JPH0841824A - 斜張橋用架設時制振装置 - Google Patents

斜張橋用架設時制振装置

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JPH0841824A
JPH0841824A JP17814694A JP17814694A JPH0841824A JP H0841824 A JPH0841824 A JP H0841824A JP 17814694 A JP17814694 A JP 17814694A JP 17814694 A JP17814694 A JP 17814694A JP H0841824 A JPH0841824 A JP H0841824A
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winch
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Makoto Oshio
真 大塩
Kenichi Yano
憲一 箭野
Hiroshi Midorikawa
浩史 緑川
Tatsuji Nakano
龍児 中野
Naoto Daiho
直人 大保
Hiroharu Mukai
弘晴 向
Yuji Niihara
雄二 新原
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 主桁の重量が大きく固有振動数の低い橋に対
しても風などによって発生する上下振動を効果的に低減
して低周波振動を防止でき、作業員の低周波振動による
船酔い現象を防止して作業性を向上させることができる
ものである。また、強風時に懸念される主桁に掛かる応
力を効果的に低減することも可能となる。 【構成】 斜張橋架設時に橋の主桁2の端部に設置する
ものとして、ウインチ9による昇降装置で内部に注水可
能なバケット12を水面から出没可能に吊下した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、斜張橋の架設時の主桁
部に適用し、風などによって発生する上下振動を低減す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術】斜張橋のうちPC斜張橋の架設は、図9
に示すように主塔1と主桁2を同時進行で施工し、ケー
ブル3を張っていく。図中4は施工用ワーゲンである。
従って、施工が進むにつれて主桁2が長くなっていくた
めに、橋全体の固有振動数は低下し、その振動の振幅も
大きくなってくる。
【0003】この振動数は0.3Hz 以下と非常に低いもの
で、主桁2の端部で作業を行っている作業員がこの低周
波数振動によって船酔いを起こし、作業に支障をきたす
こともある。さらに、台風などの強風が襲った場合、主
桁2の変位が非常に大きくなって、許容範囲を越える大
きな応力が作用するおそれがある。
【0004】そこで、従来は図10、図11に示すような先
端に重錘5を取り付けた梁6をねじりバネ7と粘弾性体
8による減衰装置で支持する動吸振器を設置して、前記
風などによって発生する振動を低減するようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような動
吸振器は、鋼製の斜張橋のように比較的主桁部の重量が
小さく固有振動数の高い橋には有効であるが、PC橋の
ように主桁の重量が大きく固有振動数の低い橋に対して
は十分な効果が得にくい。また、このような動吸振器は
主桁の張出し長さが長くなり、橋の固有振動数が変化す
る場合には、その都度手動で特性を調整しなければなら
ない。
【0006】また、高層ビルなどでは水平動用の制振装
置が用いられるが、斜張橋の主桁の振動は端部では上下
動となるため、この種の制振装置を適用することはでき
ない。
【0007】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、主桁の重量が大きく固有振動数の低い橋に対しても
風などによって発生する上下振動を効果的に低減して低
周波振動を防止し、作業性の向上および応力の緩和を図
ることができる斜張橋用架設時制振装置を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、斜張橋架設時に橋の主桁の端部に設置するも
のとして、第1に、昇降装置で内部に注水可能なバケッ
トを水面から出没可能に吊下したこと、第2に、上下方
向に潜行可能な潜行機を水中に位置させて吊下したこ
と、第3に、上下方向に推力を与えるジェットエンジン
を取り付けたことを要旨とするものである。
【0009】
【作用】請求項1記載の本発明によれば、振動が最も大
きくなる主桁の端部に設置して、内部に注水可能なバケ
ットを水面から出没するように昇降させて抑制力を主桁
端部が移動する方向と逆方向に掛けることにより、振動
を効果的に低減することができる。
【0010】請求項2記載の本発明によれば、前記請求
項1と同様に、主桁端部の上下動に合わせて潜行機を作
動させ、抑制力を主桁端部が移動する方向と逆方向に掛
けることにより、振動を効果的に低減することができ
る。
【0011】請求項3記載の本発明によれば、前記請求
項1および請求項2と同様に、主桁端部の上下動に合わ
せてジェットエンジンを作動させ、このジェットエンジ
ンの推力で抑制力を主桁端部が移動する方向と逆方向に
掛けることにより、振動を効果的に低減することができ
る。
【0012】
【実施例】以下、図面について本発明の実施例を詳細に
説明する。図1は本発明の斜張橋用架設時制振装置の第
1実施例を示す正面図、図2は同上要部の1部切欠いた
正面図である。
【0013】図中9は昇降装置としてのウインチであ
り、このウインチ9は主桁2の下面に長さ方向に移動用
のレール10を配設し、このレール10に走行可能に設け
た。
【0014】前記ウインチ9からは牽引用のワイヤー11
を繰り出し、その先端には海水等を注水可能なバケット
12を取り付ける。該バケット12は水没しやすいように下
に向けて流線形とし、重り12aを有する。
【0015】このようにしてバケット12はウインチ9か
らのワイヤー11により水面まで到達可能であるが、バケ
ット12を構成する材料は比重1以上の物質であり、一定
容量(例えば海水20m3 程度)が入るものとする。
【0016】なお、昇降装置としてはウインチ9の代わ
りにアクチュエータを用いてもよい。
【0017】前記バケット12には常時海水(淡水)を満
