JPH0842165A - 集合住宅の構造 - Google Patents

集合住宅の構造

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JPH0842165A
JPH0842165A JP20133794A JP20133794A JPH0842165A JP H0842165 A JPH0842165 A JP H0842165A JP 20133794 A JP20133794 A JP 20133794A JP 20133794 A JP20133794 A JP 20133794A JP H0842165 A JPH0842165 A JP H0842165A
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隆史 佐藤
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武 葛貫
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大規模な集合住宅において、居住者の円滑な通
行移動を確保し、かつ災害時等における避難活動を極力
円滑で安全にせしめ、共用設備の故障時やメンテナンス
時に都合がよい。 【構成】集合住宅1のフロア空間2を鉛直方向に仕切っ
て防火領域J1、J2を、上下に積層するフロア空間相
互間において、上下に対応した防火領域組KM1、KM
2を形成する形で設定し、各防火領域に、住戸空間6と
コア空間7、共用廊下空間9を配設し、隣接する防火領
域J1、J2の各共用廊下空間9、9の間を連絡し得る
非常時連絡空間10を設け、非常時連絡空間10に開放
可能な扉10bを、防火領域J1、J2間を遮断する形
で設け、各防火領域組のコア空間7に、エレベータユニ
ット12c、避難階段躯体12d、電源供給ケーブル、
水道管、ガス管等を、各防火領域組ごとに独立しかつ、
該防火領域組にのみ供する形で設けて構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マンション等の集合住
宅に適応される集合住宅の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マンション等の集合住宅では、1
フロアにおける設置戸数を増加させることにより、より
大規模な集合住宅の形成が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、1フロアにお
ける設置戸数を増加させることにより、エレベータや避
難階段を使用した居住者の通行移動量が増加する。特
に、1フロアにおける設置戸数が最適住戸数(1フロア
あたり8乃至10戸とされている)を越える場合には、
居住者の円滑な通行移動を確保するため、所定の住戸毎
に、使用すべきエレベータや避難階段を特定する形で通
行移動管理を行うことが望まれている。また、大規模な
集合住宅には、災害時等における避難活動が極力円滑で
安全に行われ得る構造が要望されている。そこで本発明
は上記事情に鑑み、大規模な集合住宅において、所定の
住戸毎に、使用すべきエレベータや避難階段を特定する
形で通行移動管理を行うことにより居住者の円滑な通行
移動を確保し、かつ災害時等における避難活動を極力円
滑で安全にせしめ得る集合住宅の構造を提供するもので
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明のうち第一の
発明は、水平層状のフロア空間(2)が形成された集合
住宅(1)において、前記フロア空間(2)に、該フロ
ア空間(2)を鉛直方向に仕切る形で複数の防火区画領
域(J1、J2)を設定し、各防火区画領域(J1、J
2)に、居住空間(6)と共用コア空間(7、9)を配
設し、前記フロア空間(2)内において、隣接する防火
区画領域(J1、J2)の各共用コア空間(7、9)の
間を連絡し得る非常時連絡空間(10)を設け、前記非
常時連絡空間(10)に開放可能な閉塞手段(10b)
を、前記隣接する防火区画領域(J1、J2)間を遮断
する形で設けて構成される。また本発明のうち第二の発
明は、第一の発明において、前記閉塞手段(10b)
は、前記非常時連絡空間(10)と前記共用コア空間
(7、9)の境界部(K1)に設けられている。また本
発明のうち第三の発明は、第一の発明において、各防火
区画領域(J1、J2)の居住空間(6)に設けられる
住戸(6a)の最大数が10戸以下である。また本発明
のうち第四の発明は、第一の発明において、各階のフロ
ア空間(2)における複数の防火区画領域(J1、J
2)は、上下に積層する複数のフロア空間(2)相互間
