JPH0842100A - 建築物の外壁用パネルおよび外壁構造 - Google Patents

建築物の外壁用パネルおよび外壁構造

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JPH0842100A
JPH0842100A JP6181553A JP18155394A JPH0842100A JP H0842100 A JPH0842100 A JP H0842100A JP 6181553 A JP6181553 A JP 6181553A JP 18155394 A JP18155394 A JP 18155394A JP H0842100 A JPH0842100 A JP H0842100A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エトリンジャイトに、必要に応じて、100
℃〜1000℃で不燃性ガスを放出する無機化合物粉粒
体および酸化チタン粉粒体を含有させてなる耐火材2を
基板1上に積層した外壁用パネル。 【効果】 良好な耐火性能が得られるため、耐火材2は
もとより、基板1を薄くしようとも、所定の耐火性能を
得ることができ、しかも外壁施工時に耐火性能向上のた
めに全くモルタル等を塗工する必要もないので、薄くて
軽量の外壁を形成することが可能となり、施工作業をス
ムーズに行えて、施工期間の短縮およびコストの削減を
図り得るとともに、省スペース化も図り得る。また、モ
ルタル塗工作業等、高い熟練度が必要な湿式作業を全く
必要としないので、施工作業を簡単に行えて、この点か
らも施工期間の短縮およびコストの削減を図る得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば木造建築の大
壁施工用等に好適に使用できる建築物の外壁用パネルお
よび外壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】木造建築の大壁等の外壁においては、例
えば発泡スチロールおよびセメント等からなる耐火材が
合板基板上に積層されることによって形成された複数の
外壁用パネル、いわゆるラスカットパネルを、建築躯体
に釘止めまたは接着し、そのパネル上にモルタルを塗工
してなる構造が多く採用されている。
【0003】このような木造建築の外壁は、建築基準法
に規定されるように、防火性能に関して認可を受ける必
要がある。具体的には、JIS A1304の「建築構
造部分の防火性能試験方法」の2級、すなわち外壁一面
側を1000℃に加熱したとき、外壁の表面温度が26
0℃を越えてはならないという条件を満たす必要があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の外壁
構造においては、外壁用パネルの耐火材として、発泡ス
チロールおよびセメントからなるものを使用している
が、この耐火材は良好な耐火性能を具備しているもので
はなかった。このため、耐火材層を12mm程度に厚く
形成しているが、それでも充分な耐火性能を得ることが
できず、合板基板として9mm程度の厚いものを使用
し、さらに外壁施工時にモルタルを8mm程度と厚く塗
工することにより、上記耐火性能に関する条件を満たす
ようにしていた。したがって、壁厚が厚く高重量の外壁
を形成することとなり、施工作業をスムーズに行えず、
施工期間の長期化およびコストの増大を来すとともに、
省スペース化を図ることができないという問題があっ
た。
【0005】また、モルタル塗工作業等、高い熟練度が
必要で面倒な左官作業を必要としているため、施工作業
が困難となり、一層、コストの増大および施工期間の長
期化を来すという問題があった。
【0006】この発明は、上記従来技術の問題を解消
し、防火性能に関する所定の条件を満たす外壁を形成で
きることはもちろん、その上、施工期間の短縮、省スペ
ース化およびコストの削減を図ることができる建築物の
外壁用パネルおよび外壁構造を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願第1の発明は、建築躯体に取り付けられる建築
物の外壁用パネルであって、エトリンジャイトを主成分
とする耐火材が基板上に積層されてなることを要旨とす
るものである。
【0008】上記第1の発明においては、100℃〜1
000℃で不燃性ガスを放出する無機化合物粉粒体が、
前記耐火材に、主成分であるエトリンジャイト100重
