JPH0841251A - ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物

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JPH0841251A
JPH0841251A JP17806094A JP17806094A JPH0841251A JP H0841251 A JPH0841251 A JP H0841251A JP 17806094 A JP17806094 A JP 17806094A JP 17806094 A JP17806094 A JP 17806094A JP H0841251 A JPH0841251 A JP H0841251A
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ethylene
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polyolefin resin
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Kazuaki Kihara
和明 木原
Yasushi Azuma
泰 東
Koji Tsujita
康治 辻田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候剤の添加量が少なくても光安定効果が大
きく、かつ金型を汚さず、成形時のブリードアウトが少
ない、塗装性に優れた成形品を得ることができる品質に
優れたポリオレフィン樹脂組成物を提供すること。 【構成】 (A)ポリオレフィン、(B)ムーニー粘度
ML1+4(100℃)が50以下のα−オレフィン系
共重合体エラストマー、および(A)成分及び(B)成
分の合計100重量部に対して、(C)酸化防止剤及び
(D)(a)フェニルベンゾエイト系化合物と(b)ヒ
ンダードピペリジン系化合物とからなる耐候剤の特定量
を配合してなるポリオレフィン樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリオレフィン樹脂組
成物に関する。さらに詳しくは、耐候剤の添加量が少な
くても光安定効果が大きく、かつ金型を汚さず、成形時
のブリードアウトが少ない、塗装性に優れた成形品を得
ることができる品質に優れたポリオレフィン樹脂組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、バンパー,フェンダー,モール等
の自動車の外装材には、ポリプロピレン(PP)/エチ
レン−プロピレン共重合体エラストマー(EPR)の樹
脂組成物が用いられている。ポリプロピレンは、分子内
に極性基を持たず、化学的に不活性であって極めて塗装
性に劣る。このため、このような樹脂組成物からなるバ
ンパーの塗装には、トリクロロエタン等による脱脂、エ
ッチングが不可欠である。また、自動車バンパーに限ら
ず、ポリプロピレン系複合材料の塗装には、その実用的
な塗装強度を発現させるために、前処理としてトリクロ
ロエタンでエッチング処理することが一般的であった
(山本昭作,内田幹雄共著、実務表面技術、31(1
0),440(1984)参照)。しかし、トリクロロ
エタンはオゾン層破壊等の環境破壊の要因となってお
り、トリクロロエタン等の含ハロゲン系有機溶剤の前処
理を必要としない樹脂組成物の開発が要望されている。
同時に、ポリプロピレンを代表とするポリオレフィンを
用いて成形して得られるバンパー,フェンダー,モール
等の自動車の外装材は、屋外で使用されるために、紫外
線の作用によって容易に劣化し、光安定性に欠ける問題
を有する。このために、種々の耐候剤が開発され、それ
らを適宜組み合わせて配合した樹脂組成物が開発されて
いる。
【0003】従来のPP/EPRの樹脂組成物は、物性
バランス向上のため、EPRとしては、高分子量タイプ
が多く、一般的な耐候処方で充分な耐候性が得られてい
た。例えば、特公昭63−6100号公報には、耐候剤
として、(1) ベンゾトリアゾール系化合物、(2) ヘテロ
サイクリックヒンダードアミン系化合物及び(3) フェニ
ルベンゾエイト系化合物又はニッケル錯塩系化合物を配
合したポリオレフィン組成物が開示されている。しがし
ながら、この開示技術においては、各種耐候剤を使用
し、組成仕様が複雑であり、また、その使用量が比較的
に多くなっており、その上、塗装に先立つトリクロロエ
タンの前処理の解消には何等触れられていない。また、
特公平3−265638号公報には、光安定材として、
ヒンダードフェノール系化合物とヒンダードピペリジン
系化合物を用いることが開示されている。しかし、ここ