において、上下に対応して配置される防火区画領域(J
1、J2)の組(KM1、KM2)を複数組形成する形
で設定されており、前記防火区画領域(J1、J2)の
各組(KM1、KM2)において、該組(KM1、KM
2)の防火区画領域(J1、J2)の共用コア空間
(7)には、共用設備(12c、12d)が、各組(K
M1、KM2)ごとに独立した形でかつ、該組(KM
1、KM2)の防火区画領域(J1、J2)にのみ供す
る形で設けられていることを特徴とする。また本発明の
うち第五の発明は、第一の発明において、前記閉塞手段
(10b)は常時閉塞されている開放可能な扉(10
b)である。なお、( )内の番号等は、図面における
対応する要素を示す、便宜的なものであり、従って、本
記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。以
下の作用の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により本発明のうち第一の発明で
は、火災時等には非常時連絡空間(10)の閉塞手段
(10b)が開放されて、隣接した防火区画領域(J
1、J2)の共用コア空間(7、9)相互間は非常時連
絡空間(10)を介して連通可能とされ、また通常時に
は非常時連絡空間(10)の閉塞手段(10b)が閉鎖
されており、隣接した2つの防火区画領域(J1、J
2)間は、非常時連絡空間(10)を介して連通されな
い。また本発明のうち第二の発明では、閉塞手段(10
b)により非常時連絡空間(10)を閉塞しておくこと
により、境界部(K1)に隣接している共用コア空間
(7、9)側で火災等が発生しても、該火災等の影響は
該非常時連絡空間(10)に侵入しない。また本発明の
うち第三の発明では、各防火区画領域(J1、J2)に
おけるエレベータユニット(12c)や避難階段躯体
(12d)を使用した居住者の通行移動が、設けられた
住戸(6a)の数が10戸より少なく、従って最適住戸
数以内である各防火区画領域(J1、J2)ごとに独立
して管理される。また本発明のうち第四の発明では、火
災発生時等に、隣接した防火区画領域(J1、J2)の
うち一方の防火区画領域(J1、J2)の居住者が非常
時連絡空間(10)を介して火災等が発生していない他
方の防火区画領域(J1、J2)に移動し、該他方の防
火区画領域(J1、J2)に設置されている共用設備
(7、9)を利用できるようになる。また本発明のうち
第五の発明では、扉(10b)である閉塞手段(10
b)は容易に開閉動作が行われる。
【0006】
【実施例】図1は、本発明によるの集合住宅の構造の一
例を示した模式水平断面図、図2は、図1のX1−Y1
線断面図、図3は、本発明によるの集合住宅の構造の別
の一例を示した鉛直断面図である。
【0007】高層マンション等の集合住宅1は、図1及
び図2に示すように、所定の柱梁構造をなす鉄筋コンク
リート製の梁(図示せず)と柱(図示せず)、複数のフ
ロア空間2を層状に形成する形で(従って複数の階を形
成する形で)層状に設けられた水平な複数のスラブ3、
該集合住宅1の外周部を形成する鉛直な外壁5、各フロ
ア空間2内を後述する住戸空間6、コア空間7、共用廊
下空間9、非常時連絡空間10等を形成する形で適宜仕
切る鉛直な内壁11等から構成されている。即ち、各フ
ロア空間2内は基本的に、図1及び図2に示す境界A−
B(一点鎖線で図示)によって、図1の紙面上下2つの
領域(即ち図2の紙面左右2つの領域)である、第一防
火領域J1と第二防火領域J2とに分割されており、従
って境界A−Bに沿って設置されている前記内壁11、
即ち防火領域J1、J2間を鉛直に仕切る形の内壁11
は所定の防火壁11Aとなっている(境界A−Bに沿っ
て設置されている内壁11以外の内壁11は、防火壁1
1Aであってもよいし、防火壁11Aでなくてもよ
い。)。即ち、防火領域J1、J2では、図1に示すよ
うに、それぞれの中心部位にコア空間7、7がそれぞれ
形成されており、各コア空間7、7の周囲に環状に共用
廊下空間9、9が形成されている。また各共用廊下空間
9、9の外周側には環状の住戸空間6がそれぞれ形成さ
れており、これら環状の住戸空間6は各防火領域J1、
J2の外周(従って、外壁5或いは境界A−B)にそれ
ぞれ隣接した形になっている。また各住戸空間6内には
6戸の住戸6aがそれぞれ配設されている。なお、各階
のフロア空間2における2つの防火領域J1、J2は、
図2に示すように、上下に積層する複数のフロア空間2
相互間において上下に対応して配置されており、上下に
対応して配置された複数の第一防火領域J1は防火領域
組KM1を、上下に対応して配置された複数の第二防火
領域J2は防火領域組KM2をそれぞれ形成している。
