JPH0841654A - TiAlの表面処理方法 - Google Patents
TiAlの表面処理方法Info
- Publication number
- JPH0841654A JPH0841654A JP17794994A JP17794994A JPH0841654A JP H0841654 A JPH0841654 A JP H0841654A JP 17794994 A JP17794994 A JP 17794994A JP 17794994 A JP17794994 A JP 17794994A JP H0841654 A JPH0841654 A JP H0841654A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tial
- vessel
- protective film
- niobium oxide
- atmosphere
- Prior art date
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- Pending
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱サイクル負荷環境で防蝕効果を持続できる
TiAlの表面処理方法を提供する。 【構成】 容器10内に、TiAl(12)を酸化ニオ
ブ粉末14でパックした状態で収容し、その容器10内
を低真空で高温雰囲気に保ってTiAl表面にアルミナ
の保護被膜を形成することを特徴としている。
TiAlの表面処理方法を提供する。 【構成】 容器10内に、TiAl(12)を酸化ニオ
ブ粉末14でパックした状態で収容し、その容器10内
を低真空で高温雰囲気に保ってTiAl表面にアルミナ
の保護被膜を形成することを特徴としている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタンアルミナイドな
どのTiAlにアルミナの保護被膜を形成するTiAl
の表面処理方法に関するものである。
どのTiAlにアルミナの保護被膜を形成するTiAl
の表面処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Ti−Al系金属間化合物(以下TiA
lという)としてのチタンアルミナイドは、軽量耐熱材
料として注目されている。その理由は、チタンアルミナ
イドは、ニッケル基合金よりも高温での比強度に優れ、
チタン合金よりも耐熱性、耐酸化性に優れているためで
ある。これらの特性は、タービン部品や自動車エンジン
部品等への適用に望ましく、その実用化が待たれてい
る。
lという)としてのチタンアルミナイドは、軽量耐熱材
料として注目されている。その理由は、チタンアルミナ
イドは、ニッケル基合金よりも高温での比強度に優れ、
チタン合金よりも耐熱性、耐酸化性に優れているためで
ある。これらの特性は、タービン部品や自動車エンジン
部品等への適用に望ましく、その実用化が待たれてい
る。
【0003】このTiAlは、650℃より高い温度環
境で使用すると高温酸化の影響を受けて高温腐蝕を起こ
すため、保護被膜を施す必要がある。
境で使用すると高温酸化の影響を受けて高温腐蝕を起こ
すため、保護被膜を施す必要がある。
【0004】従来、TiAlを真空中で熱処理、例え
ば、1000℃、6.7×10-3Pa、16Hrsで熱
処理することにより、表面にAl2 O3 保護被膜を形成
させ、耐酸化性を向上させる技術(文献名;小林郁夫,
吉原美知子ら,日本金属学界誌Vol.53 1989
年,ページ251)が知られている。
ば、1000℃、6.7×10-3Pa、16Hrsで熱
処理することにより、表面にAl2 O3 保護被膜を形成
させ、耐酸化性を向上させる技術(文献名;小林郁夫,
吉原美知子ら,日本金属学界誌Vol.53 1989
年,ページ251)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
熱処理技術では、被膜の安全性・健全性が不十分で、上
述した650℃より高い熱サイクル負荷環境で防蝕効果
が持続しない問題がある。 そこで、本発明の目的は、
上記課題を解決し、熱サイクル負荷環境で防蝕効果を持
続できるTiAlの表面処理方法を提供することにあ
る。
熱処理技術では、被膜の安全性・健全性が不十分で、上
述した650℃より高い熱サイクル負荷環境で防蝕効果
が持続しない問題がある。 そこで、本発明の目的は、
上記課題を解決し、熱サイクル負荷環境で防蝕効果を持
続できるTiAlの表面処理方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、容器内に、TiAlを酸化ニオブ粉末でパ
ックした状態で収容し、その容器内を低真空で高温雰囲
気に保ってTiAl表面にアルミナの保護被膜を形成す
るものである。
に本発明は、容器内に、TiAlを酸化ニオブ粉末でパ
ックした状態で収容し、その容器内を低真空で高温雰囲
気に保ってTiAl表面にアルミナの保護被膜を形成す
るものである。
【0007】
【作用】上記構成によれば、TiAl表面にアルミナ
(Al2 O3 )保護被膜を形成させるため、Nb/Nb
2 O5 の平衡解離圧を利用し、被膜の健全性を図ること
ができる。すなわち酸化ニオブ(Nb2 O5 )粉末を利
用することにより、Ti又はAlとNb2 O5 の反応に
よって形成するNbを、酸化被膜又はTiAlに固溶さ
せることにより、被膜の健全性を向上させることができ
る。
(Al2 O3 )保護被膜を形成させるため、Nb/Nb
2 O5 の平衡解離圧を利用し、被膜の健全性を図ること
ができる。すなわち酸化ニオブ(Nb2 O5 )粉末を利
用することにより、Ti又はAlとNb2 O5 の反応に
よって形成するNbを、酸化被膜又はTiAlに固溶さ
せることにより、被膜の健全性を向上させることができ
る。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0009】先ずTiAlは、本出願人が提案した、特