量部に対して5〜500重量部の配合割合で含有されて
なる構成、さらには酸化チタン粉粒体が、前記耐火材
に、主成分であるエトリンジャイト100重量部に対し
て0.01〜50重量部の配合割合で含有されてなる構
成を採用することが好ましい。
【0009】また、第1の発明においては、前記耐火材
を前記基板上の周縁部を除いて積層して、その周縁部を
前記建築躯体に釘止めによって固定し得るよう構成する
ことが望ましい。
【0010】上記目的を達成するため、本願第2の発明
の建築物の外壁構造は、エトリンジャイトを主成分とす
る耐火材が基板上に周縁部を除いて積層されることによ
って形成された複数の外壁用パネルが、それら各基板の
周端面同士を隣接させた状態で建築躯体にそれぞれ取り
付けられ、隣り合う外壁用パネル間において相対向する
耐火材の周端面間に形成される空き溝に、コーキング材
が充填されてなることを要旨とするものである。
【0011】上記第2の発明においては、前記コーキン
グ材は、前記耐火材と実質的に同組成のものからなる構
成を採用するのが良い。
【0012】ここで、本発明の耐火材の耐火性能に関し
て説明する。一般に外壁材として耐火材の一面側を10
00℃の高温に加熱した際、他面側の表面温度と経過時
間との関係を表すと、図3のグラフのようになる。すな
わち、領域(a)に示すように、加熱が開始されるとま
ず100℃まで立上がり、続いて領域(b)に示すよう
に耐火材に含まれる水分がすべて水蒸気ガスとなって放
出されるまでの間、水の気化によって水の沸点である1
00℃で停滞し、その後、領域(c)に示すように時間
の経過とともに温度が上昇していくこととなる。この事
情から理解できるように、耐火材は、立上がり領域
(a)および100℃停滞領域(b)が長いものほど、
さらに温度上昇領域(c)の勾配が小さいものほど、耐
火時間が長くなって防火性能が優れているといえる。
【0013】一方、本発明で使用されるエトリンジャイ
トは、結晶骨格間に大きな空隙を有するカルシウムとア
ルミニウムの水和硫酸塩であって、前記空隙に約45〜
55重量%もの多量の結晶水を含んでいる。したがっ
て、このエトリンジャイトが加熱されると結晶水が60
℃付近で結晶骨格から遊離し始め、その結晶水が不燃性
の水蒸気ガスとなって放出されることとなる。このと
き、前記したようにエトリンジャイトは、結晶水の含有
量が極めて多いために100℃停滞領域(b)を延ばす
性質を有しており、耐火性能に優れるものであるといえ
る。
【0014】なお、エトリンジャイトは、水とともに練
るとエナメル状となって硬化し、バインダーとしても機
能する。
【0015】本発明で使用されるエトリンジャイトは、
天然に産出するものであっても、人工的に合成したもの
であっても良い。
【0016】次に、本発明の耐火材において、100℃
〜1000℃で不燃性ガスを放出する無機化合物粉粒体
を含有させたものについて説明する。
【0017】まず無機化合物粉粒体としては、100℃
〜1000℃の温度域で結晶水の放出または分解反応に
より水蒸気ガスまたは炭酸ガスの不燃性ガスを放出する
無機化合物の水和物または無機炭酸塩の粉粒体、あるい
はこれらを主体とする鉱物の粉粒体を使用するが、その
重量の10%以上を不燃性ガスとして放出するものを使
用するのが好ましい。具体的には、200℃〜250℃
で水蒸気ガスを生成する水酸化アルミニウム、約800
℃で炭酸ガスを生成する炭酸カルシウム、約900℃で
水蒸気ガスを生成するベントナイトおよびセピオライ
ト、約150℃で水蒸気ガスおよび炭酸ガスを生成する
重曹、約400℃で水蒸気ガスを生成する水酸化マグネ
シウム等を例示でき、これらのうちの1種を単独で使用
しても良く、また2種以上を併用しても差支えない。
【0018】そして、この無機化合物粉粒体を耐火材に
含有させることにより、100℃〜1000℃の温度域
において無機化合物粉粒体から不燃性ガスが生成し、そ
の生成により熱が吸収されて温度上昇が抑制され、上記
図3の温度上昇領域(c)に示す温度勾配が小さくなっ
て、防火性能が一層向上するものとなる。
【0019】無機化合物粉粒体の耐火材中への含有量
は、耐火材の主成分であるエトリンジャイト100重量
部に対し5重量部〜500重量部の範囲とするのが好ま
しく、特に含有量の下限値を50重量部以上に、上限値
を400重量部以下に設定するのが好ましい。この含有
量が5重量部に満たないものでは、上記温度上昇領域
(c)での温度勾配を小さくする効果を充分に得ること
