ガスタービン50に連結された
タービン制御ユニット110を含んでいる。ガスタービ
ン50は、燃料と空気との可燃混合物を燃焼室(図示し
ていない)で燃焼させる機関を含んでいる。可燃混合物
の燃焼により取り出されたエネルギの少なくとも一部
が、膨張するガス混合物によって抽出され、その膨張ガ
ス混合物はタービン・ブレードを通過し、そのブレード
によって駆動軸が回転する。タービンは通常、駆動軸を
介して発電機等の負荷に連結されている。
【0016】燃焼したガス混合物はタービンから排出さ
れ、典型的には大気中に放出される。排気ガスの温度
は、タービンの燃焼室内の反応区域の温度の関数であ
り、タービン制御ユニット110に接続されている熱電
対等から成っている温度センサ112によって典型的に
は測定される。タービン50のパワー出力は、タービン
50によって駆動される発電機に課せられた電気負荷に
よって決定される。タービン速度等のパラメータが、制
御ユニット110に接続されている1つ以上の速度セン
サ113によって検出される。典型的には、タービン5
0は更に、電気負荷(ワット)を検出する1つ以上のセ
ンサ114を含んでおり、1つ以上のセンサ114は、
同じく制御ユニット110に接続されている。
【0017】制御ユニット110は、速度誤差回路12
0と、タービン排気温度誤差回路130と、速度誤差回
路120に接続されている燃料供給コントローラ140
と、排気温度誤差回路130に接続されている空気供給
コントローラ150と、燃料供給コントローラ140及
び空気供給コントローラ150にそれぞれ接続されてい
るクロス・チャンネル・コントローラ160とを含んで
いる。燃料供給コントローラ140と、空気供給コント
ローラ150とは、ガスタービン50にそれぞれ接続さ
れており、タービン50の燃焼室に導入される可燃混合
物を形成している燃料及び空気の導入をそれぞれ支配す
るアクチュエータを制御する。燃料供給コントローラ1
40と、空気供給コントローラ150とは、タービン燃
焼器への燃料流れ及び空気流れを制御する手段をそれぞ
れ含んでいる。
【0018】速度誤差回路120は、タービン速度誤差
(エラー)信号を発生するプロセッサを含んでいる。こ
のような誤差信号は、測定パラメータ(本実施例では、
実際のタービン速度)の実測値をタービン速度に関する
基準(又は設定点)値と比較することにより発生され
る。速度誤差回路120は、センサ113から実際のタ
ービン速度信号(このような信号に濾波、その他の処理
をしてもよい。但し、フィルタ回路は図示していな
い。)を受け取るように接続されており、所望の質の信
号を発生する。実際のタービン速度出力信号が速度誤差
回路120において、タービン速度に関する基準値と比
較される。速度基準プロセッサ122が、所定の運転環
境(例えば、所定量の電力を配電する運転環境)に関す
る基準(又は設定点)値を与える。典型的にはタービン
運転者がこの基準値を選択する。速度誤差回路120に
よって発生されたタービン速度誤差信号は、燃料供給コ
ントローラ140に印加される。又は、上述したタービ
ン速度フィードバック系統に加えて、センサ114から
の電気負荷フィードバックを速度誤差回路120に接続
して負荷調節を向上させる。
【0019】タービン排気温度誤差回路130は、予備
タービン排気温度誤差信号を発生するプロセッサを含ん
でいる。このような誤差信号は、タービン排気温度の実
測値をタービン排気温度に関する基準(又は設定点)値
と比較することにより発生される。排気温度誤差の基準
値は、温度基準プロセッサ132において決定されてお
り、典型的には、タービン圧縮機吐出し圧、外気温度等
の種々のパラメータの関数である。タービン排気温度誤
差回路130は、センサ112からの実際のタービン排
気温度信号を受け取るように接続されている。タービン
排気温度誤差回路130が発生する誤差信号をここで
は、「予備」タービン排気温度誤差信号と称するのは、
この信号はまだ、本発明に従って、燃料供給コントロー
ラ130が発生する燃料供給制御信号と、空気供給コン
トローラ150が発生する空気供給制御信号とを所望通
りに協調させるように修正されていないからである。速
度誤差回路120は空気供給コントローラ150に接続
されているので、この予備タービン排気温度誤差信号は
空気供給コントローラ150に印加される。
【0020】燃料供給コントローラ140は典型的に
は、制御ループ・レギュレータ142、例えば比例積分
アルゴリズム制御ループ・レギュレータを含んでおり、
このレギュレータにおいて、タービン速度誤差信号は、
選択された伝達関数(図面では、K1 (s) として示
す。)に従って処理されて燃料流れ信号を発生する。こ
うして、例えば、タービンの実際の速度が基準(又は設
定点)速度よりも低いことを示す速度誤差信号が燃料供
給コントローラ140で処理されて、対応する燃料流れ
