JPH0841423A - 絶縁電線用塗料および絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線用塗料および絶縁電線

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JPH0841423A
JPH0841423A JP17422894A JP17422894A JPH0841423A JP H0841423 A JPH0841423 A JP H0841423A JP 17422894 A JP17422894 A JP 17422894A JP 17422894 A JP17422894 A JP 17422894A JP H0841423 A JPH0841423 A JP H0841423A
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JP
Japan
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coating
solvent
insulated electric
insulated
hydroxyisobutyric acid
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JP17422894A
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English (en)
Inventor
Yoshikazu Shima
義和 島
Masaaki Iijima
昌明 飯島
Isamu Koishikawa
勇 小石川
Kotomi Kondou
琴美 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Auto Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Auto Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ウレタン結合を有する絶縁電線用塗料におい
て、溶媒としてα- ヒドロキシイソ酪酸又はその誘導体
を用いた絶縁電線用塗料、および該塗料を塗布焼付けし
てなる絶縁電線。 【効果】 塗料樹脂と溶媒との相溶性の良く、皮膜中の
残留溶媒量が少ないので、密閉型リレーコイルなどにお
いて、安全性、機能性が大幅に向上される。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、電気機器、電気通信
器、電気計器等の巻線および配線に使用される銅線、ア
ルミナ線等の導体の絶縁皮膜に有用な焼付用絶縁電線塗
料、および該塗料による絶縁電線に関する。 【0002】 【従来の技術】上記の電気機器等においては、半導体技
術の進歩とユーザーの要求から小型軽量化、高性能高品
位化、商品コストの低減化の要求が急速に高まってい
る。また同時に、長時間、過酷な機器の使用に対して、
安全性と安定した機能性も要求されている。更に電気機
器等の重要なる部分を占めるマグネットワイヤーと、そ
れを製造するための絶縁電線用塗料においては、このよ
うな要求に対して、生産性の向上、特性の向上はもとよ
り、安全性・機能性の向上が必要とされる。従来のポリ
ウレタン系絶縁電線用塗料は、その塗料中の多価マスキ
ングイソシアネート化合物のマスキング剤および溶媒と
して、クレゾール、キシレノール類、フェノール等のフ
ェノール類と、希釈溶媒としてキシレン、ソルべントナ
フサ#2 または当該相当品等を任意に混合した系が用い
られている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のポリウレタン系
絶縁電線用塗料で上記の如きマスキング剤および溶媒を
用いてマグネットワイヤーを製造し、電気機器等に用い
る場合に、次のような課題が挙げられる。多くの電気機
器等に組み込まれているのは密閉型リレーコイルである
ので、従来のマグネットワイヤーを用いた場合、ワイヤ
ーの電線皮膜中に残留するフェノール類が多量に存在
し、密閉リレーコイルの作動の繰り返しにより、系内が
