JP3587564B2 - 集合住宅の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、マンション等の集合住宅に適応される集合住宅の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マンション等の集合住宅では、1フロアにおける設置戸数を増加させることにより、より大規模な集合住宅の形成が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、1フロアにおける設置戸数を増加させることにより、エレベータや避難階段を使用した居住者の通行移動量が増加する。特に、1フロアにおける設置戸数が最適住戸数(1フロアあたり8乃至10戸とされている)を越える場合には、居住者の円滑な通行移動を確保するため、所定の住戸毎に、使用すべきエレベータや避難階段を特定する形で通行移動管理を行うことが望まれている。また、大規模な集合住宅には、災害時等における避難活動が極力円滑で安全に行われ得る構造が要望されている。そこで本発明は上記事情に鑑み、大規模な集合住宅において、所定の住戸毎に、使用すべきエレベータや避難階段を特定する形で通行移動管理を行うことにより居住者の円滑な通行移動を確保し、かつ災害時等における避難活動を極力円滑で安全にせしめ得る集合住宅の構造を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のうち第一の発明は、水平層状に複数のフロア空間(2)が形成された集合住宅(1)において、前記複数のフロア空間(2)を上下に貫通するように設けた防火壁(11A)により、各フロア空間(2)複数の防火区画領域(J1、J2)に仕切り、各防火区画領域(J1、J2)に、居住空間(6)と共用コア空間(7、9)をそれぞれ配設し、前記フロア空間(2)内において、隣接する防火区画領域(J1、J2)の各共用コア空間(7、9)の間を連絡し得る非常時連絡空間(10)を、前記複数のフロア空間(2)を上下に貫通する防火壁(11A)により仕切る形で設定し、通常時は閉鎖状態で火災時等には開放可能な状態の防火扉(10b)を、前記非常時連絡空間(10)に設けて構成される。また本発明のうち第二の発明は、第一の発明において、前記防火扉(10b)は、通常時は通り抜けられないような閉鎖状態で、火災時等は閉じてはいるが開放可能な状態である、ことを特徴とする。また本発明のうち第三の発明は、第一の発明又は第二の発明において、前記防火扉(10b)は、前記非常時連絡空間(10)と一方の共用コア空間(7,9)との境界部(K1)、及び前記非常時連絡空間(10)と他方の共用コア空間(7,9)との境界部(K1)にそれぞれ設けられている。また本発明のうち第四の発明は、第一乃至第三いずれかの発明において、各防火区画領域(J1、J2)の居住空間(6)に設けられる住戸(6a)の最大数が10戸以下である。また本発明のうち第五の発明は、第一乃至第四いずれかの発明において、各階のフロア空間(2)における複数の防火区画領域(J1、J2)は、上下に積層する複数のフロア空間(2)相互間において、上下に対応して配置される防火区画領域(J1、J2)の組(KM1、KM2)を複数組形成する形で設定されており、前記防火区画領域(J1、J2)の各組(KM1、KM2)において、該組(KM1、KM2)の防火区画領域(J1、J2)の共用コア空間(7)には、共用設備(12c、12d)が、各組(KM1、KM2)ごとに独立した形でかつ、該組(KM1、KM2)の防火区画領域(J1、J2)にのみ供する形で設けられていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