ができず好ましくない。また、500重量部を越えるも
のでは、耐火材中のエトリンジャイトの配合量が相対的
に少なくなって、上記100℃停滞領域(b)の延長効
果が減少するとともに硬化が困難となり好ましくない。
【0020】なお、無機化合物粉粒体の粒度は特に限定
されるものではないが、耐火材中での均一混合を図るた
めに平均粒径1.0mm程度以下のものを使用するのが
望ましい。
【0021】次に、本発明の耐火材において、酸化チタ
ン粉粒体を含有させたものについて説明する。酸化チタ
ンは、高温度域においても非常に安定で分解せず、輻射
熱を遮断して耐火材の熱伝達を抑制する効果がある。こ
のため、酸化チタン粉粒体を含有させることにより、図
3の立上がり領域(a)以降の全領域(a)(b)
(c)で耐火時間が延び、防火性能がより一層向上する
ものとなる。
【0022】酸化チタン粉粒体の粒度は特に限定される
ものではないが、耐火材の均一混合を図るために平均粒
径が1mm程度以下のものを使用するのが好ましい。
【0023】酸化チタン粉粒体の耐火材中への含有量
は、耐火材の主成分であるエトリンジャイト100重量
部に対し0.01重量部〜50重量部の範囲とするのが
好ましく、特に含有量の下限値を5重量部以上に、上限
値を20重量部以下に設定するのが好ましい。この含有
量が0.01重量部に満たないものでは、熱伝達を抑制
する効果を充分に得ることができず好ましくない。ま
た、50重量部を越えて配合しても熱伝達抑制効果が飽
和するため多量に配合する意味がないので好ましくな
い。
【0024】なお、本発明においては、エトリンジャイ
トを主成分とする耐火材に、上記無機化合物粉粒体およ
び酸化チタン粉粒体を含有させることにより、相乗的に
防火性能が向上することとなる。
【0025】本発明の耐火材には、機能を向上させるた
めに、上記各成分以外の諸材料を、防火性能を阻害しな
い程度に適宜含有させても良い。例えば、強度向上およ
びコストダウンのために水硬性セメントを、軽量化を促
進するために黒曜石パーライト、真珠岩パーライト、焼
成バーミキュライト、シラスバルーン等の軽量骨材を、
強度向上のために水ガラスを、さらに亀裂を防止するた
めに耐アルカリガラス繊維、セラミックファイバー等の
繊維類を、施工作業性を向上させるために保水剤等を含
有させることができる。もちろん、これらを2種以上併
用することも可能である。
【0026】
【作用】本願第1の発明の建築物の外壁用パネルは、エ
トリンジャイトに、必要に応じて無機化合物粉粒体およ
び酸化チタン粉粒体を含有させてなる耐火材を基板上に
積層したものであるため、良好な防火性能が得られる。
このため、耐火材はもとより、基板を薄く形成しようと
も、所定の防火性能を得ることができ、しかも外壁施工
時に防火性能向上のために全くモルタル等を塗工する必
要もないので、薄くて軽量の外壁を形成することが可能
となり、施工をスムーズに行えるとともに、モルタル塗
工作業等、高い熟練度が必要な湿式作業を全く必要とせ
ず、施工作業を簡単に行えることとなる。
【0027】また、第1の発明において、耐火材が基板
上の周縁部に存在しない構成を採用する場合には、その
周縁部を釘止めによって建築躯体に固定できるものとな
る。
【0028】本願第2の発明の建築物の外壁構造は、上
記第1の発明の外壁用パネルを主要部として構成してい
るため、その主要部において上記と同様な作用を果た
す。
【0029】また、第2の発明において、隣り合う外壁
用パネル間の空き溝に、上記耐火材と同組成のコーキン
グ材を充填する場合には、外壁用パネル間においても良
好な防火性能を確保できることはもちろん、外壁内層部
の均質化が図られて、表面仕上げ材を塗工した際に、色
むらが発生するのを有効に防止できるものとなる。
【0030】
【実施例】図1はこの発明の一実施例である建築物の外
壁用パネル(P)を示す斜視図である。同図に示すよう
に、この外壁用パネル(P)は、所定寸法(3尺×6
尺)の基板(1)上に耐火材(2)が積層されてなるも
のである。
【0031】基板(1)としては、耐火材(2)を支障
なく積層できる程度の剛性を有するものであればどのよ
うなものでも使用することができ、例えば各種合板のほ
か、中質繊維板(MDF)、パーティクルボード(P
B)等の各種木質繊維板、さらに各種樹脂板等を好適に
使用することができる。この中でも特に、剛性や、建築
躯体への固定時における釘保持性等を考慮すると合板を
使用するのが好ましい。