に開示されている技術は、樹脂として、エチレン含有量
が45〜95重量%のα−オレフィン系共重合体に無機
充填剤を配合した際の光安定性だけを指向したポリプロ
ピレン樹脂組成物に関するものである。そして、前記同
様に、この開示技術にも、塗装に先立つトリクロロエタ
ンの前処理の解消には何等触れられていない。そして、
トリクロロエタン洗浄なしでも塗膜密着できる仕様とし
て、例えば、極性基含有低分子量ポリマーを配合した
り、あるいは、低分子量化したEPRを用い、かつ増量
したものが検討されている。しかし、従来の耐候処方で
は、耐候性が50〜70%に低下し、また、ブリードア
ウトが激しくなったり、さらに、カーボンブラックで着
色した着色品では、外観不良となったりして、なお問題
を残している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等
は、上記事情をもとに、耐候性に優れるとともに、トリ
クロロエタン等の含ハロゲン系有機溶剤で前処理するこ
となく、脱脂後直ちに塗装を可能とするポリオレフィン
樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた。その結果、
特定のα−オレフィン系共重合体を用い、耐候剤とし
て、ベンゾエート系耐候剤とヒンダードアミン系耐候剤
とを組み合わせ、配合比率を特定して用いることによっ
て、その使用量が少なくても光安定性に優れるととも
に、ブリードアウトも防止でき、かつトリクロロエタン
等の含ハロゲン系有機溶剤の前処理することなく塗装が
できるポリオレフィン樹脂組成物を見出した。本発明は
かかる知見に基いて完成したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(A)ポリオレフィン60〜95重量%、(B)ムーニ
ー粘度ML1+4(100℃)が50以下であるα−オ
レフィン系共重合体エラストマー40〜5重量%、およ
び(A)成分及び(B)成分の合計100重量部に対し
て、(C)酸化防止剤0.05〜0.3重量部及び(D)
(a)フェニルベンゾエイト系化合物と(b)ヒンダー
ドピペリジン系化合物とが、重量比で0.2〜3からなる
耐候剤0.1〜0.4重量部を配合してなるポリオレフィン
樹脂組成物を提供するものである。
【0006】先ず、本発明のポリオレフィン樹脂組成物
を構成する(A)成分のポリオレフィンとしては、特に
制限はなく、重合触媒の存在下に、オレフィンを重合さ
せて得られるものである。上記オレフィンの種類につい
ては、特に制限はない。例えば、炭素数2〜18の直鎖
状又は分岐状モノオレフィン、あるいは芳香核で置換さ
れたα−オレフィンなどがある。このようなα−オレフ
ィンの具体例としては、エチレン,プロピレン,ブテン
−1,ヘキセン−1,オクテン−1,ノネン−1,デセ
ン−1,ウンデセン−1,ドデセン−1などの直鎖状モ
ノオレフィン、3−メチルブテン−1;3−メチルペン
テン−1;4−メチルペンテン−1;2−エチルヘキセ
ン−1;2,2,4−トリメチルペンテン−1などの分
岐鎖モノオレフィン,さらには、スチレンなどの芳香核
で置換されたモノオレフィンを挙げることができる。上
記オレフィンを重合して得られるポリオレフィンのなか
では、ポリプロピレン(PP)が好ましく用いられる。
ここで、好ましく用いられるPPとしては、例えば、結
晶性を有するアイソタクチックプロピレン単独重合体,
エチレン単位の含有量の少ないエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体,プロピレン単独重合体からなるホモ部
とエチレン単位の含有量の比較的多いエチレン−プロピ
レンランダム共重合体からなる共重合部とから構成され
たプロピレンブロック共重合体,前記プロピレンブロッ
ク共重合体における各ホモ部または共重合部がさらにブ
テン−1などのα−オレフィンを共重合したものからな
る結晶性のプロピレン−エチレン−α−オレフィン共重
合体等が挙げられる。ここで、エチレンを含む共重合体
では、通常、エチレン含有量が0.2〜20重量%の、好
ましくは0.4〜15重量%のものが用いられる。これら
PPをはじめとするオレフィンのメルトインデックス
(MI:230℃,2.16kg荷重)は、特に限定され
ないが、通常、10〜〜100g/10分、好ましくは
10〜50g/10分のものが用いられる。
【0007】次に、本発明の樹脂組成物を構成する
(B)成分のムーニー粘度ML1+4が50以下のα−
オレフィン共重合体エラストマーは、例えば、エチレン
とプロピレン,エチレンと1−ブテン,エチレンと1−
ヘキセンなどのエチレンとα−オレフィンとの共重合
体、あるいはこれらと非共役ジエンとの共重合体等が挙