また、各住戸空間6内の住戸6aのうち、防火壁11A
に隣接し、集合住宅1の外壁5に隣接していない住戸6
a(図1の紙面中央の住戸6a、6a)には、集合住宅
1の外部に面した窓やベランダが設けられないことか
ら、これら住戸6aをコミュニティセンタ、ピアノ練習
室、子供の遊び場、避難場所として有効利用することが
できる。なお、防火壁11Aに隣接し、外壁5に隣接し
ていない住戸6aの部位を、図3に示すように、スラブ
3を貫通させて複数分の天井高さとし、広がりのある空
間40とし、該空間40をピアノ練習室や子供の遊び場
等にしてもよい。また、スラブ3を貫通させて複数分の
天井高さとした空間40内に適宜な立体駐車機41を設
置して立体駐車場42としてもよい。また、防火壁11
Aに隣接し、外壁5に隣接していない住戸6aの部位の
最上部を、集合住宅1の屋上を貫通するなどして外部と
連通したスペースに形成することにより、屋外と同等の
環境を有し、かつ交通事故等の心配のない安全な子供の
遊び場、公園、市民農園等として利用してもよいことは
言うまでもない。
【0008】また、第一防火領域J1の共用廊下空間9
と、第二防火領域J2の共用廊下空間9との間には、各
共用廊下空間9、9の外周側に環状に形成された住戸空
間6、6を貫通し、従って境界A−Bを貫通する形で廊
下形状の非常時連絡空間10が形成されている。なお、
各共用廊下空間9と非常時連絡空間10との間、即ち境
界部K1には前記防火壁11Aが設けられており、非常
時連絡空間10と各住戸空間6との間も防火壁11Aで
隔てられている。即ち、火災発生時等には、非常時連絡
空間10の外部から該非常時連絡空間10の内部に対す
る火災の影響の侵入が極力防止されている。更に、各共
用廊下空間9、9と非常時連絡空間10との間の防火壁
11Aには人が通行可能な通行口10a、10aがそれ
ぞれ設けられており、通行口10a、10aには、通常
は閉鎖状態であり、少なくとも火災時等には開放され得
る防火扉である扉10b、10bが設けられている。ま
た、各フロア空間2におけるコア空間7、7の位置は、
図2に示すように、複数のフロア空間2間で上下方向に
対応しており、従って集合住宅1には、上下方向に対応
した複数のコア空間7の層によるシャフト部12、12
が形成されている。各シャフト部12には、図1に示す
ように、エレベータシャフト12a、避難階段シャフト
12b等が設けられており、エレベータシャフト12a
には所定のエレベータユニット12cが、避難階段シャ
フト12bには所定の避難階段躯体12dが設置されて
いる。つまり、居住者は任意の階のフロア空間2と、他
の階のフロア空間2との間を、これらエレベータユニッ
ト12c或いは避難階段躯体12dを介して自在に往来
し得るようになっている。また、シャフト部12、12
には、それぞれ図示しない電源供給ケーブル、水道管、
ガス管が、前記防火領域組KM1、KM2ごとに独立し
た系統として、従って各防火領域組KM1、KM2の防
火領域J1、J2にのみ供する形で配設されている。
【0009】本発明によるの集合住宅1の構造は以上の
ように構成されているので、通常時には、前記非常時連
絡空間10の扉10b、10bが閉鎖されており、従っ
て2つの防火領域J1、J2間では、非常時連絡空間1
0を介した居住者等の往来がない。従って、防火領域J
1、J2は同一のフロア空間2に存在しながらも、各防
火領域J1、J2におけるエレベータユニット12cや
避難階段躯体12dを使用した居住者の通行移動は、該
防火領域J1、J2に供するエレベータユニット12c
や避難階段躯体12dを必然的に使用して行うようにな
る。つまり、居住者の通行移動は各防火領域J1、J2
ごとに独立して管理されるようになるので、従来のよう
に居住者の通行移動がフロア空間ごとに管理される場合
に比べて、管理の対象となる住戸6aの数が極力少なく
なっており、よりきめの細かい管理が実現する。つまり
居住者の円滑な通行移動が確保される。また、各防火領
域J1、J2の住戸空間6に設けられる住戸6aの数が
6戸であり、最適住戸数(1フロア或いは、本実施例に
おける1つの防火領域のように、独立した領域において
複数の住戸が存在する場合、該独立した領域における居
住者の階段やエレベータ等を利用した通行移動がスムー
ズに行われ得るとされる、住戸の最大戸数を統計的に算
出したもの。一般には最適住戸数は8乃至10戸とされ
ている。)以内であるので、居住者の通行移動に対する
管理は、各防火区画領域は設けられた住戸の数が最適住
戸数以内であるため、居住者の円滑な通行移動が更に一
層確保される。
【0010】一方、災害時等には、集合住宅1の各フロ
ア空間2において、非常時連絡空間10の扉10b、1