【0032】基板(1)の厚さは、3mm〜9mmのも
のを好適に使用することができ、好ましくは3mm厚程
度のものを使用するが良い。この厚さが3mmに満たな
いものでは、充分な剛性を確保できず好ましくない。ま
た厚さが9mmを越えるものでは、重量が大きくなって
好ましくない。
【0033】耐火材(2)としては、前記したように、
エトリンジャイトを主成分とし、無機化合物粉粒体およ
び酸化チタンのほか、それら以外の配合材が適宜含有さ
れたものが使用される。
【0034】耐火材(2)は、基板(1)上における周
縁部(11)を除いて積層されている。この場合、基板
(1)の周縁部(11)における耐火材(2)の周端面
からの突出寸法は、外壁用パネル(P)の周囲いずれに
おいても5mm程度に設定するのがよい。なお、図面に
おいては、発明の理解を容易にするために、周縁部(1
1)の突出量を実際よりも大きくなるよう示している。
【0035】また、耐火材(2)は厚さが5mm〜10
mmのものを好適に使用することができ、厚さの下限値
を6mm以上に、上限値を9mm以下に設定したものは
より一層好適に使用することができるが、中でも7mm
厚のものを使用することが推奨される。この厚さが5m
mに満たないものでは、充分な防火性能を得ることがで
きず好ましくない。また10mmを越えるものでは、高
重量となり好ましくない。
【0036】一方、この外壁用パネル(P)には防水処
理が施されている。具体的には、アクリルエマルジョ
ン、シリコン系エマルジョン、アスファルトエマルジョ
ン等の防水材料を基板(1)および耐火材(2)の少な
くとも一方に塗装して防水性を付与したり、防水シー
ト、防水フィルムを基板(1)および耐火材(2)の少
なくとも一方に貼着して防水性を付与したり、あるいは
耐火材(2)に、あらかじめ合成ゴムラテックス、アス
ファルトエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン等の防
水材料を混入しておいて耐火材自身に防水性を付与する
方法がある。
【0037】次に、上記構成の外壁用パネル(P)を使
用して木造建築の大壁等の外壁を形成する場合について
説明する。
【0038】すなわち図2に示すように外壁用パネル
(P)を、建築躯体(3)の木ずり張り(31)に沿わ
せるように配置して、基板(1)の周縁部(11)に適
当に間隔をおいて複数本の釘(4)を打ち込んで木ずり
張り(31)に固定する。また、2枚目以降の外壁用パ
ネル(P)の施工は、すでに固定された外壁用パネル
(P)の基板(1)の一側端面に、次に施工する外壁用
パネル(P)の基板(1)の一側端面を突き合わせた状
態で木ずり張り(31)に沿わせるように配置して、上
記と同様に、釘止めにより木ずり張り(31)に固定す
ることによって行われる。なお、外壁用パネル(P)の
木ずり張り(31)への固定手段は釘止め方式だけ限ら
れるものではなく、どのような手段を用いてもよく、例
えばビス止め方式等も用いることができる。
【0039】こうして建築躯体(3)の外壁施工面全域
に外壁用パネル(P)を固定した後、隣り合う外壁用パ
ネル(P)間において相対向する耐火材(2)の周端面
間に形成される空き溝(5)に、防水処理を施す。具体
的には基板(1)の突き合わせ部に、上記と同様の防水
材料を塗装したり、防水シート、防水フィルム、防水テ
ープを貼着したりして防水性を付与する。なお、後述す
るコーキング材(7)に、再乳化剛性樹脂粉末等をあら
かじめ混入しておいてコーキング材自身に防水性を付与
するようにしてもよい。
【0040】次に、コーキング材(7)を上記の空き溝
(5)に充填する。このコーキング材(7)は、エトリ
ンジャイトを主成分とするものを好適に使用することが
でき、好ましくは耐火材(2)と同組成のものを使用す
るのが良い。
【0041】そして最後に、外壁用パネル(P)の外面
全域に、表面仕上げ材(8)を塗工し、これにより外壁
施工が完了する。なお、表面仕上げ材(8)に代えて、
タイル等を施工することももちろん可能である。
【0042】この外壁構造によれば、耐火材(2)とし
て、エトリンジャイトに、必要に応じて無機化合物粉粒
体および酸化チタン粉粒体を含有させてなるものを使用
しているため、良好な耐火性能が得られる。このため、
耐火材(2)はもとより、基板(1)を薄くしようと
も、所定の防火性能を得ることができ、しかも外壁用パ
ネル(1)表面に防火性能を向上させるために全くモル
タルを塗工する必要もないので、薄くて軽量の外壁を形
