JPH06193463A - ガスタービン発電所における燃焼器内への冷却剤の注入量の制御装置及び方法 - Google Patents

ガスタービン発電所における燃焼器内への冷却剤の注入量の制御装置及び方法

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JPH06193463A
JPH06193463A JP5252549A JP25254993A JPH06193463A JP H06193463 A JPH06193463 A JP H06193463A JP 5252549 A JP5252549 A JP 5252549A JP 25254993 A JP25254993 A JP 25254993A JP H06193463 A JPH06193463 A JP H06193463A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガスタービン発電所の燃焼器内に注入される
冷却剤流量を自動制御してNOx排出物レベルを低減す
るための装置及び方法を提供する。 【構成】 ガスタービン発電所では、天然ガス燃料及び
/又は油の燃焼により生じた窒素酸化物のレベルを低減
するため冷却剤が燃焼器(110,110′)内に注入
される。タービンサイクル効率を上げると共に燃焼器内
に消炎が起こる程度まで冷却剤を過剰注入する恐れを無
くしながらNOx排出物レベルを低減するようにするた
め、制御装置(124)は燃焼器内への冷却剤の注入量
を制御する。PID制御装置(126)を用いて制御装
置内に百分率誤差バイアスを生じさせ、それにより冷却
剤注入量の調整動作がタービン効率を向上させる態様で
タービン負荷に追従するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一般に一又は二以上のガ
スタービンを備えた発電所に関し、特に燃焼プロセス中
に生じたNOx排出物量の低減のため、ガスタービンの
燃焼器内への冷却剤の注入量を自動制御する装置及び方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ガスタ
ービン発電所の燃焼器内で天然ガス燃料や油を燃焼させ
ると、相当な量の窒素酸化物排出物が生じることが知ら
れている。NOx排出物量レベルを低減するために、冷
却剤、例えば蒸気又は水が燃焼器内に注入される。周知
のように、燃焼器内に注入される蒸気又は水は、天然ガ
ス燃料及び油の燃料中におけるかかる燃料の温度を下
げ、その結果、燃焼プロセスで生じるNOxの量が少な
くなる。
【0003】ガスタービン排気装置内におけるNOx排
出物量を低減するために燃焼器内への蒸気及び水の注入
量を制御するためのシステム、例えばマーテンズ氏等に
付与された米国特許第4,160,362 号に開示されているよ
うなシステムが公知である。かかる米国特許では、所望
レベルのNOx排出物量を達成するのに必要な程度を越
えて蒸気又は水を過剰注入すると、その結果、タービン
全体中における質量流量が不必要にも増加してサイクル
効率が低下する問題が認識されている。したがって、発
電所を高効率で操業するためには、NOx排出物に関す
る必要減少程度を損なわないで、燃焼器内への冷却剤流
量を適正に制限することが望ましい。
【0004】一般に、NOxの生成量を測定するための
センサがタービン排気装置の煙突内に配置されている。
燃焼器内への蒸気及び水の流量を制御するのに用いられ
る制御装置に対する入力としてNOxセンサの出力を用
いることが望ましい。しかしながら、センサは完全には
動作しない場合があるので信頼性に欠ける。
【0005】かくして、NOxセンサの不信頼性の説明
のため、燃焼器内への蒸気又は水の流量をタービン負荷
の関数として予め定める。基準の負荷対流量曲線(以
下、基準負荷流量曲線」ともいう)と称されるこの機能
は、動作ユニットに対して実際に行われる排出物試験又
はそれに類似した操作から予め定められる。現場での試
験中、所定のNOx目標値に基づき、所望のNOx目標
値でNOx排出物を実際に生じさせる蒸気又は水の流量
は、タービン負荷の関数としてプロットされる。したが
って、実際の運転状態の間、特定のタービン負荷におい
てNOx排出物の所望の目標値レベルを生じさせるのに
必要な蒸気流量目標値は、基準負荷流量曲線から決定さ
れる。次に、この曲線から得たパラメータを燃焼器内へ
の冷却剤流量を制御するシステム内で使用することがで
きる。
【0006】しかしながら、環境条件、即ち、燃焼器領
域の周囲温度やタービン運転条件、例えば入口ガイド羽