信号を発生し、タービンへの燃料流れを増加させて、タ
ービンを基準速度での運転に戻す。調節機能プロセッサ
142は典型的には、タービンの燃料供給システムにお
ける燃料制御弁のストロークを制御するアクチュエータ
52に接続されているので、タービン燃焼器への燃料流
れは、制御ループ・レギュレータ142で発生された燃
料流れ制御信号に対応している。
【0021】本発明によれば、クロス・チャンネル・コ
ントローラ160は燃料供給コントローラ140に接続
されており、燃料供給コントローラ140からタービン
速度誤差信号を受け取る。クロス・チャンネル・コント
ローラ160は典型的には、タービン速度誤差信号を選
択された伝達関数に従って処理して温度誤差修正信号を
発生するように構成されているデジタル・コントローラ
を含んでいる。本発明の一実施例では、温度誤差修正信
号は温度誤差の度数(例えば、華氏の度数°F)として
表現されるので、温度誤差修正信号を排気温度誤差回路
130によって発生される予備タービン排気温度誤差信
号と簡単に組み合わせることができる。速度誤差信号に
適用される特定の伝達関数は、速度誤差信号の対応する
度数表示の温度誤差信号への適当な変換を行うように選
択されている。即ち、対応する度数表示の温度誤差信号
は、排気温度誤差回路130によって発生される予備タ
ービン排気温度誤差信号に加えられたときに、燃料供給
制御信号と空気供給制御信号との間の遅れを所望通りに
減少させ、このようにして可燃混合物の燃料空気比を選
択された範囲内に維持するようなものである。所定のタ
ービン設備に対して用いられる特定の伝達関数は、その
特定形状のタービンの空気及び燃料チャンネルの過渡応
答を合致させるように選択されている。
【0022】クロス・チャンネル・コントローラ160
に用いられる伝達関数の一例は、次のように表すことが
できる。 H(s)=A/(Bs+1) ここで、H(s)は伝達関数を表し、Aは利得(ゲイ
ン)を表し、Bは時定数を表し、sはラプラス変数を表
す。
【0023】この伝達関数は、温度誤差を比例形式で且
つ時間の関数として修正することにより、タービンの所
望の制御を行う。簡単に述べると、補正量は「A」(ゲ
イン)によって支配されており、補正を行う時間は
「B」(時定数)によって支配されている。他の伝達関
数(例えば、(As+1)/(Bs+1))も特定の設
備に適当なものとして用いることができる。用いられる
特定の伝達関数にかかわりなく、クロス・チャンネル・
コントローラは度数表示の温度誤差信号を発生し、この
信号は、予備タービン排気温度誤差信号と共に導入され
たときに、燃料空気比(FAR)を所望の範囲に維持す
るタービン燃料供給及び空気供給の協調を達成する協調
済み(coordinated )温度誤差信号を発生する。更に、
各伝達関数H(s)について、タービンを空気供給制御
信号の余りに大きな瞬時変化から保護するように、出力
信号に限界を設定することが典型的である。例えば、温
度誤差修正信号が最大値(本実施例では、例えば25°
F)以下となるように、伝達関数を選択することが典型
的である。
【0024】空気供給コントローラ150は、加算回路
152を含んでいる。加算回路152は、誤差回路13
0によって発生される予備タービン排気温度誤差信号
と、温度誤差修正信号とをそれぞれ受け取り、予備ター
ビン排気温度誤差信号を温度誤差修正信号で修正するよ
うに接続されている。典型的には、このような修正は、
(例えば、温度誤差修正信号が温度誤差の度数で表示さ
れている場合には)2つの信号を共に加算することによ
り行われる。こうして得られた修正済み信号は、協調済
みタービン排気温度誤差信号を構成している(このよう
に呼ぶのは、温度誤差信号が今や、速度誤差信号からの
協調入力を反映するように修正されているからであ
る。)。
【0025】空気供給コントローラ150は更に、調節
機能プロセッサ154を含んでいる。調節機能プロセッ
サ154は、協調済みタービン排気温度誤差信号を受け
取り、その協調済み温度誤差信号を選択された伝達関数
(図面では、K2 (s) として示す。)に従って処理し
て、空気供給信号を発生するように接続されている。従
って、例えば、タービンが基準(又は設定点)温度より
も高温になっていることを示す協調済み排気温度誤差信
号が、空気供給コントローラ150で処理されて、対応
する空気供給信号を発生し、タービンへの空気流れを増
加させて、タービン排気温度を基準値に戻す。空気供給
コントローラ150は空気流れアクチュエータ54に接
続されているので、空気流れ制御信号はアクチュエータ
54に送られて、タービン50の入口案内ベーンの角度
を制御する。
【0026】運転時には、本発明のクロス・チャンネル
・コントローラは、燃焼過程における音圧振動を低減さ
せることにより、並びに特にタービンが発電機の負荷の
変化に応答しつつある過渡状態の間に、ガスタービン5