願平2−201373号、特願平2−215846号、
特願平4−69832号で開示したチタンアルミナイド
を用い、その成分は、重量%で、以下の通りである。
願平2−201373号、特願平2−215846号、
特願平4−69832号で開示したチタンアルミナイド
を用い、その成分は、重量%で、以下の通りである。
【0010】Al 31〜34% Fe 1.5〜3.0% V 0.5〜2.0% B 0.07〜0.35% を含有し、残りがTi及び不可避不純物からなるチタン
アルミナイド。
アルミナイド。
【0011】又は Al 31.5〜33.5% Fe 1.5〜2.0% Nb 1.5〜2.0%又は3.8〜4.8% B 0.07〜0.12% を含有し、残りがTi及び不可避不純物からなるチタン
アルミナイド。
アルミナイド。
【0012】或いは Al 31〜34% Fe 1.5〜3.0% Mo 1.0〜3.0% 又は Cr 0.3〜1.5 B 0.07〜0.35% を含有し、残りがTi及び不可避不純物からなるチタン
アルミナイド。
アルミナイド。
【0013】上述した成分のチタンアルミナイドを所定
の形状に鋳造してTiAlの材料とする。
の形状に鋳造してTiAlの材料とする。
【0014】さて図1に示すように、石英管などからな
る容器10内にはTiAl材料12が収容され、そのT
iAl材料12が、容器10内に収容した酸化ニオブ粉
末(Nb2 O5 )14にパックされた状態で収容され
る。この容器10の一側には、予めグラスウール16が
詰められ、グラスウール16を介して容器10内を真空
引きできるようになっている。
る容器10内にはTiAl材料12が収容され、そのT
iAl材料12が、容器10内に収容した酸化ニオブ粉
末(Nb2 O5 )14にパックされた状態で収容され
る。この容器10の一側には、予めグラスウール16が
詰められ、グラスウール16を介して容器10内を真空
引きできるようになっている。
【0015】以上において、容器10内を10-4Paの
真空度に保ち、温度を約1200℃で数十時間表面処理
を行うことで、TiAl材料12の表面にAl2 O3 の
保護膜を形成できる。
真空度に保ち、温度を約1200℃で数十時間表面処理
を行うことで、TiAl材料12の表面にAl2 O3 の
保護膜を形成できる。
【0016】Al2 O3 の保護膜は、Nb/Nb2 O5
の平衡解離圧( 927℃,Po2 =9.78×10-25 atm)
を利用して行うものである。
の平衡解離圧( 927℃,Po2 =9.78×10-25 atm)
を利用して行うものである。
【0017】すなわち、Nb2 O5 は、10-4Paの真
空度と1200℃の高温雰囲気に維持されると、(1) 式
のように解離する。
空度と1200℃の高温雰囲気に維持されると、(1) 式
のように解離する。
【0018】 Nb2 O5 → Nb + O2 … (1) (1) 式の反応で生じたO2 は、TiAl材料の表面のT
i,Alと(2),(3) 式のように反応する。
i,Alと(2),(3) 式のように反応する。
【0019】 Ti + O2 → TiO2 … (2) Al + O2 → AlO2 … (3) また、Nbは、TiAl材料の表面に生じた被膜やTi
Alに固溶し、被膜の健全性を向上させる。
Alに固溶し、被膜の健全性を向上させる。
【0020】次に具体的実施例を説明する。
【0021】先ず、上述したFe−V系のチタンアルミ
ナイドからなるTiAlを鋳造した。
ナイドからなるTiAlを鋳造した。
【0022】次に、Nb2 O5 粉末を充填した石英管中
にTiAlを装入し、石英管内の雰囲気を約10-4Pa
以下に保った。
にTiAlを装入し、石英管内の雰囲気を約10-4Pa
以下に保った。
【0023】これを1100〜1300K,100Ks
ec(約27時間)程度、熱処理を行い、表面処理を行
った。
ec(約27時間)程度、熱処理を行い、表面処理を行
った。
【0024】図2は本発明で得られた保護被膜を有する
TiAl材料aと未処理のTiAl材料bとNi基合金
(Ni−Cr−Co系合金,商品名:Rene77)材
料cと比較対象物としてNb2 O5 に代えてSiO2 で
保護被膜を形成した材料dを、大気圧下で、温度815
℃の雰囲気での高温酸化の影響を試験したもので、酸化
による重量増加量の経時変化を示したものである。
TiAl材料aと未処理のTiAl材料bとNi基合金
(Ni−Cr−Co系合金,商品名:Rene77)材
料cと比較対象物としてNb2 O5 に代えてSiO2 で
保護被膜を形成した材料dを、大気圧下で、温度815
℃の雰囲気での高温酸化の影響を試験したもので、酸化
による重量増加量の経時変化を示したものである。
【0025】図2から判るように、未処理のTiAl材
料bは、高温酸化の影響が大である。これに対して本発
明の材料aは50時間たっても高温酸化の影響がほとん
ど認められない。またNi基合金材料cは高温酸化の影
響が少し認められる。さらに、SiO2 で保護被膜を形
成した材料dは、Ni基合金材料cより高温酸化の影響
が大きく、本発明のようにNb2 O5 粉末で保護被膜を
形成することで、良好な保護被膜とすることができる。
料bは、高温酸化の影響が大である。これに対して本発
明の材料aは50時間たっても高温酸化の影響がほとん
ど認められない。またNi基合金材料cは高温酸化の影
響が少し認められる。さらに、SiO2 で保護被膜を形
成した材料dは、Ni基合金材料cより高温酸化の影響
が大きく、本発明のようにNb2 O5 粉末で保護被膜を
形成することで、良好な保護被膜とすることができる。
【0026】図3は、温度815℃の雰囲気を8時間保
った後、室温に1時間保ち、これを繰返した熱サイクル
をかけたものである。
った後、室温に1時間保ち、これを繰返した熱サイクル
をかけたものである。
【0027】図3から判るように、未処理のTiAl材
料bとSiO2 で保護被膜を形成した材料dは、重量変
化が大きく、熱サイクルの負荷に耐えられないものであ
る。またNi基合金材料cは、熱サイクルの負荷に比較