0bが(閉じてはいるが)開放可能な状態となり(な
お、扉10bを開放可能とする動作は、居住者が手動に
より行ってもよいし、火災報知器等からの制御信号によ
り駆動される所定の扉駆動装置により駆動される形で行
ってもよい)、従って通行口10a、10a間が通行可
能となり、防火領域J1、J2の各共用廊下空間9、9
間は通行口10a、10a及び非常時連絡空間10を介
して連通可能となる。非常時連絡空間10を介した共用
廊下空間9、9間が連通可能となることより、第一防火
領域J1或いは第二防火領域J2の居住者は、これら防
火領域J1、J2相互間を往来し得るようになる。つま
り、一方の防火領域J1(J2)において火災等が発生
した場合には、該一方の防火領域J1(J2)に設置さ
れているエレベータユニット12cや避難階段躯体12
d等を介して避難活動が行われるのは勿論であるが、該
一方の防火領域J1(J2)の居住者は、非常時連絡空
間10を介して火災等が発生していない他方の防火領域
J2(J1)に移動する形で避難することもできるよう
になる。即ち、より多くの避難経路が確保されることに
なるので、災害時等における避難活動が更に一層円滑
に、安全に行われ得る。なお、扉10b、10bは、非
常時連絡空間10と共用廊下空間9、9の間の各境界部
K1、K1に設けられているので、扉10b、10bに
より非常時連絡空間10を閉塞しておくことにより、各
境界部K1、K1に隣接している共用廊下空間9、9側
で火災等が発生しても、該火災等の影響は該非常時連絡
空間10に侵入しない。つまり、災害時等における避難
活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また、各コ
ア空間7、7には、エレベータユニット12c、避難階
段躯体12d、図示しない電源供給ケーブル、水道管、
ガス管が、各防火領域組KM1、KM2ごとに独立した
形でかつ、各防火領域組KM1、KM2の防火領域J
1、J2にのみ供する形(従って、電源供給ケーブル、
水道管、ガス管においては各防火領域組KM1、KM2
ごとに独立した系統)で設けられている。従って、一方
の防火領域組KM1(KM2)側において火災等が発生
した場合には、該防火領域組KM1(KM2)に設置さ
れているエレベータユニット12c、避難階段躯体12
dを介して避難活動が行われるのは勿論であるが、該防
火領域組KM1(KM2)の居住者は、非常時連絡空間
10を介して火災等が発生していない他方の防火領域組
KM1(KM2)に移動し、該防火領域組KM1(KM
2)に設置されているエレベータユニット12c(即
ち、防火領域組KM2(KM1)では火災等が発生して
いないので、図示しない電源供給ケーブルは破壊切断さ
れることがなく、よって該防火領域組KM2(KM1)
のエレベータユニット12cを用いる避難活動の安全性
は高い。)、避難階段躯体12dを介して避難活動を行
うこともできるようになるので、災害時等における避難
活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また、図示
しない水道管が、防火領域組KM1、KM2ごとに独立
した系統になっているので、防火領域組KM1(KM
2)において火災等が発生し、該防火領域組KM1(K
M2)の水道管が破壊されることがあっても、他方の防
火領域組KM2(KM1)の破壊されていない水道管を
介して消火活動(図示しないスプリンクラ等で)を補助
することができるので安全性が高い。また、災害時以外
にも、一方の防火領域組KM1(KM2)の電源供給ケ
ーブル、水道管、ガス管、或いはエレベータユニット1
2c等の共用設備が故障のため使用できなくなった場合
などは、該防火領域組KM1(KM2)において、該故
障した共用設備を修理するまで、故障していない他方の
防火領域組KM2(KM1)の共用設備を補助使用する
ことができるので都合がよいし、また、一方の防火領域
組KM1(KM2)の共用設備の使用を停止してメンテ
ナンスを行う場合、該防火領域組KM1(KM2)にお
いて、メンテナンスが終了するまで、メンテナンスを行
っていない他方の防火領域組KM2(KM1)の共用設
備を補助使用することができるので都合がよい。更に、
一方の防火領域組KM1(KM2)側で、図示しないガ
ス管の供給元(図示しない地下室等にある)において爆
発事故等が発生した際にも、前記図示しないガス管が、
防火領域組KM1、KM2ごとに独立した系統であるこ
とから、他方の防火領域組KM2(KM1)側のガス管
には引火することがない。よって、爆発事故等の被害を
最小限にし得る利点をもつ。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明のうち第一の