根の位置の変化はこの基準負荷流量曲線に影響を及ぼ
す。これら変数は所望のNOx排出物量レベルを生じさ
せるのに実際に必要な蒸気流量に影響を及ぼす。基準負
荷流量曲線が生じたときにはこれら変数を考慮に入れな
いので、この曲線には或る量の誤差が入り込む。この誤
差を説明するために、センサにより測定された実際のN
Oxレベルを制御装置内でパラメータとして用いてかか
る基準曲線を調整する。しかしながら、後述するよう
に、センサが或る条件下では完全には働かないことが知
られているのでこの調整には限度がある。
【0007】特定のタービン負荷の場合における実際の
運転状態の間、所望目標値レベルのNOxを生じさせる
ために、蒸気流量設定値を基準負荷流量曲線から定め
る。制御サイクルの開始時、各種の弁は、蒸気又は水を
この設定流量でタービン燃焼器内へ注入する。しかしな
がら、基準曲線に誤差があるので、センサにより測定さ
れたNOxの実際の生成レベルはNOx目標値から大抵
の場合においてばらつきを生じることになる。かくし
て、制御装置はこの誤差を考慮して弁が蒸気流量目標値
と比べて多い又は少ない量の蒸気を注入してセンサによ
って測定されたNOxレベルをNOx目標値に達するよ
うにしなければならない。
【0008】基準負荷流量曲線と関連した変数条件に起
因する誤差を測定するための冷却剤注入制御装置で使用
できる各種装置が公知である。かかる装置の一例とし
て、前記米国特許に開示された加算器である。測定誤差
を用いて基準負荷流量曲線から導かれた蒸気流量も調整
する。その目的は、その基準負荷流量曲線に影響を及ぼ
す変数を説明するためである。
【0009】たとえば、図1は、従来技術に従って加算
装置を用いて得られたものを表す調整された基準負荷流
量曲線を示している。破線は、調整された蒸気流量目標
値を示している。理解されるように、加算装置は、誤差
の大きさが曲線上の全ての点で同一であるような離散量
で誤差を生じさせる。かくして、かかる加算装置は制御
装置の直線バイアスを与える。
【0010】しかしながら、冷却剤注入装置における直
線バイアス制御を可能にする装置を用いても場合によっ
ては非能率的であり、ガスタービンに損傷を与える場合
がある。図1に示すように、制御装置が直線バイアス制
御装置を用いる場合、冷却剤注入装置が測定する誤差の
量、かくして、冷却剤注入装置が動作する誤差範囲は、
タービンが高負荷状態にあるときと同様、低負荷状態に
あるときも同一である。かくして、NOx測定レベルが
NOx目標値よりも大きい場合、誤差の原因を説明する
ために蒸気流量目標値を越える調整は、高負荷であろう
と低負荷であろうと同一になろう。高タービン負荷で
は、蒸気を追加してもその量は蒸気流量目標値よりもほ
んの僅か増えるに過ぎない。制御装置が低負荷状態にお
けるかかる増加に応動する場合、弁はNOx排出物レベ
ルを低減させるのに必要なレベル以上のレベルで冷却剤
を注入し、かくして、タービン効率が低下することにな
る。また、冷却剤の過剰注入が燃焼器の消炎の発生原因
となり、その結果、タービンが異常状態になって場合に
よっては損傷する恐れがある。
【0011】流体注入装置内で直線バイアス制御装置を
用いることにより起こる問題は、二以上のガスタービン
が単一の排出物用煙突に連結され、煙突には複数のガス
タービンのためにNOxセンサが一つしか設けられてい
ない場合に面倒になる。例えば、2つのガスタービンが
単一の煙突に連結されていて、起動条件の間において
は、両方のガスタービンがオンライン状態になり、一つ
のタービンしかその時点において蒸気注入を行わない場
合、蒸気注入が動作中であるユニットは両方のユニット
からの総合NOxレベルに基づいてその蒸気流量を調整
することになり、過剰注入の恐れが高くなる。また、2
つのガスタービンが単一の煙突に連結され、両方がオン
ライン状態にあるが、各々が異なる負荷で動作している
場合、制御変数を合計して制御装置の直線バイアスを用
いると、ユニットが相互に競合することになる。
【0012】したがって、NOx排出物レベルの低減の
ため、ガスタービン発電所の燃焼器内への冷却剤流量を
自動制御する装置及び方法を提供することが望ましく、
制御装置はシステムパラメータの百分率バイアスを与え
る装置を使用する。本発明はこの要望に応える装置及び
方法を提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、天然ガ
ス及び/又は油を燃焼させる少なくとも一つの燃焼器を
備えた少なくとも一つのガスタービンを有するガスター