上記した構成により本発明のうち第一の発明では、火災時等には非常時連絡空間(10)の防火扉(10b)が開放されて、隣接した防火区画領域(J1、J2)の共用コア空間(7、9)相互間は非常時連絡空間(10)を介して連通可能とされ、また通常時には非常時連絡空間(10)の防火扉(10b)が閉鎖されており、隣接した2つの防火区画領域(J1、J2)間は、非常時連絡空間(10)を介して連通されない。また本発明のうち第二の発明では、前記防火扉(10b)は、通常時は通り抜けられないような閉鎖状態で、火災時等は閉じてはいるが開放可能な状態とされる。さらに本発明のうち第三の発明では、防火扉(10b)により非常時連絡空間(10)を閉塞しておくことにより、境界部(K1)に隣接している共用コア空間(7、9)側で火災等が発生しても、該火災等の影響は該非常時連絡空間(10)に侵入しない。また本発明のうち第四の発明では、各防火区画領域(J1、J2)におけるエレベータユニット(12c)や避難階段躯体(12d)を使用した居住者の通行移動が、設けられた住戸(6a)の数が10戸より少なく、従って最適住戸数以内である各防火区画領域(J1、J2)ごとに独立して管理される。また本発明のうち第五の発明では、火災発生時等に、隣接した防火区画領域(J1、J2)のうち一方の防火区画領域(J1、J2)の居住者が非常時連絡空間(10)を介して火災等が発生していない他方の防火区画領域(J1、J2)に移動し、該他方の防火区画領域(J1、J2)に設置されている共用設備(7、9)を利用できるようになる。
【0006】
【実施例】
図1は、本発明によるの集合住宅の構造の一例を示した模式水平断面図、図2は、図1のX1−Y1線断面図、図3は、本発明によるの集合住宅の構造の別の一例を示した鉛直断面図である。
【0007】
高層マンション等の集合住宅1は、図1及び図2に示すように、所定の柱梁構造をなす鉄筋コンクリート製の梁(図示せず)と柱(図示せず)、複数のフロア空間2を層状に形成する形で(従って複数の階を形成する形で)層状に設けられた水平な複数のスラブ3、該集合住宅1の外周部を形成する鉛直な外壁5、各フロア空間2内を後述する住戸空間6、コア空間7、共用廊下空間9、非常時連絡空間10等を形成する形で適宜仕切る鉛直な内壁11等から構成されている。即ち、各フロア空間2内は基本的に、図1及び図2に示す境界A−B(一点鎖線で図示)によって、図1の紙面上下2つの領域(即ち図2の紙面左右2つの領域)である、第一防火領域J1と第二防火領域J2とに分割されており、従って境界A−Bに沿って設置されている前記内壁11、即ち防火領域J1、J2間を鉛直に仕切る形の内壁11は所定の防火壁11Aとなっている(境界A−Bに沿って設置されている内壁11以外の内壁11は、防火壁11Aであってもよいし、防火壁11Aでなくてもよい。)。即ち、防火領域J1、J2では、図1に示すように、それぞれの中心部位にコア空間7、7がそれぞれ形成されており、各コア空間7、7の周囲に環状に共用廊下空間9、9が形成されている。また各共用廊下空間9、9の外周側には環状の住戸空間6がそれぞれ形成されており、これら環状の住戸空間6は各防火領域J1、J2の外周(従って、外壁5或いは境界A−B)にそれぞれ隣接した形になっている。また各住戸空間6内には6戸の住戸6aがそれぞれ配設されている。なお、各階のフロア空間2における2つの防火領域J1、J2は、図2に示すように、上下に積層する複数のフロア空間2相互間において上下に対応して配置されており、上下に対応して配置された複数の第一防火領域J1は防火領域組KM1を、上下に対応して配置された複数の第二防火領域J2は防火領域組KM2をそれぞれ形成している。また、各住戸空間6内の住戸6aのうち、防火壁11Aに隣接し、集合住宅1の外壁5に隣接していない住戸6a(図1の紙面中央の住戸6a、6a)には、集合住宅1の外部に面した窓やベランダが設けられないことから、これら住戸6aをコミュニティセンタ、ピアノ練習室、子供の遊び場、避難場所として有効利用することができる。なお、防火壁11Aに隣接し、外壁5に隣接していない住戸6aの部位を、図3に示すように、スラブ3を貫通させて複数分の天井高さとし、広がりのある空間40とし、該空間40をピアノ練習室や子供の遊び場等にしてもよい。また、スラブ3を貫通させて複数分の天井高さとした空間40内に適宜な立体駐車機41を設置して立体駐車場42としてもよい。また、防火壁11Aに隣接し、外壁5に隣接していない住戸6aの部位の最上部を、集合住宅1の屋上を貫通するなどして外部と連通したスペースに形成することにより、屋外と同等の環境を有し、かつ交通事故等の心配のない安全な子供の遊び場、公園、市民農園等として利用してもよいことは言うまでもない。
【0008】