たしておき、主桁2に制御力を掛けたい時はウインチ9
で海水を満たしたバケット12を吊り上げ、バケット12の
全体を水面上に出す。また、制御力を開放する場合はバ
ケット12を海中に沈め、その浮力分だけ完全吊り上げ時
より制御力を小さくすることができる。
【0018】図示は省略するが主桁2に速度計等のセン
サーを設け、このセンサーによる主桁2の端部の振動デ
ータの信号を受け、図8に示すように、主桁2が上がる
挙動を示した場合はバケット12を吊り上げ主桁2の端部
が移動する方向と逆方向に掛けることにより、振動を効
果的に低減することができる。
【0019】例えば、海水が20m3 入るバケット12では
前記ウインチ9での上げ下げによる海中への水没量の調
整により、ほぼ、0〜20トンの制御力を得ることができ
る。主桁2の端部の耐荷重に余裕がある場合は、比重1
(海水の場合は1.01〜1.05)以上の材料を20m3 用いて
もよい。
【0020】橋の架設に伴って主桁2が長くなった場合
にはレール10にそってウインチ9を移動させ、常に主桁
2の端部からバケット12を吊り下げるようにする。
【0021】図3、図4は本発明の第2実施例を示すも
ので、主桁2の下面に長さ方向に移動用のレール10を配
設し、このレール10にウインチ9を走行可能に設ける点
は前記第1実施例を同じであるが、ウインチ9から繰り
出す牽引用のワイヤー11の端には上下方向に潜行可能な
潜行機13を水中に位置させて吊下した。
【0022】この潜行機13は重り13bを有する本体13a
に、発動機13cとスクリュー13dとこれら発動機13cと
スクリュー13dを連結するベルト13eおよびプーリー13
fを設けてなる。
【0023】主桁2の端部が移動する方向と逆方向に潜
行機13を潜行させ、図8に示すように抑制力を掛けるこ
とにより、振動を効果的に低減することができる。
【0024】図5〜図7は本発明の第3実施例を示すも
ので、主桁2の端部に上下方向に推力を与えるジェット
エンジン14を取り付けた。このジェットエンジン14は図
6に示すように1機設ける場合や図7に示すように複数
設ける場合が考えられる。
【0025】主桁2の端部の上下動に合わせて主桁2の
端部が上方に移動した場合には、ジェットエンジン14の
推力が下方に発生するようにして制動する。また、逆に
下方に移動した場合は上方に推力を発生すればよい。
【0026】ただし、主桁2の両端部につけるジェット
エンジン14のエンジン出力が十分に大きい場合は、上方
もしくは下方の片方のジェットエンジン14を交互に作動
させればよい。
【0027】
【発明の効果】以上述べたように本発明の斜張橋用架設
時制振装置は、主桁の重量が大きくなる橋に対しても風
などによって発生する振動を効果的に低減して低周波振
動を防止でき、作業員の低周波振動による船酔い現象を
防止して作業性を向上させることができるものである。
【0028】また、強風時に懸念される主桁に掛かる応
力を効果的に低減することも可能となり、さらに、架設
工事により主桁が長くなっても常に最適な制振効果を発
揮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第1実施例
を示す正面図である。
【図2】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第1実施例
を示す要部の1部切欠いた正面図である。
【図3】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第2実施例
を示す正面図である。
【図4】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第2実施例
を示す要部の1部切欠いた正面図である。
【図5】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第3実施例
を示す正面図である。
【図6】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第3実施例
のジェットエンジン1機の場合の平面図である。
【図7】本発明の斜張橋用架設時制振装置の第3実施例
のジェットエンジン2機の場合の平面図である。
【図8】本発明の斜張橋用架設時制振装置の制御波形図
である。
【図9】斜張橋の説明図である。
【図10】従来例を示す側面図である。
【図11】従来例を示す平面図である。
【符号の説明】
1…主塔 2…主桁 3…ケーブル 4…施工用ワーゲン 5…重錘 6…梁 7…ねじりバネ 8…粘弾性体 9…ウインチ 10…レール 11…ワイヤー 12…バケット 12a…重り 13…潜行機 13a…本体 13b…重り 13c…発動機 13d…スクリュー 13e…ベルト 13f…プーリー 14…ジェットエンジン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中野 龍児 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島建 設株式会社内 (72)発明者 大保 直人 東京調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島建 設株式会社技術研究所内 (72)発明者 向 弘晴 東京調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島建 設株式会社技術研究所内 (72)発明者 新原 雄二 東京調布市飛田給二丁目19番1号 鹿島建 設株式会社技術研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜張橋架設時に橋の主桁の端部に設置す
    るものとして、昇降装置で内部に注水可能なバケットを
    水面から出没可能に吊下したことを特徴とする斜張橋用
    架設時制振装置。
  2. 【請求項2】 斜張橋架設時に橋の主桁の端部に設置す
    るものとして、上下方向に潜行可能な潜行機を水中に位
    置させて吊下したことを特徴とする斜張橋用架設時制振
    装置。
  3. 【請求項3】 斜張橋架設時に橋の主桁の端部に設置す
    るものとして、上下方向に推力を与えるジェットエンジ
    ンを取り付けたことを特徴とする斜張橋用架設時制振装
    置。
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