げられる。ここで、上記非共役ジエンの具体例として
は、ジシクロペンタジエン;1,4−ヘキサジエン;シ
クロオクタジエン;ジシクロオクタジエン;メチレンノ
ルボルネン;5−エチリデン−2−ノルボルネン;5−
ビニル−2−ノルボルネン;5−メチレン−2−ノルボ
ルネン;5−メチル−1,4−ヘキサジエン;7−メチ
ル−1,6−オクタジエン等を挙げることができる。そ
して、上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体エラ
ストマーにおいて、エチレンの含有量は、通常20〜8
0重量%、好ましくは30〜75重量%である。本発明
において、これらのα−オレフィン共重合体エラストマ
ーは、ムーニー粘度ML1+4(100℃)が、50以
下、好ましくは40以下のものが用いられる。ムーニー
粘度が50を超えると、塗装の際に、トリクロロエタン
等の含ハロゲン系有機溶剤の前処理が必要となり、本発
明の目的に沿わなくなる。
【0008】前記エチレン−α−オレフィン共重合体エ
ラストマーの具体例としては、エチレン−プロピレン共
重合体エラストマー(EPM),エチレン−1−ブテン
共重合体エラストマー(EBM),エチレン−プロピレ
ン−1−ブテン共重合体エラストマー,エチレン−プロ
ピレン−非共役ジエン共重合体エラストマー(EPD
M),エチレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合体エ
ラストマー,エチレン−プロピレン−1−ブテン−非共
役ジエン共重合体エラストマー等がある。特に好ましい
ものとして、エチレン−プロピレン共重合体エラストマ
ー,エチレン−プロピレン−非共役ジエン三元共重合体
エラストマー,エチレン−プロピレン−ブテン−1共重
合体エラストマーが挙げられる。上記エチレン−α−オ
レフィン共重合体エラストマーの中で特に好ましいエチ
レン−プロピレン共重合体エラストマーは、エチレン含
量が30〜75重量%、ムーニー粘度ML1+4(10
0℃)が50以下、特に40以下のものが好ましく用い
られる。また、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重
合エラストマーは、プロピレン及びブテン−1の含有量
が、全体の20〜60重量%で、かつ、ムーニー粘度M
L1+4(100℃)が50以下、特に40以下のもの
が好ましく用いられる。ここで、各成分の含量は、赤外
スペクトル分析法や核磁気共鳴法の常法などにより測定
される値である。
【0009】本発明の樹脂組成物において、樹脂成分は
前記(A)成分及び(B)成分からなり、それらの配合
割合は、(A)成分であるポリオレフィン60〜95重
量%、好ましくは60〜90重量%及び(B)成分であ
るα−オレフィン系共重合体エラストマー40〜5重量
%、好ましくは40〜10重量%である。ここで、
(A)成分の配合量が60重量%未満では、得られる樹
脂組成物の剛性等の物性が低下し、逆に95重量%を超
えると、高い塗装密着性が得られないおそれがある。ま
た、(B)成分の配合量が5重量%未満では、得られる
樹脂組成物に充分な塗装性を付与できず、逆に40重量
%を超えると、剛性等の物性が低下するおそれがある。
【0010】本発明の樹脂組成物は、前記配合割合から
なる(A)成分及び(B)成分の100重量部に対し
て、(C)成分として酸化防止剤、及び(D)成分とし
て(a)フェニルベンゾエイト系化合物と(b)ヒンダ
ードピペリジン系化合物とからなる耐候剤を特定割合で
配合することによって得られる。上記(C)成分の酸化
防止剤としては、特に限定されず、様々なものがあり、
ポリオレフィンに通常使用されているものでよい。例え
ば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2,
6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール;1,1,
3−トリ(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン;テトラキス〔メチレン(3,5−
ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロケイ皮酸エステ
ル)〕メタン;n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロ
キシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオ
ネート;1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン;トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)イネシアヌレートなどが挙げられ