的耐えているが、本発明の材料aは、熱サイクルの負荷
の影響をほとんど受けていないことことが判る。
料bとSiO2 で保護被膜を形成した材料dは、重量変
化が大きく、熱サイクルの負荷に耐えられないものであ
る。またNi基合金材料cは、熱サイクルの負荷に比較
的耐えているが、本発明の材料aは、熱サイクルの負荷
の影響をほとんど受けていないことことが判る。
【0028】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、酸化ニオ
ブ(Nb2 O5 )粉末を利用してTiAl表面にアルミ
ナ(Al2 O3 )保護被膜を形成させるため、高温雰囲
気での耐酸化性を向上させることができる。
ブ(Nb2 O5 )粉末を利用してTiAl表面にアルミ
ナ(Al2 O3 )保護被膜を形成させるため、高温雰囲
気での耐酸化性を向上させることができる。
【図1】本発明の一実施例を示す概略図である。
【図2】本発明と各種比較材料の高温酸化の影響を示す
図である。
図である。
【図3】本発明と各種比較材料に熱サイクルをかけた時
の高温酸化の影響を示す図である。
の高温酸化の影響を示す図である。
10 容器 12 TiAl 14 酸化ニオブ粉末
Claims (1)
- 【請求項1】 容器内に、TiAlを酸化ニオブ粉末で
パックした状態で収容し、その容器内を低真空で高温雰
囲気に保ってTiAl表面にアルミナの保護被膜を形成
することを特徴とするTiAlの表面処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17794994A JPH0841654A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | TiAlの表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17794994A JPH0841654A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | TiAlの表面処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0841654A true JPH0841654A (ja) | 1996-02-13 |
Family
ID=16039904
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17794994A Pending JPH0841654A (ja) | 1994-07-29 | 1994-07-29 | TiAlの表面処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0841654A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0926252A1 (en) * | 1997-12-26 | 1999-06-30 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Titanium aluminide for precision casting and method of casting titanium aluminide |
US5980659A (en) * | 1996-07-15 | 1999-11-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Surface-treated metallic part and processing method thereof |
US6410154B2 (en) | 1996-03-29 | 2002-06-25 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Tial-based alloys with excellent oxidation resistance, and method for producing the same |
-
1994
- 1994-07-29 JP JP17794994A patent/JPH0841654A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6410154B2 (en) | 1996-03-29 | 2002-06-25 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Tial-based alloys with excellent oxidation resistance, and method for producing the same |
US5980659A (en) * | 1996-07-15 | 1999-11-09 | Kabushiki Kaisha Toyota Chuo Kenkyusho | Surface-treated metallic part and processing method thereof |
EP0926252A1 (en) * | 1997-12-26 | 1999-06-30 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Titanium aluminide for precision casting and method of casting titanium aluminide |
US6165414A (en) * | 1997-12-26 | 2000-12-26 | Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. | Titanium aluminide for precision casting and method of casting using titanium aluminide |
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