0からの窒素酸化物及び一酸化炭素の望ましくない放出
物を低減させることにより、タービン性能を改善する。
タービンへの燃料供給及び空気供給の両方を能動的(ア
クティブ)に変調する過渡運転中に、燃料空気比(FA
R)は選択された範囲内で実質的に一定に保たれる。ほ
とんどのタービンにおいて、低い負荷状態では、空気供
給は一定に保持される(即ち、入口案内ベーンを動かさ
ず、燃料供給のみを変調する。)。これは、燃料供給を
変化させるにつれて、燃料空気比FARに大きな変動が
生じる状況である。しかしながら、タービン運転におい
て最も関心を払うべきものは、タービンへの電気負荷が
変化する場合のような、負荷状態にあるタービン運転で
ある。この運転方式においては、タービン燃料供給及び
空気供給の両方を変調し、そして本発明によれば、この
過渡運転の間に、燃料空気比FARを比較的一定に維持
することができる。定常状態燃料空気比FARは、全速
力、無負荷状態(即ち、いつタービンに負荷をかけても
よい状態)での0.007からベース負荷状態(即ち、
タービンに全負荷がかかっている状態)での0.035
までの範囲内に維持される。
【0027】特に過渡運転中に燃料空気比FARを実質
的に一定に維持すると、音圧振動の大きさと、ガスター
ビンからの放出物とが減少する。本発明に従ってタービ
ンへの燃料供給及び空気供給の変調を協調制御する結果
として生じる燃料空気比FARの変動の大きさは、本発
明のクロス・チャンネル式燃料及び空気供給制御を行わ
ないコントローラで観察されるFAR変動の大きさの約
1/3から1/4である。従って、例えば、燃料供給信
号及び空気供給信号の協調した変調を行うことにより、
燃焼器における振動のピーク音圧を約1/3に軽減し、
そしてピーク振動が起こる周波数も小さくなる。このた
め、燃焼器は、燃焼器振動モードを引き起こす外部擾乱
(例えば、負荷過渡)の存在下でより低温になる。本発
明は更に、過渡運転中にFARの変動を最小にすること
により、望ましくない物質(例えば、窒素酸化物、未燃
焼炭化水素及び一酸化炭素等)の放出量を、協調のない
制御システムよりも少なくする。
【0028】本発明の方法を、ガスタービン50によっ
て駆動する発電機に課せられる電気負荷を増加させる場
合を例にとって、具体的に説明する。この電気負荷が原
因で、最初にタービンは遅くなり、その結果、周波数が
低下し、この周波数の低下が速度センサ114によって
検出される。実際のタービン速度信号が速度誤差回路1
20において、選択されたタービン基準速度(例えば、
発電機の所望の周波数出力、例えば60Hzに対応する
基準速度)と比較され、タービン速度誤差信号を発生す
る。この速度誤差信号は、燃料供給コントローラ140
において処理されて、タービン燃料流れ信号を発生し、
この信号によってタービンへの燃料流れを増加させる
(その結果、燃料空気混合物の燃焼中に、より多くのエ
ネルギが取り出され、タービンは選択された基準速度に
戻る。)。センサ112によって検出された実際のター
ビン排気温度は、タービン排気温度誤差回路130にお
いて、排気温度に関する選択された基準値(基準温度
は、タービンにおける種々の物理的パラメータ、例えば
圧縮機吐出し圧、外気温度等に基づいて決定されてい
る。)と比較され、予備タービン排気温度誤差信号を発
生し、この信号は空気供給コントローラ150に送られ
る。負荷が増大する本実施例では、実際のタービン排気
温度は、(燃料供給信号の変化の結果として)追加の燃
料をタービンに供給される可燃混合物に付加するまで変
化しない。燃料空気比(FAR)がよりリッチになるに
つれて、又、タービンの燃焼室内の反応区域の温度が上
昇するにつれて、排気温度は上昇する。
【0029】本発明の方法によれば、タービン速度の変
化を検出すると直ちに、予備タービン排気温度信号をク
ロス・チャンネル・コントローラ160によって発生さ
れる温度誤差修正信号で修正することにより、協調した
タービン排気温度誤差信号が発生される。速度誤差信号
を選択された伝達関数に従って適切に処理するので、得
られた温度誤差修正信号は、予備タービン排気温度誤差
信号に加算されると、燃料供給信号と空気供給信号との
対応をとり、こうしてタービンに供給される混合物の燃
料空気比(FAR)を実質的に一定に維持する。空気供
給信号を調節するために修正済み速度誤差信号を用いる
ことにより、燃料供給信号及び空気供給信号を協調的に
制御することができるので、タービン運転の過渡状態を
補償するために燃料供給信号と空気供給信号との間に遅
れがほとんど又は全く存在しない。
【0030】以上、本発明のいくつかの特徴のみを具体
的に図示し説明したが、当業者であれば種々の変更及び
改変が可能である。特許請求の範囲は、このような変更
及び改変のすべてを本発明の要旨の範囲に入るものとし