る。また、チオエステル系酸化防止剤としては、ジラウ
リル−チオ−ジプロピオネート,ジステアリル−チオ−
ジプロピオネート,ラウリルステアリル−チオ−ジプロ
ピオネート,ジミリスチル−チオ−ジプロピオネート,
テトラキス(メチレン−3−ドデシル−チオ−ジプロピ
オネート)メタンなどが挙げられる。これらの酸化防止
剤は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用い
てもよい。ここで、(C)成分の酸化防止剤は、前記配
合割合からなる(A)成分及び(B)成分の100重量
部に対して、0.05〜0.3重量部、好ましくは0.05〜
0.2重量部の割合で配合される。
【0011】そして、本発明においては、(D)成分の
耐候剤として、特に、(a)フェニルベンゾエイト系化
合物と(b)ヒンダードピペリジン系化合物とを併用
し、それぞれを特定の割合で配合し、その配合量を比較
的少なくすることを大きな特徴とする。ここで、(a)
成分のフェニルベンゾエイト系化合物としては、様々な
ものがある。例えば、サリチル酸フェニル;サリチル酸
p−オクチルフェニル;サリチル酸p−ブチルフェニ
ル;レゾルシノールモノベンゾエート;2,4−ジ−t
−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチルフェニル−
4−ヒドロキシベンゾエート;4−オクチルフェニル−
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート
などが挙げられる。上記フェニルベンゾエイト系化合物
の中では、特に、式(I)
【0012】
【化3】
【0013】で表される2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル−3,5−ジ−t−ブチルフェニル−4−ヒドロキシ
ベンゾエートが好ましく用いられる。一方、(b)成分
のヒンダードピペリジン系化合物としては、様々なもの
がある。例えば、ジ−(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジル)セバケート;4−ベンゾイルオキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;コハク酸
とN−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとの縮合物;
1,2,3,4−テトラ(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)−ブタンテトラカルボキシレー
ト;1,4−ジ−(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル)−2,3−ブタンジオール;トリス−
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ト
リメリテート;1,2,2,6,6−ペンタメチル−4
−ピペリジルステアレート;1,2,2,6,6−ペン
タメチル−4−ピペリジルn−オクトエート;ビス−
(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)セバケート;トリス(2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリジル)−ニトリルアセテート;4−ヒド
ロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4
−ヒドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペ
リジンなどが挙げられる。これらの中では、式(II)
【0014】
【化4】
【0015】で表されるジ−(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)セバケートが好ましく用いら
れる。
【0016】本発明において、(D)成分の耐候剤は、
前記(a)成分と(b)成分とが、重量比で0.2〜3、
好ましくは0.2〜2からなり、前述した(A)成分及び
(B)成分の100重量部に対して、0.1〜0.4重量
部、好ましくは0.1〜0.3重量部の割合で配合される。
(a)成分と(b)成分との重量比が0.2未満では、満
足する耐候性が得られず、またブリードアウトも多くな
るおそれがあり、また、3を超えると、耐候性の相剰効
果がなくなるという不都合が生じ好ましくない。そし
て、上記配合比からなる(a)成分と(b)成分の配合