ビン発電所において、各燃焼器内に注入される冷却剤の
流量を制御する装置及び方法に関し、該方法は、NOx
排出物量目標値と発電所で生じたNOx排出物量測定値
の百分率誤差を表す第1の信号を発生する段階を含む。
この信号は、基準負荷流量曲線に組み込まれた誤差の説
明のために、所定の冷却剤流量目標値を調整するのに用
いられる。調整された冷却剤流量目標値と冷却剤注入絞
り弁によって注入された冷却剤流量の測定値の百分率誤
差を表す第2の信号を発生させる。絞り弁を通過し燃焼
器内へ注入される冷却剤流量を第2の信号に従って制御
する。PID制御装置は、入力パラメータ間の百分率誤
差信号の発生のために用いられる。冷却剤流量目標値に
対する調整を制限して燃焼器内への冷却剤の過剰注入を
防止する。本発明は、冷却剤を二又は三以上のガスター
ビンの中に注入するためにNOxセンサのみが制御装置
内に使用されているような発電所で用いるのに最適であ
る。
【0014】
【実施例】本発明に従って構成された燃焼タービン又は
ガスタービン100が図2に示されている。本明細書で
説明する実施例では、ガスタービン100は好ましく
は、ウエスチングハウス・エレクトリック・コーポレイ
ション製のW−501D5タイプであって定格速度が3
600rpmの単サイクル形である。図面から明らかな
ように、タービン100は、二軸受単軸構造のコールド
エンドパワードライブ/軸方向排気装置を有している。
濾過された入口空気が、フランジ付き入口マニホルド1
04を通って入口管路106から多段軸流圧縮機102
に流入する。加圧された圧縮機出口空気が、ケーシング
114の部分112内でガスタービンの長さ方向軸線の
周りに円錐形状に設けられた全部で14個の筒形環状燃
焼器から成る燃焼装置108内へ差し向けられる。
【0015】燃焼器11内における天然ガス燃料及び/
又は油の燃焼中に生じたNOx排出物の制御は、冷却剤
を燃焼器110内へ注入することにより達成される。本
発明の好ましい実施例では、燃焼器110内へ注入され
る冷却剤は蒸気である。別の実施例では冷却剤は空気で
あり、さらに別の実施例では冷却剤は蒸気と空気の混合
物である。
【0016】図3は、本発明に従ってシステムの状態に
具体化された構造の概略平面図である。好ましい実施例
では、2つのガスタービン100,100′が単排気排
出物煙突120に連結されている。煙突120は、両方
のガスタービンで生じたNOx排出物の合計レベルを測
定するための一つのセンサ122を有している。制御装
置124は、所定のNOx目標値とタービン100,1
00′によりセンサ122のところに生じているNOx
排出物の合計の百分率誤差を測定する。制御装置124
の出力は、各タービン100,100′について所定の
冷却剤流量目標値を調整するのに用いられる。調整され
た冷却剤流量目標値は、絞り弁128,128′により
各燃焼器110,110′内へ注入された冷却剤流量の
実測値と共にタービン毎に第2の制御装置126,12
6′に入力される。制御装置126,126′は、調整
された冷却剤流量目標値と冷却剤流量の実測値の百分率
誤差を測定する。制御装置126,126′の百分率誤
差出力は、絞り弁128,128′からの燃焼器11
0,110′内への冷却剤の注入量を制御するのに用い
られる。その目的は、NOx排出物レベルを所望のNO
x目標値に維持することにある。
【0017】好ましい実施例では、制御装置124,1
26,126′は、比例積分及び微分形(即ち、PI
D)制御装置である。PID制御装置は、2つの入力パ
ラメータの偏差を認識して2つのパラメーター間の偏差
を統合してゼロにする。周知のように、PID制御装置
は、統合を行いながら或る誤差範囲内で動作する。制御
装置の出力信号は、2つの入力パラメータ間の偏差をゼ
ロにしようとしてこの誤差範囲からプラスかマイナスの
いずれかに逸脱する。本発明によれば、PID制御装置
は、プラスかマイナスのいずれかの百分率で表された誤
差の範囲内で動作し、出力信号は百分率誤差を表す。か
くして、2つの入力パラメータの偏差の読みがゼロの場
合、PID制御装置は満足され、出力信号はゼロ百分率
誤差になろう。したがって、制御装置の偏り(バイア
ス)は、直線的偏り制御ではなく百分率に基づく。
【0018】本発明によれば、PID制御装置の百分率
誤差の範囲は可変である。高い範囲では、PID制御装
置の出力信号を用いると、冷却剤流量の目標値の調整の
度合いが大きくなる。好ましい実施例では、PID制御
装置124及び制御装置126,126′の百分率誤差
範囲は約−100%〜+100%である。
【0019】図4は、図3に示す実施例についてガスタ