加熱、特にコイルが加熱され、残留フェノール類等が気
化して系内に充満して、リレーの接点部の劣化を引き起
こし、リレーの機能を停止させるため電気機器等の安全
性に大きな損失要因となる。また他のコイルにおいても
マグネットワイヤーの電線皮膜中に多量の残留溶剤が存
在すると、機器の使用時の加熱により気化発散し、周辺
部品の劣化を引き起こすと共に使用環境上の問題も生じ
る。従ってこのようなフェノール系マスキング剤および
溶媒を用いたポリウレタン系絶縁電線用塗料による絶縁
電線では、近年の電気機器等の小型軽量化、高性能高品
位化や、安全性、機能性の大幅な向上の要求に対処する
ことができないという重大な欠点を有する。 【0004】 【課題を解決するための手段】発明者等はポリウレタン
系絶縁電線用塗料における上記の如き課題を解消するた
めに鋭意検討した結果、α- ヒドロキシイソ酪酸および
その誘導体はポリウレタン系絶縁電線用塗料に対して相
溶性が良く、該塗料の導体上への複数回塗布焼付け時に
塗料皮膜中へ溶媒残留を許さないことから、ポリウレタ
ン系絶縁電線用塗料にα- ヒドロキシイソ酪酸およびそ
の誘導体を溶媒として用いることにより安全性、機能性
および耐環境性が確保されることを見出し本発明に到達
した。 【0005】即ち本発明は、ウレタン結合を有する絶縁
電線用塗料において、溶媒として下記の一般式で示され
る1種又は2種以上のα- ヒドロキシイソ酪酸又はその
誘導体を用いることを特徴とする絶縁電線用塗料、 【化2】 〔R1 は水素原子またはCn 2n+1 (n=1〜10)で
表されるアルキル基、R2 は水素原子またはCn 2n+1
(n=1 〜5 )で表わされるアルキル基であり、R1
よびR2 は同一でもまた相異っていてもよい〕、および
該絶縁電線用塗料を導体上に塗布焼付けし、所定の膜厚
の絶縁皮膜を形成せしめてなる絶縁電線である。 【0006】本発明で使用されるウレタン結合を有する
絶縁電線用塗料としては、ポリウレタン系、ポリエステ
ルイミドウレタン系絶縁電線用塗料等が挙げられる。該
塗料の代表例を商品名にて説明すると次の通りである。
ポリウレタン系としては、ウレタン結合をもつ各種のも
のが適用でき、多価マスキングイソシアネート化合物と
ポリエーテル、ポリエステル、エポキシ、ポリウレタン
ポリオール化合物との反応により絶縁皮膜を形成しうる
ものが適用できる。多価マスキングイソシアネート化合
物の具体例としては、コロネート2503、MS-50 、APステ
ープル(日本ポリウレタン工業株式会社商品名)など各
種が挙げられる。ポリオール化合物の具体例としては、
ニッポラン2006(日本ポリウレタン工業株式会社商品
名)、エピコート1007(シェル化学工業株式会社商品
名)、デスモヘン600 、800 、D-70(バイエル社商品
名)など各種のポリオール化合物が挙げられる。ポリエ
ステルイミドウレタン系絶緑電線用塗料はポリオール側
として芳香族ポリイミドの主鎖にエステル結合を導入し
たものに上記の多価マスキングイソシアネートを介した
塗料が使用できる。 【0007】本発明に使用されるα- ヒドロキシイソ酪
酸エステルの誘導体は、次の一般式で表わされる。 【化3】 〔R1 は水素原子またはCn 2n+1 (n=1〜10)で
表されるアルキル基、R2 は水素原子またはCn 2n+1
(n=1 〜5 )で表わされるアルキル基であり、R1
よびR2 は同一でもまた相異っていてもよい〕 α- ヒドロキシイソ酪酸エステルは、例えばアセトンシ
アンヒドリンを水和して得られるα- ヒドロキシイソ酪
酸アミドをギ酸エステルと反応させることにより製造さ
れる(特開平2-193952号、特開平1-290650号) 。なおα
- ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルを脱水することに
よりMMA(メタクリル酸メチル)が得られるので、こ
の新規なMMA製造プロセスが工業化されることによ
り、α- ヒドロキシイソ酪酸メチルエステルはその中間
体として安価に安定して入手できる。 【0008】α- ヒドロキシイソ酪酸の誘導体の例とし
ては、α- ヒドロキシイソ酪酸メチルエステル、α- ヒ
ドロキシイソ酪酸エチルエステル、α- ヒドロキシイソ