量が0.1重量部未満では、充分な光安定効果が得られな
いおそれがあり、また、0.4重量部を超えると、配合量
の割りには光安定効果が得られず、この配合量を超えて
まで配合する必要はない。
【0017】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前
記の各成分(A),(B),(C)及び(D)からな
り、その他に、必要に応じて、(E)成分として、各種
の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で配合する
ことができる。例えば、塗装性改質剤を前記配合割合か
らなる(A)成分及び(B)成分の樹脂成分100重量
部に対して、塗装性改質剤を0〜10重量部の割合で配
合することができる。この塗装性改質剤としては、様々
なものがあり、特に限定されないが、通常、一分子中に
2個以上の水酸基,カルボキシル基,アミノ基あるいは
エポキシ基の一種以上を含む数平均分子量が3,000〜
6,000の低分子量のポリマーを用いることができる。
例えば、極性基含有ビニル化合物の単独重合体,共重合
体,グラフト重合体や例えば、ポリプロピレンの熱分解
によって末端に二重結合を導入し、極性基含有ビニル化
合物を付加反応によって製造される生成物、あるいはジ
エン化合物の重合体で末端に極性基を有するものを水素
添加して得られる生成物などがある。具体的には、例え
ば、無水マレイン酸変性ポリプロピレン〔三洋化成
(株)製,商品名:ユーメックス1010〕、水酸基含
有水添ポリブタジエン〔三菱化成(株)製,商品名:ポ
リテールH〕、水酸基含有無水マレイン酸変性ポリプロ
ピレン〔三洋化成(株)製,商品名:ユーメックス12
10〕などが挙げられる。
【0018】また、前記組成物に対して、各種無機充填
剤を0〜20重量%の割合で含有することもできる。上
記無機充填剤としては、様々なものがあり、特に限定さ
れないが、例えば、タルク,マイカ,炭酸カルシウム,
硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸マグネシウム,酸
化チタン,水酸化マグネシウム,水酸化カルシウム,亜
硫酸カルシウム,硫酸ソーダ,アスベスト,ゼオライ
ト,モリブデン,セリサイト,シラス,ベントナイト,
黒鉛などが挙げられる。これらの中では、成形性,塗装
性,低温耐衝撃性などの向上効果から、タルク,マイ
カ,炭酸カルシウム,ガラス繊維が好ましく用いられ
る。特に、タルクを2〜20重量%、好ましくは3〜1
5重量%で含有させる。
【0019】そして、前記組成物に対して、各種着色剤
を0.05〜10重量%の割合で含有することもできる。
上記着色剤としては、様々なものがあり、特に限定され
ず、ポリオレフィイの着色に通常用いられているもので
よい。例えば、カーボンブラック,チタン黄,ハンザイ
エロー,ベンジジンイエロー,黄色酸化鉄,ベンガラ,
チオインジゴレッド,パーマネントレッド,ジオキジン
バイオレット,マンガン紫,フタロシアニンブルー,群
青,フタロシアニングリーン,キノフタロンイエロー,
ペリノンオレンジ,キナクリドンレッド,キナクリドン
スカーレット,ペリレンレッド,ジオキサジンバイオレ
ット,インダンスロンブルー,酸化チタンなどが挙げら
れる。その他、耐熱安定剤,帯電防止剤,滑剤,スリッ
プ剤,核剤,難燃剤等も添加することができる。
【0020】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、前
記の各成分(A),(B),(C)及び(D)の他に、
必要に応じて、(E)成分を配合し、従来のポリプロピ
レン樹脂組成物の製造方法と同様に混練することにより
得ることができる。該配合及び混練は、通常用いられて
いる方法、例えば、従来から公知のニーダ,ロール,バ
ンバリーミキサー等の混合機、一軸又は二軸押出機等を
用いることによって行うことができる。
【0021】前記した本発明のポリオレフィン樹脂組成
物は、すべて特に制限されることなく所望の成形品に使
用することができる。特に、自動車用バンパー,フェン
ダー、さらには従来ポリ塩化ビニル(PVC)が用いら
れていたモール成形品を本発明のポリオレフィン樹脂組
成物を用いて成形すると、成形時のブリードアウトが少
なく、また、金型を汚さず、光安定性に優れた成形品を
得ることができるとともに、トリクロロエタンなどの前
処理をしなくても塗装性の優れた成形品が得られる。
【0022】前記の自動車用各種成形品を得る手段とし
ては、一般に射出成形や中空成形が用いられる。本発明
のポリプロピレン樹脂組成物から自動車用各種成形品を
得るには、これらの方法にて成形を行うことは勿論可能