ービン100,100′により生じたNOxの量を制御
するために、燃焼器110,110′内への冷却剤の流
量を制御する方法の流れ図である。ブロック300で
は、所定のNOx排出物の目標値と、発電所で生じ、セ
ンサ122のところで測定されたNOx排出物の生成量
の実測値との百分率誤差を表す信号を制御装置124で
発生させる。300で発生した信号を、ブロック302
において、その信号を表すパラメータに変換する。ブロ
ック304,304′では、302の出力を用いて各ガ
スタービン100,100′の冷却剤流量の目標値を調
整すると共に調整後の冷却剤流量の目標値を表す第2の
パラメータを生じさせる。したがって、302の出力信
号により、両方のガスタービン100,100′につい
ての冷却剤流量の目標値を同一割合で調整できる。
【0020】ブロック306,306′では、制御装置
126,126′により、各ガスタービン100,10
0′について、調整後の冷却剤流量の目標値パラメータ
と冷却剤流量の測定値の百分率誤差を表す第2の信号が
出される。308,308′では、注入絞り弁128,
128′を介して燃焼器110,110′内へ注入され
る冷却剤流量は306,306′からの信号に従って制
御される。
【0021】図5を参照すると、NOx目標値とNOx
測定値の百分率誤差を生じさせるために、オペレータ
は、NOx目標値をブロック310でシステムに入れ
る。NOx目標値は政府の環境汚染管理基準に基づいて
予め定められている。両方のガスタービン100,10
0′により生じたNOxの実際の合計レベルはブロック
312において、排気煙突120内のセンサ122によ
って測定される。ブロックブロック310,312の出
力パラメータはブロック314でPID制御装置に入力
される。314におけるPID制御装置からの百分率誤
差信号出力は、ブロック316においてこの百分率誤差
を表すパラメータに変換される。312で測定したNO
xの実際レベルが310におけるNOx目標値よりも大
きい場合、314におけるPID制御装置の出力は正の
百分率誤差であろう。したがって、NOxの測定レベル
が目標値よりも小さい場合には、百分率誤差は負という
ことになる。
【0022】基準負荷と流量の曲線から定まり、ガスタ
ービン負荷及び所望のNOx目標値レベルに基づく各ガ
スタービン100,100′についての冷却剤流量目標
値を、ブロック318,318′でシステムに読み込
む。ブロック316における百分率誤差パラメータ出力
を用いてブロック318,318′からの冷却剤流量目
標値を調整する。その目的は、負荷流量曲線に組み込ま
れた誤差を補償することにある。ブロック320,32
0′では、316からの百分率誤差出力と318,31
8′からの冷却剤流量目標値とを掛け合わせることによ
り冷却剤流量目標値を調整して調整後の冷却剤流量目標
値に達するようにする。314におけるPID制御装置
からの百分率誤差出力が正の場合、冷却剤流量目標値に
対する調整動作はその目標値における百分率増加にな
り、負の百分率誤差の場合には冷却剤流量目標値におけ
る減少となる。図6は、本発明による調整後の負荷流量
曲線を示している。破線は、320又は320′におけ
る調整後の冷却剤流量目標値に基づき、システムが動作
する誤差範囲を表している。図示のように、低タービン
負荷における誤差調整度合いの大きさは、高タービン負
荷における場合比べて小さい。かくして、低負荷状態に
おける冷却剤の過剰注入の恐れは、直線的バイアス制御
システムと比べると、小さい。2つのユニットが互いに
異なる負荷で動作する場合、各ユニットは同一割合だけ
NOx排出物レベルの減少に貢献することになる。ま
た、冷却剤の追加により生じる質量流量の増加を考慮す
ると、サイクル効率はガスタービンの負荷容量全体を越
えて最大限になると共にNOx排出物レベルにおける必
要な減少が得られる。
【0023】ブロック320,320′における冷却剤
流量目標値に対する調整動作に制限を与えると、NOx
センサが完全に故障している場合でも、場合によっては
燃焼器内において消炎が起きる程度まで冷却剤が燃焼器
内に過剰注入されることはないようにすることができ
る。冷却剤流量目標値における変化百分率は予め決まっ
ている。この所定の変化百分率は、PID制御装置の最
大百分率誤差出力における冷却剤流量目標値に対する最
大の調整度合いを表す。図7及び図8は、かかる制限の
効果を示している。例えば、PID制御装置の誤差範囲
が−100%〜+100%であると仮定する。調整に何
ら制限が無ければ、314においてPID制御装置から