て包含する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による放出物を低減させたガスタービン
制御システムのブロック図である。
【符号の説明】
50 ガスタービン 100 ガスタービン制御システム 110 タービン制御ユニット 112 温度センサ 113 速度センサ 114 負荷センサ 120 速度誤差回路 130 タービン排気温度誤差回路 140 燃料供給コントローラ 150 空気供給コントローラ 160 クロス・チャンネル・コントローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベンジャミン・アール・バルクレイ アメリカ合衆国、ペンシルバニア州、エリ ー、ペアス・パーク・ナンバー9、1442番 (72)発明者 ブルース・ゴードン・ノーマン アメリカ合衆国、ニューヨーク州、チャー ルトン、メイプルウッド・ドライブ、17番

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 望ましくない放出物及び音圧振動を低減
    させるようにガスタービンを運転する方法であって、 前記タービンに供給される燃料空気可燃混合物の燃料空
    気比を約0.007〜0.035の選択された範囲内に
    維持するようにタービンへの燃料供給信号及び空気供給
    信号のそれぞれの変調を協調させる工程を備えたガスタ
    ービンを運転する方法。
  2. 【請求項2】 前記ガスタービン内の前記燃料空気混合
    物は、該タービンへの燃料供給及び空気供給の両方が変
    調される該タービンの負荷運転状態にわたって実質的に
    一定に維持される請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 実際のタービン速度を選択されたタービ
    ン基準速度と比較することにより、速度誤差信号を発生
    する工程と、 実際のタービン排気温度を選択されたタービン排気基準
    温度と比較することにより、予備タービン排気温度誤差
    信号を発生する工程と、 前記速度誤差信号に従ってタービン燃料供給制御信号を
    生成する工程と、 前記予備タービン排気温度誤差信号を前記タービン速度
    誤差信号に従って修正することにより、協調したタービ
    ン排気温度誤差信号を発生する工程と、 該協調したタービン排気温度誤差信号からタービン空気
    供給信号を生成する工程とを更に含んでおり、 前記協調したタービン排気温度誤差信号は、前記ガスタ
    ービンにおける燃料空気混合物を前記選択された範囲内
    に維持するように前記タービン燃料供給信号と前記ター
    ビン空気供給信号との協調をとる請求項1に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 前記協調したタービン排気温度誤差信号
    を発生する工程は、温度誤差修正信号を発生するように
    前記速度誤差信号を処理する工程を更に含んでいる請求
    項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記速度誤差信号を処理する工程は、伝
    達関数H(s)=A/(Bs+1)に従って行われ、H
    (s)は伝達関数を表し、Aはゲインを表し、Bは時定
    数を表し、sはラプラス変数を表している請求項4に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記温度誤差修正信号は、温度誤差の度
    数として表され、 前記協調したタービン排気温度誤差信号を発生する工程
    は、前記温度誤差修正信号と前記予備タービン排気温度
    誤差信号とを加算する工程を含んでいる請求項4に記載
    の方法。
  7. 【請求項7】 前記温度誤差修正信号は、約25°Fの
    最大絶対値を有している請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 変調した前記燃料供給制御信号及び空気
    供給制御信号を前記ガスタービンに連結されたそれぞれ
    のアクチュエータに印加する工程を更に含んでいる請求
    項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記タービンへの空気供給信号は、ター
    ビン入口案内ベーンの角度を制御するために印加される
    請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記燃料供給信号は、前記タービン用
    の燃料ストローク基準信号を制御するために印加される
    請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記タービンは、発電機に連結されて