であるが、特に好適な方法としては、良好な表面外観、
寸法安定性、軽量性等の理由からガスインジェクション
(GIM)成形方法が用いられる。GIM成形方法とし
ては、金型のキャビティー内に溶融樹脂を充填した後、
さらに、加圧ガスを注入し、前記の溶融樹脂内部に中空
部分を作ることができるものであれば、特に限定される
ものではない。好ましい成形方法としては、金型の前記
ガス注入口から末端に向かって連続して肉厚を厚くした
ガスチャネル案内部を設けておき、ガス注入後の中空部
分がこのガスチャネルに限定されることが望ましい。注
入口から末端部まで、肉厚部が連続して存在しない場
合、加圧ガスによる樹脂の流動が不十分となるし、成形
品の剛性が低下する。加圧ガスが肉厚部分以外に入る
と、その部分の成形品の強度が低下する。
【0023】
【実施例】更に、実施例及び比較例により本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例において、
次の材料を用いた。 A.ポリオレフィン樹脂 A1 :エチレン−プロピレンブロック共重合体〔MI=
30g/10分(230℃,2,160g荷重);エチレ
ン含量8重量%、J−3054H,出光石油化学(株)
製〕 A2 :エチレン−プロピレンブロック共重合体〔MI=
40g/10分(230℃,2,160g荷重);エチレ
ン含量6重量%、J−3080H,出光石油化学(株)
製〕 A3 :エチレン−プロピレンブロック共重合体〔MI=
40g/10分(230℃,2,160g荷重);エチレ
ン含量8重量%、J−4060HP,出光石油化学
(株)製〕 B.α−オレフィン系共重合体エラストマー EPR1 :エチレン−プロピレン共重合エラストマー
〔エチレン含量70重量%,ML1+4(100℃)3
0、P0480,三井石油化学(株)製〕 EPR2 :エチレン−プロピレン共重合エラストマー
〔エチレン含量70重量%,ML1+4(100℃)2
5、EP02P,日本合成ゴム(株)製〕 EPR3 :エチレン−プロピレン共重合エラストマー
〔エチレン含量70重量%,ML1+4(100℃)6
0、P0680,三井石油化学(株)製〕 C.酸化防止剤 C1 : イルガノックス1010〔チバ・ガイギー社
製〕 C2 : イルガノックス1076〔チバ・ガイギー社
製〕 D.耐候剤 a1 : チヌビン120〔チバ・ガイギー社製〕 a2 : チヌビン326〔チバ・ガイギー社製〕 b : サノールLS770〔三共(株)製〕 タルク: 浅田タルク FFR〔浅田製粉(株)製〕 クレー: MCハードクレー〔丸尾カルシウム(株)
製〕 カーボンブラック: MA100〔三菱化成(株)製〕 改質剤:水酸基含有無水マレイン酸変性ポリプロピレン ユーメックス1210〔数平均分子量3,300,三洋化
成(株)製〕
【0024】実施例1,2及び比較例1〜3 各成分を第1表に示す配合割合で配合し、混練押出機
〔NVC−50φ,ナカタニ工機(株)製〕によって混
練し、樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を射
出成形機〔IS90B,東芝機械(株)製〕を用い、2
20℃の成形温度、45℃の金型温度で射出成形して試
験片を作製した。得られた試験片については、その品質
評価として、クラック発生時間の測定及びブリードテス
トを実施した。その結果を第2表に示す。なお、成分組
成について、(A),(B)及びタルクの配合量は、そ
れぞれ重量%で、その他の成分は、それぞれ重量部で示
した。そして、クラック発生時間の測定及びブリードテ
ストは、次に従った。 1)クラック発生時間(耐候性) 50×40×3mmの射出成形試験片について、サンシ
ャインウェザーメーター(ブラックパネル温度:83
℃,スプレー/ドライサイクル:18分/120分)に
て促進耐候試験を行い、その表面にクラック等の外観異
常が発生するまでの時間を測定した。 2)ブリードテスト 射出成形品を30℃の恒温室に入れ、1週間状態調節し
た後の表面状態を目視及び触感により判定した。 判定方法 ○ :ブリードなし、かつ表面のぬるぬる感がない。 △ :ブリード若干あるが、ぬるぬる感はない。 × :ブリードあり、かつ表面がぬるぬるする。 ×× :表面に白く粉をふく。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】実施例3〜5及び比較例4,5 実施例1において、各成分を第3表に示す配合割合で配
合したこと以外は、実施例1と同様にして実施した。そ
の結果を第4表に示す。なお、成分組成について、
(A)及び(B)の配合量は、それぞれ重量%で、その
他の成分は、それぞれ重量部で示した。そして、ΔE
は、得られた試験片について、色度を日本電色(株)製