読み取られる+100%の変化百分率は、その目標値の
100%の冷却剤流量目標値における調整、即ち増加に
等しい。したがって、図7に破線で示すように、2つの
パラメータ間には直線的な関係が生じる。制限がある場
合、冷却剤流量目標値に対する調整の度合いが±10%
の変化百分率に制限されるものとすると、314におい
てPID制御装置から読み取られる+100%の変化百
分率は、その目標値の10%の冷却剤流量目標値におけ
る調整、即ち増加に等しい。この場合も、図7に破線で
示すように、2つのパラメータ間の直線的な関係が生じ
る。図8の基準負荷流量曲線によりかかる制限の効果が
示されている。破線で示すように、冷却剤流量目標値に
対する調整は冷却剤流量目標値の所定の変化百分率の範
囲に制限されており、制限無しの調整の場合よりも小さ
い。
【0024】冷却剤流量目標値における変化百分率の大
きさは、可変であり、冷却剤流量を制限するよう選択さ
れる。その目的は、燃焼器内の過剰噴霧を回避すること
にある。好ましい実施例では、冷却剤流量目標値の変化
百分率は±10%である。これにより確実に、蒸気の最
大流量を蒸気流量目標値よりも10%多くすることがで
き、かくして消炎が起こる程度の過剰噴霧の恐れを無く
すると共に蒸気注入動作中、排出物が許容レベルに十分
納まるようにする。変化百分率について異なる大きさも
本発明の技術的範囲内であり、かかる値を基準負荷流量
曲線の正確さに基づいて選択できる。
【0025】ブロック326,326′では、各ガスタ
ービン100,100′について弁128,128′に
より燃焼器110,110′内へ注入される実際の冷却
剤流量レベルをシステムに入力する。この冷却剤流量の
測定値及び320,320′からの調整後の冷却剤流量
目標値を各ガスタービンについてブロック328,32
8′で第2のPID制御装置に入力する。ブロック32
8,328′では、PID制御装置は百分率誤差信号を
発生する。
【0026】328,328′における百分率誤差出力
を用いてブロック330,330′において冷却剤注入
絞り弁に対する要求量を制御する。320,320′に
おける調整後の冷却剤流量目標値が326,326′に
おける実際の冷却剤流量レベルよりも大きい場合、測定
されたNOxレベルはNOx目標値よりも大きい。した
がって、ブロック328,328′における百分率誤差
信号出力は、その量においての絞り弁に対する要求量の
百分率増加を行うことができ、一層多くの冷却剤が燃焼
器内へ注入されてNOx排出物のレベルが減少するよう
になる。320,320′における調整後の冷却剤流量
目標値が326,326′における実際の冷却剤流量レ
ベルよりも小さい場合、測定されたNOxレベルはNO
x目標値よりも小さく、誤差信号により絞り弁に対する
要求量の減少が行われる。目標値よりも小さな実際のN
Ox排出物レベルが所望の状態であるが、絞り弁に対す
る要求量をその割合だけ減少させる。その目的は、ガス
タービン全体中の不要な質量流量を減少させることにあ
る。かくして、本発明による制御装置は、タービンのサ
イクル効率を最大にしながらタービンによって生じたN
Oxレベルを制御することができる。
【0027】燃焼器110内に注入される冷却剤の流量
の本発明による制御は百分率バイアス制御に限定されな
い。したがって、基準負荷流量曲線の誤差範囲がガスタ
ービンの運転負荷範囲にわたって不定の場合の制御も本
発明の技術的範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来型制御装置による誤差調整を表す、横軸に
基準負荷、縦軸に冷却剤流量をとった曲線を示すグラフ
図である。
【図2】本発明に従って動作するよう構成された発電所
機器で用いられる工業用ガスタービンの正面図である。
【図3】本発明に従ってシステムの状態に具体化された
構造の概略平面図である。
【図4】図3に示す構造を動作させる本発明の方法の流
れ図である。
【図5】本発明を実施する方法の流れ図である。
【図6】本発明による誤差調整を表す、横軸に基準負
荷、縦軸に冷却剤流量をとった曲線を示すグラフ図であ
る。
【図7】本発明による制御パラメータをプロットしたグ
ラフ図である。
【図8】本発明による誤差調整を表す、横軸に基準負
荷、縦軸に冷却剤流量をとった別の曲線を示すグラフ図
である。
【符号の説明】