酪酸プロピルエステル、α- ヒドロキシイソ酪酸ブチル
エステル、α- ヒドロキシイソ酪酸イソブチルエステ
ル、α- ヒドロキシイソ酪酸ペンチルエステル、α- ヒ
ドロキシイソ酪酸ヘキシルエステルなどのα- ヒドロキ
シイソ酪酸エステル;α- ヒドロキシイソ酪酸メチルエ
ーテル、α- ヒドロキシイソ酪酸エチルエーテルなどの
α- ヒドロキシイソ酪酸エーテルなどが挙げられる。ま
たα- ヒドロキシイソ酪酸の誘導体には、上記のような
1 の置換物のみならず、R2 がアルキル基に置換され
たものなどのα- ヒドロキシイソ酪酸系骨格を有する化
合物も各種適用できる。α- ヒドロキシイソ酪酸または
その誘導体(以下、α- ヒドロキシイソ酪酸系溶媒とも
云う)は、通常、常温にて液状のものが用いられる。 【0009】本発明ではα- ヒドロキシイソ酪酸または
その誘導体の1種または2種以上を使用するが、これら
と他の溶媒とを併用しても良い。すなわちα- ヒドロキ
シイソ酪酸系溶媒は、希釈溶媒としてはもとより、各種
混合系としても用いることができる。併用される他溶媒
としては、フェノール類、ソルベントナフサ#2 タイ
プ、カルビトール類、グリコール類、セロソルブ類等、
一般的に使用されている溶媒が使用できるが、特にキシ
レンが好適に用いられる。α- ヒドロキシイソ酪酸又は
その誘導体の濃度は、全溶媒中少なくとも10重量%であ
る。希釈溶媒は90重量%未満とする理由は、残留溶媒の
量や塗料中の樹脂と溶媒系との相溶性などを考慮したも
のである。 【0010】本発明の絶縁電線用塗料は、通常、導体上
に複数回塗布焼付けして、所定の膜厚の絶縁皮膜を形成
して絶縁電線などに用いられる。本発明の絶縁電線用塗
料は、塗料樹脂と溶媒との相溶性が良く、皮膜中の残留
溶媒が少ないので、密閉型リレーコイルなどにおいて、
安全性、機能性が大幅に向上し、使用環境上の問題も解
消される。 【0011】 【実施例】次に実施例および比較例により本発明を更に
具体的に説明する。但し本発明はこれらの実施例により
制限されるものではない。なお各実施例および比較例に
おける絶縁電線用塗料の焼付け条件、電線特性試験結果
および残留溶媒発生量の測定結果を表1に示す。なお残
留溶媒のフェノール、クレゾールおよびキシレノールは
多価マスキングイソシアネート化合物のマスキング剤と
して使用されているものである。 【0012】実施例1 多価マスキングイソシアネート成分であるMS−50
(日本ポリウレタン社製)235.4g、ポリオール成
分であるニッポラン2006(日本ポリウレタン社製)
134.6g、溶媒成分としてα- ヒドロキシイソ酪酸
メチルエステル(以下、HBMと称する)630.0g
を均一混合し、固形含有量37重量%のポリウレタン系
絶縁電線用塗料を得た。得られた絶縁電線用塗料を0.
2mmφの銅線上に塗布焼付け、絶縁電線を作成し、JI
S−C−3003の規格に準拠して電線特性試験(半田
付試験温度=380℃)を行った。また下記に示す方法
に従い加熱時の皮膜中の残留溶媒発生量を測定した。 【0013】 (加熱時の残留溶媒発生量の測定方法) 1.測定方法 ヘッドスペース法 2.使用機器 ガスクロマトグラフGC−14B(島津製作所社製) ヘッドスペース分析システムHSS-2B(島津製作所社製) 3.試料量 各々の電線4g 4.試料加熱条件 150℃、60分 5.ガスクロマトグラフ分析条件 カラム HR−1701(0.32mmφ−25m) 検出器 FID レンジ 101 温 度 インジェクション 180℃ 検出器 250℃ カラム 45〜165℃(昇温速度=5℃/分) キャリアガス ヘリウム 【0014】実施例2 実施例1において溶媒成分をHBM257.2g、キシ
レン257.2gとした他は、全て同一としたポリウレ
タン系絶縁電線用塗料(固形含有量37重量%)を得
た。得られた絶縁電線用塗料を実施例1と同様に、銅線
上に塗布焼付けて絶縁電線を作成し、電線特性試験を行
い、また加熱時の皮膜中の残留溶媒発生量を測定した。 【0015】実施例3 実施例1において溶媒成分をα−ヒドロキシイソ酪酸エ
チルエステル(以下、HBEと称する)630.0gと
した他は、全て同一としたポリウレタン系絶縁電線用塗
料(固形含有量37重量%)を得た。得られた絶縁電線