また、第一防火領域J1の共用廊下空間9と、第二防火領域J2の共用廊下空間9との間には、各共用廊下空間9、9の外周側に環状に形成された住戸空間6、6を貫通し、従って境界A−Bを貫通する形で廊下形状の非常時連絡空間10が形成されている。なお、各共用廊下空間9と非常時連絡空間10との間、即ち境界部K1には前記防火壁11Aが設けられており、非常時連絡空間10と各住戸空間6との間も防火壁11Aで隔てられている。即ち、火災発生時等には、非常時連絡空間10の外部から該非常時連絡空間10の内部に対する火災の影響の侵入が極力防止されている。更に、各共用廊下空間9、9と非常時連絡空間10との間の防火壁11Aには人が通行可能な通行口10a、10aがそれぞれ設けられており、通行口10a、10aには、通常は閉鎖状態であり、少なくとも火災時等には開放され得る防火扉である扉10b、10bが設けられている。また、各フロア空間2におけるコア空間7、7の位置は、図2に示すように、複数のフロア空間2間で上下方向に対応しており、従って集合住宅1には、上下方向に対応した複数のコア空間7の層によるシャフト部12、12が形成されている。各シャフト部12には、図1に示すように、エレベータシャフト12a、避難階段シャフト12b等が設けられており、エレベータシャフト12aには所定のエレベータユニット12cが、避難階段シャフト12bには所定の避難階段躯体12dが設置されている。つまり、居住者は任意の階のフロア空間2と、他の階のフロア空間2との間を、これらエレベータユニット12c或いは避難階段躯体12dを介して自在に往来し得るようになっている。また、シャフト部12、12には、それぞれ図示しない電源供給ケーブル、水道管、ガス管が、前記防火領域組KM1、KM2ごとに独立した系統として、従って各防火領域組KM1、KM2の防火領域J1、J2にのみ供する形で配設されている。
【0009】
本発明によるの集合住宅1の構造は以上のように構成されているので、通常時には、前記非常時連絡空間10の扉10b、10bが閉鎖されており、従って2つの防火領域J1、J2間では、非常時連絡空間10を介した居住者等の往来がない。従って、防火領域J1、J2は同一のフロア空間2に存在しながらも、各防火領域J1、J2におけるエレベータユニット12cや避難階段躯体12dを使用した居住者の通行移動は、該防火領域J1、J2に供するエレベータユニット12cや避難階段躯体12dを必然的に使用して行うようになる。つまり、居住者の通行移動は各防火領域J1、J2ごとに独立して管理されるようになるので、従来のように居住者の通行移動がフロア空間ごとに管理される場合に比べて、管理の対象となる住戸6aの数が極力少なくなっており、よりきめの細かい管理が実現する。つまり居住者の円滑な通行移動が確保される。また、各防火領域J1、J2の住戸空間6に設けられる住戸6aの数が6戸であり、最適住戸数(1フロア或いは、本実施例における1つの防火領域のように、独立した領域において複数の住戸が存在する場合、該独立した領域における居住者の階段やエレベータ等を利用した通行移動がスムーズに行われ得るとされる、住戸の最大戸数を統計的に算出したもの。一般には最適住戸数は8乃至10戸とされている。)以内であるので、居住者の通行移動に対する管理は、各防火区画領域は設けられた住戸の数が最適住戸数以内であるため、居住者の円滑な通行移動が更に一層確保される。
【0010】
一方、災害時等には、集合住宅1の各フロア空間2において、非常時連絡空間10の扉10b、10bが(閉じてはいるが)開放可能な状態となり(なお、扉10bを開放可能とする動作は、居住者が手動により行ってもよいし、火災報知器等からの制御信号により駆動される所定の扉駆動装置により駆動される形で行ってもよい)、従って通行口10a、10a間が通行可能となり、防火領域J1、J2の各共用廊下空間9、9間は通行口10a、10a及び非常時連絡空間10を介して連通可能となる。非常時連絡空間10を介した共用廊下空間9、9間が連通可能となることより、第一防火領域J1或いは第二防火領域J2の居住者は、これら防火領域J1、J2相互間を往来し得るようになる。つまり、一方の防火領域J1(J2)において火災等が発生した場合には、該一方の防火領域J1(J2)に設置されているエレベータユニット12cや避難階段躯体12d等を介して避難活動が行われるのは勿論であるが、該一方の防火領域J1(J2)の居住者は、非常時連絡空間10を介して火災等が発生していない他方の防火領域J2(J1)に移動する形で避難することもできるようになる。