発明は、水平層状のフロア空間2等のフロア空間が形成
された集合住宅1等の集合住宅において、前記フロア空
間に、該フロア空間を鉛直方向に仕切る形で複数の第一
防火領域J1、第二防火領域J2等の防火区画領域を設
定し、各防火区画領域に、住戸空間6等の居住空間とコ
ア空間7、共用廊下空間9等の共用コア空間を配設し、
前記フロア空間内において、隣接する防火区画領域の各
共用コア空間の間を連絡し得る非常時連絡空間10等の
非常時連絡空間を設け、前記非常時連絡空間に開放可能
な扉10b等の閉塞手段を、前記隣接する防火区画領域
間を遮断する形で設けて構成されるので、火災時等に
は、非常時連絡空間の閉塞手段を開放して、隣接した防
火区画領域の共用コア空間相互間は非常時連絡空間を介
して連通可能となる。非常時連絡空間を介した両共用コ
ア空間の連絡により、居住者はこれら隣接した防火区画
領域相互間を往来し得るようになる。つまり、一方の防
火区画領域において火災等が発生した場合には、該一方
の防火区画領域に設置されているエレベータユニット1
2cや避難階段躯体12d等を介して避難活動が行われ
るのは勿論であるが、該一方の防火区画領域の居住者
は、非常時連絡空間を介して火災等が発生していない他
方の防火区画領域に移動する形で避難することもできる
ようになる。即ち、より多くの避難経路が確保されるこ
とになるので、災害時等における避難活動が更に一層円
滑に、安全に行われ得る。また通常時には、前記非常時
連絡空間の閉塞手段を閉鎖しておくことにより、2つの
防火区画領域間では、非常時連絡空間を介した居住者等
の往来がないので、各防火区画領域は同一のフロア空間
に存在しながらも、各防火区画領域におけるエレベータ
ユニット12cや避難階段躯体12dを使用した居住者
の通行移動は、該防火区画領域に供するエレベータユニ
ット12cや避難階段躯体12dを必然的に使用して行
うようになる。つまり、居住者の通行移動は各防火区画
領域ごとに独立して管理されるようになるので、従来の
ように居住者の通行移動がフロア空間ごとに管理される
場合に比べて、管理の対象となる住戸6aの数が極力少
なくなっており、よりきめの細かい管理が実現する。よ
って、大規模な集合住宅においても、居住者の円滑な通
行移動が確保される。
【0012】また本発明のうち第二の発明は、第一の発
明において、前記閉塞手段は、前記非常時連絡空間と前
記共用コア空間の境界部K1等の境界部に設けられてい
るので、閉塞手段により非常時連絡空間を閉塞しておく
ことにより、前記境界部に隣接している共用コア空間側
で火災等が発生しても、該火災等の影響は該非常時連絡
空間に侵入しない。つまり、第一の発明による効果に加
えて、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安
全に行われ得る。
【0013】また本発明のうち第三の発明は、第一の発
明において、各防火区画領域の居住空間に設けられる住
戸6a等の住戸の最大数が10戸以下であるので、各防
火区画領域におけるエレベータユニット12cや避難階
段躯体12dを使用した居住者の通行移動が、設けられ
た住戸の数が10戸より少ない各防火区画領域ごとに独
立して管理される。つまり、第一の発明による効果に加
えて、各防火区画領域は、設けられた住戸の数が最適住
戸数以内であるため、居住者の円滑な通行移動が更に一
層確保される。
【0014】また本発明のうち第四の発明は、第一の発
明において、各階のフロア空間における複数の防火区画
領域は、上下に積層する複数のフロア空間相互間におい
て、上下に対応して配置される防火区画領域の防火領域
組KM1、KM2等の組を複数組形成する形で設定され
ており、前記防火区画領域の各組において、該組の防火
区画領域の共用コア空間には、エレベータユニット12
c、避難階段躯体12d、電源供給ケーブル、水道管、
ガス管等の共用設備が、各組ごとに独立した形でかつ、
該組の防火区画領域にのみ供する形で設けられているの
で、隣接した防火区画領域のうち、一方の防火区画領域
において火災等が発生した場合には、該一方の防火区画
領域に設置されている共用設備を介して避難防災活動が
行われるのは勿論であるが、該一方の防火区画領域の居
住者は、非常時連絡空間を介して火災等が発生していな
い他方の防火区画領域に移動し、該他方の防火区画領域
に設置されている共用設備を介して避難活動を行うこと
もできるようになる。また、火災等が発生していない他
方の防火区画領域の、従って破損していない共用設備を
介して消火活動等の防災活動を行うことができるように
なる。即ち、第一の発明の効果に加えて、避難及び防災
のための手段となる共用設備がより多く確保されること