    いる請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記望ましくない放出物は、窒素酸化
    物(NOx)を含んでいる請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記望ましくない放出物は、一酸化炭
    素(CO)と、未燃焼炭化水素とを更に含んでいる請求
    項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 燃料と空気との可燃混合物を形成する
    ように燃料及び空気供給が変調されるガスタービンから
    の望ましくない放出物を減少させると共に該ガスタービ
    ンにおける音圧振動を減少させるガスタービン制御シス
    テムであって、 複数のタービン運転パラメータ信号をそれぞれ受け取る
    ようにガスタービンに接続されていると共に、選択され
    た対応する調節機能制御信号を前記ガスタービンに印加
    するように該ガスタービンに接続されているタービン制
    御ユニットを備えており、 該タービン制御ユニットは、前記タービンの燃焼室に入
    る前記可燃混合物の燃料空気比が定常状態及び過渡状態
    の運転中に、選択された範囲内に維持されるように、ガ
    スタービン燃料供給及びガスタービン空気供給の制御を
    協調させる手段を含んでおり、 該燃料供給及び空気供給の制御を協調させる手段は、タ
    ービン空気供給制御信号をタービン燃料供給制御信号に
    従って、該それぞれの信号が前記タービンに印加される
    前に修正する手段を含んでいるガスタービン制御システ
    ム。
  15. 【請求項15】 前記タービン内の前記燃料と空気との
    混合物の前記選択された範囲は、約0.007〜0.0
    35である請求項14に記載のシステム。
  16. 【請求項16】 前記燃料供給及び空気供給を協調させ
    る手段は、前記タービン内の前記燃料と空気との混合物
    が、燃料供給及び空気供給の両方を前記タービン・コン
    トローラにより変調する前記ガスタービンの負荷運転状
    態にわたって実質的に一定に維持されるように構成され
    ている請求項15に記載のシステム。
  17. 【請求項17】 前記タービン燃料供給及びタービン空
    気供給の制御を協調させる手段は、タービン制御処理ユ
    ニットを含んでおり、該処理ユニットは、燃料供給コン
    トローラと、空気供給コントローラとを更に含んでいる
    請求項14に記載のシステム。
  18. 【請求項18】 前記タービン制御処理ユニットは、 前記燃料供給コントローラに接続されており、基準ター
    ビン速度信号と実際のタービン速度信号とを比較してタ
    ービン速度誤差信号を発生する第1の処理手段と、 前記空気供給コントローラに接続されており、基準ター
    ビン排気温度信号と実際のタービン排気温度信号とを比
    較して予備タービン排気温度誤差信号を発生する第2の
    処理手段と、 前記燃料供給コントローラと前記空気供給コントローラ
    とにそれぞれ接続されているクロス・チャンネル・コン
    トローラとを更に含んでいる請求項17に記載のシステ
    ム。
  19. 【請求項19】 前記クロス・チャンネル・コントロー
    ラは、前記タービン速度誤差信号を選択された伝達関数
    に従って処理して温度誤差修正信号を発生する手段を含
    んでいる請求項18に記載のシステム。
  20. 【請求項20】 前記空気供給コントローラは、前記予
    備温度誤差信号を前記温度誤差修正信号で修正して協調
    したタービン排気温度誤差信号を発生する手段を更に含
    んでいる請求項19に記載のシステム。
  21. 【請求項21】 前記予備温度誤差信号を修正する手段
    は、前記予備タービン温度誤差信号と前記温度誤差修正
    信号とを受け取るように接続されており、該予備タービ
    ン温度誤差信号と該温度誤差修正信号とを加算して前記
    協調したタービン排気温度誤差信号を発生する加算回路
    を含んでいる請求項20に記載のシステム。
  22. 【請求項22】 前記タービンは、発電機に連結されて
    いる請求項14に記載のシステム。
  23. 【請求項23】 前記望ましくない放出物は、窒素酸化
    物(NOx)と、未燃焼炭化水素と、一酸化炭素(C
    O)とを含んでいる請求項14に記載のシステム。
  24. 【請求項24】 前記空気供給コントローラは、前記タ
    ービンに設けられている入口案内ベーン角度アクチュエ
    ータに接続されている請求項14に記載のシステム。
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