成することが可能となり、施工をスムーズに行えて、施
工期間の短縮およびコストの削減を図ることができると
ともに、省スペース化も図ることができる。さらに、外
壁パネル(P)の軽量化によって、パネル(P)の施工
現場への搬入作業等も簡単に行うこともできる。
【0043】また、モルタル塗工作業等、高い熟練度が
必要な湿式作業を全く必要としないので、施工作業を簡
単に行えて、この点からも施工期間の短縮およびコスト
の削減を図ることができる。換言すれば、従来において
は、外壁を形成する場合、躯体部を形成する作業(大工
作業)のほか、ラス張り作業、モルタル塗工作業(左官
作業)の3種の作業が必要であるのに対し、本実施例に
よれば、上記3種の作業のうち、ラス張り作業および左
官作業が不要となって、1種の作業のみで合理的に、外
壁の形成、ひいては建築物の形成を行える。
【0044】さらに、隣り合う外壁用パネル(P)間の
空き溝(5)に、良好な防火性能を有する耐火材(2)
と同組成のコーキング材(7)を充填するようにしてい
るため、外壁用パネル間においても良好な防火性能を確
保できるとともに、外壁内層部の均質化が図られて、表
面仕上げ材(8)を塗工した際に、色むらが発生するの
を有効に防止でき、良好な美観も得ることができる。
【0045】なお、コーキング材(7)として、耐火材
(2)と異質のものを使用した場合、多少の手間はかか
るものの色むらの発生は防止できる。例えば、防水処理
を充分に行って、仕上げ材を吹き付けたり、あるいは仕
上げ材の下吹きを厚く吹き付けた後、上吹きを吹き付け
る等の施工を行えば色むらの発生は防止でき、良好な美
観を得ることができる。
【0046】また、外壁用パネル(P)および空き溝
(5)に防水処理を施しているため、水分の含浸により
悪影響が及ぶのを確実に防止することができる。
【0047】なお、上記実施例においては、外壁用パネ
ル(P)を建築躯体(3)に釘止めによって固定するよ
うにしているが、本発明においては外壁用パネル(P)
を接着剤で固定しても、接着剤と釘の双方を用いる糊釘
併用で固定するようにしても良い。
【0048】<防火性能に関する実験例>次に、本発明
に基づく外壁用パネルの防火性能に関する実験例につい
て説明する。
【0049】まず幅300mm、長さ300mm、幅
5.5mmの合板(剛性基板)を多数枚準備した。
【0050】その一方で、含水量46重量%のエトリン
ジャイント、平均粒径0.1mmの水酸化アルミニウ
ム、平均粒径0.1mmの炭酸カルシウム、平均粒径
0.2mmのベントナイト、平均粒径1mmのセピオラ
イト、平均粒径1μmの酸化チタン、平均粒径0.1m
mの重曹、平均粒径0.1mmの水酸化マグネシウムを
準備し、さらに任意配合材料として白色セメント、平均
粒径2.5mmのパーライト、耐アルカリガラス繊維を
準備した。
【0051】
【表1】 上記の各材料を上表1で示す割合でそれぞれ混合して、
実験例1〜17および比較例1〜3に相当する20種類
の耐火材組成物を形成し、各耐火材組成物25kgに、
水13リットルを加えて混練したものをそれぞれ耐火材
とした。さらにこれら20種類の耐火材を、各種類ごと
に厚さ8mm、12mm、16mmで上記合板の一面側
にそれぞれ塗工したものを、温度25℃、湿度70%で
28日間養生硬化させることにより、計60個の試験体
(外壁用パネル)を準備した。
【0052】そして、各試験体に対し、合板と耐火材と
の境界部に熱電対を取り付けて、耐火材側の面を、JI
S A1304の「防火構造試験」の温度条件にしたが
って30分間加熱し、そのときの合板と耐火材との境界
部の最高温度をそれぞれ測定した。
【0053】その測定結果を、JIS A1304の
「防火構造試験(2級)」の合否結果と併せて、下記の
表2A、表2B、表3Cに示す。なお、下表において、
耐火材が8mm厚のものは表2Aに、12mm厚のもの
は表2Bに、16mm厚のものは表2Cに示す。
【0054】
【表2】 上表の結果から明らかなように、本発明に関連した実験
例1〜17のものは、8mm厚、12mm厚、16mm
厚のいずれにおいても最高温度が260℃以下であり、
JIS A1304の「防火構造試験(2級)」の基準
を満たすものであり、優れた防火性能を有していること
を確認し得た。さらにエトリンジャイトを単独で用いる
よりも無機化合物粉粒体や酸化チタン粉粒体を併用する
ことにより、最高温度が低下し、なお一層防火性能が向
上することを確認し得た。