になるので、災害時等における避難防災活動が更に一層
円滑に、安全に行われ得る。また、共用設備が、上下に
対応して配置される防火区画領域の各組ごとに独立して
おり、従って一方の防火区画領域の組の共用設備におけ
る爆発等の事故が他方の防火区画領域の組の共用設備に
影響することが防がれるので、被害を極力少なくするこ
とができて都合がいい。また、災害時以外にも、故障発
生時やメンテナンス時に都合がよい。即ち、一方の防火
区画領域の組の共用設備が故障のため使用できなくなっ
た場合、該組の防火区画領域において、該故障した共用
設備を修理するまで、故障していない他方の組の共用設
備を補助使用することができるので都合がよい。また、
一方の防火区画領域の組の共用設備の使用を停止してメ
ンテナンスを行う場合、該組の防火区画領域において、
メンテナンスが終了するまで、メンテナンスを行ってい
ない他方の組の共用設備を補助使用することができるの
で都合がよい。
【0015】また本発明のうち第五の発明は、第一の発
明において、前記閉塞手段は常時閉塞されている開放可
能な扉10b等の扉であるので、扉である閉塞手段は、
開閉動作が容易に行える。よって、第一の発明の効果に
加えて、扉の保守点検が容易であり、火災後や訓練終了
後の復旧作業も容易であるので都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるの集合住宅の構造の一例
を示した模式水平断面図である。
【図2】図2は、図1のX1−Y1線断面図である。
【図3】図3は、本発明によるの集合住宅の構造の別の
一例を示した鉛直断面図である。
【符号の説明】
1……集合住宅 2……フロア空間 6……居住空間(住戸空間) 6a……住戸 7……共用コア空間(コア空間) 9……共用コア空間(共用廊下空間) 10……非常時連絡空間 10b……閉塞手段、扉(扉) 12c……共用設備(エレベータユニット) 12d……共用設備(避難階段躯体) J1……防火区画領域(第一防火領域) J2……防火区画領域(第二防火領域) K1……境界部 KM1……組(防火領域組) KM2……組(防火領域組)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平層状のフロア空間が形成された集合住
    宅において、 前記フロア空間に、該フロア空間を鉛直方向に仕切る形
    で複数の防火区画領域を設定し、 各防火区画領域に、居住空間と共用コア空間を配設し、 前記フロア空間内において、隣接する防火区画領域の各
    共用コア空間の間を連絡し得る非常時連絡空間を設け、 前記非常時連絡空間に開放可能な閉塞手段を、前記隣接
    する防火区画領域間を遮断する形で設けて構成した集合
    住宅の構造。
  2. 【請求項2】前記閉塞手段は、前記非常時連絡空間と前
    記共用コア空間の境界部に設けられている請求項1記載
    の集合住宅の構造。
  3. 【請求項3】各防火区画領域の居住空間に設けられる住
    戸の最大数が10戸以下であることを特徴とする請求項
    1記載の集合住宅の構造。
  4. 【請求項4】各階のフロア空間における複数の防火区画
    領域は、上下に積層する複数のフロア空間相互間におい
    て、上下に対応して配置される防火区画領域の組を複数
    組形成する形で設定されており、 前記防火区画領域の各組において、該組の防火区画領域
    の共用コア空間には、共用設備が、各組ごとに独立した
    形でかつ、該組の防火区画領域にのみ供する形で設けら
    れていることを特徴とする請求項1記載の集合住宅の構
    造。
  5. 【請求項5】前記閉塞手段は常時閉塞されている開放可
    能な扉であることを特徴とする請求項1記載の集合住宅
    の構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004209616A (ja) * 2003-01-08 2004-07-29 Ricoh Co Ltd 研磨工具及び研磨方法
JP2015094101A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 株式会社竹中工務店 建物構造
JP2018076759A (ja) * 2016-10-31 2018-05-17 旭化成ホームズ株式会社 集合住宅
JP2018168578A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 旭化成ホームズ株式会社 建物

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