即ち、より多くの避難経路が確保されることになるので、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。なお、扉10b、10bは、非常時連絡空間10と共用廊下空間9、9の間の各境界部K1、K1に設けられているので、扉10b、10bにより非常時連絡空間10を閉塞しておくことにより、各境界部K1、K1に隣接している共用廊下空間9、9側で火災等が発生しても、該火災等の影響は該非常時連絡空間10に侵入しない。つまり、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また、各コア空間7、7には、エレベータユニット12c、避難階段躯体12d、図示しない電源供給ケーブル、水道管、ガス管が、各防火領域組KM1、KM2ごとに独立した形でかつ、各防火領域組KM1、KM2の防火領域J1、J2にのみ供する形(従って、電源供給ケーブル、水道管、ガス管においては各防火領域組KM1、KM2ごとに独立した系統)で設けられている。従って、一方の防火領域組KM1(KM2)側において火災等が発生した場合には、該防火領域組KM1(KM2)に設置されているエレベータユニット12c、避難階段躯体12dを介して避難活動が行われるのは勿論であるが、該防火領域組KM1(KM2)の居住者は、非常時連絡空間10を介して火災等が発生していない他方の防火領域組KM1(KM2)に移動し、該防火領域組KM1(KM2)に設置されているエレベータユニット12c(即ち、防火領域組KM2(KM1)では火災等が発生していないので、図示しない電源供給ケーブルは破壊切断されることがなく、よって該防火領域組KM2(KM1)のエレベータユニット12cを用いる避難活動の安全性は高い。)、避難階段躯体12dを介して避難活動を行うこともできるようになるので、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また、図示しない水道管が、防火領域組KM1、KM2ごとに独立した系統になっているので、防火領域組KM1(KM2)において火災等が発生し、該防火領域組KM1(KM2)の水道管が破壊されることがあっても、他方の防火領域組KM2(KM1)の破壊されていない水道管を介して消火活動(図示しないスプリンクラ等で)を補助することができるので安全性が高い。また、災害時以外にも、一方の防火領域組KM1(KM2)の電源供給ケーブル、水道管、ガス管、或いはエレベータユニット12c等の共用設備が故障のため使用できなくなった場合などは、該防火領域組KM1(KM2)において、該故障した共用設備を修理するまで、故障していない他方の防火領域組KM2(KM1)の共用設備を補助使用することができるので都合がよいし、また、一方の防火領域組KM1(KM2)の共用設備の使用を停止してメンテナンスを行う場合、該防火領域組KM1(KM2)において、メンテナンスが終了するまで、メンテナンスを行っていない他方の防火領域組KM2(KM1)の共用設備を補助使用することができるので都合がよい。更に、一方の防火領域組KM1(KM2)側で、図示しないガス管の供給元(図示しない地下室等にある)において爆発事故等が発生した際にも、前記図示しないガス管が、防火領域組KM1、KM2ごとに独立した系統であることから、他方の防火領域組KM2(KM1)側のガス管には引火することがない。よって、爆発事故等の被害を最小限にし得る利点をもつ。
【0011】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち第一の発明は、水平層状のフロア空間2等のフロア空間が形成された集合住宅1等の集合住宅において、前記フロア空間に、該フロア空間を鉛直方向に仕切る形で複数の第一防火領域J1、第二防火領域J2等の防火区画領域を設定し、各防火区画領域に、住戸空間6等の居住空間とコア空間7、共用廊下空間9等の共用コア空間を配設し、前記フロア空間内において、隣接する防火区画領域の各共用コア空間の間を連絡し得る非常時連絡空間10等の非常時連絡空間を設け、前記非常時連絡空間に防火扉10b等の閉塞手段を、通常時は閉鎖状態で火災時等には開放可能な状態となるように設けて構成されるので、火災時等には、非常時連絡空間の防火扉(閉塞手段を開放して、隣接した防火区画領域の共用コア空間相互間は非常時連絡空間を介して連通可能となる。