用塗料を実施例1と同様に、銅線上に塗布焼付けて絶縁
電線を作成し、電線特性試験を行い、また加熱時の皮膜
中の残留溶媒発生量を測定した。 【0016】実施例4 実施例1において溶媒成分をα−ヒドロキシイソ酪酸プ
ロピルエステル(以下、HBPと称する)630.0g
とした他は、全て同一としたポリウレタン系絶縁電線用
塗料(固形含有量37重量%)を得た。得られた絶縁電
線用塗料を実施例1と同様に、銅線上に塗布焼付けて絶
縁電線を作成し、電線特性試験を行い、また加熱時の皮
膜中の残留溶媒発生量を測定した。 【0017】実施例5 トリメリット酸無水物、4,4`- ジアミノフェニルメタ
ン、イソフタル酸、エチレングリコール、グリセリンを
用いてOH価270mgKOH/g のイミド化合物を合成し、
これにクレゾールを加え固形含有量60%のイミド基含
有ポリエステルポリオール溶液を得た。上記のポリオー
ル成分を289.1g、多価マスキングイソシアネート
成分としてMS−50(日本ポリウレタン社製)を19
6.5g、溶剤成分としてHBM514.4gを均一に
混合し、固形含有量37%のポリエステルイミドウレタ
ン系絶縁電線用塗料を得た。得られた絶縁電線用塗料を
実施例1と同様に、銅線上に塗布焼付けて絶縁電線を作
成し、電線特性試験を行い、加熱時の残留溶媒発生量を
測定した。 【0018】実施例6 実施例3において溶媒成分をHBM257.2g、キシ
レン257.2gとした他は、全て同一としたポリエス
テルイミドウレタン系絶縁電線用塗料(固形含有量37
重量%)を得た。得られた絶縁電線用塗料を実施例1と
同様に、銅線上に塗布焼付けて絶縁電線を作成し、電線
特性試験を行い、加熱時の残留溶媒発生量を測定した。 【0019】比較例1 実施例1において溶媒成分をクレゾール189.0g、
フェノール126.0g、キシレン315.0gとした
他は、全て同一としたポリウレタン系絶縁電線用塗料
(固形含有量37重量%)を得た。得られた絶縁電線用
塗料を実施例1と同様に、銅線上に塗布焼付けて絶縁電
線を作成し、電線特性試験を行い、加熱時の残留溶媒発
生量を測定した。 【0020】比較例2 実施例3において溶媒成分を溶媒成分をクレゾール15
4.3g、フェノール102.9g、キシレン257.
2gとした他は、全て同一としたポリエステルイミドウ
レタン系絶縁電線用塗料(固形含有量37重量%)を得
た。得られた絶縁電線用塗料を実施例1と同様に、銅線
上に塗布焼付けて絶縁電線を作成し、電線特性試験を行
い、加熱時の残留溶媒発生量を測定した。 【0021】 【表1】【0022】 【発明の効果】以上の実施例より明らかなように、本発
明の絶縁電線用塗料を用いた場合には、塗料樹脂と溶媒
との相溶性が良く、皮膜中の残留溶媒量が少ないので、
密閉型リレーコイルなどにおいて、安全性、機能性が大
幅に向上される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小石川 勇 茨城県新治郡千代田町上稲吉2044−6 オ ート化学工業株式会社内 (72)発明者 近藤 琴美 茨城県新治郡千代田町上稲吉2044−6 オ ート化学工業株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1 】ウレタン結合を有する絶縁電線用塗料にお
    いて、溶媒として下記の一般式で示される1種又は2種
    以上のα- ヒドロキシイソ酪酸又はその誘導体を用いる
    ことを特徴とする絶縁電線用塗料。 【化1】 〔R1 は水素原子またはCn 2n+1 (n=1〜10)で
    表されるアルキル基、R2 は水素原子またはCn 2n+1
    (n=1 〜5 )で表わされるアルキル基であり、R1
    よびR2 は同一でもまた相異っていてもよい〕。 【請求項2 】全溶媒中α- ヒドロキシイソ酪酸又はその
    誘導体を少なくとも10重量%用いる請求項1記載の絶縁
    電線用塗料。 【請求項3 】請求項1に記載の絶縁電線用塗料を導体上
    に塗布焼付けし、所定の膜厚の絶縁皮膜を形成せしめて
    なる絶縁電線。
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