100,100′ ガスタービン 102 軸流圧縮機 108 燃焼システム 110,110′ 燃焼器 120 煙突 122 センサ 124,126,126′ 制御装置 128,128′ 絞り弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アシム アーロン フォン シーレン アメリカ合衆国 フロリダ州 ウインター パーク ブランディーウッドサークル 7525 ナンバー276

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの燃焼器を備えた少なく
    とも一つのガスタービンを有し、更に、前記少なくとも
    一つの燃焼器内に注入される冷却剤の流量を制御すると
    共に冷却剤の流量を測定する装置を有するガスタービン
    発電所において、前記少なくとも一つのガスタービンに
    より生じたNOx排出物の量を測定する検出手段と、N
    Ox排出物量目標値とNOx排出物量測定値の百分率誤
    差を表す第1の信号を発生する第1の制御装置手段と、
    調整された冷却剤流量目標値と冷却剤流量の百分率誤差
    を表す第2の信号を発生する第2の制御装置手段とを有
    し、該第2の制御装置手段は、前記冷却剤流量目標値を
    調整するよう第1の信号に応答し、前記冷却剤流量を前
    記燃焼器内へ注入するための注入手段が設けられ、該注
    入手段は第2の信号に応答することを特徴とするガスタ
    ービン発電所。
  2. 【請求項2】 一つの放出用煙突が設けられ、前記ガス
    タービン発電所は、前記放出用煙突に連結された2つの
    ガスタービンを有し、前途検出手段は、前記放出用煙突
    内に作動的に取り付けられていることを特徴とする請求
    項1のガスタービン発電所。
  3. 【請求項3】 前記第1の制御装置手段は、PID制御
    装置であることを特徴とする請求項1のガスタービン発
    電所。
  4. 【請求項4】 前記PID制御装置は、約−100%〜
    約+100%の百分率誤差を生じさせることを特徴とす
    る請求項3のガスタービン発電所。
  5. 【請求項5】 前記第2の制御装置手段は、PID制御
    装置であることを特徴とする請求項1のガスタービン発
    電所。
  6. 【請求項6】 前記PID制御装置は、約−100%〜
    約+100%の百分率誤差を生じさせることを特徴とす
    る請求項5のガスタービン発電所。
  7. 【請求項7】 各々が少なくとも一つの燃焼器を備えた
    少なくとも一つのガスタービンを有するガスタービン発
    電所において、各前記燃焼器内へ注入される冷却剤の流
    量を制御する方法が、NOx排出物量目標値と前記発電
    所で生じたNOx排出物量測定値の百分率誤差を表す第
    1の信号を発生する段階と、前記第1の信号に従って所
    定の冷却剤流量目標値を調整し、該調整操作から調整さ
    れた冷却剤流量目標値を表すパラメータを生じさせる段
    階と、冷却剤流量を測定する段階と、前記パラメータと
    冷却剤流量測定値の百分率誤差を表す第2の信号を発生
    する段階と、第2の信号に従って前記冷却剤流量を制御
    する段階とから成ることを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 第1の信号をPID制御装置によって発
    生させることを特徴とする請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記PID制御装置は、約−100%〜
    約+100%の百分率誤差を生じさせることを特徴とす
    る請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 前記所定の冷却剤流量目標値を調整す
    るのに、第1の信号に前記冷却剤流量目標値を掛けてそ
    の結果を表す第3の信号を生じさせ、該第3の信号を前
    記冷却剤流量目標値に加えることを特徴とする請求項7
    の方法。
  11. 【請求項11】 前記所定の冷却剤流量目標値に対する
    調整操作を、前記冷却剤流量目標値における所定の変化
    百分率に制限することを特徴とする請求項7の方法。
  12. 【請求項12】 前記変化百分率は、前記冷却剤流量目
    標値の±10%であることを特徴とする請求項11の方
    法。
  13. 【請求項13】 前記PID制御装置は、約−100%
    〜約+100%の百分率誤差を生じさせることを特徴と
    する請求項13の方法。
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