非常時連絡空間を介した両共用コア空間の連絡により、居住者はこれら隣接した防火区画領域相互間を往来し得るようになる。つまり、一方の防火区画領域において火災等が発生した場合には、該一方の防火区画領域に設置されているエレベータユニット12cや避難階段躯体12d等を介して避難活動が行われるのは勿論であるが、該一方の防火区画領域の居住者は、非常時連絡空間を介して火災等が発生していない他方の防火区画領域に移動する形で避難することもできるようになる。即ち、より多くの避難経路が確保されることになるので、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また通常時には、前記非常時連絡空間の防火扉(閉塞手段を閉鎖しておくことにより、2つの防火区画領域間では、非常時連絡空間を介した居住者等の往来がないので、各防火区画領域は同一のフロア空間に存在しながらも、各防火区画領域におけるエレベータユニット12cや避難階段躯体12dを使用した居住者の通行移動は、該防火区画領域に供するエレベータユニット12cや避難階段躯体12dを必然的に使用して行うようになる。つまり、居住者の通行移動は各防火区画領域ごとに独立して管理されるようになるので、従来のように居住者の通行移動がフロア空間ごとに管理される場合に比べて、管理の対象となる住戸6aの数が極力少なくなっており、よりきめの細かい管理が実現する。よって、大規模な集合住宅においても、居住者の円滑な通行移動が確保される。
【0012】
また本発明のうち第二の発明は、第一の発明において、前記防火扉10bは、通常時は通り抜けられないような閉鎖状態であるため、上述のように、非常時連絡空間10を介した居住者等の往来が無く、居住者等の通行移動は各防火領域J1,J2ごとに独立して管理することができ、よりきめの細かい管理を実現することができる。また、前記防火扉10bは、火災時等は閉じてはいるが開放可能な状態であるため、居住者等は非常時連絡空間10を介して防火領域J1又はJ2に移動することができ、より多くの避難経路が確保されることになるので、災害時等における避難活動が更にいっそう円滑に安全に行われ得る。
【0013】
また本発明のうち第三の発明は、第一の発明又は第二の発明において、前記防火扉(閉塞手段は、前記非常時連絡空間と前記共用コア空間の境界部K1等の境界部に設けられているので、防火扉(閉塞手段により非常時連絡空間を閉塞しておくことにより、前記境界部に隣接している共用コア空間側で火災等が発生しても、該火災等の影響は該非常時連絡空間に侵入しない。つまり、第一の発明による効果に加えて、災害時等における避難活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。
0014
また本発明のうち第四の発明は、第一乃至第三のいずれかの発明において、各防火区画領域の居住空間に設けられる住戸6a等の住戸の最大数が10戸以下であるので、各防火区画領域におけるエレベータユニット12cや避難階段躯体12dを使用した居住者の通行移動が、設けられた住戸の数が10戸より少ない各防火区画領域ごとに独立して管理される。つまり、第一の発明による効果に加えて、各防火区画領域は、設けられた住戸の数が最適住戸数以内であるため、居住者の円滑な通行移動が更に一層確保される。
0015
また本発明のうち第五の発明は、第一乃至第四のいずれかの発明において、各階のフロア空間における複数の防火区画領域は、上下に積層する複数のフロア空間相互間において、上下に対応して配置される防火区画領域の防火領域組KM1、KM2等の組を複数組形成する形で設定されており、前記防火区画領域の各組において、該組の防火区画領域の共用コア空間には、エレベータユニット12c、避難階段躯体12d、電源供給ケーブル、水道管、ガス管等の共用設備が、各組ごとに独立した形でかつ、該組の防火区画領域にのみ供する形で設けられているので、隣接した防火区画領域のうち、一方の防火区画領域において火災等が発生した場合には、該一方の防火区画領域に設置されている共用設備を介して避難防災活動が行われるのは勿論であるが、該一方の防火区画領域の居住者は、非常時連絡空間を介して火災等が発生していない他方の防火区画領域に移動し、該他方の防火区画領域に設置されている共用設備を介して避難活動を行うこともできるようになる。