【0055】これに対し、白色セメントを耐火材の主成
分とする比較例1〜3のものは、すべて最高温度が26
0℃を越えており、上記の防火構造試験の基準を満たす
ものではなく、防火性能に劣るものであった。
【0056】
【発明の効果】本願第1の発明の建築物の外壁用パネル
によれば、エトリンジャイトに、必要に応じて無機化合
物粉粒体および酸化チタン粉粒体を含有させてなる耐火
材を基板上に積層したものであるため、良好な耐火性能
が得られる。このため、耐火材はもとより、基板を薄く
しようとも、所定の防火性能を得ることができ、しかも
外壁施工時に防火性能向上のために全くモルタル等を塗
工する必要もないので、薄くて軽量の外壁を形成するこ
とが可能となり、施工作業をスムーズに行えて施工期間
の短縮およびコストの削減を図ることができるととも
に、省スペース化も図ることができる。また、モルタル
塗工作業等、高い熟練度が必要な湿式作業を全く必要と
しないので、施工作業を簡単に行えて、この点からも施
工期間の短縮およびコストの削減を図ることができると
いう効果が得られる。
【0057】また、第1の発明において、耐火材が基板
上の周縁部に存在しない構成を採用する場合には、その
周縁部を釘止めによって建築躯体に固定することができ
るので、釘止め作業を良好に行えるという利点がある。
【0058】本願第2の発明の建築物の外壁構造によれ
ば、上記第1の発明の外壁用パネルを主要部として構成
しているため、その主要部において上記と同様な効果が
得られる。
【0059】また、第2の発明において、隣り合う外壁
用パネル間の空き溝に、上記耐火材と同組成のコーキン
グ材を充填する場合には、外壁用パネル間においても良
好な防火性能を確保できるとともに、外壁内層部の均質
化が図られて、表面仕上げ材を塗工した際に、色むらが
発生するのを有効に防止でき、良好な美観を得ることが
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例である建築物の外壁用パネ
ルを示す斜視図である。
【図2】図2(a)はこの発明の一実施例である建築物
の外壁構造を示す断面図、図2(b)は図2(a)の空
き溝周辺の拡大断面図である。
【図3】耐火材において加熱面に対し反対側の表面温度
と経過時間との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…基板 2…耐火材 3…建築躯体 5…空き溝 7…コーキング材 11…周縁部 P…外壁用パネル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築躯体に取り付けられる建築物の外壁
    用パネルであって、 エトリンジャイトを主成分とする耐火材が基板上に積層
    されてなることを特徴とする建築物の外壁用パネル。
  2. 【請求項2】 100℃〜1000℃で不燃性ガスを放
    出する無機化合物粉粒体が、前記耐火材に、主成分であ
    るエトリンジャイト100重量部に対して5〜500重
    量部の配合割合で含有されてなる請求項1に記載の建築
    物の外壁用パネル。
  3. 【請求項3】 酸化チタン粉粒体が、前記耐火材に、主
    成分であるエトリンジャイト100重量部に対して0.
    01〜50重量部の配合割合で含有されてなる請求項1
    または2に記載の建築物の外壁用パネル。
  4. 【請求項4】 前記耐火材が前記基板上の周縁部に存在
    せず、その周縁部が前記建築躯体に釘止めによって固定
    され得るよう構成されてなる請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の建築物の外壁用パネル。
  5. 【請求項5】 エトリンジャイトを主成分とする耐火材
    が基板上に周縁部を除いて積層されることによって形成
    された複数の外壁用パネルが、それら各基板の周端面同
    士を隣接させた状態で建築躯体にそれぞれ取り付けら
    れ、隣り合う外壁用パネル間において相対向する耐火材
    の周端面間に形成される空き溝に、コーキング材が充填
    されてなることを特徴とする建築物の外壁構造。
  6. 【請求項6】 前記コーキング材は、前記耐火材と実質
    的に同組成のものからなる請求項5に記載の建築物の外
    壁構造。
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