の色差計でL,a,bを測定し、これを初期値とする。
次に、サンシャインウェザーメーター(ブラックパネル
温度:63℃,スプレー/ドライサイクル:12分/6
0分)で2,000時間照射した後、同様に色度を測定
し、L’,a’,b’として、次式によりΔEを算出し
た。 ΔE=〔(L−L')2 +(a−a')2 +(b−b')2 1/2 ブリードテストは、前記と同様にして実施した。そし
て、全サンプルともに、上記色度測定において、サンシ
ャインウェザーメーターで2,000時間照射した後、ク
ラックは認められなかった。
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】実施例6及び比較例7,8 実施例1において、各成分を第5表に示す配合割合で配
合したこと以外は、実施例1と同様にして実施した。そ
の結果を第6表に示す。なお、成分組成について、
(A),(B),タルク及び改質剤の配合量は、それぞ
れ重量%で、その他の成分は、それぞれ重量部で示し
た。そして、ΔE及びブリードテストは、前記と同様に
して実施した。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【発明の効果】以上、本発明のポリオレフィン樹脂組成
物は、成形時のブリードアウトが少なく、該樹脂組成物
から得られる成形物は、トリクロロエタンのような含ハ
ロゲン系の有機溶剤で前処理することなく、脱脂後直ち
に塗装を行うことができ、品質に優れたものである。し
たがって、本発明のポリオレフィン樹脂組成物は、バン
パー,フェンダー,モール成形品等の自動車の外装材と
して有効に利用することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリオレフィン60〜95重量
    %、(B)ムーニー粘度ML1+4(100℃)が50
    以下のα−オレフィン系共重合体エラストマー40〜5
    重量%、および(A)成分及び(B)成分の合計100
    重量部に対して、(C)酸化防止剤0.05〜0.3重量部
    及び(D)(a)フェニルベンゾエイト系化合物と
    (b)ヒンダードピペリジン系化合物とが、重量比で0.
    2〜3からなる耐候剤0.1〜0.4重量部を配合してなる
    ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 タルク2.0〜20重量%を含む請求項1
    記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 着色剤0.05〜10重量%を含む請求項
    1または2記載のポリオレフィン樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 フェニルベンゾエイト系化合物が、式
    (I) 【化1】 で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載
    のポリオレフィン樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ヒンダードピペリジン系化合物が、式
    (II) 【化2】 で表される化合物である請求項1〜3のいずれかに記載
    のポリオレフィン樹脂組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09227759A (ja) * 1996-02-22 1997-09-02 Mitsubishi Chem Corp 金型汚染性の改良された熱可塑性樹脂組成物
JP2000001597A (ja) * 1998-06-15 2000-01-07 Idemitsu Petrochem Co Ltd 着色用カーボンブラック含有マスターバッチ及びそれを用いたポリプロピレン系樹脂組成物
JP2021024955A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 株式会社プライムポリマー フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物及び自動車外装用部品

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JP2021024955A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 株式会社プライムポリマー フィラー含有ポリプロピレン系樹脂組成物及び自動車外装用部品

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