また、火災等が発生していない他方の防火区画領域の、従って破損していない共用設備を介して消火活動等の防災活動を行うことができるようになる。即ち、第一の発明の効果に加えて、避難及び防災のための手段となる共用設備がより多く確保されることになるので、災害時等における避難防災活動が更に一層円滑に、安全に行われ得る。また、共用設備が、上下に対応して配置される防火区画領域の各組ごとに独立しており、従って一方の防火区画領域の組の共用設備における爆発等の事故が他方の防火区画領域の組の共用設備に影響することが防がれるので、被害を極力少なくすることができて都合がいい。また、災害時以外にも、故障発生時やメンテナンス時に都合がよい。即ち、一方の防火区画領域の組の共用設備が故障のため使用できなくなった場合、該組の防火区画領域において、該故障した共用設備を修理するまで、故障していない他方の組の共用設備を補助使用することができるので都合がよい。また、一方の防火区画領域の組の共用設備の使用を停止してメンテナンスを行う場合、該組の防火区画領域において、メンテナンスが終了するまで、メンテナンスを行っていない他方の組の共用設備を補助使用することができるので都合がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明によるの集合住宅の構造の一例を示した模式水平断面図である。
【図2】図2は、図1のX1−Y1線断面図である。
【図3】図3は、本発明によるの集合住宅の構造の別の一例を示した鉛直断面図である。
【符号の説明】
1……集合住宅
2……フロア空間
6……居住空間(住戸空間)
6a……住戸
7……共用コア空間(コア空間)
9……共用コア空間(共用廊下空間)
10……非常時連絡空間
10b……閉塞手段、扉(扉)
12c……共用設備(エレベータユニット)
12d……共用設備(避難階段躯体)
J1……防火区画領域(第一防火領域)
J2……防火区画領域(第二防火領域)
K1……境界部
KM1……組(防火領域組)
KM2……組(防火領域組)

Claims (5)

  1. 水平層状に複数のフロア空間が形成された集合住宅において、
    前記複数のフロア空間を上下に貫通するように設けた防火壁により、各フロア空間複数の防火区画領域に仕切り
    各防火区画領域に、居住空間と共用コア空間をそれぞれ配設し、
    前記フロア空間内において、隣接する防火区画領域の各共用コア空間の間を連絡し得る非常時連絡空間を、前記複数のフロア空間を上下に貫通する防火壁により仕切る形で設定し
    通常時は閉鎖状態で火災時等には開放可能な状態の防火扉を、前記非常時連絡空間に設けて構成した集合住宅の構造。
  2. 前記防火扉は、通常時は通り抜けられないような閉鎖状態で、火災時等は閉じてはいるが開放可能な状態である、ことを特徴とする請求項1に記載の集合住宅の構造。
  3. 前記防火扉は、前記非常時連絡空間と一方の共用コア空間との境界部、及び前記非常時連絡空間と他方の共用コア空間との境界部にそれぞれ設けられている請求項1又は2に記載の集合住宅の構造。
  4. 各防火区画領域の居住空間に設けられる住戸の最大数が10戸以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか 1 項に記載の集合住宅の構造。
  5. 各階のフロア空間における複数の防火区画領域は、上下に積層する複数のフロア空間相互間において、上下に対応して配置される防火区画領域の組を複数組形成する形で設定されており、前記防火区画領域の各組において、該組の防火区画領域の共用コア空間には、共用設備が、各組ごとに独立した形でかつ、該組の防火区画領域にのみ供する形で設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか 1 項に記載の集合住宅の構造。
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